JP4126317B2 - ガス化溶融システムの運転制御方法及び該システム - Google Patents

ガス化溶融システムの運転制御方法及び該システム Download PDF

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本発明は、廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させ、該熱分解ガスの燃焼熱で灰分を溶融するガス化溶融システムに関し、特に、廃棄物の投入量や発熱量に変動がある場合であっても流動床ガス化炉の流動層温度を適正に維持でき、安定的な燃焼を可能としたガス化溶融システムの運転制御方法及び該システムに関する。
従来より、都市ごみを始めとして不燃ごみ、焼却残渣、汚泥、埋立ごみ等の廃棄物まで幅広く処理できる技術としてガス化溶融システムが知られている。
ガス化溶融システムの概略を図6に示す。ガス化溶融システムは、熱分解してガス化するガス化炉3と、該ガス化炉3にて生成された熱分解ガスを高温燃焼し、ガス中の灰分を溶融スラグ化する溶融炉6と、該溶融炉6の排ガスが導入され、排ガス中の未燃分を燃焼する二次燃焼室12と、減温塔14、除塵装置15、蒸気式加熱器16、触媒反応装置17等からなる排ガス処理設備とを備えている。廃棄物の資源化、減容化及び無害化を図るために、溶融炉6からスラグを取り出して路盤材等の土木資材として再利用したり、二次燃焼室12の高温排ガスからボイラ部13にて廃熱を回収して発電を行うなどしている。
ガス化炉には流動床ガス化炉3が多く用いられている。流動床ガス化炉3は、炉底から燃焼空気を供給して流動媒体を流動化させた流動層20が形成され、該流動層内に投入した廃棄物を部分燃焼させ、該燃焼熱により高温に維持される流動層20内で廃棄物を熱分解する。流動床ガス化炉3で発生したCO、H等の可燃ガス、チャー(炭化物)、灰分を含む熱分解ガスは、熱分解ガスダクト25を介して旋回溶融炉6に供給される。旋回溶融炉6では、可燃ガスを燃焼させた燃焼熱により灰分を溶融する。そこで旋回溶融炉6には、燃焼を促進するための燃焼空気が供給されるとともに、炉内温度を維持するための種火バーナ26、補助燃料バーナ27が設置される。
旋回溶融炉6の上方には二次燃焼室12が連結されており、溶融炉にて発生した排ガス中の未燃分を燃焼する。二次燃焼室12にも同様に燃焼空気が供給されるとともに、補助燃料バーナ32が設置されている。
このようなガス化溶融システムでは、廃棄物を処理対象とした場合、廃棄物の投入量や発熱量の変動により燃焼が不安定となり、流動床ガス化炉の流動層温度が変動してしまうという問題があった。流動層温度の変動が著しいと、熱分解が適正に行われなかったり流動が不安定化してしまう惧れがある。
そこで、特許文献1(特開2002−168425号公報)では、流動層温度を燃焼空気の温度と酸素濃度を調整することにより制御する方法が提案されている。
また、特許文献2(特開2004−132667号公報)では、燃焼空気を酸素濃度の高い空気と窒素濃度の高い空気とに分離し、高窒素濃度空気を流動床ガス化炉に導入して高酸素濃度空気を溶融炉に導入する構成を開示している。このとき、流動層温度低下の場合は、流動床ガス化炉へ高酸素濃度空気の一部を導入して部分燃焼を活発化させ、流動層温度を制御するようにしている。
また、流動床ガス化炉とともに溶融炉温度を安定化させる制御方法として、特許文献3(特開2001−182925号公報)では、流動層温度を流動用空気量にて制御し、溶融炉温度をごみ供給量操作により制御し、さらにごみ供給量操作による流動層温度への干渉を相殺する構成が開示されている。
特開2002−168425号公報 特開2004−132667号公報 特開2001−182925号公報
上記したように、ガス化溶融システムにおいては廃棄物の投入量や発熱量の変動により燃焼が不安定となり、流動床ガス化炉の流動層温度が変動し、熱分解や流動化に影響を及ぼすことがあった。さらに、流動床ガス化炉において燃焼が不安定となると、後段の溶融炉側に流入する熱分解ガスの発熱量が変動するため溶融炉温度を適正に保つことが困難となるとともに、二次燃焼室から排出される排ガスのCO濃度が高くなるという問題もあった。
特許文献1及び2では流動層温度の変動に応じて燃焼空気の空気比を制御する構成を提案しているが、空気比の制御のみでは流動層温度制御に限界があり、廃棄物の投入量、発熱量の著しい変動についていけない場合がある。
一方、特許文献3では、流動層温度制御を燃焼空気量により、且つ溶融炉温度をごみ供給量により制御する構成としているが、溶融炉温度を維持するため頻繁にごみ供給量を変化させることはシステム全体の入熱量やごみ処理量が常時変動することとなるため、システム全体の安定化の観点からは好ましくない。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、廃棄物の投入量や発熱量の変動に対応して各状況に応じた適切な制御を行うことができ、流動層温度を安定化して適性な燃焼状態を維持することができるガス化溶融システムの運転制御方法及び該システムを提案することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、流動床ガス化炉にて廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させ、該熱分解ガスが導入された溶融炉にて該熱分解ガスの燃焼熱により灰分を溶融するガス化溶融システムの運転制御方法において、
前記流動床ガス化炉の流動層温度を検出し、該流動層温度の正常範囲を超える第1の温度域にて前記流動床ガス化炉への燃焼空気供給量を制御し、該第1の温度域を超える第2の温度域にて前記流動床ガス化炉への廃棄物投入量を制御することを特徴とする。
このとき、前記廃棄物投入量は前記第2の温度域内で段階的に制御されることが好ましい。
本発明によれば、流動層温度の変動幅が小さい第1の温度域では、燃焼空気供給量を制御することにより流動層温度の回復を図り、変動幅が大きい第2の温度域では、廃棄物投入量を制御することにより効果的に流動層温度の回復を図るようにしている。このように、温度域によって燃焼空気供給量の制御と廃棄物投入量の制御を使い分けることにより、他の制御要素に殆ど影響を及ぼすことなく広い温度変動幅にも対応した制御を行うことができ、流動層温度を安定化することが可能となる。
また、前記流動層温度が回復した場合に燃焼空気供給量と廃棄物投入量を重複して復帰し、好適には前記廃棄物投入量は、前記燃焼空気供給量から時間ずれさせて復帰させることを特徴とする。
このように、燃焼空気供給量と廃棄物投入量を時間ずれさせて重複復帰させることにより、急激な温度変化を防止し、安定した制御が可能となる。
さらにまた、前記溶融炉の後流側の排ガス中酸素濃度を検出し、該検出値に基づき前記溶融炉への燃焼空気供給量を制御することを特徴とする。
このように、排ガス中の酸素濃度に基づいて旋回溶融炉へ供給する燃焼空気量を制御することにより、前段側の流動床ガス化炉にて燃焼空気量制御や廃棄物投入量制御を行っても溶融炉側では適正な燃焼を行うことができ、安定運転が可能となるとともに排ガスのCO濃度低減が図れる。
また、廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させる流動床ガス化炉と、該熱分解ガスの燃焼熱により灰分を溶融する溶融炉とからなるガス化溶融システムにおいて、
前記流動床ガス化炉の流動層温度を検出する温度センサと、
前記流動床ガス化炉への燃焼空気供給量を制御する空気量制御手段と、廃棄物投入量を制御する廃棄物投入量制御手段と、
前記流動層温度の正常範囲を超える第1の温度域と、該第1の温度域を超える第2の温度域とが予め設定され、前記第1の温度域にて前記空気量制御手段を制御し、前記第2の温度域にて前記廃棄物投入量制御手段を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
さらに、前記制御装置は、前記流動層温度が回復した場合に燃焼空気供給量と廃棄物投入量を重複して復帰することを特徴とする。
さらにまた、前記溶融炉の後流側の排ガス中酸素濃度を検出するO濃度センサを設け、該O濃度センサの検出値に基づき前記溶融炉への燃焼空気供給量を制御することを特徴とする。
以上記載のごとく本発明によれば、廃棄物の投入量や発熱量の変動があった場合でも流動層温度を適性に維持し、安定した燃焼を行うことが可能となる。
流動層温度の変動幅が小さい第1の温度域では流動床ガス化炉の燃焼空気供給量を制御し、変動幅が大きい第2の温度域では、廃棄物投入量を制御することにより効果的に流動層温度の回復を図るようにしている。これにより、他の制御要素に殆ど影響を及ぼすことなく広い温度変動幅にも対応した制御を行うことができ、流動層温度を安定化することが可能となる。
また、排ガス中の酸素濃度に基づいて旋回溶融炉へ供給する燃焼空気供給量を制御することにより、前段側の流動床ガス化炉にて燃焼空気量制御や廃棄物投入量制御を行っても溶融炉側では適正な燃焼を行うことができ、安定運転が可能となるとともに排ガス中のCO濃度低減が図れる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例に係るガス化溶融システムの全体構成図、図2は図1のガス化溶融システムにおける制御を説明する図で、(a)は燃焼空気量を制御する場合、(b)は給じん量を制御する場合を示し、図3は図2における燃焼空気量制御と給じん量制御の関係を示す図、図4は第1の温度域での燃焼空気量の制御フローを示す図、図5は第2の温度域での給じん量の制御フローを示す図である。
図1を参照して、本実施例に係るガス化溶融システムの全体構成を説明する。
廃棄物投入ホッパ1から投入された廃棄物40は、必要に応じて破砕、乾燥された後に給じん機2を介して流動床式ガス化炉3へ定量供給される。流動床ガス化炉3では、温度約120〜230℃、空気比0.2〜0.7程度の燃焼空気41が炉下部から風箱4を介して炉内に吹き込まれ、流動層温度が500〜600℃程度に維持されている。
廃棄物40は流動床ガス化炉3で熱分解ガス化され、ガス、タール、チャー(炭化物)に分解される。タールは、常温では液体となる成分であるが、ガス化炉内ではガス状で存在する。ガス化炉3の不燃物は不燃物排出口5より逐次排出される。
チャーは流動層内で徐々に微粉化され、ガス及びタールに同伴して旋回溶融炉6へ導入される。以下、溶融炉6へ導入されるこれらの成分を総称して熱分解ガスと呼ぶ。
前記流動床ガス化炉3の炉頂部より排出された熱分解ガスは、熱分解ガスダクト25を経て旋回溶融炉6の熱分解ガスバーナへ導入される。該熱分解ガスバーナで、熱分解ガスは燃焼空気42と混合されて炉内に導入され、旋回流を形成する。このとき、燃焼空気は空気比0.9〜1.1、好ましくは1.0程度であると良い。
前記旋回溶融炉6では、熱分解ガスと燃焼空気42の混合ガスが燃焼するとともに必要に応じて種火バーナ26、補助燃料バーナ27により炉内温度が1300〜1500℃に維持され、熱分解ガス中の灰分が溶融、スラグ化される。溶融したスラグは、旋回溶融炉6の内壁面に付着、流下し、炉底部のスラグ出滓口7からスラグ抜出シュート8を経て排出される。旋回溶融炉6から排出されたスラグは、水砕槽9で急冷され、スラグコンベア10により搬出されて水砕スラグとして回収される。回収された水砕スラグは、路盤材等に有効利用することが可能である。
一方、旋回溶融炉6から排出された燃焼排ガスは連結部11を介して二次燃焼室12へ導入される。二次燃焼室12では、燃焼空気43が空気比1.2〜1.5となるように供給されるとともに、必要に応じて補助燃料バーナ32で所定温度まで昇温され、前記燃焼排ガス中の未燃分はここで完全燃焼される。
燃焼排ガスは、ボイラ部13で熱回収されて、200〜250℃程度まで冷却される。ボイラ部13から排出された燃焼排ガスは、減温塔14へ導入され、直接水噴霧により150℃程度まで冷却される。減温塔14から排出された燃焼排ガスは、必要に応じて煙道で消石灰、活性炭が噴霧され、反応集塵装置15に導入される。反応集塵装置15では、燃焼排ガス中の煤塵、酸性ガス、DXN類等が除去される。反応集塵装置15から排出された集塵灰は薬剤処理して埋立処分され、燃焼排ガスは蒸気式加熱器16で再加熱され、触媒反応装置17でNOが除去された後、誘引ファン18を介して煙突19より大気放出される。
前記流動床ガス化炉3は、炉底部に流動砂が充填された流動層20が形成され、その上方に補助燃料バーナ21が設けられている。炉底部には複数の風箱4が並設されており、該風箱4を介して炉内に燃焼空気41が導入される。流動層20内には一又は複数の温度センサ22が設置されており、流動層20内の温度を連続的に検出し、制御装置35へ検出値を送信する。
燃焼空気41は送風機23により供給され、該供給ライン上にはFDFダンパ24が配置されている。FDFダンパ24は、開度制御することにより風箱4に供給する燃焼空気供給量を調整する。FDFダンパ24の開度制御は、制御装置35により行われる。
該制御装置35では、前記温度センサ22により検出された流動層温度の検出値に基づいて、前記FDFダンパ24の開度制御を行い、流動床ガス化炉3に供給する燃焼空気量を制御する。好適には、複数の温度センサ22により検出した温度の平均値に基づいて制御することが好ましい。
前記旋回溶融炉は6は断面円形状の炉本体を有しており、側壁には、熱分解ガスダクト25から延設され熱分解ガスを炉内に吹き込む一又は複数の熱分解ガスバーナが配設される。熱分解ガスバーナの近傍には、種火バーナ26、助燃バーナ27が配設される。さらに、炉上部は絞り構造の連結部11を介して二次燃焼室12に連通しており、旋回溶融炉6で発生した燃焼排ガスは二次燃焼室12に送られる。炉底部にはスラグ出滓口7が設けおり、該スラグ出滓口7から下方に延設されたスラグ抜出シュート8を通って溶融スラグが排出されるようになっている。スラグ抜出シュート8にはスラグ出滓口7へ向けて溶融固化物溶融バーナ28が取り付けられており、スラグ出滓口7から排出される溶融スラグが固化して閉塞しないように加温するようになっている。
熱分解ガスダクト25には燃焼空気42が供給される。燃焼空気42は送風機29により供給され、該供給ライン上には2次FDFダンパ30が配置されている。2次FDFダンパ30は、開度制御することにより旋回溶融炉6に供給する燃焼空気供給量を調整する。2次FDFダンパ30の開度制御は、制御装置35により行われる。
二次燃焼室12の側壁には一又は複数の補助燃料バーナ27が設けられており、二次燃焼室内の温度を維持するようになっている。
さらに、二次燃焼室12には燃焼空気43が供給される。燃焼空気43は、旋回溶融炉6に供給される燃焼空気42と同一の送風機29により供給される。送風機29から送給される燃焼空気は2次FDFダンパ30を経由した後に分岐され、一方はOFAダンパ31を介して二次燃焼室12へ供給され、他方は熱分解ガスダクト25に供給されて溶融炉内に導入される。OFAダンパ31は、開度制御により二次燃焼室12に供給する燃焼空気供給量を調整する。OFAダンパ31の制御は、制御装置35により行われる。
上記したような流動床ガス化炉3では、廃棄物の発熱量や投入量の変動等により流動層20の温度が変化する。流動層温度が変化すると、熱分解や流動が安定して行われなくなり、排ガス中のCO濃度が増大したり、安定運転が困難となったりする。従って、本実施例では流動床ガス化炉3の流動層温度が適性範囲内に維持されるように制御し、安定燃焼させる構成を備える。
そこで本実施例は、流動床ガス化炉3の流動層温度に基づいて流動床ガス化炉3に供給する燃焼空気量、給じん量(廃棄物投入量)の制御を行う構成としている。
流動層温度は温度センサ22により検出した検出値を用いる。また、流動層温度の適正範囲を超える第1の温度域と、該第1の温度域を超える第2の温度域を設け、温度変動の小さい第1の温度域では燃焼空気量制御を行い、温度変動の大きい第2の温度域では給じん量制御を行う。このとき、第1の温度域では給じん量制御は行わず、一方第2の温度域では燃焼空気量制御を行わないようにし、夫々の温度域では単独の制御とする。
燃焼空気量制御は、FDFダンパ24の開度調整を行うことにより流動層内へ導入する燃焼空気量を調整する。給じん量制御は、モータ33の回転数制御により廃棄物40の切り出し量を制御する。何れも、流動層20に設置された温度センサ22の検出値に基づき、制御装置35により制御される。
具体的な制御例を図2乃至図5に示す。
図2(a)に示されるように、予め設定された流動層温度の設定値SPから高温側に温度ATH1、低温側に温度ATL2の範囲内(ATL1<PV<ATH2;PVは検出値)を流動層温度の正常範囲とし、正常範囲以上で且つ上限温度ATH2、下限温度ATL1を超えない温度範囲を第1の温度域とする(ATH1≦PV<ATH2,ATL1<PV≦ATL2)。流動層温度の検出値PVが第1の温度域に存在する場合には、燃焼空気量を制御する。燃焼空気量は、第1の温度域の高温側では一定の割合で減少させ、低温側では一定の割合で増加させる。
また、流動層温度の検出値PVが第1の温度域を超える場合には、給じん量制御に切り替える。図2(b)に示されるように、温度MTH2以上で且つ温度MTH4より低い温度範囲と、温度MTL1より高く且つ温度MTL3以下の温度範囲とを第2の温度域とする(MTH2≦PV<MTH4,MTL1<PV≦MTL3)。この検出値PVがこの第2の温度域に存在する場合には給じん量を制御する。給じん量は段階的に変更するようにし、その変更段階は、MP2、MP3とする。尚、具体的な数値例については図中に示す。
本実施例によれば、流動層温度の変動幅が小さい第1の温度域では燃焼空気量を制御することにより流動層温度の回復を図り、変動幅が大きい第2の温度域では給じん量を制御することにより効果的に流動層温度の回復を図るようにしている。このように、温度域によって燃焼空気供給量の制御と廃棄物投入量の制御を使い分けることにより、他の制御要素に殆ど影響を及ぼすことなく広い温度変動幅に対応した制御ができ、流動層温度を安定化することが可能となる。
ここで、図4を参照して、第1の温度域における燃焼空気量制御フローを説明する。
まず、温度センサにて検出した流動層20の検出値PVが、正常範囲内であるか否かを判定する。検出値PVを、正常範囲の上限値を示す空気量変更パラメータ温度ATH1と、下限値を示す空気量変更パラメータ温度ATL1と比較し、ATL1<PV<ATH1である場合には正常範囲内と判断し、燃焼空気量制御を行わない。
一方、検出値PVが正常範囲内に存在せず、且つPV≧ATH1である場合には、燃焼空気量制御を行う。このとき、燃焼空気量制御は下記式(1)により行われる。
Figure 0004126317
AP;空気量操作パラメータ設定値,AP2;空気量操作パラメータ下限値,AHTH1;空気量変更パラメータ温度H1,ATH2;空気量変更パラメータ温度H2である。
検出値PVが正常範囲内に存在せず、且つPV≦ATL1である場合には、燃焼空気量制御を行う。このとき、燃焼空気量制御は下記式(2)により行われる。
Figure 0004126317
AP;空気量操作パラメータ設定値,AP3;空気量操作パラメータ上限値,AHTH1;空気量変更パラメータ温度H1,ATH2;空気量変更パラメータ温度H2である。
次に、図5を参照して、第2の温度域における給じん量制御フローを説明する。
温度センサ22にて検出した流動層20の検出値PVが上昇傾向にない場合、即ち下降傾向にある場合には、以下のフローで給じん量制御を行う。
検出値PVを、給じん量変更パラメータ温度MTL3と、給じん量変更パラメータ温度MTL4と比較し、MTL3<PV≦MTL4である場合には、給じん量操作パラメータの設定値MPが通常値MP1になるように給じん量制御を行う。
検出値PVが上記範囲内になく、MTL2<PV≦MTL3である場合には、給じん量操作パラメータの設定値MPを、通常値MP1から給じん量操作パラメータの設定値MP2だけ変更するように制御する。即ち、このときの給じん量はMP1−MP2となる。
同様に、MTL1<PV≦MTL2である場合には、給じん装置を停止する。
同様に、検出値PVが上昇傾向にある場合にも、検出値PVと、各給じん量変更パラメータ温度とを比較し、夫々の温度範囲に適した段階的な制御を行う。MTH2<PV≦MTH3である場合には、給じん量をMP1+MP2とし、MTH3<PV≦MTH4である場合には、給じん量をMP1+MP3とする給じん量制御を行う。PV>MTH4の場合には給じん装置を停止するか、緊急注水するなどでガス化炉の砂層を強制的に冷却する処置が必要となる。
図3に、燃焼空気量及び給じん量の制御により流動層温度が回復した場合に、これらを復帰する制御を示す。同図に示されるように、流動層温度の検出値が第1の温度域にある場合、燃焼空気量制御を行い、該燃焼空気量制御により流動層温度が正常範囲まで回復せず、流動層温度の検出値が第2の温度域となった場合には、給じん量制御を行う。給じん量制御にて流動層温度が回復したら、まず、燃焼空気量を設定値まで復帰させる。そして、燃焼空気量が設定値まで復帰する途中で給じん量を設定値まで復帰させる。
このように、燃焼空気量と給じん量を時間ずれさせて重複復帰させることにより、急激な温度変化を防止し、正確な制御が可能となる。
また本実施例では、反応集塵装置15の出口側に、排ガス中の酸素濃度を検出するO濃度センサ34を設け、該O濃度センサにて検出した酸素濃度が、予め設定した許容範囲内に存在するように制御装置35にて前記2次FDFダンパ30及びOFAダンパ31を制御し、旋回溶融炉6及び二次燃焼室12への燃焼空気量を制御することが好ましい。
このとき、旋回溶融炉6及び二次燃焼室12における燃焼状態が酸素濃度の検出値に反映されるまでのタイムラグがあるため、このタイムラグを考慮に入れた制御を行うことが好ましい。
このように、排ガス中のO濃度に基づいて旋回溶融炉6及び二次燃焼室12へ供給する燃焼空気量を制御することにより、前段側の流動床ガス化炉3にて燃焼空気量制御や給じん量制御を行っても溶融炉側では適正な燃焼を行うことができ、安定運転が可能となるとともに、排ガスのCO濃度低減が図れる。
本発明の実施例に係るガス化溶融システムの全体構成図である。 図1のガス化溶融システムにおける制御を説明する図で、(a)は燃焼空気量を制御する場合、(b)は給じん量を制御する場合を示す。 図2における燃焼空気量制御と給じん量制御の関係を示す図である。 第1の温度域での燃焼空気量の制御フローを示す図である。 第2の温度域での給じん量の制御フローを示す図である。 従来のガス化溶融システムの全体構成図である。
符号の説明
3 流動床ガス化炉
6 旋回溶融炉
12 二次燃焼室
22 温度センサ
23、29 送風機
24 FDFダンパ
25 熱分解ガスダクト
30 2次FDFダンパ
31 OFAダンパ
34 O濃度センサ
35 制御装置
41、42、43 燃焼空気

Claims (8)

  1. 流動床ガス化炉にて廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させ、該熱分解ガスが導入された溶融炉にて該熱分解ガスの燃焼熱により灰分を溶融するガス化溶融システムの運転制御方法において、
    前記流動床ガス化炉の流動層温度を検出し、該流動層温度の正常範囲を超える第1の温度域にて前記流動床ガス化炉への燃焼空気供給量を制御し、該第1の温度域を超える第2の温度域にて前記流動床ガス化炉への廃棄物投入量を制御することを特徴とするガス化溶融システムの運転制御方法。
  2. 前記廃棄物投入量は前記第2の温度域内で段階的に制御されることを特徴とする請求項1記載のガス化溶融システムの運転制御方法。
  3. 前記流動層温度が回復した場合に燃焼空気供給量と廃棄物投入量を重複して復帰することを特徴とする請求項1記載のガス化溶融システムの運転制御方法。
  4. 前記廃棄物投入量は、前記燃焼空気供給量から時間ずれさせて復帰させることを特徴とする請求項3記載のガス化溶融システムの運転制御方法。
  5. 前記溶融炉の後流側の排ガス中酸素濃度を検出し、該検出値に基づき前記溶融炉への燃焼空気供給量を制御することを特徴とする請求項1記載のガス化溶融システムの運転制御方法。
  6. 廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させる流動床ガス化炉と、該熱分解ガスの燃焼熱により灰分を溶融する溶融炉とからなるガス化溶融システムにおいて、
    前記流動床ガス化炉の流動層温度を検出する温度センサと、
    前記流動床ガス化炉への燃焼空気供給量を制御する空気量制御手段と、廃棄物投入量を制御する廃棄物投入量制御手段と、
    前記流動層温度の正常範囲を超える第1の温度域と、該第1の温度域を超える第2の温度域とが予め設定され、前記第1の温度域にて前記空気量制御手段を制御し、前記第2の温度域にて前記廃棄物投入量制御手段を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とするガス化溶融システム。
  7. 前記制御装置は、前記流動層温度が回復した場合に燃焼空気供給量と廃棄物投入量を重複して復帰することを特徴とする請求項6記載のガス化溶融システム。
  8. 前記溶融炉の後流側の排ガス中酸素濃度を検出するO濃度センサを設け、該O濃度センサの検出値に基づき前記溶融炉への燃焼空気供給量を制御することを特徴とする請求項6記載のガス化溶融システム。
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