JP2017180922A - 廃タイヤガス化溶融装置及び廃タイヤガス化溶融方法 - Google Patents

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聡 堀内
奥山 契一
Keiichi Okuyama
契一 奥山
肇 秋山
Hajime Akiyama
肇 秋山
有佳子 野上
Yukako Nogami
有佳子 野上
正雄 安福
Masao Yasufuku
正雄 安福
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Takeshi Uchiyama
武 内山
昭夫 下村
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昭夫 下村
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Abstract

【課題】廃タイヤを炉内で熱分解する際に、カーボンの飛散を抑制、局所的高温場の発生を回避する廃タイヤガス化溶融装置及び方法を提供することを課題とする。【解決手段】コークス床式ガス化溶融炉にて廃タイヤを熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置において、ガス化溶融炉に廃タイヤを供給する廃タイヤ供給装置21と、ガス化溶融炉に含水ごみを供給する含水ごみ供給装置20と、ガス化溶融炉にコークスを供給するコークス供給装置22とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、廃タイヤをコークス床式ガス化溶融炉内で熱分解、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置及び廃タイヤガス化溶融方法に関する。
廃タイヤは年間100万ton発生しており、製紙工場等のボイラ燃料として熱利用リサイクルされている。また、廃タイヤを熱分解して燃料ガスと燃料炭化物を製造し、これらを燃料として利用することが行われており、一方、特許文献1、特許文献2には、廃タイヤを乾留キルンでガス化処理し乾留ガスを得ることが開示されている。
先ず、特許文献1では、廃タイヤなどの有機系廃棄物を熱分解して乾留発生した油分を回収油として貯留槽に貯留しておき、熱分解で生じた乾留ガス(熱分解ガス)を貯留槽へ導入し、該乾留ガス中のカーボンを回収油中へ移行させて、カーボンを除去することとしている。
また、特許文献2では、熱分解ガスを集塵器へ導入し、この集塵器内で熱分解ガスへ回収油を噴霧して飛散カーボンを取り込んで除塵することとしている。
特開2005−194351 特開2006−176603
廃タイヤの原材料配合組成は、例えば、ゴム50重量%、ワイヤ12〜13重量%、カーボンブラック25〜30重量%、石油系軟化剤7〜8重量%、繊維4〜5重量%、無機配合剤2〜4重量%であり、カーボンブラックはタイヤの補強剤として配合されている。
このような原材料配合組成の廃タイヤを乾留炉等の熱分解炉で熱分解すると、ガス、油、カーボン、ワイヤ、灰分が生成される。
廃タイヤを熱分解すると、廃タイヤに補強剤として含まれているカーボンブラックに由来して、熱分解により粒径10〜100μm程度の熱分解カーボン(以下、カーボンという)が発生する。また、ゴム、石油系軟化剤の熱分解により煤も発生する。
カーボンと煤は発生ガス中に随伴して熱分解炉から飛散し、集塵器で飛灰とともに集塵される。集塵した飛灰中のカーボン濃度が高いため、灰の熱しゃく減量が多くなり規制値以上になってしまう問題や、回収飛灰に可燃成分が残存するため出火するリスクが生じるという問題が生じる。また、後工程設備でカーボンや煤が固着し閉塞による設備トラブルが生じるという問題も生じる。
さらには、廃タイヤは発熱量が高いため、廃タイヤの熱分解炉内で局所的高温場が生じ易くNOx発生量が多くなり、ガス中のNOx濃度が高くなる問題や、不適切な個所で過剰に高温となり溶融が起こるという問題も生じる。
このような状況において、特許文献1あるいは特許文献2に開示されているようにして、上記諸問題への対策として、回収油貯留槽や除塵器でカーボンを除塵することは有効である。
しかしながら、特許文献1そして特許文献2による上記の対策では、カーボンを捕捉除去するための装置が熱分解炉に加えて別途必要であり、その分、設備費用、運転費用が嵩むという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑み、従来の諸問題を解決するために、廃タイヤを熱分解する際にカーボンの飛散を抑制するとともに、局所的高温場が生じない廃タイヤガス化溶融装置及び廃タイヤガス化溶融方法を提供することを課題とする。
このような課題は、本発明による廃タイヤガス化溶融装置そして廃タイヤガス化溶融方法によって解決される。本発明の廃タイヤガス化溶融装置は、次に示される第一そして第二発明として、廃タイヤガス化溶融方法は第三そして第四発明として構成される。
[廃タイヤガス化溶融装置]
<第一発明>
コークス床式ガス化溶融炉にて廃タイヤを熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置において、ガス化溶融炉に廃タイヤを供給する廃タイヤ供給装置と、ガス化溶融炉に含水ごみを供給する含水ごみ供給装置と、ガス化溶融炉にコークスを供給するコークス供給装置とを備える、ことを特徴とする廃タイヤガス化溶融装置。
<第二発明>
コークス床式ガス化溶融炉にて廃タイヤを熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置において、ガス化溶融炉に廃タイヤを供給する廃タイヤ供給装置と、ガス化溶融炉に含水ごみを供給する含水ごみ供給装置と、ガス化溶融炉にコークスを供給するコークス供給装置と、ガス化溶融炉内の状態を検知する炉内状態検知装置と、炉内状態検知装置により検知される炉内状態情報に基づき、廃タイヤ供給装置による廃タイヤ供給量及び含水ごみ供給装置による含水ごみ供給量のうち少なくとも一つを制御する制御装置とを備える、ことを特徴とする廃タイヤガス化溶融装置。
このような第一そして第二発明において、炉内状態検知装置は、炉内状態情報として、ガス化溶融炉からの排出ガス組成成分濃度、炉内温度、炉内カーボン飛散状態のうち少なくとも一つを検出し制御装置へ送るようにすることができる。
また、第一そして第二発明において、廃タイヤ供給装置は、該廃タイヤ供給装置の前段に設けられた破砕装置に接続されていて、該破砕装置で破砕されたタイヤの供給を受けるようになっているようにすることが好ましい。
[廃タイヤガス化溶融方法]
<第三発明>
コークス床式ガス化溶融炉にて廃タイヤを熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置による廃タイヤガス化溶融方法において、ガス化溶融炉に廃タイヤ、含水ごみ及びコークスを供給する、ことを特徴とするガス化溶融方法。
<第四発明>
コークス床式ガス化溶融炉にて廃タイヤを熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置による廃タイヤガス化溶融方法において、ガス化溶融炉に廃タイヤ、含水ごみ及びコークスを供給し、ガス化溶融炉内の状態を検知し、検知された炉内状態情報に基づき、廃タイヤ供給量及び含水ごみ供給量のうち少なくとも一つを制御する、ことを特徴とする廃タイヤガス化溶融方法。
このような第三そして第四発明において、炉内状態情報は、ガス化溶融炉からの排出ガス組成成分濃度、炉内温度、炉内カーボン飛散状態のうち少なくとも一つとすることができる。
また、第三そして第四発明において、廃タイヤをガス化溶融炉へ供給する前に破砕することが好ましい。
さらに、第三そして第四発明において、廃タイヤは、廃タイヤガス化溶融炉への供給前に30〜400mmの大きさ、好ましくは50〜150mmの大きさに破砕されていることが望まれる。
このような本発明によると、廃タイヤは廃タイヤガス化溶融装置で熱分解される際に、熱分解により発生するガス中のカーボンと煤とが含水ごみ中の水分により捕捉されるとともに、炉内移動層内を上昇する速度が低下し、カーボンと煤は移動層に留まる間及び遅い速度で上昇する間に炉内で燃焼され、炉外への飛散分が減少するとともに、上記カーボンと煤の燃焼で発生する熱量の分だけ、熱分解のためのコークスにより供給される熱源の一部を廃タイヤに代替できそれだけコークス使用量を低減し運転コストを低減できる。
さらには、移動層中でカーボンそして煤は燃焼するので、排ガス中に飛散するカーボンの量がそれだけ少なくなり、後工程での諸問題、すなわち、集塵した飛灰中のカーボン濃度が高いため熱しゃく減量が高くなり規制値以上になる問題や、回収飛灰に可燃成分が残存することによる出火のリスク、後工程設備でのカーボンや煤の固着による閉塞といった設備トラブルなどの問題発生を防止できる。
本発明の第一実施形態装置の概要構成を示す図である。 本発明の第二実施形態装置の概要構成を示す図である。
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
<第一実施形態>
図1に示される、本発明の第一実施形態の廃タイヤガス化溶融装置は、コークスを燃料として供給し、主羽口から炉下部内へ酸素富化空気を吹き込むコークス床式ガス化溶融炉と、その周辺装置とを備えている。
図1に示される本発明の第一実施形態のコークス床式ガス化溶融炉1(以下、単に「ガス化溶融炉1」という)には、該ガス化溶融炉1の炉上部に、処理対象物としての廃タイヤと含水ごみ、燃料としてのコークス、生成されるスラグの成分調整材としての石灰石を炉内へ投入するための投入口2が設けられ、また、上部側方には炉内のガスを炉外へ排出するためのガス排出口3が設けられている。また、ガス化溶融炉1の炉底部には溶融スラグと溶融金属を排出するための出滓口4が設けられている。
ガス化溶融炉1の上方には、周辺装置として、都市ごみ等の含水ごみ、廃タイヤ、コークス、石灰石をそれぞれ供給する含水ごみ供給装置20、廃タイヤ供給装置21、コークス供給装置22、石灰石供給装置23が配設されており、それぞれの供給装置22,23から供給されたコークス、石灰石は搬送コンベア(図示せず)により上記投入口まで搬送され、含水ごみ供給装置20からの含水ごみと、廃タイヤ供給装置21からの廃タイヤとともに炉上部の上記投入口2から炉内に投入される。上記廃タイヤ供給装置21は、その前段に設けられた廃タイヤ破砕装置24に接続されていて、該廃タイヤ破砕装置24は、廃タイヤを後述する寸法に破砕し廃タイヤ供給装置21に送るようになっている。なお、含水ごみ供給装置20から供給される含水ごみとは、各家庭から排出され収集される都市ごみ等の含水率が高いごみをいい、含水率が45重量%以上の含水ごみを供給することが好ましい。
ガス化溶融炉1のガス排出口3には二次燃焼室10が接続して設けられており、廃棄物(廃タイヤと含水ごみ)を熱分解して生成した可燃性ガスを燃焼する。該二次燃焼室10は、二次燃焼のための空気を吹き込む空気送風口11が設けられている。また、この二次燃焼室10には、該二次燃焼室10で可燃性ガスを燃焼した燃焼ガスから熱回収するボイラ12が隣接して設けられている。
このようなコークス床式のガス化溶融炉1では、炉内の内部空間が縦方向で四つの領域に区分されていて、下方から、コークス充填層A、移動層B、ガス化層C、フリーボード部Dが形成される。
かかるガス化溶融炉1では、上記コークス充填層A及びガス化層Cのそれぞれで、羽口が設けられ酸素含有ガスの炉内への吹込みが行われる。
炉下部におけるコークス充填層Aには主羽口5が設けられていて、酸素富化空気が吹き込まれる。ガス化層Cには副羽口6が設けられ、空気が吹き込まれる。
このような羽口を有するガス化溶融炉1内にコークスが投入されると、このコークスが炉下部に下降し、主羽口5から吹き込まれる酸素富化空気によりコークスが燃焼し、これが燃焼し発生する高温の燃焼ガスが廃タイヤと含水ごみの熱分解の熱源となり、さらに、灰分を溶融する熱源となる。
ガス化層Cには、副羽口6から空気が吹き込まれ、高温の燃焼ガスにより含水ごみが乾燥され、次いで熱分解及び部分酸化され可燃分がガス化される。また、フリーボード部Dでは、含水ごみが熱分解されて生成した熱分解ガス(可燃性ガス)の一部を部分燃焼させて炉内部を所定温度に維持する。
酸素富化空気供給装置(図示せず)は、空気に酸素を混入して得られた酸素含有ガスとしての酸素富化空気を上記主羽口5の送気管に供給する。
このように構成される廃タイヤガス化溶融炉装置では、廃タイヤのガス化溶融処理は次の要領で行われる。まず、含水ごみのガス化溶融炉1内でのガス化溶融処理について説明し、次いで、廃タイヤのガス化溶融処理について説明する。
含水ごみ供給装置20からの含水ごみ、廃タイヤ供給装置21からの廃タイヤ破砕装置24で破砕された廃タイヤ、コークス供給装置22からのコークスと石灰石供給装置23からの石灰石がガス化溶融炉1の上部に設けられた投入口2を経て、それぞれ所定量ずつ炉内へ投入され、主羽口5から酸素富化空気が、副羽口6から空気が炉内へ吹き込まれる。
炉内に投入されたコークスは炉下部に下降し、このコークスが主羽口5から吹き込まれる酸素富化空気によって燃焼し、廃棄物としての含水ごみと廃タイヤの灰分を溶融する熱源を提供するとともに、発生した高温の燃焼ガスを上昇させ含水ごみと廃タイヤの熱分解のために加熱する熱源を提供する。
上記投入口2から投入された含水ごみは、炉内に堆積して含水ごみのガス化層Cを形成し、炉下部のコークス充填層Aから移動層Bを通過し上昇してくる高温の燃焼ガス及び副羽口6から吹き込まれる空気によって加熱され、乾燥され、次いで熱分解される。熱分解により生成した可燃性ガスを含む燃焼ガスは上昇し、可燃性ガスの一部がフリーボード部Dにて燃焼され、炉内部を所定温度に維持し、熱分解により発生した有害物とタール分を分解させる処理が施されるように用いられる。フリーボード部Dを通過したガスは炉上部に設けられたガス排出口3より、炉外の二次燃焼室10へ排出される。ガスは可燃性ガスを多量に含んでいて二次燃焼室10で燃焼され、ボイラ12で熱回収され蒸気を発生させその蒸気が発電等に用いられる。ボイラ12から排出されたガスは、サイクロン(図示せず)で比較的粗いダストが除去され、さらに、減温装置(図示せず)で冷却され、有害物質除去剤との反応により有害ガスが除去され、集塵機(図示せず)で除塵処理されるなど排ガス処理された後、煙突(図示せず)から大気に放散される。
ガス化層Cで含水ごみは熱分解されてガスが生成され、さらに、熱分解により生じた固定炭素や灰分は、コークス及び石灰石とともに下降し移動層Bを形成する。移動層Bでは、コークス充填層Aから上昇してくる高温のガスにより下降する固体の昇温が行われると同時に、高温のCOガスにより含水ごみの熱分解により生じた固定炭素がガス化される。コークス充填層Aでは主羽口5から送風される酸素富化空気によりコークスとガス化されずに残った含水ごみの固定炭素が燃焼され、この燃焼熱により含水ごみの灰分が溶融され溶融スラグと溶融メタルが生成される。石灰石は灰分が溶融されたスラグの性状を好ましいものとする調整材として働く。さらに、発生した高温の燃焼ガスが上昇し含水ごみと廃タイヤの熱分解のために加熱する熱源となる。
主羽口5から下方の炉下部では、高温になりながらも燃え尽きていないコークスがコークス塊同士の間隙を保持して充填された状態でコークス充填層Aを形成しており、溶融スラグと溶融メタルはコークス塊同士の間隙を滴下し炉底に達する。溶融スラグと溶融メタルは炉底に達するまでに均質化され性状が安定化され、炉底に設けられた出滓口4から排出され、炉外に設けられた水砕装置(図示せず)に供給され冷却固化され、冷却固化された水砕スラグと水砕金属が回収される。主羽口5から送風される酸素富化空気と、コークスと固定炭素の燃焼により発生した高温の燃焼ガスとは、コークス充填層Aから移動層Bを通過しガス化層Cへ上昇して含水ごみを加熱し、ガス化層Cの含水ごみが副羽口6から供給される空気により部分酸化、熱分解される。コークス充填層Aでは、コークスが燃焼して灰分溶融と熱分解の熱源となるとともに、コークスが崩壊、解砕されずに塊同士の間隙を保持して酸素富化空気と高温の燃焼ガスとを通気させ、溶融スラグと溶融メタルとを通液させる高温火格子の機能を有するようになる。
このように含水ごみがガス化溶融処理されるガス化溶融炉内での廃タイヤの挙動、破砕寸法、供給量について、以下に詳述する。
[廃タイヤの熱分解]
ガス化溶融炉に供給された廃タイヤは含水ごみが堆積そして下方へ移動しているガス化層Cと移動層Bの中を下降しコークス充填層Aに到達する。該廃タイヤは含水ごみのガス化層Cと移動層Bの中を下降する過程で、また、コークス充填層A上で熱分解され、ガスが発生し、さらにカーボンが発生する。廃タイヤの熱分解残渣の灰分は含水ごみの灰分とともにコークス充填層Aで溶融される。
このように廃タイヤの熱分解により発生したカーボンと燃焼により発生した煤は、炉内を上昇するガスに随伴されて上昇する。カーボンと煤は含水ごみの移動層Bとガス化層Cを上昇通過する際に含水ごみの水分により捕捉され、また、カーボンと煤が炉内を上昇する速度が含水ごみの水分により遅くなる。捕捉され、また遅い速度で上昇するカーボンと煤は炉内で燃焼され、炉外への飛散が抑制される。カーボンと煤の炉外への飛散を抑制できるので、集塵した飛灰中のカーボン濃度が高いために灰の熱しゃく減量が多くなり規制値以上になってしまう問題、回収飛灰に可燃成分が残存するため出火するリスクが生じるという問題、後工程設備でカーボンや煤が固着し閉塞による設備トラブルが生じるという問題の発生を防止できる。廃タイヤは含水ごみとともに熱分解、燃焼するため、廃タイヤを熱分解炉内で熱分解する際に局所的高温場が生じ易くNOx発生量が多くなり、ガス中のNOx濃度が高くなったり、不適切な個所で過剰に高温となり溶融が起こるという従来かかえていた問題の発生を防止できる。
[廃タイヤ破砕装置による廃タイヤの破砕]
廃タイヤは破砕装置により30〜400mm、より好ましくは50〜150mmに破砕する。この大きさに破砕する理由は、下限値の30mm未満では破砕された廃タイヤは炉下部まで下降せずガス化層の上部で熱分解され、カーボンが多量に炉外に飛散するからであり、上限値の400mmより大きいと破砕された廃タイヤを炉内に供給することが困難となるからである。廃タイヤを50〜150mmに破砕することにより、上記の効果を確実に発揮させることができる。
[廃タイヤ供給量]
廃タイヤの供給量は、廃タイヤを廃タイヤと含水ごみとの合計に対して、50重量%以下の範囲で供給することが好ましい。その理由は、50重量%より多く供給すると、熱分解により発生するカーボンと燃焼により発生する煤を含水ごみが捕捉することが十分に行うことができず、カーボンと煤が炉外へ飛散してしまうので好ましくないからである。
本実施形態では、コークスにより供給される灰分溶融と熱分解のための熱源の一部を廃タイヤに代替することで、コークス使用量を低減して運転コストを低減できる。廃タイヤはコークスと同程度の発熱量を有しており、熱源として活用できる。かくして、コークスにより供給される熱源の一部を廃タイヤに代替して運転コストを低減でき、経済的な運転が実現できるようになる。
<第二実施形態>
図2に示される第二実施形態は、図1の第一実施形態装置に炉内状態検知装置26と制御装置25を付加して設けられている点で第一実施形態と異なるが、他は第一実施形態と同じであるので、図2では図1と共通部位に同一符号を付しその説明を省略する。
上記炉内状態検知装置26は、ガス化溶融炉1内の状態を検知する。制御装置25は、炉内状態検知装置26により検知される炉内状態情報に基づき、廃タイヤ供給装置21による廃タイヤ供給量及び含水ごみ供給装置20による含水ごみ供給量のうち少なくとも一方を制御する。炉内状態情報は、ガス化溶融炉1からの排出ガス組成成分濃度、炉内温度、炉内カーボン飛散状態のうち少なくとも一つである。
このように本実施形態では、廃タイヤ供給量、含水ごみ供給量を炉内状態情報に基づき、炉内状態に応じて制御する。
以下、上記炉内状態検知装置26そして制御装置25を備える本実施形態における、該炉内状態検知装置26、該制御装置25、そして制御方法について説明する。
[炉内状態検知装置]
炉内状態検知装置26は、炉内の状況を検知する装置であって、本実施形態ではその一例として、ガス化溶融炉からの排出ガスの酸素濃度またはCO濃度を計測するガス濃度計26として設けられている。
廃タイヤと含水ごみの熱分解が安定して行われなくなったり、廃タイヤの熱分解により発生したカーボンが含水ごみに十分に捕捉されず炉内で燃焼されないと、排ガスの組成成分の濃度が変動する。例えば、廃タイヤと含水ごみの熱分解が不安定になったり不均一になると、排ガス中の酸素濃度が増減し、CO濃度が増加する。これらの変動を炉内状態検知装置としてのガス濃度計26が検知して、炉内の熱分解状態を把握し制御装置25へその情報を送り、制御装置25によりその状態に対応して適正な炉内状態を確保するように、廃タイヤ供給量及び含水ごみ供給量のうち少なくとも一つを制御する。
[制御装置]
このように構成され機能する廃タイヤのガス化溶融炉1は周辺装置として、既述したように、廃タイヤ供給量及び含水ごみ供給量のうち少なくとも一つを制御する制御装置25を備えている。
制御装置25は、ガス化溶融炉1に設けられたセンサからの信号にもとづき、廃タイヤ供給装置21の廃タイヤ供給量及び含水ごみ供給装置20の含水ごみ供給量のうち少なくとも一つを制御すべくこれらの供給装置20、21に接続されている。上記センサとしては、炉内状態検知装置として、ボイラ12の出口で排ガスの酸素濃度又はCO濃度を計測するガス濃度計26が設けられている。
廃タイヤ供給装置21と含水ごみ供給装置20は、供給量を調整する調整バルブ(図示せず)を有しており、制御装置25が、排ガスの組成成分濃度の計測値に応じて、調整バルブの開度を調整することにより、供給量を制御するようになっている。
[供給制御方法]
廃タイヤと含水ごみの熱分解が安定して行われなくなったり、廃タイヤの熱分解により発生したカーボンが含水ごみによって十分に捕捉されず炉内で燃焼されないと、排ガスの組成成分の濃度が変動する。例えば、廃タイヤと含水ごみの熱分解が不安定になったり不均一になると、排ガス中の酸素濃度が増減し、CO濃度が増加する。これらの変動を炉内状態検知装置としてのガス濃度計26で検知して、炉内状態を把握し、その状態に対応して適正な炉内状態を確保するように、廃タイヤ供給量と含水ごみ供給量を制御する。
ボイラ出口又は煙突手前の排ガスの酸素濃度又はCO濃度をガス濃度計26で計測し、計測された濃度の計測信号は制御装置25に送られる。ガス成分組成濃度を計測することにより、炉内状態の良否を、次のように判定することができる。
排ガスの酸素濃度が所定値より増加と減少を繰り返しながら変動している場合、又はCO濃度が所定値より増加している場合は、廃タイヤと含水ごみの熱分解が十分に行われず不安定になっていることや、カーボンが含水ごみによって十分に捕捉されず炉内で燃焼が十分に行われなくなっていることを示しているので、廃タイヤ供給量を減少するように、又は廃タイヤ供給量と含水ごみ供給量を減少するように制御し、炉内状態を安定するように回復させる。炉内状態を回復させた後は、廃タイヤ供給量と含水ごみ供給量を増加してもよい。
本実施形態では、ガス濃度計26を用いて排ガスの組成成分濃度を計測し、その計測された濃度にもとづいて廃タイヤ供給量及び含水ごみ供給量のうち少なくとも一つを制御することを説明したが、排ガスの組成成分濃度を計測するガス濃度計に代えて、炉内状態検知装置として、炉内温度、炉内のカーボン飛散状態を計測する計測器を用いて、これによる計測値に基づき廃タイヤ供給量と含水ごみ供給量を制御するようにしてもよい。
炉内温度が所定範囲より低下しているということは、廃タイヤと含水ごみの熱分解が十分に行われず不安定になっていることや、カーボンが含水ごみに十分に捕捉されず炉内で燃焼が十分に行われなくなっていることを示す。かかる場合には、廃タイヤ供給量を減少するように、又は廃タイヤ供給量と含水ごみ供給量を減少するように制御し、炉内状態を回復させる。
また、炉内のカーボン飛散状態を炉内状態検知装置としての粉塵濃度測定装置により測定し、カーボンが含水ごみに十分に捕捉されず炉内の飛散状態が所定範囲より多くなっていることを検知してもよく、かかる場合には、廃タイヤ供給量を減少するように、又は廃タイヤ供給量と含水ごみ供給量を減少するように制御し、炉内状態を回復させる。
1 (廃棄物)ガス化溶融炉
20 含水ごみ供給装置
21 廃タイヤ供給装置
22 コークス供給装置
24 廃タイヤ破砕装置
25 制御装置
26 炉内状態検知装置(ガス濃度計)

Claims (10)

  1. コークス床式ガス化溶融炉にて廃タイヤを熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置において、
    ガス化溶融炉に廃タイヤを供給する廃タイヤ供給装置と、
    ガス化溶融炉に含水ごみを供給する含水ごみ供給装置と、
    ガス化溶融炉にコークスを供給するコークス供給装置とを備える、ことを特徴とする廃タイヤガス化溶融装置。
  2. コークス床式ガス化溶融炉にて廃タイヤを熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置において、
    ガス化溶融炉に廃タイヤを供給する廃タイヤ供給装置と、
    ガス化溶融炉に含水ごみを供給する含水ごみ供給装置と、
    ガス化溶融炉にコークスを供給するコークス供給装置と、
    ガス化溶融炉内の状態を検知する炉内状態検知装置と、
    炉内状態検知装置により検知される炉内状態情報に基づき、廃タイヤ供給装置による廃タイヤ供給量及び含水ごみ供給装置による含水ごみ供給量のうち少なくとも一つを制御する制御装置とを備える、ことを特徴とする廃タイヤガス化溶融装置。
  3. 炉内状態検知装置は、炉内状態情報として、ガス化溶融炉からの排出ガス組成成分濃度、炉内温度、炉内カーボン飛散状態のうち少なくとも一つを検出し制御装置へ送ることとする請求項2に記載の廃タイヤガス化溶融装置。
  4. 廃タイヤ供給装置は、該廃タイヤ供給装置の前段に設けられた破砕装置に接続されていて、該破砕装置で破砕されたタイヤの供給を受けるようになっていることとする請求項1ないし請求項3のうちの一つに記載の廃タイヤガス化溶融装置。
  5. コークス床式ガス化溶融炉にて廃タイヤを熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置による廃タイヤガス化溶融方法において、
    ガス化溶融炉に廃タイヤ、含水ごみ及びコークスを供給する、ことを特徴とするガス化溶融方法。
  6. コークス床式ガス化溶融炉にて廃タイヤを熱分解、ガス化、燃焼し、灰分を溶融する廃タイヤガス化溶融装置による廃タイヤガス化溶融方法において、
    ガス化溶融炉に廃タイヤ、含水ごみ及びコークスを供給し、
    ガス化溶融炉内の状態を検知し、検知された炉内状態情報に基づき、廃タイヤ供給量及び含水ごみ供給量のうち少なくとも一つを制御する、ことを特徴とする廃タイヤガス化溶融方法。
  7. 炉内状態情報は、ガス化溶融炉からの排出ガス組成成分濃度、炉内温度、炉内カーボン飛散状態のうち少なくとも一つであることとする請求項6に記載の廃タイヤガス化溶融方法。
  8. 廃タイヤをガス化溶融炉へ供給する前に破砕することとする請求項5ないし請求項7のうちの一つに記載の廃タイヤガス化溶融方法。
  9. 廃タイヤを30〜400mmの大きさに破砕することとする請求項8に記載の廃タイヤガス化溶融方法。
  10. 廃タイヤを50〜150mmの大きさに破砕することとする請求項8に記載の廃タイヤガス化溶融方法。
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