JP4234727B2 - 溶融炉の炉内状況監視・制御方法及び該装置 - Google Patents

溶融炉の炉内状況監視・制御方法及び該装置 Download PDF

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本発明は、廃棄物を熱分解して熱分解ガスを発生させ、該熱分解ガスの燃焼熱で灰分を溶融するガス化溶融システムにおける溶融炉に関し、特に、炉内状況を適確に把握することができ、さらには溶融炉を安定運転するための適切な制御を可能とした溶融炉の炉内状況監視・制御方法及び該装置に関する。
従来より、都市ごみを始めとして不燃ごみ、焼却残渣、汚泥、埋立ごみ等の廃棄物まで幅広く処理できる技術としてガス化溶融システムが知られている。ガス化溶融システムは、廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、該ガス化炉の下流側に設けられ、ガス化炉にて生成された熱分解ガスを高温燃焼し、ガス中の灰分を溶融スラグ化する溶融炉と、該溶融炉から排出される排ガスを燃焼する二次燃焼室とを備えており、廃棄物の資源化、減容化及び無害化を図るために、溶融炉からスラグを取り出して路盤材等の土木資材として再利用したり、二次燃焼室から排出される排ガスから廃熱を回収して発電を行うなどしている(特許文献1等)。
ガス化溶融システムの溶融炉には、ガス化炉にて発生した熱分解ガスを溶融炉内に吹き込む熱分解ガスバーナが配設されるとともに、燃焼空気を導入する燃焼空気供給ノズルが配設されている。炉本体は外側を鉄皮で被覆され、内壁は耐火材で形成される。溶融炉内は1300〜1500℃の高温雰囲気となるため、炉壁内には冷却水管若しくは冷却ジャケットが配設され、冷却水を通流することにより炉壁を冷却するようになっている。そして、この水冷構造により冷却・固化したスラグのセルフコート層を炉内壁面に形成させ、耐火材の侵食を防止する。特許文献2(特開2003−161419号公報)には、水冷ジャケットを備えた溶融炉の冷却システムが開示されており、溶融炉の外壁を覆う水冷ジャケットに独立して流量調整されるブロックを複数並列に設け、各ブロックには冷却水が流れる仕切室を複数直列に設け、ブロック化された水冷ジャケット毎に冷却水を流して溶融炉を冷却するようになっている。そして、溶融炉外壁を均等に且つ過不足なく冷却するように、冷却水の流量を調節するようにしている。
溶融炉内は、その温度分布が均一でなく、また熱分解ガス、助燃料又は燃焼用空気の供給状況、廃棄物供給量などの運転条件によって変化する。従って、溶融炉を適性に運転するためには、炉内状況を逐次監視し、これに応じた各操作端の制御を行う必要がある。
そこで、炉内温度を測定して、これに応じた運転を行う技術が提案されている。例えば特許文献3(特開平10−89653号公報)では、溶融炉の炉内温度が所定の値を超えて上昇した時に、温度の低い燃焼用空気を過剰に供給して溶融炉の炉内温度を下げる構成が開示されている。炉内温度の検出には温度センサを用いている。
また、特許文献4(特開2004−183914号公報)には、溶融炉内温度を灰分がスラグ化するのに適した温度に維持するための温度補償方法が開示されており、温度センサ若しくはテレビカメラからなる温度監視手段により炉内温度を検出し、該温度に基づいて温度制御手段を制御して炉内温度を所定温度に維持するようにしている。温度制御手段としては、溶融炉内への二次空気供給量と酸素供給量の比を制御する手段が提案されている。テレビカメラは、その出力を画像処理し、炉内のスラグ状態から炉内温度を監視するものである。
特開2004−144402号公報 特開2003−161419号公報 特開平10−89653号公報 特開2004−183914号公報
上記したように、溶融炉の炉内状況を監視する手段の一つとして、特許文献3及び4に記載されるように炉内温度を計測する温度センサを設け、これに基づき炉内状況を監視する手段がある。従来、温度センサとしては熱電対や放射温度計が用いられていた。しかしながら、熱電対は精度良く温度を計測できる反面、炉内雰囲気により劣化し易く、特に1300℃〜1500℃程度となる高温雰囲気においては寿命が短くなり溶融炉での使用には適さない。また、放射温度計は高温雰囲気下でも使用可能であるが、信頼性が低く、精度に欠けるという問題があった。同様に、テレビカメラによる炉内温度の監視も目視によるところが大きいため、信頼性が低いものであった。また、特許文献2に記載される方法は、溶融炉外壁を均等に冷却することを目的とし、炉内の温度分布に基づき冷却流量を変化させる構成であり、炉内状況を監視する構成は具備していない。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、ガス化溶融システムにおける溶融炉にて、炉内状況を適確に把握することができ、さらには溶融炉を安定運転するための適切な制御を可能としたガス化溶融炉における溶融炉の炉内状況監視・制御方法及び該装置を提案することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、
耐火壁の外側に水冷壁が配設された炉本体を有し、上部が二次燃焼室に連通し、下部にスラグ出滓口を備え、廃棄物を熱分解して発生させた熱分解ガスを炉壁に設けられた熱分解ガスバーナより導入し、該熱分解ガスの燃焼熱によりガス中の灰分を溶融する溶融炉の炉内状況監視・制御方法において、
前記水冷壁の冷却水通路が鉛直方向に複数に分割されており、一又は近接する複数の前記冷却水通路からなる冷却ブロックが上部、中間、下部に3つ存在し、
各冷却ブロックにおける冷却水流量と、冷却水の入口側と出口側の温度差とから夫々の冷却ブロックにおける吸熱量を算出し、該算出した吸熱量に基づいて、上部ブロックでは燃焼排ガス発生状況、中間ブロックでは助燃料供給状況、下部ブロックではスラグ出滓状況を夫々監視することを特徴とする。
本発明によれば、冷却ブロック毎に冷却水流量と温度差の積から吸熱量の推移を求めることにより、炉内の温度変化が適確に且つリアルタイムで把握できる。さらに、鉛直方向に並んだ複数の冷却ブロック毎にその温度変化を検出することができるため、溶融炉の各部位における状況を適宜監視することが可能である。
また、耐火壁の肉厚が薄くなると冷却水の吸熱が増大するため、耐火壁の侵食が検出できるとともに、ブロック毎に吸熱量を測定しているため、侵食位置も特定できるようになり、耐火壁の補修、メンテナンスが容易になる。
本発明では、鉛直方向に上部、中間、下部の3つの冷却ブロックを配置し、各冷却ブロックから得られる吸熱量を求めることにより、溶融炉におけるガス量変動の監視、助燃料の過負荷検出、スラグ出滓口の閉塞状況の監視を同時に行うことが可能となる。
また、前記中間ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、主として助燃料供給量を制御することを特徴とする。
中間ブロックは炉内の燃焼域に相当し、この吸熱量が異常値を示した場合、燃焼状態が良好でないと判断できる。例えば、吸熱量が異常に高い値を示した場合には助燃料の供給量過多により燃焼温度が高くなりすぎていると判断できる。
従って、本発明のように助燃料供給量を調節することにより燃焼状態を良好に保つことが可能となるとともに、助燃料供給量を適正化することが可能となり、経済的な運転が可能となる。
さらに、前記上部ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、燃焼空気量、廃棄物供給量、助燃料供給量のうち少なくとも何れか一を制御することを特徴とする。
上部ブロックは溶融炉の排ガス出口側に相当し、この吸熱量が異常値を示した場合、例えば吸熱量が高い値を示した場合には、燃焼域が排ガス出口側に存在するため排ガス量が増大したと推定される。これは、燃焼空気量、廃棄物供給量、あるいは補助燃料が所定量以上に供給されているため、燃焼排ガス量が増大したと判断できる。排ガス量が増大すると溶融炉および二次燃焼室でのガス滞留時間が短く、充分な燃焼時間が得られず不完全燃焼となり、CO、DXN類の発生の原因となる。
従って、本発明のように、燃焼空気量、廃棄物供給量、助燃料のうち少なくとも一を制御し、排ガス量を所定量に戻すことにより、溶融炉を安定運転することが可能となる。
さらにまた、前記下部ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、燃焼空気量、廃棄物供給量、前記スラグ出滓口を加温するバーナ出力のうち少なくとも何れか一を制御することを特徴とする。
下部ブロックは溶融炉のスラグ出滓口に相当し、この吸熱量が異常値を示した場合、例えば吸熱量が低い値の場合には、スラグ出滓口が閉塞している若しくは閉塞傾向であると判断できる。従って、本発明のように、燃焼空気量、廃棄物供給量、酸素バーナ出力のうち少なくとも一を制御することによりスラグ出滓口近傍の温度を高くし、スラグ固化による閉塞を防止することが可能となる。
また、耐火壁の外側に水冷壁が配設された炉本体を有し、上部が二次燃焼室に連通し、下部にスラグ出滓口を備え、炉壁に廃棄物を熱分解して発生させた熱分解ガスを導入する熱分解ガスバーナが設けられ、該熱分解ガスの燃焼熱によりガス中の灰分を溶融する溶融炉の炉内状況監視・制御装置において、
前記水冷壁の冷却水通路が鉛直方向に複数に分割されており、一又は近接する複数の前記冷却水通路からなる冷却ブロックが上部、中間、下部に3つ存在し、
各冷却ブロックにおける冷却水流量を計測する流量計測手段と、冷却水の入口側と出口側の温度を夫々計測する温度計測手段と、前記流量計測手段で計測された冷却水流量と前記温度計測手段で計測された冷却水の入口側と出口側の温度の差から吸熱量を算出する制御手段と、を備え、
前記吸熱量に基づいて、上部ブロックでは燃焼排ガス発生状況、中間ブロックでは助燃料供給状況、下部ブロックではスラグ出滓状況を夫々監視することを特徴とする。

また、前記制御手段は、前記中間ブロックの吸熱量が異常値を示した場合に、主として助燃料供給量を制御することを特徴とする。
さらに、前記制御手段は、前記上部ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、燃焼空気量、廃棄物供給量、助燃料供給量のうち少なくとも何れか一を制御することを特徴とする。
さらにまた、前記制御手段は、前記下部ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、燃焼空気量、廃棄物供給量、前記スラグ出滓口を加温するバーナ出力のうち少なくとも何れか一を制御することを特徴とする。
以上記載のごとく本発明によれば、ガス化溶融システムにおける溶融炉にて、炉内状況を適確に把握することができ、さらには溶融炉を安定運転するための適切な制御が可能となる。
即ち、冷却ブロック毎に冷却水流量と温度差の積から吸熱量の推移を求めることにより、炉内の温度変化が適確に且つリアルタイムで把握できる。さらに、鉛直方向に並んだ複数の冷却ブロック毎にその温度変化を検出することができるため、溶融炉の各部位における状況を適宜監視することが可能である。
また、冷却ブロックを、上部ブロック、中間ブロック、下部ブロックの3つとし、夫々の吸熱量を求めることにより、ガス量変動の監視、助燃料の過負荷検出、スラグ出滓口の閉塞状況の監視を同時に行うことが可能となる。さらに、夫々の冷却ブロックに対応した制御を行うことにより、助燃料供給量の適正化、燃焼位置の適正化、スラグ出滓口の閉塞防止が可能となり経済的で且つ安定した運転が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例に係る炉内監視・制御装置を備えた溶融炉の構成図、図2はガス化溶融システムの概略を示す全体構成図である。
まず、図2を参照して、本実施例に係るガス化溶融システムの概略構成を説明する。
廃棄物投入ホッパ21から投入された廃棄物40は、必要に応じて破砕、乾燥された後に給じん機22を介して流動床式ガス化炉23へ定量供給される。流動床ガス化炉23では、温度約120〜230℃、空気比0.2〜0.7程度の燃焼空気41が炉下部から風箱24を介して炉内に吹き込まれ、流動層温度が500〜600℃程度に維持されている。
廃棄物40は流動床ガス化炉23で熱分解ガス化され、ガス、タール、チャー(炭化物)に分解される。タールは、常温では液体となる成分であるが、ガス化炉内ではガス状で存在する。
チャーは流動層内で徐々に微粉化され、ガス及びタールに同伴して旋回溶融炉1へ導入される。以下、旋回溶融炉1へ導入されるこれらの成分を総称して熱分解ガス43と呼ぶ。
前記流動床ガス化炉23の炉頂部より排出された熱分解ガス43は、ライニングダクトを経て旋回溶融炉1の熱分解ガスバーナへ導入される。該熱分解ガスバーナで、熱分解ガス43は燃焼空気44と混合されて炉内に導入され、旋回流を形成する。このとき、燃焼空気44は空気比0.9〜1.1、好ましくは1.0程度であると良い。
前記旋回溶融炉1では、熱分解ガス43と燃焼空気44の混合ガスが燃焼することにより炉内温度が1300〜1500℃に維持され、熱分解ガス43中の灰分が溶融、スラグ化される。溶融したスラグは、旋回溶融炉1の内壁面に付着、流下し、炉底部のスラグ出滓口から排出される。旋回溶融炉1から排出されたスラグは、水砕水槽28で急冷され、スラグコンベア29により搬出されて水砕スラグとして回収される。回収された水砕スラグは、路盤材等に有効利用することが可能である。
一方、旋回溶融炉1ら排出された燃焼排ガスは二次燃焼室26へ導入される。二次燃焼室26では、燃焼空気47が空気比1.2〜1.5となるように供給され、前記燃焼排ガス中の未燃分はここで完全燃焼される。
燃焼排ガスは、ボイラ部27で熱回収されて、200〜250℃程度まで冷却される。ボイラ部27から排出された燃焼排ガスは、減温塔30へ導入され、直接水噴霧により150℃程度まで冷却される。減温塔30から排出された燃焼排ガスは、必要に応じて煙道で消石灰、活性炭が噴霧され、反応集塵装置31に導入される。反応集塵装置31では、燃焼排ガス中の煤塵、酸性ガス、DXN類等が除去される。反応集塵装置31から排出された集塵灰は薬剤処理して埋立処分され、燃焼排ガスは蒸気式加熱器32で再加熱され、触媒反応装置33でNOが除去された後、誘引ファン34を介して煙突35より大気放出される。
次に、図1を参照して本実施例における溶融炉につき具体的に説明する。
同図に示されるように、旋回溶融炉1は断面円形状の炉本体2を有しており、該炉本体2の側壁には、熱分解ガス43を吹き込む一又は複数の熱分解ガスバーナ4が配設され、該熱分解ガスバーナ4には燃焼空気(一次空気)44を導入する燃焼空気供給ノズル5が付設されている。また、熱分解ガスバーナ4の近傍には、助燃バーナ12が配設されている。さらに、炉本体2の上部は二次燃焼室26に連通しており溶融炉1で発生した燃焼排ガスは二次燃焼室26に送られるようになっている。炉本体2の底部にはスラグ出滓口6が設けられている。スラグ出滓口6には、溶融スラグが固化して閉塞しないように酸素バーナ7が設けられている。酸素バーナ7は通常は使用しないが、スラグ出滓口6が閉塞あるいは閉塞傾向にある場合に着火し、閉塞の度合いによってバーナ出力を調整しながらスラグ出滓口6を加温し、溶融スラグの固化による閉塞を防止する。
炉本体2は外側を鉄皮20で被覆され、内壁は耐火材で形成される。耐火材で保護された炉壁内には複数の冷却管が埋設された水冷壁3が形成され、炉壁を冷却するようになっている。そして、この水冷構造により冷却・固化したスラグのセルフコート層を炉内壁面に形成させ、耐火材の侵食を防止するようにしている。耐火材としては、耐火材としては、耐火レンガ、不定形耐火物等が適宜用いられる。
また、本実施例の特徴的構成として、炉本体2に設けられた水冷壁3において、冷却水が循環する冷却水通路を鉛直方向に対して複数系統に分割し、一又は近接する複数の冷却水通路からなる冷却ブロックを複数形成した構成としている。本実施例では水冷壁3を3つの冷却ブロックに区画している。
3つの冷却ブロックのうち、上部ブロック8は炉本体2の二次燃焼室26に通じる絞り構造のデフューザ部に位置し、中間ブロック9は炉本体2の直胴部に位置し、下部ブロック10は炉底部に位置する。このとき、上部、中間、下部の冷却ブロックは夫々離間して(間に他の冷却水通路が存在する)設けてもよいし、隣接して設けてもよい。冷却水通路である水冷管は炉壁の円周上に沿って配置されることが好ましい。
冷却水径路は、図示されるように冷却水入口側で3系統に分岐させ、分岐させた冷却水11a〜11cを夫々の冷却ブロックに供給するようにしてもよいし、入口側から完全に独立させた3つの循環系統としてもよい。
夫々の冷却水通路には、冷却水流量及び温度差を検出する検出計が備えられている。入口側には冷却水11の温度を計測する温度計11Aが設けられる。上部ブロック8には、冷却水11a’の出口側温度を計測する温度計13、冷却水流量を計測する流量計14が設けられ、同様に、中間ブロック9では温度計15、流量計16、下部ブロック10では温度計17、流量計18が設けられている。
各冷却ブロックからの冷却水流量、温度情報は制御装置19に送られる。そして、該制御装置19にて、各冷却ブロック毎の冷却水流量と出入り口温度差とにより吸熱量が算出される。即ち、上部ブロック8では、入口側温度計11Aで計測された温度Tと、出口側温度計13で検出された温度T’の差ΔT(T’−T)と、流量計14で計測された冷却水流量Fとの積から吸熱量Qを求める。中間ブロック9、下部ブロック10でも同様に吸熱量を求める。そして、これらの吸熱量に基づいて各冷却ブロックに対応する炉内部位における炉内状況を監視する。このとき、吸熱量の時間的変化に基づいて炉内の異常を判断することが好ましい。また、予め吸熱量の適正範囲を設定しておき、吸熱量がこの適正範囲から外れた場合に炉内の異常を判断するようにしてもよい。
このように本構成によれば、冷却ブロック毎に冷却水流量と温度差の積から吸熱量の推移を求めることにより、炉内の温度変化が適確に且つリアルタイムで把握できる。さらに、鉛直方向に並んだ複数の冷却ブロック毎にその温度変化を検出することができるため、溶融炉1の各部位における状況を適宜監視することが可能である。
また、耐火壁の肉厚が薄くなると冷却水の吸熱が増大するため、耐火壁の侵食が検出できるとともに、ブロック毎に吸熱量を測定しているため、侵食位置も特定できるようになり、耐火壁の補修、メンテナンスが容易になる。
さらに、夫々の冷却ブロックにおける炉内監視・制御の具体例を以下に示す。
中間ブロック9は炉内の燃焼域に相当し、この部位の吸熱量が異常値を示した場合、助燃料45の供給状況が適切でないため燃焼状態が良好でないと判断できる。例えば、吸熱量が異常に高い値を示した場合には助燃料45の供給量過多により燃焼温度が高くなりすぎていると判断できる。
このように、中間ブロック9ではその吸熱量に基づいて助燃料45の供給状況を監視する。中間ブロック9における吸熱量の時間的変化を測定し、これに基づき助燃料供給状況の良否を判断する。また、予め正常運転時における吸熱量の適正範囲を設定しておき、吸熱量がこの適正範囲内に存在しない場合には、助燃料45の供給量が適正でないと判断するようにしてもよい。
吸熱量が異常値を示した際に、正常範囲より大きい場合には助燃料45の供給量が過多であり、一方、吸熱量が正常範囲より小さい場合には、助燃料45の供給量が不足であると判断できる。
さらに、中間ブロック9の吸熱量に応じて助燃料供給量を制御することが好ましい。吸熱量が大きい場合には助燃料供給量を低減し、小さい場合には助燃料供給量を増大させる。このように、助燃料供給量を調節することにより燃焼状態を良好に保つことが可能となるとともに、助燃料供給量を適正化することが可能となり、経済的な運転が可能となる。
上部ブロック8では溶融炉1の排ガス出口側に相当し、この部位の吸熱量が異常値を示した場合、例えば吸熱量が高い値を示した場合には、燃焼域が排ガス出口側に存在するため燃焼排ガス発生量が増大したと推定される。これは、燃焼空気量、廃棄物供給量、あるいは補助燃料が所定量以上に供給されているため、燃焼排ガス量が増大したと判断できる。排ガス量が増大すると溶融炉および二次燃焼室でのガス滞留時間が短く、充分な燃焼時間が得られず不完全燃焼となり、CO、DXN類の発生の原因となる。
このように、上部ブロック8ではその吸熱量に基づいて燃焼排ガス発生状況を監視する。これは、中間ブロック9と同様に、吸熱量の時間的変化から異常状態を検出してもよいし、予め設定した吸熱量の適正範囲から異常状態を検出してもよい。
さらに好適には、上部ブロック8の吸熱量に応じて、排ガス量が適正となるように燃焼空気量、廃棄物供給量、助燃料供給量のうち少なくとも何れか一を制御する。これにより、排ガス量を所定量に戻すことができ、溶融炉の安定運転が可能となる。
下部ブロック10では、溶融炉1のスラグ出滓口6に相当し、この部位の吸熱量が異常値を示した場合、例えば吸熱量が低い値の場合には、スラグ出滓口6が閉塞している、若しくは閉塞傾向であると判断できる。
このように、下部ブロック10ではその吸熱量に基づいてスラグ出滓状況を監視する。これは、中間ブロック9、上部ブロック8と同様に、吸熱量の時間的変化から異常状態を検出してもよいし、予め設定した吸熱量の適正範囲から異常状態を検出してもよい。
さらに好適には、下部ブロック10の吸熱量に応じて、燃焼空気量、廃棄物供給量、酸素バーナ7出力のうち少なくとも一を制御する。これによりスラグ出滓口近傍の温度を高くし、スラグ固化による閉塞を防止することが可能となる。
本発明の実施例に係る炉内監視・制御装置を備えた溶融炉の構成図である。 ガス化溶融システムの概略を示す全体構成図である。
符号の説明
1 溶融炉
2 炉本体
3 水冷壁
4 熱分解ガスバーナ
5 燃焼空気ノズル
6 スラグ出滓口
7 酸素バーナ
8 上部ブロック
9 中間ブロック
10 下部ブロック
12 助燃バーナ
11A、13、15、17 温度計
14、16、17 流量計
19 制御装置
23 ガス化炉
26 二次燃焼室

Claims (9)

  1. 耐火壁の外側に水冷壁が配設された炉本体を有し、上部が二次燃焼室に連通し、下部にスラグ出滓口を備え、廃棄物を熱分解して発生させた熱分解ガスを炉壁に設けられた熱分解ガスバーナより導入し、該熱分解ガスの燃焼熱によりガス中の灰分を溶融する溶融炉の炉内状況監視・制御方法において、
    前記水冷壁の冷却水通路が鉛直方向に複数に分割されており、一又は近接する複数の前記冷却水通路からなる冷却ブロックが上部、中間、下部に3つ存在し、
    各冷却ブロックにおける冷却水流量と、冷却水の入口側と出口側の温度差とから夫々の冷却ブロックにおける吸熱量を算出し、該算出した吸熱量に基づいて、上部ブロックでは燃焼排ガス発生状況、中間ブロックでは助燃料供給状況、下部ブロックではスラグ出滓状況を夫々監視することを特徴とする溶融炉の炉内状況監視・制御方法。
  2. 前記中間ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、主として助燃料供給量を制御することを特徴とする請求項1記載の溶融炉の炉内状況監視・制御方法。
  3. 前記上部ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、燃焼空気量、廃棄物供給量、助燃料供給量のうち少なくとも何れか一を制御することを特徴とする請求項1記載の溶融炉の炉内状況監視・制御方法。
  4. 前記下部ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、燃焼空気量、廃棄物供給量、前記スラグ出滓口を加温するバーナ出力のうち少なくとも何れか一を制御することを特徴とする請求項1記載の溶融炉の炉内状況監視・制御方法。
  5. 耐火壁の外側に水冷壁が配設された炉本体を有し、上部が二次燃焼室に連通し、下部にスラグ出滓口を備え、炉壁に廃棄物を熱分解して発生させた熱分解ガスを導入する熱分解ガスバーナが設けられ、該熱分解ガスの燃焼熱によりガス中の灰分を溶融する溶融炉の炉内状況監視・制御装置において、
    前記水冷壁の冷却水通路が鉛直方向に複数に分割されており、一又は近接する複数の前記冷却水通路からなる冷却ブロックが上部、中間、下部に3つ存在し、
    各冷却ブロックにおける冷却水流量を計測する流量計測手段と、冷却水の入口側と出口側の温度を夫々計測する温度計測手段と、前記流量計測手段で計測された冷却水流量と前記温度計測手段で計測された冷却水の入口側と出口側の温度の差から吸熱量を算出する制御手段と、を備え、
    前記吸熱量に基づいて、上部ブロックでは燃焼排ガス発生状況、中間ブロックでは助燃料供給状況、下部ブロックではスラグ出滓状況を夫々監視することを特徴とする溶融炉の炉内状況監視・制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記中間ブロックの吸熱量が異常値を示した場合に、主として助燃料供給量を制御することを特徴とする請求項5記載の溶融炉の炉内状況監視・制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記上部ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、燃焼空気量、廃棄物供給量、助燃料供給量のうち少なくとも何れか一を制御することを特徴とする請求項5記載の溶融炉の炉内状況監視・制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記上部ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、燃焼空気量、廃棄物供給量、助燃料供給量のうち少なくとも何れか一を制御することを特徴とする請求項5記載の溶融炉の炉内状況監視・制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記下部ブロックにて前記吸熱量が異常値を示した場合に、燃焼空気量、廃棄物供給量、前記スラグ出滓口を加温するバーナ出力のうち少なくとも何れか一を制御することを特徴とする請求項5記載の溶融炉の炉内状況監視・制御装置。
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