JP4933134B2 - 産業廃棄物焼却用竪型ごみ焼却炉 - Google Patents

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Description

本発明は、ごみ質の変動が大きい産業廃棄物や医療系廃棄物を含む産業廃棄物を焼却する竪型ごみ焼却炉に関する。
産業廃棄物は、有害物質が多く含まれるだけでなく、固体・液体・粘性体とその性状が多種多様であり、高発熱量物質や難燃物あるいは不燃物が混在してごみ質の変動が大きいという特徴がある。さらに、医療系廃棄物の場合、溶融しやすいガラス類や高発熱量のプラスチック性の使い捨て容器、或いは紙おむつ等の高含水性ごみが多量に含まれるうえ、注射針等の鋭利物や感染性廃棄物は所定の梱包状態のままで処理することが義務付けられていることから、攪拌等によって、投入ごみを均質化する前処理も困難となっている。
したがって、ごみ質の変動が大きいことから安定燃焼が難しいだけでなく、高発熱量の易燃物の燃焼による局所的な温度上昇が発生し易いために、溶融した不燃物が炉壁に溶着してクリンカを形成し、成長することにより肥大化し、焼却や灰排出時の障害となりやすく、問題となっていた。
これらの焼却処理には、ロータリーキルン式、傾斜回転炉床式、あるいは攪拌手段付水平回転炉床式等のごみを転回あるいは攪拌しながら燃焼させる方式の炉が、一般に多く使用されているが、これらの方式は、ごみ層が薄くなるために、紙やプラスチック等の燃えやすい物だけ先燃えして難燃物が残る燃えむらが生じ易く、吹抜けによる耐火物の寿命低下と、難燃物の燃焼時間確保のために炉床面積を拡張する必要があり、設置面積が増大するという欠点を有していた。
上述の欠点が解消された燃焼方式である竪型ごみ焼却炉は、竪型の炉内にごみを厚く積み、垂直方向にごみ質を均質化させて燃焼させるという技術思想に基づくものであるが、他方式と同様、高発熱量物質の燃焼による局所的な温度上昇の影響による炉壁(特にごみや灰に常時接する下部炉壁)へのクリンカやガラス類の溶着に対して注意が必要であるために、炉体下部の炉壁を冷却ケーシングにより冷却する対策が採られていた(特許文献1参照)。
特開2001−304519号公報(第3〜5頁、図3)
しかしながら、特許文献1に示す従来の竪型ごみ焼却炉の冷却ケーシングは、その内部を区画して上部を空冷式、下部を水冷式とした形式のものが使用されていたが、上部の空冷ジャケット内で加熱された冷却用空気は、大気放出または空気予熱器用空気として利用される一方、下部の水冷ジャケット内で加熱された冷却水は、循環させて再利用するために、冷却設備としてクーリングタワーを設置する必要があり、設備費が嵩むだけでなく、吸熱により得られた熱エネルギーの喪失を招くことから、廃熱の有効利用という面で問題があった。
また、プラスチック類等の高発熱量廃棄物の比率が高まり、近年ますます高発熱量化傾向が顕著となっている産業廃棄物の焼却において、従来の冷却ケーシングによる冷却効果だけでは、下部炉壁付近の高温化を完全に抑制することが難しくなってきており、時として、当該部のクリンカやガラス溶融物の付着防止が不充分となる懸念が生じていた。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、ジャケット冷却水の吸収熱量を有効に利用するとともに、冷却設備の設置費用を節減でき、さらに、竪型ごみ焼却炉の下部耐火物表面のクリンカやガラス溶融物の溶着・肥大化を完全に防止して、焼却及び焼却灰排出時の障害を解消できる産業廃棄物焼却用竪型ごみ焼却炉を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、竪型の焼却炉本体の上方に排ガス混合手段を介して再燃焼室が戴置されるとともに、該焼却炉本体の下方には焼却灰排出機構が配置された竪型ごみ焼却炉において、前記焼却炉本体の下部耐火物の外周に配置された水冷ジャケットと、この水冷ジャケットに水を送る冷却水供給手段と、この水冷ジャケットに接続され、該水冷ジャケット内で発生した水蒸気を取り出すための蒸気管路とを備え、前記蒸気管路は、前記下部耐火物と水冷ジャケットを貫通して設けられた1次空気供給管の少なくとも1箇所に接続されて、焼却炉本体内に水蒸気を送入可能に構成されるとともに、前記蒸気管路から余剰蒸気の放出量を調節するための切替手段が設けられ、前記再燃焼室で燃焼された再燃ガスを降温して排ガスとするガス冷却設備と、導入された前記排ガスを、ばいじんや有害ガス成分が中和・濾過された清浄ガスにする排ガス処理設備と、前記ガス冷却設備および排ガス処理設備で捕集された飛灰と、焼却炉本体から排出された焼却灰とを貯留、無害化する灰処理設備と、前記水冷ジャケットから回収される回収蒸気量が、前記1次空気供給管から供給される1次空気に添加して炉内に送入され、高温部の燃焼抑制に寄与する送入蒸気量を下回る場合には、前記水冷ジャケットからの回収蒸気量の不足分を補填する排ガス循環設備とが設けられ、前記排ガス循環設備は、前記排ガス処理設備の清浄ガスを吸引する誘引通風機下流の煙道に接続された循環ダクトと、前記循環ダクトの経路に設けられた切替ダンパと、前記記排ガス処理設備から取り出された一部の清浄ガスを循環ガスとして、前記循環ダクトに還流させる循環ガス送風機と、前記1次空気供給管の少なくとも1箇所に接続される連結ダクトから構成されていることを特徴とする。
以上述べたように、本発明に係る産業廃棄物焼却用竪型ごみ焼却炉によれば、竪型ごみ焼却炉の下部耐火物の背面全周を水冷ジャケットで覆い、供給された冷却水を炉内の燃焼熱で蒸気化して、所定量を1次空気供給管から炉内に送入することにより、回収熱の損失を防止できるとともに、冷却設備の設置費用を節減できる。
また、1次空気供給管の少なくとも1箇所に水蒸気を送入することによって、炉内を抑制燃焼させて高温化を防止できるため、下部耐火物表面のクリンカやガラス溶融物等の溶着・肥大化を防止でき、安定して連続操業を行うことができる。
さらに、水冷ジャケットの供給水に、スケール対策として軟水等を用いる必要がないだけでなく、蒸気回収・消費箇所が近接しているため、給水・配管設備の費用節減効果が顕著である。
以下、本発明の実施の形態について図1を参照して説明する。
図1は、本発明に係る産業廃棄物焼却用竪型ごみ焼却炉の概略構造を示す模式図である。
[以下、本発明の実施形態にかかる構造の説明]
図1において、竪型ごみ焼却炉1は、中央の円筒部21と連接する漏斗部22からなる焼却炉本体2と、底部に配設された焼却灰排出機構3及び、該焼却炉本体2の上部に排ガス混合手段4を介して戴置された再燃焼室5を主体に構築されている。
上記焼却炉本体2は、その外殻をなす図示しない鋼製のケーシングと内側の上部耐火物23(円筒部21に配置)及び下部耐火物24(漏斗部22に配置)から構成され、その側面には、産業廃棄物や所定梱包に収納された感染性廃棄物を炉内に投入するために、二重ダンパ等のシール機構を備えた投入口6が設けられるとともに、炉内で発生したガスの2次燃焼用の複数の2次空気ノズル25(1個のみ図示)が配置されている。この2次空気ノズル25には、2次押込送風機26を介して常温の2次空気bが送入される。
焼却炉本体2の中間部から下方の漏斗部22は、ごみ層を厚くして性状の異なるごみ質を平準化させるために、漏斗状に絞られて形成されており、その側部には、送風機27を通じてごみ質に応じて調温された1次空気aを供給するための複数の1次空気供給管7(上側から符号71〜74として4本を図示)が、各々流量調節のためのダンパを備えて配置されている。
そして、漏斗部22に配置された下部耐火物24の背面には、内部を通過する冷却水によって、下部耐火物24を徐冷する水冷ジャケット8が全周に渡って設けられるとともに、この水冷ジャケット8に冷却水を送入するための給水ポンプ81と給水配管82とからなる冷却水供給手段がその下部に、ジャケット8内で発生した水蒸気sを取り出して利用するための蒸気管路83がその上部に、それぞれ接続されている。
蒸気管路83の終端は、1次空気供給管7に接続(図1では1次空気供給管73及び74に接続された状態を図示)され、水蒸気sを1次空気aに混合できるように構成されている。また、蒸気管路83の途中には、仕切弁等の流量調節手段84と、余剰分の水蒸気sを大気放出するための三方弁等による切替手段85が各々設けられている。
上記焼却灰排出機構3は、漏斗部22下部に設けられ、上側に配置された対向する一対の出没自在なごみ支持板31,31と、下側に設けられた開閉自在の焼却灰排出板32,32と、図示しないこれらの駆動機構から構成されている。
ごみ支持板31,31は、図1のように通常時は焼却炉本体2内から没した状態に配置されているが、焼却灰排出板32,32を開放して焼却完結後の焼却灰を排出する時のみ、図1において一点鎖線で示すように、後述の灰層zの中に突出させて、ごみ支持板31,31より上方にあるごみRと焼却灰Aの荷重を支持することにより、下方の焼却灰Aを焼却灰排出機構3の下方に配置された灰搬出装置33に排出する動作を行う。
なお、焼却灰排出板32,32には、小径の空気孔が複数穿孔されており、最下部の1次空気供給管74から送入された1次空気aや水蒸気sは、この孔を通って灰層zに上昇する。
[以下、本発明の実施形態にかかる炉内燃焼状況とクリンカ防止対策の説明]
次に、このように構成された竪型ごみ焼却炉1におけるごみの燃焼状況と、水冷ジャケット8及び発生した水蒸気を利用したクリンカ対策の方法について、図1により説明する。
ごみRは、図示しないコンベア式の定量供給装置を介して、所定の間隔で投入口6から焼却炉本体2内に投入される。竪型ごみ焼却炉1の平常操業状態において、焼却炉本体2内では、ごみの燃焼状態により位置が変動するものの、上から火炎層t、ごみ層u、おき燃焼層y、及び灰層zの各層が形成されている。
投入されたごみRは、ごみ層uに堆積されるとともに、おき燃焼層yから上昇する熱分解ガスeの保有する熱と、1次空気供給管71から供給される高温の1次空気aによって、プラスチック類や紙・繊維等の高発熱量の易燃物が着火されてガス化燃焼し、水分の多いごみや難燃物は乾燥されるとともに炭化燃焼を続け、上述の易燃物とともに熱分解ガスeを発生させる。
この高温の熱分解ガスeは、ごみ層u内を通過して上昇し、その熱で上部のごみRの乾燥・着火及びガス化を促進しながら火炎層tに達し、複数の2次空気ノズル25から火炎層t上方に供給される常温の2次空気bによって、2次燃焼されて燃焼ガスwとなったのち、排ガス混合手段4を通過して再燃焼室5に入り、再燃バーナ51の加熱により未反応ガスや浮遊炭素粒子の完全焼却とダイオキシン類等有機化合物の熱分解及び燃焼がなされた再燃ガスrとなって、炉外の処理設備に送られる。
おき燃焼層yでは、ごみ層uで燃焼できなかった未燃炭化物や難燃物に、下層の灰層zから上昇する熱気と、1次空気供給管72,73から供給される高温の1次空気aにより、時間をかけておき燃焼がなされるとともに、この燃焼に伴って熱分解ガスeが発生する。 灰層zでは、1次空気供給管73,74から供給される高温の1次空気により、残留する未燃炭化物の燃焼が完結されるとともに、燃焼完結後の焼却灰Aは、上述のごみ支持板31,31と焼却灰排出板32,32の交互開閉動作によって、灰搬出装置33に排出されるまで滞留される。
なお、上述の1次空気aは、再燃焼室5内に設けた高温用空気予熱器52で昇温されたものを、ごみ質に応じて調温して使用するが、高温用空気予熱器52を設けずに、炉外下流の煙道部に空気予熱器を設けて、あるいは、その他の熱源を用いて昇温されたものを利用しても良い。
ここで、漏斗部22の下部耐火物24は、その背面に設けられた水冷ジャケット8により徐冷されているため、ごみ層u、おき燃焼層y、及び灰層zの各層に接する表面の温度上昇が抑制されて、クリンカやガラス溶融物の溶着・肥大化が防止される。
なお、下部耐火物24の材質は、通常、炭化珪素質等のキャスタブル耐火物が用いられるが、全体を同一材質としないで、例えば、上部側のみアルミナ質等の熱伝導性の良い材料によって形成すれば、より高温に曝される下部耐火物24の上部表面の冷却効果が高まるとともに、回収熱量も増加するため、好ましい。
さらに、給水ポンプ81によって給水配管82から水冷ジャケット8に供給された常温の水は、下部耐火物24からの伝熱により昇温され、水冷ジャケット8内で水蒸気sとなったのち、蒸気管路83を通って、灰層zまたはおき燃焼層yに空気送入する1次空気供給管72〜74の少なくとも1箇所(図1には、灰層zへの1次空気供給管73,74に接続された状態を図示)から、1次空気aとともに炉内に送入される。
このように、1次空気aに水冷ジャケット8で発生した水蒸気sを添加し、灰層z及び/または、おき燃焼層yに送入することにより、吸熱反応である水性ガス化反応(C+H2 O→CO+H2 )が高温部を中心に生じるため、高発熱量の易燃物の局部的燃焼による異常温度上昇を抑制できるとともに、下部耐火物24付近での局部的な高温化の発生を回避できる。
すなわち、従来技術に比べ、その面積を拡張した水冷ジャケット8による定常的な徐冷作用と、水性ガス化反応(吸熱反応)による温度上昇抑制作用の相乗効果によって、クリンカやガラス溶融物が下部耐火物24表面に溶着・成長して発生する排出障害を効果的に防止することができる。また、局部的な異常燃焼が抑制されて緩慢な燃焼状態に移行されることにより、燃焼状態が安定するとともに、窒素酸化物の発生も抑制される。
上記効果を奏するに好適な1次空気供給管7への水蒸気sの供給量は、1次空気aの1割程度(容量)であり、温度抑制効果と排ガス量の増加を勘案すれば、5〜15%程度の範囲内に供給量を設定、または、調節することが好ましい。
なお、水冷ジャケット8で発生した水蒸気sの総量の内、上記の容量を超える余剰分は、蒸気管路83の途中に設けられた切替手段85の開度を調節して大気中にそのまま放出することができる。
余剰蒸気を炉内に送入しないことにより、過度の燃焼抑制による炉温降下を防止でき、安定した燃焼状態を維持することができる。
[以下、本発明の実施形態にかかる炉規模と蒸気量の関係の説明]
次に、本発明に係る産業廃棄物焼却用竪型ごみ焼却炉の炉規模と蒸気量の関係について説明する。詳しくは、炉規模に対する、水冷ジャケット8の「伝熱面積」、そこから回収される蒸気の量(以下「回収蒸気量」という)、及び1次空気aに添加して炉内に送入され、高温部の燃焼抑制に寄与する蒸気の量(以下「送入蒸気量」という)の各関係について説明する。
図2は、竪型ごみ焼却炉1の炉規模と回収・送入蒸気量及び伝熱面積の関係を表わす計算結果の一例を示す線図である。
図2において、送入蒸気量は、基準ごみの低位発熱量を4500kcal/kgに設定し、空気過剰率0.9として各規模毎に1次空気aの供給量を求めてから、水蒸気sの添加比を約1割として算出されており、炉規模に対してほぼ正比例の関係となっている。
これに対して、回収蒸気量は、下部耐火物24に接触する水冷ジャケット8の伝熱面積に基づいて算出される右上がりの増加曲線で示される。中小規模の炉では、回収蒸気量が送入蒸気量を上回るため、水蒸気sに余剰分が生じている。この余剰分の水蒸気sは、上述のように蒸気管路83に設けられた切替手段85から大気中に放出処理される。
ところで、容積と面積間では次元が相違することから、炉規模の拡大につれて伝熱面積の増加量は漸次減少し、回収蒸気量の増加曲線も同様な傾向を示すことになる。そのため、所定規模(図2にP点として示す、炉規模110t/24h付近)を超えると、回収蒸気量と送入蒸気量の上下関係は逆転し、回収蒸気量に不足分が発生する。このような場合、不足分となる蒸気量を補填するための追加供給設備を設けることが望ましい。
なお、図2に示した線図は、上記の設計条件下における一例であり、ごみ質等の設計条件に応じて見直されるものである。よって、所定規模の数値も固定されたものではない。
[以下、本発明の実施形態にかかる追加供給設備を含む構成の説明]
次に、竪型ごみ焼却炉1が上記の所定規模を超える場合に、追加供給設備を設けて構成した実施形態の一例について、図3を参照して説明する。図3における竪型ごみ焼却炉1は、図1に示したものと同一のため、既に説明した装置や物質と同一のものには同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
図3において、竪型ごみ焼却炉1の再燃焼室5で完全燃焼された再燃ガスrは、水噴射式や廃熱ボイラ等のガス冷却設備91において、200℃程度以下に降温された排ガスgとなったのち、バグフィルタ等の排ガス処理設備92に導入されて、ばいじんや有害ガス成分が中和・濾過された清浄ガスp(水蒸気含有)となり、後続の誘引通風機93に吸引されて煙突から大気中に放出される。
なお、94は、ガス冷却設備91と排ガス処理設備92で捕集された飛灰Fと、焼却炉本体2から排出された焼却灰Aを貯留、無害化する灰処理設備である。
95は、上述の追加供給設備として設けられた排ガス循環設備であって、誘引通風機93下流の煙道に接続された循環ダクト96と、この循環ダクト96の経路に設けられた切替ダンパ97と、上記排ガス処理設備92から取り出された一部の清浄ガスpを循環ガスcとして、循環ダクト96に還流させる循環ガス送風機98と、前記1次空気供給管7の少なくとも1箇所に接続される連結ダクト99(図3では供給管73,74の2箇所に分管接続した状態を図示)から構成されている。循環ガスcは、切替ダンパ97の開度を調節することにより、回収蒸気の不足分に当たる量だけ、1次空気供給管7に供給される。
なお、上記連結ダクト99の各分管には、図示しない流量調整のためのダンパが各々配設されている。
また、前述した切替手段85は、蒸気管路83から分岐された排出管85aに設けられている。
本実施形態において、循環ガスcの供給量は、循環ガスc中の含有水蒸気量が上述の不足分と同量になるように決定すれば良い。この場合において、循環ガスc中の含有酸素量に相当する分だけ、1次空気aを減量するように調整すれば、1次空気aの空気過剰率(=「1次空気供給量/理論空気量)が増加しないため好ましい。
また、ガス冷却設備91として、気化潜熱を利用する水噴射方式を採用した場合の方が廃熱ボイラ方式の場合より、循環ガスcの供給量が少なく済むが、どちらの方式を採用しても特に問題はない。
本実施形態によれば、水冷ジャケット8の回収蒸気量の不足分を、循環ガスcによって補っているため、所定規模を超える炉であっても、必要量の水蒸気を1次空気aとともに炉内に送入することができ、クリンカやガラス溶融物の溶着防止対策を完全に行うことができる。
なお、追加供給設備としては、これに限らず、その他の蒸気発生源(例えば、パッケージボイラ)、あるいは、ガス冷却設備91として設けた廃熱ボイラで発生させた水蒸気を直接使用し、1次空気供給管7に不足分を供給する供給管路を構成してもよい。
この場合、既存設備や兼用設備を利用して、簡単に追加供給設備を設けることができ、循環ダクトcを設けた場合と比べて配管費用を節減することができる。
本発明に係る産業廃棄物焼却用竪型ごみ焼却炉の概略構造を示す模式図である。 竪型ごみ焼却炉の炉規模と回収・送入蒸気量及び伝熱面積の関係を表わす計算結果の一例を示す線図である。 竪型ごみ焼却炉が上記の所定規模を超える場合に追加供給設備を設けて構成した実施形態の一例を示す図である。
符号の説明
1 竪型ごみ焼却炉
2 焼却炉本体
3 焼却灰排出機構
4 排ガス混合手段
5 再燃焼室際
7(71〜74) 1次空気供給管
8 水冷ジャケット
81 給水ポンプ
82 給水配管
83 蒸気管路
85 切替手段

Claims (1)

  1. 竪型の焼却炉本体の上方に排ガス混合手段を介して再燃焼室が戴置されるとともに、該焼却炉本体の下方には焼却灰排出機構が配置された竪型ごみ焼却炉において、
    前記焼却炉本体の下部耐火物の外周に配置された水冷ジャケットと、この水冷ジャケットに水を送る冷却水供給手段と、この水冷ジャケットに接続され、該水冷ジャケット内で発生した水蒸気を取り出すための蒸気管路とを備え、
    前記蒸気管路は、前記下部耐火物と水冷ジャケットを貫通して設けられた1次空気供給管の少なくとも1箇所に接続されて、焼却炉本体内に水蒸気を送入可能に構成されるとともに、前記蒸気管路から余剰蒸気の放出量を調節するための切替手段が設けられ、
    前記再燃焼室で燃焼された再燃ガスを降温して排ガスとするガス冷却設備と、
    導入された前記排ガスを、ばいじんや有害ガス成分が中和・濾過された清浄ガスにする排ガス処理設備と、
    前記ガス冷却設備および排ガス処理設備で捕集された飛灰と、焼却炉本体から排出された焼却灰とを貯留、無害化する灰処理設備と、
    前記水冷ジャケットから回収される回収蒸気量が、前記1次空気供給管から供給される1次空気に添加して炉内に送入され、高温部の燃焼抑制に寄与する送入蒸気量を下回る場合には、前記水冷ジャケットからの回収蒸気量の不足分を補填する排ガス循環設備とが設けられ、
    前記排ガス循環設備は、前記排ガス処理設備の清浄ガスを吸引する誘引通風機下流の煙道に接続された循環ダクトと、前記循環ダクトの経路に設けられた切替ダンパと、前記記排ガス処理設備から取り出された一部の清浄ガスを循環ガスとして、前記循環ダクトに還流させる循環ガス送風機と、前記1次空気供給管の少なくとも1箇所に接続される連結ダクトから構成されていることを特徴とする産業廃棄物焼却用竪型ごみ焼却炉。
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