JP2013164225A - 廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法 - Google Patents

廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低空気比燃焼を可能とする廃棄物焼却炉及び方法を提供することを課題とする。
【解決手段】廃棄物投入口13から落下投入された廃棄物を燃焼する主燃焼室11を有し、主燃焼室11での燃焼後の未燃ガスを燃焼する二次燃焼室12が該主燃焼室11の出口側に接続されており、主燃焼室下部に、主燃焼室11内での廃棄物の移動方向で、乾燥火格子11a、燃焼火格子11bそして後燃焼火格子11cが順に設けられていると共に、乾燥火格子11a、燃焼火格子11bそして後燃焼火格子11cのそれぞれの下方から一次空気を供給する一次空気供給手段21が設けられている廃棄物焼却炉において、後燃焼火格子の下方から二次空気を供給する二次空気供給手段31が設けられており、二次空気が主燃焼室11を経て二次燃焼室12へ供給されるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、都市ごみ等の廃棄物を焼却する火格子式の廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法に関する。
都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉として、火格子式廃棄物焼却炉が広く用いられており、その代表的なものの概要構成を添付図面の図4に示す。この図4の形式の焼却炉は特許文献1にも開示されている。
図4に示される焼却炉は、廃棄物を燃焼する主燃焼室1の下部に廃棄物の移動方向に配置され三段から成る火格子(乾燥火格子1a、燃焼火格子1bそして後燃焼火格子1c)を有し、後燃焼火格子1cの上方に位置する主燃焼室1の出口に二次燃焼室2が連設されている。上記主燃焼室1には乾燥火格子1aの上方に位置して廃棄物投入口3がそして後燃焼火格子1cの右下方には灰落下口4がそれぞれ設けられている。通常、上記二次燃焼室2は廃熱回収用の廃熱ボイラ10の一部でもあり入口近傍部分である。また、上記主燃焼室1には、燃焼火格子1bと後燃焼火格子1cにまたがる範囲で火格子の上方位置に外部からの二次空気を主燃焼室1内へ吹き込む二次空気吹込み口5が設けられている。
図4に示される焼却炉にあっては、廃棄物投入口3から炉内に投入された廃棄物は、シュート3aを通して乾燥火格子1a上に堆積され、乾燥火格子1aの下からの空気と炉内の輻射熱により乾燥されると共に、昇温されて着火する。すなわち、上記乾燥火格子1aの直上方では、廃棄物の流れ方向の上流側たる左域空間で乾燥領域をそして下流側たる右域空間では燃焼開始領域を形成する。燃焼開始領域で着火して燃焼を開始した廃棄物は、燃焼火格子1b上に送られ、廃棄物が熱分解ガス化され可燃性ガスが発生し、燃焼火格子1bの下から送られる燃焼用の一次空気によりガス分と固形分が燃焼し、上記燃焼火格子1bの直上方空間で主燃焼領域を形成する。そして、更に後燃焼火格子1c上で、後燃焼火格子1cの下から送られる燃焼用の一次空気により固定炭素など未燃分が完全に燃焼し、該後燃焼火格子1c直上方空間で後燃焼領域を形成する。しかる後、燃焼後に残った灰は、灰落下口4より外部に排出される。かくして廃棄物は三段の火格子1a〜1cの下から吹き上げる一次空気により、燃焼する。
このような焼却炉では、廃棄物の燃焼は主燃焼室1内で行われ、燃焼排ガスに含まれている未燃ガスは、二次空気吹込み口5からの二次空気を受けて二次燃焼室2で二次的な燃焼が行われて未燃分が完全に燃焼する。二次燃焼室2からの排ガスは、廃熱ボイラ10にて熱交換された後に、減温塔、バグフィルタ(共に図示せず)等を経由して無害化された状態で煙突から外部に放出される。廃熱ボイラでは、高温の燃焼排ガスから熱交換器により熱回収され蒸気を発生し、その蒸気を熱供給,発電等に供している。
この図4の焼却炉は、一次空気と二次空気の2系統の燃焼用空気供給系を備え、一次空気供給系はファン6からダンパ等の流量調節機構7を介して火格子1a〜1cに空気を送り込む系統であり、二次空気供給系はファン8からダンパ等の流量調節機構9を介して二次空気を吹込み口5から主燃焼室1内に吹き込む系統である。
特開平9-49624
図4に示されるような従来の廃棄物焼却炉では、実際に炉内に供給する空気量を廃棄物の燃焼に必要な理論空気量で除した比は(空気比)は、通常1.6程度である。これは、一般燃料の燃焼に必要な空気比である1.05〜1.2に比べて大きくなっている。その理由は、廃棄物には、上記一般燃料としての液体燃料や気体燃料に比べて不燃分が多く、かつ燃料分の分布が不均質なため、空気の利用効率が低く、燃焼を行うには多量の空気が必要となるためである。しかし、単に供給空気を多くすると、空気比が大きくなるにしたがって排ガス量も多くなるので、これに伴ってより大きな排ガス処理設備が必要となる。
焼却炉において空気比を小さくした状態で支障なく廃棄物を燃焼することができれば排ガス量は低減し、排ガス処理設備がコンパクトになり、その結果、廃棄物焼却施設全体が小型化して設備費を低減できる。これに加えて、排ガス処理のための薬剤量も低減するので、運転費を低減できる。さらには、熱回収できずに大気に捨てられる熱量を低減させ、廃熱ボイラの熱回収率を向上できるので、廃棄物発電の効率を上げることができる。
このような状況のもとで、空気比を1.3以下の低空気比で廃棄物焼却炉を操業することが検討されている。低空気比操業を行うことにより焼却炉より排出される排ガス量が低減されるため、排ガスの体積当たりの顕熱が増加し廃熱ボイラでの熱回収効率が向上して発生蒸気による発電効率が向上でき、また、排ガス処理設備をコンパクトにでき廃棄物焼却設備全体をコンパクトにできる効果がある。
しかしながら、このように、低空気比燃焼に対する利点は大きくなるが、一方で、低空気比燃焼では燃焼が不安定になるという問題が残る。すなわち、低空気比で廃棄物を燃焼させると、燃焼が不安定となり、COの発生が増加したり、火炎温度が局所的に上昇してNOxが急増したり、煤が大量に発生したり、クリンカが発生したり、局所的な高温により炉の耐火物の寿命が短くなるという問題点がある。
火格子式焼却炉では、焼却炉へ供給する空気量を低減して低空気比燃焼を指向する場合でも、乾燥、燃焼、後燃焼のため火格子から供給する一次空気は空気比1.2程度は供給しないと廃棄物の燃焼状況が悪化してしまい、燃え切りが悪くなり灰分中未燃分の増加(熱勺減量の増加)につながることになってしまう。したがって、低空気比燃焼での操業を行うためには、二次空気量をも減少させることが試みられているが、次のような問題がある。すなわち、二次空気は火格子上の廃棄物層の上方で焼却炉側壁に設けた複数のノズルから炉幅方向(水平方向)に吹き込むようになっている。その結果、低空気比燃焼の操業を指向し二次空気量を減少させると、ノズルから供給された二次空気は炉中央部まで到達できず、炉中央部では二次空気が炉内発生ガスと十分な混合がなされないまま、炉壁側に沿って上昇してしまうため、未燃ガスが完全燃焼されず、燃焼排ガス中に数百ppmオーダのCOガスが残存する場合があり、COスパイクの発生の原因ともなる。COスパイクが発生すると、有害物質を含んだ排ガスが炉外に放出されることになり、公害防止の上から好ましくない。そのため低空気比燃焼を実現するのが困難になっている。
本発明は、かかる事情に鑑み、低空気比燃焼を行った場合においても、CO等の有害ガスの発生を抑制でき、廃棄物を安定して燃焼できる火格子式の廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法を提供することを課題とする。
本発明によると、上記課題は、次のように構成される廃棄物焼却炉あるいは廃棄物焼却方法によって解決される。
<廃棄物焼却炉>
本発明に係る廃棄物焼却炉は、廃棄物投入口から落下投入された廃棄物を燃焼する主燃焼室を有し、主燃焼室での燃焼後の未燃ガスを燃焼する二次燃焼室が該主燃焼室の出口側に接続されており、主燃焼室下部に、主燃焼室内での廃棄物の移動方向で、乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子が順に設けられていると共に、乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子のそれぞれの下方から一次空気を供給する一次空気供給手段が設けられている。
かかる廃棄物焼却炉において、本発明では、後燃焼火格子の下方から二次空気を供給する二次空気供給手段が設けられており、二次空気が主燃焼室を経て二次燃焼室へ供給されるようになっていることを特徴としている。
本発明において、二次空気供給手段は、二次空気の供給量を調整する供給量調整機構と、排ガスの酸素濃度を検出する酸素濃度計と、酸素濃度計からの検出信号にもとづき、検出酸素濃度が所定範囲内に収まるように上記供給量調整機構を制御する制御手段とを有していることが好ましい。
また、本発明において、温度が100〜300℃そして酸素濃度が5〜18%の高温ガスを、乾燥火格子から燃焼火格子までの範囲内での火格子直上の任意位置を吹込み位置とする高温ガス吹込み手段と、焼却炉からの排ガスの一部を、高温ガス吹込み位置よりも上方又は主燃焼室内のガス流れ方向の下流側に循環排ガスとして吹き込む循環排ガス吹込み手段とを、さらに有していることが好ましい。
<廃棄物焼却方法>
本発明に係る廃棄物焼却方法は、廃棄物投入口から落下投入された廃棄物を燃焼する主燃焼室を有し、主燃焼室での燃焼後の未燃ガスを燃焼する二次燃焼室が該主燃焼室の出口側に接続されており、主燃焼室下部に、主燃焼室内での廃棄物の移動方向で、乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子が順に設けられている廃棄物焼却炉にて、乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子のそれぞれの下方から一次空気を供給する。
かかる廃棄物焼却方法において、本発明では、後燃焼火格子の下方から二次空気を供給し、二次空気が主燃焼室を経て二次燃焼室へ供給されることを特徴としている。
本発明において、排ガスの酸素濃度を検出し、検出酸素濃度が所定範囲内に収まるように二次空気の供給量を制御することが好ましい。
また、本発明において、二次空気の吹込みに加え、温度が100〜300℃そして酸素濃度が5〜18%の高温ガスを、乾燥火格子から燃焼火格子までの範囲内での火格子直上の任意位置で吹込み位置として高温ガスを吹き込み、焼却炉からの排ガスの一部を、高温ガス吹込み位置よりも上方又は主燃焼室内のガス流れ方向の下流側に循環排ガスとして吹き込むことが好ましい。
このような本発明の廃棄物焼却炉そして廃棄物焼却方法にあっては、二次空気が後燃焼火格子の下方から供給されるので、この二次空気は、後燃焼火格子の炉幅方向全体に設けられている通気孔を通過し、炉幅方向(水平方向)に均等に分散された後に、後燃焼火格子の上方に形成される主燃焼室の部分を経て上昇した後、二次燃焼室へ至る。その結果、低空気比燃焼のもとでも、二次燃焼室には炉幅方向中央部でも十分に均一に二次空気が行きわたり、未燃ガスの燃焼が良好に行われる。
二次空気の供給量調整機構を有している場合には、二次燃焼室を含むボイラからの排ガスの酸素濃度を検出して、その濃度が所定範囲内に収まるように、上記供給量調整機構を制御して二次空気の供給量を増減する。
さらに、上記二次空気の吹込みに加え、好ましくは、高温ガスが吹き込まれ、高温ガスは主燃焼室における廃棄物層直上空間で廃棄物層から上昇する燃焼ガスに対向してよどみ領域を安定して形成し、このよどみ領域で廃棄物の熱分解ガスなどが火炎を形成して燃焼される。さらに、循環排ガスが吹き込まれ、未燃ガスと燃焼空気との混合を促進して燃焼させるとともに、高温領域が上方に及んで広範囲となることを防止してNOxの発生を抑制する。
本発明は、以上のように、後燃焼火格子の下方から二次空気を供給することとしたので、後燃焼火格子の炉幅方向全体に設けられている通気孔を二次空気が通過し、二次空気が炉幅方向全域に均一に行きわたる。したがって、二次空気は、炉幅方向で均一に行きわたった状態で、主燃焼室の部分を経て二次燃焼室に到達し、少ない二次空気量でも未燃ガスを燃やしきることができる。そのため、低空気比燃焼を行った場合においても、CO等の有害ガスの発生を抑制でき、廃棄物を安定して燃焼できる火格子式の廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法を提供することができる。
本発明の第一実施形態として廃棄物焼却炉装置の概要構成図である。 図1装置における各火格子上の廃棄物の燃焼により形成される領域を示す概念図である。 本発明の第二実施形態の廃棄物焼却炉装置の概要構成図である。 従来の廃棄物焼却炉装置の概要構成図である。
以下、添付図面の図1ないし図3にもとづき、本発明の実施の形態を説明する。
<第一実施形態>
図1に示される本実施形態の廃棄物焼却炉は、廃棄物を燃焼するための主燃焼室11の出口側に二次燃焼室12が連設されている。二次燃焼室12は廃熱回収のための廃熱ボイラ17の一部でもあり入口近傍部分である。
主燃焼室11の下部には、廃棄物の移動方向(図では右方向)で、上流側から乾燥火格子11a、燃焼火格子11b、そして後燃焼火格子11cが順に設けられている。各火格子11a,11b,11cはそれぞれ、火格子上の廃棄物を右方に移動させる動作を伴っている。
上記焼却炉では、乾燥火格子11aの略左半部となる上流域の上方に、廃棄物投入口13が設けられており、該廃棄物投入口13から垂下するシュート14により上記主燃焼室11の上部空間に連通していて、廃棄物投入口13から投入された廃棄物が上記シュート14を経て上記乾燥火格子11aに落下するようになっている。該乾燥火格子11a上に落下した廃棄物は、各火格子11a〜11cの動作によって、火格子上に廃棄物の層を形成しつつ燃焼火格子11bそして後燃焼火格子11cへと移動する。各火格子11a〜11cの下方には、燃焼用の空気の供給を受けるための風箱11a−1,11b−1,11c−1が設けられている。燃焼用の一次空気は、火格子上の廃棄物の乾燥及び燃焼に使われるほか、火格子の冷却作用、廃棄物の攪拌作用を有する。また、後燃焼火格子11cに対して下流側で隣接する位置に、下方に開口する灰落下口15が設けられている。
主燃焼室11の出口部(下流側)の上方位置で該主燃焼室11に二次燃焼室12が連設されている。廃熱ボイラ17はその入口近傍部分が二次燃焼室12であり、二次燃焼室12に続いて屈曲流路空間が形成され、内壁面の水冷壁や伝熱管群により廃熱を回収し、上方の排出口17aから排ガスを次工程処理のために排出するようになっている。
本実施形態では、焼却炉は、燃焼用空気となる一次空気と二次空気の2系統の空気供給系を備えている。一次空気供給系21は、空気供給源からの空気を管路22を経て、各火格子11a〜11cのそれぞれの風箱11a−1,11b−1,11c−1に分岐供給管21a,21b,21cから送り込むようになっており、上記管路22には、圧送用ファン23そして流量調整機構としてのダンパ24が設けられている。また、二次空気供給系31は、空気供給源からの空気を管路32を経て、後燃焼火格子11cの風箱11c−1に送り込むようになっており、上記管路32には、圧送用ファン33そして供給量調整機構としてのダンパ34が設けられている。なお、上記風箱及び燃焼用の一次空気そして二次空気を供給するための管路等の構成は図示したものに限定されず、焼却炉の規模、形状、用途等により適宜選択され得る。
廃熱ボイラ17の排出口17aには、排出口17aから排出される排ガスの酸素濃度を検出する酸素濃度計35が設けられていて、炉外に設けられた制御装置36に該酸素濃度計35の検出信号が送られ、制御装置36が検出酸素濃度に応じて上記ダンパ34の開度を制御するようになっている。
このような本実施形態の焼却炉では、各火格子11a〜11cの上に廃棄物の層が形成され、その燃焼により、主燃焼室11内の空間には、廃棄物の層の直上に、図2に示されるような諸領域が形成される。
乾燥火格子11aの直上方で廃棄物投入口13の下方に対応して位置する、該乾燥火格子11aの廃棄物の流れ方向の上流側範囲には乾燥領域が形成され、下流側範囲には燃焼開始領域が形成される。すなわち、乾燥火格子11aの廃棄物は、上流側範囲で乾燥され、下流側範囲で着火して燃焼が開始する。燃焼火格子11b上の廃棄物はここで熱分解そして部分酸化が行われ、可燃ガスと固形分が燃焼する。廃棄物はこの燃焼火格子11b上で実質的に殆んど燃焼される。こうして、上記燃焼火格子11b直上に主燃焼領域が形成される。しかる後、僅かに残った廃棄物中の固定炭素など未燃分が後燃焼火格子11c上で完全に燃焼される。この後燃焼火格子11c上に後燃焼領域が形成される。
主燃焼室11内で発生した未燃ガスは、上記後燃焼火格子11cの上方に位置する二次燃焼室12に流入してここで燃焼し、上記後燃焼領域の上方に二次燃焼領域を形成する。
このような本実施形態の焼却炉は、次の要領で運転される。
先ず、廃棄物投入口13へ廃棄物を投入すると、シュート14を経て落下する廃棄物は乾燥火格子11aに堆積され、各火格子11a〜11cの動作により、燃焼火格子11b上そして後燃焼火格子11c上へと移動し、各火格子11a〜11c上に廃棄物の層を形成する。
各火格子11a〜11cは、風箱11a−1,11b−1,11c−1を経て、燃焼用の一次空気を受けており、これにより各火格子11a〜11c上の廃棄物は燃焼する。
乾燥火格子11aでは主として廃棄物の乾燥と着火が行われる。すなわち、乾燥火格子11aの廃棄物の流れ方向の上流側域で乾燥がそして下流側域で着火(燃焼開始)が行われる。燃焼火格子11bでは主として廃棄物の熱分解、部分酸化が行われ、可燃性ガスと固形分の燃焼が行われる。燃焼火格子11bにおいて廃棄物の燃焼は実質的に完了する。後燃焼火格子11c上では、僅かに残った廃棄物中の固定炭素など未燃分を完全におき燃焼させる。完全に燃焼した後の燃焼灰は、灰落下口15より排出される。このように廃棄物が燃焼している状態で、各火格子11a〜11c直上空間には、上述のように図2に示される乾燥領域、燃焼開始領域、主燃焼領域そして後燃焼領域がそれぞれ形成される。
本実施形態では、後燃焼火格子11cには、上記一次空気に加え、燃焼用の二次空気がファン33により風箱11c−1を経て供給される。上記風箱11c−1内に送入された二次空気は、後燃焼火格子11cの炉幅方向全体に設けられている通気孔を通過し、炉幅方向(図1にて紙面に直角方向)均一に分布した状態で、主燃焼室11内の後燃焼領域を経てその上方の二次燃焼領域へ至ることとなり、ここで二次燃焼に寄与する。上記二次空気は、後燃焼火格子11cの炉幅方向全体に設けられている通気孔を通過することにより炉幅方向に均一となるが、さらにこれを確実なものとするためには、風箱11c−1の下部位置で、管路22の空気吹出口が炉幅方向で複数位置に分布配置されていることが好ましい。これは、一次空気についても同様のことが言える。
本実施形態では、二次空気を後燃焼火格子11cの下方から送入することとしたので、二次空気が炉幅方向で均一に行きわたり、その結果、低空気比燃焼においても、空気量が不十分な域がなくなり、二次燃焼室内の未燃ガス量に応じた最低限の空気量の供給で二次燃焼を行うことができる。
上記二次空気の供給量は、制御装置36によるダンパ34の開度を増減して調整されるが、これは、酸素濃度計35により検出された廃熱ボイラ17の排出口17aの排ガスの検出酸素濃度が所定範囲内に収まるように行われる。排ガスの酸素濃度はCO濃度と相関しており、この酸素濃度の所定範囲の下限は、COスパイクが起きないような酸素濃度として定め、上限を極力低空気比となる値として定めることにより、上記所定範囲を決定する。
既述のごとく、廃棄物投入口13とは反対側となる主燃焼室11の出口に、廃熱ボイラ17の一部である二次燃焼室12が連設されている。したがって、主燃焼室11内で発生した未燃ガスは、二次燃焼室12に導かれ、そこで上述の二次空気と混合・攪拌され、二次燃焼し、二次燃焼室12からの燃焼排ガスは廃熱ボイラ17で熱回収される。熱回収された後、廃熱ボイラ17から排出された燃焼排ガスは、消石灰による酸性ガスの中和と、活性炭によるダイオキシン類の吸着が行われ、さらに除塵装置(図示せず)に送られ、活性炭や中和反応物などが回収される。上記除塵装置で除塵され、無害化された後の燃焼排ガスは、誘引ファン(図示せず)により誘引され、煙突から大気中に放出される。なお、上記第一そして第二の除塵装置としては、例えば、バグフィルタ方式、電気集塵方式等の除塵装置を用いることができる。
<第二実施形態>
図3に示される本発明の第二実施形態装置は、図1の第一実施形態装置に、高温ガス吹込み手段と循環排ガス吹込み手段を加えて備えていることに特徴がある。図3において、図1と共通部位には同一符号を付し、その説明は省略する。
図3において、高温ガス吹込み手段40は、炉外に設けられた高温ガス供給源41と、主燃焼室11へ高温ガスを吹き込む吹込み口42と、高温ガスを上記高温ガス供給源41から上記吹込み口42へ導く管路43とを有している。
吹込み口42は、乾燥火格子11aから燃焼火格子11bの範囲内での火格子直上の任意位置に設けられており、図3の例では、廃棄物の移動方向で、上記乾燥火格子11aの下流端位置と燃焼火格子11bの中央位置での火格子直上方に設けられている。上記吹込み口42は、炉側壁(図3にて紙面に対して直角な方向となる炉幅方向で対向する両側の側壁)に設けられていて、高温ガスが下方かつ炉幅方向内方に吹き込まれるように、該吹込み口42の向きが定められている。かくして、高温ガスは、乾燥火格子11aの下流側域と燃焼火格子11bの直上に形成される、図2に示される燃焼開始領域と主燃焼領域に吹き込まれる。
一方、循環排ガス吹込み手段50は、炉外に設けられた循環排ガス送入部51と、主燃焼室11へ循環排ガスを吹き込む吹込み口52と、循環排ガスを上記循環排ガス送入部51から上記吹込み口52へ導く管路53とを有している。
吹込み口52は、上記高温ガスの吹込み口42より上方又は燃焼室内ガス流れ方向の下流側の任意位置に設けられている。上記吹込み口52は、高温ガスの吹込み口42と同様に、炉側壁(図3にて紙面に対して直角な方向となる炉幅方向で対向する両側の側壁)に設けられていて、循環排ガスが下方かつ炉幅方向内方に吹き込まれるように、該吹込み口52の向きが定められている。かくして、循環排ガスは、主燃焼領域の上方又は燃焼室内ガス流れ方向の下流側に吹き込まれる。この循環排ガスは焼却炉の排ガスの一部を抜き出して得ることができ、これを帰還させて循環排ガス送入部51へ供給すればよい。
かかる本実施形態では、第一実施形態の場合と同様に、一次空気と二次空気が供給されるのに加え、上記高温ガスそして循環排ガスが供給される。
以下、高温ガスとその吹込みによる挙動、循環排ガスとその吹込みによる挙動について、さらには、二次燃焼室の雰囲気等について詳述する。
<高温ガスの吹込み>
高温ガスは、主燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの範囲の任意の位置に吹き込まれる。図2に見られるように、火格子式焼却炉では燃焼開始領域は乾燥火格子の廃棄物移動方向の下流側域の上方空間であり、主燃焼領域は燃焼火格子の直上方空間に相当し、共に主燃焼室の下部に位置する。これらの領域では、火炎が存在し可燃性ガスが多く存在するので、これらの領域に高温ガスを吹き込むことが燃焼を安定させる上で好ましいためである。
廃棄物が焼却される場合、廃棄物では、先ず水分の蒸発が起こり、次いで熱分解と部分酸化反応が起こり、可燃性ガスが生成し始める。ここで燃焼開始領域とは、廃棄物の燃焼が始まり、廃棄物の熱分解、部分酸化により可燃性ガスが生成し始める領域である。また、主燃焼領域とは、廃棄物の熱分解、部分酸化と燃焼が行われ、可燃性ガスが発生し火炎を伴って燃焼している領域であり、火炎を伴う燃焼が完了する位置(燃え切り点)までの領域である。燃え切り点より後の領域では、廃棄物中の固形未燃分(チャー)が燃焼するチャー燃焼領域(熾燃焼領域)となる。
高温ガスを主燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域に吹き込むことにより廃棄物層直上によどみ領域(静止もしくは旋回流を伴う領域)を形成して、廃棄物から発生した可燃性ガスと燃焼用一次空気との混合そして攪拌が促進されるので安定した燃焼が行われる。その結果、CO,NOx、ダイオキシン類等の有害物質の発生を抑制すると共に煤の生成を抑制することができる。このため、焼却炉全体に吹き込む空気の量を減少させ、低空気比燃焼を安定して行うことができる。また、廃棄物層の直上に高温ガスが吹き込まれるので、高温ガスからの熱輻射と顕熱によって廃棄物が加熱され、廃棄物の熱分解が促進される。ここで、高温ガス吹込み口から吹き込まれる高温ガスの温度は、100〜300℃の範囲とすることが好ましい。その理由は、吹き込む高温ガスの温度を100℃未満とすると、炉内の温度が低下し、燃焼が不安定となり、COが増加してしまうし、高温ガスの温度が300℃を超えると炉内におけるクリンカの生成が助長される他、高温化に見合った経済的効果がないからである。かくして、高温ガスの温度を100〜300℃の範囲とすることにより、炉内の廃棄物層直上付近に流体力学的に安定なよどみ領域が形成され安定した燃焼が行われる。また、高温ガスの含有する酸素濃度が5〜18%程度のものを用いることが好ましい。これにより、上述の効果がより効果的に発揮され、低NOx化、低CO化がより促進される。
上述のガス温度範囲そして酸素濃度を5〜18%とし燃焼開始領域から主燃焼領域に吹き込まれる高温ガスとしては、二次燃焼室以降の排ガスを返送排ガスとして又はこの返送排ガスと空気の混合ガスを用いることが好適である。返送排ガス又は返送排ガスと空気の混合ガスを必要に応じて廃熱ボイラで発生させた蒸気により加熱して、温度と酸素濃度が上記所定の条件を満たすような高温ガスとして主燃焼室内に吹き込む。
図3においては、高温ガス吹込み口は主燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域に相当する乾燥火格子の廃棄物移動方向の下流側域の上方及び燃焼火格子の直上方に設置されている。ここで、廃棄物の熱分解反応は温度が200℃程度で起こり、温度が400℃程度となった段階でほぼ完了する。高温ガスを可燃性ガスが生成している領域に少なくとも一対のガス吹出し口を紙面に対し直角方向となる炉幅方向で対向配置させ、かつ、ガスの吹込み方向が水平又は下向きとなるように吹込むことにより、炉内の廃棄物層直上付近に流体力学的に安定なよどみ領域を形成させ安定した燃焼が行われるようになる。図3に示す例においては、廃棄物移動方向では乾燥火格子の下流域に相当する位置にガス吹込み口を設けて高温ガスを吹き込んでいる。廃棄物の組成、性状によっては、もっと高い温度で熱分解反応が完了するものがあり、この場合は、図3に示す位置より下流側(図の右側)にも、ガス吹込み口を設けることが好ましい。なお、ガス吹込み口の設置数或いは吹出し口の形状は焼却炉の規模、形状、用途等により適宜選択され得る。
上記高温ガスの吹込みが行われると、主燃焼室内の廃棄物層直上で、ガス吹込み口から吹き込まれた高温ガスによって保炎効果が現われるため、炉内の廃棄物層直上に高温のよどみ領域(火炎)を定在させることができる。よって、廃棄物の熱分解が効率的に行われると共に、高温領域が天井から遠くなるので、天井の焼損程度を軽減することができる。
図3においては、主燃焼室の両側面で紙面に対して直角方向に対向して少なくとも一対のガス吹込み口を設け、ここから高温ガスを吹き込んでいる。ここで、ガス吹込み口は上述したように、ガスの吹込み方向が水平、又は下向きとなるように設けることが好ましい。かかる方向での高温ガスの吹込みがないと、廃棄物から発生する可燃性ガスは、通常、よどみ領域を形成せずに、上向きに流れてしまう。よって、本発明のごとく、高温ガスの吹込み方向が水平あるいは下向きに行われると、上昇する可燃性ガスと高温ガスとが対向してよどみ領域が安定して形成され、ここでのガスの実質滞留時間が増加することにより、可燃性ガスの反応量が増加すると共に火炎が引き延ばされることとなり、NOxの発生量が低下する。本発明では、このような高温ガス吹込みにより、炉内の廃棄物層直上付近に安定なよどみ領域を形成させることができ、安定した燃焼が行われ、CO,NOx、ダイオキシン類等の有害物質の発生を抑制すると共に煤の生成を抑制することができる。その結果、焼却炉全体に吹き込む空気の量を減少させ、低空気比燃焼を安定して行うことができる。
<循環排ガスの吹込み>
本発明では、上述の高温ガスの吹込みに加え、焼却炉から排出された排出ガス又は空気を少なくとも一部に含む排ガスを循環排ガスとして主燃焼室内の上記高温ガスの吹き込み位置の上方又はガス流れ方向下流側に吹き込むこととしている。なお、上記ガス流れ方向下流側とは、炉内で二次燃焼領域へ向うガス流れ方向での下流側を意味する。また、上記排出ガスとは、主に燃焼室内で発生する可燃性ガス及び燃焼排ガスを意味する。
ここで、上記焼却炉から排出された排出ガスを少なくとも一部に含む循環排ガスとしては、例えば、焼却炉から排出され除塵装置を通過した後の排ガスの一部を抜き出したガス(ガス温度:150〜190℃程度、酸素濃度:3〜8%程度)を用いることができる。また、上記循環排ガスは、焼却炉から排出された排出ガスをそのまま用いても良く、空気を混合したものであっても良い。
上記循環排ガスを上記高温ガスの吹込み位置の上方又はガス流れ方向下流側に吹き込むことにより、主燃焼室内の高温ガスの吹込みによって安定化された燃焼開始領域及び主燃焼領域の上方又はガス流れ方向下流側の火炎温度を低下させ、広範囲に及ぶ高温領域の発生を防止して、NOxの発生をより効果的に抑制する。さらに、低酸素濃度(3〜8%程度)の循環排ガスを吹き込むことにより、上記高温ガスの吹込み位置の上方又はガス流れ方向下流側領域を還元雰囲気に近づけ、NOxの発生を抑制する。
このように、高温ガスの吹込みによって形成されたガスのよどみ領域の上方又はガス流れ方向下流側領域に上記循環排ガスを吹込むことで、よどみ領域の上方又はガス流れ方向下流側における局所高温領域の発生を抑制、つまり温度分布を平均化し、さらに、当該領域での攪拌を促進させることで酸素濃度分布の平均化を図ることで、さらに優れた低NOx化を達成することが可能となる。このような循環排ガスを吹き込む際には、上記高温ガスの吹込み位置の上方又はガス流れ方向下流側領域に上記循環排ガスを吹き込むための循環排ガス吹込み口は、高温ガス吹込み口の上方又はガス流れ方向下流側に、主燃焼室高さの10%程度の距離を高温ガス吹込み口から離して設置することが好ましい。安定したよどみ領域の形成及び局所高温領域の発生の抑制を効果的に行うことにより、NOxの発生をより顕著に抑制するためである。
なお、上記循環排ガス吹込み口は、高温ガスの吹込みによって形成されたガスのよどみ領域の上方又はガス流れ方向下流側領域のガス温度分布及び酸素濃度分布を平均化するのが目的であるため、高温ガス吹込みの場合のような少なくとも一対を対向させ或いはガスの吹込み方向が水平又は下向きとなるように設ける必要はなく、単一の吹込み口であってもよい。
<二次燃焼室の雰囲気>
二次燃焼室内のガス温度は、800〜1050℃の範囲となるように、循環排ガスの流量、二次空気の流量を調整することが好ましい。その理由は、二次燃焼室内のガス温度が800℃未満となると燃焼が不十分となり、COが増加してしまうからであり、また、二次燃焼室内のガス温度が1050℃を超えると二次燃焼室内におけるクリンカの生成が助長され、さらに、NOxが増加してしまうからである。上記循環排ガスの流量を低減することにより二次燃焼室内のガス温度を上昇させることができ、二次空気の流量を増やすことにより二次燃焼室内のガス温度を低下させることができる。
焼却炉の各火格子へ供給する酸素量の配分を定め低空気比燃焼を行う場合について、燃焼状況を検討し、実施例と比較例を示す。各火格子へ供給する酸素量の関係を、
廃棄物の燃焼に必要な単位時間当たりの理論酸素量Aに対する乾燥火格子と燃焼火格子下から主燃焼室内に吹き込まれる燃焼用一次空気により供給される単位時間当りの酸素量Bの比Q1(=B/A)と、
主燃焼室内の燃焼開始領域から主燃焼領域までの間の任意の領域に吹き込まれる高温ガスにより供給される単位時間当りの酸素量Cの上記理論酸素量Aに対する比Q2(=C/A)と、
高温ガスの吹込み位置の上方又はガス流れ方向下流側に吹き込まれる循環排ガスにより供給される単位時間当りの酸素量Dの上記理論酸素量Aに対する比Q3(=D/A)と、
後燃焼火格子から主燃焼室内に吹き込まれる燃焼用一次空気と主燃焼室を経由し二次燃焼室に吹き込まれる二次空気とにより供給される単位時間当りの酸素量Eの上記理論酸素量Aに対する比Q4(=E/A)と、
表している。ここで、上記廃棄物の燃焼に必要な単位時間当りの理論酸素量Aは、燃焼室内に投入される廃棄物の性状及び成分等から決定される廃棄物の単位質量当りの燃焼に必要な酸素量(Nm/kg)と、焼却炉における廃棄物の焼却速度(kg/hr)との積(Nm/hr)により決定される。
(1)実施例1
実施例1は、第一実施形態に相当する場合で、空気比を1.3とする条件のもとに、比較例1との比較を表1に示す。実施例1では、後燃焼火格子でのQ4は一次空気が0.05、二次空気が0.1で、両者で0.15となっており、炉壁からの二次空気については0である。一方、比較例1では、後燃焼火格子でのQ4は一次空気のみで0・05、炉壁からの二次空気が0.1である。このようなQ4のもとで、実施例1そして比較例1は共に1.3の空気比で燃焼されているが、実施例1では、CO発生を抑制し安定した燃焼がなされ低空気比燃焼が達成できたのに対し、比較例1では、燃焼不安定、火炎の局所的な上昇、CO発生量の増大等の問題が発生し、安定した低空気比燃焼を行うことができなかった。
Figure 2013164225
(2)実施例2
実施例2は、第二実施形態に相当する場合で、高温ガスと循環排ガスを吹き込むことを加えた場合であり、空気比を1.2とする条件のもとに、比較例2との比較を表2に示す。なお、後燃焼火格子におけるQ4に関しては、実施例1の場合と同じである。
実施例2では、後燃焼火格子でのQ4は一次空気が0.05、二次空気が0.1で、両者で0.15となっており、炉壁からの二次空気については0である。一方、比較例2では、後燃焼火格子でのQ4は一次空気のみで0.05、炉壁からの二次空気が0.1である。このようなQ4のもとで、実施例2そして比較例2は共に1.2の空気比で燃焼されているが、実施例2では、CO発生を抑制し安定した燃焼がなされ安定した低空気比燃焼が達成できたのに対し、比較例2では、実施例1で述べた比較例1の場合と同様に、燃焼不安定、火炎の局所的な上昇、CO発生量の増大等の問題が発生し、安定した低空気比燃焼を行うことができなかった。また、実施例2では、高温ガスと循環排ガスを供給することにより、実施例1よりさらに低空気比とすることができる。
Figure 2013164225
(3)排ガス酸素濃度に基づく二次空気量の制御
本発明において、廃熱ボイラの排出口の排ガスの酸素濃度を測定し、これにもとづいて二次空気供給量を制御することとしているが、この酸素濃度と排ガス中のCO濃度、排ガス中のNOx濃度、二次空気供給量との関係を表3に示す。この関係は、実施例1そして実施例2について共通に適用できる。
焼却炉内で廃棄物と熱分解によって発生する可燃性ガスを適正な酸素濃度や温度等の範囲内で燃焼させた場合に、CO、NOx、DXN(ダイオキシン類)等の有害物質の発生が最も抑制される。表3において、ボイラ出口近傍での排ガス中酸素濃度が高い場合は、焼却炉から排出されるCO濃度は減少するかあるいは変化無しであるが、NOx濃度は増加する。そのため、二次空気供給量を減少させ、二次燃焼室への酸素の供給量を減少させて二次燃焼室の燃焼を適正に行うようにする。反対に、ボイラ出口近傍での排ガス中酸素濃度が低い場合は、焼却炉から排出されるNOx濃度は減少するかあるいは変化無しの状態となるが、CO濃度は増加する状態となる。そのため、二次空気供給量を増加させ、二次燃焼領域への酸素の供給量を増やし、二次燃焼室の燃焼を適正に行うようにする。
Figure 2013164225
以上説明したように本発明によれば、廃棄物焼却炉において低空気比燃焼を行った場合においても燃焼の安定性が維持され、且つ、局所高温領域の発生が抑制され、COやNOx等の有害ガスの発生量が低減できる廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法が提供される。さらに、低空気比燃焼を行えるので焼却炉から排出される排ガス総量を大幅に低減でき、また、廃熱の回収効率を向上できる廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法が提供される。
11 主燃焼室
11a 乾燥火格子
11b 燃焼火格子
11c 後燃焼火格子
12 二次燃焼室
13 廃棄物投入口
21 一次空気供給手段
24 流量調整機構(ダンパ)
31 二次空気供給手段
35 酸素濃度計
36 制御手段
40 高温ガス吹込み手段
50 循環排ガス吹込み手段

Claims (6)

  1. 廃棄物投入口から落下投入された廃棄物を燃焼する主燃焼室を有し、主燃焼室での燃焼後の未燃ガスを燃焼する二次燃焼室が該主燃焼室の出口側に接続されており、主燃焼室下部に、主燃焼室内での廃棄物の移動方向で、乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子が順に設けられていると共に、乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子のそれぞれの下方から一次空気を供給する一次空気供給手段が設けられている廃棄物焼却炉において、
    後燃焼火格子の下方から二次空気を供給する二次空気供給手段が設けられており、二次空気が主燃焼室を経て二次燃焼室へ供給されるようになっていることを特徴とする廃棄物焼却炉。
  2. 二次空気供給手段は、二次空気の供給量を調整する供給量調整機構と、排ガスの酸素濃度を検出する酸素濃度計と、酸素濃度計からの検出信号にもとづき、検出酸素濃度が所定範囲内に収まるように上記供給量調整機構を制御する制御手段とを有していることとする請求項1に記載の廃棄物焼却炉。
  3. 温度が100〜300℃そして酸素濃度が5〜18%の高温ガスを、乾燥火格子から燃焼火格子までの範囲内での火格子直上の任意位置を吹込み位置とする高温ガス吹込み手段と、焼却炉からの排ガスの一部を、高温ガス吹込み位置よりも上方又は主燃焼室内のガス流れ方向の下流側に循環排ガスとして吹き込む循環排ガス吹込み手段とを、さらに有していることとする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物焼却炉。
  4. 廃棄物投入口から落下投入された廃棄物を燃焼する主燃焼室を有し、主燃焼室での燃焼後の未燃ガスを燃焼する二次燃焼室が該主燃焼室の出口側に接続されており、主燃焼室下部に、主燃焼室内での廃棄物の移動方向で、乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子が順に設けられている廃棄物焼却炉にて、乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子のそれぞれの下方から一次空気を供給する廃棄物焼却方法において、
    後燃焼火格子の下方から二次空気を供給し、二次空気が主燃焼室を経て二次燃焼室へ供給されることを特徴とする廃棄物焼却方法。
  5. 排ガスの酸素濃度を検出し、検出酸素濃度が所定範囲内に収まるように二次空気の供給量を制御することとする請求項4に記載の廃棄物焼却方法。
  6. 二次空気の吹込みに加え、温度が100〜300℃そして酸素濃度が5〜18%の高温ガスを、乾燥火格子から燃焼火格子までの範囲内での火格子直上の任意位置で吹込み位置として高温ガスを吹き込み、焼却炉からの排ガスの一部を、高温ガス吹込み位置よりも上方又は主燃焼室内のガス流れ方向の下流側に循環排ガスとして吹き込むこととする請求項4又は請求項5に記載の廃棄物焼却方法。
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