JP2002206720A - 排ガス中の有害物質の低減方法及び焼却炉 - Google Patents

排ガス中の有害物質の低減方法及び焼却炉

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JP2002206720A JP2001005924A JP2001005924A JP2002206720A JP 2002206720 A JP2002206720 A JP 2002206720A JP 2001005924 A JP2001005924 A JP 2001005924A JP 2001005924 A JP2001005924 A JP 2001005924A JP 2002206720 A JP2002206720 A JP 2002206720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】排ガス中の一酸化炭素および芳香族系炭化水素
等の未燃ガスならびにダイオキシンを含む有機塩素化合
物及びハロゲン系物質等の有害物質を低濃度に抑えるこ
とができる排ガス中の有害物質の低減方法及び焼却炉を
提供する。 【解決手段】燃焼室内のガス濃度及び/または焼却灰の
成分に基づき被焼却物の一部または全部の移動速度を制
御する。また、燃焼室内のガス濃度及び/または焼却灰
の成分に基づき酸化剤の流量を制御し、或いは、燃焼室
内のガス濃度及び/または焼却灰の成分に基づき被焼却
物の一部または全部の移動速度及び酸化剤の流量を制御
することも好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火格子式廃棄物焼
却炉における排ガス中の有害物質の低減方法及び焼却炉
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、焼却炉によって都市ゴミ、下
水汚泥、し尿汚泥、可燃性産業廃棄物等(以下、総称し
て「都市ゴミ等の廃棄物」という)を焼却する場合、排
ガス中の一酸化炭素および芳香族系炭化水素等を多く含
む未燃ガスならびにダイオキシンを含む有機塩素化合物
等の有害物質(以下、「未燃ガスおよび有害物質等」と
いう)の低減が課題となっている。
【0003】上記課題を解決する方法として、本出願人
は、特開平2−166306号公報において、2回流炉
と呼ばれている火格子式の炉における燃焼ガスの混合方
法であって、燃焼ガスを分岐するための障壁(中間天
井)を設け、未燃ガスを多量に含む燃焼ガスと酸素を多
く含む燃焼ガスとを前記障壁で分岐させた後所定の滞留
空間で混合し、所定時間高温状態を維持することによ
り、未燃ガスおよび有害物質等を抑制する方法(以下、
「先行技術1」という)について提案を行った。
【0004】また、実開平4−108130号公報に
は、火格子式の炉の燃焼室の出口に燃焼ガスを分流する
ための障壁を設け、分流させた燃焼ガスを滞留空間で再
度混合することにより前記燃焼ガスの混合を促進させる
構造について開示されている(以下、「先行技術2」と
いう)。
【0005】また、特開平5−126326号公報に
は、流動床炉、火格子式の炉での燃焼ガスを障壁により
分流した後滞留空間で合流させることにより燃焼ガスの
混合を促進させる方法について開示されている(以下、
「先行技術3」という)。
【0006】前記先行技術1〜3のいずれの方法も、焼
却炉内において燃焼ガスを障壁等により分流した後、滞
留空間で再度合流させることで分流したガスを衝突させ
て混合および攪拌させることにより燃焼を促進させ、未
燃ガスおよび有害物質等の発生を抑制する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記先行技術
1〜3のように、単に障壁によって燃焼ガスの分流およ
び合流により混合および攪拌を行うのみでは、排ガス中
に存在する未燃ガスおよび有害物質等を安定して低濃度
に抑えることは難しいという問題がある。即ち、燃焼ガ
スの流量、燃焼ガス温度等を考慮し、燃焼ガスが滞留空
間で合流する際にどのような条件で衝突させ混合および
攪拌すればよいかということが重要となる。
【0008】本発明はこれらの問題点を解決し、排ガス
中の一酸化炭素および芳香族系炭化水素等の未燃ガスな
らびにダイオキシンを含む有機塩素化合物及びハロゲン
系物質等の有害物質を低濃度に抑えることができる排ガ
ス中の有害物質の低減方法及び焼却炉を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の特徴は以下の通りである。
【0010】請求項1の発明は、火格子式廃棄物焼却炉
における排ガス中の有害物質の低減方法であって、燃焼
室内のガス濃度及び/または焼却灰の成分に基づき被焼
却物の一部または全部の移動速度を制御することを特徴
とする排ガス中の有害物質の低減方法である。
【0011】請求項2の発明は、火格子式廃棄物焼却炉
における排ガス中の有害物質の低減方法であって、燃焼
室内のガス濃度及び/または焼却灰の成分に基づき酸化
剤の流量を制御することを特徴とする排ガス中の有害物
質の低減方法である。
【0012】請求項3の発明は、火格子式廃棄物焼却炉
における排ガス中の有害物質の低減方法であって、燃焼
室内のガス濃度及び/または焼却灰の成分に基づき被焼
却物の一部または全部の移動速度及び酸化剤の流量を制
御することを特徴とする排ガス中の有害物質の低減方法
である。
【0013】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
のいずれかにおいて、火格子式廃棄物焼却炉が中間天井
を有することを特徴とする排ガス中の有害物質の低減方
法である。
【0014】請求項5の発明は、火格子式廃棄物焼却炉
において、燃焼室内の特定成分のガス濃度を計測する手
段及び/または焼却灰の成分を計測する手段と、前記燃
焼室内の特定成分のガス濃度を計測する手段及び/また
は焼却灰の成分を計測する手段により計測された特定成
分のガス濃度及び/または焼却灰成分に基づき被焼却物
の一部または全部の移動速度を制御するための移動速度
制御手段とを有することを特徴とする焼却炉である。
【0015】請求項6の発明は、火格子式廃棄物焼却炉
において、燃焼室内の特定成分のガス濃度を計測する手
段及び/または焼却灰の成分を計測する手段と、前記燃
焼室内の特定成分のガス濃度を計測する手段及び/また
は焼却灰の成分を計測する手段により計測された特定成
分のガス濃度及び/または焼却灰成分に基づき酸化剤の
流量を制御するための空気量制御手段とを有することを
特徴とする焼却炉である。
【0016】請求項7の発明は、火格子式廃棄物焼却炉
において、燃焼室内の特定成分のガス濃度を計測する手
段及び/または焼却灰の成分を計測する手段と、前記燃
焼室内の特定成分のガス濃度を計測する手段及び/また
は焼却灰の成分を計測する手段により計測された特定成
分のガス濃度及び/または焼却灰成分に基づき被焼却物
の一部または全部の移動速度及び/または酸化剤の流量
を制御するための制御手段とを有することを特徴とする
焼却炉である。
【0017】請求項8の発明は、請求項5乃至請求項7
のいずれかにおいて、火格子式廃棄物焼却炉が中間天井
を有することを特徴とする焼却炉である。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明が適用される火格子
式廃棄物焼却炉の一実施形態を示す概略側断面図であ
る。この実施形態の火格子式廃棄物焼却炉は全連続式傾
斜火格子式2回流炉(以下、「2回流炉」という)であ
るが、本発明は他の火格子を有する廃棄物焼却炉におい
ても適用することができる。
【0019】図1において、燃焼室1の上流側(図1の
左側)には、被焼却物(都市ゴミ等の廃棄物)7を燃焼
室1内に投入するためのホッパ2が設けられている。燃
焼室1の底部には、被焼却物7を移動させながら燃焼さ
せるメッシュ状の火格子11が、ホッパ2から遠ざかる
方向に向けて低くなるように傾斜して設けられている。
この火格子11には2つの段差部が形成され、燃焼室1
の上流側から順に乾燥段火格子、燃焼段火格子、後燃焼
段火格子を構成している。なお、前記火格子11の形状
は図示したものに限定されず、例えば、火格子は水平の
ものでも、また、段差部を有しない構造のものでも同様
に用いることができる。
【0020】火格子11の下方には、酸化剤を供給する
ための供給管4a〜dが接続された空洞ブロック5a〜
dが設けられている。
【0021】ホッパ2と反対側(下流側)の燃焼室上方
には燃焼室出口1aが設けられ、この出口1aにはガス
冷却設備を有するボイラ部(以下、「ボイラ部」とい
う)3が連設されている。また、燃焼室1内には、出口
1aの近傍に、燃焼ガスを分流するための障壁(以下
「中間天井」という。)6が設けられている。なお、前
記空洞ブロック5a〜d及び酸化剤を供給するための供
給管4a〜dの数等は図示したものに限定されず、焼却
炉の規模、形状、用途等により適宜選択される。
【0022】以上のような構造の2回流炉では、図1に
示すように、ホッパ2から燃焼室1内に被焼却物7を投
入すると共に、酸化剤8を各供給管4a〜dから空洞ブ
ロック5a〜dを通して火格子11上を移動する被焼却
物7に供給し、被焼却物7を乾燥および燃焼させる。な
お、図1に示すように、各空洞ブロック5a〜dに酸化
剤8を供給する各供給管4a〜dには、供給する酸化剤
8の流量を個別に制御できるように流量計20a〜d及
び調整弁21a〜dが設けられており、さらに各流量計
20a〜dからの信号を取り込み、各調整弁21a〜d
の開度を個別に調整して酸化剤を所定の流量に制御する
ための流量制御装置22が設けられている。
【0023】火格子11のホッパ2に近い側(上流側)
の空洞ブロック、例えば5a,5bを通して供給される
酸化剤により上流側の被焼却物7から発生した燃焼ガス
9は、燃焼室1内を上昇し、中間天井6の上方から中間
天井6と燃焼室1の炉壁との間(以下「副煙道」とい
う。)を通過し中間天井6の背面側(上面側)に流入す
る。
【0024】一方、火格子11の下流側の空洞ブロッ
ク、例えば5c,5dを通して供給される酸化剤による
燃焼ガス10は、燃焼室1内を上昇して中間天井6の下
方から中間天井6と燃焼室1の炉壁との間(以下「主煙
道」という。)を通過し上記中間天井6の背面側に流入
する。
【0025】前記副煙道を通る燃焼ガス(以下「副煙道
ガス」という。)9と主煙道を通る燃焼ガス(以下「主
煙道ガス」という。)10とは、中間天井6の背面側
(上面側)の所定の滞留空間で合流し、ここで燃焼ガス
同士の衝突がおこり、所定時間十分に混合および攪拌さ
れて完全燃焼し、高温状態が維持されることで、ダイオ
キシンを含む有機塩素化合物及びハロゲン系物質等の有
害物質が熱分解され、これにより排ガス中の有害物質が
低減される。
【0026】さらに、燃焼後の排ガス(出口1aから排
出された燃焼ガス)は、出口1aの下流側に連設されて
いるボイラ部3に流入し、熱交換され冷却された後に排
ガス処理設備等を経由して外部に放出される。
【0027】なお、本実施形態においては、燃焼室1内
に中間天井6を設けることで、火格子11の上流側の燃
焼ガスと下流側の燃焼ガスをいったん分離した後に再合
流させ、それにより混合・攪拌をより効果的に行い完全
燃焼の促進を図っているが、中間天井を有しない焼却炉
の場合においても本発明を適用することができることは
言うまでもない。中間天井を有しない焼却炉の場合、燃
焼室1内の上流側の被焼却物から発生した燃焼ガスは燃
焼室1内を上昇し燃焼室1の天井に沿って出口1aに進
むが、ここを流れる燃焼ガスが中間天井を有する焼却炉
における副煙道ガスとみなすことができる。また、燃焼
室1内の下流側の被焼却物から発生した燃焼ガスは燃焼
室1内を上昇し、上流側から発生した燃焼ガスとは逆の
向きに燃焼室1の天井に沿って出口1aに進むが、ここ
を流れる燃焼ガスが中間天井を有する焼却炉における主
煙道ガスとみなすことができる。
【0028】以上のような廃棄物焼却炉において、本発
明の第一の実施形態に係る排ガス中の有害物質の低減方
法は、燃焼室内のガス濃度及び/または焼却灰の成分に
基づき被焼却物の一部または全部の移動速度を制御する
ものである。
【0029】ここで、前記方法は、上記廃棄物焼却炉に
燃焼室内の特定成分のガス濃度を計測する手段及び/ま
たは焼却灰の成分を計測する手段と、前記燃焼室内の特
定成分のガス濃度を計測する手段及び/または焼却灰の
成分を計測する手段により計測された特定成分のガス濃
度及び/または焼却灰成分に基づき火格子上の被焼却物
の一部または全部の移動速度を制御するための移動速度
制御手段とを有することで達成される。
【0030】廃棄物焼却炉において、前記滞留空間での
完全燃焼を効果的に図るためには、副煙道ガスとしては
酸素濃度が低く、再燃焼する際の熱源となる一酸化炭素
や炭化水素等の未燃ガスを多く含んでいるガスであるこ
とが好ましく、また、主煙道ガスとしては酸素を多く含
んでいるガスであることが好ましい。これにより、熱源
とそれを燃焼させるための酸素が確保され、前記滞留空
間での完全燃焼が図られ、排ガス中の有害物質を低減さ
せることができるからである。
【0031】ここで、被焼却物の移動速度は、火格子上
での被焼却物の燃焼位置に影響し、火格子上の各部分か
ら発生する燃焼ガスの性状及び焼却灰成分を変化させ
る。例えば、被焼却物の移動速度が速すぎる場合は、被
焼却物のガス化が下流側で起こり、酸素濃度が低く、再
燃焼する際の熱源となる一酸化炭素や炭化水素等の還元
性未燃ガスを多く含んだガスが主煙道側に流入してしま
い、さらに、焼却灰中にはまだ燃えることのできる可燃
分が増加する。
【0032】従って、燃焼室内のガス濃度及び/または
焼却灰の成分を計測することにより、火格子上での燃焼
が適正に行われているか否かの判断が可能となる。な
お、前記燃焼室内のガス濃度としては、被焼却物のガス
化の際に消費或いは生成されるガス、例えば酸素、一酸
化炭素、炭化水素等の内の1または2以上のガス濃度を
計測することにより判断することが好ましい。また、前
記焼却灰の成分としては、例えば焼却灰中の未燃炭素量
あるいは焼却灰中の未燃の可燃成分とすることが好まし
く、これらの焼却灰中における含有率等を計測すること
により火格子上での燃焼が適正に行われているか否かを
判断することが好ましい。
【0033】以下、燃焼室内のガス濃度を用いた場合の
制御方法の一例について説明する。
【0034】燃焼室1内でガス濃度を計測する場合、例
えば乾燥段火格子上方A、燃焼段火格子上方B、後燃焼
段火格子上方C、副煙道内D、主煙道内Eの1または2
箇所以上で計測することが好ましく、乾燥段火格子上方
A或いは主煙道内Eで計測したガス濃度値に基づき被焼
却物の移動速度を制御することが好ましい。ここで、ガ
ス濃度を計測する手段としては、例えば酸素濃度計、一
酸化炭素濃度計、炭化水素濃度計、ガスクロマトグラフ
等を用いることができる。
【0035】燃焼室内のガスとして酸素を用いた場合の
具体的な制御方法としては、例えば乾燥段火格子上方の
酸素濃度の計測値が3%未満であれば被燃焼物のガス化
が適正な位置で行われていると判断し被焼却物の移動速
度はそのままとし、前記酸素濃度の計測値が3%以上で
あれば被燃焼物のガス化の適正位置が下流側にずれてい
ると判断して被焼却物の移動速度を遅くして乾燥段火格
子上での被焼却物の乾燥及びガス化を促進させる。さら
に、主煙道内の酸素濃度の計測値が9%以上であれば被
燃焼物のガス化が適正な位置で行われていると判断し被
焼却物の移動速度はそのままとし、前記酸素濃度の計測
値が9%未満であれば被燃焼物のガス化の適正位置が下
流側にずれていると判断して被焼却物の移動速度を遅く
して乾燥段火格子上での被焼却物の乾燥及びガス化を促
進させるという方法により行うことができる。なお、前
記の被燃焼物のガス化が適正な位置で行われていると判
断された場合には、焼却炉の処理能力を上げるために被
焼却物の移動速度を速くするような制御を行うことも可
能である。
【0036】ここで、前記制御は、酸素濃度計により計
測された酸素濃度の計測値を取り込み、該取り込んだ値
を予め設定された所定の値と比較して被焼却物の一部ま
たは全部の移動速度を制御する機能を有する移動速度制
御手段により行われる。なお、被焼却物の一部または全
部の移動速度の制御は火格子の一部または全部の送り速
度を制御することにより行うことができる。つまり、前
記移動速度制御手段は、例えば乾燥段火格子、燃焼段火
格子、後燃焼段火格子のそれぞれの送り速度を独立に制
御することで被焼却物の一部または全部の移動速度の制
御を行うことができる。
【0037】また、燃焼室内のガスとして一酸化炭素を
用いた場合の具体的な制御方法としては、例えば乾燥段
火格子上方の一酸化炭素濃度の計測値が5%以上であれ
ば被燃焼物のガス化が適正な位置で行われていると判断
し被焼却物の移動速度はそのままとし、前記一酸化炭素
濃度の計測値が5%未満であれば被燃焼物のガス化の位
置が下流側にずれていると判断して被焼却物の移動速度
を遅くして乾燥段火格子上での被焼却物の乾燥及びガス
化を促進させるという方法により行うことができる。
【0038】また、焼却灰の成分として焼却灰中の可燃
分の含有率を用いた場合の具体的な制御方法としては、
例えば焼却灰中の可燃分の含有率が3%未満であれば被
燃焼物は完全燃焼されていると判断し被焼却物の移動速
度はそのままとし、前記焼却灰中の可燃分の含有率が3
%以上であれば被燃焼物の燃焼は不十分であると判断し
て被焼却物の一部または全部の移動速度を遅くして被焼
却物の燃焼を促進させるという方法により行うことがで
きる。なお、前記の被燃焼物は完全燃焼されていると判
断された場合には、焼却炉の処理能力を上げるために被
焼却物の移動速度を速くするような制御を行うことも可
能である。
【0039】ここで、焼却灰中の可燃分の含有率とは、
後燃焼段から燃焼室の外部に排出された焼却灰中に含ま
れている可燃成分の重量の割合である。焼却灰中の可燃
分の含有率は、後燃焼段から燃焼室の外部に排出された
焼却灰を分析することにより求められるが、可燃分の含
有率により焼却灰の色が変化するという特性を利用し
て、例えば予め作成した色見本と比較することで可燃分
の含有率を計測することも可能である。つまり、焼却灰
中の可燃分の含有率を計測する手段としては、焼却灰中
の可燃分の含有率を計測できる分析計を、例えば、後燃
焼段火格子上から送り出された焼却灰を燃焼室の外部に
排出する焼却灰排出口12に配設して焼却灰中の可燃分
の含有率を計測する方法、或いは、人により前記色見本
と比較することで焼却灰中の可燃分の含有率を計測する
方法等を用いることができる。
【0040】ここで、前記制御は、焼却灰中の可燃分の
含有率を計測する手段により計測された焼却灰中の可燃
分の含有率を取り込み、該取り込んだ値を予め設定され
た所定の値と比較して被焼却物の一部または全部の移動
速度を制御する機能を有する移動速度制御手段により行
われる。なお、被焼却物の一部または全部の移動速度は
火格子の一部または全部の送り速度を制御することによ
り行うことができる。
【0041】なお、上述の燃焼室内のガス濃度に基づき
被焼却物の一部または全部の移動速度を制御する方法と
焼却灰の成分に基づき被焼却物の移動速度を制御する方
法とは、それぞれを個別に用いて制御を行っても良く、
また併用して制御を行うようにすることも可能である。
【0042】また、本発明の第二の実施形態に係る排ガ
ス中の有害物質の低減方法は、燃焼室内のガス濃度及び
/または焼却灰の成分に基づき酸化剤の流量を制御する
ものである。
【0043】ここで、前記方法は、上記廃棄物焼却炉に
燃焼室内の特定成分のガス濃度を計測する手段及び/ま
たは焼却灰の成分を計測する手段と、前記燃焼室内の特
定成分のガス濃度を計測する手段及び/または焼却灰の
成分を計測する手段により計測された特定成分のガス濃
度及び/または焼却灰成分に基づき酸化剤の流量を制御
するための空気量制御手段とを有することで達成され
る。
【0044】なお、前記燃焼室内のガス濃度及び/また
は焼却灰の成分を計測する方法及び手段は、上述の第一
の実施形態で説明した方法及び手段と同様のものを用い
ることができる。
【0045】ここで、前記酸化剤の流量を制御するため
の空気量制御手段は、図1に示すように、各空洞ブロッ
ク5a〜dに酸化剤8を供給する各供給管4a〜dに接
続した酸化剤8の流量を個別に制御する流量計20a〜
d及び調整弁21a〜dと、さらに各流量計20a〜d
からの信号を取り込み、各調整弁21a〜dの開度を個
別に調整して所定の流量になるように制御する流量制御
装置22とにより構成することができる。従って、焼却
灰の成分に基づき、火格子11下から供給される酸化剤
の一部または全部の流量を制御することができる。
【0046】以下、本実施形態での酸化剤の流量を制御
する方法について説明する。
【0047】図1において、上流側の火格子11(例え
ば、乾燥段火格子)下から燃焼室1内に供給する酸化剤
の流量を下流側の火格子11(例えば、燃焼段火格子、
後燃焼段火格子)下から燃焼室1内に供給する酸化剤の
流量よりも抑えることによって、上流側の被焼却物7か
ら発生する燃焼ガスに未燃ガスを多量に含ませることが
できる。例えば、上流側の乾燥段火格子下から燃焼室1
内に供給する酸化剤の流量を少なくすることにより、供
給された酸化剤に含まれる酸素は乾燥段火格子上で被焼
却物をガス化するために消費されるが、さらにそれ以上
の酸化反応は酸素が少ないために抑制される。その結
果、酸素濃度が低く、再燃焼する際の熱源となる一酸化
炭素や炭化水素等の未燃ガスを多く含んだ燃焼ガスが燃
焼室1の上流側で多量に発生し、副煙道に流入する。
【0048】一方、乾燥段火格子上及び燃焼段火格子上
で被焼却物のガス化及び燃焼がほぼ完了するような理想
的な燃焼状態の場合には、後燃焼段火格子上での燃焼に
は酸素をそれほど必要としないため、酸素の消費量は少
なくなり、その結果として酸素が多く含まれる燃焼ガス
が主煙道に流入する。
【0049】このように、再燃焼する際の熱源となる一
酸化炭素や炭化水素等の未燃ガスを多く含み、その結果
として酸素濃度が低く抑えられた燃焼ガス(副煙道ガ
ス)9と、被焼却物の燃焼が適正に行われた結果として
酸素を多く含んだ燃焼ガス(主煙道ガス)10を中間天
井6の背面側(上面側)の所定の滞留空間で合流させ、
十分に混合および攪拌させることで完全燃焼が起こり、
高温状態を維持することでダイオキシンを含む有機塩素
化合物及びハロゲン系物質等の有害物質が熱分解され、
これにより排ガス中の有害物質が低減される。
【0050】燃焼室内のガス濃度として酸素濃度或いは
一酸化炭素濃度を用いた場合の制御方法の一例を以下に
説明する。
【0051】乾燥段火格子上方の酸素濃度の計測値が3
%未満であれば被燃焼物のガス化が適正に行われている
と判断し乾燥段火格子下から燃焼室1内に供給する酸化
剤の流量はそのままとし、前記酸素濃度の計測値が3%
以上であれば供給する酸素量が過剰と判断し乾燥段火格
子下から燃焼室1内に供給する酸化剤の流量を減らし過
剰酸素による酸化反応を抑制する。
【0052】或いは、乾燥段火格子上方の一酸化炭素濃
度の計測値が5%以上であれば被燃焼物のガス化が適正
に行われていると判断し乾燥段火格子下から燃焼室1内
に供給する酸化剤の流量はそのままとし、前記一酸化炭
素濃度の計測値が5%未満であれば供給する酸素量が過
剰と判断し乾燥段火格子下から燃焼室1内に供給する酸
化剤の流量を減らし過剰酸素による酸化反応を抑制す
る。
【0053】なお、前記酸化剤としては、常温もしくは
それ以上の温度の空気、酸素富化空気、酸素、排ガス、
蒸気と空気の混合気体、蒸気と酸素の混合気体のいずれ
か1又は2以上を用いることもできる。
【0054】また、上述の第一の実施形態での被焼却物
の移動速度を制御する方法と第二の実施形態での酸化剤
の流量を制御する方法を併用して用いることにより、焼
却炉の操業状態と燃焼室内の燃焼状態を考慮したより効
率的な排ガス中の有害物質の低減方法が提供される。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、一
酸化炭素および芳香族系炭化水素等の未燃ガスならびに
ダイオキシンを含む有機塩素化合物及びハロゲン系物質
等の有害物質を低濃度に抑えることができる排ガス中の
有害物質の低減方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される火格子式廃棄物焼却炉の一
実施形態を示す概略側断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室 1a 燃焼室出口 2 ホッパ 3 ボイラ部 4a〜d 供給管 5a〜d 空洞ブロック 6 中間天井 7 被焼却物 8 酸化剤 9 副煙道ガス 10 主煙道ガス 11 火格子 20a〜d 流量計 21a〜d 調整弁 22 流量制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/00 109 F23G 5/00 109 Fターム(参考) 3K061 HA06 HA17 3K062 AA02 AB01 AC01 BA02 CB03 CB05 DA22 DA23 DA33 DA40 DB03 DB07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】火格子式廃棄物焼却炉における排ガス中の
    有害物質の低減方法であって、燃焼室内のガス濃度及び
    /または焼却灰の成分に基づき被焼却物の一部または全
    部の移動速度を制御することを特徴とする排ガス中の有
    害物質の低減方法。
  2. 【請求項2】火格子式廃棄物焼却炉における排ガス中の
    有害物質の低減方法であって、燃焼室内のガス濃度及び
    /または焼却灰の成分に基づき酸化剤の流量を制御する
    ことを特徴とする排ガス中の有害物質の低減方法。
  3. 【請求項3】火格子式廃棄物焼却炉における排ガス中の
    有害物質の低減方法であって、燃焼室内のガス濃度及び
    /または焼却灰の成分に基づき被焼却物の一部または全
    部の移動速度及び酸化剤の流量を制御することを特徴と
    する排ガス中の有害物質の低減方法。
  4. 【請求項4】火格子式廃棄物焼却炉が中間天井を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の排ガス中の有害物質の低減方法。
  5. 【請求項5】火格子式廃棄物焼却炉において、燃焼室内
    の特定成分のガス濃度を計測する手段及び/または焼却
    灰の成分を計測する手段と、前記燃焼室内の特定成分の
    ガス濃度を計測する手段及び/または焼却灰の成分を計
    測する手段により計測された特定成分のガス濃度及び/
    または焼却灰成分に基づき被焼却物の一部または全部の
    移動速度を制御するための移動速度制御手段とを有する
    ことを特徴とする焼却炉。
  6. 【請求項6】火格子式廃棄物焼却炉において、燃焼室内
    の特定成分のガス濃度を計測する手段及び/または焼却
    灰の成分を計測する手段と、前記燃焼室内の特定成分の
    ガス濃度を計測する手段及び/または焼却灰の成分を計
    測する手段により計測された特定成分のガス濃度及び/
    または焼却灰成分に基づき酸化剤の流量を制御するため
    の空気量制御手段とを有することを特徴とする焼却炉。
  7. 【請求項7】火格子式廃棄物焼却炉において、燃焼室内
    の特定成分のガス濃度を計測する手段及び/または焼却
    灰の成分を計測する手段と、前記燃焼室内の特定成分の
    ガス濃度を計測する手段及び/または焼却灰の成分を計
    測する手段により計測された特定成分のガス濃度及び/
    または焼却灰成分に基づき被焼却物の一部または全部の
    移動速度及び/または酸化剤の流量を制御するための制
    御手段とを有することを特徴とする焼却炉。
  8. 【請求項8】火格子式廃棄物焼却炉が中間天井を有する
    ことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記
    載の焼却炉。
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