JP3359312B2 - ごみ焼却炉におけるダイオキシン類の除去方法 - Google Patents
ごみ焼却炉におけるダイオキシン類の除去方法Info
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Description
廃棄物等のごみを焼却するごみ焼却炉におけるダイオキ
シン類の除去方法に関する。
従来のダイオキシン対策を講じた廃熱ボイラ冷却式ごみ
焼却設備の一例を示す断面図である。
投入されたごみは、乾燥火格子C1、燃焼火格子C2 、
後燃焼火格子C3 上を順次移送されながら燃焼し、発生
する排ガスdのうち、主に乾燥火格子C1 上から発生す
るガスは、未燃分を多く含んだ500〜600℃程度の
未燃ガスd1 であり、主に燃焼火格子C2 と後燃焼火格
子C3 から発生するガスは、未燃分を殆ど含まない70
0〜950℃の燃焼ガスd2 である。
び燃焼室出口に設けられた中間天井e1 の表面に衝突し
て、保有する熱量を燃焼室b内に放射することにより、
燃焼室b内での二次燃焼を促進する。
の裏面に回り、ある角度を持って中間天井e1 の後背部
入口に設けられた邪魔板e2 、e3 に誘導されて、それ
ぞれ一方向に偏向して合流するため、混合室f内では旋
回しながら上昇する。その間、燃焼室b内で、二次燃焼
された未燃ガスd1 は、混合室f内で高温の燃焼ガスd
2 と混合されることにより、残存する未燃分が再燃焼さ
れ、混合排ガスd3 は、次工程の廃熱ボイラgに送られ
て、所定温度域まで冷却される。
旋回させることにより、滞留時間を延長させ、高効率の
2段燃焼を行い、ダイオキシン前駆物質である未燃分の
完全焼却を図っている。
次燃焼空気の供給と、適切な制御装置を備えていないた
めに、完全な2段燃焼が期待し難いために、広大な容積
の混合室を必要としていた。
人により出願された特許第2023431「ガス混合装
置を備えたごみ焼却装置におけるごみ焼却方法」及び実
公平7−49229「ガス混合装置を備えたごみ焼却
炉」があり、その概要を図6及び図7に示す。
水噴射冷却式ごみ焼却設備の構造の概略を示す全体図で
あり、図7は、ガス混合装置の概略を示す断面図であ
る。なお、前述の図5と同一の機能を有する機器には同
一の符号を付し、詳細説明は省略する。
射熱と二次燃焼空気hの供給により、燃焼室b内で二次
燃焼した未燃ガスd1 と、燃焼を終了した燃焼ガスd2
とは、燃焼室出口に設置されたガス混合装置jに設けら
れた、複数の傾斜したガス通路j1 及び燃焼室出口とガ
ス混合装置jとの連通部j2 を通過する。
は三次燃焼空気を供給する通気管k及び噴射口mがそれ
ぞれ埋設されており、各通気管kは、後述のガス流量分
布補正指令に基づき、噴射空気量を調節する調節弁nを
介して、三次空気送風機pに連結されている。
受けて、ガス通路j1 出口付近で三次燃焼して、残留す
る未燃分を完全燃焼させて排ガスd3 となり、ガス冷却
室q内を旋回しながら上昇する。
ス冷却室q内の途中部には、ガス流量測定装置sが配設
され、ガス冷却室q内の排ガスd3 の流量分布が平等に
なるように、上述の三次燃焼空気の噴射量を調整するよ
うになされている。
ほかに、水噴射ノズルrからの水滴落下とガス冷却室q
上部からの放射冷却による燃焼室bへの悪影響を防止す
る機能も併せ持っている。
燃焼室出口温度を第1優先とし、煙突入口CO濃度を第
2位、さらに煙突入口O2 濃度が第3順位として制御さ
れている。
おいては、ガス混合装置により、排ガスの撹拌燃焼を行
っているものの、燃焼室内で発生した未燃ガスは、既に
二次燃焼を終えた状態でガス混合装置に導入されるため
に、ガス中の可燃分が非常に少なく、ガス混合装置付近
での確実な再燃焼は保証できず、焼却設備内でのダイオ
キシン類の発生防止あるいは熱分解が完全に行われない
虞があった。
み焼却炉におけるダイオキシン類の除去方法は、一般廃
棄物や産業廃棄物等のごみを焼却するごみ焼却炉の燃焼
室と、その下流に設置されたガス冷却設備との中間に、
高温で未燃ガスの再燃焼を行う再燃室を設けたごみ焼却
炉において、前記燃焼室内に供給する乾燥用空気の供給
量を調節して、還元雰囲気温度を予め設定された規定範
囲内に保持することにより自己脱硝を行なわせた上で、
この自己脱硝された未燃ガスと燃焼を終った燃焼ガスと
を前記再燃室底部に配設されたガス混合装置で攪拌・混
合するとともに、当該ガス混合装置からこの攪拌・混合
された混合ガス中に、酸素を添加し再燃室天井部の反射
壁及び中央部の空冷室で予熱された三次燃焼空気を噴射
して再燃焼させ、さらに、再燃室出口温度が予め設定さ
れた規定範囲を逸脱した場合に、まず、ガス混合装置か
ら噴射される三次燃焼空気の酸素濃度を調節し、この後
にその三次燃焼空気の供給量を調節して当該再燃室内温
度を規定範囲内に回復させることを特徴とする。
を参照して説明する。
ダイオキシン類の除去方法を実施するための装置の全体
構成の一例を示す概略断面図及び概略フロー図であり、
図2は再燃室部分の概略構成を示す断面図である。な
お、本実施の形態では水噴射冷却式ごみ焼却炉を例に採
って説明する。
11、燃焼室12、乾燥火格子13、燃焼火格子14及
び後燃焼装置15等から成る焼却炉である。
は、耐火物製のガス混合装置(ガス混合手段)2と、耐
火物及び鋼材等で構築された円筒状の再燃室3とガス冷
却室GCとが設けられている。
湾曲したガス通路21を配した耐火物製で構築され、燃
焼室出口に位置する再燃室3の底部に、燃焼室12から
の突出部22との間隙23を隔てて、図示しない支持機
構によって保持されている。
燃焼空気噴出口24がそれぞれ配設されている。
室3の天井部には、空冷管31を内蔵した耐火物製の反
射壁32が設けられている。
を巡らした炭化珪素等の熱伝導率の高い耐火物製の胴部
34で構築された再燃空間35であり、空冷室33の外
面は断熱材36で保温されており、胴部34の壁面に
は、昇温バーナ37が配設されている。
三次空気42は、ダンパ43を介して混合器44に到達
し、酸素発生手段45から送出された酸素46は、調節
弁47を介して同じく混合器44に合流し、混合されて
酸素含有量の高い三次燃焼空気48となる。
48は、反射壁32内の空冷管31を経て胴部34外周
の空冷室33で加熱された後、複数の調節弁49を経て
三次燃焼空気噴出口24に至るように配管されている。
式空気予熱器51が設置されており、図示しない押込送
風機で吸引された燃焼空気61は、空気予熱器51で加
熱された後、ダンパ52乃至55により風量を調節され
て、各火格子の下部から燃焼室12内へと供給される。
おける排ガス処理の状況について説明する。
たごみは、乾燥火格子13、燃焼火格子14及び後燃焼
装置15上を順次移送されながら燃焼し、焼却灰は後燃
焼装置15等から図示しない灰処理装置に排出される。
子13及び燃焼火格子14の前半上から発生するガス
は、いわゆる乾燥用空気である乾燥空気62及び63を
絞って運転するために、炭化水素等の未燃分と、アンモ
ニア等の臭気成分を多量に含んだ400〜600℃の未
燃ガス71であり、燃焼火格子14後半と後燃焼装置1
5上から発生するガスは、燃焼を終わった750〜95
0℃の燃焼ガス72である。
り、燃焼室12内で窒素酸化物を自己脱硝する働きを
し、高温の燃焼ガス72は、上昇して燃焼室天井及びガ
ス混合装置2に衝突して、その保有する熱量により、燃
焼火格子14上のごみの乾燥・燃焼を促進させるととも
に、未燃ガス71の一部を熱分解する。
とは合流して700〜900℃程度の高温排ガス73と
なり、ガス混合装置2の傾斜または湾曲したガス通路2
1及び間隙23を通過する途中で三次燃焼空気48を噴
射されて、旋回しながら再燃空間35へと上昇する。
燃物が三次燃焼空気48中の過剰酸素により激しく燃焼
し、反射壁32及びガス混合装置2との輻射効果を受け
て1300〜1400℃に到達して、未燃ガス中の未燃
物はもとより、残存する悪臭成分をも熱分解する。従っ
て、ダイオキシン前駆物質である炭化水素や浮遊炭素粒
子を完全に焼却分解できる。
35の温度が規定値に到達しない場合は、昇温バーナ3
7により昇温させる。
は、反射壁32の空間を通ってガス冷却室GCに入り、
ガス冷却室GC上部に配設された複数の水噴射ノズルS
Nで冷却されて450℃前後の排ガス75となって空気
予熱器51に入り、以後、図示しない余熱利用設備、排
ガス処理設備を経て煙突から大気中に放出される。
の高温の影響を、下方の燃焼室12に及ぼさないため
に、焼却炉1は、従来の構造・材質で十分であり、さら
に、反射壁32は、上記輻射効果のみでなく、ガス冷却
室GC上部の低温部から再燃室3への放射冷却の影響を
軽減させる効果がある。
法を行う具体的な制御に関する各機器の相互関係を示す
概略図であり、図4は同じくその制御系の概略を示すブ
ロック図である。
方の燃焼室12内は、乾燥火格子下ダンパ52及び燃焼
火格子下第1ダンパ53により、供給空気量62,63
が絞られているために、還元雰囲気となっており、この
部分の温度が低いほど、排ガス(未燃ガス)71中に含
まれる未燃分が多量になる傾向にある。
1で計測し、比較・遅延演算回路82によって得られた
単位時間当たりの温度平均値と、還元雰囲気温度設定器
821とを比較し、乾燥火格子空気量制御部83により
乾燥火格子下ダンパ52を乾燥火格子下ダンパ駆動部5
21を作動制御して供給する乾燥空気量を優先的に調節
し、必要に応じて、燃焼火格子空気量制御部84により
燃焼火格子下第1ダンパ53を燃焼火格子下第1ダンパ
駆動部531を作動制御して燃焼火格子第1空気量を補
足調整することにより、還元雰囲気温度を規定範囲内に
保持しておく。
過することにより、燃焼火格子14後半と後燃焼装置1
5から発生した高温の燃焼ガス72と撹拌・混合され、
酸素含有率の高い三次燃焼空気48により、激しく再燃
焼する。即ち、燃焼ガス72のもたらす高温状態下で、
高濃度の酸素の供給を受けて、未燃ガス中の未燃分を燃
料として高温燃焼を行うものである。
温度検出器91を設け、大きい温度変動を比較・遅延演
算回路92により、単位時間内平均値として求め、再燃
室出口温度設定器921との比較信号を、三次燃焼空気
総合制御部93に送る。
如く、検出値が設定値より遙かに低い(例えば1100
℃未満)場合は、比較・遅延演算回路92は、とりあえ
ず昇温バーナ制御部371に指令して、昇温バーナ37
を始動して、規定温度下限(例えば1250℃)まで昇
温させる。
ば、三次燃焼空気総合制御部93は、設定温度(例えば
1300〜1400℃)になるように、煙突入口CO濃
度検出器94、CO濃度積算器941、CO平均濃度設
定器942、CO濃度比較部943で演算されるCO濃
度を参照しながら、酸素供給量調節計96による酸素調
節弁47を優先的に制御し、必要に応じて、三次空気量
制御部97の指令によりダンパ駆動部431を作動制御
してダンパ43の開度を調節するか、あるいは三次送風
機41の回転数制御により、三次空気量を調節する。
入口に設けたが、同じ測定可能温度域である図示しない
排ガス処理装置前後に設けてもよい。
定温度内に保持されて、未燃ガス71中の未燃物を完全
に焼却除去することができる。
燥・燃焼・後燃焼の3段火格子による横型を例示した
が、竪型焼却炉でもよく、また、ガス冷却装置は、炉頂
型水噴射冷却式を例示したが、廃熱ボイラ冷却式を採用
して、酸素ボンベの代わりに酸素発生装置を設置しても
よい。
るものであれば、如何なる形状でもよい。
空気量制御または炉内水噴射制御を併用してもよく、三
次燃焼空気加熱のために、別途空気加熱器を設置しても
よい。
置周辺のみでなく、再燃室壁面から噴射させてもよい。
におけるダイオキシン類の除去方法によれば、燃焼室内
に供給する乾燥用空気の供給量を調節して、還元雰囲気
温度を予め設定された規定範囲内に保持することにより
自己脱硝を行なわせた上で、この自己脱硝された未燃ガ
スと燃焼を終った燃焼ガスとを前記再燃室底部に配設さ
れたガス混合装置で攪拌・混合するとともに、当該ガス
混合装置からこの攪拌・混合された混合ガス中に、酸素
を添加し再燃室天井部の反射壁及び中央部の空冷室で予
熱された三次燃焼空気を噴射して再燃焼させ、さらに、
再燃室出口温度が予め設定された規定範囲を逸脱した場
合に、まず、ガス混合装置から噴射される三次燃焼空気
の酸素濃度を調節し、この後にその三次燃焼空気の供給
量を調節して当該再燃室内温度を規定範囲内に回復させ
ることで、燃焼効率を高めた再燃室内で高温燃焼を行
え、このため再燃焼室内での再燃焼を確実に達成でき、
ダイオキシン前駆物質である未燃炭素質粒子を完全燃焼
せしめ、ダイオキシン類の発生を防止できる。
類の除去方法を実施するための装置の全体構成の一例を
示す概略断面図及び概略フロー図である。
ある。
却式ごみ焼却設備の構造の一例を示す断面図である。
冷却式ごみ焼却設備の構造の概略を示す全体図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 一般廃棄物や産業廃棄物等のごみを焼却
するごみ焼却炉の燃焼室と、その下流に設置されたガス
冷却設備との中間に、高温で未燃ガスの再燃焼を行う再
燃室を設けたごみ焼却炉において、 前記燃焼室内に供給する乾燥用空気の供給量を調節し
て、還元雰囲気温度を予め設定された規定範囲内に保持
することにより自己脱硝を行なわせた上で、この自己脱
硝された未燃ガスと燃焼を終った燃焼ガスとを前記再燃
室底部に配設されたガス混合装置で攪拌・混合するとと
もに、当該ガス混合装置からこの攪拌・混合された混合
ガス中に、酸素を添加し再燃室天井部の反射壁及び中央
部の空冷室で予熱された三次燃焼空気を噴射して再燃焼
させ、さらに、再燃室出口温度が予め設定された規定範
囲を逸脱した場合に、まず、ガス混合装置から噴射され
る三次燃焼空気の酸素濃度を調節し、この後にその三次
燃焼空気の供給量を調節して当該再燃室内温度を規定範
囲内に回復させることを特徴とするごみ焼却炉における
ダイオキシン類の除去方法。
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1999
- 1999-11-15 JP JP32364999A patent/JP3359312B2/ja not_active Expired - Fee Related
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