JP2001289420A - 塵芥のガス化溶融方法 - Google Patents

塵芥のガス化溶融方法

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JP2001289420A
JP2001289420A JP2000108554A JP2000108554A JP2001289420A JP 2001289420 A JP2001289420 A JP 2001289420A JP 2000108554 A JP2000108554 A JP 2000108554A JP 2000108554 A JP2000108554 A JP 2000108554A JP 2001289420 A JP2001289420 A JP 2001289420A
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furnace
dust
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melting
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Tatsuo Kato
龍夫 加藤
Shinichiro Yagi
紳一郎 八木
Katsunori Hirose
克則 広瀬
Hiroyuki Hagiwara
弘之 萩原
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Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャフト炉方式では、可燃分残渣をそれがコ
ークスベッドに至るまでの間に燃焼させしかも溶融スラ
グの流動性を保つために、コークスを積極的に燃焼させ
てコークスベッドを高温に維持する必要がある。そのた
めに羽口から大量の空気を供給すると炉内の圧力が高く
なり連続出滓が困難となる。 【解決手段】 シャフト炉内に塵芥及びコークスを供給
して、それら可燃物質に対する化学量論的酸素量以下の
雰囲気下で塵芥を燃焼及びガス化し、その残さを溶融し
て出滓口から排出する塵芥のガス化溶融方法であって、
炉底部にコークス層を形成し、該コークス層に向けてプ
ラズマトーチから前記可燃物質に対する化学量論的酸素
量の10〜30%の酸素を含有する高温ガスを吹込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物を含む
廃棄物をガスと固形物に分解するガス化溶融方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミや下水汚泥などの有機化合物を
含む廃棄物を乾燥、熱分解及び燃焼溶融するガス化溶融
炉は、キルン方式、流動床方式及びシャフト炉方式に大
別される。キルン方式と流動床方式は、補助燃料を用い
ずにゴミの持つ熱量を利用してゴミを溶融するため、運
転経費は少なくて済むが、破砕や乾燥等のゴミの前処理
が必要でしかも処理フローが複雑であることから、処理
設備全体でみると、建設費が高くなるという問題点が有
る。また処理フローが複雑なので、運転やメンテナンス
に熟練と多くの人手を要するという問題点も有る。シャ
フト炉方式は、補助燃料を必要とするが、破砕や乾燥等
のゴミの前処理が不要で、更に処理フローが比較的簡単
であるため、処理設備全体の建設費を低くできるという
利点がある。また簡単な設備なので運転やメンテナンス
が容易であるという利点もある。シャフト炉方式では、
一般に補助燃料としてコークスが使用され、その使用量
は、ゴミ1トン当たり100kg程度になる。このよう
に大量のコークスを使用すると、運転経費の増大と排出
される二酸化炭素量の増大を招来する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シャフト炉方式でコー
クスの使用量を低減するために、例えば特開平8−94
035号には、炉床部の内径を小さくして従来よりも縦
長のコークスベッドとし、不燃物(無機残渣、灰分)が
コークスベッドに到達するまでの間にゴミの乾燥及び熱
分解と可燃分残渣の燃焼を完了させ、不燃物のみをコー
クスベッドに侵入させることが開示されている。すなわ
ちこの溶融炉は、コークスベッド内では不燃物の燃焼の
みを行ってコークスによる高温燃焼を維持し、コークス
の使用量の低減を図ろうとするものである。しかしシャ
フト炉方式では、可燃分残渣をそれがコークスベッドに
至るまでの間に燃焼させしかも溶融スラグの流動性を保
つために、コークスを積極的に燃焼させてコークスベッ
ドを高温に維持する必要がある。そのために羽口から大
量の空気を供給すると炉内の圧力が高くなり連続出滓が
困難となる。すなわち出滓口を常時開放しておくと炉内
圧力の上昇によりスラグと共に炉内の酸素含有高温ガス
が出滓口から大量に噴出し、炉底部の還元性雰囲気が維
持できなくなり出滓口の閉塞が生じる。また熱量の損失
も大きくなりコークス消費量が増大する。なお間欠出滓
ではこのような不具合は生じないが、マッドガン等を使
用した煩雑でかつ危険な出滓口の開閉作業が必要とな
る。
【0004】シャフト炉方式で連続出滓を可能とするた
めに、特開平5−106826号には、出滓口を高温保
持炉で覆うことが開示されている。しかし高温保持炉は
内部圧力を高めるために炉底部を水中に没しているの
で、スラグ冷却により大量の水蒸気が発生する。水蒸気
が出滓口からシャフト炉に侵入すると吸熱反応によりコ
ークスベッドの温度が低下する。これを防ぐため高温保
持炉では、大量の排気を続ける必要があり連続出滓は可
能であっても設備の複雑化を解消できない。
【0005】従って、本発明の目的は、簡単な構造で連
続出滓が可能なシャフト炉方式のガス化溶融方法を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はシャフト炉内に
塵芥及びコークスを供給して、それら可燃物質に対する
化学量論的酸素量以下の雰囲気下で塵芥を燃焼及びガス
化し、その残さを溶融して出滓口から排出する塵芥のガ
ス化溶融方法であって、炉底部にコークス層を形成し、
このコークス層に向けてプラズマトーチから上記可燃物
質に対する化学量論的酸素量の10〜30%の酸素を含
有する高温ガスを吹込む塵芥のガス化溶融方法である。
本発明では前記コークス層より上部に塵芥層を形成し、
羽口からこの塵芥層に向けて空気を吹込むことが好まし
い。その場合は、塵芥層に向けて吹込む空気に含まれる
酸素の量がコークス層に向けて吹込む高温ガスに含まれ
る酸素の量より少ないことが好ましい。本発明では炉底
部近傍の圧力を平均値で0.3〜5KPaの正圧に保つ
ことが好ましい。本発明では炉底部に設けた溶融スラグ
排出口から溶融スラグを連続的に排出することを特徴と
する。
【0007】
【発明の実施の形態】この炉に塵芥及びコークスを供給
して燃焼及びガス化すると次のような行程を経る。堆積
した塵芥層の上層部は供給されたばかりのものであるか
ら、塵芥中にコークスの量が少ない塵芥リッチ部であ
る。塵芥リッチ部では塵芥は乾燥・熱分解により可燃性
ガスと残渣とに徐々に分解され、或いは一部は燃焼して
その量が速やかに減少する。残渣は可燃分残渣(チャ
ー)と不燃物(無機残渣、灰分)とからなる。そこから
下層部に向かうにつれてチャーはプラズマトーチから供
給された酸素を含む高温ガスにより燃焼し灰分となる。
コークスは塵芥に比して燃焼し難く、その量が減少しに
くいから塵芥中のコークスの割合はだんだん大きくなり
塵芥とコークスとの混在部を形成する。更にその下層部
になると、塵芥は燃焼或いはガス化し尽くして灰あるい
はチャーとなっているが、コークスは依然として多量が
残存しており、ここがコークスリッチ部(コークス層)
となる。コークス層25まで達した灰分と無機残渣は、
そこで加熱され約1300℃に達すると溶融されコーク
ス層中を流下する。更に約1500℃まで過熱されて炉
底部に一旦溜り、溶融スラグ排出口から炉外へ排出され
る。コークス層は、極めて間隙の多い充填層であるか
ら、溶融スラグはその間を流下し易く、又炉底部に溜ま
っている間も、蓄熱されたコークス層にまんべんなく曝
されるから、部分的に冷却されることはない。また、プ
ラズマトーチの高温ガスを溶融スラグ排出口に近い部分
のコークス層の下層部に向けて吹き込んでいるから、溶
融スラグ排出口周辺のコークス層や炉底部、及び溶融ス
ラグも高温を安定して保つことができ、溶融スラグの安
定した連続的な排出を維持することができる。従って、
廃棄物処理量が少なく、流出する溶融スラグ量が少なく
て凝固しやすい小型溶融炉には特に効果的である。
【0008】本発明で使用する塵芥の溶融炉はシャフト
炉の炉底部にコークス層を形成し、このコークス層をプ
ラズマトーチから吹き込む高温ガスで加熱し、且つコー
クス層の一部を燃焼させて、この熱でコークス層の上に
積層している塵芥を化学量論的空気量以下の雰囲気下で
燃焼及びガス化して、それによって生じる残さである灰
をコークス層で溶融スラグ化して炉外に排出するもので
ある。灰及びチャーは溶融スラグ化するから、それを冷
却したときは溶融スラグはガラス状物質になって灰及び
チャーの体積が約1/5に減ずると共に、重金属等がガ
ラス状物質の中に閉じ込められて溶出することがない。
【0009】本発明で使用する溶融炉はコークス層に向
けてプラズマトーチの高温ガスを吹き込むのであるが、
この高温ガスに酸素を含ませることによりコークスと塵
芥の一部を燃焼させて反応熱を取り出し、塵芥の乾燥・
熱分解・残渣の溶融を行うエネルギーとするのである。
高温ガスが溶融炉に供給される可燃物質に対する化学量
論的酸素量の10〜30%の酸素を含有するのは、10
%未満では反応熱が小さすぎるため、その分プラズマト
ーチの出力を大きくしなければならず炉壁の熱損傷が激
しくなるからである。30%を超えるとコークスの燃焼
が多くなりコークスの消費量の増大を招くからである。
高温ガスが含有する酸素量は可燃物質に対する化学量論
的酸素量の15〜25%とすることが好ましい。
【0010】プラズマトーチからの高温ガス量はプラズ
マエアーとシュラウドエアーとの総和となる。プラズマ
トーチからの高温ガスの温度は1000〜2500℃と
なり、それでコークス層を加熱すると共に高温ガス中の
酸素でコークス層の一部が燃焼するからコークス層中の
温度を約1500℃に安定的に保つことができる。コー
クス層の温度を1500℃に保つためには、例えばコー
クスの燃焼熱によることのみでは、その温度を保ために
は富酸素空気が必要であるが、本発明で使用する溶融炉
ではプラズマトーチを使用しているから、その高温ガス
は通常の空気でもよい。
【0011】プラズマトーチのプラズマエアー及びシュ
ラウドエアーの吹き出し圧を、10〜20KPaの正圧
とし、羽口から供給する空気の流量や塵芥層・コークス
層の通気抵抗、出滓口の大きさ等を調節することにより
コークス層のある炉底部22近傍を、0.3〜5KPa
の正圧にすることができる。炉底部近傍の圧が5KPa
を越えると、溶融スラグ排出口が炉内と連通したとき炉
内の約1500℃の熱風が強く噴出するようになり、こ
れによって炉内の熱量を多量に炉外に持ち出すという不
利益が生ずると共に、炉まわりで作業する人に火傷を与
える危険がある。また、炉底部近傍の圧が0.3KPa
を下まわると、外気との差圧によって生ずる溶融スラグ
を押し出す力が小さくなって、溶融スラグの排出が困難
になる。また、外気が吸引されて、溶融スラグ排出口周
辺の温度が低下してしまい、溶融スラグが凝固しやすく
なる。
【0012】次に本発明の塵芥の溶融処理方法の一実施
の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係わ
る塵芥の溶融炉のシステムを示す概略図であり、図2は
本発明で使用する塵芥の溶融炉を示す断面図である。図
1及び図2において2は炉体で、その炉底部近傍にプラ
ズマトーチ1とプラズマトーチ1の上方に第一の羽口3
と第二の羽口4が設けてある。本実施例ではプラズマト
ーチ1は炉体の同一高さの円周上に2ヶ所に設け、プラ
ズマトーチから吹き出す高温ガスの方向は平面的には炉
体の直径方向、立面的には炉底部の底と垂直部の交点方
向とした。第一の羽口3及び第二の羽口4は同じく円周
上6ヶ所とした。第一の羽口3及び第二の羽口から吹き
込む空気は後述する二次燃焼炉空の高温ガスと熱交換器
で熱交換して高温になったものを使用する。
【0013】本発明では上記羽口を任意に採用すること
ができる。高含水率のゴミ(含水率が約50%超)を処
理する場合には乾燥に多くのエネルギーを必要とするの
で、コークス層より上部に形成した塵芥層に向けて羽口
から空気を吹込み、塵芥とコークスを若干燃焼さること
が好ましい。供給する空気は塵芥層の温度を低下させな
いよう加熱されていることが好ましい。
【0014】本発明で塵芥層に向けて羽口から空気を吹
込む場合は、塵芥層に向けて吹込む空気に含まれる酸素
の量がコークス層に向けて吹込む高温ガスに含まれる酸
素の量より少ないことが好ましい。本発明で塵芥層に向
けて羽口から空気を吹込む場合は、塵芥層に向けて吹込
む空気の量がコークス層に向けて吹込む高温ガスの量よ
り少ないことが好ましい。その理由として塵芥層での気
体の供給量が多くなるとコークス層から上昇してくる高
温ガスが塵芥層中で偏流をおこし易くなり塵芥との十分
な熱交換が行われないことや高温ガスの温度が低下する
ことが挙げられる。
【0015】炉体2は外殻201の内側に耐火材202
を内貼りしたものである。また本実施の形態では炉体2
は炉本体20と炉底体21とを結合して、炉底体21を
炉本体20に吊り下げる構造とし、必要あれば炉底体2
1を図示しない台車上に取り外して所定の場所に移動す
る。そうすることで炉底体21の補修や炉本体20の内
部の補修を便ならしめた。
【0016】炉体2の立面的な略中間部には供給口5が
設けてあり、供給口5に連接してプッシャー6が設けて
あり、プッシャー6には塵芥供給装置7とコークス供給
装置8が連接してある。そして塵芥供給装置7とコーク
ス供給装置8には図示はしないが二重のバタフライバル
ブを設けて外気の侵入を極力遮断するようにした。炉体
2の上部近傍に排ガス口9が設けてあり、排ガス口9に
連接して二次燃焼炉10、一次冷却塔11、熱交換器1
2、二次冷却塔13、集塵機14が連接してあり、集塵
器14の後は図示しない誘引ファン及び排気塔が連接し
てある。炉体2の炉底部22には炉体2内と連通した溶
融スラグ排出口23が設けてあり、それに連ねてスラグ
樋15とスラグ冷却水槽16とが設けてある。
【0017】次に本発明で使用する溶融炉の操炉及び運
転状況について説明する。まず常温状態の炉体2の昇温
を始める際は、炉底部22にコークスを充填してコーク
ス層25を形成し、そのうえでプラズマトーチ1を点火
して約1800℃の高温ガスをコークス層25に向けて
吹き込む。炉底部22及びコークス層25はプラズマト
ーチ1の熱空気とコークスが燃焼する燃焼熱で約3時間
後に1500℃程度に昇温する。そこに塵芥供給装置7
からプッシヤー6で塵芥を炉体2内に供給すると共にコ
ークス供給装置8からコークスと石灰石の混合物をプッ
シャー6で供給する。本実施例では塵芥に対するコーク
スの重量割合は2%とした。塵芥とコークスを供給する
と、コークス層25の上に塵芥とコークスが交互に略層
状になった塵芥層26が形成される。本実施の形態では
炉体2内に供給する空気はプラズマトーチ1及び第一、
第二の羽口3、4から供給し、その総空気量は炉体2内
にあるコークスや塵芥の可燃物質に対する化学量論的空
気量以下にし、酸素比は0.1〜0.6の範囲が望まし
い。 酸素比=(供給酸素量+塵芥中の有機酸素量)/(C×
32/12+H×16/2) ここで、供給酸素量はプラズマトーチ及び羽口から供給
する酸素量(kg/h)、Cは該酸素および塵芥中の有機酸
素と結合する炉内の有機化合物を含む塵芥とコークス中
の炭素量の合計(kg/h)、Hは該酸素および塵芥中の有
機酸素と結合する炉内の有機化合物を含む塵芥とコーク
ス中の水素量の合計(kg/h)である。但し、塵芥中にハ
ロゲン元素を含む場合にはハロゲン元素は水素と結合す
るのでその分の水素量は除く。
【0018】加熱したコークス層25の上に堆積した塵
芥層26は乾燥されてその一部は上記燃焼用空気により
燃焼し、残りはガス化する。そして塵芥の燃焼によって
発生した灰とガス化によって発生したチャーは約150
0℃に加熱されたコークス層25からの熱風で燃焼・溶
融して溶融スラグとなりコークス層26中を流下して炉
底部22に溜る。炉底部22に溜まった溶融スラグは炉
底に設けた溶融スラグ排出口23から炉外に排出され
る。前記したように塵芥の供給とコークスの供給を3:
1の回数割合で行なうから塵芥とコークスは概略交互に
層状をなすと考えられ、しかもコークスの量的な比率は
2重量%程度であるが、塵芥の燃焼はコークスに比して
はるかに速やかであるから、上記した燃焼用空気の大半
は塵芥の燃焼に消費されてしまい、コークスは燃焼し難
く、よってコークスの消耗は少ない。その結果塵芥層2
6の上部は塵芥がリッチなゾーン261となり、塵芥の
燃焼およびガス化が進行する塵芥層26の中部では塵芥
とコークスが混在したゾーン262となり、塵芥層26
の下部では殆どがコークスとなるゾーン263となる。
その結果炉底部22内の所定の高さまではコークス層2
5が継続的に形成されており、コークスの消耗量と供給
量とがバランスしている状態ではコークス層25のレベ
ルは維持されるものである。
【0019】(実施例1)図1及び図2に示す装置によ
り、塵芥を次の条件で30日間連続で処理した。本実施
例に使用した塵芥の性状を以下に示す。 ・塵芥種類 :一般廃棄物(家庭ごみが主) ・水分率 :47% ・低位発熱量 :358KJ/Kg ・灰分量 :8% 上記した性状の塵芥を以下に示す条件で溶融処理した。 ・塵芥供給量 :1000Kg/h ・コークス供給量 : 20Kg/h ・総合空気量 :150Nm3/h(酸素比:0.15 羽口3,4からは 供給しない) ・プラズマトーチからの空気量 :150Nm3/h(酸素比:0.15) ・プラズマトーチからの吹出し圧 :15KPa
【0020】投入口5からゴミを1分ごとに投入しかつ
コークス及び石灰石を3分ごとに投入して、塵芥層(ゾ
ーン261+ゾーン262)の高さを約1m、コークス
層(ゾーン263)の高さを約0.5mとし、コクース
層25の温度をで約1500℃、ガス化ゾーン(塵芥層
の上の空間部であり圧力は大気に対しやや負圧とな
る。)の温度を500〜900℃で燃焼させた。ガス化
ゾーンのガスは二次燃焼炉10で空気を送り込むことで
1000〜1200℃で燃焼させて(滞留時間2〜3
秒)ダイオキシンを分解し、一次冷却塔11で600℃
前後まで冷却され、二次冷却塔13でダイオキシンの再
合成を防止するために160〜180℃まで急冷却さ
れ、集塵機14を経て大気中に放出される。この排ガス
の性状を測定した結果、ダストは0.001g/Nm3
(法規制値は0.15で以下も同様)、SOx(K値)
は0.026(17.5)、HClは3ppm(43
0)、NOxは142ppm(250)、COは3pp
m(100)、ダイオキシンは0.01ng/Nm3
(5)と良好な結果を示した。
【0021】プラズマトーチからの高温ガス温度は約1
800℃であり、炉底部のコークス層25の雰囲気温度
は1500℃であり、また炉底部22の圧力は平均的に
正圧で0.9KPaであった。塵芥を供給し始めてから
約60分経過後に溶融スラグ排出口23から溶融スラグ
が出始め、その後安定した連続出滓を行うことができ
た。溶融スラグの排出量は平均的に1時間当たり約80
Kgであった。このスラグの溶出試験を行い、水冷スラ
グ、空冷スラグともに土壌環境基準をクリアーしている
ことが確認された。
【0022】(実施例2)プラズマトーチからの空気量
を250Nm3/h(酸素比:0.25)とした以外は
実施例1と同様にして実験を行った。排ガスの性状を測
定した結果、実施例1と同様に法規制値をクリアしてい
ることが確認された。
【0023】炉底部のコークス層25の雰囲気温度は1
500℃であり、また炉底部22の圧力は平均的に正圧
で1.5KPaであった。塵芥を供給し始めてから約6
0分経過後に溶融スラグ排出口23から溶融スラグが出
始め、その後安定した連続出滓を行うことができた。溶
融スラグの排出量は平均的に1時間当たり約80Kgで
あった。このスラグの溶出試験を行い、水冷スラグ、空
冷スラグともに土壌環境基準をクリアーしていることが
確認された。
【0024】 (実施例3) ・水分率 :55% ・総合空気量 :450Nm3/h(酸素比:0.45 羽口3,4からも 供給) ・プラズマトーチからの空気量 :250Nm3/h(酸素比:0.25) 上記以外は実施例1と同様にして実験を行った。排ガス
の性状を測定した結果、法規制値をクリアしていること
が確認された。
【0025】炉底部のコークス層25の雰囲気温度は1
500℃であり、また炉底部22の圧力は平均的に正圧
で1.9KPaであった。塵芥を供給し始めてから約6
0分経過後に溶融スラグ排出口23から溶融スラグが出
始め、その後安定した連続出滓を行うことができた。溶
融スラグの排出量は平均的に1時間当たり約80Kgで
あった。このスラグの溶出試験を行い、水冷スラグ、空
冷スラグともに土壌環境基準をクリアーしていることが
確認された。
【0026】(比較例1)プラズマトーチからの空気量
を70Nm3/h(酸素比:0.07)とした以外は実
施例1と同様にして実験を行った。そのときの炉底部の
コークス層25の雰囲気温度は1300℃であった。雰
囲気温度が低いため十分に溶融したスラグが得られずス
ラグ排出口の閉塞が発生した。
【0027】(比較例2)プラズマトーチからの空気量
を350Nm3/h(酸素比:0.35)とした以外は
実施例1と同様にして実験を行った。そのときの炉底部
のコークス層25の雰囲気温度は1500℃であり、ま
た炉底部22の圧力は平均的に正圧で2.1KPaであ
った。この圧力の下では溶融スラグは良好に排出されて
おり、炉底部22から溶融スラグを押し出し、かつ溶融
スラグ排出口からの外気吸引防止すためには充分な作用
を有していた。しかしコークスの消費量が多くコークス
層25の高さを維持することができなかった。
【0028】(比較例3)次の条件とした以外は実施例
3と同様にして実験を行った。 ・総合空気量 :450Nm3/h(酸素比:0.45 羽口3,4からも 供給) ・プラズマトーチからの空気量 :200Nm3/h(酸素比:0.2) そのときの炉底部のコークス層25の雰囲気温度は13
00℃であった。雰囲気温度が低いため十分に溶融した
スラグが得られずスラグ排出口の閉塞が発生した。高温
ガスが塵芥層26中で偏流を起こし塵芥層26での高温
ガスと塵芥との熱交換が不十分となった結果、チャーの
燃焼がコークス層25で行われるようになりコークス層
25の雰囲気温度が低下したものと考えられる。
【0029】
【発明の効果】以上に記述の如く、本発明の塵芥のガス
化溶融方法によれば、純酸素又は酸素富化空気を使用す
ることなく補助燃料の消費量を少なくすることができ、
もって運転経費を低減でき、また炉底部の圧力を低くで
きるので、溶融スラグの連続出滓が可能である。また、
プラズマトーチを使用するので、炉の立ち上げと立ち下
げを短時間で行うことができ、運転期間の調整が容易
で、操業し易い。本発明のガス化溶融炉は、立型のシャ
フト炉なので、その設置スペースが小さくかつ処理シス
テムをコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する塵芥の溶融炉に係わるシステ
ムの概略図である。
【図2】本発明で使用する塵芥の溶融炉を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 プラズマトーチ、2 炉体、3,4 羽口、5 供
給口、7 塵芥供給装置、8 コークス供給装置、9
排ガス口、20 炉本体、21 炉底体、22 炉底
部、23 溶融スラグ排出口、25 コークス層、26
塵芥層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 11/08 F27D 11/08 E 4K063 19/00 19/00 D (72)発明者 萩原 弘之 埼玉県熊谷市三ヶ尻6010番地日立金属株式 会社生産システム研究所内 Fターム(参考) 3K061 AA16 AB02 AB03 AC01 AC02 BA01 BA04 BA07 CA07 CA08 CA14 DA12 DA17 DB16 DB20 3K065 AA16 AB02 AB03 AC01 AC02 BA01 BA04 BA07 GA07 GA12 GA34 4D004 AA46 AC05 CA27 CA29 CA32 CB02 CB34 CC02 DA03 DA06 DA07 DA10 4K045 AA01 BA10 CA02 DA05 GA17 GB03 GB10 GC01 GD08 4K056 AA05 BA01 BB01 BB08 CA20 DA02 DA22 DA32 DB05 DB07 DB12 FA01 FA08 4K063 AA04 AA13 BA13 CA01 CA04 CA06 FA56

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフト炉内に塵芥及びコークスを供給
    して、それら可燃物質に対する化学量論的酸素量以下の
    雰囲気下で塵芥を燃焼及びガス化し、その残さを溶融し
    て出滓口から排出する塵芥のガス化溶融方法であって、
    炉底部にコークス層を形成し、該コークス層に向けてプ
    ラズマトーチから前記可燃物質に対する化学量論的酸素
    量の10〜30%の酸素を含有する高温ガスを吹込むこ
    とを特徴とする塵芥のガス化溶融方法。
  2. 【請求項2】 前記コークス層より上部に塵芥層を形成
    し、羽口からこの塵芥層に向けて空気を吹込むことを特
    徴とする請求項1記載の塵芥のガス化溶融方法。
  3. 【請求項3】 前記空気に含まれる酸素の量を前記高温
    ガスに含まれる酸素の量より少なくすることを特徴とす
    る請求項2記載の塵芥のガス化溶融方法。
  4. 【請求項4】 シャフト炉の炉底部近傍の圧力を平均値
    で0.3〜5KPaの正圧に保つことを特徴とする請求
    項1乃至3の何れかに記載の塵芥のガス化溶融方法。
  5. 【請求項5】 シャフト炉の炉底部に設けた溶融スラグ
    排出口から溶融スラグを連続的に排出することを特徴と
    する請求項1乃至4の何れかに記載の塵芥のガス化溶融
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005527456A (ja) * 2002-04-08 2005-09-15 コミツサリア タ レネルジー アトミーク 2つの加熱手段を用いた溶融固化炉及び溶融固化方法
JP2014062659A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Nippon Steel & Sumikin Engineering Co Ltd 廃棄物ガス化溶融炉の立ち上げ方法

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