JP2002276925A - ガス化炉の排ガス処理方法と排ガス処理設備 - Google Patents
ガス化炉の排ガス処理方法と排ガス処理設備Info
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Abstract
容易で、熱回収効率を向上できる排ガス処理設備を提供
する。 【解決手段】 排ガスGに、空気または酸素あるいはそ
の混合ガスを加えて高温で部分燃焼させるための再燃焼
器12と、再燃焼器12からの出口ガスを導入し該ガス
の保有する廃熱を回収するための前段ボイラ13と、前
段ボイラ13からの出口ガスを乾式にて除塵するととも
に、ガスに含有されている塩酸や硫化物等の酸性成分を
除去するためのガス清浄化装置と、清浄化したガスに空
気または酸素あるいはその混合ガスを加えて高温で再燃
焼して完全燃焼させるための再燃焼器22と、再燃焼器
22からの出口ガスを導入し該ガスの保有する廃熱を回
収するための後段ボイラ23とを備えている。
Description
石炭などをガス化炉にて酸素等を吹き込んで燃焼すると
きに炉内で発生し排出される可燃性ガス(以下、排ガス
という)を清浄化するとともに、その排ガスが保有する
熱(エネルギー)を有効に回収するための、ガス化炉の
排ガス処理方法とその排ガス処理設備に関するものであ
る。
設備に関する先行技術として、次の公報が公開されてい
る。
報に記載の排ガス処理方法では、ガス化炉から出たガス
は、先ず酸性成分が中和され塩としてガス中に含まれる
ものが集塵機で除塵され、再燃焼炉に導入されて完全燃
焼された後、ボイラへ導入されて廃熱回収される。さら
にガスクーラー(減温器)で温度が低下・調整された後
にバグフィルターにて除塵され、ガス清浄化装置で有害
ガスを除去される。しかし、この従来方法では、次のよ
うな欠点がある。すなわち、 a.従来の再燃焼器では種々の役目(ガスを完全燃焼さ
せること、850℃×炉内滞留時間2秒以上を確保する
こと、ガス中に含まれる飛灰が溶融しないように燃焼温
度は高過ぎないこと[例えば1200℃以下]等)を総
て満足させなければならない。すなわち、不確定なごみ
の変動(水分、単位重量当りの発熱量、ごみの形状寸
法、成分の偏り等々)は燃え易さ、燃え難さをはじめ、
様々な燃焼の不具合を生じる。そのような状況に陥って
も燃焼を維持する目的で、空気を理論燃焼空気比1.0
の十分に余裕のある1.8前後としてごみを焼却する。
これは、産業用のガス炉が、空気比1.05〜1.1、石
炭焚の炉であっても1.1〜1.3程度であることから、
殆ど倍近くの空気量を使用している。このような大量の
燃焼用空気を使用することで前述のごみの変動で酸素不
足となる確率を低くすること、およびごみの発熱量が低
くなった時でも所定の温度を維持するため一定量の水を
噴射しておき、水の噴射水量を減少させて温度制御を行
うことが行われている(空気量を変化させて燃焼温度を
制御することに比べ水量の制御の方が応答が早いた
め)。このように空気比を多くし、水を噴射することは
排ガスの容積が大きくなり、熱を無駄に消費しているこ
とになる。そこで、空気比を下げ、水の噴射も少なく
し、しかも前述のごみの変動に対応しなければならない
が、これらの役目を総て完遂するために下記のような不
都合が生じている。
件を満足できない。
を使用する必要がある。
量が大き過ぎる)と燃焼ガス温度の過度の上昇を防ぐた
めに、冷却水を噴霧したり、排ガスを循環させて排ガス
温度を下げたり、あるいは壁を水冷にして冷却したりす
る必要がある。しかし、冷却水の噴霧は熱ロスを増大し
て熱効率を悪化させる。また排ガスの循環は排ガス流量
を増大させることになり、運転費や設備費の高騰を引き
起こす。水冷式壁の採用は設備費の高騰を引き起こすと
ともに、ごみ質が悪い場合はガスが冷え過ぎるために助
燃用燃料を加える必要がある(運転費の増大)。
い。
溶融温度以上にするとガス中に含まれる飛灰中の灰分が
溶融し、溶融温度以下の壁面やバーナー等に付着し成長
する結果、長期間の運転の続行を阻害する。
分分解されず、またはガス中に含まれるオイルやタール
分が十分分解されず、下流側に位置する除塵器等に付着
するおそれがある。
中に飛灰や塩酸や亜硫酸ガス等が残存しているために下
記の問題を生じる。
ール)が付着して廃熱回収効率が悪化する。従来はこの
問題に対処するためにスートブローを行なうなどの対策
を採用しているが、飛灰(スケール)が付着することに
よるチューブでの熱伝熱量の悪化を見込んで、余裕率の
大きい設備を設けている(高い設備費)。
含まれる有害成分物によりボイラチューブが腐食する
(設備の寿命が短い)。
ス等により腐食するために、従来は耐食材を使用して過
熱蒸気の温度を400℃以下に保つのが一般的である。
このように過熱蒸気の温度が低いため、その蒸気を蒸気
タービンに導入して発電する発電装置の熱効率が非常に
低い(熱効率が悪い)。また、スケールが付着すること
で、滞留部にはフィンチューブを使用できないので、設
備が大型化する。さらにエコノマイザ(節炭)部では最
も温度の低い燃焼排ガスから熱回収しようとする空気予
熱器のチューブや管板は結露(即ち酸露点)に近くなっ
ており、耐食材を使用して出口排ガス温度を200℃以
上に保つのが一般的である。しかしながら、前述のごみ
の変動に対処するために水の噴射量を変えたり、空気量
と排ガス量のバランスが変化することにより、常に空気
予熱器出口温度が200℃以上になるよう、空気側にバ
イパスを設けるなどして対策が講じられる。これは、産
業用のエコノマイザ出口温度が60〜80℃であること
に比べれば熱回収効率が極めて低くなっていることを示
す。
設計するのが非常に困難である。
り、150℃以下の熱回収ができない。
報に記載の廃棄物焼却設備は、ガス化炉からの排ガスの
冷却装置と集塵装置と脱塩素装置とガスを燃焼するため
のボイラーとガスタービン発電装置とからなり、また同
処理方法では、ガス化炉から出たガスは、先ず再燃焼炉
に導入されて完全燃焼された後、水を噴霧して急冷・除
塵され、さらにアルカリ洗浄や酸洗浄されて清浄化され
る。このように清浄化された可燃性ガスは種々の用途に
使用されるが、ボイラへ導入されて完全燃焼されたのち
に廃熱回収される。しかし、このような従来法では、次
のような欠点がある。
しているので、ガス系設備はコンパクトであるが、水処
理設備が高くなる。
多量に排出されるために処理する必要があり、しかも余
剰水には種々の有害成分が含まれているため、完全には
清浄化できず、したがってそのままでは排水できない。
一方、排水可能なレベルまで完全に清浄化するには、膨
大な設備費と運転費とその処理設備を設置するための場
所が必要になる。いいかえれば、上記の余剰水の中には
水銀カドミウム鉛などやアルカリ金属亜鉛などが含ま
れ、これらを回収するための処理は複雑な水処理であっ
て、排水や回収物に含まれる不純物を取り除かねばなら
ない。もし、その不純物の量が不確定であると、大きい
環境問題を引き起こす可能性が残る。
ス)を水で急冷するため、その保有熱を無駄になってい
る。
るための従来の処理方法は湿式であることから、乾式に
比して多くのエネルギーを必要とし、また分離も容易で
ない。
報に記載のガス化炉の排ガス出口には、排ガスの急冷装
置およびガス精製装置がこの順に接続され、排ガスは急
冷され、精製されたのちに大気中には排出される。
却方法では、一般に排ガスを煙突から放散する際、ガス
の温度が低いと放散時にガス中に含まれる水蒸気が凝縮
して白煙化し、施設の周辺の住民に不安感を抱かせるお
それがある。そのような場合、従来の処理方法では排ガ
スに、蒸気や高温ガス等で加熱した空気を混入すること
によって白煙化を防止している。しかし、この方法では
多大な設備費を必要とする。
例に係る排ガス処理設備を示す。この排ガス処理設備で
は、ガス化溶融炉1からの排ガスGが再燃焼器72に導
入され、酸素が吹き込まれて再燃焼される。こうして高
温になった排ガスGはボイラ73の上流側の減温槽7
3’に導入され温度調整されたのち、ボイラ73に導入
されてボイラ水を蒸気化する。この結果、排ガスGの温
度が下降し、さらに下流側のエコノマイザー74に送ら
れ、ここでさらに排ガスG中の余熱が回収される。しか
し、排ガスGの温度は集塵機76の耐熱温度よりもまだ
高い(300℃以上)ので、エコノマイザー74と下流
側の集塵機76との間に介設した減温塔75でさらに冷
却されたのちに、消石灰の粉末が噴霧されて排ガスG中
に含まれている塩酸などの酸性成分が中和されつつ集塵
機76へ送られ、脱塵されたのち、誘引送風機77で吸
引され、煙突78から排気される。この際に、白煙防止
処理が施される。なお、図中の符号3はごみピット、3
aはクレーン、4は粉砕機、5は給塵機、4a・5aは
投入ホッパー、6は水砕槽、7は磁選機である。
みなされたもので、従来の欠点すなわち、上記した従
来の排ガス処理方法あるいは処理設備によれば排ガスを
再燃焼器で一度に完全燃焼させるために、燃焼後のガス
温度が高くなりすぎ、そのままではボイラー等で熱回収
が困難なために、一旦冷却して回収することからエネル
ギーの回収効率が低いこと、再燃焼器の運転が非常に
難しく、熟練を要すること。つまり、従来の再燃焼器で
は種々の役目(ガスを完全燃焼させること、850℃
×炉内滞留時間2秒間以上を確保すること、ガス中に
含まれる飛灰が溶融しないように燃焼温度は高過ぎない
こと[例えば1200℃以下]等)を総て達成しなけれ
ばならないこと、廃棄物焼却用のガス化炉の排ガス処
理の場合、ごみ質が変動すると、総ての条件を満足でき
なくなるので対策が施される。例えばごみ質が悪い場合
には、助燃用燃料を使用し、逆にごみ質が良過ぎると、
燃焼ガス温度の過度の上昇を防ぐために、空気比を上
昇、冷却水を噴霧、排ガスを循環させて排ガス温度を下
げ、あるいは壁を水冷にして冷却する等の必要がある。
そして、これらの要因から何れも設備に余裕をもたせる
必要性が生じ、操業の困難および熱効率の悪化となるこ
と、を解決することができる排ガス処理方法とその処理
設備を提供することを目的としている。
めに本発明に係るガス化炉の排ガス処理方法および処理
設備は、基本的には、供給ごみの部分燃焼の変動を均一
化することと、排ガス処理系を2段階のシステムにした
ことである。系統的には、供給ごみの部分燃焼の変動を
均一化する部分燃焼炉に続けて、部分燃焼器(再燃焼
器)・前段ボイラー又は空気予熱器・ガス清浄器、再
燃焼器・後段ボイラ(又はボイラ)とする。の部分燃
焼器(再燃焼器)では、可燃性排ガスは完全燃焼させず
に部分燃焼器内にて好ましくは850℃以上(実際は1
000℃でも良い)×滞留時間2秒間以上を確保すると
ともに、排ガス中に含まれるタールやオイル分を分解す
る。前段ボイラ又は空気予熱器を出たガスは減温器など
で冷却し、ダイオキシンやNOxおよび飛灰を除去した
後、再び再燃焼器にて完全燃焼(ガスが清浄化されてい
るので燃焼温度やスーパーヒータ温度に考慮する必要な
く、空気を吹き込んで完全燃焼)して後段ボイラ(又は
ボイラ)にて保有熱を回収することを特徴としている。
動を均一化する部分燃焼炉で生成ガスが均一化され、あ
まり変動せず排出された後、最初の再燃焼器(部分燃焼
器)ではガスを完全燃焼させるのでなく、例えば850
℃×炉内滞留時間2秒間以上を確保すること(温度制
御)のみに専念することができるから、設備と運転が非
常にシンプルになる。同時に熱回収効率も向上する。そ
して、本発明によると、発電効率が飛躍的に向上する。
すなわち、後段のボイラに導入されるガス中には、もは
や塩素系ガスも飛灰もダイオキシンも含まれていない清
浄な燃料ガスであるために、後段ボイラ(又はボイラ)
はごみ焼却用ボイラではなく、産業用の廃熱ボイラと共
通の技術を適用できる。例えば、過熱蒸気の温度を40
0℃以上(例えば600℃)に容易に上げることがで
き、これによって発電効率が飛躍的に向上する。また、
ガス中に飛灰や塩素系ガスが含まれていないために、ボ
イラチューブの耐久性も飛躍的に向上する。さらに、本
発明によれば従来法に比して排ガス流量が極めて少なく
なる結果、運転費と設備費を大幅に低減することができ
る。ひるがえって、石炭焚のガス化ガスによるガスター
ビン発電をする技術で高圧下で部分酸化後に高温集塵す
る技術が研究されているが、ガスタービンを高効率とす
るには供給圧力が高くなければならず、そのため露点が
高くなっているので高温下でなければ結露して集塵がで
きない。この生成ガスを酸露点を避けるため常圧下で1
60℃程度まで冷却し、集塵すればクリーンな燃料ガス
にもなる。
してガスタービン発電すること、あるいは燃料電池、な
いしガスエンジンを駆動させて発電するなどのエネルギ
ー回収方法、ないしCO、H2を用いて液化あるいはア
ルコール、エーテルなどの燃料ないし化学原料としてリ
サイクルすることは可能である。しかし除塵性能、有害
成分除去性能が不完全になった時の下流への影響や発生
しうるリスクを考える時、推奨するに足る信頼性を確保
せねばならない。したがって、ごみ焼却を基本とする排
ガスの処理方法とその処理設備は、ごみの不確定性のた
めのリスクを最小化するものが相当であって、より高度
資源リサイクルは相応の対策を要することになると予測
する。総合的に経済的に受け入れられ難い方法、設備と
なりうる。
類(RDF、コークス、木炭、固形可燃物)ないしこれ
らの混合物の被焼却物を(高濃度)酸素等を吹き込んで
燃焼するガス化炉から排出される排ガスの、廃熱回収を
含めた処理方法において、前記排ガスに、(予熱)空気
または(高濃度)酸素あるいはその混合ガスを加えて高
温で部分燃焼させ、該部分燃焼ガスの保有する廃熱を回
収したのちに、廃熱回収済みの排ガスに消石灰などのア
ルカリ性粉末剤や活性炭素を噴霧して酸性成分を中和す
るとともに乾式にて除塵して清浄化し、清浄化したガス
に(予熱)空気または(高濃度)酸素あるいはその混合
ガスを加えて高温で再燃焼にて完全燃焼させ、該再燃焼
ガスの保有する廃熱を回収して排気することを特徴とす
るものである。
ス化生成ガスの燃焼と廃熱回収が2段に分けて行われ
る。先ず、前段にて部分燃焼、廃熱回収および除塵・ガ
ス清浄化が還元雰囲気で行われる(ガスが完全燃焼しな
い)ことにより、下記作用効果を生じる。
み質が良い(ごみの保有発熱量が大きい)場合にも多量
の水を噴霧しないため、廃棄物の保有熱を高効率に廃熱
として回収できる。また、水を噴霧する代りに従来は排
ガスを循環させて燃焼後のガス温度を下げる必要があっ
たが、本発明ではその必要もないために排ガス循環装置
(送風機やダクトシステム等)が不要であり、構造が簡
単になって設備費が安くなる。さらに排ガスを循環させ
たり、水を噴霧させたりしないためにボイラ〜排ガス除
塵器を通過するガス流量が従来法に比べてはるかに少な
くなるので、関連設備費が安くなる。
で、設備に最小限の余裕をもたせれば充分であり、効率
が良い。
完全燃焼以上の酸素過剰燃焼時に比較して還元性雰囲気
で行われるためにダイオキシンが発生しにくい。
部分燃焼温度を適正に制御できるために運転が容易であ
る。すなわち、完全燃焼させる必要がないために、廃棄
物のごみ質が変動しても、部分燃焼度合いを変えること
によって適切に燃焼温度制御が可能である。その結果、
排ガス温度が高過ぎてクリンカーが付着するとか、低過
ぎてダイオキシンが十分に分解されない等の不都合を生
じない。
ためにダイオキシンの発生やNOxの発生が抑えられ
る。
ける排ガスが還元性であるために、前段ボイラや空気予
熱器等の設備が耐久性に優れる。
全燃焼させる必要がないため)、前段ボイラや耐火物等
の設備が耐久性に優れる。
れるガスが清浄(塩酸ガスや飛灰やダイオキシンやNO
xは既に除去処理済み)であることから、請求項8につ
いて後述するのと同様の作用効果をもたらす。
焼温度を700〜1200℃にすることが好ましい。
など付着や閉塞の問題が、また1200℃以上では飛灰
の溶融付着や高温腐食の問題が生じるが、上記構成によ
ればそのような問題がない。また、1200℃以上にな
ると、NOxが急激に発生するおそれがあるがそのよう
な問題もない。スラグの融点については灰分の成分によ
り大きく異なることが知られており、アルミナ分の多い
場合は融点が低く、CaOが多い時融点が低くなること
が、CaO−SiO2−Al2O3系状態図で知られてい
る。そしてスラグの融点に関し、塩基度(CaO/Si
O2比)で整理することが製鉄業等のスラグを扱う業界
で行われている。ごみの灰分の融解したスラグの融点は
塩基度が1程度の時最も低く、およそ1300℃程度で
ある。塩基度が1より大きくても小さくても融点が高く
なることが認められる。
物などが混合すればそれだけ融点が下がることになる
が、このプロセスではこれら低融点成分は蒸発してガス
中に飛散し、冷却されると再結晶される。したがって部
分酸化工程で固体の状態で同伴する飛灰中にはこれら低
融点物質はむしろ減少した状態で存在することになる。
燃焼する時、火焔の部分は燃焼排ガスに比べて高温にな
ること、また飛灰中のチャーなどが燃焼して高温とな
り、溶融状態となったものが周辺の融点以下の壁面やバ
ーナブロックなどに触れた場合には、次第にクリンカー
様に堆積するおそれがある。
分から生成するいわゆるフューエルNOxと、熱力学的
に高温で生成するいわゆるサーマルNOxに分けて説明
がされる。バーナ等で火焔の温度が高いため、NOxを
発生することが知られており、火燃温度が1000℃以
上になると級数的にNOx発生量が増加する。NOxを
下げるため2段に燃焼し、かつ後段の温度を下げること
によりNOxを下げる技術が知られているが、この時ア
ンモニア、尿素水、汚水(ごみを圧搾した時にじみ出
す)に含まれる窒素化合物で、高温では容易に熱分解す
る化合物は前段の高温で発生したフューエルNOx、サ
ーマルNOxを熱力学的化学平衡濃度まで下げることが
できることが知られている。そこで、ごみの成分が高温
で完全に分解する温度以上で、かつNOxやクリンカー
付着を生じにくい温度以下である温度700〜1200
℃で燃焼させることが望ましい。
温度(完全燃焼温度)を800〜1200℃にすること
が好ましい。
に制御するだけで、高圧高温の蒸気を発生できるので、
高効率発電が可能になる。
炉の圧力を大気圧以上にすることが好ましい。
上にするので、第1段(前段)の排ガス処理において万
一システム内に空気が侵入しても爆発の危険性がない。
に含まれる酸性ガスの中和回収方法を消石灰などのアル
カリ性粉末剤の噴霧にし、前記飛灰の集塵方法をろ過式
集塵にすることができる。
(廃熱回収〜除塵・ガス清浄化)が乾式で行われる結
果、下記の作用効果をもたらす。
必要とするが、本発明では水処理設備を必要としない。
したがって、設備費が安くなるとともに、設備の占有敷
地面積が少なくて済み、また運転が容易であり、ランニ
ングコストが安い。
の水分が凝縮して排出される結果、必ず所外へ余剰水を
放流する必要がある。この余剰水にはいろいろな有害成
分を含むため、もしそのまま所外へ放流すれば環境を悪
化させることになる。また、余剰水中の有害成分を完全
に除去するには高価な処理設備と高いランニングコスト
と広い敷地とを必要とする。これに対して、本発明で
は、排ガス処理が乾式であるために上述のような不都合
はない。
℃)のガスに水を噴霧して一気に冷却するため、高温ガ
スが保有する顕熱は総て捨てられる。これに対して本発
明では、冷却せずに前段ボイラにて廃熱回収されるの
で、回収効率が高い。
が湿っているので取り扱いが難しいが、本発明のように
乾式では乾燥状態で排出されるので、取り扱いが容易で
ある(設備に付着したり、ホッパから排出し難いことは
ない)。
式法は腐食し難いので、耐久性に優れている。
炉で焼却した残滓を、炉内底部に所定流量の(高濃度)
酸素に助燃料を加えて吹き込むことにより、溶融するこ
とができる。
した残渣(チャー)を一定流量の例えば高濃度酸素に一
定割合の助燃料を加えて、吹き込み、溶融することで、 a)チャーは酸素と高温で燃焼し、COを主とするガスを
発生する、b)助燃料は酸素と高温で燃焼し、COと
H2、H2Oを主とするガスを発生する、c)高温で燃焼し
発生するガスで、チャーに含まれる灰分が溶融する、d)
灰分が溶融する速度は堆積した灰の表面から熱を受けて
溶け、流れ落ちる、e)溶融スラグの粘度は、高温ほど低
く流れやすい、f)溶融スラグが流れ落ちると新たに灰の
表面が現れ溶けるまでに時間がかかる、g)溶融スラグが
溶ける温度は一定になろうとする、h)一定に酸素を吹き
込めば,吹き込んだ酸素の量に見合うだけ溶融する、i)
一定に酸素を吹き込むことで一定の溶融状態を奏する。
えれば、ごみ質の変動を考慮しなくて良い。
廃棄物を25〜200mm、例えば150mm程度の幅
に裁断したのち粉砕圧縮脱水ペレット化して前記ガス化
炉に供給することができる。
れ発熱量が上がる。そして、水分の多い物は多くの水分
が、逆に水分の少ない物は少ない水分が除去されるの
で、発熱量が均一化することになる。さらに、廃棄物は
粉砕されており、その際に撹拌混合される。また、ペレ
ット化されているので、炉内を上昇する高温ガスの通気
が均一になる。この結果、ガス化炉内において廃棄物は
総合的にかなり均質な燃焼が達成される。ごみの粉砕と
撹拌混合の効果はさらに灰分においても融解する時の成
分の均一化効果を奏しているので、スラグの融点の変動
が少なくなっており、より安定したスラグの溶融を達成
する。
ないしそれらの混合物の被焼却物を(高濃度)酸素等を
吹き込んで燃焼するガス化炉から排出される排ガスの、
廃熱回収を含めた処理設備において、前記排ガスに、
(予熱)空気または(高濃度)酸素あるいはその混合ガ
スを加えて高温で部分燃焼させるための部分燃焼器、あ
るいは前記ガス化炉内の頂部で前記排ガスに空気または
酸素あるいはこれらの混合ガスを加えて高温で部分燃焼
させるための部分燃焼部と、該部分燃焼器又は部分燃焼
部からの出口ガスを導入し該ガスの保有する廃熱を回収
するための前段ボイラと、該前段ボイラからの出口ガス
を乾式にて除塵するとともに、ガスに含有されている塩
酸や硫化物等の酸性成分を除去するためのガス清浄化装
置と、清浄化したガスに(予熱)空気または(高濃度)
酸素あるいはその混合ガスを加えて高温で再燃焼して完
全燃焼させるための再燃焼器と、該再燃焼器からの出口
ガスを導入し該ガスの保有する廃熱を回収するための後
段ボイラとを備えたことを特徴とするものである。
おいては、導入されるガスが清浄(塩酸ガスや飛灰やダ
イオキシンやNOxは既に除去処理済み)であることか
ら、下記の作用効果をもたらす。
システムに導入されるガスが清浄化されているので、後
段ボイラは通常のボイラとして設計・製作・運転できる
ために設備費、運転費、保守費等々の点で従来のごみ処
理用ボイラに比較すると遙かに優れている。
ガスやダストが殆ど含まれていないために、後段ボイラ
等のチューブの耐用性が飛躍的に向上する。
度である約400℃より高い温度、例えば500℃や6
00℃に上げることが可能となり、その結果、その蒸気
を導入する蒸気タービン式発電装置で得られる発電量が
飛躍的に向上する。(従来から過熱蒸気の温度を上げる
と発電量は向上することが判っていたが、過熱蒸気温度
を上げると過熱器のチューブ温度が上昇する。このチュ
ーブ温度はチューブの寿命に影響を及ぼし、400℃を
越えると急にチューブの寿命が短くなる。その原因はガ
ス中に含まれる塩酸ガスとダストであるが、そのような
おそれがない。) 従来のボイラでは対流伝熱チューブ(水平設置)の
上部にダスト(ガス中に含まれる)が付着するため、そ
のダストが断熱効果をもたらす結果、チューブの伝熱性
が低下する問題があったが、本発明における後段ボイラ
ではガス中にダストを殆ど含んでいないために従来のよ
うな不都合がない。したがって、後段ボイラを小さくで
きる結果、従来に比して設備費が安くなる。また、チュ
ーブの耐用性が増す。
にボイラの後段および下流にエコノマイザや空気予熱器
を設置する場合、チューブの腐食を考慮せずに十分低い
温度を選択でき、結果的に高いエネルギ効率を達成でき
る。
空気を加熱して排ガスに混入した後、大気中へ放出して
おり、そのための送風機や熱交換器やダクトを必要とし
たが、本発明ではその必要はなく、設備費が安くなる。
除塵・ガス清浄化が還元雰囲気で行われる(ガスが完全
燃焼しない)ことにより、請求項1について上述したの
と同様な作用効果を生じる。
は石炭ないしこれらの混合物の被焼却物を酸素等を吹き
込んで燃焼するガス化炉から排出される排ガスの、廃熱
回収を含めた処理設備において、前記排ガスに、空気ま
たは酸素あるいはこれらの混合ガスを加えて高温で部分
燃焼させるための部分燃焼器、あるいは前記ガス化炉内
の頂部で前記排ガスに空気または酸素あるいはこれらの
混合ガスを加えて高温で部分燃焼させるための部分燃焼
部と、該部分燃焼器又は部分燃焼部からの出口ガスを導
入し該ガスの保有する廃熱を回収するための空気予熱器
と、該空気予熱器からの出口ガスを乾式にて除塵すると
ともに、ガスに含有されている塩酸や硫化物等の酸性成
分を除去するためのガス清浄化装置と、該清浄化したガ
スに空気または酸素あるいはこれらの混合ガスを加えて
高温で再燃焼して完全燃焼させる再燃焼器と、該再燃焼
器からの出口ガスを導入し該ガスの保有する廃熱を回収
するためのボイラとを備えたことを特徴とするものであ
る。
物のガス化生成ガスである排ガスの燃焼と廃熱回収が2
段に分けて行われる。先ず、前段にて部分燃焼、廃熱回
収および除塵・ガス清浄化が還元雰囲気で行われる(排
ガスが完全燃焼しない)ことにより、下記の作用効果を
生じる。
熱回収が2段に分けて行われるために、前段の部分燃焼
以降の操作が後段の操作と独立に行われるので、夫々独
立の制御ができる。そのため、前段の被焼却物の発熱量
や燃焼性が変化しても、前段においては、加える酸素量
や散水量などのパラメータを調節して排ガス(生成ガ
ス)量と温度を調節できる。後段においては、加える空
気量や蒸気過熱器への注水温度を制御することができ
る。ごみ質が良い(ごみの保有発熱量が大きい)場合に
も多量の水を噴射しないため、廃棄物の保有熱を高効率
に廃熱として回収できる。
ガス循環装置(送風機やダクトシステム等)が不要であ
る。結果、設備費が安い。さらに排ガスを循環させた
り、水を多量に噴射させないために、ボイラ〜排ガス除
塵器を通過するガス流量が従来法に比べてはるかに少な
く、したがって関連設備費が安くなる。
を少なくでき、また効率が良い。
行われるために、ダイオキシンが発生しない。
正に制御できるために、運転し易い。すなわち、排ガス
を完全燃焼させる必要がないために、ごみ質が変動して
も、部分燃焼度合いを変えることによって適切な燃焼温
度制御が可能である。その結果、排ガス温度が高過ぎて
クリンカーが付着するとか、低過ぎてダイオキシンが発
生する等の不都合を生じにくい。
るために、ダイオキシンの発生やNOxの発生が抑えら
れる。
設備の耐用性に優れる。
燃焼させる必要がないため)、耐火物等設備の耐用性に
優れる。
後段での燃焼用の空気等に利用できる。
除塵・ガス清浄化が還元雰囲気で行われる(ガスが完全
燃焼しない)ことにより、請求項1について上述したの
と同様な作用効果を生じる。
ス化炉を、シャフト炉であって被焼却物の灰分が溶融さ
れるガス化溶融炉にすることができる。
滞留時間が長く燃焼の変動を受け難い、b)設備が単純な
縦型円筒であり、設備費が安い、c)単に一定量の燃焼ガ
スを炉底部に吹き込めば、吹き込んだ酸素量に応じて廃
棄物がガス化するので運転が容易であるという作用効果
を奏する。
ス化炉を、バブリング式流動層またはチャーを循環する
循環流動層炉にすることができる。
間でできるので、運転が容易である、b)チャーを大量に
循環するのでチャーがバッファとなり、燃焼変動が吸収
されるので、発生ガス流量が安定化する、c)チャーを循
環するので、排ガスの発生量と成分が安定化する、ま
た、廃棄物の溶融が安定化する―という作用効果を奏す
る。さらに、意図的に燃焼灰を外部より投入すれば、灰
の成分が平均化し、溶融状態が平均化する改善効果とと
もに灰処理が可能である。
段ボイラから排出される部分燃焼ガス中の酸性ガスを中
和回収するとともに、飛灰を集塵するための集塵機を備
えるとよい。
熱回収〜除塵・ガス清浄化)が乾式で行われる結果、上
記した請求項5の発明と同様の作用効果を奏する。
段ボイラに過熱器を接続するとともに、該過熱器に前記
前段ボイラにて発生した蒸気を供給して過熱できるよう
配管にて前段ボイラの蒸気発生部を接続することができ
る。
発生した蒸気を後段ボイラの過熱器に送って高温に過熱
することができるよう配管を敷設することで、過熱蒸気
を従来の最高温度である約400℃より高い温度、例え
ば500℃や600℃に上げることが可能となり、その
結果、その蒸気を導入する蒸気タービン式発電装置で得
られる発電量が飛躍的に向上する。
段ボイラの後流側に、尿素水等のNOx分解用薬品の噴
霧装置を設けることができる。
xを低減できる。
ス化炉が外熱式あるいはロータリキルン等の間接加熱式
であって、被焼却物を高温空気により蒸し焼きすること
ができる。
ーキルンを用いた場合、供給ごみが乾燥熱分解されてチ
ャー状になってから溶融炉に投入する方法がある。この
時、加熱媒体として高温空気を用い、循環使用してい
る。高温酸化腐食のため、ロータリーキルンには耐熱材
料のチューブを用いているが、熱源としてごみの焼却排
ガスから廃熱回収を行うか、あるいはさらに助熱して高
温の空気を生成するかしている。ごみの焼却排ガスから
廃熱を回収する時、含有の有害物質、ばい塵、酸性ガス
によるチューブや管板の腐食が生じる可能性があるが、
熱回収する焼却排ガスが除塵、有害酸性ガスを除去後の
ガスであれば、伝熱係数も高く、寿命も長くなる。
段ボイラ又は前記空気予熱器を出た部分燃焼ガス中のチ
ャーを集塵し、前記ガス化炉に戻すことができる。
なわち、 先ず総括的に言えば、チャーが燃料として利用され
る。また、低融点金属N2,K,Mg,ZnPb,Cd
など溶融炉下部では酸化雰囲気のため酸化され融点の高
い金属酸化物になる。
融スラグとして排出される。
れるが、これらはシャフト炉での高温還元のため還元さ
れ、塩酸ガスやSOxとして分離される。
収チャーの戻し位置が前記ガス化炉内の溶融部分である
ことが好ましい。
(除塵)が溶融炉下部へ戻される結果、下記効果をもた
らす。
おり、高温酸素吹き付けられている。したがって、スラ
グの表面は酸化雰囲気ではあるが、スラグの中は吹き込
まれたチャーの炭素のために還元雰囲気である。
属塩類はいったんスラグに溶けこみ還元されて金属化や
酸化物として塩を分離しようとする。金属化されたもの
はスラグの底に沈んで停留するが、スラグの表面が酸化
雰囲気で、大量に鉄分が投入されない限り溢れ出さな
い。
よい。しかし熱分解の過程で蒸気圧の低い重金属塩類は
気化して再びチャーとともに回収される可能性が高い。
ーは燃焼発熱するので、助燃料が節約できる。
率が向上する。
ガスの脱塵脱塩後のガスを散水冷却して脱水し、余剰水
を給塵前の被焼却物に加水することができる。
ともに余剰水を最小限に使用することは下記の作用効果
がある。すなわち、 排ガスの脱塵脱塩後のガスを散水冷却して脱水し、
再燃焼後白煙を生じにくくできる。
アルカリ成分を添加すれば飛躍的に向上する。
給塵器での詰まりや摩耗の低減に寄与し、給塵動力を低
減する。さらに、乾燥しすぎたごみの水分を調節してガ
ス化溶融操作を安定化させられる。
が向上するので、熱効率が向上する。
して脱水した余剰水は、排ガスの散水冷却による温度調
整に使用できる。このようにしてごみの水分の循環を行
えば、ごみ質の変動に対応して処理できる。余剰水をガ
ス冷や温調に使用することも適宜行える。
段ボイラ又は前記ボイラにおいて、高温高圧の過熱蒸気
を発生して蒸気タービンを駆動し、発電することができ
る。
理費用を軽減できる。しかも、前記ボイラは高効率であ
り、かつ従来法より安いので、維持費や設備費やの軽減
効果がある。また発電により生じた余剰の電力を売るこ
とで、さらに維持費を軽減できる。
熱蒸気が400℃、40kg/cm2以上であることが望
ましい。
の過熱蒸気(400℃以下、40kg/cm2以下)に
比べて温度および圧力ともに高く、発電効率が事業用や
産業用に比べても遜色がない。
電にて本排ガス処理設備の消費電力を自給することがで
きる。
力を自給することができるので、僻地や離島などにおけ
る発電設備の充分でない地域でのごみ焼却処理を可能に
する。
気予熱器の予熱用空気は、前記ボイラの節炭器から送ら
れる空気を予熱できるよう配管を敷設することができ
る。
すなわち、 節炭器で予め空気予熱することで低温の排ガスとの
接触するチューブや管板の温度を150℃以上にするこ
とが可能となり、その結果、酸露点以下となって腐食す
ることがなくなり、また高価な耐腐食材料を使用しなく
てすむ。
除いており、排ガスが十分低い温度まで下がっても熱回
収でき、回収熱効率がそれだけ向上する。
気予熱器が空冷管壁方式であるとよい。
ボイラチューブでは、Na,K,Caなどの硫酸塩など
が凝集して付着堆積することによりスケールになること
が知られており、このスケールが振動やスートブロワな
どである程度除去できるけれど完全ではない。また、ボ
イラチューブが500℃以上の高温になると、塩素によ
る腐食が著しく、高級な耐食材料を使用しなければなら
ないことから、予め断熱材で排ガスと隔絶した空気予熱
用チューブを配し、このチューブの温度を500℃以下
で且つ低温部分が酸露点以下にならないようにする必要
がある。しかし、本発明では上記の構成により、排ガス
と接触する管壁(チューブ)内を通過する空気で冷却さ
れ、温度上昇が抑えられるので、上記のような従来のボ
イラチューブにおける不都合が自然に解消される。
気予熱器の予熱空気を集塵器の暖気に使用するよう配管
を敷設することができる。
タについたガス循環装置を使用することができるが、本
構成により運転中の装置から加熱空気を供給して暖気す
ることで、維持費を削減できる。
図8に示している。
廃棄物ガス化溶融炉に適用した実施例について図面に基
づいて説明し、併せて排ガス処理方法についても説明す
る。
属させた排ガス処理設備の実施例を示す概略図で、図2
は図1の全体設備の工程図である。
溶融炉1は縦型シャフト炉で、円筒部1aの下端開口に
一側方に溶融スラグの取出し口2aを開口した燃焼ガス
吹込み炉2が一体に連設され、この燃焼ガス吹込み炉2
に酸素含有燃料ガスを吹き込む複数の燃焼バーナー2b
が内側に向けて配備されている。炉1の円筒部1a上部
に廃棄物Aの投入口1cが設けられ、給塵機5で圧縮さ
れ脱水されてペレット化された廃棄物Aが投入される。
ごみピット3からクレーン3aで投入ホッパー5aへ投
入されるが、本例では投入前に廃棄物Aが150mm前
後に裁断され、粉砕機4で粉砕される。投入ホッパー5
aへ投入されたのち、磁選機(図5・図6中の符号7)
にて廃棄物A中の鉄材等が吸引除去され、それから給塵
機5に投入される。なお、給塵機5内で廃棄物Aを圧縮
し脱水される際に生じた汚水は、後述の部分燃焼用再燃
焼器12内に噴霧して処理される。
り降下しながら図2のように順次乾燥および熱分解され
たのち、燃焼・溶融されて廃棄物A中の不燃物が溶融ス
ラグになって溶出されるとともに、炉1内で発生した高
温の排ガスが炉頂部に設けられた排気口1dから、後述
する排ガス処理設備10へ排出される。本例のガス化溶
融炉1は、円筒部1a下方の逆円錐台部1bに形成され
るドーム状溶融帯(以下、溶融ドームという)Dをほぼ
定位置に安定して保持でき、また廃棄物Aの処理量に応
じた操業可能な範囲が非常に広く汎用性に冨み、さらに
廃棄物Aが開口を閉塞せず棚吊りをすることなく重力降
下でき、安定した運転が保たれる。また、溶融ドームD
から滴下するとともに、炉内壁に沿って流れ落ちる溶融
スラグ滴が燃焼バーナー2bから吹き込まれる燃焼ガス
に干渉せずスムーズに炉底に溜り、取出し口2aから排
出される。溶融スラグ滴は水砕槽6に投入され、冷却・
固化されてスラグとして取り出される。そして、溶融ド
ームDが安定し破れにくく、したがってその上方の廃棄
物層での乾燥や熱分解および燃焼・溶融の各作業も安定
し均一に遂行される結果、ガス化溶融炉1から出る排ガ
スGの流量や性状(組成と温度)がほぼ一定に保たれ、
急激な変動が防止される。
0は、ガス化溶融炉1の排気口1dに排気ダクト9を介
して接続される。排ガス処理設備10は2段階のシステ
ムからなり、図1あるいは図2に示すように、第1段
(前段)のシステム11は部分燃焼用の再燃焼器(部分
燃焼器ともいう)12と、前段ボイラ13と、エコノマ
イザ(余熱回収器)14と、減温器15と、集塵器(バ
グフィルタ)16とをこの順番に一連に接続して備えて
いる。一方、第2段(後段)のシステム21は、完全燃
焼用の再燃焼器22と、後段ボイラ23と、エコノマイ
ザ(余熱回収器)24と、誘引送風機(IDF)25
と、煙突26とをこの順番に一連に接続して備えてい
る。
る排ガスGは300〜400℃で、再燃焼器12に導入
され同時に空気または酸素が吹き込まれて部分燃焼され
る。部分燃焼は再燃焼器12内の排ガス温度のみをコン
トロールすることにより簡単に達成される。本例では、
再燃焼器12内の排ガス温度が850℃以上を2秒間以
上保つようにコントロールされ、この結果、ダイオキシ
ンの発生が抑制されかつ排ガス中のダイオキシンが分解
される。再燃焼器12で部分燃焼された排ガスGは80
0〜900℃に温度が上昇し、前段ボイラ13に導入さ
れて水が排ガスGの保有熱と熱交換されて蒸気(飽和)
になる。この蒸気Sは例えば再燃焼用空気や廃棄物Aの
予熱などに利用される。
〜300℃で、エコノマイザ14により排ガス中の余熱
が回収される。それから減温器15に導入されて排ガス
温度は150〜160℃前後になるように調整される。
これは次の集塵機16に排ガスを導入したときに、結露
せずかつ集塵機16に悪影響(ダメージ)を与えないよ
うにするためである。なお、集塵機16に排ガスを導入
する前に、消石灰や活性炭の粉末が噴霧されて排ガス中
に含まれている塩酸などの酸性成分が中和される。そし
て、排ガスG中の飛灰が集塵されて除去される。また、
飛灰にはNa・Ca・Zn・Pbなどの揮発性の重金属
成分が再結晶して含まれているが、例えばキレートを加
えて固化させることにより溶出しないように処分され
る。集塵機16で集塵する第1段システム11の前は、
大気中から空気が第1段システム11内に侵入すると燃
え上がるおそれがあるため、第1段システム11内は大
気圧より高い圧力を保つようにしている。
第2段システム21の再燃焼器22に導入され、同時に
空気(酸素ではなく)が吹き込まれて完全燃焼される。
しかし、第1段システム11で排ガスG中のエネルギー
が消費されているので、排ガスG’の温度は1000℃
前後までしか上昇しないが、ダイオキシンが排ガス中に
残っていても完全に分解される。ここで後段ボイラ23
に排ガスGは導入され、排ガスGの保有熱と水が熱交換
されて蒸気(過熱)S’になる。この蒸気S’は蒸気タ
ービン式発電装置30などに供給され発電して電力に変
換される。
ザ24へ送られて、さらに排ガスの余熱が回収される。
このときの排ガスの温度は60〜80℃まで低下してお
り、誘引送風機25で加圧されて煙突26から大気中に
排出される。
0によれば、第1段システム11では排ガスGを部分燃
焼しており、第2段システム21で排ガスG’を完全燃
焼させることにより、再燃焼器12・22から出る排ガ
スG・G’の温度を1000℃程度あるいはそれ以下に
抑えられるので、ボイラ13・23に導入する前に冷却
する必要がない。このため、無駄なエネルギーを消費す
るすることがないうえに、冷却に使用する水の後処理も
不要になる。なお、ボイラ13・23のチューブ内では
流通する水が蒸気化されており、蒸発熱を吸収するため
に1000℃前後の高温の排ガスを導入しても問題がな
く、したがってとくに冷却する必要がない。しかし、従
来の、排ガスGを再燃焼器で完全燃焼する処理方法で
は、排ガス温度が1400℃以上、例えば1800℃以
上になることがあるので、ボイラには排ガスを過剰空気
で希釈して冷却したり、水を噴射したり、あるいは炉壁
を水冷したりするなどの方法により冷却して導入してお
り、排ガスを冷却せずに導入できなかった。
で、排ガス処理設備10については共通している。本例
では、ガス化炉1’に循環流動層式ガス化炉が用いられ
ている。ガス化炉1’の排気口と排ガス処理設備10を
接続する排気ダクト9の途中に、サイクロン8を介設
し、排気ガスG中に含まれている灰分をサイクロン8で
回収して分離し、ガス化炉1’に戻して循環させること
によって廃棄物Aを流動化させるとともに、酸素あるい
は空気をガス化炉1’内に吹き込んで燃焼している。ま
た、サイクロン8で回収して分離したチャー(溶融スラ
グ)は溶融水砕槽31に導入して固化し、スラグとして
回収している。そして、サイクロン8では除去されずに
残ったガス分(排ガス)Gを排気ガス処理設備10に送
って処理しているが、この処理方法については上記実施
例と共通しているので、説明を省略する。
もので、ガス化炉1は上記実施例と共通している。本例
の排ガス処理設備10’が上記排ガス処理設備10と相
違するところは、次の点である。すなわち、第2段シス
テム21’において再燃焼器22と後段ボイラ23との
間に、過熱器(スーパーヒーター)27を介設し、前後
ボイラ13および後段ボイラ23で蒸気化された蒸気を
それぞれ過熱器27に通して過熱することにより高温高
圧の過熱蒸気S’にして、蒸気タービン発電機に供給す
るようにしている。このため、発電により得られる電力
は増大し、エネルギーの回収効率が向上する。一方、再
燃焼器22で完全燃焼された排ガスG’は過熱器27に
導入され、熱回収されることによって、1000℃前後
から700℃前後に温度が低下し、後段ボイラ23に導
入される。その他の作用については上記実施例と共通す
るので、説明を省略する。
例を示すもので、ガス化炉1は上記実施例と共通してい
る。本例の排ガス処理設備10−2が上記排ガス処理設
備10と相違するところは、次の点である。
ス化炉1内の頂部に部分燃焼器の機能をもたせることに
より、部分燃焼器そのものは省いている。つまり、ガス
化炉1内の頂部を部分燃焼部12’に構成し、あるいは
空気予熱器53に高濃度酸素、空気あるいはこれらの混
合ガスを吹き込み、排出直前のガスを部分燃焼させるよ
うにしている。また前段ボイラ13に代えて空気予熱器
53を設置している。この空気予熱器53は空冷管壁方
式とし、空気予熱器53の内周壁の一部(高さ方向の中
間部)を空冷管壁53aで形成し、第2段システム22
のエコノマイザー24で予熱した空気を配管61により
空気予熱器53の空冷管壁53aに接続し、予熱空気を
供給する。配管61は分岐し、空気予熱器53の下流側
のエコノマイザー14にも接続している。
空冷金属製管(例えばステンレス製チューブ)で構成
し、空冷管壁53aのうち排ガスGと接触しても金属面
の温度が500℃以上にならないように、所定厚みをも
つセラミックなどの耐火材で表面を被覆している。な
お、排ガスGの温度が500℃以下の領域では,裸管壁
が使用可能である。なお、排ガスG中に含まれるチャー
や飛灰が空冷管壁53aに付着するが、チャーや飛灰の
付着物は主にNa、K、Caなどの塩類からなり、付着
量が少ないので、定期的に除去すればよい。
空気予熱器53内に導入され、部分燃焼部12’で部分
燃焼された排ガスGのもつ廃熱エネルギーを熱交換によ
り吸収し、加熱される。これにより、排ガスGの温度は
低下し、空気予熱器53の下流側に隣接して設置された
エコノマイザー14によっても予熱空気により、排ガス
G中の廃熱が吸収される。
は、二段バグ方式の脱塵・脱塩装置(ガス清浄化装置)
16’を設置している。この名称のとおり、集塵用バグ
フィルター(集塵機)56と脱塩用バグフィルター(脱
塩機)57とからなり、脱塩機57の入り口付近で排ガ
スGに対して消石灰が噴霧される。この脱塩機57の下
流側には、排ガスGへの散水機構59を備えた減温槽5
8を設置している。排ガスGは相当量の水蒸気を含有し
ており、下流のボイラ23’で再燃焼するときには無駄
になるため、散水機構59から排ガスGに散水し冷却す
ることにより脱水され、かつさらに脱塩される。散水機
構59の下方には余剰水の回収部65が設けられ、ポン
プ66および冷却装置67を介して配管68により、ガ
ス化溶融炉1およびその上流側の給塵器5へ給水され、
また配管68が分岐され散水機構59へも一部給水され
る。
燃焼器22を設置し、この再燃焼器22には空気予熱器
53の空冷管壁53aおよびエコノマイザー14からの
配管62を接続している。またボイラ23’には、脱
塵、脱塩後の清浄化された排ガスG’を燃料ガスとして
使用するので、ごみ焼却用の特殊なボイラではなく、産
業用や事業用の一般的なボイラを使用できる。その他の
構成については、上記実施例と共通するので、共通する
部材については上記実施例と共通の符号を用いて図示
し、説明を省略する。
備10−2が構成される。この排ガス処理設備10−2
によれば、ガス化溶融炉1の排気口1dから排出される
排ガスGは、部分燃焼部12’でガス化溶融炉1内の頂
部に導入された空気または酸素にて部分燃焼され、70
0℃以上の高温になっている。部分燃焼部12’では、
排ガス温度が700℃以上(望ましくは1000℃)を
1〜2秒間以上保つようにコントロールされ、この結
果、排ガス中に含まれるタールやオイル分が下流側機器
に障害が生じない程度まで分解される。またダイオキシ
ンの発生が抑制されかつ排ガス中のダイオキシンが分解
される。
3に導入され、空冷管53a内を流通する予熱空気が排
ガスGの保有熱と熱交換されて160℃〜200℃程度
まで加熱される。この空気Bは一部が集塵機56の暖気
に使用される。このため、集塵機56のケーシングが酸
露点以下にはならないので、腐食せず、また逆に集塵機
56を高級な耐食材料で造らなくてすむ。
00〜400℃に下降し、さらにエコノマイザ14によ
り排ガス中の余熱が回収され、排ガス温度は200〜2
50℃前後まで下降する。この温度まで排ガス温度を下
降させるのは、次の集塵機56の耐熱温度の上限が30
0℃より低いからであり、排ガスGを導入したときに、
結露せずかつ集塵機56に悪影響を与えないようにする
ためである。そして、排ガスG中の飛灰やチャーが集塵
され、ガス化溶融炉1の溶融ドームD下方の燃焼ガス吹
込み炉2内に戻される。飛灰やチャー中にはNa・Ca
・Zn・Pbなどの揮発性の重金属成分が再結晶して含
まれているが、燃焼ガス吹込み炉2内で溶融され、溶融
スラグとなって固化することにより外部へ溶出しない状
態で処分される。
導入する前に、消石灰の粉末が噴霧されて排ガスG中に
含まれている塩酸などの酸性成分が中和され、脱塩機5
7で脱塩される。なお、集塵機56で集塵する第1段シ
ステム11の前は、大気中から空気が第1段システム1
1内に侵入すると燃え上がるおそれがあるため、第1段
システム11内は大気圧より高い圧力を保つようにして
いる。
第2段システム21の再燃焼器22に導入され、同時に
160℃以上に加熱された予熱空気(酸素ではなく)が
吹き込まれて完全燃焼される。排ガスG’が清浄化され
ているので、従来のごみ焼却に伴う燃焼温度の制約(ス
ーパーヒータ温度上限)を考慮する必要がないことか
ら、排ガスG’の温度を1000℃前後あるいはそれ以
上に上昇させられるので、ダイオキシンが排ガスG’中
に残っていれば完全に分解される。このようにして完全
燃焼した高温の排ガスG’はボイラ23’に導入され、
排ガスG’の保有熱と水が熱交換されて過熱蒸気にな
る。この過熱蒸気は蒸気タービン式発電装置(図示せ
ず)に供給され発電して電力に変換される。
イザ24へ送られて、さらに排ガスG’の余熱が回収さ
れる。このときの排ガスG’の温度は60〜80℃まで
低下しており、誘引送風機25で加圧されて煙突26か
ら大気中に排出される。
23’との間には過熱器(スーパーヒーター)を介設
し、ボイラ23’で蒸気化された蒸気をそれぞれ過熱器
に通して過熱することにより高温高圧の過熱蒸気S’に
して、蒸気タービン発電機に供給するようにしている。
このため、過熱蒸気S’の温度を400℃以上、例えば
600℃に容易に引き上げることができるので、発電効
率が飛躍的に向上して発電により得られる電力は増大
し、エネルギーの回収効率が向上する。また、排ガス
G’中に飛灰や塩素系ガスが含まれていないためにボイ
ラチューブの伝熱性能や耐久性が飛躍的に向上するの
で、コンパクトで安い設備を提供できる。さらに、本実
施例の排ガス処理設備によれば従来法に比して排ガス流
量が少なくなる結果、運転費と設備費を大幅に低減する
ことができる。
の実施例を示すもので、ガス化溶融炉1は上記実施例と
共通している。本例の排ガス処理設備10−3が上記排
ガス処理設備10−2と相違するところは、次の点であ
る。
3との間に、部分燃焼器(再燃焼器)12を設置し、ガ
ス化溶融炉1の頂部に吹き込んでいた予熱空気や高濃度
酸素あるいはこれらの混合ガスを、部分燃焼器12に吹
き込むようにしたことである。その他の構成について
は、上記実施例と共通するので、共通する部材について
は上記実施例と共通の符号を用いて図示し、説明を省略
する。
燃焼器12を設置するため、設備はやや大型化するが、
ガス化溶融炉1からの排ガスGを部分燃焼器12内に導
入して再燃焼させることで、高温を維持しかつ滞留時間
を十分に確保することができる。その他の作用について
は、上記の排ガス処理設備10−2と全く共通する。
化炉の実施例を示したが、下記のように実施することが
できる。
って再燃焼器12に吹き込む空気を予熱することで、排
ガスの部分燃焼温度および完全燃焼温度を上昇させられ
る。
3・23・23’の給水の予熱に利用させることができ
る。
排出される排ガスGの流量および温度が安定しているも
のであれば、上記したシャフト炉式ガス化溶融炉や循環
流動層の炉に限らず、例えばバブリング式流動層の炉に
も適用できる。
のエネルギー効率試算例を示す。
本発明の排ガス処理方法あるいは排ガス処理設備には、
次のような優れた効果がある。
階のシステムにし、系統的には、主として再燃焼器
(部分燃焼器)・前段ボイラー又は空気予熱器・ガス清
浄器、再燃焼器・後段ボイラ(又はボイラ)とし、最
初の再燃焼器ではガスを部分燃焼させるので、温度コン
トロールのみで運転でき、設備と運転が非常にシンプル
になると同時に、従来と違って再燃焼した排ガスを冷却
しなくて済むから熱回収効率も向上する。しかも、本発
明によると、後段のボイラに導入されるガス中には、も
はや塩素系ガスも飛灰もダイオキシンも含まれていない
清浄な燃料ガスであるために、後段のボイラはごみ焼却
用ボイラではなく、産業用の廃熱ボイラと共通の技術を
適用できるから、発電効率が飛躍的に向上する。さら
に、本発明によれば従来法に比して排ガス流量が極めて
少なくなる結果、運転費と設備費を大幅に低減すること
ができる。
の燃焼と廃熱回収が2段に分けて行われる。先ず、前段
にて部分燃焼、廃熱回収および除塵・ガス清浄化が還元
雰囲気で行われる(ガスが完全燃焼しない)ことにより
下記効果を生じる。
(ごみの保有発熱量が大きい)場合にも多量の水を噴霧
しないため、廃棄物の保有熱を高効率に廃熱として回収
できる。また、水を噴霧する代りに従来は排ガスを循環
させて燃焼後のガス温度を下げる必要があるが、本発明
ではその必要もないために排ガス循環装置(送風機やダ
クトシステム等)が不要であり、構造が簡単になって設
備費が安くなる。さらに排ガスを循環させたり、水を噴
霧させたりしないためにボイラ〜排ガス除塵器を通過す
るガス流量が従来法に比べてはるかに少なくなるので、
関連設備費が安くなる。
で、設備に最小限の余裕をもたせれば充分であり、効率
が良い。
還元性雰囲気で行われるためにダイオキシンやNOxが
発生しにくい。
部分燃焼温度を適正に制御できるために運転が容易であ
る。すなわち、完全燃焼させる必要がないために、廃棄
物のごみ質が変動しても、部分燃焼度合いを変えること
によって適切に燃焼温度制御が可能である。その結果、
排ガス温度が高過ぎてクリンカーが付着するとか、低過
ぎてダイオキシンが十分に分解されない等の不都合を生
じない。
ためにダイオキシンの発生やNOxの発生が抑えられ
る。
スが還元性であるために、前段ボイラ又は空気予熱器等
の設備が耐用性に優れる。
全燃焼させる必要がないため)、前段ボイラや耐火物等
の設備が耐用性に優れる。
ル分など付着や閉塞の問題が、また1200℃以上では
飛灰の溶融付着や高温腐食の問題が生じるが、そのよう
な問題がない。また、1200℃以上になると、NOx
が急激に発生するおそれがある。
だけで、高圧高温の蒸気を発生できるので、高効率発電
が可能になる。
で、第1段(前段)の排ガス処理において万一空気が侵
入して爆発する危険性がない。
清浄(塩酸ガスや飛灰やダイオキシンやNOxは既に除
去処理済み)であることから、下記効果をもたらす。
が清浄であるので、該ボイラは通常のボイラとして設計
・製作・運転できるから、設備費、運転費、保守費等々
の点で従来のごみ処理用ボイラに比較すると遙かに優れ
ている。
トが殆ど含まれていないためにボイラ等のチューブの耐
用性が飛躍的に向上する。
温度である約400℃より高い温度、例えば500℃や
600℃に上げることが可能となり、その結果、その蒸
気を導入する蒸気タービン式発電装置で得られる発電量
が飛躍的に向上する。
(水平設置)の上部にダスト(ガス中に含まれる)が付
着するため、そのダストが断熱効果をもたらす結果、チ
ューブの伝熱性が低下する問題があったが、該ボイラで
はガス中にダストを殆ど含んでいないために従来のよう
な不都合がない。したがって、ボイラを小さくできる結
果、従来に比して設備費が安くなる。また、チューブの
耐久性が増す。
および下流にエコノマイザや空気予熱器を設置する場
合、チューブの腐食に考慮せずに最適の温度を選択でき
る結果、設備費を安くできる。
空気を加熱して排ガスに混入した後、大気中へ放出して
おり、そのための送風機や熱交換器やダクトを必要とし
たが、本発明ではその必要は無く、設備費が安くなる。
即ち、後段ボイラ関連設備の出口から出る排ガスをやや
高温のまま放散する(この場合は従来法で必要とした設
備が不要)か、またはやや高温のガス中に空気を混入し
た後に放散する(この場合は熱交換器が不要)。
ガス清浄化)が乾式で行われる結果、下記効果をもたら
す。
必要とするが、本発明では水処理設備を必要としない。
したがって、設備費が安くなるとともに、必要な敷地面
積が少なくて済む、運転が容易である、運転費が安い等
の効果をもたらす。
水分が凝縮して排出される結果、必ず所外へ余剰水を放
流する必要がある。この余剰水にはいろいろな有害成分
を含むためもしそのまま所外へ放流すれば環境を悪化さ
せることになる。また、余剰水中の有害成分を完全に除
去するには高価な処理設備と運転費と敷地を必要とす
る。これに対して、本発明ではガス処理が乾式であるた
めに上述したような不都合はない。
℃)のガスに水を噴霧して一気に冷却するために高温ガ
スが保有する顕熱は総て捨てられる。これに対して本発
明ではボイラにて廃熱回収されるので経済性が高い。
っているので扱い難いが、乾式では乾燥状態で排出され
るので扱い易い(設備に付着したり、ホッパから排出し
難いことはない)。
式法は腐食し難いので経済性に優れている。
段ボイラの過熱器に送って高温に過熱することが出来る
よう配管を敷設することから、過熱蒸気を従来の一般的
温度である約400℃より高い温度、例えば500℃や
600℃に上げることが可能となり、その結果、その蒸
気を導入する蒸気タービン式発電装置で得られる発電量
が飛躍的に向上する。
燃焼ガス中のチャーを集塵し、前記ガス化炉に戻すこと
により、下記効果をもたらす。
して利用される。また、低融点金属N2,K,Mg,Z
nPb,Cdなど溶融炉下部では酸化雰囲気のため酸化
され融点の高い金属酸化物になる。
融スラグとして排出される。
れるが、これらはシャフト炉での高温還元のため還元さ
れ、塩酸ガスやSOxとして分離される。
融炉下部へ戻される結果、下記効果をもたらす。
おり、高温酸素吹き付けられている。したがって、スラ
グの表面は酸化雰囲気ではあるが、スラグの中は吹き込
まれたチャーの炭素のために還元雰囲気である。
属塩類はいったんスラグに溶けこみ還元されて金属化や
酸化物として塩を分離しようとする。金属化されたもの
はスラグの底に沈んで停留するが、スラグの表面が酸化
雰囲気で、大量に鉄分が投入されない限り溢れ出さな
い。
よい。しかし熱分解の過程で蒸気圧の低い重金属塩類は
気化して再びチャーとともに回収される可能性が高い。
ーは燃焼発熱するので、助燃料が節約できる。
率が向上する。
却して脱水し、余剰水を給塵前の被焼却物に加水するこ
とにより、給塵器で脱水した汚水とともに余剰水を最小
限に使用するので、下記効果をもたらす。
して脱水し、再燃焼後白煙を生じにくくできる。
アルカリ成分を添加すれば飛躍的に向上する。
給塵器での詰まりや摩耗の低減に寄与し、給塵動力を低
減する。さらに、乾燥しすぎたごみの水分を調節してガ
ス化溶融操作を安定化させられる。
が向上するので、熱効率が向上する。
して脱水した余剰水は、排ガスの散水冷却による温度調
整に使用できる。このようにしてごみの水分の循環を行
えば、ごみ質の変動に対応して処理できる。余剰水をガ
ス冷や温調に使用することも適宜行える。
気を発生して蒸気タービンを駆動し、発電できるから、
ごみの処理費用を軽減できる。また、前記ボイラは高効
率であり、かつ従来法より安いので、維持費や設備費や
の軽減効果があり、発電により生じた余剰の電力を売れ
ば、さらに維持費を軽減できる。
費電力を自給できるので、僻地や離島などにおける発電
設備の充分でない地域でのごみ焼却処理を可能にする。
イラの節炭器から送られる空気を予熱できるよう配管を
敷設することにより、下記の効果をもたらす。
の排ガスとの接触するチューブや管板の温度を150℃
以上にすることが可能となり、その結果、酸露点以下と
なって腐食することがなくなり、また高価な耐腐食材料
を使用しなくてすむ。
除いており、排ガスが十分低い温度まで下がっても熱回
収でき、回収熱効率がそれだけ向上する。
とにより、排ガスと接触する管壁(チューブ)内を通過
する空気で冷却され、温度上昇が抑えられるので、上記
のような従来のボイラチューブにおける不都合が解消さ
れる。
気に使用するよう配管を敷設することにより、集塵機が
酸露点以下にはならないので、腐食せず、また集塵機を
高級な耐食材料で製造しなくてもすむために、コストア
ップが避けられ、さらに運転中の装置から加熱空気を供
給して暖気すれば、維持費を削減できる。
付属させた排ガス処理設備の実施例を示す概略図であ
る。
処理を示す工程図である。
備による廃棄物処理および排ガス処理を示す工程図であ
る。
全体設備による廃棄物処理および排ガス処理を示す工程
図である。
示す概略図である。
施例を示す概略図である。
備の従来例を示す概略図である。
である。
Claims (24)
- 【請求項1】 廃棄物または石炭ないしそれらの混合物
の被焼却物を酸素等を吹き込んで燃焼するガス化炉から
排出される排ガスの、廃熱回収を含めたガス化炉の処理
方法において、 前記排ガスに、空気または酸素あるいはこれらの混合ガ
スを加えて高温で部分燃焼させ、 この部分燃焼ガスの保有する廃熱を回収したのちに、 この廃熱回収済みの排ガスに消石灰などのアルカリ性粉
末剤や活性炭素を噴霧して酸性成分を中和するとともに
乾式にて除塵して清浄化し、 この清浄化したガスに空気または酸素あるいはこれらの
混合ガスを加えて高温で再燃焼にて完全燃焼させ、 この再燃焼ガスの保有する廃熱を回収して排気すること
―を特徴とするガス化炉の排ガス処理方法。 - 【請求項2】 前記部分燃焼温度が700〜1200℃
であることを特徴とする請求項1記載のガス化炉の排ガ
ス処理方法。 - 【請求項3】 前記完全燃焼温度が800〜1200℃
であることを特徴とする請求項1又は2記載のガス化炉
の排ガス処理方法。 - 【請求項4】 前記ガス化炉の圧力が大気圧以上である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス
化炉の排ガス処理方法。 - 【請求項5】 前記排ガス中に含まれる酸性ガスの中和
回収方法が消石灰などのアルカリ性粉末剤の噴霧であっ
て、前記飛灰の集塵方法がろ過式集塵であることを特徴
とする請求項1〜4にいずれかに記載のガス化炉の排ガ
ス処理方法。 - 【請求項6】 前記ガス化炉で焼却した残滓を、炉内底
部に所定流量の高濃度酸素に助燃料を加えて吹き込むこ
とにより、溶融することを特徴とする請求項1〜5のい
ずれかに記載のガス化炉の排ガス処理方法。 - 【請求項7】 被焼却物としての廃棄物を150mm程
度の幅に裁断したのち粉砕圧縮脱水ペレット化して前記
ガス化炉に供給することを特徴とする請求項1〜6にい
ずれかに記載のガス化炉の排ガス処理方法。 - 【請求項8】 廃棄物または石炭ないしそれらの混合物
の被焼却物を酸素等を吹き込んで燃焼するガス化炉から
排出される排ガスの、廃熱回収を含めた処理設備におい
て、 前記排ガスに、空気または酸素あるいはその混合ガスを
加えて高温で部分燃焼させるための部分燃焼器、あるい
は前記ガス化炉内の頂部で前記排ガスに空気または酸素
あるいはこれらの混合ガスを加えて高温で部分燃焼させ
るための部分燃焼部と、 該部分燃焼器又は部分燃焼部からの出口ガスを導入し該
ガスの保有する廃熱を回収するための前段ボイラと、 該前段ボイラからの出口ガスを乾式にて除塵するととも
に、ガスに含有されている塩酸や硫化物等の酸性成分を
除去するためのガス清浄化装置と、 清浄化したガスに空気または酸素あるいはこれらの混合
ガスを加えて高温で再燃焼して完全燃焼させる再燃焼器
と、 該再燃焼器からの出口ガスを導入し該ガスの保有する廃
熱を回収するための後段ボイラとを備えたこと―を特
徴とするガス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項9】 廃棄物または石炭ないしそれらの混合物
の被焼却物を酸素等を吹き込んで燃焼するガス化炉から
排出される排ガスの、廃熱回収を含めた処理設備におい
て、 前記排ガスに、空気または酸素あるいはこれらの混合ガ
スを加えて高温で部分燃焼させるための部分燃焼器、あ
るいは前記ガス化炉内の頂部で前記排ガスに空気または
酸素あるいはこれらの混合ガスを加えて高温で部分燃焼
させるための部分燃焼部と、 該部分燃焼器又は部分燃焼部からの出口ガスを導入し該
ガスの保有する廃熱を回収するための空気予熱器と、 該空気予熱器からの出口ガスを乾式にて除塵するととも
に、ガスに含有されている塩酸や硫化物等の酸性成分を
除去するためのガス清浄化装置と、 該清浄化したガスに空気または酸素あるいはこれらの混
合ガスを加えて高温で再燃焼して完全燃焼させる再燃焼
器と、 該再燃焼器からの出口ガスを導入し該ガスの保有する廃
熱を回収するためのボイラとを備えたこと―を特徴と
するガス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項10】 前記ガス化炉が、シャフト炉であって
被焼却物の灰分が溶融されるガス化溶融炉であることを
特徴とする請求項8又は9記載のガス化炉の排ガス処理
設備。 - 【請求項11】 前記ガス化炉が、バブリング式流動層
またはチャーを循環する循環流動層炉であることを特徴
とする請求項8又は9記載のガス化炉の排ガス処理設
備。 - 【請求項12】 前記前段ボイラから排出される部分燃
焼ガス中の酸性ガスを中和回収するとともに、飛灰を集
塵するための集塵機を備えたことを特徴とする請求項
8、10又は11記載のガス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項13】 前記後段ボイラに過熱器を接続すると
ともに、該過熱器に前記前段ボイラにて発生した蒸気を
供給して過熱できるよう配管にて前段ボイラの蒸気発生
部を接続することを特徴とする請求項8、10、11又
は12記載のガス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項14】 前記後段ボイラの後流側に、尿素水等
のNOx分解用薬品の噴霧装置を設けたことを特徴とす
る請求項8、10,11、12又は13記載のガス化炉
の排ガス処理設備。 - 【請求項15】 前記ガス化炉が外熱式あるいはロータ
リキルン等の間接加熱式であって、被焼却物を高温空気
により蒸し焼きすることを特徴とする請求項8又は9記
載のガス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項16】 前記前段ボイラ又は前記空気予熱器を
出た部分燃焼ガス中のチャーを集塵し、前記ガス化炉に
戻すことを特徴とする請求項8〜15のいずれかに記載
のガス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項17】 前記回収チャーの戻し位置が前記ガス
化炉内の溶融部分であることを特徴とする請求項8〜1
6のいずれかに記載のガス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項18】 前記排ガスの脱塵脱塩後のガスを散水
冷却して脱水し、余剰水を給塵前の被焼却物に加水する
ことを特徴とする請求項8〜17のいずれかに記載のガ
ス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項19】 前記後段ボイラ又は前記ボイラにおい
て、高温高圧の過熱蒸気を発生して蒸気タービンを駆動
し、発電することを特徴とする請求項8〜18のいずれ
かに記載のガス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項20】 前記過熱蒸気が400℃、40kg/
cm2以上であることを特徴とする請求項19記載のガ
ス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項21】 前記発電にて本排ガス処理設備の消費
電力を自給することを特徴とする請求項19又は20記
載のガス化炉の排ガス処理設備。 - 【請求項22】 前記空気予熱器の予熱用空気は、前記
ボイラの節炭器から送られる空気を予熱できるよう配管
を敷設することを特徴とする請求項9記載のガス化炉の
排ガス処理設備。 - 【請求項23】 前記空気予熱器が空冷管壁方式である
ことを特徴とする請求項9又は22記載のガス化炉の排
ガス処理設備。 - 【請求項24】 前記空気予熱器の予熱空気を集塵器の
暖気に使用するよう配管を敷設することを特徴とする請
求項9、22又は23記載のガス化炉の排ガス処理設
備。
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