JP2008132409A - 汚泥のガス化溶融方法および汚泥のガス化溶融装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚泥のガス化で生成した可燃性ガスの顕熱を最大限有効に利用することによってプロセスにおけるエネルギー効率を高め、また、汚泥乾燥機を省略することによって設備コストの低減ならびに設置スペースの削減を図ることが可能な汚泥のガス化溶融方法および汚泥のガス化溶融装置を提供する。
【解決手段】汚泥、又は汚泥及び炭素質原料を、酸素または酸素富化空気と部分酸化反応させることによって可燃性ガスとスラグへ転換した後、前記可燃性ガスに水分を含有する汚泥を投入して直接接触させ、前記可燃性ガスの保有する顕熱を利用して前記水分を含有する汚泥を乾燥し、当該乾燥によって生成した乾燥汚泥を前記部分酸化反応させる汚泥として使用することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、主として下水の生物学的処理により発生する活性汚泥をガス化溶融処理して、汚泥中の有機物等を可燃性ガスとして回収すると共に、汚泥中の灰分をスラグへと転換し、それぞれを有効利用する方法及び装置に関するものである。
排水、特に下水を生物学的処理によって浄化する際に発生する余剰の活性汚泥(以下汚泥と略す)は、下水道の普及、また下水処理場における高度処理プロセス(窒素、リンの除去等)の導入等に伴って益々増加する傾向にある。これら汚泥は、現状ではその多くが減容化処理の後、単純に埋め立て処分されている。その際の汚泥の形態としては、脱水処理後のいわゆる脱水ケーキ(水分含有率70〜80質量%程度)、あるいは脱水ケーキを焼却処理後の焼却灰として埋め立てられる場合が大半を占めている。
また、近年では、埋め立て地の逼迫等の理由によって、更なる汚泥の減容化あるいは有効利用を狙いとして、汚泥の溶融処理が一部で実施されている。汚泥の溶融処理は、汚泥を灰の溶融点以上の高温雰囲気下で空気燃焼させることによって、汚泥をスラグへと変換し、汚泥の嵩密度の増大あるいは建設資材等としての有効利用を図る技術である。
汚泥は乾燥状態においては6300〜21000kJ/kg−dry程度の発熱量を持つものが一般的であるが、通常の下水処理場における最終形態である脱水ケーキの状態においては依然として70〜80質量%程度の大量の水分を含有しているため、熱損失(炉体からの放散熱、燃焼用空気中の同伴窒素による持ち出し顕熱、水の蒸発潜熱等)を加味すると汚泥自体の持つ発熱量のみで燃焼(すなわち自燃)させることは困難である。従って従来の脱水ケーキを直接炉内へ投入するタイプの汚泥焼却炉においては、何らかの方法(炉内へ直接添加する、空気予熱用燃料として使用する等)で補助燃料を使用することが必要不可欠であった。なお、補助燃料削減を狙いとして、焼却炉から排出される高温排ガス中の顕熱を熱交換機等の熱回収設備によって間接的に回収し、燃焼空気の予熱に利用する場合が一般的である。
また、通常の汚泥溶融炉においては、溶融炉内を灰の溶融点以上の高温(1100〜1600℃程度、焼却炉は灰の融点以下の1000℃以下)に保つ必要があり、脱水ケーキを直接炉内へ投入したのでは大量の補助燃料が必要なので極めて非効率となるため、事前に乾燥設備によって汚泥の乾燥作業を行う場合が一般的である。しかし、汚泥中の水分を削減して蒸発潜熱による熱損失を防いだ場合であっても、その他の熱損失を加味すると、汚泥を完全に燃焼させたとしても炉内温度を灰の融点以上の高温に維持することは困難であり、汚泥焼却炉の場合と同様、何らかの方法(炉内へ直接添加する、空気予熱用燃料として使用する等)で補助燃料を使用することが必要不可欠であった。また当然、前段の乾燥設備においては別途乾燥のための熱源が必要となるが、外部からの燃料(補助燃料、例えば、重油、灯油、軽油、LPG、LNG、都市ガス、消化ガス等)の導入を極力抑えるため、溶融炉から排出される高温排ガス中の顕熱を廃熱ボイラーや熱交換機等の熱回収設備によって間接的に回収し、乾燥機における必要熱源の一部に充当して用いることが一般的である。
一方、特許文献1および特許文献2においては、水分を含有する汚泥を汚泥乾燥機において乾燥した後、酸素または酸素富化空気と部分酸化反応(ガス化)反応させることによって、汚泥を可燃性ガス(可燃性ガス)とスラグへと転換し、各々を有効利用する汚泥のガス化溶融方法が提案されている。
特開平11−159722号公報 特開2004−249280号公報
図1に特許文献1および特許文献2において記載されている従来の汚泥ガス化溶融方法の基本フローを示す。
脱水ケーキ等の水分を含有する汚泥1−1を何らかの乾燥用熱源2を用いる汚泥乾燥機3において乾燥し、生成した乾燥汚泥4−1を、酸素8をガス化剤として用いる汚泥ガス化溶融炉9において可燃性ガス15とスラグ10に転換するものと述べられている。汚泥乾燥機3としては、高温の熱風(燃焼排ガス)を直接汚泥と接触させる直接加熱式の乾燥機や蒸気等の熱媒体を熱源とし、加熱壁を介した伝導伝熱によって汚泥を乾燥する、いわゆる間接加熱式の乾燥機等様々なタイプのものが既に存在する。しかし、これら精密な機械設備である汚泥乾燥機3の設備費は極めて高額であり、汚泥貯留設備、乾燥汚泥供給設備5、汚泥ガス化溶融炉9、ガス処理設備14(脱塵、脱硫等)等を含めた汚泥ガス化溶融プロセスにおける全設備費の2割程度を占めているのが現状である。従って、この汚泥乾燥機3に占める部分を削減できれば、汚泥処理コストを大幅に削減することが可能となる。また、設備の設置スペースも大きく、同じく汚泥ガス化溶融プロセスにおける全設置スペースの2割程度を占めているのが現状であり、省スペースの観点からも問題となっていた。また、これら汚泥乾燥機3自体の熱効率(熱風発生炉、ボイラー等の付帯設備も含む)は決して高いものではなく、脱水ケーキ1中の水分を除去するために必要な蒸発潜熱に対して、少なくとも1.3〜1.5倍以上の熱量を投入しなければならないという問題もあった。
特許文献1および特許文献2においては、汚泥ガス化溶融炉9から排出された高温の可燃性ガスの顕熱を乾燥用熱源として有効利用するために、廃熱ボイラーまたは空気予熱器等の廃熱回収器13による廃熱回収を行う場合があるものと述べられている。しかし、これら一連の廃熱回収器13の設置は、設備コストおよび設備設置面積が追加となるのは無論のこと、設備内部の伝熱面(例えばボイラーチューブ内部)における付着物の除去等、設備維持のために必要な定期的メンテナンス作業に関わるコストが大きくなり、更にはメンテナンスに伴う装置停止期間の増大によって設備稼働率も低下してしまうという問題があった。
また、ガス化溶融炉9から排出された可燃性ガス中に含有される硫黄化合物等を原因とする設備腐食の問題から、600〜1500℃程度の高温で排出された排ガス中の顕熱はいわゆる酸露点以上の温度である200〜300℃程度までにしか回収することができない。更に、これら間接的な熱交換方式の熱回収設備においてはある程度(交換熱量に対して10%程度)の放熱(熱損失)を伴うことが普通である。従って、特許文献1および特許文献2において、高温の可燃性ガス顕熱から回収する熱量の回収効率が低かった。
また、特許文献1および特許文献2では、汚泥ガス化溶融炉9から排出された高温のガスに対し、ガス冷却炉11において直ちにスプレー水を吹き込んで1000℃以下にまで冷却し、上部へ飛散した溶融スラグを固化することによって灰付着(スラッギング)トラブルを防止し、また同時に、高価かつ大きな設置面積を必要とする高温用の輻射式熱回収設備(空気予熱機)の設置を回避するものと述べられているが、その際に水の蒸発潜熱に奪われる可燃性ガスの顕熱はその後の工程において回収することができないため、更に可燃性ガスから乾燥用熱源として回収可能な顕熱が減少してしまうという問題もあった。
本発明の目的は、汚泥のガス化で生成した可燃性ガスの顕熱を最大限有効に利用することによってプロセスにおけるエネルギー効率を高め、また、汚泥乾燥機を省略することによって設備コストの低減ならびに設置スペースの削減を図ることが可能な汚泥のガス化溶融方法および汚泥のガス化溶融装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の要旨は次の通りである。
(1)汚泥、又は汚泥及び炭素質原料を、酸素または酸素富化空気と部分酸化反応させることによって可燃性ガスとスラグへ転換した後、前記可燃性ガスに水分を含有する汚泥を投入して直接接触させ、前記可燃性ガスの保有する顕熱を利用して前記水分を含有する汚泥を乾燥し、当該乾燥によって生成した乾燥汚泥を前記部分酸化反応させる汚泥として使用することを特徴とする汚泥のガス化溶融方法。
(2)前記水分を含有する汚泥が、汚泥の脱水ケーキであることを特徴とする(1)記載の汚泥のガス化溶融方法。
(3)汚泥、又は汚泥及び炭素質原料を、酸素または酸素富化空気と部分酸化反応させることによって可燃性ガスとスラグへと転換するガス化溶融炉と、その後段に設けた水分を含有する汚泥を前記可燃性ガスに投入して直接接触させ、前記可燃性ガスの保有する顕熱を利用して水分を含有する汚泥を乾燥させる乾燥炉と、更にその後段に設けた前記乾燥炉にて生成した乾燥汚泥を前記可燃性ガスと分離するための乾燥汚泥分離設備と、前記乾燥汚泥分離設備において分離回収された乾燥汚泥を、前記部分酸化反応させる汚泥として使用するために前記ガス化溶融炉へ投入するための乾燥汚泥供給設備とを有することを特徴とする汚泥のガス化溶融装置。
(4)前記ガス化溶融炉の上方に前記乾燥炉を直結し、二段二室の構造とすることを特徴とする(3)記載の汚泥のガス化溶融装置。
(5)前記乾燥炉が流動床乾燥炉であることを特徴とする(4)記載の汚泥のガス化溶融装置。
本発明によって、主として下水の生物学的処理により発生する活性汚泥を低コスト、高効率にガス化溶融処理し、汚泥中の有機物等を可燃性ガスとして回収すると共に、汚泥中の灰分をスラグへと転換し、それぞれを有効利用することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、ガス化溶融炉から排出された高温の可燃性ガスを、後段に別置きした熱風乾燥機に導入することによって可燃性ガスの顕熱を汚泥乾燥用の熱源として利用する実施形態や、ガス化溶融炉と乾燥炉を一体化(直結)させて、可燃性ガスの顕熱を温度が高い状態のまま汚泥乾燥用の熱源として直接利用する実施形態のいずれも適用可能である。
以下では、より効率の良い後者の、ガス化溶融炉と乾燥炉を一体化(直結)させた実施形態を例に説明する。
図2は、本発明の一実施形態を表したフローシートである。
なお、以下に述べるところの汚泥中の水分含有率とは次式によって定義される。
水分含有率[質量%]=汚泥中水分質量/水分含む全汚泥質量×100 …(1)
本フローにおける設備構成は、炉体をガス化溶融炉9と直結された上部に乾燥炉16が設置されている二室二段型の構造とし、その後段に乾燥汚泥をガスと分離するための乾燥汚泥分離設備17(バグフィルター、サイクロ(登録商標)ン、金属フィルター、セラミックスフィルター等)、硫黄化合物等のガス中に含有される有害微量成分を除去するためのガス精製設備18が設けられたものである。尚、ここで述べるところの二室とは、炉体がガス化溶融炉9および乾燥炉16という全く反応の異なる二つの部屋から構成されていることを意味する。また二段とは、各々の部屋へ汚泥または炭素質原料を投入する二段吹き込み型構造であることを意味する。
また、乾燥汚泥分離設備17において回収された乾燥汚泥4−2を再度ガス化溶融炉へ投入するための乾燥汚泥供給設備5を設置するものとし、更に製品である可燃性ガスの一部を乾燥炉へリサイクルするためのガス循環ライン19を設置しても良い。
なお、ここで述べるところの乾燥汚泥4−2とは、乾燥炉16において生成した乾燥汚泥を主体とし、ガス化溶融炉9において生成したスス、未燃チャー、飛散スラグが若干量混合されている粉体の総称である。
乾燥汚泥分離設備17において回収された乾燥汚泥4−2または/および別途準備された炭素質原料21は、各々の供給設備(乾燥汚泥供給設備5、炭素質資源供給設備22)から気流床型のガス化溶融炉へ気流搬送によって投入される。なお、各々の供給設備は、単一の設備で共用しても良い。また、気流搬送用の搬送ガス6としては窒素、空気、酸素製造設備における副生ガス(窒素富化空気)等が使用できる。
ガス化溶融炉9において、それら乾燥汚泥4−2または/および炭素質原料21は酸素製造設備7から供給される酸素8をガス化剤とした部分酸化反応(不完全燃焼)によって、1100〜1600℃の高温でガス化され、高温の可燃性ガス(主成分はH2、CO、CH4、CO2、H2O)とスラグへと転換する。また、この際タールは殆ど発生せず、そのほぼ全量がガスへと転換する。
なお、ここで述べるところのスラグとは、汚泥中に含有される灰分がその融点以上の温度において溶融したものを意味する(再度冷却されて固化したものも含む)。また、灰分の融点とはJIS(M8801灰の溶融性試験方法)において規定される溶融点温度を意味する。生成したスラグ10の大半はガス化溶融炉9の底部から抜き出され回収される。
ガス化溶融炉9内の温度は、汚泥中に含まれる灰分の融点に応じた温度に設定され、灰分の融点よりも高い温度とするので1100℃以上とするが、必要以上の高温とすることは、ガス化溶融炉9内の炉壁の寿命を極度に短縮し、かつ放熱による熱損失も増加するために好ましくないので1600℃以下とする。
ガス化の際にガス化剤として添加する酸素8は同伴窒素による持ち出し顕熱を削減する観点から、可能な限り高濃度酸素を用いることが好ましい。しかし、必要以上に高濃度の酸素を製造することは酸素製造設備15における投入エネルギーの増大等デメリットが増すばかりであり、ガス化そのものに与える影響は少ないため、ここで用いる酸素は一般的な酸素製造法(吸着分離法〈PSA〉、深冷分離法)によって製造可能な濃度(80容量%以上)で良い。
また、酸素製造設備7の規模削減のため、酸素製造設備7によって製造した酸素を空気と混合した酸素富化空気を酸素の代わりに使用しても良い。この際の酸素富化空気中の酸素濃度は空気中に通常含有される酸素濃度よりも高い濃度であれば、同伴する窒素の持ち出し顕熱によるガス化溶融炉の効率低下を多少なりとも回避できる。しかし、ガス化溶融炉9における効率上昇、ガス化溶融炉以降に設置される乾燥汚泥分離設備17、ガス精製設備18等一連の機器類の規模削減のためにはガス化剤として酸素富化空気よりも80容量%以上の酸素を用いることが望ましい。
ここで添加する酸素量は、水分を含有する汚泥中の有機物を完全燃焼させるために必要な酸素量(いわゆる理論酸素量)よりも少ない酸素量とする。ここでいう有機物とは乾燥ベースの汚泥中の灰分を除いた部分(炭素、水素、窒素、硫黄、酸素を主体)を意味する。その割合は汚泥発熱量およびガス化溶融炉9内部温度を何度に設定するかによって異なるが、理論酸素量を1とした場合の割合で0.2〜0.8の範囲内で調整することが好適である。0.2未満の酸素比では、ガス化せずに未燃物へと転換する有機物が極めて多くなるため、また、0.8を超過する酸素比では、可燃性のガス成分(H2、CH4等)へ転換する割合がほとんどなくなり、大部分が燃焼ガス(CO2、H2O)まで転換してしまうため、本発明の目的からして好ましくない。より好ましくは、0.3〜0.6の範囲内で調整することである。この範囲でガス化を行えば、汚泥の持つ有機物に対して発生する未燃物の割合を30質量%以下に抑え、かつ可燃性ガス中に含有される可燃性成分の割合を40容量%以上(ドライガスベース)とすることが可能である。
また、ガス化溶融炉9内の温度制御の目的も兼ねて、ガス化剤としてスチームを酸素8と併用しても良い。
なお、ガス化溶融炉9内の圧力は特に規定しないが、大気圧よりも低い圧力とした場合には、外部からの空気の漏れ込みによる爆発の危険性があるため好ましくない。また、大気圧よりも高い加圧条件とする場合にはガス化溶融炉9をコンパクトにすることのできるメリットもある。
ガス化溶融炉9内へ投入される汚泥以外の炭素質原料21としては、石炭(微粉炭)、木材、廃プラスチック、食品系残渣、都市ゴミ炭化物等、ガス化溶融炉9内へ気流搬送の手法によって投入することができるものであれば何を用いても構わない。
なお、設備立ち上げ時においては、プロセスから発生する乾燥汚泥4−2が当然存在しないため、汚泥以外の炭素質原料21を用いてガス化を開始する。勿論、別の汚泥乾燥機によって製造した乾燥汚泥を立ち上げ時の炭素質原料として用いても良い。
ガス化溶融炉9から排出された高温の可燃性ガスは、直ちに、ガス化溶融炉9と直結してその上部に設置されている乾燥炉16へと導入される。この高温の可燃性ガス流れの中へ水分を含有する汚泥1−1を投入することによって、可燃性ガスの顕熱を利用して水分を含有する汚泥1−1は乾燥され、低水分含有量の乾燥汚泥4−2へと転換される。
水分を含有する汚泥1−1としては、特にその状態を限定するものではないが、通常の下水処理場における汚泥の最終形態である脱水ケーキ(汚泥脱水機において処理された汚泥)であることが一般的である。
この際、乾燥炉からの放熱によって失われる顕熱および乾燥炉16出口においてガスおよび乾燥汚泥等の未燃物粉体が持ち出す顕熱以外の高温の可燃性ガスが保有する顕熱は、水分を含有する汚泥1−1中の水分を除去するための蒸発潜熱として有効に利用される。乾燥炉16自体は耐火材構造であり、酸露点による制約を受けないため、従来の廃熱回収器によって回収可能であった温度域(約200〜300℃)よりも低温域まで熱回収を行うことが可能となる。また、断熱構造である乾燥炉16からの放熱(熱損失)は、従来の廃熱回収器における放熱に比較して大幅に減少する。
更に、乾燥炉16の設置に伴って従来の廃熱回収器は不要となり、設備費、設置スペースの大幅削減が可能となる。
また、前述した通り、従来技術においては、ガス化溶融炉9から排出された高温の可燃性ガスへ直ちにスプレー水を吹き込んで1000℃以下にまで冷却(クエンチ)し、上部へ飛散した溶融スラグを固化することによって灰付着(スラッギング)トラブルを防止することが望ましいと述べられているが、本発明においては、水分を含有する汚泥1−1中に含まれる水分がスプレー水の代用となるため、言い換えれば、従来有効に利用することができなかった顕熱を乾燥用熱源として更に使用することが可能となる。
乾燥炉16の方式としては、気流床および流動床のどちらを選択しても良い。
乾燥炉16を気流床式とする場合、高温の可燃性ガスと接触した水分を含有する汚泥1−1が上手く分散し、気流に乗ることによって乾燥に必要な滞留時間を確保することができるように、図3に図示するように乾燥炉16の高さ方向に汚泥投入ノズル24を複数本設けることが望ましい。なお、水分を含有する汚泥1−1を乾燥炉16へ投入する手段としてはポンプによる配管圧送を採用しても良いし、スクリューフィーダーを採用しても構わない。
水分を含有する汚泥1−1が乾燥炉16内において上手く分散するためには、乾燥炉16内におけるガスの空塔速度をできるだけ速くすることが望ましい。
具体的なガス空塔速度としては、汚泥の性状等によっても異なるが、5m/sec以上とすることが好適である。5m/secより小さなガス空塔速度とした場合、乾燥炉16内へ投入された水分を含有する汚泥1−1の大半が乾燥炉16内を落下してしまうため好ましくない。
なお、乾燥炉16の内径を小さくすることによってガスの空塔速度を高めることが可能であるが、必要以上に乾燥炉16の内径を細くすることは、投入された汚泥による閉塞が発生する恐れが大きくなるため、乾燥炉16の内径は直径10cm以上とすることが望ましい。
また、ガス精製後のほぼ常温の可燃性ガスの一部を、ガス循環ライン19を介してリサイクルガス20としてガス化溶融炉9の出口付近へ再度吹き込むことによって、乾燥炉以降におけるガス量を増加させ、乾燥炉16内のガス空塔速度を高めてやっても良い。リサイクルガス20でガス量を増加させることによって、乾燥炉16以降の乾燥汚泥分離設備17、ガス精製設備18におけるガス処理量が増加し、設備規模が大きくなるが、本発明においてはガス化剤として酸素8を用いているため、既存技術である空気(燃焼空気)を用いた汚泥焼却炉、汚泥溶融炉において排ガス処理に必要な同様の設備規模と比較すると依然として大幅にこれら設備を低減することが可能である。
常温のリサイクルガス20の吹き込みは、ガス化溶融炉9から排出された高温の可燃性ガスのクエンチ効果もあるため、高温の可燃性ガス化ガス中に含有される溶融スラグをその融点以下の温度で固化することによって、溶融スラグ付着によるトラブルの発生を回避する効果もある。
気流床式の乾燥炉16内の温度は、投入された水分を含有する汚泥1−1の熱分解反応が極度に進行しない温度、すなわち100〜500℃とする。気流床の場合、乾燥炉16の垂直方向に温度分布が生じるため、乾燥炉16出口におけるガス温度を指標として100〜500℃となるように維持することが好適である。
なお、気流床式の乾燥炉16へ投入された水分を含有する汚泥1−1は、乾燥炉16内において1〜20秒程度の滞留時間とすることが望ましい。1秒よりも滞留時間が短い場合、充分に乾燥が進行せず、乾燥後の汚泥中の水分が30質量%以上と比較的高くなる可能性があるため、また、逆に滞留時間が20秒よりも長くするためには、乾燥炉16が極めて巨大なものとなり、設備コストの増大へと繋がってしまうため好ましくない。なお、乾燥炉16内の気流に乗らなかった水分を含有する汚泥1−1の一部がガス化溶融炉9内へと落下したとしても、結局高温のガス化溶融炉9内において乾燥、ガス化が起きるため大きな問題とはならない。
乾燥炉16を流動床とする場合、図4に図示するようにガス化溶融炉9および乾燥炉16の間に分散板25を設置し、流動媒体26中へ汚泥投入ノズル24から連続的又は断続的に水分を含有する汚泥1−1を投入する。流動床の特徴として、ガス化溶融炉9からの可燃性ガスにより流動化状態にある流動媒体26によって炉内温度は均一となり、供給された水分を含有する汚泥1−1は活発に流動化している媒体粒子26の表面に膜状に付着しながら流動床内部に分散され、ガス化溶融炉9からの可燃性ガスによって乾燥される。
また、流動媒体26の表面積が非常に大きいので水分を含有する汚泥1−1は効率良く乾燥され、流動媒体26の表面に残った乾燥汚泥は媒体同士の接触により、連続的に剥離し、可燃性ガスと共に乾燥炉16より排出される。なお、乾燥炉16を流動床とする場合、流動媒体26が炉内を良好に流動するように乾燥炉16内のガス空塔速度を適切に制御する必要がある。
ガス化溶融炉9から導入されるガス化ガスのみでは流動媒体26が流動するための充分なガス空塔速度が得られない場合には、乾燥炉16を気流床とする場合と同様、ガス精製後の製品ガスの一部をガス循環ライン19からリサイクルガス20としてガス化溶融炉9の出口付近へ再度吹き込むことによってガス量を増加させ、ガス空塔速度を高めてやっても良い。なお、常温のリサイクルガス20の吹き込みは、ガス化溶融炉9から排出された高温の可燃性ガスのクエンチ効果もあるため、高温の可燃性ガス中に含有される溶融スラグをその融点以下の温度で固化することによって、溶融スラグ付着によるトラブルの発生を回避する、または分散板25等、設備の熱負荷を低減し、修繕コストを削減する効果もある。
水分を含有する汚泥1−1を乾燥炉16へ投入する手段としては、ポンプによる配管圧送を採用しても、スクリューフィーダーを採用しても、またそれ以外の方法を採用しても構わない。また、流動床式の乾燥炉16の上部、側部、底部どの向きから水分を含有する汚泥1−1を投入しても構わない。流動媒体26としてはケイ砂、シリカ、アルミナ、アルミナ、石灰石、鉄粉等、何を使用しても構わない。
流動床式の乾燥炉16内の温度は、投入された水分を含有する汚泥1−1の熱分解反応が極度に進行しない温度、すなわち100〜500℃とする。流動床の場合、流動媒体26の流動部の温度はほぼ均一になるため、その部分におけるガス温度を100〜500℃となるように維持することが好適である。
なお、流動床式の乾燥炉16へ投入された水分を含有する汚泥1−1は、乾燥炉16内において1〜60秒程度の滞留時間とすることが望ましい。1秒よりも滞留時間が短い場合、充分に乾燥が進行せず、乾燥後の汚泥中の水分が40質量%以上と比較的高くなる可能性があるため、また、一般的に流動床は気流床よりも滞留時間が長くなるものの、滞留時間が60秒よりも長くするためには、乾燥炉16が極めて巨大なものとなり、設備コストの増大へと繋がってしまうため好ましくない。
従来の空気を熱風として使用するタイプの熱風乾燥機においては汚泥の発火防止のために汚泥と接触させる熱風温度の上限に制限(汚泥の種類によっても異なるが、おおよそ400℃以下とするのが好ましい)があるが、本発明において汚泥と接触する熱風は可燃性ガスであり、ガス中に酸素が含有されないため、そのような制約は生じない。
乾燥炉16へ投入される水分を含有する汚泥1−1の水分含有率はできるだけ低いことが望ましいが、現状実用化されている汚泥脱水機(ベルトプレス、フィルタープレス、遠心脱水機等)において実現可能な水分含有率である65〜85質量%の範囲であれば、特に問題とならない。
しかしながら、水分を含有する汚泥1−1中の水分含有率が高い場合、ガス化溶融炉9からの可燃性ガスの持つ顕熱だけでは、充分な乾燥を行うための熱量が不足する可能性がある。その場合、ガス化溶融炉9へ汚泥と共に他の炭素質原料を投入し、ガス化ガスの発生量(顕熱)を増加させることが望ましい。また、他の炭素質原料を汚泥と共に処理することは、製品たる可燃性ガスの生成量を増加させることができるというメリットもある。
汚泥は元来が微生物および細菌の集合体であるため、一般的に、乾燥炉16において水分含有率30質量%以下程度にまで乾燥された汚泥は、その大半が粒径5mm以下程度の粒状の状態となり、乾燥炉16から可燃性ガスに同伴された状態で排出される。
なお、このように30質量%以下程度にまで乾燥され、粒状あるいは粉末状の状態となった乾燥汚泥は付着トラブル等のハンドリング上のトラブルが発生することは少なく、気流搬送でガス化溶融炉9内へ投入することができる。
その後、可燃性ガスおよび乾燥汚泥は乾燥汚泥分離設備17へと導入され、可燃性ガスと乾燥汚泥が分離される。乾燥汚泥分離設備17の方式としては、サイクロ(登録商標)ン、バグフィルター、セラミックスフィルター、金属フィルター等、乾式方式であればどのような方式のものを用いても構わない。なお、ベンチュリースクラバーのような湿式の分離設備を用いた場合、乾燥させた汚泥を再度含水させてしまうことになるため好ましくない。また、可燃性ガスの徹底的な顕熱回収を目的として、乾燥汚泥分離設備17の前段あるいは後段に廃熱ボイラー等の何らかの廃熱回収器を設置しても構わないが、本発明においては、可燃性ガスの顕熱は既に乾燥炉16において、水分を含有する汚泥1−1の乾燥用熱源として充分に回収されているため、設備コストおよび設置スペース削減の観点からはあえて廃熱回収器を設置する必要はない。
乾燥汚泥分離設備17において可燃性ガスと分離された乾燥汚泥4−2は、乾燥汚泥供給ホッパーと供給フィーダーからなる乾燥汚泥供給設備5から気流搬送によって、ガス化溶融炉9内へと吹き込まれ、ガス化原料として利用される。なお、その乾燥汚泥4−2の一部または全量を他の用途(例えばボイラー用燃料、肥料、土壌改良剤)に流用しても構わない。
乾燥汚泥分離設備17から排出された可燃性ガスは、ガス精製設備18においてアンモニア、硫化水素、硫化カルボニル等の有害成分を除去された後に、製品としてのクリーンな可燃性ガス15として様々な用途(例えば発電用燃料、メタノール等化学品合成原料、水素原料)に利用される。なお、ガス精製設備18へ導入される前の可燃性ガスはほとんど有効に利用できる顕熱を有していないため、ガス精製設備18としては吸収法等の湿式のものを用いれば良い。また、可燃性ガスの一部は前記した通り、ガス循環ライン19を介しガス化溶融炉出口へとリサイクルされる場合があるため、この際に必要なコンプレッサー動力を少しでも削減するためには、ガス精製設備18を湿式とし、かつリサイクルされる可燃性ガスの温度を常温とすることによって、ガス精設備においてガス中の水分を凝縮させ、リサイクルガス中に含まれる水分(水蒸気)をできる限り少なくすることが望ましい。
また、乾燥炉16において若干のタールが発生する場合があるが、その一部は乾燥汚泥分離設備17において乾燥汚泥へ捕捉された状態で、またそれ以外のタールはガス精製設備において吸収液等に取り込まれる形態で除去されるため、特に問題とはならない。
なお、本発明の一実施形態のようにガス化溶融炉9と乾燥炉16を一体化(直結)させるのではなく、ガス化溶融炉9から排出された高温の可燃性ガスを別置きの熱風乾燥機に導入することによって可燃性ガスの顕熱を汚泥乾燥用の熱源として直接利用するプロセスも考えられる。しかし、一般的な熱風乾燥炉(気流乾燥機、熱風粉砕乾燥機、流動層式乾燥機、攪拌機付回転ドラム式乾燥機等)は密閉構造ではなく外部空気を引き込む構造であり、爆発が生じる危険性があるため安全上からは上述の実施形態のように、ガス化溶融炉9と乾燥炉16を一体化することが望ましい。
また、一般的な熱風乾燥機を使用する場合は、その内部に駆動部等メカニカル部を有しており、耐久性(耐熱性)の観点から通常500℃程度の熱風を受け入れることしかできないため、ガス化溶融炉9から排出された1000℃以上という温度のガスの顕熱を直接有効利用することはできず、一度冷却して使用する必要があるため、乾燥効率も悪くなってしまう。また、ガスを冷却するために過剰空気等を添加する場合(ガス希釈を行う場合)には、乾燥機からの排ガス量が増加してしまう。
本発明で使用する汚泥として、下水汚泥以外に、産業排水の生物学的処理施設から発生する余剰の活性汚泥(例えば、コークス炉排水(安水)処理設備、ステンレス酸洗排水の処理設備、各種食品工場の排水処理設備から排出される余剰汚泥等)を用いても良い。
(実施例1)
図5に示したフローに従って、本発明例を実施した。
使用した下水汚泥の分析値を表1に示す。なお、この汚泥は下水処理場の脱水機から排出されたもの(脱水ケーキ)である。
Figure 2008132409
水分を含有する汚泥(脱水ケーキ)1−2(100t/day、水分含有率70質量%)を流動床式(流動媒体26として珪砂を使用)の乾燥炉16へ投入し、ガス化溶融炉9から導入される高温の可燃性ガス(ガス化ガス)の顕熱を乾燥熱源として水分30質量%になるまで乾燥を行った。乾燥炉から可燃性ガスと共に排出された乾燥汚泥4−2は、乾燥汚泥分離設備17(バグフィルター)において分離回収され、乾燥汚泥供給設備5からガス化剤である純度93%の酸素8と共にガス化溶融炉9内へと投入され、ガス化温度1500℃でガス化された。なお、搬送ガス6としては空気を使用した。生成した高温の可燃性ガスは直ちに乾燥炉へと導入され、スラグは炉底のスラグタップより抜き出され、水砕の後、水砕スラグ10として回収された。乾燥汚泥分離設備17から排出された可燃性ガスは湿式のガス精製設備18において脱硫され、その一部をリサイクルガス20としてガス化溶融炉出口へとリサイクルした後、製品である可燃性ガスとして回収された。本実施例に関して、設備の立ち上げ時を除き、補助燃料は一切必要なく、プロセスを熱的に自立させることが可能であった。
(比較例)
図6に示したフローに従って、従来方法を実施した。
使用した下水汚泥の分析値を表2に示す。なお、この汚泥は下水処理場の脱水機から排出されたもの(脱水ケーキ)である。
Figure 2008132409
水分を含有する汚泥(脱水ケーキ)1−2(100t/day、水分含有率70質量%)を、気流(熱風)型の汚泥乾燥機3において乾燥後、生成した乾燥汚泥13(水分含有率6質量%)を、乾燥汚泥供給設備5より、空気による気流搬送によってガス化溶融炉9へ投入した。ガス化溶融炉9内において、乾燥汚泥13はガス化剤である純度93%の酸素8と共に、温度1500℃でガス化溶融され、高温の可燃性ガスおよびスラグへと転換した。生成した溶融スラグは炉底のスラグタップより抜き出され、水砕された後に水砕スラグ10として回収された。一方、生成した高温の可燃性ガスはガス化溶融炉9の上部のガス冷却炉11においてスプレー水12によって800℃まで冷却された後、廃熱回収器(空気予熱器)27において顕熱を回収された後、ガス処理設備14へ導入され、クリーンな可燃性ガス15として回収された。なお、可燃性ガスの一部は乾燥用燃料ガス28として汚泥乾燥機3へ導入され、廃熱回収器(空気予熱器)27において予熱された燃焼空気と共に燃焼させることによって乾燥熱源として利用した。本比較例に関して、設備の立ち上げ時を除き、補助燃料は一切必要なく、プロセスを熱的に自立させることが可能であった。
表3に本発明例(実施例)及び比較例におけるユーティリティー使用量およびプロセスエネルギー効率を示す。なお、プロセスエネルギー効率は(2)式で定義される。
プロセスエネルギー効率(%)=〔製品として回収された可燃性ガスの低位発熱量(プロセス内において自家消費したガスは含まない)(kcal/day)〕/〔ガス化溶融炉内へ投入された汚泥の低位発熱量(kcal/day)〕×100 …(2)
本実施例においては、比較例よりも電力使用量を削減でき、かつプロセスエネルギー効率が向上した。また、汚泥乾燥機の設置を省略できたことから、比較例よりも設備コストおよび設備の設置スペースを8割程度に削減可能であった。
Figure 2008132409
(実施例2)
図7に示したフローに従って、本発明例を実施した。
使用した下水汚泥および炭素質資源である木質チップ29の分析値を表4および表5に示す。なお、この汚泥は下水処理場の脱水機から排出されたもの(脱水ケーキ)である。
Figure 2008132409
Figure 2008132409
水分を含有する汚泥(脱水ケーキ)1−2(120t/day、水分含有率75質量%)を流動床式(流動媒体26として珪砂を使用)の乾燥炉16へ投入し、ガス化溶融炉9から導入される高温の可燃性ガス(ガス化ガス)の顕熱を乾燥熱源として水分含有率10質量%になるまで乾燥を行った。乾燥炉から可燃性ガスと共に排出された乾燥汚泥4−2は、乾燥汚泥分離設備17(バグフィルター)において分離回収され、乾燥汚泥供給設備5から木質チップ29(24t/day)と共にガス化溶融炉9内へと投入され、純度93%の酸素8をガス化剤として、ガス化温度1500℃でガス化された。なお、搬送ガス6としては空気を使用した。生成した高温の可燃性ガスは直ちに乾燥炉へと導入され、スラグは炉底のスラグタップより抜き出され、水砕の後、水砕スラグ10として回収された。乾燥汚泥分離設備17から排出された可燃性ガスは湿式のガス精製設備18において脱硫され、その一部をリサイクルガス20としてガス化溶融炉出口へとリサイクルした後、製品である可燃性ガスとして回収された。本実施例に関して、設備の立ち上げ時を除き、補助燃料は一切必要なく、プロセスを熱的に自立させることが可能であった。
従来技術に関するフローシートである。 本発明に関するフローシートである。 本発明のガス化溶融炉および乾燥炉に関するフローシートである。 本発明のガス化溶融炉および乾燥炉に関するフローシートである。 本発明の実施例におけるフローシートおよびマスバランスである。 従来技術の比較例におけるフローシートおよびマスバランスである。 本発明の実施例におけるフローシートおよびマスバランスである。
符号の説明
1−1 水分を含有する汚泥
1−2 水分を含有する汚泥(脱水ケーキ)
2 乾燥用熱源
3 汚泥乾燥機
4−1 乾燥汚泥
4−2 乾燥汚泥
5 乾燥汚泥供給設備
6 搬送ガス
7 酸素製造設備
8 酸素
9 ガス化溶融炉
10 スラグ
11 ガス冷却炉
12 水スプレー
13 廃熱回収器
14 ガス処理設備
15 可燃性ガス
16 乾燥炉
17 乾燥汚泥分離設備
18 ガス精製設備
19 ガス循環ライン
20 リサイクルガス
21 炭素質資源
22 炭素質資源供給設備
23 ガス化バーナー
24 汚泥投入ノズル
25 分散板
26 流動媒体
27 廃熱回収器(空気予熱器)
28 乾燥用燃料ガス
29 木質チップ
30 木質チップ供給設備

Claims (5)

  1. 汚泥、又は汚泥及び炭素質原料を、酸素または酸素富化空気と部分酸化反応させることによって可燃性ガスとスラグへ転換した後、前記可燃性ガスに水分を含有する汚泥を投入して直接接触させ、前記可燃性ガスの保有する顕熱を利用して前記水分を含有する汚泥を乾燥し、当該乾燥によって生成した乾燥汚泥を前記部分酸化反応させる汚泥として使用することを特徴とする汚泥のガス化溶融方法。
  2. 前記水分を含有する汚泥が、汚泥の脱水ケーキであることを特徴とする請求項1記載の汚泥のガス化溶融方法。
  3. 汚泥、又は汚泥及び炭素質原料を、酸素または酸素富化空気と部分酸化反応させることによって可燃性ガスとスラグへと転換するガス化溶融炉と、その後段に設けた水分を含有する汚泥を前記可燃性ガスに投入して直接接触させ、前記可燃性ガスの保有する顕熱を利用して水分を含有する汚泥を乾燥させる乾燥炉と、更にその後段に設けた前記乾燥炉にて生成した乾燥汚泥を前記可燃性ガスと分離するための乾燥汚泥分離設備と、前記乾燥汚泥分離設備において分離回収された乾燥汚泥を、前記部分酸化反応させる汚泥として使用するために前記ガス化溶融炉へ投入するための乾燥汚泥供給設備とを有することを特徴とする汚泥のガス化溶融装置。
  4. 前記ガス化溶融炉の上方に前記乾燥炉を直結し、二段二室の構造とすることを特徴とする請求項3記載の汚泥のガス化溶融装置。
  5. 前記乾燥炉が流動床乾燥炉であることを特徴とする請求項4記載の汚泥のガス化溶融装置。
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