JP2007031492A - 汚泥からの水素製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、排水、主として下水の生物学的処理施設において発生する活性汚泥から、低燃費、低コストに水素ガスを製造する技術を提供する。
【解決手段】 排水の生物学的処理施設より発生し、有機物及び水分を含有する汚泥を、酸素又は酸素富化空気により部分酸化して、可燃性のガス化ガスとスラグを生成した後、前記ガス化ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気とをシフト反応させて、水素を製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】 排水の生物学的処理施設より発生し、有機物及び水分を含有する汚泥を、酸素又は酸素富化空気により部分酸化して、可燃性のガス化ガスとスラグを生成した後、前記ガス化ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気とをシフト反応させて、水素を製造する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、排水の生物学的処理施設において発生する活性汚泥から、低燃費、低コストに水素ガスを製造する技術に関するものである。
下水を生物学的水処理によって浄化する際に発生する余剰の活性汚泥(以下、汚泥と略す)は、下水道の普及、また下水処理場における高度処理プロセス(窒素、リンの除去等)の導入等に伴って益々増加する傾向にある。これら汚泥は、通常の下水処理場における最終形態である脱水ケーキの状態においても依然として80質量%程度の多量の水分を含有し、しかも乾燥状態での発熱量も6300〜21000kJ/kg−dry程度と比較的小さいため、安定燃焼し易い専用の流動床式焼却炉において焼却、減容化後、埋め立て処理するケースが大部分を占める。また、汚泥焼却炉においては、熱損失(炉体からの放散熱、水の蒸発潜熱、燃焼用空気中の同伴窒素および水蒸気(スチームとも言う)による持ち出し顕熱等)を加味すると汚泥自体の持つ発熱量のみで燃焼(すなわち自燃)させることは困難である。従って現状の流動床式汚泥焼却炉においては、何らかの方法(炉内へ直接添加する、空気予熱用燃料として使用する等)で重油、消化ガス等の補助燃料を使用することが必要不可欠である(例えば、非特許文献1参照)。
近年、埋め立て地の逼迫等の理由によって、更なる汚泥の減容化あるいは有効利用を狙いとして、汚泥の溶融処理も一部で実施されている。汚泥の溶融処理は、汚泥を灰の溶融点以上の高温雰囲気下で空気燃焼させることによって、汚泥中の灰分を溶融させてスラグへと変換し、汚泥の体積低減あるいは建設資材等としての有効利用を図る技術である。しかし、一般的な汚泥の溶融処理においては、溶融炉内を灰の溶融点以上の高温(1100〜1600℃程度)に保つ必要があるため、焼却よりも更に多量の補助燃料の使用が必要となる(非特許文献1参照)。
また、特許文献1および特許文献2では、汚泥乾燥機において予め乾燥した汚泥を気流層型のガス化溶融炉において、酸素または酸素富化空気をガス化剤とすることによって熱損失を削減し、補助燃料を用いることなく汚泥をガス化し、可燃性のガス化ガスとスラグへ転換する技術が提案されている。
特許文献1および特許文献2においては、予め乾燥した汚泥を気流層型の汚泥ガス化溶融炉において、水素(H2)および一酸化炭素(CO)を主成分とする可燃性のガス化ガスへと転換し、燃料、化学品合成原料等、様々な用途に使用することが可能である。
このガス化ガス中に含有されるCOは、(1)式で示される水性ガスシフト反応(発熱反応)によって、H2へと転換し、燃料電池用途等の目的に供することも可能と考えられるが、特許文献1及び特許文献2共に、水素ガスへ転換する具体的方法の記載は無い。更に、特許文献2においては、可燃性ガスの全量を汚泥の乾燥用燃料として使用しており、可燃性ガスを水素製造に用いるという発想は全く無い。
CO + H2O = H2 + CO2 + 42.7kJ …(1)
水性ガスシフト反応は工業的に、各種触媒の存在下、150〜500℃の温度条件下において実施される。化学平衡的にCOのH2への転換率を高めるため、また触媒の活性低下原因となるススの発生を抑制するためには理論当量よりも多くのスチームを添加する必要がある。しかし、汚泥、石炭、木質バイオマス等、炭素質資源を部分酸化反応によってガス化して生じたガス化ガス中には理論等量以下すなわちCOの当量よりも少ない量のスチームしか含まれていないため、水性ガスシフト反応器の前において、反応のために必要な当量とするだけのスチームを新たに添加しなければならず、当然そのスチームを製造するためのボイラーおよび熱源を別途用意する必要があった。
水性ガスシフト反応は工業的に、各種触媒の存在下、150〜500℃の温度条件下において実施される。化学平衡的にCOのH2への転換率を高めるため、また触媒の活性低下原因となるススの発生を抑制するためには理論当量よりも多くのスチームを添加する必要がある。しかし、汚泥、石炭、木質バイオマス等、炭素質資源を部分酸化反応によってガス化して生じたガス化ガス中には理論等量以下すなわちCOの当量よりも少ない量のスチームしか含まれていないため、水性ガスシフト反応器の前において、反応のために必要な当量とするだけのスチームを新たに添加しなければならず、当然そのスチームを製造するためのボイラーおよび熱源を別途用意する必要があった。
ここで、水素製造のために、ガス化ガスの持つ顕熱を利用して吹き込まれた水をスチームへと転換し、水性ガスシフト反応のために必要なスチームをガス中に含有させる方法も考えられる。しかし、たとえ水をスプレーによって微粒化した状態で吹き込んだとしても、その多量の水全量を、水性ガスシフト反応器に至るまでの短い配管、機器内においてすべて蒸発させることは困難であり、また、吹き込むスチームの増加に対しては、スプレーノズルの本数増加が必須となり、設備のレイアウト上からの制約が生じる場合や設備コストの増加にも繋がるため好ましくない。更に、スプレー方式として二流体ノズル(スプレー水+アトマイズ用ガス(窒素あるいはリサイクルガス等))を採用することによって、スプレーされる水の粒子径を特に細かいものとし、水の蒸発を促進させることも考えられるが、アトマイズ用ガスとして窒素を用いる場合には、生成したガス(可燃性のガス化ガス)中の不活性成分の増加および単位体積当たりの発熱量低下へと繋がるため、またアトマイズ用ガスとしてリサイクルガス(生成したガス化ガスの一部を循環して利用する)を用いる場合には、ガス循環用の諸設備(コンプレッサー、ガスホルダー等)の追加が必要となるため経済性の観点から好ましくない。逆に蒸発せずにガス中に残留した水は、水性ガスシフト反応器前に設置されるガス精製設備(ダスト除去用フィルター等)へ悪影響を及ぼすため、好ましくない。
特許文献1および特許文献2においては、汚泥ガス化溶融炉の直後において、発生した高温のガス化ガス中に同伴された溶融状態のスラグを冷却する手段の1つとして、スプレー水を直接吹き込むことが記載されているが、これはガス冷却のためであって、水素ガス製造を考慮したものではない。
また、特許文献2においては、蒸発潜熱によるガス化溶融炉の効率低下を防止するため、ガス化溶融炉へ吹き込む前の汚泥を予め汚泥乾燥機において含水率20質量%以下程度にまで乾燥することが望ましいと述べられ、実施例では水分含水率を5質量%としており、特許文献1における実施例では、水分含水率を20%としている。
一般的に汚泥のような高含水物を乾燥機で乾燥する場合、乾燥過程は、(1)材料予熱期間、(2)恒率乾燥期間、(3)減率乾燥期間に大別できることが知られている。含水率が高い範囲である恒率乾燥期間においては、含水率が直線的に減少し、急速に乾燥が進行するが、ある含水率以下となり減率乾燥期間へ移行してからは含水率の減少割合が非常に小さくなる傾向がある。恒率乾燥期間から減率乾燥期間へ移行する点、すなわち乾燥速度の変化割合の変曲点における含水率は限界含水率と呼ばれ、被乾燥物によってそれぞれ特有の値を示すが、一般的な汚泥においては25〜40質量%の値にある(例えば、非特許文献2参照)。従って、高含水汚泥(脱水ケーキ)を含水率20質量%以下にまで乾燥させるためには、乾燥の効率が低下する減率乾燥期間において長期間乾燥を進行させる必要があり、すなわち汚泥乾燥機の規模増大、および所要熱量の増加の原因になってしまうという問題があった。
本発明の目的は、下水を主とする排水の生物学的処理施設において発生する活性汚泥から、低燃費、低コストに水素ガスを製造する技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の要旨は次の通りである。
(1)排水の生物学的処理施設より発生し、有機物及び水分を含有する汚泥を、酸素又は酸素富化空気により部分酸化して、可燃性のガス化ガスとスラグを生成した後、前記ガス化ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気とをシフト反応させて、水素を製造することを特徴とする汚泥からの水素製造方法。
(2)前記汚泥の含水率が、25〜50質量%であることを特徴とする(1)記載の汚泥からの水素製造方法。
(3)前記酸素又は酸素富化空気は、前記汚泥の完全燃焼に必要な理論酸素量の0.2〜0.8倍を含有することを特徴とする(1)又は(2)記載の汚泥からの水素製造方法。
(4)前記部分酸化を、1100〜1600℃にて行うことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の汚泥からの水素製造方法。
(5)前記シフト反応の際に、更に外部から水蒸気を添加してシフト反応させることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の汚泥からの水素製造方法。
(1)排水の生物学的処理施設より発生し、有機物及び水分を含有する汚泥を、酸素又は酸素富化空気により部分酸化して、可燃性のガス化ガスとスラグを生成した後、前記ガス化ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気とをシフト反応させて、水素を製造することを特徴とする汚泥からの水素製造方法。
(2)前記汚泥の含水率が、25〜50質量%であることを特徴とする(1)記載の汚泥からの水素製造方法。
(3)前記酸素又は酸素富化空気は、前記汚泥の完全燃焼に必要な理論酸素量の0.2〜0.8倍を含有することを特徴とする(1)又は(2)記載の汚泥からの水素製造方法。
(4)前記部分酸化を、1100〜1600℃にて行うことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の汚泥からの水素製造方法。
(5)前記シフト反応の際に、更に外部から水蒸気を添加してシフト反応させることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の汚泥からの水素製造方法。
本発明でいうところの「排水の生物学的処理施設」とは、下水処理施設、し尿処理施設、浄化槽汚泥処理施設、鉄鋼製造工程のコークス炉排水(安水)処理施設等、下水や排水を微生物(活性汚泥)により処理して、被処理水中のCOD成分や有害物質を低減させる施設のことである。
本発明により、排水の生物学的処理施設より発生する汚泥から水素を製造するに際し、外部から供給する燃料の使用量を削減し、かつ設備規模を低減し、低コストで汚泥から水素を製造することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を、図1に示す本発明に関するプロセスフローシートの1例を用いて説明する。
一般的な下水処理場から排出される汚泥(活性汚泥ともいう)の最終形態である脱水ケーキ1は、汚泥を構成する微生物の外部に付着している水分に関してはほぼ除去された状態であるが、微生物自体が含有する水分、すなわち内部水に関してはほとんど除去されていないため、依然として80質量%程度の水分を含有している。多量の水分を含んだ脱水ケーキをそのままガス化溶融炉11内へ投入することは大幅な効率低下を招くため、脱水ケーキ1は汚泥乾燥機2へ投入され、本プロセスの廃熱回収器14−1によって回収される熱、プロセスから生じるオフガス22や外部から供給される燃料3−1を燃焼して生じた熱のうち少なくともいずれかを熱源として、水分を一部残す乾燥が行われる。なお、ここで述べるところのオフガス22とは、プロセスのガス分離工程等において発生する可燃性のガス化ガスを含んだ排ガスのことであり、汚泥乾燥機においては燃料として使用可能である。
乾燥処理後の水分を含有する汚泥4−1は、酸素又は酸素富化空気により部分酸化して、可燃性のガス化ガスとスラグを生成する。
水分を含有する汚泥4−1中に残存した水分は、例えば、1100〜1600℃という高温のガス化溶融炉11内において瞬時にスチームへと転換し、汚泥中に含まれる水素分が、酸素又は酸素富化空気中の酸素と反応して発生した水蒸気(スチームとも言う)と共に、炉後段の水性ガスシフト反応器17においてCOをH2へ転換する水性ガスシフト反応のために使用される。
従って、水性ガスシフト反応器17導入前のガス化ガスの組成において、スチーム(H2O)とCOとの容量比(モル比)として当量以上(1以上)のスチームが存在するように乾燥汚泥4中の水分調整を行う。なお、水性ガスシフト反応器17内におけるスス(炭素)の析出を抑制するためには、容量比として1.5以上のスチームが存在することがより望ましい。
なお、ガス化ガス中に同伴される溶融状態のスラグの付着によるトラブル回避も兼ね、ガス化溶融炉11出口におけるガスクエンチのためにスプレー水を添加し、水性ガスシフト反応器17において必要なスチームの一部を賄っても良い。
ガス中に存在するスチームの量がCOに対して多いほど水性ガスシフト反応における平衡がH2生成側へと移行するため水素製造の観点からは良いが、多量の水分をガス化溶融炉11内へ吹き込むことは、一方でガス化溶融炉11の効率低下を招くため、スチームの含有量はCOに対する容量比として5以下とすることが望ましい。
更に、従来技術において汚泥乾燥機の効率低下および設備規模拡大の原因となる、減率乾燥期間における過剰な乾燥を避けるため、限界含水率以上となるよう水分を含有する汚泥4−1中の含水率を設定することが望ましく、下水等においては、25質量%以上が望ましい。しかし先に述べたように、必要以上の水分が水分を含有する汚泥4−1中に含まれている場合、ガス化溶融炉11の極端な効率低下を招き、かつ汚泥のハンドリング性が低下するため(例えば、非特許文献1参照)、水分を含有する汚泥中の含水率は50質量%以下とすることが望ましい。ここでいう含水率は、汚泥の全質量中に占める水分の質量の百分率である。なお、汚泥の発熱量によっても異なるが、水分含有量が50質量%以下であれば、汚泥をガス化溶融させる際の重油等の補助燃料を不要とすることができる。
汚泥乾燥機2の方式としては、高温の熱風と汚泥を直接接触させる直接加熱方式の乾燥機(具体的には、気流乾燥機、熱風粉砕乾燥機、流動層式乾燥機、攪拌機付回転ドラム式乾燥機等)、あるいは、蒸気等の熱媒体を熱源とし、加熱壁を介した伝導伝熱によって汚泥を乾燥する、いわゆる間接加熱式の乾燥機(具体的には溝型攪拌乾燥機、円筒型攪拌乾燥機)のいずれを用いても良い。一般的に、間接加熱式乾燥機はその特質上、乾燥後の汚泥すべてを含水率20質量%以下の乾燥汚泥とするためには、極めて伝熱面積の大きな乾燥機が必要となるため現実的ではない。しかし本発明の場合、水分を含有する汚泥4−1中の含水率は限界含水率以上の25〜50質量%とするため、間接加熱式乾燥機を使用しても問題とはならない。
汚泥乾燥機2から排出された水分を含有する汚泥4−1は50℃以上100℃未満の温度である。一般的にこの水分を含有する汚泥4−1は粒子径1mm〜10mm程度の粒状であり、気流搬送によってガス化溶融炉11へ吹き込むのに適した微粉状態とするために粉砕機5によって粒径1mm以下にまで粉砕される。粒径が1mmより大きくてもガス化を行うことは可能であるが、粒子表面積の減少に伴うガス化速度の低下によって未燃物の生成量が増加するために望ましくない。
この際使用する粉砕機としては、一般的な微粉砕機であるローラーミル、ボールミル、スクリーンミル等を用いれば良い。なお、水分を含有する汚泥4−1中の含水率が40質量%以上の比較的高い値となり、粉砕機への汚泥の付着等のトラブルによって安定した粉砕を行うことができない場合は、ガス化溶融炉11への水分を含有する汚泥4−1の供給方法として、気流搬送以外の方法(スクリューフィーダーによる供給等)を適用しても良い。
粉砕後汚泥の粒径の下限については特に規定しないが、一般的な微粉砕機によって粉砕可能な数μmのオーダーであれば何ら問題はない。なお、粒径を更に細かいサブミクロンオーダーとすることは、ガス化反応の観点からは特に問題はないが、粉砕に関わる消費エネルギーが増加する点で望ましくない。
粉砕後の水分を含有する汚泥4−1は汚泥供給設備6内へ一旦貯め込まれ、空気8−1による気流搬送によってガス化溶融炉11へと吹き込まれる。この際、汚泥供給設備6内における水分を含有する汚泥4−1の温度が自然放熱によって冷却されないよう、プロセス廃熱7を有効に利用して保温(間接保温)を行うことが望ましい。本プロセス内において発生する廃熱を利用する場合、汚泥乾燥機2における廃熱(直接加熱方式乾燥機における使用済み熱風、間接加熱方式乾燥機における廃スチーム)、水性ガスシフト反応器17出口ガス顕熱等、低質の廃熱を用いれば良い。水分を含有する汚泥4−1を常温よりも高い温度とすることによって、水分を含有する汚泥4−1中の水分が、ガス化溶融炉11内において蒸発し、スチームへ転換する際の蒸発潜熱を削減し、ガス化溶融炉11の熱効率を高めることが可能となる。
水分を含有する汚泥4−1の気流搬送に使用するガスとしては窒素または空気を使用することが一般的である。窒素による搬送を行う場合、別途窒素製造設備を設ける必要があるため、設備コストおよびランニングコストが上乗せされてしまうという問題がある。一方、空気による搬送を行う場合、乾燥機による処理後の汚泥がある程度の顕熱を保持しており、かつ水分が少ない場合には、汚泥が発火する可能性があるため安全上問題がある。しかし、本発明のように、水分を25質量%より多く含有する汚泥であれば、発火する恐れがなくなるため、ガス化溶融炉11へ投入する汚泥温度を50℃以上100℃未満としても構わない。
なお、更なる熱効率向上のため、搬送に使用する空気をプロセスから発生する廃熱を利用して予熱しても良い。この際の予熱温度の上限としては、空気と接触した水分を含有する汚泥4−1が熱分解反応を起こし、発生したタールによる搬送配管閉塞等のトラブルが生じないよう、熱分解反応が発生しない300℃以下の温度とすることが望ましい。
ガス化溶融炉11内へ酸素10あるいは酸素富化空気と共に吹き込まれた水分を含有する汚泥4−1は部分酸化反応(不完全燃焼)によって、例えば、1100〜1600℃の高温でガス化され、また、同時に汚泥中に含有される水分は蒸発し、高温の可燃性のガス化ガス(主成分はH2、CO、CH4、CO2、H2O)へと転換する。
なお、汚泥のガス化を行うためだけであれば、ガス化溶融炉11内の温度を900℃以上とすれば良いが、ガス化溶融炉11内の温度が汚泥中灰分の融点より低い温度である場合、灰分を溶融させスラグへ転換して減容化を図ることができないため、灰分をスラグへ転換できる1100℃以上が好ましい。
また、1600℃を超える温度まで上昇させることは、汚泥の持つ比較的小さい発熱量では、たとえ高濃度の酸素で汚泥を部分酸化させても困難で、ガス化ガス中の可燃性成分の割合が少なくなり、更には重油等の補助燃料が必要となる場合もあるため、エネルギー効率が悪化して好ましくない。
従って、1100〜1600℃の範囲で部分酸化反応させることが好ましい。
また、部分酸化させる汚泥の水分が50質量%と多い場合や、汚泥の発熱量が小さい場合、更にはガス化溶融炉の耐久性を考慮すると、1500℃以下で部分酸化させることがより好ましく、また、汚泥中の灰分の状態によっては、1100℃では溶融状態のスラグの粘性が大きく炉内から抜き出し難い場合もあるため、1150℃以上で部分酸化させることがより好ましい。すなわち、1150〜1500℃で部分酸化反応させることがより好ましい。
尚、部分酸化反応時の温度は、酸素又は酸素富化空気中の酸素濃度(純酸素が最も高温化し易い)、水分を含有する汚泥の投入流量および汚泥中の水分含水率、汚泥に対する酸素又は酸素富化空気の量等により、適宜調整可能である。
汚泥中の灰分は溶融してスラグへと転換し、ガス化溶融炉11の底部から抜き出される。なお、溶融したスラグの一部は汚泥ガス化溶融炉11から排出された高温のガス化ガス13中に飛散同伴するため、ガス化溶融炉11上部(下流側)においてスプレー水あるいはクエンチガスを吹き込んでスラグの融点温度以下にまで冷却し、飛散した溶融スラグを固化することによって付着トラブル(スラッギング)を防止しても良い。
ガス化溶融炉11において発生する可燃性のガス化ガス13の組成は、ガス化温度に応じた(1)式の水性ガスシフト反応の平衡組成を示すため、ガス化ガス13中の水素濃度を高めるためには、ガス中に存在するH2O(スチーム)を増やすことが望ましい。
ガス化の際にガス化剤として添加する酸素10は同伴窒素による持ち出し顕熱を削減する観点から、可能な限り高濃度酸素を用いることが好ましい。しかし、必要以上に高濃度の酸素を製造することは酸素製造設備9における投入エネルギーの増大等デメリットが増すばかりであり、ガス化そのものに与える影響は少ないため、ここで用いる酸素は一般的な酸素製造法(吸着分離法〈PSA〉、深冷分離法)によって製造可能な濃度(80容量%以上)で良い。また、酸素製造設備9の規模削減のため、酸素製造設備9によって製造した酸素を空気と混合した酸素富化空気を酸素の代わりに使用しても良い。この際の酸素富化空気中の酸素濃度は空気中に通常含有される酸素濃度よりも高い濃度であれば、同伴する窒素の持ち出し顕熱によるガス化溶融炉11の効率低下を多少なりとも回避できる。しかし、ガス化溶融炉11における効率上昇、ガス化溶融炉11以降に設置される廃熱回収器14−1、ガス精製設備16、水性ガスシフト反応器17等、一連の機器類の規模削減、また更には水素分離精製設備20における水素回収率向上、所要エネルギー削減のためにはガス化剤として酸素富化空気よりも酸素を用いることが望ましい。
ここで添加する酸素量は、水分を含有する汚泥4−1中の有機物を完全燃焼させるために必要な酸素量(いわゆる理論酸素量)よりも少ない酸素量とする。ここでいう有機物とは乾燥ベースの汚泥中の灰分を除いた部分(炭素、水素、窒素、硫黄、酸素を主体)を意味する。その割合は汚泥発熱量およびガス化溶融炉11内温度を何度に設定するかによって異なるが、理論酸素量を1とした場合の割合で0.2〜0.8の範囲内で調整することが好適である。0.2未満の酸素比では、ガス化せずに未燃物へと転換する有機物が極めて多くなるため、また、0.8を超過する酸素比では、可燃性のガス化ガス(CO、H2、CH4等)へ転換する割合がほとんどなくなり、大部分が燃焼ガス(CO2、H2O)まで転換してしまうため、本発明の目的からして好ましくない。より好ましくは、0.3〜0.6の範囲内で調整することである。この範囲でガス化を行えば、汚泥の持つ有機物に対して発生する未燃物の割合を30質量%以下に抑え、かつガス化ガス中に含有される可燃性のガス化ガスの割合を40容量%以上(ドライガスベース)とすることが可能である。
また、ガス化溶融炉11内の温度制御の目的も兼ねて、ガス化剤としてスチームを酸素と併用しても良い。
ガス化溶融炉11から排出された可燃性のガス化ガス13は廃熱回収器14−1へ導入され、その顕熱を回収される。この際の廃熱回収器14−1としては、廃熱をスチームとして回収するための廃熱ボイラー、また空気等のガス予熱を行うためのガス・ガス熱交換器(空気予熱器)等、どのようなタイプのものを採用しても構わない。この廃熱回収器14−1によって回収された熱源を汚泥乾燥機2における熱源として使用する場合は、汚泥乾燥機2にとって好適な熱媒体を回収可能な廃熱回収器14−1を選択することが望ましい。一般的に、廃熱回収器14−1の腐食防止の観点から、廃熱回収器14−1出口におけるガス化ガス温度は200℃以上とすることが望ましい。
廃熱回収器14−1から排出されたガスは、ガス精製設備16において脱塵およびガス中に含有される微量成分ガス(H2S、COS、HCl、NH3、HCN等)を必要に応じて除去した後に、触媒を充填した水性ガスシフト反応器17へと導入される。なお、ここで使用される触媒としては、低温活性触媒(銅・亜鉛系)、高温活性触媒(鉄・クロム系)、耐被毒性触媒(コバルト・モリブデン系)等が挙げられる。なお、水性ガスシフト反応器17における触媒として微量成分ガスに対する耐被毒性を有するものを採用する場合には、このガス精製設備16において硫黄分等の微量成分ガスを除去する必要はなく、この場合は、ガス化ガスの持つ200℃以上の顕熱をガス精製設備16で低下させることなく、有効に利用して水性ガスシフト反応を進行させることが可能なため、プロセス全体の熱効率を高めるために好適である。
水性ガスシフト反応器17内において、導入されたガス化ガス中に含有されるCOおよびH2Oは(1)式に従って反応し、H2およびCO2へと転換する。この反応は発熱反応であるため、水性ガスシフト反応器17から排出された水素富化ガス18の温度は水性ガスシフト反応器17へ導入される前のガス化ガス温度よりも上昇しているため、更に廃熱回収器14−2を設置して、熱の有効利用を図っても良い。
引き続き水素富化ガス18は水性ガスシフト反応器17において耐被毒性触媒を用いることによって、ガス精製設備16においては粉塵除去のみを行い、硫黄分等の微量成分ガスの除去を行わなかった場合は、ガス精製設備19において微量成分ガスの除去を行った後、水素分離精製設備20へ導入され、最終製品である水素ガス21、またそれ以外のガス成分と若干の同伴水素からなるオフガス22とに分離される。この際の水素分離精製設備20としては、吸着分離設備(PSA)、深冷分離設備、膜分離設備等、どのような方式のものを使用しても構わない。
ガス化溶融炉11の方式は気流層型(気流床型、噴流床型)のものに何ら限定するものではなく、流動層型(流動床型)、固定床型等の方式のガス化炉も使用可能である。しかし、他の方式と比較してコンパクト化、高効率化、灰のスラグ化(流動層型は灰のスラグ化が不可能)が可能であり、操業も容易な気流層型のガス化溶融炉を用いることが望ましい。
本発明で使用する汚泥として、下水汚泥以外に、産業排水の生物学的処理施設から発生する余剰の活性汚泥(例えば、コークス炉排水(安水)処理設備、ステンレス酸洗排水の処理設備、各種食品工場の排水処理設備から排出される余剰汚泥等)を用いても良い。
図2に示したプロセスフローに従って、本発明例を実施した。
使用した下水汚泥の分析値を表1に示す。なお、この汚泥は下水処理場の汚泥脱水機から排出されたもの(脱水ケーキ)であり、限界含水率は25質量%であった。
下水汚泥1(脱水ケーキ)120t−wet/day(5t/hr)を、間接加熱式の汚泥乾燥機(溝型攪拌乾燥機=スチームドライヤー)2において乾燥後、生成した水分を含有する汚泥4−1 34t−wet/day(含水率30質量%)をローラーミルタイプの粉砕機5において粒径1mm以下(平均粒径350μm)にまで粉砕後、汚泥供給設備6から空気による気流搬送によってガス化溶融炉11へと投入した。
汚泥供給設備6内の汚泥貯留ホッパーは、プロセス廃熱7(汚泥乾燥機から排出される廃スチーム)によって保温を行い、内部の水分を含有する汚泥4−1の温度が80℃に保たれるようにした。
空気8−1による気流搬送によって高温のガス化溶融炉11内へ吹き込まれた汚泥中の水分は瞬時に蒸発しスチームへと転換し、同時に汚泥中の有機物は酸素製造設備9(PSA)で製造した酸素10と反応することによってガス化し、可燃性のガス化ガス13へと転換した。
ガス化溶融炉11内のガス化温度は1200℃としたが、完全な熱的自立が可能であり、炉温を維持するために外部から補助燃料を添加する必要はなかった。投入される酸素10の濃度(純度)は93%とした。
また、汚泥中の灰分は溶融し、スラグ12として炉底より抜き出された。
炉出口におけるガス化ガス13の組成および流量を表2に示す。H2O/CO比は1.7であり、後段の水性ガスシフト反応器17において安定したシフト反応を起こすために充分なスチームを含有していた。また、ガス中にスチームが比較的多く含有されていたため、シフト反応の平衡が水素側へ移動し、H2/CO比は0.88という値になった。
ガス化溶融炉11から排出されたガス化ガス13は廃熱回収器14−1(廃熱ボイラー)へ導入され、200℃の温度レベルまで熱回収された。なお、廃熱回収器14−1において発生したスチーム23は汚泥乾燥機2における乾燥用熱源として利用した。
廃熱回収器14−1から排出されたガス化ガスはガス精製設備16において脱塵を行った後、耐被毒性触媒(コバルト・モリブデン系)が使用されている水性ガスシフト反応器17へ導入され、ガス化ガス中に含有されるCOはH2Oとの反応によって、その大半がH2へと転換された。
水性ガスシフト反応器17から排出された水素富化ガス18は、ガス精製設備19においてH2S、COS等の微量成分ガスを除去された後、水素分離精製設備(PSA)20によって水素が分離され、純度99.999%以上の製品水素ガス21が620Nm3/hr得られた。
また、同時に発生するオフガス22は汚泥乾燥機2における熱源(乾燥用スチーム製造補助ボイラー燃料)として使用した。
なお、本実施例における汚泥乾燥機の方式として、直接加熱式の乾燥機を採用しても何ら問題ない。
本実施例において、汚泥乾燥機用燃料(乾燥用スチーム製造補助ボイラー燃料)として、オフガス22以外に外部から供給した燃料(A重油)3−2は98L/hrであった。
(比較例)
比較例として、図3に示したプロセスフローに従って、水素製造量を実施例と同量とした水素製造を行った。
(比較例)
比較例として、図3に示したプロセスフローに従って、水素製造量を実施例と同量とした水素製造を行った。
使用した下水汚泥の分析値を表3に示す(下水汚泥は実施例と同じものを使用した)。なお、この汚泥は下水処理場の汚泥脱水機から排出されたもの(脱水ケーキ)であり、限界含水率は25質量%であった。
下水汚泥1(脱水ケーキ)100t−wet/day(4.2/hr)を、間接加熱式の汚泥乾燥機(溝型攪拌乾燥機=スチームドライヤー)2において乾燥後、生成した乾燥汚泥4−2 21t−wet/day(含水率5質量%)を粉砕機5において粒径1mm以下(平均粒径350μm)にまで粉砕後、窒素製造設備(PSA)24によって製造した窒素25による気流搬送によってガス化溶融炉11へと投入した。搬送用ガスを空気とすると、含水率5質量%の乾燥汚泥4−2は発火の恐れがあるため、窒素25を使用した。
高温のガス化溶融炉11内へ吹き込まれた汚泥中の有機物は酸素10と反応することによってガス化し、可燃性のガス化ガスへと転換した。
実施例の場合と同様、ガス化溶融炉11内のガス化温度は1200℃としたが、乾燥汚泥4−2中に含有される水分が少ない分、投入する酸素10量を実施例の場合よりも削減することで対応した。投入される酸素の濃度(純度)は93%とした。
また、汚泥中の灰分は溶融し、スラグ12として炉底より抜き出された。
炉出口におけるガス化ガス13の組成を表4に示す。乾燥汚泥中に含まれる水分が少なかった影響で、H2O/CO比は0.8という低い値であり、後段の水性ガスシフト反応器17においてシフト反応を起こすためのスチームが不足していた。
また、ガス中にスチームが少ない影響で、H2/CO比は0.67となり、H2に対するCOの割合が大きかった。
ガス化溶融炉11から排出された可燃性のガス化ガス13は廃熱回収器14−1(廃熱ボイラー)へ導入され、200℃の温度レベルまで熱回収された。なお、廃熱回収器14−1において発生したスチーム25は汚泥乾燥機2における乾燥用熱源および水性ガスシフト反応器17における添加用スチームとして利用した。
廃熱回収器14−1から排出されたガス化ガスはガス精製設備16において脱塵を行った後、先の廃熱回収器14−1から発生したスチーム23の一部と共に、水性ガスシフト反応器17へ導入され、ガス化ガス中に含有されるCOはH2Oとの反応によって、その大半がH2へと転換された。
水性ガスシフト反応器17(触媒は実施例と同じものを使用)から排出された水素富化ガス18は、ガス精製設備19においてH2S、COS等の微量成分ガスを除去された後、水素分離精製設備(PSA)20によって水素が分離され、純度99.999%以上の製品水素ガス21が620Nm3/hr得られた。
また、同時に発生するオフガス22は汚泥乾燥機における熱源(補助ボイラー燃料)として使用した。なお、本比較例における汚泥乾燥機の方式として、直接加熱式の乾燥機を採用しても何ら問題ない。
本比較例においては、廃熱回収器(廃熱ボイラー)14−1から発生したスチームの全量を汚泥乾燥機用熱源として使用することができず、また、汚泥の限界含水率以下にまでの乾燥を行ったため、汚泥乾燥機用燃料(乾燥用スチーム製造補助ボイラー燃料)として外部から供給した燃料(A重油)3−2は194L/hrであった。
更に、比較例を実施例と比較した場合、汚泥乾燥機2の所要伝熱面積は3割増、水性ガスシフト反応器17の必要容量(および必要触媒量)は1割増、汚泥乾燥機2に付随する補助ボイラー容量は3割増となり、更には搬送用の窒素製造設備24が追加で必要であったため、トータルでの設備コストは3割増となった。
従って、本発明の実施例おいては、大幅な燃料削減および設備コスト削減を達成して下水汚泥から水素を製造することが可能であった。
1 汚泥(脱水ケーキ)
2 汚泥乾燥機
3−1 燃料
3−2 燃料(A重油)
4−1 水分を含有する汚泥
4−2 乾燥汚泥
5 粉砕機
6 汚泥供給設備
7 プロセス廃熱
8−1 空気
8−2 空気
8−3 空気
9 酸素製造設備
10 酸素
11 ガス化溶融炉
12 スラグ
13 ガス化ガス
14−1 廃熱回収器
14−2 廃熱回収器
15 乾燥機用熱源
16 ガス精製設備
17 水性ガスシフト反応器
18 水素富化ガス
19 ガス精製設備
20 水素分離精製設備
21 水素ガス
22 オフガス
23 スチーム
24 窒素製造設備
25 窒素
2 汚泥乾燥機
3−1 燃料
3−2 燃料(A重油)
4−1 水分を含有する汚泥
4−2 乾燥汚泥
5 粉砕機
6 汚泥供給設備
7 プロセス廃熱
8−1 空気
8−2 空気
8−3 空気
9 酸素製造設備
10 酸素
11 ガス化溶融炉
12 スラグ
13 ガス化ガス
14−1 廃熱回収器
14−2 廃熱回収器
15 乾燥機用熱源
16 ガス精製設備
17 水性ガスシフト反応器
18 水素富化ガス
19 ガス精製設備
20 水素分離精製設備
21 水素ガス
22 オフガス
23 スチーム
24 窒素製造設備
25 窒素
Claims (5)
- 排水の生物学的処理施設より発生し、有機物及び水分を含有する汚泥を、酸素又は酸素富化空気により部分酸化して、可燃性のガス化ガスとスラグを生成した後、前記ガス化ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気とをシフト反応させて、水素を製造することを特徴とする汚泥からの水素製造方法。
- 前記汚泥の含水率が、25〜50質量%であることを特徴とする請求項1記載の汚泥からの水素製造方法。
- 前記酸素又は酸素富化空気は、前記汚泥の完全燃焼に必要な理論酸素量の0.2〜0.8倍を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥からの水素製造方法。
- 前記部分酸化を、1100〜1600℃にて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚泥からの水素製造方法。
- 前記シフト反応の際に、更に外部から水蒸気を添加してシフト反応させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の汚泥からの水素製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005213216A JP2007031492A (ja) | 2005-07-22 | 2005-07-22 | 汚泥からの水素製造方法 |
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-
2005
- 2005-07-22 JP JP2005213216A patent/JP2007031492A/ja not_active Withdrawn
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