JPH11302665A - バイオマスと化石燃料を用いたガス化方法 - Google Patents

バイオマスと化石燃料を用いたガス化方法

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JPH11302665A
JPH11302665A JP10111742A JP11174298A JPH11302665A JP H11302665 A JPH11302665 A JP H11302665A JP 10111742 A JP10111742 A JP 10111742A JP 11174298 A JP11174298 A JP 11174298A JP H11302665 A JPH11302665 A JP H11302665A
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俊太郎 小山
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森原  淳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バイオマスを最適効率でガス化する方法。 【解決手段】バイオマス1と化石燃料2を、同一のガス
化炉30内に別々の位置から供給し、それぞれの原料に
所定量の酸化剤3を加えて、それぞれのガス化火炎を形
成した後、ガスの流れを利用してそれぞれの火炎を混合
させガス化を行うことを特徴とするバイオマスと化石燃
料を用いたガス化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイオマスをガス
化して化学製品用の合成ガスや発電用の燃料を製造する
方法に係わり、特に、高効率でガス化する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】木材、植物、農耕副産物等、いわゆるバ
イオマスはそれ自身炭素元素、水素元素を含むこと、石
炭等の化石燃料より燃焼し易い上に、灰分が少ないので
燃焼器での灰障害が少ない等、クリーンな未利用エネル
ギーと見なされ、これを燃焼して発電する試みがなされ
ている。
【0003】またガス化してCH4、CO、H2等のガス
を得、これをガスタービン/蒸気タービン複合発電シス
テムに供することがJournal of Engineering for Ga
s Turbines and Power.Vol.118,July 1996に記
載されている。これによれば、流動層反応器(Fluidiz
ed−Bed)を用いてガス化することが記載されている。
【0004】ガス化方式には、バイオマスを酸素または
空気と直接接触させて反応させる方式(直接ガス化)
と、外から熱を与えてガス化する方式(間接ガス化)が
ある。間接ガス化法については、熱分解用流動層と、こ
こで得られる熱分解残渣を燃焼して熱分解に必要な熱源
を発生する燃焼炉を併用する方式が試みられている。ガ
ス化の温度は流動層の操作に適するよう、約850〜1
000℃となっている。
【0005】一方、石炭や重質残渣等の化石燃料を単独
でガス化する技術には多くの方法があり、いくつかは商
用水準に至っている。典型的には固定層法(400〜1
200℃)、流動層法(800〜950℃)、気流層法
(1200〜1600℃)がある。固定層法では低温部
があるので、タール等が副生される。流動層法ではある
程度のCH4や原料によってはC2成分の炭化水素ガスが
生成する。気流層法ではH2、COが主要成分である。
【0006】なお、バイオマスの使用に当っては、微粉
炭ボイラや流動層ボイラに石炭の一部または全部を置き
換えて燃焼させることが、Proceedings of 2nd. Int
ernatinal Workshop on Corrosion in Advanced Po
wer Plant Tampa,FL,March 1997にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】バイオマスは、石炭よ
りガス化効率が高くなり易いが、従来のガス化法では、
バイオマス自身の最適ガス化条件で操作されていないと
云う課題がある。ガス化性能を評価する指標には下式で
示される2つがあり、いずれもその値が高いことが望ま
しい。
【0008】
【数1】
【0009】これらの性能を、図3に原料に供給される
酸化剤の量との関係で示した。酸素供給量と原料供給量
の比率(以下酸素比と称す)を増すと、炭素ガス化率
(ηc)と冷ガス効率(ηg)は共に増大し、ある量で
炭素ガス化率は100%に、冷ガス効率は最大値に達す
る。
【0010】さらに酸素比を増大すると炭素ガス化率が
100%に維持されたまま、冷ガス効率は低下する。ガ
ス化では冷ガス効率が最大となる酸素比でガス化するこ
とが望ましい。
【0011】上記の最適条件は、主に原料の元素組成か
ら定まり、熱力学的に理想的な酸素比(以下、最小酸素
比と称す)は、例えば、図3のa値である。しかし、バ
イオマスの場合は、ガス化の最小酸素比で操作すると、
その時の温度が極めて低くなるためガス化反応が十分に
進行せず、実際のガス化特性は図3の実線で示したよう
に、理想的な特性からずれる。反応を十分進行する温度
まで上げるため酸素比はb値まで増やすことが必要で、
その結果、得られる冷ガス効率は理想的な値より、低い
ものとなってしまう。
【0012】また、水分を含んだままガス化する場合に
は、温度を確保するためにさらに酸素が必要となり、冷
ガス効率もさらに低下する。
【0013】このため、酸素比はa値に近い所で操作
し、温度を高めるために外部から熱源を与えることも考
えられている(上記、間接ガス化方法)。しかし、この
場合にはその熱源としてバイオマス自身、または他の燃
料を燃焼して得た熱を供与しているため、この加熱用燃
料のエネルギーまで含めた総合的な冷ガス効率は高くな
い。
【0014】また、通常、バイオマスのガス化装置と加
熱源の発生装置を別個に設けるため、装置の運転,制御
が複雑であったり、設備費が高くなると云う問題があっ
た。
【0015】バイオマスのこのようなガス化特性は、バ
イオマスの元素組成に由来する。代表的なバイオマスで
ある木材の組成の一例を代表的な化石燃料である石炭と
比較して表1に示す。表1のように石炭に比べて酸素元
素が多いのが特徴であり、その結果、発熱量が小さく、
ガス化(または燃焼)温度が低くなる。
【0016】
【表1】
【0017】本発明の目的は、バイオマスのガス化に当
り、簡便な装置で、かつ、理想に近いガス化条件で高効
率にガス化できるバイオマスと化石燃料を用いたガス化
方法の提供にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、バイオマスを
できるだけ最小酸素比でガス化する一方、反応を促進さ
せる温度の維持のため、石炭のガス化ガスを利用するよ
うにしたものである。
【0019】化石燃料はバイオマスより発熱量が大きい
ので、それ自身の最小酸素量でガス化した場合に高温度
を得易い。またガス化したガスのエネルギーを加熱用に
用いるため、総合的な冷ガス効率は従来の間接加熱法よ
りも優れている。
【0020】バイオマスのガス化を推進するためには、
石炭ガス化火炎とよく接触させることが重要であり、こ
のため、従来のようにバイオマスガス化炉と加熱用熱源
発生炉を別個に設けるのではなく、一つの反応容器内で
これを実現する。即ち、木材、植物、農耕副産物等のバ
イオマスと、石炭、重質油、重質残渣油、オイルコーク
ス等の化石燃料を、同一のガス化炉内に別々の位置から
供給し、それぞれの原料に適切な量の酸化剤を加えて、
一旦、それぞれのガス化火炎を形成した後、ガスの流れ
を利用してそれぞれの火炎を混合させるようにした。
【0021】また、化石燃料のガス化火炎は、同原料お
よびバイオマス原料中に含まれる灰分が溶融するような
温度とし、また、混合後の火炎はガス化炉出口における
生成ガスの組成に、少なくともC2成分のガスが含まれ
ないような温度とするようにした。
【0022】これを実現するガス化装置としては、溶融
灰の出口と生成ガスの出口を有し、生成ガス出口径はガ
ス化炉の径より小さくし、バイオマスおよび化石燃料の
供給孔をそれぞれ生成ガス出口および溶融灰出口に近い
位置で、かつ、ガス化炉の接線方向に向けて配置し、ガ
ス化炉内に旋回流れを形成するようにした。
【0023】
【発明の実施の形態】バイオマス火炎と石炭ガス化火炎
を特定温度以上で十分に接触・混合させることが重要で
ある。バイオマスや化石燃料のガス化反応は通常次式で
表わされる。
【0024】
【数2】
【0025】このうち、(1)式の熱分解反応、
(5),(6)式のガス化反応は、吸熱反応で(2)、
(3)および(4)式の燃焼反応が発熱反応である。
【0026】バイオマスの細胞は主にセルロース、ヘミ
セルロース、リグニンより構成され、酸素の多くは−C
2OH、=OH、−CH3Oの形態で存在する。また、
石炭中の酸素は多くが−COOH、−CHOと云う形態
で存在する。バイオマスや化石燃料がガス化炉内でまず
(1)式の熱分解反応を受けると、これらの分子の多く
は直ちCO2、H2O、H2、COや、CH4、C24、C
22の炭化水素ガスに転化する。
【0027】また、同時にチャー(C)や、温度によっ
ては油状物(Tar)が生成する。続いてまたは併行し
て、(2)、(3)、(4)式に従って酸素と反応す
る。この反応で生成したCO2やH2Oが(5)式および
(6)式のガス化反応に供され、チャーを完全にガス化
し、COやH2を多量に発生させる。即ち、前記炭素ガ
ス化率と冷ガス効率を高めるには、次の2点が重要であ
る。
【0028】(i) (5)式および(6)式のガス化
に供するC量を確保するため、(2)式でのCの燃焼量
を過大にしない、即ち、(2)式に与える酸素量を適切
にする。
【0029】(ii) (5)式および(6)式の反応を
進めるため、CO2とH2Oガスの温度は一定以上高くす
る。
【0030】表1のようにバイオマスは石炭に比べ著し
く酸素元素が多いので、(1)式で発生するCO2やH2
Oの量は化石燃料より多い。逆に(2)式で燃焼の対象
となるC(チャー)の発生量が少ない。上記(i)の観
点から、(2)式に供する酸素を与え過ぎない様にする
と、燃焼による発熱量が少ないため、(2)式および
(4)式で生成するCO2ガスおよび(3)式によるH2
Oガスの温度が低くなる。このため、(5)式および
(6)式の反応が進まないのである。
【0031】一方、化石燃料の場合は、表1のように酸
素元素が少ないので、(1)式で発生するC(チャー)
量がバイオマスより多いので、(2)式に供給できる酸
素量はバイオマスより多くでき、その結果として生成ガ
スの温度は高くなる。それゆえ、バイオマス火炎を石炭
ガス化火炎と十分接触,混合することで、バイオマスの
反応で生じたCO2、H2Oを高温にし、(5)式および
(6)式を促進できる。
【0032】十分な接触がない場合は、化石燃料の方は
必要にして十分な温度が確保されるのでガス化反応は進
むが、バイオマスの方は進まない。このため、例えば、
石炭とバイオマスをガス化炉の別々の個所に供給して
も、それぞれ単独の反応が進行するだけで、効率向上に
はならない。
【0033】反応の進行に必要な温度は最低でも800
℃程度で、これ以上高くする必要はない。そこで、適正
酸素量を添加した石炭ガス化火炎の中に、バイオマスの
適正酸素量を添加したガスを接触させると、バイオマス
は例えば900℃の温度場で反応が進行する。このた
め、バイオマスをガス化するための最小酸素比で高い効
率を維持できる。
【0034】次に本発明におけるバイオマス火炎と化石
燃料ガス化火炎の接触方法について説明する。この方法
はガス化する前にバイオマスと化石燃料とを混合してお
き、一つの原料としてガス化する方法と、別々に供給
し、ガス化炉内のガス流れを利用して接触させる方法が
ある。後者の場合はそれぞれの原料を異なる供給手段で
ガス化炉に供給して着火した後、次の二つの方法があ
る。
【0035】(a) 両火炎を衝突させる方法 (b) 旋回流等を利用して混合させる方法 予め両原料を混合して供給する方法は、火炎の接触効率
を高めると云う観点では好ましいが、原料供給量の制御
がたいへんしにくいと云う欠点がある。化石燃料は通
常、数mm程度または100μm程度の微粉であり、ガ
ス化炉への供給は回転式やスクリュー式のフィーダであ
ったり、気流搬送であったりする。
【0036】ガス化は加圧で行なうので、原料の搬送管
は細くなる傾向にある。バイオマスの場合は粉砕して微
粒にできるが、細い管内を安定に搬送するには適さな
い。従って、両者ともフィーダから直接ガス化炉へ供給
するような場合は事前に混合して送れるが、それ以外の
場合は別々の方法で供給する方が制御がし易く、従って
予め混合する方法は好ましくない。
【0037】一方、別々に供給した後接触させる方法に
は、上記(a),(b)の方法があるが、(a)の方法
は混合原料と同様、火炎の温度が均一になる。火炎の温
度はガス化反応の促進を第一に選ぶが、一方で、燃料中
の灰分を溶融する、または溶融しないと云う観点が重要
である。
【0038】溶融させた場合は灰はガラス状で回収でき
るので、その後の取扱いや環境保全性の点で優れる。こ
のため、ガス化炉内はガス化に適当な温度と、灰溶融に
適当な温度を形成することが望ましく、上記(a)では
これの実現が難しい。よって、本発明では(b)の方法
を採用する。
【0039】
【実施例】本発明の一実施例を図1により説明する。バ
イオマス1は通常水分を多く含むので、供給装置10に
導入する前に乾燥する。この乾燥方法としては、別途乾
燥工程を設け、ガス化生成ガスの熱を利用したり、別の
熱源を利用して乾燥する。
【0040】また、輸送やガス化をし易くするために、
適当な大きさに粉砕する必要がある。ここでは数mm程
度の粉末を用いる。これを供給ホッパ10に供給する。
ガス化は加圧下で行なうので、原料を加圧する必要があ
る。この方法はいわゆるロックホッパ方式による。これ
によって加圧下に置かれたバイオマスを定量供給する。
【0041】定量器11は回転式やスクリュー式のフィ
ーダであり、本発明ではいづれの方式でも可能である。
ここで定量されたバイオマスをガス化炉に輸送する。こ
の手段としては、気流搬送と重力による落下法とがあ
る。バイオマスを粉砕したものは、石炭等と異なり、一
つの粉砕粉の形状は不定型であったり、表面が粗かった
りする。このため、搬送過程で機器や管にひっかかり易
く、供給の不安定要因となる。搬送ではこのことに留意
する必要があり、このため、気流搬送は好ましくない。
本発明では、定量器11から排出されたバイオマスは若
干の補助的なガス(例えば窒素ガス3)と共に自由落下
に近い形でガス化炉30に投入する。
【0042】一方、化石燃料として本実施例では石炭2
を考える。石炭は100μm程度以下に粉砕した後、周
知の方法で供給ホッパ20に投入し、定量器21で計測
した後、例えば、窒素ガス3で気流搬送する。ガス化剤
4は酸素、空気またはこれらの混合物を用いる。本実施
例では酸素とし、バイオマスと化石燃料それぞれに転化
する。
【0043】ガス化炉30は、バイオマス供給孔33、
石炭供給孔34、ガス化反応領域39、ガス出口31と
灰出口32および回収ダスト供給孔43で構成される。
【0044】ここで、ガス化反応領域39の一部に、両
原料中に含まれる灰分が溶融するような温度領域を形成
すると共に、ガスの流れを利用してそれぞれの火炎を混
合させ、バイオマスのガス化を促進する方法を説明す
る。
【0045】ガス化出口31の径をガス化反応領域39
の径より小さくし、バイオマス供給孔33をガス化反応
領域39の上部に、石炭供給孔34をその下部にそれぞ
れ設ける。これらの供給孔の配置を図2の模式断面図に
示す。どちらの供給孔もガス化炉の接線方向に向ける
が、バイオマスは図2(a)のようにバイオマス供給孔
33の一カ所から、石炭は石炭供給孔34の複数カ所か
ら〔図2(b)の例では3ヵ所から〕、回収ダストは回
収ダスト供給孔43の一カ所から、それぞれ供給する。
【0046】図2に示すようにガス化炉30の接線方向
に向けて供給することによりガス化反応領域に旋回流が
形成される。このような配置にした上で、バイオマスに
は比較的少量の酸化剤を、石炭にはそれより多い量の酸
化剤を供給する。このようにすると、ガス化反応領域に
3つの温度領域が形成される。
【0047】図1の領域Iは、主にバイオマス火炎に支
配される温度領域である。この火炎は、供給孔の配置と
旋回流れと云う特質から,比較的ガス化反応領域39の
上部壁際に形成され、全体として下降する流れである。
【0048】領域IIは、石炭火炎に支配される温度領域
である。同様にガス化反応領域の下部全域に形成され、
全体として上昇する流れである。
【0049】上記領域Iの火炎は一旦下降するが、ある
点で領域IIの火炎と衝突し、両者が混合した領域IIIが
形成される。この領域IIIの温度は、上記の両ガス化火
炎の平均的な値となる。
【0050】溶融灰36は、ガス化反応領域の最下方に
設けた灰出口32から抜き出す。生成ガス35はガス化
炉30を出て、ダスト回収器40に入れる。回収器はサ
イクロンやフィルター等周知のものでよい。回収された
ダスト42はガス化炉30の石炭供給孔34と同レベル
に設けた回収ダスト供給孔43から供給する。ダスト回
収後のガス41の冷却工程やガス精製工程は図示しない
が、目的に合わせて、周知の方法で行う。
【0051】この方式でバイオマス、石炭およびバイオ
マスと石炭を併用した場合のガス化成績を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2からは、バイオマス単独の場合、酸素
比(=酸素供給量/原料供給量)が0.3の時、ガス化
炉出口温度は940℃となり、冷ガス効率は83.7%
となった。これより酸素比を小さくすると、炭素ガス化
率が低くなり、それに伴って冷ガス効率も低下した。
【0054】また石炭単独のガス化では、灰を溶融させ
る条件のもとで操作した結果、酸素比0.74でガス化
炉出口温度は1330℃となり、冷ガス効率は80.1
%となった。これより酸素比を小さくすると、炭素ガス
化率が低くなり、それに伴って冷ガス効率も低下した。
【0055】本発明によるバイオマスと石炭を併用した
ガス化では、それぞれの供給比率を変えた3例について
示す。バイオマス30%の場合、バイオマスは酸素比
0.17となるように、また、石炭は酸素比0.74とな
るように操作した。
【0056】この時のガス化反応領域Iの温度は135
0℃で、石炭中の灰を溶融させるに十分な温度である。
また両領域から発生したガスの混合領域IIIの温度は1
030℃であった。この時の冷ガス効率は84.4%
で、単独の原料に比べて高い効率となった。これはバイ
オマスへの酸素供給量自体はバイオマス単独の場合より
も少なくし、先に述べた最小酸素量に近づける一方、領
域IIIの温度が石炭ガス化ガスの熱量のために1030
℃と高く維持できたためである。
【0057】この時の石炭の酸素比は0.52で、石炭
単独の場合よりも小さくできた。バイオマスの割合を5
0%、70%にした場合も、同様な考えで酸素供給量を
決めた結果、冷ガス効率はいづれも単独の原料より高く
なった。石炭70%の場合は54%の場合に比べてやや
小さくなった。これはバイオマスの割合を増やすほど、
加熱源としての石炭量が減るので、領域IIIの温度を維
持するためにバイオマスへの酸素量を増やさねばなら
ず、その結果、最小酸素比からずれてくるためである。
【0058】このように図1に示す方法でバイオマスと
石炭を混合してガス化した結果、その相乗効果が現われ
た。
【0059】バイオマスへの酸素量を上記実施例より低
くすると、炭素ガス化率が低くなると共に、生成ガス中
にC2以上の炭化水素ガスが発生した。目的とするガス
は化学合成用や発電用燃料とするので、できるだけ
2,COが多いものが好ましい。酸素量が適切かどう
かは、発生するガスの組成で推定でき、C2以上の成分
が検出されたことは、酸素が少ないか、または、温度が
低いことを示した。
【0060】一方石炭に供給する酸素が上記より低いと
炭素ガス化率が低下する。また多いと冷ガス効率が低下
すると共に、火炎温度が必要以上に高くなり、ガス化炉
材料への負担が大きくなる。
【0061】本実施例では化石燃料として石炭を用いた
が、その他に重質油、重質残渣油、オイルコークス等で
も同様に用いることができる。
【0062】化石燃料中の灰分が実質的に無視し得る場
合は、領域IIの温度は灰溶融条件からは外れるが、バイ
オマスガス化の加熱用に必要な温度には維持する必要が
ある。
【0063】一方、上記原料は発熱量が高いので、最適
ガス化条件でガス化すれば、ほぼ1400〜1800℃
程度の温度になるので、ガス化反応領域の温度は結果的
に上記石炭の場合と同様なプロファイルとなる。
【0064】
【発明の効果】バイオマスと化石燃料の混合燃料を2段
反応法でガス化することにより、表2のごとく石炭単独
より酸素使用量を16〜21%減少できる。このことは
ガス化プラントにおける酸素消費量を減らせることか
ら、酸素プラントの設備費や酸素製造の動力を少なくで
きる。
【0065】このガス化方式をガス化複合発電プラント
に適用した場合、バイオマス単独または石炭単独に比べ
て冷ガス効率の向上を図ることができるので、発電端効
率が向上する。
【0066】また、石炭単独に比べ、冷ガス効率向上と
酸素消費量低減が同時に図ることができるので、前者に
より発電端効率向上が、また後者により所内動力割合の
低減がもたらされ、これらの2重の効果により、送電端
効率を著しく向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるバイオマスと化石燃料
を用いたガス化方法の構成図である。
【図2】図1のガス化炉の燃料供給孔の配置を示す模式
断面図である。
【図3】本発明の一実施例の効率に対する酸素供給量
(対燃料重量比)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…バイオマス、2…化石燃料、3…酸化剤、4…燃料
搬送ガス、10,20…原料加圧ホッパ、11,21…
原料定量装置、30…ガス化炉、33…バイオマス供給
孔、34…石炭供給孔、39…ガス化反応領域、31…
ガス出口、32…灰出口32、43…回収ダスト供給
孔、35…生成ガス、40…ダスト回収器、42…回収
ダスト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木曽 文彦 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイオマスと化石燃料を、同一のガス化
    炉内に別々の位置から供給し、それぞれの原料に所定量
    の酸化剤を加えて、それぞれのガス化火炎を形成した
    後、ガスの流れを利用してそれぞれの火炎を混合させガ
    ス化を行うことを特徴とするバイオマスと化石燃料を用
    いたガス化方法。
  2. 【請求項2】 化石燃料のガス化火炎は、同原料および
    バイオマス原料中に含まれる灰分が溶融する温度とし、
    混合後の火炎はガス化炉出口における生成ガス中にC2
    以上の炭化水素ガスが形成されない温度に酸化剤量を制
    御する請求項1に記載のバイオマスと化石燃料を用いた
    ガス化方法。
  3. 【請求項3】 ガス化炉が溶融灰の出口と生成ガスの出
    口を備え、生成ガスの出口径はガス化炉の径より小さく
    し、バイオマス供給孔を生成ガス出口側に、化石燃料供
    給孔を溶融灰出口側に、それぞれガス化炉の接線方向で
    内部に向けて配置し、ガス化炉内にガス化火炎旋回流を
    形成するようにした請求項1または2に記載のバイオマ
    スと化石燃料を用いたガス化方法。
JP11174298A 1998-04-22 1998-04-22 バイオマスと化石燃料を用いたガス化方法 Expired - Fee Related JP3559163B2 (ja)

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