JP2019203078A - ガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法 - Google Patents

ガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス化炉で製造されるガス化ガス中のタールの含有率を低減させる。【解決手段】ガス化ガス製造装置100は、酸素含有ガスおよび燃焼排ガスのいずれか一方または両方によって固体原料を乾留する乾留炉140と、乾留された固体原料を流動媒体が有する熱でガス化させるガス化炉130と、を備える。乾留炉140を備える構成により、ガス化炉130に導入する固体原料からタールを分離することができる。したがって、ガス化炉130で製造されるガス化ガス中のタールの含有率を低減させることが可能となる。【選択図】図1

Description

本開示は、ガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法に関する。
700℃以上900℃以下の低温の温度範囲において、水蒸気または二酸化炭素等のガス化剤により固体原料をガス化するガス化炉が開発されている。上記低温の温度範囲で固体原料をガス化する技術では、固体原料に含まれるタールが、生成されたガス化ガスに大量に含まれる。タールは250℃未満に冷却されると凝縮する。このため、ガス化炉の後段の機器や配管にタールが付着して堆積する。そうすると、配管等が閉塞したり、機器に含まれる触媒が被毒したりする問題が生じる。
ガス化ガスからタールを除去する技術として、湿式法と乾式法とが提案されている。湿式法は、ガス化ガスに水をスプレー噴霧して冷却し、タールを凝縮させて分離除去する方法である(例えば、特許文献1)。乾式法は、ガス化ガスの一部を部分酸化(燃焼)させて1300℃程度に昇温し、タールを分解除去する方法である(例えば、特許文献2)。
特許第5217292号公報 特許第5217295号公報
上記湿式法は、タールを含む排水が大量に発生するため、排水の処理に要するコストが高くなってしまう。また、上記乾式法は、湿式法と比較してガス化ガス中の可燃性ガス(水素および一酸化炭素)の含有率(冷ガス効率=ガス化ガスの化学エネルギー/固体原料の化学エネルギー)が低くなってしまう。したがって、ガス化炉で製造されるガス化ガス中のタールの含有率を低減させる技術の開発が希求されている。
本開示は、このような課題に鑑み、ガス化炉で製造されるガス化ガス中のタールの含有率を低減させることが可能なガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るガス化ガス製造装置は、酸素含有ガスおよび燃焼排ガスのいずれか一方または両方によって固体原料を乾留する乾留炉と、乾留された固体原料を流動媒体が有する熱でガス化させるガス化炉と、を備える。
また、乾留炉から排出された乾留ガスを燃焼させて流動媒体を加熱する燃焼炉を備え、ガス化炉には、燃焼炉によって加熱された流動媒体が導入されてもよい。
また、乾留炉から排出された乾留ガスをタールが凝縮する温度まで冷却する冷却部を備え、冷却部によって冷却されたガスは、ガス化炉で製造されたガス化ガスとともに送出されてもよい。
また、ガス化炉は、流動媒体および固体原料を収容する収容槽と、収容槽に水蒸気を導入する水蒸気導入部と、を有してもよい。
また、水蒸気導入部は、収容槽内に流動媒体の流動層を形成可能な流速で水蒸気を導入してもよい。
また、乾留炉は、固体原料を収容する本体と、本体に空気を導入する空気導入部と、を備えてもよい。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るガス化ガスの製造方法は、酸素含有ガスおよび燃焼排ガスのいずれか一方または両方で、固体原料を乾留し、乾留した固体原料を流動媒体が有する熱でガス化させる。
本開示によれば、ガス化炉で製造されるガス化ガス中のタールの含有率を低減させることが可能となる。
ガス化ガス製造装置を説明する図である。 精製装置を説明する図である。 ガス化ガスの製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 変形例のガス化ガス製造装置を説明する図である。 褐炭の熱重量示差熱分析の結果を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、ガス化ガス製造装置100を説明する図である。図1に示すように、ガス化ガス製造装置100は、燃焼炉110と、第1配管112と、第2配管114と、サイクロン120と、第3配管122と、ガス化炉130と、第4配管136と、乾留炉140と、第5配管150と、第6配管152と、精製装置210とを含む。なお、図1中、固形物(流動媒体、固体原料、残渣)の流れを実線の矢印で示し、ガス(ガス化ガス、燃焼排ガス、乾留ガス、水蒸気、空気)の流れを破線の矢印で示す。
ガス化ガス製造装置100は、流動媒体の流動層を用い、固体原料をガス化してガス化ガスを製造する。固体原料は、例えば、石炭(褐炭等)、バイオマス(木質ペレット等)等である。また、ガス化ガス製造装置100は、循環流動層式ガス化システムである。つまり、ガス化ガス製造装置100は、燃焼炉110、第2配管114、サイクロン120、第3配管122、ガス化炉130、第1配管112に、流動媒体を熱媒体として循環させている。流動媒体は、粒径が300μm程度の珪砂である。
燃焼炉110は、筒形状である。第1配管112は、燃焼炉110の下部と、後述するガス化炉130とを接続する。燃焼炉110には、第1配管112を通じて、ガス化炉130から燃料および流動媒体が導入される。燃焼炉110では、燃料が燃焼されて、流動媒体が900℃以上1000℃以下に加熱される。第2配管114は、燃焼炉110の上部と、後述するサイクロン120とを接続する。燃焼炉110において加熱された流動媒体および燃焼排ガスは、第2配管114を通じて、サイクロン120に送出される。
サイクロン120は、第2配管114を通じて燃焼炉110から導入された流動媒体と燃焼排ガスとの混合物を固気分離する。第3配管122は、サイクロン120の底部とガス化炉130とを接続する。サイクロン120で分離された高温の流動媒体は、第3配管122を通じて、ガス化炉130に導入される。
高温の流動媒体は、ガス化炉130において、流動化ガス(例えば、水蒸気)によって流動化する。具体的に説明すると、ガス化炉130は、収容槽132と、水蒸気導入部134とを含む。収容槽132は、流動媒体および固体原料を収容する。
水蒸気導入部134は、収容槽132に水蒸気を導入する。水蒸気導入部134は、風箱134aと、ポンプ134bとを含む。風箱134aは、収容槽132の下方に設けられる。風箱134aの上部は、収容槽132の底面としても機能する。風箱134aの上部は、通気可能な分散板で構成されている。ポンプ134bは、風箱134aに水蒸気を導入する。風箱134aに導入された水蒸気は、収容槽132の底面(分散板)から当該収容槽132内に導入される。ポンプ134bは、吐出側が風箱134aに接続される。ポンプ134bは、収容槽132内に流動媒体の流動層を形成可能な流速で水蒸気を風箱134aに導入する。したがって、サイクロン120から導入された高温の流動媒体は、水蒸気によって流動化し、収容槽132内において流動層(例えば、気泡流動層)が形成される。また、ポンプ134bは、収容槽132に収容される固体原料に含まれる炭素に対して0.5モル以上2.0モル以下の水蒸気を導入する。
また、詳しくは後述するが、ガス化炉130(収容槽132)には、乾留炉140から固体原料が導入される。導入された固体原料は、流動媒体が有する700℃以上900℃以下の熱によってガス化され、これによってガス化ガス(合成ガス)が製造される。ガス化炉130で製造されたガス化ガスは、第4配管136を通じて、精製装置210に導入される。第4配管136は、ガス化炉130の上部と、精製装置210とを接続する。精製装置210の具体的な構成については後に詳述する。
そして、上記したように、ガス化炉130において流動化された流動媒体は、ガス化炉130と燃焼炉110とを接続する第1配管112を通じて燃焼炉110に戻される。
このように、本実施形態にかかるガス化ガス製造装置100において、流動媒体は、燃焼炉110、第2配管114、サイクロン120、第3配管122、ガス化炉130、第1配管112を、この順に移動し、再度燃焼炉110に導入されることにより、これらを循環することとなる。
なお、サイクロン120によって分離された燃焼排ガスは、熱交換器124(ボイラ)によって熱交換(冷却)される。熱交換器124によって冷却された燃焼排ガスは、脱硝装置126によって脱硝される。脱硝装置126によって脱硝された燃焼排ガスは、脱硫装置128によって脱硫される。脱硫装置128によって脱硫された燃焼排ガスは、外部に排気される。
また、燃焼炉110には、第1配管112を通じて、ガス化炉130から固体原料の残渣が導入される。固体原料の残渣は、燃焼炉110において燃料として利用される。固体原料の残渣は、固体原料のうち、ガス化炉130においてガス化されずに残ったものである。
以上説明したように、ガス化炉130は固体原料をガス化するが、ガス化炉130に固体原料を直接導入すると、製造されたガス化ガス中のタールの含有率が高くなってしまう。そこで、本実施形態のガス化ガス製造装置100は、乾留炉140を備える。
乾留炉140は、固体原料を空気によって乾留する。つまり、乾留炉140は、固体原料を加熱しタールを気化させて、固体原料からタールを分離する。具体的に説明すると、乾留炉140は、本体142と、空気導入部144とを含む。本体142は、筒形状である。本体142は、固体原料を一時的に収容する。固体原料は、本体142の上部から本体142内に導入される。第5配管150は、乾留炉140の下部と、第3配管122とを接続する。固体原料は、第5配管150、第3配管122を通じて、本体142からガス化炉130に導入される。つまり、固体原料は、本体142内を上方から下方に向かって移動する。
空気導入部144は、例えば、ポンプである。空気導入部144は、吐出側が本体142の下部に接続される。空気導入部144は、空気(例えば、常温(25℃)の空気)を本体142に導入する。空気導入部144によって本体142に導入された空気は、鉛直上方に移動する。したがって、空気は、固体原料と対向して流れることになる。
本体142内において固体原料と空気とが接触することにより、固体原料に含まれる揮発性成分(タール、水素、炭化水素等)が空気中の酸素で部分酸化される。そうすると、部分酸化によって生じる反応熱によって、固体原料が加熱される。本実施形態において、空気導入部144は、本体142内の温度(固体原料の温度)が所定の乾留温度範囲内となるように、空気を導入する。乾留温度範囲の下限温度は、タールが凝縮しない温度(例えば、250℃)である。乾留温度範囲の上限温度は、固体原料から分離された(気化した)タールが完全に燃焼(酸化)する温度未満の温度(例えば、550℃)である。
このように、乾留炉140は、固体原料を乾留温度範囲内に加熱することで、固体原料が乾留される。つまり、乾留炉140は、固体原料からタールを気化させて分離する。こうして、タールが分離(除去)された固体原料(可燃分の90%以上が炭素である固体原料)は、自重で、第5配管150および第3配管122を通じてガス化炉130に導入される。これにより、タールがガス化炉130に殆ど導入されなくなるため、ガス化炉130で製造されるガス化ガス中のタールの含有率を低減することが可能となる。また、乾留炉140は、固体原料を乾留温度範囲内に加熱するため、固体原料から水を除去することができる。
一方、乾留炉140において分離(気化)されたタールは、乾留ガスとして、乾留炉140内を上昇流となって流れる。そして、乾留ガスは、乾留炉140の上部に接続された第6配管152を通じて、燃焼炉110に導入される。第6配管152は、乾留炉140の上部と燃焼炉110の下部とを接続する。燃焼炉110は、乾留ガスを燃料として燃焼させて流動媒体を加熱する。これにより、燃焼炉110において乾留ガスを熱エネルギーに変換することができる。また、燃焼炉110において乾留ガス(タール)を熱分解することが可能となる。
なお、乾留ガスには、タールに加えて、炭化水素、水素、窒素分(アンモニア(NH)、シアン化水素(HCN)等)、および、硫黄分(硫化水素(HS)、硫化カルボニル(COS)、二硫化炭素(CS)等)が含まれる。乾留ガスに含まれる炭化水素および水素は、タールと同様に、燃焼炉110で燃料として利用される。乾留ガスに含まれる窒素分は、上記脱硝装置126によって除去される。乾留ガスに含まれる硫黄分は、上記脱硫装置128によって除去される。
図2は、精製装置210を説明する図である。なお、図2中、ガス化ガスの流れを実線の矢印で示し、排水の流れを破線の矢印で示す。
精製装置210は、ガス化炉130によって製造されたガス化ガスを精製する。具体的に説明すると、精製装置210は、熱交換器212と、直接冷却器214と、ミスト除去器216と、昇圧器218と、排水処理器220とを含む。
熱交換器212は、ガス化炉130によって製造されたガス化ガスと水蒸気との熱交換を行う。熱交換器212は、ガス化ガスの顕熱を水蒸気で回収し、ガス化ガスの出口温度を200℃程度にする。上記したように、ガス化ガス製造装置100は、乾留炉140を備えるため、ガス化炉130によって製造されたガス化ガスにはタールが殆ど含まれない。したがって、熱交換器212においてガス化ガスを、タールが凝縮する温度(250℃)未満まで冷却することができる。つまり、熱交換器212の熱回収効率を向上させることが可能となる。
直接冷却器214は、例えば、スプレー塔で構成される。直接冷却器214は、ガス化ガスを水で洗浄する。具体的に説明すると、直接冷却器214は、ガス化ガスに40℃程度の水をスプレー噴霧することにより、200℃程度のガス化ガスを70℃程度まで冷却する。こうして、直接冷却器214は、ガス化ガスに残存するスラッジを凝縮させ、ガス化ガスから除去する。ミスト除去器216は、例えば、ミストセパレータで構成される。ミスト除去器216は、ガス化ガスを水で洗浄する。具体的に説明すると、ミスト除去器216は、直接冷却器214によって噴霧される冷却水より小径の水滴(40℃程度)をガス化ガスにスプレー噴霧する。こうして、ミスト除去器216は、直接冷却器214で除去できなかったスラッジを凝縮させ、ガス化ガスから除去する。
上記したように、ガス化ガス製造装置100は、乾留炉140を備えるため、ガス化炉130によって製造されたガス化ガスにはタールが殆ど含まれない。したがって、直接冷却器214およびミスト除去器216において、タールを凝縮する必要がなくなり、ガス化ガスに噴霧する水の量を低減することができる。したがって、直接冷却器214およびミスト除去器216を小型化することが可能となる。また、直接冷却器214およびミスト除去器216から、後述する排水処理器220へ排出される排水の量を低減することができる。
昇圧器218は、例えば、ブロワ、圧縮機、ターボ型のポンプ、または、容積型のポンプで構成される。昇圧器218は、ミスト除去器216によって冷却されたガス化ガスを0.1MPa〜5MPaに昇圧する。こうして、精製されたガス化ガス(精製ガス化ガス)は、後段の設備に送出される。
排水処理器220は、直接冷却器214、ミスト除去器216、および、昇圧器218で生じた排水からスラッジを除去する。
[ガス化ガスの製造方法]
続いて、上記ガス化ガス製造装置100を用いたガス化ガスの製造方法を説明する。図3は、ガス化ガスの製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。図3に示すように、ガス化ガスの製造方法は、乾留工程S110、ガス化工程S120、精製工程S130を含む。以下、各工程について詳述する。
[乾留工程S110]
乾留工程S110は、乾留炉140が固体原料を空気で乾留する工程である。
[ガス化工程S120]
ガス化工程S120は、ガス化炉130が、乾留工程S110で乾留された固体原料を流動媒体が有する熱でガス化させる工程である。
[精製工程S130]
精製工程S130は、精製装置210が、ガス化工程S120で製造されたガス化ガスを精製する工程である。
以上説明したように、本実施形態のガス化ガス製造装置100は、乾留炉140を備える。また、ガス化ガス製造装置100を用いたガス化ガスの製造方法は、固体原料を乾留する。これにより、ガス化ガス製造装置100およびこれを用いたガス化ガスの製造方法は、ガス化炉130で製造されるガス化ガス中のタールの含有率を低減することができる。したがって、精製装置210は、酸化改質炉、脱アンモニア装置、および、脱硫装置を省略することが可能となる。
つまり、本実施形態のガス化ガス製造装置100は、従来の湿式法と比較して、排水の発生量が少ない。したがって、ガス化ガス製造装置100は、従来の湿式法と比較して、排水の処理に要するコストを低減することができる。
また、本実施形態のガス化ガス製造装置100は、従来の乾式法とは異なり、酸化改質炉を省略することができる。したがって、ガス化ガス製造装置100は、従来の乾式法と比較して、冷ガス効率を向上させることができる。
つまり、ガス化ガス製造装置100およびこれを用いたガス化ガスの製造方法は、従来の湿式法および乾式法と比較して、ガス化ガスからタールを効率よく除去することが可能となる。
[変形例]
図4は、変形例のガス化ガス製造装置300を説明する図である。図4に示すように、ガス化ガス製造装置300は、燃焼炉110と、第1配管112と、第2配管114と、サイクロン120と、第3配管122と、ガス化炉130と、第4配管136と、乾留炉140と、第5配管150と、精製装置210と、冷却部310と、第7配管312と、合流管314と、分離機320とを含む。なお、上記ガス化ガス製造装置100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
冷却部310は、例えば、スプレー塔で構成される。第7配管312は、乾留炉140の本体142の上部と冷却部310とを接続する。冷却部310は、第7配管312を通じて、乾留炉140から排出された乾留ガスをタールが凝縮する温度まで冷却する。冷却部310を備える構成により、乾留ガス中のタールが凝縮(液化)される。これにより、乾留ガスからタールを除去することができる。つまり、冷却部310は、炭化水素および水素を含む精製乾留ガスを生成する。
合流管314は、冷却部310と第4配管136とを接続する配管である。つまり、冷却部310によって生成された精製乾留ガスは、合流管314を通じて、ガス化炉130で製造されたガス化ガスとともに、精製装置210(熱交換器212)に送出される。
分離機320は、冷却部310で生じた排水を、軽質タール、重質タール、処理水に分離する。分離機320によって分離された軽質タールおよび重質タールは、燃焼炉110で燃焼されたり、製品として販売されたりする。分離機320によって分離された処理水は、燃焼炉110に導入される。これにより、燃焼炉110は、処理水に含まれる水溶性のタールを燃焼させることができる。
以上説明したように、変形例のガス化ガス製造装置300は、冷却部310および合流管314を備える構成により、精製装置210に送出される可燃性ガスの量を増加させることが可能となる。つまり、ガス化ガス製造装置300は、製品となる精製ガス化ガスを増加させることができる。
[実施例]
褐炭の熱重量示差熱分析(TG−DTA)が窒素雰囲気下で行われた。図5は、褐炭の熱重量示差熱分析の結果を示す図である。図5中、縦軸は、褐炭の重量減少速度(mg/秒)を示し、横軸は、雰囲気温度(℃)を示す。
図5に示すように、雰囲気温度が100℃近傍となった際に、褐炭の重量減少速度が大きくなった。これは、褐炭から水が蒸発したためである。また、雰囲気温度が250℃以上になると、褐炭の重量減少速度が増加し、雰囲気温度が430℃程度に到達すると、褐炭の重量減少速度が最も大きくなった(−0.010mg/秒)。さらに、430℃から雰囲気温度が上昇すると、褐炭の重量減少速度は徐々に小さくなり、雰囲気温度が550℃を上回ると褐炭の重量減少速度が−0.004mg/秒となった。
以上の分析結果より、褐炭が250℃以上550℃以下に加熱されると、褐炭に含まれる揮発性成分(タール、水素、炭化水素等)が気化することが確認された。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態および変形例において、乾留炉140が空気によって固体原料を乾留させる構成を例に挙げて説明した。しかし、乾留炉140は、空気以外の酸素含有ガスによって固体原料を乾留してもよい。少なくとも酸素を含むガス(酸素含有ガス)を本体142に導入することにより、固体原料に含まれる揮発性成分を部分酸化することができる。つまり、酸素含有ガスを固体原料と接触させるだけで、別途の加熱装置を備えずとも、固体原料を加熱して乾留することができる。
また、乾留炉140は、酸素含有ガスに代えて、または、加えて、燃焼排ガスによって固体原料を乾留してもよい。これにより、燃焼排ガスが有する熱で固体原料を加熱することができる。つまり、燃焼排ガスを固体原料と接触させるだけで、別途の加熱装置を備えずとも、固体原料を乾留することができる。なお、燃焼排ガスは、サイクロン120で分離された燃焼排ガスであってもよいし、他の設備(ボイラ等)から排気された燃焼排ガスであってもよい。
また、上記実施形態および変形例において、ガス化炉130は、流動媒体の流動層で固体原料をガス化する構成を例に挙げて説明した。しかし、ガス化炉130は、流動媒体が有する熱で固体原料をガス化できればよい。ガス化炉130は、例えば、流動媒体の移動層で固体原料をガス化してもよい。
また、上記実施形態および変形例において、ガス化炉130が水蒸気導入部134を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、ガス化炉130は、水蒸気導入部134を備えずともよい。つまり、ガス化炉130は、水蒸気以外のガス化剤によって固体原料をガス化してもよい。例えば、ガス化炉130は、二酸化炭素によって固体原料をガス化してもよい。
また、上記変形例において、冷却部310によって冷却された乾留ガスは、すべて第4配管136に合流される構成を例に挙げて説明した。しかし、冷却部310によって冷却された乾留ガスの一部が燃焼炉110に導入されてもよい。
また、上記変形例において、合流管314が第4配管136に接続される構成を例に挙げて説明した。しかし、合流管314は、精製装置210(熱交換器212)に直接接続されてもよい。
本開示は、ガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法に利用することができる。
100 ガス化ガス製造装置
110 燃焼炉
130 ガス化炉
132 収容槽
134 水蒸気導入部
140 乾留炉
142 本体
144 空気導入部
300 ガス化ガス製造装置
310 冷却部

Claims (7)

  1. 酸素含有ガスおよび燃焼排ガスのいずれか一方または両方によって固体原料を乾留する乾留炉と、
    乾留された前記固体原料を流動媒体が有する熱でガス化させるガス化炉と、
    を備えるガス化ガス製造装置。
  2. 前記乾留炉から排出された乾留ガスを燃焼させて流動媒体を加熱する燃焼炉を備え、
    前記ガス化炉には、前記燃焼炉によって加熱された流動媒体が導入される請求項1に記載のガス化ガス製造装置。
  3. 前記乾留炉から排出された乾留ガスをタールが凝縮する温度まで冷却する冷却部を備え、
    前記冷却部によって冷却されたガスは、前記ガス化炉で製造されたガス化ガスとともに送出される請求項1または2に記載のガス化ガス製造装置。
  4. 前記ガス化炉は、
    前記流動媒体および前記固体原料を収容する収容槽と、
    前記収容槽に水蒸気を導入する水蒸気導入部と、
    を有する請求項1から3のいずれか1項に記載のガス化ガス製造装置。
  5. 前記水蒸気導入部は、前記収容槽内に前記流動媒体の流動層を形成可能な流速で前記水蒸気を導入する請求項4に記載のガス化ガス製造装置。
  6. 前記乾留炉は、
    前記固体原料を収容する本体と、
    前記本体に空気を導入する空気導入部と、
    を備える請求項1から5のいずれか1項に記載のガス化ガス製造装置。
  7. 酸素含有ガスおよび燃焼排ガスのいずれか一方または両方で、固体原料を乾留し、
    乾留した前記固体原料を流動媒体が有する熱でガス化させるガス化ガスの製造方法。
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