JP7135686B2 - ガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法 - Google Patents

ガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法 Download PDF

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本開示は、ガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法に関する。
現在、石炭、バイオマス等の原料を、水蒸気等のガス化剤でガス化してガス化ガスを製造するガス化炉が利用されている。ガス化炉において製造されたガス化ガスには、水素(H)および一酸化炭素(CO)が含まれる。ガス化ガスは、メタノール、ジメチルエーテル、メタン等の目的製品の出発物質として利用される。
目的製品の生産量を向上させるために、最適なガス化ガスの組成(水素と一酸化炭素とのモル比(H/CO比))にする必要がある。しかし、ガス化ガスの組成は、原料の種類、原料の性状、ガス化剤の種類、ガス化炉の温度、および、原料に対するガス化剤の量によって変化する。
そこで、ガス化炉の後段にシフト反応器を設けておき、シフト反応器において、ガス化ガス中の水素と一酸化炭素とのモル比を調整する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許第4898759号公報
上記シフト反応器を備える技術では、ガス化ガス中の水素の割合を増加させることはできるものの、一酸化炭素の割合を増加させることはできない。したがって、ガス化ガス中の一酸化炭素の割合を増加させることができる技術の開発が希求されている。
本開示は、このような課題に鑑み、ガス化ガス中の一酸化炭素の割合を増加させることが可能なガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るガス化ガス製造装置は、収容槽と、収容槽に水蒸気を供給する水蒸気供給部とを有するガス化炉と、接続管を介してガス化炉に接続されたタール分解炉と、タール分解炉によってタールが分解されたガス化ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離部と、二酸化炭素分離部によって分離された二酸化炭素をガス化炉に供給する二酸化炭素供給部と、タール分解炉によってタールが分解されたガス化ガスから水素を分離する水素分離部と、水素分離部によって分離された水素を、接続管およびタール分解炉のいずれか一方または両方に供給する水素供給部と、を備える。
また、燃焼炉と、燃焼炉およびガス化炉に接続されたサイクロンと、二酸化炭素分離部によって分離された二酸化炭素を、サイクロンで分離された燃焼排ガスで加熱する二酸化炭素加熱部と、を備え、二酸化炭素供給部は、二酸化炭素加熱部によって加熱された二酸化炭素を供給してもよい。
また、水蒸気供給部は、収容槽の下方に設けられる風箱を有し、二酸化炭素供給部は、風箱に二酸化炭素を供給してもよい。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るガス化ガスの製造方法は、ガス化炉において、原料を水蒸気でガス化してガス化ガスを生成する工程と、接続管を介してガス化炉に接続されたタール分解炉において、ガス化ガスに含まれるタールを分解する工程と、タールが分解されたガス化ガスから二酸化炭素を分離する工程と、分離した二酸化炭素をガス化炉に供給する工程と、タールが分解されたガス化ガスから水素を分離する工程と、分離した水素を、接続管およびタール分解炉のいずれか一方または両方に供給する工程と、を含む。

本開示によれば、ガス化ガス中の一酸化炭素の割合を増加させることが可能となる。
ガス化ガス製造装置を説明する図である。 ガス化ガスの製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 変形例のガス化ガス製造装置を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
[ガス化ガス製造装置100]
図1は、ガス化ガス製造装置100を説明する図である。なお、図1中、実線の矢印は、固形物(流動媒体、原料、および、残渣)および液体(水、および、排水)の流れを示す。また、図1中、破線の矢印は、ガス(水蒸気、ガス化ガス、空気、燃焼排ガス、二酸化炭素、および、水素)の流れを示す。また、図1中、一点鎖線の矢印は、信号の流れを示す。
図1に示すように、ガス化ガス製造装置100は、燃焼炉110と、第1配管112と、第2配管114と、サイクロン120と、第3配管122と、熱交換器130、132と、ガス化炉140と、第4配管146と、タール分解炉150と、熱交換器160と、スプレー塔170と、昇圧器180と、排水処理部190と、二酸化炭素分離部200と、二酸化炭素供給部210と、水素分離部220と、水素供給部230と、制御部240とを含む。
ガス化ガス製造装置100は、流動媒体の流動層を用い、原料をガス化してガス化ガスを製造する。原料は、例えば、石炭(褐炭等)、バイオマス(木質ペレット等)等の固体原料である。ガス化ガス製造装置100は、循環流動層式ガス化システムである。つまり、ガス化ガス製造装置100は、燃焼炉110、第2配管114、サイクロン120、第3配管122、ガス化炉140、第1配管112に、流動媒体を熱媒体として循環させている。流動媒体は、粒径が300μm程度の珪砂である。
燃焼炉110は、筒形状である。第1配管112は、燃焼炉110の下部と、後述するガス化炉140とを接続する。燃焼炉110には、第1配管112を通じて、ガス化炉140から燃料および流動媒体が導入される。燃焼炉110は、燃料を燃焼させて、流動媒体を900℃以上1000℃以下に加熱する。第2配管114は、燃焼炉110の上部と、後述するサイクロン120とを接続する。燃焼排ガスおよび燃焼炉110において加熱された流動媒体は、第2配管114を通じて、サイクロン120に送出される。
サイクロン120は、第2配管114を通じて燃焼炉110から導入された流動媒体と燃焼排ガスとの混合物を固気分離する。サイクロン120によって分離された燃焼排ガスは、熱交換器130に導かれる。
熱交換器130(二酸化炭素加熱部)は、サイクロン120の上部に接続される。熱交換器130は、サイクロン120によって分離された燃焼排ガスと、後述する二酸化炭素分離部200によって分離された二酸化炭素とを熱交換する。熱交換器130は、燃焼排ガスを冷却して、二酸化炭素を加熱する。熱交換器130は、後述する水蒸気供給部144によって供給される水蒸気と実質的に等しい温度(例えば、500℃程度)に、二酸化炭素を加熱する。
熱交換器130によって冷却された燃焼排ガスは、熱交換器132に送出される。熱交換器132は、熱交換器130によって冷却された燃焼排ガスと空気とを熱交換する。熱交換器132は、燃焼排ガスを冷却して、空気を加熱する。熱交換器132によって加熱された空気は、燃焼炉110に供給される。熱交換器132によって冷却された燃焼排ガスは、不図示の除塵装置によって除塵される。除塵装置によって除塵された燃焼排ガスは、不図示の脱硝装置によって脱硝される。脱硝された燃焼排ガスは、不図示の脱硫装置によって脱硫される。脱硫された燃焼排ガスは、外部に排気される。
一方、サイクロン120によって分離された流動媒体は、第3配管122に導かれる。第3配管122は、サイクロン120の底部とガス化炉140とを接続する。したがって、サイクロン120で分離された高温の流動媒体は、第3配管122を通じて、ガス化炉140に導入される。
高温の流動媒体は、ガス化炉140において、ガス化剤(水蒸気)によって流動化する。具体的に説明すると、ガス化炉140は、収容槽142と、水蒸気供給部144とを含む。収容槽142は、流動媒体および原料を収容する。
水蒸気供給部144は、収容槽142に水蒸気を供給する。水蒸気供給部144は、風箱144aと、ボイラ144bとを含む。風箱144aは、収容槽142の下方に設けられる。風箱144aの上部は、収容槽142の底面としても機能する。風箱144aの上部は、通気可能な分散板で構成されている。ボイラ144bは、水蒸気を生成する。ボイラ144bは、風箱144aに接続される。ボイラ144bによって生成された水蒸気は、風箱144aに供給される。風箱144aに供給された水蒸気は、収容槽142の底面(分散板)から当該収容槽142内に供給される。ボイラ144bは、収容槽142内に流動媒体の流動層を形成可能な流速で水蒸気を風箱144aに供給する。したがって、サイクロン120から導入された高温の流動媒体は、水蒸気によって流動化する。これにより、収容槽142内において、流動媒体の流動層(例えば、気泡流動層(バブリング流動層))が形成される。
また、ガス化炉140(収容槽142)には、原料が導入される。導入された原料は、流動媒体が有する700℃以上900℃以下の熱および水蒸気によってガス化(水蒸気ガス化)され、これによってガス化ガス(合成ガス)が製造される。ガス化炉140で製造されたガス化ガスは、第4配管146を通じて、タール分解炉150に導入される。第4配管146(接続管)は、ガス化炉140の上部と、タール分解炉150とを接続する。
一方、上記したように、ガス化炉140において流動化された流動媒体は、ガス化炉140と燃焼炉110とを接続する第1配管112を通じて燃焼炉110に戻される。
このように、本実施形態にかかるガス化ガス製造装置100において、流動媒体は、燃焼炉110、第2配管114、サイクロン120、第3配管122、ガス化炉140、第1配管112を、この順に移動し、再度燃焼炉110に導入されることにより、これらを循環する。
また、燃焼炉110には、第1配管112を通じて、ガス化炉140から原料の残渣が導入される。原料の残渣は、燃焼炉110において燃料として利用される。原料の残渣は、原料のうち、ガス化炉140においてガス化されずに残ったものである。
タール分解炉150(酸化改質炉)は、ガス化炉140で生成されたガス化ガスに酸素や空気を加え、ガス化ガスの一部を燃焼させる。そうすると、ガス化ガスは、900℃~1500℃程度になる。これにより、ガス化ガスに含まれるタールが酸化改質(分解)される。
熱交換器160は、タール分解炉150によってタールが分解されたガス化ガスと水蒸気との熱交換を行う。熱交換器160は、ガス化ガスの顕熱を水蒸気で回収し、ガス化ガスの出口温度を300℃以上600℃以下にする。
スプレー塔170は、ガス化ガスに40℃程度の水を噴霧する。これにより、ガス化ガスは、70℃程度まで冷却される。そうすると、ガス化ガスに残存するダスト(スラッジ)が凝縮され、ガス化ガスから除去される。
昇圧器180は、例えば、ブロワ、圧縮機、ターボ型のポンプ、または、容積型のポンプで構成される。昇圧器180は、スプレー塔170によってスラッジが除去されたガス化ガスを0.1MPa~5MPaに昇圧する。
排水処理部190は、スプレー塔170および昇圧器180において生じた排水を浄化する。排水処理部190は、タールデカンタ、原水槽、凝集沈殿槽、浄化槽等を含む。タールデカンタは、排水を一時的に貯留する。タールデカンタは、比重(質量重量および粒径)の違いによって、排水を上澄液と沈降物とに分離する。上澄液には、タールが含まれる。沈降物には、ダストが含まれる。タールデカンタにおいて生じた上澄液は、原水槽に送出される。タールデカンタにおいて生じた沈降物は、所定の処理が施された後、廃棄される。原水槽は、タールデカンタで分離された上澄液と、昇圧器180において生じた排水を一時的に貯留する。凝集沈殿槽には、原水槽から排水(上澄液を含む)が導かれる。凝集沈殿槽は、排水と凝集剤とを混合する。これにより、排水中の無機イオンが凝集されて、排水から除去される。浄化槽には、凝集沈殿槽から排水が導かれる。浄化槽は、排水中のアンモニアおよび有機物を除去する。こうして、処理された排水は、放流される。
二酸化炭素分離部(図1中、「CO2分離部」と示す)200は、例えば、物理吸収法を利用した装置、または、化学吸収法を利用した装置である。二酸化炭素分離部200は、ガス化炉140で生成されたガス化ガスから二酸化炭素を分離する。
二酸化炭素供給部210は、第5配管212と、ポンプ214と、第6配管216と、第7配管216aと、流量調整弁216bと、第8配管218とを含む。第5配管212は、二酸化炭素分離部200とポンプ214の吸入側とを接続する。第6配管216は、ポンプ214の吐出側と熱交換器130とを接続する。第7配管216aは、第6配管216から分岐される。流量調整弁216bは、第6配管216における、第7配管216aの分岐箇所と熱交換器130との間に設けられる。第8配管218は、熱交換器130と、ガス化炉140の風箱144aとを接続する。
ポンプ214は、二酸化炭素分離部200によってガス化ガスから分離された二酸化炭素を熱交換器130に導く。そうすると、二酸化炭素分離部200によってガス化ガスから分離された二酸化炭素は、熱交換器130において加熱される。そして、熱交換器130によって加熱された二酸化炭素は、第8配管218を通じて、ガス化炉140の風箱144aに供給される。風箱144aに供給された二酸化炭素は、水蒸気とともに収容槽142に供給される。
一方、第7配管216aを通過した二酸化炭素は、後段の二酸化炭素処理設備に送出される。
水素分離部(図1中、「H2分離部」と示す)220は、例えば、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力スイング吸着)法を利用した装置、または、水素分離膜を含む装置である。水素分離部220は、二酸化炭素分離部200によって二酸化炭素が分離されたガス化ガスから水素の一部を分離する。水素分離部220によって、一部の水素が取り除かれたガス化ガスは、精製ガス化ガスとして、後段の製品製造設備に送出される。
水素供給部230は、第9配管232と、ポンプ234と、第10配管236と、第11配管236aと、流量調整弁236bとを含む。第9配管232は、水素分離部220とポンプ234の吸入側とを接続する。第10配管236は、ポンプ234の吐出側と第4配管146とを接続する。第11配管236aは、第10配管236から分岐される。流量調整弁236bは、第10配管236における、第11配管236aの分岐箇所と第4配管146との間に設けられる。
ポンプ234は、水素分離部220によってガス化ガスから分離された水素を第4配管146に導く。一方、第11配管236aを通過した水素は、精製ガス化ガスに合流される。
制御部240は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御部240は、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。制御部240は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働してガス化ガス製造装置100全体を管理および制御する。
本実施形態において、制御部240は、精製ガス化ガスの組成(水素と一酸化炭素とのモル比(H/CO比))が、製品製造設備で製造される目的製品の出発物質として最適な組成となるように、流量調整弁216bおよび流量調整弁236bの開度を制御する。
[ガス化ガスの製造方法]
続いて、上記ガス化ガス製造装置100を用いたガス化ガスの製造方法を説明する。図2は、ガス化ガスの製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。図2に示すように、ガス化ガスの製造方法は、ガス化工程S110と、分解工程S120と、第1分離工程S130と、第1供給工程S140と、第2分離工程S150と、第2供給工程S160とを含む。以下、各工程について詳述する。
[ガス化工程S110]
ガス化工程S110は、ガス化炉140において、原料を水蒸気でガス化してガス化ガスを生成する工程である。
[分解工程S120]
分解工程S120は、第4配管146を介してガス化炉140に接続されたタール分解炉150に酸素を供給して、ガス化ガスに含まれるタールを分解する工程である。
[第1分離工程S130]
第1分離工程S130は、二酸化炭素分離部200が、分解工程S120においてタールが分解されたガス化ガスから二酸化炭素を分離する工程である。
[第1供給工程S140]
第1供給工程S140は、二酸化炭素供給部210が、第1分離工程S130において分離した二酸化炭素をガス化炉140に供給する工程である。
なお、この際、制御部240は、精製ガス化ガスの組成が、製品製造設備で製造される目的製品の出発物質として最適な組成となるように、流量調整弁216bの開度を調整する。
[第2分離工程S150]
第2分離工程S150は、水素分離部220が、第1分離工程S130において二酸化炭素が分離されたガス化ガスから水素を分離する工程である。
[第2供給工程S160]
第2供給工程S160は、水素供給部230が、第2分離工程S150において分離した水素を、第4配管146に供給する工程である。
なお、この際、制御部240は、精製ガス化ガスの組成が、製品製造設備で製造される目的製品の出発物質として最適な組成となるように、流量調整弁236bの開度を調整する。
以上説明したように、本実施形態のガス化ガス製造装置100およびこれを用いたガス化ガスの製造方法は、二酸化炭素分離部200および二酸化炭素供給部210を備える。このため、ガス化炉140において、下記反応式(1)に示す反応を進行させることができる。
C + CO → 2CO …反応式(1)
これにより、ガス化炉140で生成されるガス化ガス中の一酸化炭素(CO)の量を増加させることが可能となる。したがって、精製ガス化ガスの組成を目的製品の出発物質として最適な組成とすることができる。このため、目的製品の生産量を向上させることが可能となる。例えば、目的製品がメタノールである場合、最適な組成は、水素:一酸化炭素=2.05:1となる。目的製品がジメチルエーテル(DME)である場合、最適な組成は、水素:一酸化炭素=2:1となる。目的製品がメタンである場合、最適な組成は、水素:一酸化炭素=3:1となる。
また、ガス化ガス製造装置100は、二酸化炭素を一酸化炭素に変換して、目的製品に固定することができる。つまり、ガス化ガス製造装置100は、二酸化炭素の排出量(大気への排出量)を削減することが可能となる。
また、ガス化ガス製造装置100は、熱交換器130を備え、二酸化炭素供給部210は、熱交換器130によって加熱された二酸化炭素をガス化炉140に供給する。このため、ガス化炉140の温度を低下させることなく、上記反応式(1)に示す反応を進行させることができる。したがって、原料(C(炭素))から一酸化炭素の変換を効率よく行うことが可能となる。
また、ガス化ガス製造装置100は、燃焼炉110において生じた燃焼排ガスが有する熱で二酸化炭素を加熱(予熱)する。このため、ガス化ガス製造装置100は、二酸化炭素の加熱専用の加熱器を省略することができる。したがって、加熱器に要するコスト、および、加熱器の運転コスト(消費エネルギー)を削減することが可能となる。
また、二酸化炭素供給部210は、風箱144aに二酸化炭素を供給する。このため、二酸化炭素供給部210は、収容槽142に偏りなく(満遍なく)二酸化炭素を供給することができる。したがって、上記反応式(1)に示す反応が局所的に生じる事態を回避することが可能となる。これにより、原料(C(炭素))から一酸化炭素の変換、および、水蒸気ガス化を効率よく行うことが可能となる。
また、ガス化ガス製造装置100およびこれを用いたガス化ガスの製造方法は、水素分離部220および水素供給部230を備える。このため、タール分解炉150に導入されるガス化ガス中の水素濃度を増加させることができる。したがって、タール分解炉150において、一酸化炭素と比較して水素を優先して酸化(燃焼)させることが可能となる。これにより、タール分解炉150から送出されるガス化ガス中の一酸化炭素(CO)の量を増加させることが可能となる。したがって、精製ガス化ガスの組成を目的製品の出発物質として最適な組成とすることができる。このため、目的製品の生産量を向上させることが可能となる。
[変形例]
上記実施形態のガス化ガス製造装置100は、水素供給部230が第4配管146に水素を供給する構成を例に挙げて説明した。しかし、タール分解炉150に水素を供給できれば、構成に限定はない。
図3は、変形例のガス化ガス製造装置300を説明する図である。なお、図3中、実線の矢印は、固形物(流動媒体、原料、および、残渣)および液体(水、および、排水)の流れを示す。また、図3中、破線の矢印は、ガス(水蒸気、ガス化ガス、空気、燃焼排ガス、二酸化炭素、および、水素)の流れを示す。また、図3中、一点鎖線の矢印は、信号の流れを示す。
上記ガス化ガス製造装置100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、ガス化ガス製造装置300は、水素供給部330を備える。水素供給部330は、第9配管232と、ポンプ234と、第12配管336と、第13配管336aと、流量調整弁336bとを含む。
第12配管336は、ポンプ234の吐出側とタール分解炉150とを接続する。第13配管336aは、第12配管336から分岐される。流量調整弁336bは、第12配管336における、第13配管336aの分岐箇所とタール分解炉150との間に設けられる。
変形例のガス化ガス製造装置300は、水素供給部330を備える。このため、タール分解炉150中の水素濃度を増加させることができる。したがって、タール分解炉150において、一酸化炭素と比較して水素を優先して酸化(燃焼)させることが可能となる。これにより、タール分解炉150から送出されるガス化ガス中の一酸化炭素(CO)の量を増加させることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態および変形例において、ガス化ガス製造装置100、300が、タール分解炉150、水素分離部220、および、水素供給部230、330を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、タール分解炉150、水素分離部220、および、水素供給部230、330は、必須の構成ではない。
また、上記実施形態において、二酸化炭素加熱部として、燃焼排ガスと熱交換する熱交換器130を例に挙げて説明した。しかし、二酸化炭素加熱部は、二酸化炭素分離部200によって分離され、ガス化炉140に供給される二酸化炭素を加熱できれば、加熱源に限定はない。つまり、燃焼炉110、および、サイクロン120は、必須の構成ではない。二酸化炭素加熱部は、例えば、他の燃焼排ガスと二酸化炭素とを熱交換させる熱交換器、または、電気ヒータであってもよい。
また、上記実施形態において、ガス化炉140が、収容槽142および風箱144aを備える構成を例に挙げて説明した。しかし、ガス化炉140は、原料および水蒸気が導入され、原料を水蒸気ガス化して、ガス化ガスを生成できれば、構成に限定はない。例えば、ガス化炉140は、収容槽142と、散気管とを含んでもよい。この場合、散気管は、収容槽142内に配される。また、散気管は、水蒸気を収容槽142に供給する。そして、二酸化炭素供給部210は、散気管に二酸化炭素を供給してもよい。
また、上記実施形態において、ガス化炉140は、流動媒体の流動層で固体原料をガス化する構成を例に挙げて説明した。しかし、ガス化炉140は、流動媒体が有する熱で固体原料を水蒸気ガス化できればよい。ガス化炉140は、例えば、流動媒体の移動層で固体原料をガス化してもよい。
また、上記実施形態および変形例において、二酸化炭素供給部210が風箱144aに二酸化炭素を供給する構成を例に挙げて説明した。しかし、二酸化炭素供給部210は、ガス化炉140に二酸化炭素を供給できればよい。
また、ガス化ガス製造装置100、300は、水素分離部220によって分離された水素を加熱する水素加熱部を備えてもよい。水素加熱部は、例えば、サイクロン120によって分離された燃焼排ガスと水素とを熱交換させる熱交換器、または、電気ヒータであってもよい。
本開示は、ガス化ガス製造装置、および、ガス化ガスの製造方法に利用することができる。
100 ガス化ガス製造装置
110 燃焼炉
120 サイクロン
130 熱交換器(二酸化炭素加熱部)
140 ガス化炉
142 収容槽
144a 風箱
146 第4配管(接続管)
150 タール分解炉
200 二酸化炭素分離部
210 二酸化炭素供給部
220 水素分離部
230 水素供給部
300 ガス化ガス製造装置
330 水素供給部

Claims (4)

  1. 収容槽と、前記収容槽に水蒸気を供給する水蒸気供給部とを有するガス化炉と、
    接続管を介して前記ガス化炉に接続されたタール分解炉と、
    前記タール分解炉によってタールが分解されたガス化ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離部と、
    前記二酸化炭素分離部によって分離された前記二酸化炭素を前記ガス化炉に供給する二酸化炭素供給部と、
    前記タール分解炉によってタールが分解された前記ガス化ガスから水素を分離する水素分離部と、
    前記水素分離部によって分離された前記水素を、前記接続管および前記タール分解炉のいずれか一方または両方に供給する水素供給部と、
    を備えるガス化ガス製造装置。
  2. 燃焼炉と、
    前記燃焼炉および前記ガス化炉に接続されたサイクロンと、
    前記二酸化炭素分離部によって分離された前記二酸化炭素を、前記サイクロンで分離された燃焼排ガスで加熱する二酸化炭素加熱部と、
    を備え、
    前記二酸化炭素供給部は、前記二酸化炭素加熱部によって加熱された前記二酸化炭素を供給する請求項1に記載のガス化ガス製造装置。
  3. 前記水蒸気供給部は、前記収容槽の下方に設けられる風箱を有し、
    前記二酸化炭素供給部は、前記風箱に前記二酸化炭素を供給する請求項1または2に記載のガス化ガス製造装置。
  4. ガス化炉において、原料を水蒸気でガス化してガス化ガスを生成する工程と、
    接続管を介して前記ガス化炉に接続されたタール分解炉において、前記ガス化ガスに含まれるタールを分解する工程と、
    前記タールが分解されたガス化ガスから二酸化炭素を分離する工程と、
    分離した前記二酸化炭素を前記ガス化炉に供給する工程と、
    前記タールが分解されたガス化ガスから水素を分離する工程と、
    分離した前記水素を、前記接続管および前記タール分解炉のいずれか一方または両方に供給する工程と、
    を含むガス化ガスの製造方法。
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