JP2011102353A - ガス化設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粉体燃料の微粉炭を微粉炭供給ホッパ7からガス化炉11へ搬送する搬送媒体として可燃性ガスを用いるガス化設備においては、微粉炭供給ホッパ7から排出される可燃性ガスは焼却処理してから大気へ放出されるため、安全に大気へ放出することができる。
【選択図】図1
Description
図6に示す石炭ガス化複合発電設備において、図中の符号1は原料(燃料)の石炭、3は石炭を粉砕して微粉炭とするミル、5は微粉炭貯蔵ホッパ、7は微粉炭供給ホッパであり、ガス化の原料となる微粉炭は、搬送ガス(搬送媒体)である窒素ガス9により搬送されて空気吹きのガス化炉11内に投入される。なお、この場合の搬送ガスとしては、窒素ガス9の他にも空気等の不活性ガスが使用可能である。
一方、脱硫装置17で分離回収されたオフガスは、オフガス燃焼炉21に導かれて焼却処理される。
ガスタービン設備19は、ガスタービン出力でガスタービン発電機(不図示)を駆動して発電するとともに、高温の燃焼排ガスを蒸気タービン設備23へ供給する。
また、上述した微粉炭供給ホッパ7の搬送ガスは、窒素ガス9や空気等の不活性ガスであるため、微粉炭供給ホッパ7から回収した搬送ガス(排気ガス)は、排気バグフィルタ27を通して除塵した後、大気へ放出される。この場合、複数の微粉炭供給ホッパ7が並列に配置されており、各微粉炭供給ホッパ7は、大気圧のミル3から微粉炭を受け入れるための減圧と、ガス化炉11内へ微粉炭を投入するための搬送媒体による加圧とを順次繰り返して行うことにより、ガス化炉11に対する微粉炭の連続投入を実現している。
しかし、微粉炭のような粉体燃料を気流搬送する搬送ガスとして可燃性ガスを使用する場合には、可燃性ガスである排気ガスをそのまま大気へ放出することができず、従って、微粉炭供給ホッパ7のような燃料供給ホッパを備えたガス化設備においては、粉体燃料の搬送媒体として使用した可燃性ガスを安全に大気放出する技術の開発が望まれる。すなわち、複数の燃料供給ホッパは、各燃料供給ホッパが順番に加減圧を行って粉体燃料をガス化炉へ連続投入するので、減圧時に燃料供給ホッパから排出される搬送媒体の可燃性ガスを安全に処理することが必要となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガス化原料となる微粉炭等の粉体燃料をガス化炉まで気流搬送する場合、搬送媒体として使用し燃料供給ホッパから排気された可燃性ガスを安全に大気放出できるガス化設備を提供することにある。
本発明に係るガス化設備は、粉体燃料を燃料供給ホッパからガス化炉へ搬送する搬送媒体として可燃性ガスを用いるガス化設備において、前記燃料供給ホッパから排出される可燃性ガスが焼却処理してから大気へ放出されることを特徴とするものである。
なお、他の粉体燃料としては、たとえばバイオマス等があり、たとえば微粉炭とバイオマスのように、複数種の粉体を混合した粉体燃料も包含する。
図1に示す実施形態のガス化設備は、微粉炭をガス化した可燃性ガスがガスタービン設備19でガスタービン燃焼器(不図示)の燃料として使用され、ガスタービン出力によりガスタービン発電機(不図示)を駆動して発電するとともに、ガスタービン設備19から排出される燃焼排ガス等の排熱を利用して蒸気タービン設備23で蒸気を生成し、この蒸気により蒸気タービン(不図示)及び蒸気タービン発電機(不図示)を駆動して発電する石炭ガス化複合発電設備の構成要素となっている。なお、図1の系統図は定常運転時に使用する主な構成要素を示すものであり、起動時に使用する主な構成要素は後述する図4に示されている。
この場合の微粉炭供給ホッパ7は、大気圧のミル3から微粉炭を受け入れ、内圧が大気圧より高圧のガス化炉11内へ微粉炭を投入する必要があるため、ガス化炉11内の圧力をPgとすれば、微粉炭の受け入れる際の大気圧から投入時の圧力「Pg+α」までの範囲で加減圧が行われている。すなわち、微粉炭供給ホッパ7を含む微粉炭供給系は複数設けられ、順次微粉炭を投入する微粉炭供給ホッパ7を切り換えていくことで、ガス化炉11に対して微粉炭を連続投入するようになっている。なお、この場合の搬送ガスは、可燃性ガスの種類や供給源が特に限定されるものではなく、たとえばガス化炉11で生成された可燃性ガスの一部を、ガス化炉11の下流側適所から導入して使用できる。
こうして精製された可燃性ガスは、ガスタービン設備19に燃料として供給され、分離回収したチャーは、ガス化炉11に戻して再度ガス化される。また、脱硫装置17で分離されたオフガスは、オフガス焼却炉21に供給して焼却される。
一方、ガスタービンのロータを回転させた燃焼ガスは、高温の燃焼排ガスとして蒸気タービン設備23へ供給される。
排熱回収ボイラは、高温の燃焼排ガスによる加熱を受けて蒸気を生成する。この蒸気が保有するエネルギーは蒸気タービンのロータを回転させ、こうして発生した蒸気タービンの出力は、蒸気タービン発電機の駆動源となる。従って、蒸気タービン発電機による第2段階の発電が行われるため、高効率の発電が可能となる。
一方、本実施形態では、上述した微粉炭供給ホッパ7からガス化炉11に微粉炭を搬送する搬送ガスとして可燃性ガス9Aを用いている。このため、粉炭供給ホッパ7から発生する排気は、すなわち搬送媒体として供給される可燃性ガス9Aの一部は、微粉炭投入工程から微粉炭受け入れ工程に移行する際の減圧により排出される。この排気は、排気バグフィルタ27を通して粒子成分等を除去した後、オフガス焼却炉21へ供給される。従って、粉炭供給ホッパ7から回収された可燃性ガスの排気は、脱硫装置17から供給されるオフガスとともにオフガス焼却炉21で焼却処理され、その排熱を蒸気タービン設備23の蒸気生成に有効利用することができる。
このため、搬送ガスとして使用した可燃性ガスは、オフガス燃焼炉21で焼却処理したことにより、煙突25から大気へ安全に放出することができる。しかも、焼却処理により排出される高温の燃焼排ガスを大気へ放出する際には、蒸気タービン設備23を介して蒸気生成に使用するので、可燃性ガスが有する熱量(カロリー)の回収により、ガス化設備及び石炭ガス化複合発電設備の熱効率を向上させことができる。
すなわち、第1変形例及び第2変形例のガス化設備は、可燃性ガスの供給源に関する構成が異なるだけであり、従って、微粉炭の搬送媒体として使用した可燃性ガス9B,9Cについては、上述した実施形態と同様の過程を経て、煙突25から安全に大気へ放出することができる。
図3に示す第2変形例では、脱硫装置17の下流側から可燃性ガスの一部を導入することにより、搬送媒体の可燃性ガス9Cとして使用する。従って、この可燃性ガス9Cは、脱硫後で硫黄分が除去された可燃性ガスとなり、しかも脱硫処理の過程において温度低下するので、たとえば200℃程度と比較的ガス温度が低い。このため、第1変形例の可燃性ガス9Bと比較すれば、低温の可燃性ガス9Cは、自然発火が懸念される微粉炭の搬送媒体としては好ましい。また、搬送媒体の可燃性ガス9Cは、微粉炭とともにガス化炉11内に投入されるものであるから、硫黄分が少ないほど後処理等において有利になる。
次に、本発明に係るガス化設備について、ガス化炉起動時に適用される第2の実施形態を図4に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と及びその変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態では、ガス化炉11のガス生成が不安定なガス化炉起動時においても、微粉炭の搬送ガスとして可燃性ガスが使用される。この場合、微粉炭供給ホッパ7の排気ガスとして回収された可燃性ガスの排気先は、すなわち、微粉炭供給ホッパ7の排気先は、上述した実施形態のオフガス燃焼炉21からフレアスタック29に変更されている。
従って、微粉炭供給ホッパ7から発生する可燃性ガスの排気についても、排気バグフィルタ27を通して粒子成分等を除去した後、フレアスタック29へ導かれて余剰ガスとともに焼却処理される。
なお、この実施形態においても、上述した第1変形例及び第2変形例と同様に、チャー回収・リサイクル装置15または脱硫装置17の下流側から可燃性ガスの一部を導入し、搬送媒体の可燃性ガス9B,9Cとしてもよい。
次に、本発明に係るガス化設備について、第3の実施形態を図5に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と及びその変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態では、微粉炭の搬送ガスとして使用され、微粉炭供給ホッパ7の排気ガスとして回収された可燃性ガスの排気先が、すなわち、微粉炭供給ホッパ7の排気先が、上述した実施形態のオフガス燃焼炉21またはフレアスタック29から、ガスタービン設備19に変更されている。
なお、この実施形態においても、上述した第1の実施形態に係る第1変形例及び第2変形例と同様に、チャー回収・リサイクル装置15または脱硫装置17の下流側から可燃性ガスの一部を導入し、搬送媒体の可燃性ガス9B,9Cとしてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば粉体燃料が微粉炭に限定されないなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
3 ミル(微粉炭機)
5 微粉炭貯蔵ホッパ
7 微粉炭供給ホッパ(燃料供給ホッパ)
9 窒素ガス(搬送媒体)
9A〜C 可燃性ガス(搬送媒体)
11 ガス化炉
13 ガス冷却器
15 チャー回収・リサイクル装置
17 脱硫装置
19 ガスタービン設備
21 オフガス燃焼炉
23 蒸気タービン設備
25 煙突
27 排気バグフィルタ
29 フレアスタック
Claims (5)
- 粉体燃料を燃料供給ホッパからガス化炉へ搬送する搬送媒体として可燃性ガスを用いるガス化設備において、
前記燃料供給ホッパから排出される可燃性ガスが焼却処理してから大気へ放出されることを特徴とするガス化設備。 - 前記焼却処理がガス化炉の下流に設置されたオフガス燃焼炉で行われることを特徴とする請求項1に記載のガス化設備。
- 前記焼却処理がガス化炉の下流に設置されたフレアスタックで行われることを特徴とする請求項1に記載のガス化設備。
- 前記焼却処理がガス化炉の下流に設置されたガスタービン燃焼器で行われることを特徴とする請求項1に記載のガス化設備。
- 前記可燃性ガスが前記ガス化炉で生成された可燃性ガスの一部を導入して使用されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のガス化設備。
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