JP6008514B2 - ガス化ガスのガス精製装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス火炉でガス化したガス化ガスのガス精製装置に関する。
石炭の有効利用は近年のエネルギー問題での切り札の一つとして注目されている。
一方、石炭を付加価値の高いエネルギー媒体として、変換するためには石炭ガス化技術、ガス精製技術など高度な技術が必要とされる。
このガス化ガスを用いて発電する石炭ガス化複合発電システムが提案されている(特許文献1)。
この石炭ガス化複合発電(Integrated coal. Gasification Combined Cycle:IGCC)とは、石炭を高温高圧のガス化炉で可燃性ガスに転換し、そのガス化ガスを燃料としてガスタービンと蒸気タービンとによる複合発電を行うシステムをいう。
ガス化ガスには水素以外に、CO、CO2が含まれるので、これらを精製する必要があり、精製手段としてCOシフト反応装置及びCO2吸収装置が用いられている(特許文献1)。
特開2004−331701号公報
ところで、COシフト反応装置は、下記式(1)の反応により有用成分であるCO2とH2とを得るようにしているので、多量の水蒸気が必要となる。
CO+H2O→CO2+H2…(1)
特に、精製ガスとしてタービン用の用途以外に、例えばメタノール、アンモニアなどの化成品合成用のガスとして適用する場合には、シフト反応に供給する蒸気量が大きく、システムにおける効率ロスとなる、という問題がある。
また、例えば豪州等の水が豊富に使用できない地域においては、蒸気発生用の水分の確保も困難である、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、ガス化システム内で水蒸気を効率的に活用することができるガス化ガスのガス精製装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、ガス化炉で得られたガス化ガスを供給し、COシフト反応を行い、改質ガスを得るCOシフト触媒を備えたCOシフト反応装置と、前記COシフト反応に用いられるCOシフト反応用水蒸気を、前記COシフト反応装置に供給する第1水蒸気供給ラインと、前記ガス化炉に供給する湿潤原料を過熱蒸気で乾燥させる湿潤原料乾燥装置と、該湿潤原料乾燥装置から排出される排出水蒸気を、前記COシフト反応用水蒸気の水蒸気量を補填する補填用水蒸気として再加熱することなくCOシフト反応装置に供給する第2水蒸気供給ラインとを具備することを特徴とするガス化ガスのガス精製装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記湿潤原料乾燥装置で乾燥された乾燥原料を、前記ガス化炉へ搬送する搬送ラインに、前記湿潤原料乾燥装置から排出される排出水蒸気を供給することを特徴とするガス化ガスのガス精製装置にある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記湿潤原料乾燥装置が、水蒸気ガスを流動ガスとした流動層乾燥装置であることを特徴とするガス化ガスのガス精製装置にある。
本発明によれば、湿潤原料の乾燥の際に発生する湿潤原料乾燥装置から排出されるこの排出水蒸気を水蒸気供給ラインを介して、COシフト反応装置に供給して、COシフト反応の際に用いる水蒸気を補填するので、廃棄水蒸気の有効利用が可能となり、システム効率の向上を図ることができる。
図1は、実施例1に係るガス精製装置の概略図である。 図2は、実施例2に係るガス精製装置の概略図である。 図3は、実施例1に係る低品位炭供給設備を有する低品位炭を用いたガス化複合発電システムの概略構成図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例に係るガス精製装置について、図面を参照して説明する。図1は、ガス精製装置の概略図である。図3は、実施例1に係るガス精製設備を用いたガス化複合発電システムの概略構成図である。
図3は、実施例1に係る低品位炭供給設備を有する低品位炭を用いたガス化複合発電システムの概略構成図である。
実施例1の低品位炭を用いたガス化複合発電システム(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)は、空気を酸化剤としてガス化炉で石炭ガスを生成する空気燃焼方式を採用し、ガス精製装置で精製した後の石炭ガスを燃料ガスとしてガスタービン設備に供給して発電を行っている。即ち、本実施例の石炭ガス化複合発電設備は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備である。この場合、ガス化炉に供給する湿潤原料として低品位炭を使用している。
図3に示すように、石炭ガス化複合発電設備10Aは、原料炭である低品位炭101を供給する低品位炭供給設備11と、低品位炭101を乾燥する流動層乾燥装置12と、乾燥低品位炭(乾燥炭)101Bを供給してガス化し可燃性ガス(生成ガス、石炭ガス)200を生成する石炭ガス化炉14と、ガス化ガスである可燃性ガス(生成ガス、石炭ガス)200中のチャー101Cを回収するチャー回収装置15と、可燃性のガス化ガス(生成ガス、石炭ガス)200Aを精製するガス精製装置16と、精製された燃料ガス200Bを燃焼させてタービンを駆動するガスタービン設備17と、前記ガスタービン設備17からのタービン排ガスを導入する排熱回収ボイラ(Heat Recovery Steam Generator:HRSG)20で生成した蒸気により運転される蒸気タービン(ST)設備18と、前記ガスタービン設備17及び/又は前記蒸気タービン設備18と連結された発電機(G)19とを具備している。
本実施例に係る低品位炭供給設備11は、原炭バンカ21と、石炭供給機22と、粉砕機23とを有している。原炭バンカ21は、低品位炭101を貯留可能であって、所定量の低品位炭101を石炭供給機22に投下することができる。石炭供給機22は、原炭バンカ21から投下された低品位炭101を例えばコンベアなどにより搬送し、粉砕機23に投下することができる。この粉砕機23は、投下された低品位炭101を所定の大きさに破砕し、粉砕低品位炭(粉砕炭)101Aとすることができる。
流動層乾燥装置12は、低品位炭供給設備11により投入された低品位炭101に対して乾燥用蒸気(例えば150℃程度の過熱蒸気)Aを供給することで、この低品位炭101を流動させながら加熱乾燥するものであり、低品位炭101が含有する水分を除去することができる。そして、この流動層乾燥装置12は、外部に取り出された乾燥済の乾燥炭101Bを冷却する冷却器31が設けられ、乾燥冷却済の乾燥炭101Bが乾燥炭バンカ34に貯留される。また、流動層乾燥装置12は、上部から取り出された発生蒸気104に同伴される乾燥炭の粒子を分離する乾燥炭サイクロン等の集塵装置30が設けられ、発生蒸気104から微粒の乾燥炭の粒子を分離している。なお、サイクロン等の集塵装置30で乾燥炭が分離された蒸気は、蒸気圧縮機で圧縮されてから流動層乾燥装置12に乾燥用蒸気として供給するようにしてもよい。
流動層乾燥装置12で乾燥され、ついで冷却された乾燥冷却済の乾燥炭101Bは、その後、バグフィルタ32、ビンシステム33を介して、一時乾燥炭バンカ34に貯留される。
石炭ガス化炉14は、乾燥炭バンカ34から供給される乾燥炭101Bが供給可能であると共に、チャー回収装置15で回収されたチャー(石炭の未燃分)101Cが戻されてリサイクル可能となっている。
即ち、石炭ガス化炉14は、ガスタービン設備17(圧縮機61)から圧縮空気供給ライン41が接続されており、このガスタービン設備17で圧縮された圧縮空気が供給可能となっている。空気分離装置42は、大気中の空気40から窒素(N2)と酸素(O2)を分離生成するものであり、第1窒素供給ライン43が石炭ガス化炉14に接続され、この第1窒素供給ライン43は乾燥炭供給ライン35に接続されている。また、第2窒素供給ライン45も石炭ガス化炉14に接続され、この第2窒素供給ライン45にチャー回収装置15から回収されたチャー101Cを戻すチャー戻しライン46が接続されている。更に、酸素供給ライン47は、圧縮空気供給ライン41に接続されている。この場合、窒素(N2)は、乾燥炭101Bやチャー101Cの搬送用ガスとして利用され、酸素(O2)は、酸化剤として利用される。
石炭ガス化炉14は、例えば、噴流床形式のガス化炉であって、内部に供給された乾燥炭101B、チャー101C、空気(酸素)、またはガス化剤としての水蒸気を燃焼・ガス化すると共に、一酸化炭素を主成分とする可燃性ガス(生成ガス、石炭ガス)200を発生させ、この可燃性ガス200をガス化剤としてガス化反応を生じさせている。なお、石炭ガス化炉14は、微粉炭の混入した溶融スラグ等の異物を除去する異物除去装置48が設けられている。
本例では、石炭ガス化炉14として噴流床ガス化炉を例示しているが、本発明は、これに限定されず、例えば流動床ガス化炉や固定床ガス化炉としてもよい。そして、この石炭ガス化炉14は、チャー回収装置15に向けて可燃性ガス200のガス生成ライン49が設けられており、チャーを含む可燃性ガス200が排出可能となっている。この場合、ガス生成ライン49にガス冷却器を別途設けることで、可燃性ガス200を所定温度まで冷却してからチャー回収装置15に供給するとよい。
チャー回収装置15は、集塵装置51とチャー供給ホッパ52とを有している。この場合、集塵装置51は、1つまたは複数のバグフィルタやサイクロンにより構成され、石炭ガス化炉14で生成された可燃性ガス200に含有するチャー101Cを分離することができる。そして、チャー101Cが分離された可燃性のガス化ガス200Aは、ガス排出ライン53を通してガス精製装置16に送られる。チャー供給ホッパ52は、集塵装置51で可燃性ガス200から分離されたチャー101Cを貯留するものである。なお、集塵装置51と供給ホッパ52との間にビンを配置し、このビンに複数の供給ホッパ52を接続するように構成してもよい。そして、供給ホッパ52からのチャー戻しライン46が第2窒素供給ライン45に接続されている。
ガス精製装置16は、チャー回収装置15によりチャー101Cが分離された可燃性のガス化ガス200Aに対して、COシフト反応を行うと共に、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。そして、ガス精製装置16は、チャー101Cが分離された可燃性のガス化ガス200Aを精製して燃料ガス200Bを製造し、これをガスタービン設備17に供給する。なお、このガス精製装置16では、チャー101Cが分離された可燃性のガス化ガス200A中にはまだ硫黄分(H2S)が含まれているため、例えばアミン吸収液等によって除去することで、硫黄分を最終的には石膏として回収し、有効利用する。
ガスタービン設備17は、圧縮機61、燃焼器62、タービン63を有しており、圧縮機61とタービン63は、回転軸64により連結されている。燃焼器62は、圧縮機61から圧縮空気供給ライン65が接続されると共に、ガス精製装置16から燃料ガス供給ライン66が接続され、タービン63に燃焼ガス供給ライン67が接続されている。また、ガスタービン設備17は、圧縮機61から石炭ガス化炉14に延びる圧縮空気供給ライン41が設けられており、中途部に昇圧機68が設けられている。従って、燃焼器62では、圧縮機61から供給された圧縮空気40Aとガス精製装置16から供給された燃料ガス200Bとを混合して燃焼し、タービン63にて、発生した燃焼ガス202により回転軸64を回転することで発電機19を駆動することができる。
蒸気タービン設備18は、ガスタービン設備17における回転軸64に連結されるタービン69を有しており、発電機19は、この回転軸64の基端部に連結されている。排熱回収ボイラ20は、ガスタービン設備17(タービン63)からの排ガスライン70に設けられており、空気40と高温の排ガス203との間で熱交換を行うことで、蒸気204を生成するものである。そのため、排熱回収ボイラ20は、蒸気タービン設備18のタービン69との間に蒸気204を供給する蒸気供給ライン71が設けられると共に、蒸気回収ライン72が設けられ、蒸気回収ライン72に復水器73が設けられている。従って、蒸気タービン設備18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気204によりタービン69が駆動し、回転軸64を回転することで発電機19を駆動することができる。
そして、排熱回収ボイラ20で熱が回収された排ガス205は、ガス浄化装置74により有害物質を除去され、浄化された排ガス205Aは、煙突75から大気へ放出される。
ここで、実施例1の石炭ガス化複合発電設備10の作動について説明する。
実施例1の石炭ガス化複合発電設備10において、低品位炭供給設備11にて、原炭である低品位炭101が原炭バンカ21に貯留されており、この原炭バンカ21の低品位炭101が石炭供給機22により粉砕機23に投下され、ここで所定の大きさに破砕される。そして、破砕された粉砕低品位炭101Aは、流動層乾燥装置12により加熱乾燥され、乾燥炭101Bとした後、冷却器31により冷却されて冷却済の乾燥炭101Bとされ、乾燥炭バンカ34に貯留される。
乾燥炭バンカ34に貯留された冷却乾燥炭101Bは、空気分離装置42から供給される窒素により乾燥炭供給ライン35を通して石炭ガス化炉14に供給される。また、後述するチャー回収装置15で回収されたチャー101Cが、空気分離装置42から供給される窒素によりチャー戻しライン46を通して石炭ガス化炉14に供給される。更に、後述するガスタービン設備17から抽気された圧縮空気37が昇圧機68で昇圧された後、空気分離装置42から供給される酸素と共に圧縮空気供給ライン41を通して石炭ガス化炉14に供給される。
石炭ガス化炉14では、供給された乾燥炭101B及びチャー101Cが圧縮空気(酸素)37により燃焼し、乾燥炭101B及びチャー101Cがガス化することで、二酸化炭素を主成分とする可燃性ガス(石炭ガス)200を生成することができる。そして、この可燃性ガス200は、石炭ガス化炉14からガス生成ライン49を通して排出され、チャー回収装置15に送られる。
このチャー回収装置15にて、可燃性ガス200は、まず、集塵装置51に供給されることで、ここで可燃性ガス200に含有するチャー101Cが分離される。そして、チャー101Cが分離された可燃性のガス化ガス200Aは、ガス排出ライン53を通してガス精製装置16に送られる。一方、可燃性ガス200から分離した微粒のチャー101Cは、供給ホッパ52に堆積され、チャー戻しライン46を通して石炭ガス化炉14に戻されてリサイクルされる。
チャー回収装置15によりチャー101Cが分離された可燃性のガス化ガス200Aは、ガス精製装置16にて、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物が取り除かれてガス精製され、燃料ガス200Bが製造される。そして、ガスタービン設備17では、圧縮機61が圧縮空気40Aを生成して燃焼器62に供給すると、この燃焼器62は、圧縮機61から供給される圧縮空気40Aと、ガス精製装置16から供給される燃料ガス200Bとを混合し、燃焼することで燃焼ガス202を生成し、この燃焼ガス202によりタービン63を駆動することで、回転軸64を介して発電機19を駆動し、発電を行うことができる。
そして、ガスタービン設備17におけるタービン63から排出された排ガス203は、排熱回収ボイラ20にて、空気40と熱交換を行うことで蒸気204を生成し、この生成した蒸気204を蒸気タービン設備18に供給する。蒸気タービン設備18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気204によりタービン69を駆動することで、回転軸64を介して発電機19を駆動し、発電を行うことができる。
その後、ガス浄化装置74では、排熱回収ボイラ20から排出された排ガス205の有害物質が除去され、浄化された排ガス205Aが煙突75から大気へ放出される。
以下、上述した石炭ガス化複合発電設備10におけるガス精製装置10Aについて詳細に説明する。
図1は、実施例1に係るガス精製装置の概略図である。図1に示すように、本実施例に係るガス精製装置10Aは、ガス化炉14で得られたガス化ガス200Aを供給し、COシフト反応を行い、改質ガス200Bを得るCOシフト触媒211を備えたCOシフト反応装置211と、前記ガス化炉14に供給する湿潤原料である粉砕炭101Aを乾燥させる湿潤原料乾燥装置である流動層乾燥装置12と、該流動層乾燥装置12から排出される排出水蒸気220AをCOシフト反応装置212に供給する水蒸気供給ライン213とを具備するものである。
図1中、符号210はガス化ガス200Aの粉塵を除去するフィルタ、214は改質ガス200B中のCO2を回収するCO2回収装置、200CはCO2回収後の水素(H2)リッチの精製ガスを図示する。
本実施例では、湿潤原料である粉砕炭101Aの乾燥装置として、流動化ガスに水蒸気(流動化蒸気107)を用いた流動層乾燥装置12を用いている。
湿潤原料は約60重量%程度の水分を保有しているので、流動層乾燥装置12から排出される排出水蒸気は、流動に用いた流動化蒸気107と乾燥により発生した蒸気が合算したものとなり、多量となる。
本実施例では、この排出水蒸気220Aを水蒸気供給ライン213により、COシフト反応装置212に供給して、COシフト反応の際に用いる水蒸気を補填するようにしている。
なお、COシフト反応に用いる全ての水蒸気を供給することができない場合には、従来と同様の水蒸気220Bを水蒸気供給ライン215により供給し、COシフト反応が十分に成立するようにしている。
これにより、シフト反応装置212に供給する多量の水蒸気の一部を補填することとなる。
よって、従来の流動層乾燥装置から排出される廃棄水蒸気の有効利用が可能となり、システム効率の向上を図ることができる。
なお、COシフト触媒211の触媒被毒成分が排出水蒸気220Aに含まれる場合には、浄化手段を用いて除去した後、COシフト反応装置212へ供給するようにすればよい。
本実施例では、ガス化炉14に供給する粉砕炭101Aを乾燥させる湿潤原料乾燥装置である流動層乾燥装置12から排出される排出水蒸気220Aを、COシフト反応装置212に水蒸気供給ライン213を介して供給することにより、シフト反応装置212に供給する多量の水蒸気の一部を補填することとなり、廃棄水蒸気の有効活用を図り、システム効率の向上を図ることとなる。
COシフト反応装置212で、COシフト反応された改質ガス200Bは、その後、例えば湿式スクラバ装置(図示せず)によりさらにCOシフト反応後のガス化ガスを浄化し、次いで、ガス化ガス中の二酸化炭素を除去・回収するCO2回収装置を経た後、水素(H2)成分がリッチな精製ガス200Cを得ることができる。
従来は、水蒸気を別途供給していたが、本実施例では、システム内で賄うことが可能となり、約10%程度のコストの低減を図ることが可能となる。
このように、本発明によれば、湿潤原料である例えば褐炭等を乾燥するに際して発生する多量の排出水蒸気の有効利用が可能となると共に、排出水蒸気の排水処理が不要となる。
また、特に水資源が少ない地域において、本設備を設置する場合には、水蒸気の有効利用の寄与が高いものとなる。
図2は、本発明の実施例2に係るガス精製装置の概略図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図2に示すように、実施例2のガス精製装置は、実施例1のガス精製装置において、さらに、水蒸気供給ライン213から分岐する搬送用の水蒸気供給ライン216を、流動層乾燥装置12から乾燥炭101Bを搬送する乾燥炭供給ライン35に接続している。
そして、分岐した一部の排出水蒸気220Aを用いて乾燥炭101Bを、ガス化炉14へ搬送するようにしている。
これにより、ガス火炉14に供給する際に、予め水蒸気が供給され、水蒸気の有効利用を図ることとなる。
10 石炭ガス化複合発電設備
11 低品位炭供給設備
12 流動層乾燥装置
14 石炭ガス化炉
15 チャー回収装置
16 ガス精製装置
17 ガスタービン設備
18 蒸気タービン設備
19 発電機
20 排熱回収ボイラ
101 低品位炭
101A 粉砕低品位炭(粉砕炭)
101B 乾燥低品位炭(乾燥炭)
103 伝熱部材(加熱手段)
104 発生蒸気
200A ガス化ガス
200B 改質ガス
200C 精製ガス
212 COシフト反応装置
220A 排出水蒸気
A 乾燥用蒸気(過熱蒸気)
B 凝縮水

Claims (3)

  1. ガス化炉で得られたガス化ガスを供給し、COシフト反応を行い、改質ガスを得るCOシフト触媒を備えたCOシフト反応装置と、
    前記COシフト反応に用いられるCOシフト反応用水蒸気を、前記COシフト反応装置に供給する第1水蒸気供給ラインと、
    前記ガス化炉に供給する湿潤原料を過熱蒸気で乾燥させる湿潤原料乾燥装置と、
    該湿潤原料乾燥装置から排出される排出水蒸気を、前記COシフト反応用水蒸気の水蒸気量を補填する補填用水蒸気として再加熱することなくCOシフト反応装置に供給する第2水蒸気供給ラインとを具備することを特徴とするガス化ガスのガス精製装置。
  2. 請求項1において、
    前記湿潤原料乾燥装置で乾燥された乾燥原料を、前記ガス化炉へ搬送する搬送ラインに、前記湿潤原料乾燥装置から排出される排出水蒸気を供給することを特徴とするガス化ガスのガス精製装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記湿潤原料乾燥装置が、水蒸気ガスを流動ガスとした流動層乾燥装置であることを特徴とするガス化ガスのガス精製装置。
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