JP6057674B2 - 高水分固体燃料のガス化システム - Google Patents

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Description

本発明は、褐炭等の水分含有量の多い高水分固体燃料を用いるガス化システムに関し、高水分固体燃料の乾燥によるエネルギー効率低下を抑制するシステムに関する。
褐炭等の高水分固体燃料の利用量は、石炭全体の約半分に増加している。褐炭の水分含有量は、30〜65%程度である。これは、日本で発電用に多く用いられている瀝青炭の5〜10倍多い。褐炭の単位重量当たりの真発熱量は、瀝青炭の40〜70%程度であるため、同じ酸素量での褐炭の燃焼温度は、瀝青炭より数百度低くなる。
一方、石炭を部分燃焼(ガス化)させてCOやH2を主成分とする生成ガスを回収し、かつ石炭中の灰分を溶融スラグ化して生成ガスから分離する石炭ガス化炉では、炉内温度を灰融点(1200〜1600℃)以上に高める必要がある。褐炭をそのままガス化炉に投入した場合、その水分量の多さと真発熱量の低さから炉内温度が上がらず、炉内で灰溶融できずにガス化運転できない場合がある。炉内温度を上げるためには、ガス化炉投入前の褐炭を乾燥して水分量を低減し、真発熱量を高めておく必要がある。
さらに、ガス化システム全体でエネルギー効率を高めるため、褐炭乾燥でのエネルギー使用量低減と、発生した水蒸気の有効利用が求められる。例えば、特許文献1には、褐炭の乾燥に流動層を用い、発生した水蒸気を以下の3種類に利用する褐炭乾燥システムが記載されている。
(1)水蒸気を流動層内に再循環し褐炭の流動化ガスおよび直接加熱の熱源に利用する。
(2)水蒸気からの熱回収で発生した新たな水蒸気を流動層内の褐炭を間接的に加熱する熱源に利用する。
(3)水蒸気をシフト反応器におけるシフト反応用蒸気として利用する。
また、特許文献2には、所定の水分を有する亜瀝青炭又は褐炭を乾燥させて、水分量調節石炭とする乾燥装置を、石炭ガス化反応炉の上流に設け、所定の水分量を有する水分量調節石炭を生成し、ガス化炉に水蒸気を供給せずにタール/チャーを効率的にガス化する石炭ガス化システムが開示されている。
特開2011−214582号公報 国際公開2011−129192号公報
褐炭等の高水分の固体燃料を、ガス化炉投入前に乾燥させるガス化システムでは、システム全体のエネルギー効率を高めるため、燃料乾燥でのエネルギー使用量低減と、発生した水蒸気の有効利用が必要である。
まず、燃料乾燥におけるエネルギー使用量試算の一例として、水分50wt%の高水分固体燃料1500t/d(含有水分750t/d)を乾燥し、水分25wt%の高水分固体燃料1000t/d(含有水分250t/d)としてガス化炉に投入する場合の、乾燥後の燃料の総発熱量を表1に示す。また、燃料乾燥に必要な熱量を表2に示す。
表2において、燃料中の水分は20℃の液体で存在すると仮定し、燃料乾燥の定義は、20℃の液体の水を100℃の水蒸気に加熱することとした。
表1の(4)(単位Giga Joule)および表2の(10)から、燃料乾燥に必要な熱量は、乾燥後燃料の総発熱量の約7%に達する。ここで、燃料乾燥の熱源は100℃以上で良く、ガス化システムで発生する排熱利用が効果的である。また、生成ガス中のCO2回収手段を備えたガス化システムにおいては、回収したCO2を加熱し、燃料乾燥の熱源とするシステムも考えられる。しかしながら、特許文献1には、ガス化システムの排熱や回収CO2を用いて燃料乾燥するガス化システムについては、言及されていない。
Figure 0006057674
Figure 0006057674
次に、燃料乾燥で発生した水蒸気の有効利用方法として、発電用、燃料乾燥の流動化媒体や乾燥熱源、ガス化システムで使用する蒸気への転用が考えられる。燃料乾燥で発生した水蒸気を常圧で100℃とすると、火力発電などで用いる蒸気温度(500℃以上)と圧力(20MPa以上)より大幅に低く、エネルギー効率が悪い。また、燃料乾燥の流動化媒体や乾燥熱源とした場合、発生した水蒸気を最終的に全て水として回収することになり、排水処理装置が必要となる。
以上の理由により、燃料乾燥で発生した水蒸気は、ガス化システムで使用する蒸気に転用し、既存の水処理装置で対応するシステムが良い。そのため、燃料乾燥で発生した水蒸気の用途として、生成ガス冷却用とCOシフト反応用に用いることが好適である。
特許文献1には、燃料乾燥で発生した水蒸気を、COシフト反応器でのCOシフト反応用蒸気に利用するシステムについての記載はあるが、生成ガス冷却部に投入するシステムについては記載されていない。
また、特許文献2には、水蒸気ノズルから水蒸気を供給して熱分解ガス化反応炉内を水蒸気富化雰囲気とすることがチャー分解に有効であるが、水蒸気量が増加するとガス化反応炉内の温度が低下して反応速度が低下し、また一定の設備も要するため、水分量調節石炭の水分によりチャー分解等を行う新規な石炭ガス化システムを開示している。しかし、特許文献2には、ガス化反応炉に適切に水蒸気を供給し、かつ褐炭等の乾燥過程で排出される水蒸気の処理を行うガス化システムに関しての記載は特に見あたらない。
本発明の高水分固体燃料のガス化システムは、高水分固体燃料を乾燥する乾燥装置と、乾燥後の高水分固体燃料の粉砕装置と、粉砕後の高水分固体燃料を貯留するホッパと、燃料搬送系統と、ガス化炉と、生成ガス冷却部と、脱塵装置と、水洗塔と、脱硫装置と、COシフト反応器とCO2回収手段を備え、
前記CO2回収手段で回収したCO2を圧縮する圧縮装置と、圧縮CO2を前記乾燥装置に供給するCO2供給系統を備え、圧縮CO2の顕熱を前記高水分固体燃料の乾燥熱源に用い、
前記乾燥装置で発生した水蒸気を含む気体を、前記ガス化炉の下流側で前記ガス化炉からの生成ガスに混合することを特徴とする。
本発明によれば、燃料乾燥で発生した水蒸気をガス化炉の下流で生成ガスに混合させて生成ガスを冷却し、かつシフト反応器の前段においてCOシフト反応を促進する。これにより、生成ガス冷却部を小型化し、かつCOシフト反応器で使用するシフト反応蒸気の使用量を低減する。また、乾燥装置における燃料乾燥の熱源に、COシフト反応器下流の熱回収部で発生した余剰の水蒸気やCO2再生塔でCO2吸収液の再生加熱に用いた後の水蒸気等の、従来は利用されなかったプラント排熱を用いることで、燃料乾燥によるエネルギー効率の低下を抑制する。
本発明の実施例1の高水分固体燃料のガス化システムの系統図である。 本発明の実施例2の高水分固体燃料のガス化システムの系統図である。 本発明の実施例3の高水分固体燃料のガス化システムの系統図である。 本発明の実施例4の高水分固体燃料のガス化システムの系統図である。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の高水分固体燃料のガス化システムについて説明する。
図1は、本発明の実施例1の高水分固体燃料のガス化システムの系統図である。実施例1の高水分固体燃料のガス化システムは、高水分固体燃料の乾燥装置、シフト反応器およびCO2回収手段を備えており、乾燥装置の熱源にシフト反応で高温化した生成ガス、および回収CO2の一部を断熱圧縮して高温化したCO2の顕熱をそれぞれ用いる。
褐炭などの高水分固体燃料1は、その水分含有量が30〜65wt%に達し、日本で発電用に広く用いられている瀝青炭の5〜10倍多い。褐炭などの高水分固体燃料1は、単位重量当たりの発熱量も低いため、ガス化炉16への直接投入が難しい。これは、炉内温度が上がらず、灰溶融および溶融スラグの安定排出ができないためである。
このため、高水分固体燃料1は、まず乾燥装置2で乾燥し、粉砕装置3で粉砕される。その後は、従来の瀝青炭などのガス化システムと同様に、ロックホッパ4に貯留され、移送弁6を介してフィードホッパ5に移送され、搬送管10を介してガス化炉GFに供給される。
ガス化炉GFはガス化部16と、生成ガス冷却部18からなる、ガス化部16には、空気分離器13で空気11より分離した酸素15も供給され、高水分固体燃料1は炉内でガス化し、高温の生成ガス17を発生させる。これと同時に、燃料中の灰分は炉内の高温雰囲気で溶融し、溶融スラグとして生成ガス17から分離される。生成ガス17はガス化部16出口で1000℃以上に達する場合があり、チャー20も同伴しており、生成ガス冷却部18で400℃未満に冷やされる。生成ガス17は、生成ガス冷却部18の下流に設置された脱塵装置19にて脱塵される。ここで、回収されたチャー20はガス化炉16に再投入され、再びガス化される。
脱塵装置19で脱塵された生成ガス17は、水洗塔33で100℃程度に冷却され、かつハロゲン系物質や微細なダストを除去され、脱硫塔34で脱硫される。40℃程度の脱硫後の生成ガス35は、生成ガスの熱交換器36と生成ガスの加熱器37で200℃以上に加熱され、シフト反応器に供給される。シフト反応とは、式(1)に示す反応であり、右方向に進むと発熱反応である。
CO + H2O → CO2 + H2 ・・・・・・(1)

シフト反応は、無触媒下では1000℃以上で活発に進むが、シフト触媒により500℃以下でも活発に反応を進めることが可能である。脱硫後の生成ガス35の加熱温度は、シフト反応器内に充填された触媒の活性温度で決まる。
また、シフト反応器は、通常複数台設置され、シフト反応器の下流側でシフト反応熱を回収することで、シフト反応器内の温度を所定の範囲内に保ち、シフト触媒を保護している。実施例1では、2台のシフト反応器を直列に設置した場合を一例として示し、上流側から第一シフト反応器38、第二シフト反応器54と呼ぶ。
第二シフト反応器54を出たシフト反応後の生成ガス41は、主成分CO2および水素で200℃以上となっており、生成ガス熱交換器36で冷却され、CO2回収手段に供給される。CO2吸収塔42において、シフト反応後の生成ガス41は、CO2吸収液と接触しCO2を除去される。これにより、CO2吸収後の生成ガス43の主成分は水素となり、発電用燃料として使用される他、メタノールやDME(ジメチルエーテル)やアンモニアなどの原料などとして利用される。
CO2吸収塔42でCO2を吸収したCO2吸収液47は、熱交換器44、加熱器45で100℃以上に加熱され、CO2再生塔46に供給される。CO2再生塔46においてCO2を吸収したCO2吸収液47中のCO2を放出させることで、CO2吸収液47の再利用が可能となる。
CO2再生塔46で回収した回収CO2 101は、その一部を再利用CO2 102とし、残りを貯留CO2 103とする。再利用CO2 102の流量は、再利用CO2の流量調整弁51で調整する。再利用CO2 102でも、ガス化システムで排気されたCO2(図中の*b、*c、*e)は、貯留CO2 103に混合して、地中などに貯留すると良い。
CO2再生塔46でのCO2回収率を高く保つには、吸収液を保温する必要がある。そこで、一部の吸収液を、再生加熱用のCO2吸収液48として抜き出し、CO2吸収液の加熱器49で100℃以上に再加熱した後、CO2再生塔46に戻すと良い。この再生加熱の熱源には150〜300℃程度の低温蒸気が適しており、これをCO2吸収液の再生加熱用蒸気50と呼ぶ。
ここで、実施例1では、シフト反応後の生成ガス41からのCO2回収に、吸収液を用いた化学吸収方式を記載したが、物理吸収、化学吸収、吸着、膜分離、深冷分離方式といった他のCO2回収方式を用いても構わない。
次に、前述した乾燥装置2で乾燥後の高水分固体燃料の水分含有量は、燃料性状にもよるが25wt%以下とするのが望ましい。水分含有量をこの程度まで乾燥させておくと、瀝青炭と同様のハンドリングで粉砕することができる。乾燥後の水分含有量は、粉砕性やガス化炉内温度を考慮し、炭種ごとに決めておくと良い。
褐炭に含有される水分は、液体状で粒子に吸着していると考えられる。褐炭中の水分を乾燥させるには、液体状の水を100℃に加熱し、蒸発させて水蒸気とする。一方、褐炭は瀝青炭と比べて自然発火しやすい特徴を持ち、空気雰囲気において150℃以上で自然発火する危険性がある。以上により、乾燥熱源の温度は100℃以上とし、乾燥装置2の内部を酸素を含まないガスで封印して、酸素濃度を下げておく必要がある。本実施例で使用できる酸素を含まないガスとしてCO2、窒素、水蒸気、アルゴンが考えられるが、高温ガスを用いた方が有利であり、CO2又は水蒸気が適する。
また、表2に前述したように、乾燥装置2で大量の水蒸気が発生する。この水蒸気を利用することで、従来(瀝青炭など)のガス化システムでの熱回収による蒸気発生プロセスを不要とでき、またこのプロセスでの熱を乾燥熱源に利用することで、燃料乾燥によるエネルギー効率低下を抑制するガス化システムを構築できる。
実施例1では、乾燥装置2で発生した水蒸気をコンプレッサ28で圧縮してガス化部16の圧力と同等程度まで昇圧し、ガス化部16で発生した生成ガス17の冷却と、シフト反応用水蒸気40として利用するガス化システムについて示す。
シフト反応用水蒸気40は、従来のガス化システムでは主にシフト反応器の下流で、シフト反応熱を熱源として作られていた。しかし、乾燥装置で発生した水蒸気を含む気体27をシフト反応用水蒸気40として用いることができれば、例えば、第一シフト反応器38の下流において、シフト反応で高温化した生成ガス53の熱が余ることになる。
そこで、シフト反応で高温化した生成ガス53を乾燥装置2に供給し、シフト反応で高温化した生成ガス53の顕熱を乾燥熱源に用いると良い。シフト反応で高温化した生成ガス53温度は200℃以上であり、乾燥熱源として好適である。なお、この温度は、シフト反応触媒の活性温度や充填状態で変わる。
一方、前述の生成ガス冷却部18における生成ガス17の冷却方法は、
(a)伝熱管内の蒸気などへの熱交換
(b)噴霧水32の噴霧
(c)生成ガス冷却部での水蒸気を含む気体29との混合
である。
高水分固体燃料1のガス化システムでは(c)を利用できるため、生成ガス冷却部18を小型化し、噴霧水32の流量を削減できる。生成ガス冷却部18において、1000℃以上の生成ガス17に(c)の水蒸気を含む気体を混合させた場合、式(1)のシフト反応が無触媒で進行する。
これにより、後流のシフト反応器に投入するシフト反応用水蒸気40の使用量が低減できる。さらに、高水分固体燃料1の乾燥で発生した水蒸気を含む気体27からも有用な水素を回収しており、高水分固体燃料1の水分を有効利用している。(c)の流量は、下流の水洗塔33でのガス組成や(b)の噴霧水の流量で制約を受けるため、流量調整弁31の設置が必要となる。
これに対し、シフト反応器に供給する水蒸気を含む気体30は、前述の表2の場合であれば、水蒸気を含む気体27の全量を受け入れ可能である。これは、シフト反応用水蒸気40は、量論比以上(2倍近い場合もあり)で運用されているためである。このため、流量調整弁は不要であり、シフト反応に適した温度に加熱するための水蒸気を含む気体の加熱器39を備えていれば良い。
また実施例1では、乾燥後の高水分固体燃料およびチャー20を搬送する不活性ガスに、本システムで回収したCO2の一部を用いている。回収CO2 101の一部を、再利用CO2 102として分岐し、CO2コンプレッサ52で断熱圧縮して昇圧・昇温し、圧縮CO2 104を乾燥装置2に供給する。これは、乾燥装置2における乾燥熱源に、圧縮CO2 104の顕熱を用いるためである。例えば、常温・常圧のCO2を10MPaに圧縮すると、約100℃に昇温できる。
乾燥装置2を出たCO2の一部は、乾燥後の高水分固体燃料のロックホッパ4、フィードホッパ5、およびチャーロックホッパ21、チャーフィードホッパ22に搬送媒体として供給され、ガス化炉GFに供給される。搬送媒体に用いるCO2の流量は、搬送媒体用CO2の流量調整弁60で調整される。
以上により、実施例1は、高水分固体燃料の乾燥で発生した水蒸気を含む気体を高温生成ガスの冷却に用いることで生成ガス冷却部を小型化できるだけでなく、無触媒でのシフト反応促進により燃料中の水分からも水素を回収でき、かつ下流のシフト反応器での水蒸気使用量を低減できる。
また、残りの水蒸気を含む気体を、シフト反応器におけるシフト反応蒸気として活用することで、システム外部から供給するシフト反応用蒸気量を大幅に低減できる。
さらに、この熱源となるシフト反応で高温化した生成ガスの顕熱および回収CO2の一部を断熱圧縮して高温化したCO2の顕熱を高水分固体燃料の乾燥熱源とすることで、燃料乾燥によるエネルギー効率低下を抑え、かつ高水分固体燃料の水分を有効利用するガス化システムを構築できる。
図2に、本発明の実施例2の高水分固体燃料のガス化システムの系統図を示す。実施例2では、実施例1に前述した図1と異なる箇所、すなわちシフト反応で高温化した生成ガス53の顕熱の利用方法と、乾燥装置2の乾燥熱源について説明する。
実施例2は、第一シフト反応器38から出たシフト反応で高温化した生成ガス53の顕熱を回収するためのシフト熱交換器55を新たに設置する。シフト熱交換器55では、この顕熱で水蒸気を200℃以上に加熱し、高水分固体燃料1の乾燥用水蒸気56、およびシフト反応用水蒸気40として第一シフト反応器38、第二シフト反応器54にフィードバックさせて利用する。シフト反応用水蒸気40の流量は、乾燥装置2からのシフト反応器に供給する水蒸気を含む気体30の流量に応じて、シフト反応用水蒸気の流量調整弁57で調整される。
200℃以上に加熱された乾燥用水蒸気56は、乾燥装置2内に導入されその顕熱で高水分固体燃料1を乾燥する。図2では、乾燥用水蒸気56から間接熱交換方式で高水分固体燃料1を加熱しているが、乾燥用水蒸気56の一部又は全部を乾燥装置2内に供給する直接熱交換方式としても構わない。
乾燥装置2を出た乾燥用水蒸気56は、補給蒸気の流量調整弁59で流量調整したシステム外部から供給される補給蒸気58と混合し、シフト熱交換器55で再度200℃以上に加熱される。
以上により、シフト反応で高温化した生成ガスの顕熱で加熱した水蒸気を、高水分固体燃料の乾燥熱源とシフト反応用水蒸気に用いることで、燃料乾燥によるエネルギー効率低下を抑え、かつ高水分固体燃料の水分を有効利用するガス化システムを構築できる。
図3に、本発明の実施例3の高水分固体燃料のガス化システムの系統図を示す。実施例3では、実施例2に前述した図2と異なる箇所、すなわち乾燥用水蒸気56を再生加熱用のCO2吸収液48の加熱熱源にも用いるガス化システムについて説明する。
シフト熱交換器55で200℃以上に加熱した乾燥用水蒸気56を、CO2吸収液の加熱器49に供給する。これにより、再生加熱用のCO2吸収液48を100℃以上に加熱する。一方、加熱器49を出た乾燥用水蒸気56は100℃以上に維持したままで乾燥装置2に供給され、高水分固体燃料1の乾燥熱源となる。
乾燥装置2の入り口における乾燥用水蒸気56の温度は、実施例2の場合よりも低いため、乾燥装置2で利用できる乾燥用水蒸気56の顕熱も少なくなる。このため、外熱を使用せずに乾燥装置2での熱源を確保するために、次の3つの対策が考えられる。
対策1は、断熱圧縮CO2(104)の流量増加である。
対策2は、乾燥用水蒸気56の流量増加である。シフト反応用水蒸気40の流量は、量論比1.5〜2倍程度用いられている。シフト触媒を改良することにより、シフト反応用水蒸気40の流量を削減できれば、乾燥用水蒸気56の流量増加が可能である。
対策3は、酸素を含まない高温ガスを乾燥装置2内部に直接投入することによる伝熱効率向上である。高温で酸素を含まないガスとしては水蒸気とCO2が有望である。対策3については、実施例4で詳述する。
以上により、シフト反応で高温化した生成ガスの顕熱で加熱した水蒸気を、高水分固体燃料の乾燥とCO2吸収液の再加熱の熱源、およびシフト反応用水蒸気として用い、燃料乾燥によるエネルギー効率低下を抑え、かつ高水分固体燃料の水分を有効利用するガス化システムを構築できる。
図4に、本発明の実施例4の高水分固体燃料のガス化システムの系統図を示す。実施例4では、実施例3に前述した図3と異なる箇所、すなわち断熱圧縮CO2 104を、乾燥後の高水分固体燃料を貯留、搬送するホッパに供給し、乾燥後の高水分固体燃料をさらに乾燥し、かつ予熱するシステムについて説明する。
圧縮CO2 104を、乾燥装置2だけでなく、乾燥後の高水分固体燃料を貯留・昇圧するロックホッパ4、加圧状態で搬送用に貯留するフィードホッパ5にも供給する。ロックホッパ4を昇圧しフィードホッパ5に移送するまでの待機時間は、ホッパ容量にもよるが、少なくとも20〜30分以上である。ロックホッパ4内に、搬送媒体でもある高温の圧縮CO2 104を供給して昇圧することで、高水分固体燃料をさらに乾燥できる。このCO2をフィードホッパ5にも供給しガス化炉への搬送媒体として用いることで、高水分固体燃料も予熱できる。
ロックホッパ4からは、ロックホッパ均圧弁7、圧力調整弁9を介して、CO2と水蒸気を含む気体(*b)が排気される。CO2と水蒸気を含む気体(*b)は、生成ガス冷却部18で生成ガス17の冷却に用いると良い。CO2と水蒸気を含む気体(*b)には、微粒の固形物も含まれるが、この固形物は、既存の脱塵装置19で回収すると良い。
また、乾燥装置2の内部に、高温の酸素を含まないガス61を供給し、高水分固体燃料1の加熱を促進させる。高温の酸素を含まないガス61として、水蒸気やCO2が好適である。
このとき、乾燥装置2から発生する水蒸気を含む気体27には、微粒の固形物が含まれる可能性がある。この固形物をシフト反応器に供給すると、シフト反応性の低下やシフト触媒を劣化させる可能性がある。そこで、シフト反応器に供給する水蒸気を含む気体の脱塵装置62を設置し、飛散固形物63を回収する。飛散固形物63は、チャーロックホッパ21からチャー20とともにガス化炉16に供給すると良い。
以上により、断熱圧縮CO2をロックホッパに供給し、昇圧・待機時間を活用して高水分固体燃料を乾燥させることで、乾燥装置の小型化も可能となる。また、断熱圧縮CO2をフィードホッパにも供給することで、高水分固体燃料と搬送媒体を予熱できるので、高水分固体燃料のガス化炉で懸念される炉内温度低下を抑制する対策の一つにもなる。
本発明は、褐炭等の高水分の高水分固体燃料のガス化システムに適用できる。
1…高水分固体燃料
2…乾燥装置
3…粉砕装置
4…ロックホッパ
5…フィードホッパ
6…移送弁
9…圧力調整弁
10…搬送管
11…空気
12…コンプレッサ
13…空気分離器
14…窒素
15…酸素
16…ガス化部
17…生成ガス
18…生成ガス冷却部
19…脱塵装置
27、29、30…水蒸気を含む気体
28…コンプレッサ
31、51…流量調整弁
32…噴霧水
33…水洗塔
34…脱硫装置
35…脱硫後の生成ガス
36、44…熱交換器
37、39、45…加熱器
38…第一シフト反応器
40…シフト反応用水蒸気
41…シフト反応後の生成ガス
42…CO2吸収塔
43…CO2吸収後の生成ガス
46…CO2再生塔
47、48…CO2吸収液
49…加熱器
50…CO2吸収液の再生加熱用蒸気
52…CO2コンプレッサ
53…シフト反応で高温化した生成ガス
54…第二シフト反応器
55…シフト熱交換器
56…乾燥用水蒸気
57…流量調整弁
58…補給蒸気
60…流量調整弁
61…酸素を含まないガス
62…脱塵装置
63…飛散固形物
101…回収CO2
102…再利用CO2
103…貯留CO2
104…圧縮CO2
GF…ガス化炉

Claims (4)

  1. 高水分固体燃料を乾燥する乾燥装置と、乾燥後の高水分固体燃料の粉砕装置と、粉砕後の高水分固体燃料を貯留するホッパと、燃料搬送系統と、ガス化炉と、生成ガス冷却部と、脱塵装置と、水洗塔と、脱硫装置と、COシフト反応器とCO2回収手段を備え、
    前記CO2回収手段で回収したCO2を圧縮する圧縮装置と、圧縮CO2を前記乾燥装置に供給するCO2供給系統を備え、圧縮CO2の顕熱を前記高水分固体燃料の乾燥熱源に用い、
    前記乾燥装置で発生した水蒸気を含む気体を、前記ガス化炉の下流側で前記ガス化炉からの生成ガスに混合することを特徴とする高水分固体燃料のガス化システム。
  2. 請求項1に記載の高水分固体燃料のガス化システムにおいて、前記ホッパとしてロックホッパとフィードホッパを有し、圧縮CO2を前記乾燥装置に供給して前記高水分固体燃料の乾燥熱源とし、前記圧縮CO2を前記ロックホッパと前記フィードホッパへ供給する供給系統を備え、前記圧縮CO2は乾燥後の高水分固体燃料を前記ガス化炉に気流搬送する搬送媒体として用いることを特徴とする高水分固体燃料のガス化システム。
  3. 請求項1に記載の高水分固体燃料のガス化システムにおいて、圧縮CO2を前記乾燥装置、前記ロックホッパ及び前記フィードホッパにそれぞれ供給するCO2供給系統を備え、前記圧縮CO2の顕熱を前記高水分固体燃料の乾燥熱源、および乾燥後の高水分固体燃料の予熱に用いる供給手段を備えたことを特徴とする高水分固体燃料のガス化システム。
  4. 請求項2に記載の高水分固体燃料のガス化システムにおいて、前記ロックホッパおよび前記フィードホッパで発生した水蒸気を含む気体を、前記ガス化炉の下流側で該ガス化炉からの生成ガスに混合することを特徴とする高水分固体燃料のガス化システム。
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