JP6549388B2 - メタン製造固体燃料ガス化システム - Google Patents

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Description

本発明は、メタン製造固体燃料ガス化システムに係り、具体的には石炭などの固体燃料をガス化した生成ガスをシフト反応させ、さらにメタネーション反応させてメタンを製造するメタン製造固体燃料ガス化システムに関する。
石炭などの固体燃料を発電用燃料としてだけでなく、水素、メタン、メタノールやジメチルエーテル(DME;Dimethyl Ether)などに変換し、化学原料や合成天然ガス(SNG;Synthetic Natural Gas)など多目的に利用できるガス化システムへの需要が高まっている。これは、水素やメタノールやDMEを製造することで、ガス化システムの付加価値が高まること、およびメタンから製造したSNGを都市ガスとして既存のパイプラインで利用できることなどによる。
特に、石炭を産出する国や地域では、高価な瀝青炭を販売し、安価な亜瀝青炭や褐炭を近隣で用いる傾向にあり、亜瀝青炭や褐炭を多目的に利用できるガス化システムに対する需要がある。一方、水資源の乏しい国や地域では、システム全体の水使用量を低減できるガス化システムの需要がある。
石炭からメタンを製造するには、石炭をガス化した生成ガスをメタネーション反応させて、メタンを製造するプロセスが必要である。メタネーション反応は、下記の式(1)または式(2)に示すように、副産物として水が生成され、かつメタネーション反応後の生成ガスは反応熱で高温化
(場合によっては数百度に達する。) する。なお、式(1)または式(2)のどちらの反応を進めるかは、生成ガスの組成とメタネーション反応器で使用する触媒で決まる。
CO+3H=CH+HO+206KJ/mol (1)
CO+4H=CH+2HO+165KJ/mol (2)
式(1)と式(2)からわかるように、メタネーション反応器の下流において、メタンを水と分離して蒸留させる工程が必要となるが、メタネーション反応の副産物として生じる水の有効利用と、反応熱の有効活用が求められる。
また、メタネーション反応器の上流側で、生成ガスをシフト反応器に供給して式(3)に示すシフト反応を進め、さらに、場合によってはCOを回収した後にメタネーション反応器に供給するシステムがある。
CO+HO=CO+H+42KJ/mol (3)
シフト反応を進めるためには、水蒸気を添加する必要があるが、その水蒸気濃度は化学量論比より高い値にする必要がある。例えば、シフト触媒にもよるが、概略1.5〜2倍程度の化学量論比にする。したがって、シフト反応後の生成ガス中には、余剰の水蒸気が含まれることになる。生成ガス中に含まれる余剰の水蒸気の多くは、CO回収装置の上流側で冷却される際に凝縮して、水として回収される。この回収された水の有効利用も、併せて求められる。
例えば、特許文献1には、メタネーション反応の反応熱を、石炭の乾燥用熱源に移送するシステムが記載されている。このシステムでは、メタネーション反応熱や石炭ガス化炉における反応熱を用いて水を加熱して蒸気を製造し、固体燃料の予備乾燥に用いる搬送窒素の予熱や、シフト反応器に添加する水蒸気に利用することが記載されている。このシステムは、石炭中の水分量が多く、ガス化炉の上流に乾燥が必要な褐炭等のガス化システムで有効である。
また、特許文献2には、ガス化した生成ガスをシフト反応させ、CO回収した後にメタネーション反応させ、生成ガス中の水分を除去することで水素として回収し、この水素を用いて燃料電池で発電するシステムが記載されている。このシステムでは、CO回収で約40℃となった生成ガスを、メタネーション反応熱で200〜350度程度に加熱するシステムが記載されている。
特開2012−188539号公報 WO 01−004045 A1
上述したように、固体燃料をガス化して製造した生成ガスをメタネーション反応させてメタンを製造するガス化システムにおいて、メタネーション反応熱の有効利用については、特許文献1および特許文献2でそれぞれ言及されている。
しかし、特許文献1では、石炭ガス化炉で高温化した粉塵を含む生成ガスを、間接熱交換方式で冷却するシステムとなっている。このシステムの場合、生成ガスを冷却する熱交換部に粉塵が付着するのを抑えるために熱交換部が大きくなり、装置コストが高くなると考えられる。また、燃料乾燥で発生した粉塵を含む水蒸気、およびシフト反応後の余剰水分やメタネーション反応の副産物として発生した水分の有効利用策について言及されていない。したがって、システム全体の水使用量低減については、考慮されていない。
また、特許文献2では、シフト反応後の余剰水分やメタネーション反応後に生成ガスより除去した水分の有効利用策については、特許文献1と同様に、言及されていない。したがって、システム全体の水使用量低減についても、考慮されていない。
本発明が解決しようとする課題は、固体燃料をガス化した生成ガスからメタンを製造するシステム全体の水使用量を削減することができるメタン製造固体燃料ガス化システムを構築することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のメタン製造固体燃料ガス化システムの第1の態様は、ガス化手段としてのガス化炉で固体燃料をガス化した生成ガスをメタネーション反応させ、メタネーション反応で副産物として発生する水分を分離・回収して、ガス化炉下流の生成ガスに投入し、ガス化炉で高温化した生成ガスと混合させることで、生成ガスを直接冷却する。
第1の態様によれば、メタネーション反応で発生した水分を分離・回収してガス化炉の下流に投入し、ガス化炉で高温化した生成ガスを直接冷却することで、生成ガスを冷却するための生成ガス冷却部を小型化できる。特に、生成ガスの直接冷却に工業用水などを用いる場合、一部をメタネーション反応で発生した水で賄うことにより、システムで使用する工業用水の使用量を削減できる。
また、本発明のメタン製造固体燃料ガス化システムの第2の態様は、生成ガスの一部または全部をシフト反応させ、CO回収部に供給してシフト反応後の生成ガス中のCOを分離・回収する系統を設け、シフト反応後の生成ガスを冷却する過程において、生成ガスに含まれる余剰水蒸気(飽和温度以上)の多くを凝縮させて水として回収し、第1の態様と同様にガス化炉下流で生成ガスに混合させ、生成ガスを直接冷却する。なお、CO回収手段は、吸収液のCOを吸収させるとともに、その吸収液を再生してCOを回収する化学吸収方式を適用して構成することができる。
第2の態様によれば、CO回収部においてシフト反応後の生成ガス中の余剰水蒸気の凝縮水を回収して有効利用できるため、システム全体で使用する工業用水の使用量を削減できる。さらに、第1の態様と第2の態様を組み合わせれば、システムで使用する工業用水の使用量を一層削減できる。また、生成ガス冷却部を小型化することができる。
第1または第2の態様において、メタネーション反応またはシフト反応で生成された水を回収して、ガス化炉下流の生成ガスに複数段に分けて噴霧し、生成ガスの900℃以上の温度域の水蒸気濃度を高めることが好ましい。これによれば、シフト反応器の上流側で式(3)のシフト反応が促進され、下流のシフト反応器に添加する水蒸気の流量を低減でき、かつシフト反応器で使用する触媒量も低減できる。このように、本発明の第1と第2の態様によれば、生成ガス冷却部の小型化による装置コスト低減と、システムにおける工業用水など水の使用量を低減したメタン製造固体燃料ガス化システムを構築することができる。
さらに、本発明のメタン製造固体燃料ガス化システムの第3の態様は、CO回収部におけるCO吸収液の再生塔において、CO吸収液の少なくとも一部を再生加熱するための熱源に、メタネーション反応熱を用いる。具体的には、メタネーション反応で生成される水を、メタネーション反応熱で加熱して高温水または水蒸気とし、この高温水または水蒸気をCO2吸収液の再生加熱器に供給する。これにより、メタネーション反応熱をシステム内で有効利用することができる。ここで、メタネーション反応熱で加熱して高温水または水蒸気を生成する水には、メタネーション反応で発生した水の他に、シフト反応後の余剰蒸気を凝縮させた水を用いる。
従来のCO回収装置では、発電用の水蒸気などの一部を抽気してCO吸収液の再生加熱器に供給しているが、第3の態様によれば、従来の抽気水蒸気の系統を削除、もしくは水蒸気の流量を削減できる。さらに、メタネーション反応で発生した水やシフト反応後の余剰蒸気を凝縮させた水を用いることで、システムで使用する水量を削減したメタン製造固体燃料ガス化システムを構築できる。
また、本発明の第4の態様は、第3の態様においてCO2吸収液の再生加熱器に供給した使用済みの高温水又は水蒸気を、ガス化炉の下流に投入し、ガス化炉で高温化した生成ガスと混合させることで、生成ガスの直接冷却に利用する。ここで用いる水は、工業用水などの補給水、メタネーション反応で副産物として発生した水、シフト反応後の余剰蒸気を凝縮させた水を利用する。これにより、メタネーション反応熱を一層有効利用することができる。
また、ガス化炉で発生した生成ガスに同伴したチャーを回収し、ガス化炉に再投入するシステムを付加することが好ましい。この場合、第3又は第4の態様で生じた高温水または水蒸気をチャー貯留用ホッパやチャー搬送管の外周に供給し、チャーの保温にも利用する。これによれば、メタネーション反応で発生した水やシフト反応後の余剰蒸気を凝縮させた水を加熱して製造した高温水または水蒸気を、チャー貯留用ホッパやチャー搬送管の外周に供給することで、チャーの保温用に用いた高温水又は水蒸気の使用量を削減できる。
さらに、チャーの保温に利用した高温水又は水蒸気は、ガス化炉の下流に投入し、ガス化炉で高温化した生成ガスと混合させることで、生成ガスの直接冷却に利用する。
さらに、ガス化炉と別個に小型ガス化炉を設置し、この小型ガス化炉に、チャー貯留用ホッパからのチャーと、メタネーション反応で500℃以上となった生成ガスの少なくとも一部を供給する系統を設置することが好ましい。この場合、小型ガス化炉で発生したガスは燃料ガスとして利用し、残留したチャーは、チャー搬送管を介してガス化炉に再投入するシステムとする。
また、ガス化炉と別個に設置した小型ガス化炉で、チャーとメタネーション反応後の水蒸気を含む生成ガスを混合させることが好ましい。これにより、式(4)に示すチャーの水蒸気ガス化反応が進む。この反応は高温下ほど進行しやすく、最低温度は500℃程度である。
C+HO=CO+H−131KJ/mol (4)
これにより、ガス化炉内でチャーをガス化させるために投入する酸素の使用量を削減でき、酸素製造のため動力使用量も削減できる。さらに、水蒸気を含む生成ガスから水蒸気を除去する効果もあり、同時に式(4)の吸熱反応により、メタネーション反応で高温化した生成ガスを冷却する効果もある。
また、ガス化炉の上流に固体燃料の乾燥装置を有するシステムを構築する場合は、メタネーション反応後で数百度に高温化した生成ガスを、乾燥装置に供給する系統を設け、固体燃料と間接熱交換させることが好ましい。すなわち、メタネーション反応後で高温化した生成ガスの顕熱で固体燃料を乾燥させることで、メタネーション反応熱の有効利用と、固体燃料の乾燥動力の低減を両立したメタン製造固体燃料ガス化システムを構築できる。
以上説明したように、本発明の第1又は第2の態様によれば、シフト反応後の余剰水やメタネーション反応で副産物として発生する水分を分離・回収して再利用することでシステム全体の水使用量を削減することができる。また、本発明の第3または第4の態様によれば、メタネーション反応熱などのシステムで発生する熱を有効利用することができる。
本発明によれば、固体燃料をガス化した生成ガスからメタンを製造するシステム全体の水使用量を削減することができるメタン製造固体燃料ガス化システムを構築することができる。
本発明の実施例1のメタン製造固体燃料ガス化システムの系統構成図である。 本発明の実施例2のメタン製造固体燃料ガス化システムの系統構成図である。 本発明の実施例3のメタン製造固体燃料ガス化システムの系統構成図である。 本発明の実施例4のメタン製造固体燃料ガス化システムの系統構成図である。 本発明の実施例4を変更したメタン製造固体燃料ガス化システムの系統構成図の一例である。
以下、本発明のメタン製造固体燃料ガス化システムを実施例に基づいて説明する。
図1に、実施例1のメタン製造石炭ガス化システムの系統構成図を示す。図1に示すように、固体燃料としての石炭1を粉砕する粉砕手段としての粉砕装置2と、粉砕装置2で粉砕されて供給される石炭1をガス化するガス化手段としてのガス化炉16と、ガス化炉16の下流に配置される生成ガス冷却部18を備えている。また、生成ガス冷却部18で冷却された生成ガス中の粉塵を除去する脱塵装置19と、脱塵された生成ガスを水洗する水洗塔27と、水洗された生成ガス中の硫黄分を除去する脱硫装置28とからなる生成ガス精製装置を備えている。また、生成ガス精製装置で精製された生成ガスをメタネーション反応させる直列接続された複数のメタネーション反応器35と、メタネーション反応器35でメタネーション反応された生成ガス中の副生物である水分を分離・回収する蒸留塔56とを備えている。さらに、生成ガス精製装置で精製された生成ガスの一部または全部をシフト反応させるシフト反応器34と、シフト反応された生成ガス中のCOを分離・回収するCO吸収塔40とCOを吸収した吸収液を再生するCO再生塔45とからなるCO回収部を備えて構成されている。
次に、図1のメタン製造石炭ガス化システムの詳細構成を動作とともに説明する。石炭1は、粉砕装置2で粉砕されてロックホッパ3に貯留される。ロックホッパ3で所定の圧力まで昇圧された石炭1は、移送弁5を介してフィードホッパ4に移送された後、搬送ガスに同伴されて燃料搬送管9と燃料バーナ10を介して、ガス化炉16に投入される。
石炭1の移送および搬送用ガスとして、NやCOなどの不活性ガスを用いる。本実施例では、システム内で回収したCO再生塔45で処理されたCO(以下、回収CO101と呼ぶ。)の一部を抜き出し、CO用コンプレッサ52で所定圧力に昇圧した再利用CO102を用いる(図中*1参照)。再利用CO102の流量は、流量調整弁51で調整される。また、CO用コンプレッサ52の出口側の圧力を一定とするため、CO用コンプレッサ52の循環COの流量を流量調整弁82により調整する。
石炭1を移送するときは、COをロックホッパ3にも投入し、ロックホッパ均圧弁6とフィードホッパ均圧弁7を開けてロックホッパ3とフィードホッパ4を均圧化することで、石炭1の移送停滞を防ぐ。これらホッパの圧力調整には、圧力調整弁8を用いる。圧力調整弁8からは、石炭1中の粉塵を含むCOが排出される(図中*2参照)。このため、図示していない脱塵手段により粉塵を除去した後、CO回収部の貯留CO103の系統に混合する。なお、粉塵を含むCOを、再度利用して、ロックホッパ3やフィードホッパ4に投入してもよいが、この場合は、機器点数が増加し、操作も煩雑となる。これは、排出されたCOの貯留、流量調整、圧力調整の機器が別途必要となり、かつ、排出されるCO流量が変動するためである。
燃料バーナ10よりガス化炉16に投入された石炭1は、同じく燃料バーナ10より投入された酸素15と混合して部分燃焼してガス化し、高温の生成ガス17を発生する。この生成ガス17の主成分は、COおよびHである。ここで、ガス化炉16に投入する酸素15は、空気分離器13で製造される。空気11をコンプレッサ12で昇圧して空気分離器13に供給して、窒素14と酸素15に分離する。本実施例では、この分離された酸素15を用いる。高温となった生成ガス17は、生成ガス冷却部18に供給される。生成ガス冷却部18において、昇圧ポンプ64で所定の圧力に昇圧された噴霧水63が投入され、生成ガス17を冷却する。噴霧水63を微粒化するため、図示していないが、生成ガス冷却部18の噴霧水の投入口に微粒化ノズルを設置する。
噴霧水63は、後述するシフト反応後やメタネーション反応後に回収した水を用い、不足分は補給水61(例えば工業用水など)を用いる。補給水61の流量は、補給水の流量調整弁62で調整する。また、生成ガス17の冷却には、水蒸気を投入してもよい。水蒸気を投入する場合は、噴霧水63とは別系統により生成ガス冷却用水蒸気66を投入する。本実施例では、生成ガス冷却用水蒸気66を、噴霧水63の下流側に投入する系統を示したが、噴霧水63の上流側に投入する系統としてもよい。この場合、生成ガス冷却用水蒸気66と生成ガス17を混合した後も、900℃以上を保持できれば、生成ガス冷却部18において式(3)に示したシフト反応が進行する。これにより、下流のシフト反応器34における触媒の使用量を低減できる。なお、シフト反応は発熱反応であるが、生成ガス冷却部18の出口部で生成ガス17の温度を監視しながら、別途備えられた噴霧水63の流量を調整しながら運転する。
生成ガス冷却部18を出た生成ガス17は、脱塵装置19で同伴したチャー20と分離される。次いで、水洗塔27でハロゲン系物質(塩素等)や微細な粒子が、さらに脱硫装置28で硫黄分が、それぞれ除去される。これらにより、生成ガス精製装置が形成される。生成ガス17から分離されたチャー20は、チャーロックホッパ21に貯留され、適宜、チャーフィードホッパ22に移送された後、チャー搬送管59およびチャーバーナ60を介してガス化炉16に再投入される。チャー20の搬送ガスには、不活性ガスを用いる。本実施例における搬送ガスは、石炭1と同様に、再利用CO102を用いた系統を示す。
チャー20の移送および搬送の方式は、上述した石炭1と同じ方式である。すなわち、チャー20の移送時には、チャーロックホッパ均圧弁24とチャーフィードホッパ均圧弁25を開けて、チャーロックホッパ21とチャーフィードホッパ22を均圧化し、チャー移送弁23を開けてチャー20を移送する。チャー20の移送促進やホッパの圧力調整用にCOを投入し、チャー系圧力調整弁26の開度調整により、これらホッパの圧力を調整する。チャー系圧力調整弁26より放出されたCOは、脱塵後に貯留用COの系統に投入する。
一方、脱硫装置28から流出される脱硫後の生成ガス29の主成分は、CO、H、CO、HO(水蒸気)である。脱硫後の生成ガス29は、生成ガスの熱交換器30と生成ガスの加熱器31で200〜300℃程度に加熱される。この加熱温度は、下流側のシフト反応やメタネーション反応で使用する触媒の特性に応じて設定する。また、脱硫後の生成ガス29は、シフト反応器34およびメタネーション反応器35に供給される。それぞれの反応器への供給量は、前述した式(1)または式(2)のいずれのメタネーション反応を進めるか、および脱硫後の生成ガス29の組成(CO、H、COの濃度)に基づいて決定される。それぞれの反応器への脱硫後の生成ガス29の供給量は、シフト反応系統の生成ガスの流量調整弁32およびメタネーション反応系統の生成ガスの流量調整弁33で調整される。
本実施例では、式(1)のメタネーション反応を進めるシステムとして説明するが、式(2)のメタネーション反応を進めるシステムとしても構わない。なお、式(1)または式(2)のいずれの反応を進めるかで、メタネーション反応器35に充填する触媒を変える必要がある。シフト反応器34において、脱硫後の生成ガス29は、添加されたシフト反応用水蒸気36と混合し、式(4)に示したシフト反応が進む。これにより、シフト反応後の生成ガス37の主成分は、H、COとなる。ここで、シフト反応後の生成ガス37には、未反応で残留したCOやHO(水蒸気)も含まれる。また、シフト反応は発熱反応であるため、シフト反応後の生成ガス37の温度は、200〜300℃程度であった入り口のガス温度より高くなる。
シフト反応後の生成ガス37は、生成ガスの熱交換器30および冷却器70で40℃程度まで冷却される。ここで凝縮した水は、ドラム71にて分離され、シフト反応後に回収された水72となる。本実施例では、シフト反応後に回収された水72の全量を、噴霧水63として有効利用するシステムを示す(*a参照)。また、ドラム71を通過したシフト反応後の生成ガス37には飽和水蒸気が残留する。なお、シフト反応後に回収された水72には、メタノール等の副生成物の混入が懸念される。これは、シフト反応後の生成ガス37に、未反応で残留したCOやHO(水蒸気)が残留することに起因する。本実施例では、シフト反応後に回収された水72を、噴霧水63として生成ガス冷却部18に投入するので、回収された水72に含まれるメタノール等の副産物は、生成ガス冷却部18で蒸発・分解させることができる。したがって、本実施例では、シフト反応後に回収された水72にメタノール等の副生成物が混入しても何ら支障はなく、副生成物を処理するための追加の機器および系統は不要である。
シフト反応後の生成ガス37は、CO回収部に供給される。本実施例では、式(1)のCOとHによるメタネーション反応を進めるため、COは不要のためである。しかし、メタネーション反応器35の上流側での生成ガス組成の調整時、CO回収部の不具合時、および式(2)のCOとHによるメタネーション反応の促進時にも対応できるように、CO回収部をバイパスする系統を設けている。CO回収部に供給するシフト反応後の生成ガス37の流量、およびCO回収部をバイパスする流量は、それぞれCO回収部の生成ガス流量調整弁39、およびCO回収部のバイパス系統の生成ガス流量調整弁38で調整される。また、CO回収部をバイパスする系統には、圧力調整した後にメタネーション反応器35にシフト反応後の生成ガス37を供給できるよう、CO回収部のバイパス系統に生成ガス用コンプレッサ54が設置される。
CO回収部に供給するシフト反応後の生成ガス37は、CO吸収塔40に供給され、CO吸収液46(例えば、メチルジエタノールアミンなど)と接触し、COが吸収されて分離される。これにより、CO吸収後の生成ガス41の主成分はHとなる。CO吸収後の生成ガス41は、CO吸収後の生成ガス用コンプレッサ53で昇圧され、メタネーション反応器35に供給される。一方、CO吸収塔40でCOを吸収したCO吸収液42は、CO吸収液の熱交換器43および加熱器44で100℃以上に加熱され、CO再生塔45に供給される。CO再生塔45において、CO2を吸収したCO吸収液42中のCOを放出させることで、CO吸収液46として再利用が可能となる。再生されたCO吸収液46は昇圧ポンプ47で昇圧され、CO吸収液の熱交換器43で40℃程度まで冷却されて、CO吸収塔に供給される。
CO回収部におけるCO回収率を保つには、CO再生塔45におけるCO吸収液を保温する必要がある。そこで、CO再生塔45の一部のCO吸収液を、再生加熱用のCO吸収液48として抜き出し、CO吸収液の再生加熱器49で100℃以上に加熱した後、CO再生塔45に戻す。この熱源には、300℃以下の高温水や低温蒸気が適する。本実施例では、低温蒸気を用いるシステムを示し、この低温蒸気をCO吸収液の再生加熱用蒸気50と呼ぶ。
CO再生塔45で回収した回収CO101は、その一部を再利用CO102とし、残りを貯留CO103とする。再利用CO102については、ガス化炉16側での必要量に応じて、再利用CO用の流量調整弁51で流量調整し、CO用コンプレッサ52で所定圧力まで昇圧し、石炭1やチャー20の移送および搬送用のガスとして用いる。
本実施例では、メタネーション反応器35で、式(1)のメタネーション反応を進める。よって、メタネーション反応器35に流入する生成ガスの組成がCO:H=1:3となるように、各系統に流す生成ガスの流量やシフト反応器での反応率を調整する運用が望ましい。また、メタネーション反応器35の入り口における生成ガス温度は、250〜300℃程度に設定される。この温度は、メタネーション触媒の活性温度で決まる。また、式(1)に示すメタネーション反応は、発熱反応である。このため、メタネーション反応器35の出口において、メタネーション反応後の生成ガス55の温度が上昇する。そこで、メタネーション反応器35を複数塔に分けて直列に接続し、メタネーション反応後の生成ガス55を冷却しながら、繰り返しメタネーション反応器35に供給する運用が一般的である。これにより、メタネーション反応後の生成ガス55の温度の過剰な上昇による、メタネーション触媒の劣化やメタネーション反応器35の損傷を防止する。本実施例では、メタネーション反応器35とメタネーション後の冷却器73をそれぞれ3塔ずつ設置する例を示す。
メタネーション反応後の生成ガス55の主成分は、CHとHOである。仮に、未反応のHおよびCOが多く残留する場合には、メタネーション反応後の生成ガス55の少なくとも一部を、メタネーション反応器35にリサイクルする系統を追加するとよい。
メタネーション反応後の生成ガス55は、メタネーション後の冷却器73で冷却された後に蒸留塔56に供給され、深冷分離によってHOが分離され、メタン57となる。一方、蒸留塔56で分離され、メタネーション反応後に回収された水58は、以下のいずれかの系統を介して、生成ガス冷却部18に投入し、ガス化炉16で高温化した生成ガス17を冷却する。
(a)メタネーション反応後に回収された水58を、蒸留塔56およびメタネーション後の冷却器73で加熱して水蒸気とし(*b→*c参照)、まずCO吸収液48の再生加熱用蒸気50として再生加熱器49に供給され、CO吸収液48を加熱する熱源となる(*c→*d参照)。
(b)CO吸収液48を加熱した後の水蒸気を、生成ガス冷却用水蒸気66として、生成ガス冷却部18に供給する(*d参照)。なお、CO吸収液の再生加熱用蒸気50(*c)の一部を、シフト反応用水蒸気36として利用してもよい。
(c)図示していないが、メタネーション反応後に回収された水58を、蒸留塔56で加熱して高温水とし(*b)、まずCO吸収液の再生加熱器49で再生加熱用のCO吸収液48を加熱する熱源とする。次に、噴霧水63の系統を介して、生成ガス冷却部18に供給する。また、図示していないが、メタネーション反応後に回収された水58を、噴霧水63の系統を介して、生成ガス冷却部18に供給する。
以上説明したように、メタネーション反応後に回収された水58と、シフト反応後に回収された水72をガス化システム内で有効利用し、かつメタネーション反応熱もシステム内で有効利用するメタン製造石炭ガス化システムを構築できる。
このシステムの効果を定量評価するため、メタン製造石炭ガス化システムで使用する水の合計流量(噴霧水63とシフト反応用水蒸気36)に対し、シフト反応後に回収された水72およびメタネーション反応後に回収された水58の合計流量の割合を試算した一例を、次に示す。
(I)システムにおける水使用量
まず、ガス化炉16で製造された生成ガス17の流量が14,500Nm/h、温度が1200℃、主な組成としてCOが50%、Hが25%、COが15%、HOが3%と仮定する。この生成ガス17に、噴霧水63を25℃で、5,400kg/h(I)を噴霧して直接冷却する場合、全ての噴霧水が水蒸気となって生成ガス17と完全混合すると仮定すると、混合後の生成ガス温度は、200℃程度まで冷却されると見積もられる。
この冷却された生成ガスに、シフト反応の入り口で水蒸気を添加してHO/CO=1.2に調整し、シフト反応器34におけるシフト反応率(シフト反応器34に入ったCOのうち、式(3)に示したシフト反応でCOとなったCOの割合)を60%と仮定する。この仮定において、シフト反応用水蒸気36の流量は約1,200kg/h(I)と見積もられる。ここで、生成ガス冷却部18内でのシフト反応の進行は、考慮しないものとする。
(II)システムにおける水回収量
シフト反応後の生成ガス37は、CO回収の上流側で40℃程度まで冷却され、この時点で飽和濃度を超える水蒸気が凝縮して水として回収されると仮定する。40℃での飽和濃度は約7%であり、シフト反応後に回収された水72の流量は、約2,690kg/h(II)となる。
一方、メタネーション反応器35では、式(1)に示したCOとHによるメタネーション反応が進むと仮定する。メタネーション反応器35の入り口の生成ガスに含まれるCOの80%がメタンとなったと仮定し、メタネーション反応器35の下流でメタネーション反応後の生成ガス55を冷却して全水分を除去する。このとき、メタネーション反応後に回収された水58の流量は、約2,660kg/h(II)にのぼると見積もられる。この水の流量には、シフト反応後の生成ガス37中に飽和蒸気として残存した水も含まれる。
(III)水バランス
以上より、システムに投入した水使用量は(I=I+I)の約6,600kg/h、シフト反応後およびメタネーション反応後に回収された水量は(II=II+II)で約5,350kg/hとなる。したがって、シフト反応後およびメタネーション反応後に回収した水量は、システムに投入した水量の約80%となる。このことから、シフト反応後およびメタネーション反応後に回収した水を全て有効利用すれば、システムにおける水の使用量を約80%削減可能と試算される。
図2に、実施例2のメタン製造石炭ガス化システムの系統構成図を示す。システムを構成する主系統は実施例1と同一であることから、以下に実施例1と異なる点について説明する。実施例1に対する実施例2の相違点は、チャーホッパやチャー搬送管を含むチャー供給部を保温し、この保温熱源に、メタネーション反応熱を用いたことである。メタネーション反応系で回収した水をメタネーション反応熱で過熱した水蒸気とし、この水蒸気をチャー供給部に供給してチャー供給部を保温し、その後、この水蒸気を生成ガス冷却部18に供給して、生成ガスに混合する(*d〜*e参照)。
メタネーション反応系で回収された水58は、蒸留塔56で加熱されて水蒸気(*b)となり、さらにメタネーション反応系の冷却器73において、メタネーション反応後の生成ガス55との熱交換により200〜300℃以上の水蒸気となり(*b→*c)、CO吸収液48の再生加熱用蒸気50としてCO吸収液の再生加熱器49に供給される(*c→*d)。再生加熱器49にて、再生加熱用のCO吸収液48を加熱した後、再生加熱用蒸気50はチャー供給部を保温する水蒸気81としてチャー供給部に供給される。チャー供給部は、チャーロックホッパ21、チャーフィードホッパ22、およびこれらを繋ぐ配管やチャー搬送管等から構成される。チャー供給部を保温する水蒸気81はチャー供給部の外周に設けられた保温配管を通過し、チャー供給部内の雰囲気温度を露点以上に保温する。
このように、チャー供給部を保温することにより、チャー供給部内での凝縮水生成によるチャー20の移送停滞や搬送管内でのチャー凝集による閉塞などのトラブルを未然に防ぐことができる。チャー供給部内で必要な雰囲気温度は、チャー供給部内の運転圧力における飽和温度より高く設定される。チャー供給部を保温する熱源として利用された後のチャー供給部を保温する水蒸気81は、生成ガス冷却用の水蒸気66として生成ガス冷却部18に供給される。これにより、ガス化炉16で高温となった生成ガス17を冷却する。
本実施例2によれば、メタネーション反応で発生した水(水蒸気)と、メタネーション反応の反応熱を、それぞれシステム内で有効利用するメタン製造石炭ガス化システムを構築できる。
さらに、本実施例2では、噴霧水63よりも上流側で、生成ガス冷却部18に冷却用の水蒸気66を供給するシステムとしている(*e)。これにより、生成ガス17の温度が約900℃以上の領域で、水蒸気の濃度を高められると、生成ガス冷却部18内で無触媒でのシフト反応促進が期待される。生成ガス冷却部18内でシフト反応を促進できれば、下流のシフト反応器34で添加するシフト反応用水蒸気36の流量と、シフト反応器34内でのシフト触媒の使用量を、それぞれ削減する効果も期待される。
図3に、実施例3のメタン製造石炭ガス化システムの系統構成図を示す。システムを構成する主系統は実施例1と同一であることから、以下に実施例1と異なる点について説明する。本実施例3が実施例1と相違する点は、チャーフィードホッパ22に代えて、チャーロックホッパ21に貯留されたチャー20をガス化させる小型ガス化炉76を設けたことにある。
実施例において、チャーロックホッパ21に貯留されたチャー20は、チャー移送弁23を介してチャーガス化炉76に供給される。このとき、チャーロックホッパ均圧弁24を開けて、チャーロックホッパ21とチャーガス化炉76を均圧化し、チャー移送の対策が必要となる。この対策としては、上流側のチャーロックホッパ21へガスを投入する移送、あるいはバイブレータ等による振動、機械的な移送(例えばスクリューコンベアなど)などが考えられる。
本実施例では、チャーロックホッパ21にガスを投入してチャーをチャーガス化炉76に移送する方式で説明する。このガスは、例えば、不活性ガスまたはメタネーション反応後の生成ガス55の一部又は全部を、チャーガス化用のガスとして用いる。本実施例では、メタネーション反応器35の下流において、メタネーション反応後の生成ガス55の一部を分岐し、メタネーション反応後でチャーガス化用の生成ガス74(*x)として用いる。メタネーション反応後でチャーガス化用の生成ガス74の主成分は、式(1)のメタネーション反応により、CH、HO(水蒸気)である。この生成ガスの流量は、メタネーション反応後でチャーガス化用の生成ガス流量調整弁75で調整する。チャーのガス化促進には、式(4)で説明したように、より高温の生成ガスを供給するとよい。このため、複数のメタネーション反応器35を直列に設置したシステムでは、上流側のメタネーション反応器35の下流から、チャーガス化用の生成ガスを採取するシステムが好適である(*x)。
メタネーション反応後でチャーガス化用の生成ガス74は、チャー20の移送用としてチャーロックホッパ21と、チャー20の水蒸気ガス化用としてチャーガス化炉76とに、それぞれ供給される。チャーガス化炉76において、炉内温度を500℃以上に保持し、チャー20と生成ガスを混合させる。これにより、式(4)に示したチャーの水蒸気ガス化反応により、チャー中の炭素分がガス化する。チャーガス化炉76は、チャー20とチャーガス化用の生成ガス74の反応時間を数秒以上確保する方式がよく、例えば流動層ガス化炉などがある。
チャーガス化炉76の下流には、脱塵装置19を設置し、メタネーション反応後で水蒸気ガス化後の生成ガス79に同伴された水蒸気ガス化後のチャー78を分離・回収する。回収した水蒸気ガス化後のチャー78は、チャー貯留ホッパ77に貯留した後、ガス化炉16の石炭1の供給系統に戻すとよい。本実施例3では、水蒸気ガス化後のチャー78を、石炭1のロックホッパ3に戻す系統を示す。一方、メタネーション反応後で水蒸気ガス化後の生成ガス79の主成分はCH、HO(水蒸気)、CO、Hである。つまり、メタネーション反応後で水蒸気ガス化後の生成ガス79は、多種の可燃性成分を含んでいることから、図示していないが、燃焼させて発電などに利用し、システム内で必要となる動力を賄うとよい。
本実施例3のように、生成ガス中のチャー20を捕集してガス化するために、チャー20のガス化剤を酸素から水蒸気に変更する。これにより、チャー20をガス化するための酸素15の使用量を減らすことができ、この酸素を製造する空気分離器13の動力を低減できる。また、メタネーション反応後でチャーガス化用の生成ガス74に含まれるHO(水蒸気)は、チャーガス化反応によりHに変換され、燃料などとして活用できる。さらに、式(4)のチャーガス化反応は吸熱反応であるため、メタネーション反応後でチャーガス化用の生成ガス74の顕熱は、チャーガス化反応に利用される。これによりメタネーション後の冷却器73の小型化も可能である。
以上説明したように、本実施例3のメタン製造石炭ガス化システムは、実施例1と同様にメタネーション反応で発生した水をシステム内で有効利用するだけでなく、メタネーション反応の反応熱をチャーガス化反応にも有効利用し、酸素の使用量も削減することができる。
図4に、実施例4のメタン製造石炭ガス化システムの系統構成図を示す。システムを構成する主系統は実施例1と同一であることから、以下に実施例1と異なる点について説明する。本実施例4が実施例1と相違する点は、メタネーション反応により高温化した生成ガスの顕熱を、固体燃料1の乾燥に用いる系統を設けたことにある。
すなわち、メタネーション後に回収された水58は、蒸留塔56で加熱されて200℃以上の水蒸気(*b)となり、CO吸収液の再生加熱用蒸気50としてCO吸収液の再生加熱器49に供給される。CO吸収液の再生加熱器49にて再生加熱用のCO吸収液48を加熱した後、CO吸収液の再生加熱用蒸気50は生成ガス冷却用水蒸気66(*c)として生成ガス冷却部18に供給され、ガス化炉16で高温となった生成ガス17を冷却する。これにより、メタネーション反応で発生した水と、メタネーション反応の反応熱をそれぞれシステム内で有効利用することができる。
さらに、本実施例4のシステムでは、メタネーション反応熱を、固体燃料1の乾燥熱源としても有効利用している。すなわち、メタネーション後の冷却器と乾燥装置を循環する水蒸気80の系統を新たに設置する(*d→*e)。これにより、メタネーション後の冷却器と乾燥装置を循環する水蒸気80は、メタネーション後の冷却器73において、メタネーション反応後の生成ガス55との熱交換により加熱される。加熱された水蒸気80は、乾燥装置67に供給され、固体燃料1を乾燥する熱源となる。乾燥装置67から排出される水蒸気80は、再びメタネーション後の冷却器73に戻り、再加熱される。
一方、乾燥装置67で固体燃料1の乾燥により発生した飛散燃料を含む水蒸気68は、飛散燃料を含む水蒸気用コンプレッサ69で所定圧力まで昇圧された後、生成ガス冷却部18に供給される。水蒸気68に含まれる飛散燃料(固体)は、生成ガス冷却部18の下流の脱塵装置19でチャー20とともに回収され、チャーロックホッパ21とチャーフィードホッパ22を経て、再びガス化炉16に供給される。
以上、実施例4のメタン製造石炭ガス化システムによれば、メタネーション反応熱を固体燃料の乾燥にも有効利用し、かつ固体燃料中の水分も有効活用することができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲で変形又は変更された形態で実施することが可能であることは、当業者にあっては明白なことであり、そのような変形又は変更された形態が本願の特許請求の範囲に属することは当然のことである。
例えば、図5に示すように、固体燃料の乾燥装置67で発生した飛散燃料を含む水蒸気68の一部(*Y)を分岐し、チャーロックホッパ21やチャーガス化炉76に供給し、チャー20を水蒸気ガス化させるシステムとしても構わない。
1…固体燃料、2…粉砕装置、3…ロックホッパ、4…フィードホッパ、5…移送弁、6…ロックホッパ均圧弁、7…フィードホッパ均圧弁、8…圧力調整弁、9…燃料搬送管、10…燃料バーナ、11…空気、12…コンプレッサ、13…空気分離器、14…窒素、15…酸素、16…ガス化炉、17…生成ガス、18…生成ガス冷却部、19…脱塵装置、20…チャー、21…チャーロックホッパ、22…チャーフィードホッパ、23…チャー移送弁、24…チャーロックホッパ均圧弁、25…チャーフィードホッパ均圧弁、26…チャー系圧力調整弁、27…水洗塔、28…脱硫装置、29…脱硫後の生成ガス、30…生成ガスの熱交換器、31…生成ガスの加熱器、32…シフト反応系統の生成ガスの流量調整弁、33…メタネーション反応系統の生成ガスの流量調整弁、34…シフト反応器、35…メタネーション反応器、36…シフト反応用水蒸気、37…シフト反応後の生成ガス、38…CO回収部のバイパス系統の生成ガス流量調整弁、39…CO2回収部の生成ガス流量調整弁、40…CO吸収塔、41…CO吸収後の生成ガス、42…CO吸収したCO吸収液、43…CO吸収液の熱交換器、44…CO吸収液の加熱器、45…CO再生塔、46…CO吸収液、47…昇圧ポンプ、48…再生加熱用のCO吸収液、49…再生加熱器、50…CO吸収液の再生加熱用蒸気、51…再利用COの流量調整弁、52…CO用コンプレッサ、53…CO吸収後の生成ガス用コンプレッサ、54…CO回収部のバイパス系統の生成ガス用コンプレッサ、55…メタネーション反応後の生成ガス、56…蒸留塔、57…メタン、58…メタネーション反応後に回収された水、59…チャー搬送管、60…チャーバーナ、61…補給水、62…補給水の流量調整弁、63…噴霧水、64…噴霧水の昇圧ポンプ、65…CO吸収液の再生加熱用水、66…生成ガス冷却用水蒸気、67…乾燥装置、68…飛散燃料を含む水蒸気、69…飛散燃料を含む水蒸気用コンプレッサ、70…冷却器、71…ドラム、72…シフト反応後に回収された水、73…メタネーション後の冷却器、74…メタネーション反応後でチャーガス化用の生成ガス、75…メタネーション反応後でチャーガス化用の生成ガスの流量調整弁、76…チャーガス化炉、77…チャー貯留ホッパ、78…水蒸気ガス化後のチャー、79…メタネーション反応後で水蒸気ガス化後の生成ガス、80…メタネーション後の冷却器と乾燥装置を循環する水蒸気、81…チャー供給手段を保温する水蒸気、82…循環COの流量調整弁、101…回収CO、102…再利用CO、103…貯留CO

Claims (8)

  1. 固体燃料のガス化手段、前記ガス化手段で発生した生成ガスの第1冷却手段、生成ガスの脱塵および精製手段、脱塵および精製された生成ガスからメタン製造するメタネーション反応手段、メタネーション反応後の生成ガスの第2冷却手段、および冷却されたメタネーション反応後の生成ガスのメタンと水を分離するメタン蒸留手段を有し、
    前記メタン蒸留手段で分離された水を、前記第1冷却手段に供給して、前記ガス化手段で発生した生成ガスと混合することを特徴とするメタン製造固体燃料ガス化システム。
  2. 固体燃料のガス化手段、前記ガス化手段で発生した生成ガスの第1冷却手段、生成ガスの脱塵および精製手段、脱塵および精製された生成ガスのシフト反応手段、シフト反応後の生成ガスの第2冷却手段、冷却されたシフト反応後の生成ガス中のCOを回収するCO回収手段、CO回収後の生成ガスからメタン製造するメタネーション反応手段、メタネーション反応後の生成ガスの第3冷却手段、および冷却されたメタネーション反応後の生成ガスのメタンと水を分離するメタン蒸留手段を有し、
    前記シフト反応後の生成ガスの第2冷却手段で凝縮された水と、前記メタン蒸留手段で分離された水を前記生成ガスの第1冷却手段に供給し、前記ガス化手段で発生した生成ガスと混合することを特徴とするメタン製造固体燃料ガス化システム。
  3. 固体燃料のガス化手段、前記ガス化手段で発生した生成ガスの第1冷却手段、生成ガスの脱塵および精製手段、脱塵および精製された生成ガスのシフト反応手段、シフト反応後の生成ガスの第2冷却手段、冷却されたシフト反応後の生成ガス中のCOをCO吸収液を用いて回収するCO回収手段、CO回収後の生成ガスからメタン製造するメタネーション反応手段、メタネーション反応後の生成ガスの第3冷却手段、および冷却されたメタネーション反応後の生成ガスのメタンと水を分離するメタン蒸留手段を有し、
    前記メタン蒸留手段で分離した水を、前記メタネーション反応後の生成ガスの第3冷却手段に供給して加熱し、該加熱された前記水を前記CO回収手段におけるCO再生塔に供給してCO吸収液の少なくとも一部を再生加熱する熱源とし、前記CO再生塔のCO吸収液を加熱した前記水を前記生成ガスの第1冷却手段に供給して、前記ガス化手段で発生した生成ガスと混合することを特徴とするメタン製造固体燃料ガス化システム。
  4. 固体燃料のガス化手段、前記ガス化手段で発生した生成ガスの第1冷却手段、生成ガスの脱塵および精製手段、前記脱塵手段で回収したチャーを前記ガス化手段に供給するチャー供給手段、脱塵および精製された生成ガスからメタン製造するメタネーション反応手段、メタネーション反応後の生成ガスの第2冷却手段、および冷却されたメタネーション反応後の生成ガスのメタンと水を分離するメタン蒸留手段を有し、
    前記メタン蒸留手段で分離した水を、前記メタネーション反応後の生成ガスの第2冷却手段に供給して加熱し、該加熱された前記水を前記チャー供給手段のチャーを保温する熱源として供給し、前記チャーを保温した前記水を前記生成ガスの第1冷却手段に供給して、前記ガス化手段で発生した生成ガスと混合することを特徴とするメタン製造固体燃料ガス化システム。
  5. 請求項1に記載のメタン製造固体燃料ガス化システムにおいて、
    前記精製手段で脱塵して分離した前記生成ガス中のチャーをガス化するチャーガス化手段を有し、
    前記メタネーション反応手段で発生した水蒸気を含む生成ガスを、前記チャーガス化手段のガス化剤として供給することを特徴とするメタン製造固体燃料ガス化システム。
  6. 請求項1に記載のメタン製造固体燃料ガス化システムにおいて、
    固体燃料の前記ガス化手段の上流側に、固体燃料の乾燥手段を有し、
    前記メタネーション反応後の生成ガスの第2冷却手段と、固体燃料の前記乾燥手段との間を循環させる水蒸気の循環系統を設け、
    前記水蒸気の循環系統は、前記第2冷却手段で高温化させた前記水蒸気を、固体燃料を乾燥する前記乾燥手段の熱源として循環することを特徴とするメタン製造固体燃料ガス化システム。
  7. 請求項6に記載のメタン製造固体燃料ガス化システムにおいて、
    固体燃料の前記乾燥手段で発生した水蒸気を含むガスを、前記第1冷却手段に供給して生成ガスを冷却することを特徴とするメタン製造固体燃料ガス化システム。
  8. 請求項6に記載のメタン製造固体燃料ガス化システムにおいて、
    さらに、前記脱塵手段で回収したチャーをガス化するチャーガス化手段を有し、
    固体燃料の前記乾燥手段で発生した水蒸気を含むガスを、前記チャーガス化手段に供給することを特徴とするメタン製造固体燃料ガス化システム。
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