JP6420613B2 - ケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置ならびにその運転方法 - Google Patents

ケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置ならびにその運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、ケミカルルーピング燃焼システムを用いて固体炭素質燃料、特に水分を多く含む褐炭などの低品位の固体炭素質燃料を改質するのに好適なケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置ならびにその運転方法に関するものである。
褐炭や亜瀝青炭などで代表される低品位炭は埋蔵量が多いものの、水分含有量および酸素含有量が多いため発熱量が低く、輸送効率が悪く、かつその自然発火性のため長距離輸送が不向きであるなどの技術的課題を有している。
このため、低品位炭を有効に利用するためには、低品位炭から水分を除去するとともに、低品位炭組成中の酸素を分解除去することが重要となる。このような背景から、低品位炭の改質方法に関する技術開発が世界的に進められている(非特許文献1参照)。
この低品位炭の改質に関する方法が、特公昭57−11596号公報(特許文献1)に開示されている。この改質方法は、流動層を使用し、石炭を300〜500℃まで急速に加熱し脱水するとともに、低品位炭組成中の含酸素官能基を分解させることを特徴としている。
この方法によれば、低品位炭を、その単位重量当たりの発熱量が高い石炭に改質でき、経済的に価値が高く、かつ長距離での安定輸送も可能となる。
ところで、石炭は発電用原料として非常に多く使用されている。このため、石炭を燃焼した際に発生する二酸化炭素(CO)の発生が地球温暖化の原因の一つとして問題視されており、その対策が急務な状況にある。
そのため、燃焼排ガスからのCOを分離・回収して貯留する技術(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)が、COの排出削減に有効な手段として注目されている。
そして、化石燃料を使用するボイラ設備に適用可能なCCS技術として、化学吸収システム、酸素燃焼システム、ケミカルルーピング燃焼システム(CLC:Chemical Looping Combustion)などの開発が進められている。
このうち、ケミカルルーピング燃焼システム(CLC)とは、空気を燃料に直接接触させずに、酸素キャリア粒子である金属酸化物(MeO)で燃料を酸化反応させ、その酸化反応によって還元された金属(Me)は空気で酸化して金属酸化物(MeO)として再利用する技術である。
これによる反応生成物はCOと水分であり、COの回収が容易となる技術である。
このためCLCシステムは、化学吸収システムにおける吸収液再生エネルギーや酸素燃焼システムにおける酸素製造装置の駆動エネルギーが不要である。そのため、CLCシステムの消費エネルギーを大幅に低減し、発電効率の低下を大幅に抑制できるという特長を有している。
図3は、一般的なCLCシステムの概略系統図である。
CLCシステムは図3に示すように、空気反応塔1と燃料反応塔2の2つの塔から構成され、その間を金属酸化物(MeO)である酸素キャリア粒子が酸化還元反応しながら循環流動するルーピングシステムである。
空気反応塔1では、酸素キャリア粒子(Me)供給ライン4により供給される還元された酸素キャリア粒子、すなわち金属(Me)が、下記(1)式のように、空気供給ライン6から供給された空気中の酸素と反応して酸化されて、金属酸化物(MeO)となる。
Me+0.5O→MeO (1)
排ガス(N,Oなど)とともに空気反応塔出口ライン5から出た酸化された酸素キャリア粒子(MeO)は、酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3において排ガスと分離され、800〜1000℃程度の高温状態のままニューマティックバルブ10により燃料反応塔2に送られる。
酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3で分離された排ガス(N,Oなど)は、空気反応塔排ガスライン8を通って、図示しない排熱回収ボイラに導入される。
燃料反応塔2では、酸化された酸素キャリア粒子(MeO)と、燃料供給ライン7から供給された低品位固体燃料(褐炭などの低品位炭)とが接触して、酸化された酸素キャリア粒子(MeO)中の酸素と固体燃料とが反応する。このとき、次式(2)で示すように、酸素キャリア粒子(MeO)は酸素を奪われて、還元された酸素キャリア粒子(Me)となる。
(2n+m)MeO+C2m→(2n+m)Me+mHO+nCO (2)
なお、燃料反応塔2は一般的に流動層を形成しており、その流動化気体として例えば燃料反応塔排ガスを再循環して利用する。
そのため、燃料反応塔2の上部から延びている燃料反応塔排ガスライン9の途中から燃料反応塔排ガス再循環ライン12を分岐し、燃料反応塔排ガス再循環ライン12の先端部を燃料反応塔2の下部に接続する。
燃料反応塔2で還元された酸素キャリア粒子(Me)は、ニューマティックバルブ11を介して酸素キャリア粒子(Me)供給ライン4によって再び空気反応塔1に戻る循環ループを形成している。
このようにして、空気反応塔1からはNや残存Oを含んだ排ガスが、燃料反応塔2からはCOガスやHOが排出される。これらのガスは高温のため、図示されていない排熱回収ボイラで熱回収され、排熱回収ボイラで生成した過熱蒸気は発電に利用される。燃料反応塔2から排出されるガスにはNが含まれていないため、ガス中のHOを除去するだけで、容易にCOガスを回収することができる(非特許文献2参照)。
特公昭57−11596号公報
山口他6人:低品位炭改質技術の国内外の開発動向調査 電力中央研究所報告 M11021 2012年5月 吉田、小野崎:ケミカルルーピング燃焼技術 季報 エネルギー総合工学研究所 Vol.33,No.1,pp29−35,2010年4月
石炭を使用する限りにおいては、前述のように低品位炭の有効利用技術の活用とともに、発生するCOについても地球温暖化防止の観点から何らかの対策を講じる必要がある。
ところが、先に説明した低品位炭の改質方法においては、改質の過程で低品位炭中の揮発分が放出されるので、揮発分中に含まれている炭素分がCOとなって系外に放出されるという課題があるが、この課題に対して何ら解決方法は示されていない。
本発明の目的は、このような従来技術の課題を解消し、低品位固体炭素質燃料を改質する過程において発生する二酸化炭素を効率的に分離回収することができ、改質に伴う低品位固体炭素質燃料の有効活用と、二酸化炭素排出抑制を同時に達成することが可能なケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置ならびにその運転方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
空気反応塔と、燃料反応塔と、前記空気反応塔ならびに燃料反応塔の間を酸素キャリア粒子が循環するループ状流路を備えて、
前記空気反応塔内では前記酸素キャリア粒子が酸素含有気体により酸化され、
酸化された前記酸素キャリア粒子は、前記空気反応塔から前記燃料反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記燃料反応塔に供給され、
前記燃料反応塔内では前記酸素キャリア粒子が還元剤として使用される固体炭素質燃料により還元され
還元された前記酸素キャリア粒子は、前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記空気反応塔に供給されるケミカルルーピング燃焼システムが構成されたケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置であって、
高温場に改質前の固体炭素質燃料を供給して、前記改質前の固体炭素質燃料の脱水ならびに熱分解により未反応固体炭素質燃料を生成する流動層式の未反応固体炭素質燃料生成手段と、
前記未反応固体炭素質燃料生成手段によって生成された前記未反応固体炭素質燃料を改質燃料として回収する改質燃料回収手段と、
前記未反応固体炭素質燃料生成手段から排出される排ガス中の二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素回収手段と、を備え、
前記燃料反応塔が前記未反応固体炭素質燃料生成手段を兼ねて流動層により前記高温場を形成し、前記燃料反応塔に前記改質前の固体炭素質燃料を供給して前記未反応固体炭素質燃料を生成し、
前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路上に、前記燃料反応塔から排出される未反応固体炭素質燃料と前記酸素キャリア粒子とを流動化気体により流動化して分離する流動層式分離装置を設け、
前記流動層式分離装置の未反応固体炭素質燃料排出ライン上に、前記改質燃料回収手段を設けたことを特徴とするものである。
本発明の第の手段は前記第の手段において、
前記燃料反応塔に、生成した排ガスを排出する燃料反応塔排ガスラインと、その燃料反応塔排ガスラインから分岐して、前記排ガスの一部を前記流動化気体として前記流動層式分離装置に供給する燃料反応塔排ガス再循環ラインを設けたことを特徴とするものである。
本発明の第の手段は前記第の手段において、
前記二酸化炭素回収手段が、前記燃料反応塔排ガスラインならびに前記燃料反応塔排ガ
ス再循環ラインからの排ガス中の二酸化炭素を分離回収する構成になっていることを特徴
とするものである。
本発明の第の手段は、
空気反応塔と、燃料反応塔と、前記空気反応塔ならびに燃料反応塔の間を酸素キャリア粒子が循環するループ状流路を備えて、
前記空気反応塔内では前記酸素キャリア粒子が酸素含有気体により酸化され、
酸化された前記酸素キャリア粒子は、前記空気反応塔から前記燃料反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記燃料反応塔に供給され、
前記燃料反応塔内では前記酸素キャリア粒子が還元剤として使用される固体炭素質燃料により還元され、
還元された前記酸素キャリア粒子は、前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記空気反応塔に供給されるケミカルルーピング燃焼システムが構成されたケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置であって、
高温場に改質前の固体炭素質燃料を供給して、前記改質前の固体炭素質燃料の脱水ならびに熱分解により未反応固体炭素質燃料を生成する流動層式の未反応固体炭素質燃料生成手段と、
前記未反応固体炭素質燃料生成手段によって生成された前記未反応固体炭素質燃料を改質燃料として回収する改質燃料回収手段と、
前記未反応固体炭素質燃料生成手段から排出される排ガス中の二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素回収手段と、を備え、
前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路上に設けられた前記未反応固体炭素質燃料生成手段が流動層により前記高温場を形成し、前記未反応固体炭素質燃料生成手段に前記改質前の固体炭素質燃料を供給して前記未反応固体炭素質燃料を生成し、
前記未反応固体炭素質燃料生成手段内の前記固体炭素質燃料および前記未反応固体炭素質燃料を流動化気体により前記燃料反応塔に搬送して、
前記燃料反応塔から排ガスを排出する燃料反応塔排ガスライン上に前記改質燃料回収手段を設けたことを特徴とするものである。
本発明の第の手段は前記第の手段において、
前記未反応固体炭素質燃料生成手段は、生成された前記未反応固体炭素質燃料と前記酸素キャリア粒子とを流動化気体により流動化して分離する流動層式分離装置であり、前記流動層式分離装置に、前記流動化気体により浮遊する前記固体炭素質燃料および前記未反応固体炭素質燃料を前記燃料反応塔に搬送する分離装置出口ラインを設け、
前記燃料反応塔から排ガスを排出する燃料反応塔排ガスラインと、
その燃料反応塔排ガスラインから分岐して、前記排ガスの一部を前記流動化気体として前記流動層式分離装置に供給する燃料反応塔排ガス再循環ラインを設けたことを特徴とするものである。
本発明の第の手段は前記第の手段において、
前記二酸化炭素回収手段が、前記燃料反応塔排ガスラインならびに前記燃料反応塔排ガス再循環ラインからの排ガス中の二酸化炭素を分離回収する構成になっていることを特徴とするものである。
本発明の第の手段は、
空気反応塔と、燃料反応塔と、前記空気反応塔ならびに燃料反応塔の間を酸素キャリア粒子が循環するループ状流路を備えて、
前記空気反応塔内では前記酸素キャリア粒子が酸素含有気体により酸化され、
酸化された前記酸素キャリア粒子は、前記空気反応塔から前記燃料反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記燃料反応塔に供給され、
前記燃料反応塔内では前記酸素キャリア粒子が還元剤として使用される固体炭素質燃料により還元され
還元された前記酸素キャリア粒子は、前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記空気反応塔に供給されるケミカルルーピング燃焼システムが構成されたケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法であって、
前記燃料反応塔の流動層により高温場を形成し、その流動層に改質前の固体炭素質燃料を供給して、前記改質前の固体炭素質燃料の脱水ならびに熱分解により未反応固体炭素質燃料を生成する工程と、
前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路上に設けた流動層式分離装置に、前記燃料反応塔から排出された前記未反応固体炭素質燃料と前記酸素キャリア粒子を供給して流動化気体により流動化させながら前記未反応固体炭素質燃料と前記酸素キャリア粒子を分離する工程と、
前記流動層式分離装置の未反応固体炭素質燃料排出ライン上に設けられた改質燃料回収手段に、前記流動層式分離装置から排出された前記未反応固体炭素質燃料を流動化気体により流動化させながら供給して、前記未反応固体炭素質燃料を改質燃料として回収する工程と、
前記未反応固体炭素質燃料を生成する工程で排出された排ガス中の二酸化炭素を分離回収する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第の手段は前記第の手段において、
前記燃料反応塔から排出される排ガスの一部を流動化気体として前記流動層式分離装置に供給することを特徴とするものである。
本発明の第の手段は前記第の手段において、
前記燃料反応塔ならびに前記流動層式分離装置から排出される排ガスから二酸化炭素を分離回収することを特徴とするものである。
本発明の第10の手段は、
空気反応塔と、燃料反応塔と、前記空気反応塔ならびに燃料反応塔の間を酸素キャリア粒子が循環するループ状流路を備えて、
前記空気反応塔内では前記酸素キャリア粒子が酸素含有気体により酸化され、
酸化された前記酸素キャリア粒子は、前記空気反応塔から前記燃料反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記燃料反応塔に供給され、
前記燃料反応塔内では前記酸素キャリア粒子が還元剤として使用される固体炭素質燃料により還元され、
還元された前記酸素キャリア粒子は、前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記空気反応塔に供給されるケミカルルーピング燃焼システムが構成されたケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法であって、
前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路上に設けられた未反応固体炭素質燃料生成手段が流動層により高温場を形成し、前記未反応固体炭素質燃料生成手段に改質前の固体炭素質燃料を供給して、前記改質前の固体炭素質燃料の脱水ならびに熱分解により未反応固体炭素質燃料を生成する工程と、
前記未反応固体炭素質燃料生成手段内の前記固体炭素質燃料および前記未反応固体炭素質燃料を流動化気体により前記燃料反応塔に搬送する工程と、
前記燃料反応塔から排出される排ガス中から改質燃料回収手段により前記未反応固体炭素質燃料を改質燃料として回収する工程と、
前記未反応固体炭素質燃料を生成する工程で排出された排ガス中の二酸化炭素を分離回収する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第11の手段は前記第10の手段において、
前記改質燃料回収手段から排出される排ガスの一部を前記流動化気体として前記未反応固体炭素質燃料生成手段に再循環することを特徴とするものである。
本発明の第12の手段は前記第10の手段において、
前記未反応固体炭素質燃料を回収した後の排ガスから二酸化炭素を分離回収することを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、低品位固体炭素質燃料を改質する過程において発生する二酸化炭素を効率的に分離回収することができ、改質に伴う低品位固体炭素質燃料の有効活用と、二酸化炭素排出抑制を同時に達成することが可能なケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置ならびに改質方法を提供することができる。
本発明の実施例1に係るケミカルルーピング燃焼システムを利用した低品位固体炭素質燃料改質装置の概略系統図である。 本発明の実施例2に係るケミカルルーピング燃焼システムを利用した低品位固体炭素質燃料改質装置の概略系統図である。 従来のケミカルルーピング燃焼システムを利用した低品位固体炭素質燃料改質装置の概略系統図である。
次に本発明の各実施例を図面とともに説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係るケミカルルーピング燃焼システムを利用した低品位固体炭素質燃料改質装置ならびにその運転方法を示す概略系統図である。
この実施例1に係る固体炭素質燃料改質装置は、図1に示すように、空気反応塔1、燃料反応塔2、酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3および流動層式チャー分離装置13を備えている。空気反応塔1は高速流動層、燃料反応塔2とチャー分離装置13は共に気泡流動層を形成している。
空気反応塔1と酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3は空気反応塔出口ライン5で接続され、酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3の上部からは空気反応塔排ガスライン8が延びている。酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3と燃料反応塔2は、酸素キャリア粒子(MeO)が良好に循環できるように、例えばLバブルやJバブルなどのニューマティックバルブ10により連結されている。
また、燃料反応塔2には、低品位固体炭素質燃料(例えば褐炭などの低品位炭)を供給するための燃料供給ライン7が接続されている。
燃料反応塔2の上部からは、燃料反応塔排ガスライン9が延びており、その燃料反応塔排ガスライン9の途中からは燃料反応塔排ガス再循環ライン12が分岐して設けられている。
さらに、燃料反応塔排ガス再循環ライン12は途中で2つに分岐され、一方の燃料反応塔排ガス再循環ライン12の先端部は燃料反応塔2の下部に接続され、他方の燃料反応塔排ガス再循環ライン12の先端部はチャー分離装置13の下部に接続されている。
この燃料反応塔排ガス再循環ライン12の設置により、燃料反応塔2から排出される排ガスの一部を再循環して、燃料反応塔2とチャー分離装置13の流動化気体として使用される。
また、燃料反応塔2とチャー分離装置13は、酸素キャリア粒子(Me)・未反応チャー供給ライン19で連結されている。さらに、チャー分離装置13は未反応チャー排出ライン17を介して未反応チャー回収サイクロン16と接続されている。
さらに、酸素キャリア粒子(Me)を空気反応塔1へ再循環できるように、燃料反応塔2はニューマティックバルブ11を介して酸素キャリア粒子(Me)供給ライン4で空気反応塔1と連結されている。また、空気反応塔1には、空気を供給するための空気供給ライン6が接続されている。
未反応チャー回収サイクロン16には、未反応チャー抜出ライン14とサイクロン出口排ガスライン18が接続されている。
このようにして、酸素を運搬する酸素キャリア粒子(MeO)、(Me)は空気反応塔1、燃料反応塔2ならびにチャー分離装置13を循環流動する。
酸素キャリア粒子(MeO)として使用される金属酸化物としては、例えばニッケル(Ni)、鉄(Fe)、銅(Cu)、カルシウム(Ca)などの酸化物が使用される。
低品位固体燃料を燃料供給ライン7から800〜1000℃程度の高温の燃料反応塔2内に投入すると、直ちに脱水および熱分解反応を起こし、揮発分とチャー粒子に分解する。なお、揮発分のうち燃料成分である一酸化炭素(CO)、水素(H)およびメタン(CH)は、酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3よりニューマティックバルブ10を介して供給される酸化された酸素キャリア粒子(MeO)と下式(3)〜(5)のような反応を起こす。
CO+MeO→CO+2Me (3)
+MeO→HO+Me (4)
CH+3MeO→CO+2HO+3Me (5)
一方、固体炭素と灰分からなるチャー粒子は、揮発分のCOやHOとともに、下式(6)、(7)のようなガス化反応を起こす。
チャー(C)+CO→2CO (6)
チャー(C)+HO→H+CO (7)
(6)式、(7)式で生成したHやCOは再び(3)式および(4)に示した反応により最終的にCOおよびHOに変換される。あるいは下式(8)に示す固体−固体反応によって直接COを生成する。
チャー(C)+2MeO→CO+2Me (8)
ところで、(6)〜(8)式に示した反応は、固体であるチャー粒子の反応であり、(3)〜(5)式に示した気体燃料であるCO、HおよびCHと酸素キャリア粒子との反応に比べて反応速度が非常に遅い。
このため、固体チャー粒子中に含まれている炭素分を全てガスに変換するためには、燃料反応塔2内で長時間チャー粒子を滞留させ必要がある。
逆に言えば、燃料反応塔2内でおいてチャー粒子を長時間滞留させないような反応塔サイズとすることにより、チャー粒子はガスに転換しなくなり、未反応の状態のまま、還元された酸素キャリア粒子(Me)とともに酸素キャリア粒子(Me)・未反応チャー供給ライン19を通って燃料反応塔2から排出されて、流動層式チャー分離装置13へ送られる。
このチャー分離装置13は流動層を形成しており、燃料反応塔2の排ガスの一部を燃料反応塔排ガス再循環ライン12により再循環させたガスを用いて流動化されているため、酸素キャリア粒子(Me)と未反応チャー粒子との比重や粒度の差によって分離され、還元された酸素キャリア粒子(Me)はニューマティックバルブ11を介して酸素キャリア(Me)供給ライン4より再び空気反応塔1へ供給される。
一方、未反応チャー粒子は再循環ガスとともに未反応チャー排出ライン17を通って後続の未反応チャー回収サイクロン16へ送られ、再循環ガスと固気分離され、未反応チャー粒子は未反応チャー抜出ライン14より抜き出されて回収される。
図示されていないが、未反応チャー回収サイクロン16に設けられているサイクロン出口排ガスライン18は、燃料反応塔排ガス循環ライン12に接続されている。そして、未反応チャー回収サイクロン16で固気分離された再循環ガスは、サイクロン出口排ガスライン18を通って燃料反応塔排ガス循環ライン12に戻される。
空気反応塔1へ供給された酸素キャリア粒子(Me)は、空気供給ライン6より供給される空気中のOと下式(9)のように反応して酸化されて酸素キャリア粒子(MeO)となり、酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3およびニューマティックバルブ11を介して燃料反応塔2へ再循環される。
2Me+O→2MeO+発熱 (9)
酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3で酸素キャリア粒子(MeO)から固気分離された排ガスは高温のため、排熱回収ボイラ23で熱回収され、排熱回収ボイラ23により生成された過熱蒸気は発電に利用される。
また、燃料反応塔2から排出された排ガスも高温のため、排熱回収ボイラ23で熱回収され、排熱回収ボイラ23により生成された過熱蒸気は発電に利用される。
さらに、燃料反応塔2内においてはNガスが含まれていない雰囲気下で低品位炭の改質を行うことができるため、排熱回収ボイラ23を通して低温になった排ガス(CO、HO)をCO分離回収装置24に通して、排ガス中のCOを分離回収する。このCOの分離回収は、排ガス中のHOを除去するだけで、COガスを容易かつ効率的に回収することができる。
前述のように石炭は水分、揮発分、固定炭素分ならびに灰分から構成されており、CLCシステムにおいて燃料反応塔に低品炭が投入されると、800℃以上の高温場に石炭が曝されるので、直ちに脱水および脱揮発反応が進行し、揮発分と、固定炭素および灰分からなるチャー粒子に分離される。
CLCシステムでは、酸素キャリア粒子が搬送する酸素と燃料が反応するため、燃料反応塔内では揮発分と酸素キャリア粒子との反応とともに、チャー粒子と酸素キャリア粒子との反応も生じる。
しかし、燃料反応塔内におけるチャー粒子のガスへの反応は揮発分の反応に比べて非常に遅いため、燃料反応塔でのチャー粒子の滞留時間を短縮し、燃料反応塔からチャー粒子を未反応のまま酸素キャリア粒子とともに排出して、かつ、空気反応塔の前流で酸素キャリア粒子と分離して、未反応チャー粒子を回収する。
このことにより、低品位炭を燃料反応塔2内で脱水、脱揮発させることができ、単位重量当たりの発熱量の高い改質燃料として未反応チャー粒子を回収することができる。
また、低品位炭を改質するために必要な熱源を酸素キャリア粒子(MeO)の持ち込み熱(前記(9)参照)により確保できるため、効率的に低品位炭を改質することができる。
さらに、燃料反応塔2内においてNガスが含まれていない雰囲気下で改質を行うことができるため、低品位炭の改質に伴って発生するCOを燃料反応塔2の排ガスから容易に回収することができる。
(実施例2)
図2は、本発明の実施例2に係るケミカルルーピング燃焼システムを利用した低品位の固体炭素質装置ならびに改質方法を示す概略系統図である。
この実施例2に係る固体炭素質装置も図1に示す実施例1と同様に、空気反応塔1、燃料反応塔2、酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3およびチャー分離装置13を備えている。空気反応塔1は高速流動層、燃料反応塔2とチャー分離装置13はともに気泡流動層を形成している。
空気反応塔1と酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3は空気反応塔出口ライン5で接続され、酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3の上部からは空気反応塔排ガスライン8が延びている。酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3と燃料反応塔2は、酸素キャリア粒子(MeO)が良好に循環できるように、例えばLバブルやJバブルなどのニューマティックバルブ10により連結されている。
燃料反応塔2には、チャー分離装置13で発生する揮発分ガスなどの熱分解ガスおよび未反応チャー粒子などを供給するチャー分離装置出口ライン20と、燃料反応塔2で還元された酸素キャリア粒子(Me)をチャー分離装置13に循環供給するためのニューマティックバルブ21が接続されている。
さらに、燃料反応塔2は、燃料反応塔出口ライン22を介して未反応チャー回収サイクロン16とも連結されている。
流動層式チャー分離装置13には低品位の固体炭素質燃料を供給するための燃料供給ライン7が設置されているとともに、燃料反応塔2から排出される排ガスの一部を再循環し、流動化気体として供給する排ガス再循環ライン15が、燃料反応塔排ガスライン9から分岐して接続されている。
また、流動層式チャー分離装置13は、酸素キャリア粒子(Me)を空気反応塔1へ循環供給できるように、ニューマティックバルブ11を介して空気反応塔1と連結されている。
低品位固体燃料を燃料供給ライン7から800〜1000℃程度の高温の流動層式チャー分離装置13に供給すると、低品位固体燃料は直ちに脱水と熱分解を起こし、揮発分と未反応チャー粒子が生成される。
チャー分離装置13は流動層を形成しており、流動媒体である酸素キャリア粒子(Me)はニューマティックバルブ21を介して燃料反応塔2から供給され、また流動化気体は排ガス再循環ライン15によりチャー分離装置13内に供給される。
そして燃料反応塔2から供給された酸素キャリア粒子(Me)と、チャー分離装置13内で生成した未反応チャー粒子との比重や粒度の差によって分離され、還元された酸素キャリア粒子(Me)はニューマティックバルブ11を介して酸素キャリア粒子(Me)供給ライン4を通って、再び空気反応塔1へ循環供給される。
一方、未反応チャー粒子は、低品位固体炭素質燃料の脱水ならびに熱分解により生成した揮発分ガスと同伴して、チャー分離装置出口ライン20により燃料反応塔2へ送られ、揮発分ガスは燃料反応塔2で流動層を形成させる流動化気体として使用される。
燃料反応塔2では、揮発分のうち燃料成分であるCO、HおよびCHと、酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3によりニューマティックバルブ10を介して供給される酸化された酸素キャリア粒子(MeO)とを反応させて、COおよびHOを発生する。
なお、燃料反応塔2において流動層が形成されているため、固形分である未反応チャー粒子は酸素キャリア粒子との比重や粒度の差によって分離され、燃料反応塔2内で反応することなく、発生ガス(排ガス)とともに燃料反応塔出口ライン22からチャー回収サイクロン16へ送られる。
チャー回収サイクロン16では、未反応チャー粒子と排ガスの固気分離がなされ、未反応チャー粒子が未反応チャー抜出ライン14から抜き出されて回収される。
本実施例でも、酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン3で酸素キャリア粒子(MeO)から固気分離された排ガスは高温のため、排熱回収ボイラ23で熱回収され、排熱回収ボイラ23により生成された過熱蒸気は発電に利用される。
また、チャー回収サイクロン16から排出された排ガスも高温のため、排熱回収ボイラ23で熱回収され、排熱回収ボイラ23により生成された過熱蒸気は発電に利用される。
さらに、チャー分離装置13内においてはNガスが含まれていない雰囲気下で低品位炭の改質を行うことができるため、排熱回収ボイラ23を通して低温になった排ガス(CO、HO)をCO分離回収装置24に通して、排ガス中のCOを分離回収する。このCOの分離回収は、排ガス中のHOを除去するだけで、COガスを容易に回収することができる。
石炭は水分、揮発分、固定炭素分ならびに灰分から構成されており、CLCシステムにおいて燃料反応塔に低品炭が投入されると、800℃以上の高温場に石炭が曝されるので、直ちに脱水および脱揮発反応が進行し、揮発分と、固定炭素および灰分からなるチャー粒子に分離される。
CLCシステムでは、酸素キャリア粒子が搬送する酸素と燃料が反応するため、燃料反応塔内では揮発分と酸素キャリア粒子との反応とともに、チャー粒子と酸素キャリア粒子との反応も生じる。
しかし、燃料反応塔内におけるチャー粒子のガスへの反応は揮発分の反応に比べて非常に遅いため、燃料反応塔でのチャー粒子の滞留時間を短縮し、燃料反応塔からチャー粒子を未反応のまま酸素キャリア粒子とともに排出して、かつ、空気反応塔の前流で酸素キャリア粒子と分離して、未反応チャー粒子を回収する。
本実施例によれば、チャー分離装置13から排出されるガスを燃料反応塔2の流動化気体として使用できるため、その流動化気体中に含まれているCOも燃料反応塔2の排ガスとして容易に回収することができる。
さらに、燃料反応塔2において流動層を形成するための排ガス再循環ラインを設ける必要がなくなる。そのため、再循環ファンの動力が大幅に削減でき、低品位炭の改質と、それに伴い発生するCOの分離回収が効率的に行われる。
前記酸素含有気体として、実用上は主に空気が用いられるが、空気に排ガス等を混合したものでも良い。
1:空気反応塔、
2:燃料反応塔、
3:酸素キャリア粒子(MeO)回収サイクロン、
4:酸素キャリア粒子(Me)供給ライン、
6:空気供給ライン、
7:燃料供給ライン、
10:酸素キャリア粒子(MeO)供給用ニューマティックバルブ、
11:酸素キャリア粒子(Me)供給用ニューマティックバルブ、
12、15:燃料反応塔排ガス再循環ライン、
13:流動層式チャー分離装置、
14:未反応チャー抜出ライン、
16:未反応チャー回収サイクロン、
17:未反応チャー排出ライン、
19:酸素キャリア粒子(Me)・未反応チャー供給ライン、
20:チャー分離装置出口ライン、
21:酸素キャリア粒子(Me)供給用ニューマティックバルブ、
22:燃料反応塔出口ライン、
24:CO分離回収装置。

Claims (12)

  1. 空気反応塔と、燃料反応塔と、前記空気反応塔ならびに燃料反応塔の間を酸素キャリア粒子が循環するループ状流路を備えて、
    前記空気反応塔内では前記酸素キャリア粒子が酸素含有気体により酸化され、
    酸化された前記酸素キャリア粒子は、前記空気反応塔から前記燃料反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記燃料反応塔に供給され、
    前記燃料反応塔内では前記酸素キャリア粒子が還元剤として使用される固体炭素質燃料により還元され
    還元された前記酸素キャリア粒子は、前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記空気反応塔に供給されるケミカルルーピング燃焼システムが構成されたケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置であって、
    高温場に改質前の固体炭素質燃料を供給して、前記改質前の固体炭素質燃料の脱水ならびに熱分解により未反応固体炭素質燃料を生成する流動層式の未反応固体炭素質燃料生成手段と、
    前記未反応固体炭素質燃料生成手段によって生成された前記未反応固体炭素質燃料を改質燃料として回収する改質燃料回収手段と、
    前記未反応固体炭素質燃料生成手段から排出される排ガス中の二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素回収手段と、を備え、
    前記燃料反応塔が前記未反応固体炭素質燃料生成手段を兼ねて流動層により前記高温場を形成し、前記燃料反応塔に前記改質前の固体炭素質燃料を供給して前記未反応固体炭素質燃料を生成し、
    前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路上に、前記燃料反応塔から排出される未反応固体炭素質燃料と前記酸素キャリア粒子とを流動化気体により流動化して分離する流動層式分離装置を設け、
    前記流動層式分離装置の未反応固体炭素質燃料排出ライン上に、前記改質燃料回収手段を設けたことを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置。
  2. 請求項に記載のケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置において、
    前記燃料反応塔に、生成した排ガスを排出する燃料反応塔排ガスラインと、その燃料反応塔排ガスラインから分岐して、前記排ガスの一部を前記流動化気体として前記流動層式分離装置に供給する燃料反応塔排ガス再循環ラインを設けたことを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置。
  3. 請求項に記載のケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置において、
    前記二酸化炭素回収手段が、前記燃料反応塔排ガスラインならびに前記燃料反応塔排ガス再循環ラインからの排ガス中の二酸化炭素を分離回収する構成になっていることを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置。
  4. 空気反応塔と、燃料反応塔と、前記空気反応塔ならびに燃料反応塔の間を酸素キャリア粒子が循環するループ状流路を備えて、
    前記空気反応塔内では前記酸素キャリア粒子が酸素含有気体により酸化され、
    酸化された前記酸素キャリア粒子は、前記空気反応塔から前記燃料反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記燃料反応塔に供給され、
    前記燃料反応塔内では前記酸素キャリア粒子が還元剤として使用される固体炭素質燃料により還元され、
    還元された前記酸素キャリア粒子は、前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記空気反応塔に供給されるケミカルルーピング燃焼システムが構成されたケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置であって、
    高温場に改質前の固体炭素質燃料を供給して、前記改質前の固体炭素質燃料の脱水ならびに熱分解により未反応固体炭素質燃料を生成する流動層式の未反応固体炭素質燃料生成手段と、
    前記未反応固体炭素質燃料生成手段によって生成された前記未反応固体炭素質燃料を改質燃料として回収する改質燃料回収手段と、
    前記未反応固体炭素質燃料生成手段から排出される排ガス中の二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素回収手段と、を備え、
    前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路上に設けられた前記未反応固体炭素質燃料生成手段が流動層により前記高温場を形成し、前記未反応固体炭素質燃料生成手段に前記改質前の固体炭素質燃料を供給して前記未反応固体炭素質燃料を生成し、
    前記未反応固体炭素質燃料生成手段内の前記固体炭素質燃料および前記未反応固体炭素質燃料を流動化気体により前記燃料反応塔に搬送して、
    前記燃料反応塔から排ガスを排出する燃料反応塔排ガスライン上に前記改質燃料回収手段を設けたことを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置。
  5. 請求項に記載のケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置において、
    前記未反応固体炭素質燃料生成手段は、生成された前記未反応固体炭素質燃料と前記酸素キャリア粒子とを流動化気体により流動化して分離する流動層式分離装置であり、前記流動層式分離装置に、前記流動化気体により浮遊する前記固体炭素質燃料および前記未反応固体炭素質燃料を前記燃料反応塔に搬送する分離装置出口ラインを設け、
    前記燃料反応塔から排ガスを排出する燃料反応塔排ガスラインと、
    その燃料反応塔排ガスラインから分岐して、前記排ガスの一部を前記流動化気体として前記流動層式分離装置に供給する燃料反応塔排ガス再循環ラインを設けたことを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置。
  6. 請求項に記載のケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置において、
    前記二酸化炭素回収手段が、前記燃料反応塔排ガスラインならびに前記燃料反応塔排ガス再循環ラインからの排ガス中の二酸化炭素を分離回収する構成になっていることを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置。
  7. 空気反応塔と、燃料反応塔と、前記空気反応塔ならびに燃料反応塔の間を酸素キャリア粒子が循環するループ状流路を備えて、
    前記空気反応塔内では前記酸素キャリア粒子が酸素含有気体により酸化され、
    酸化された前記酸素キャリア粒子は、前記空気反応塔から前記燃料反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記燃料反応塔に供給され、
    前記燃料反応塔内では前記酸素キャリア粒子が還元剤として使用される固体炭素質燃料により還元され
    還元された前記酸素キャリア粒子は、前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記空気反応塔に供給されるケミカルルーピング燃焼システムが構成されたケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法であって、
    前記燃料反応塔の流動層により高温場を形成し、その流動層に改質前の固体炭素質燃料を供給して、前記改質前の固体炭素質燃料の脱水ならびに熱分解により未反応固体炭素質燃料を生成する工程と、
    前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路上に設けた流動層式分離装置に、前記燃料反応塔から排出された前記未反応固体炭素質燃料と前記酸素キャリア粒子を供給して流動化気体により流動化させながら前記未反応固体炭素質燃料と前記酸素キャリア粒子を分離する工程と、
    前記流動層式分離装置の未反応固体炭素質燃料排出ライン上に設けられた改質燃料回収手段に、前記流動層式分離装置から排出された前記未反応固体炭素質燃料を流動化気体により流動化させながら供給して、前記未反応固体炭素質燃料を改質燃料として回収する工程と、
    前記未反応固体炭素質燃料を生成する工程で排出された排ガス中の二酸化炭素を分離回収する工程と、を備えたことを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法。
  8. 請求項に記載のケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法において、
    前記燃料反応塔から排出される排ガスの一部を流動化気体として前記流動層式分離装置に供給することを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法。
  9. 請求項に記載のケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法において、
    前記燃料反応塔ならびに前記流動層式分離装置から排出される排ガスから二酸化炭素を分離回収することを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法。
  10. 空気反応塔と、燃料反応塔と、前記空気反応塔ならびに燃料反応塔の間を酸素キャリア粒子が循環するループ状流路を備えて、
    前記空気反応塔内では前記酸素キャリア粒子が酸素含有気体により酸化され、
    酸化された前記酸素キャリア粒子は、前記空気反応塔から前記燃料反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記燃料反応塔に供給され、
    前記燃料反応塔内では前記酸素キャリア粒子が還元剤として使用される固体炭素質燃料により還元され、
    還元された前記酸素キャリア粒子は、前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路を介して前記空気反応塔に供給されるケミカルルーピング燃焼システムが構成されたケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法であって、
    前記燃料反応塔から前記空気反応塔に至る前記ループ状流路上に設けられた未反応固体炭素質燃料生成手段が流動層により高温場を形成し、前記未反応固体炭素質燃料生成手段に改質前の固体炭素質燃料を供給して、前記改質前の固体炭素質燃料の脱水ならびに熱分解により未反応固体炭素質燃料を生成する工程と、
    前記未反応固体炭素質燃料生成手段内の前記固体炭素質燃料および前記未反応固体炭素質燃料を流動化気体により前記燃料反応塔に搬送する工程と、
    前記燃料反応塔から排出される排ガス中から改質燃料回収手段により前記未反応固体炭素質燃料を改質燃料として回収する工程と、
    前記未反応固体炭素質燃料を生成する工程で排出された排ガス中の二酸化炭素を分離回収する工程と、を備えたことを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法。
  11. 請求項10に記載のケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法において、
    前記改質燃料回収手段から排出される排ガスの一部を前記流動化気体として前記未反応固体炭素質燃料生成手段に再循環することを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法。
  12. 請求項10に記載のケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法において、
    前記未反応固体炭素質燃料を回収した後の排ガスから二酸化炭素を分離回収することを特徴とするケミカルルーピング燃焼式固体炭素質燃料改質装置の運転方法。
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