JP7106367B2 - ガス化設備及びその運転方法 - Google Patents
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Description
[石炭ガス化複合発電設備の全体構成]
図1には、本実施形態に係るガス化設備を適用した石炭ガス化複合発電設備の概略構成が示されている。
バーナ30,31は、上下二段に設けられている。下方のバーナ30に相当する位置には、コンバスタ部32が設けられており、微粉炭の一部を燃焼させることでガス化のための熱を供給する。上方のバーナ31に相当する位置には、リダクタ部33が設けられ、微粉炭をガス化する。
リダクタ部33の下流側には、シンガスクーラ35(ガス冷却器)が設けられており、生成ガスを所定温度まで冷却してからチャー回収設備11に供給する。シンガスクーラ35では蒸気が生成され、生成後の蒸気は排熱回収ボイラ(HRSG)20へと導かれる。
ガス精製設備5は、ガス精製部21で生成ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン7に供給する。チャーが分離された生成ガス中にはまだ硫黄分(H2Sなど)が含まれているため、ガス精製部21では、アミン吸収液などによって硫黄分を除去回収して、有効利用する。ガス精製部21にてガス精製を行う際に排出されるオフガスは、排煙脱硫装置へと導かれる。
次に、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備1の動作について説明する。
本実施形態の石炭ガス化複合発電設備1において、給炭設備9に原炭(石炭)が供給されると、石炭は、給炭設備9において細かい粒子状に粉砕されることで微粉炭となる。給炭設備9で製造された微粉炭は、空気分離設備42から供給される窒素により第1窒素供給ライン43を流通してガス化炉設備3に供給される。また、後述するチャー回収設備11で回収されたチャーが、空気分離設備42から供給される窒素により第2窒素供給ライン45を流通してガス化炉設備3に供給される。更に、後述するガスタービン7から抽気された圧縮空気が昇圧機68で昇圧された後、空気分離設備42から供給される酸素と共に圧縮空気供給ライン41を通してガス化炉設備3に供給される。
なお、ガスタービン7と蒸気タービン18は同一軸として1つの発電機19を回転駆動しなくてもよく、別の軸として複数の発電機を回転駆動しても良い。
次に、ガス化炉設備3のスラグ水系統について説明する。
図2に示されているように、ガス化炉16内で微粉炭がガス化される際に、スラグが生成される。スラグは、約1800~約2000℃の顕熱を有しており、矢印Xで示すように、重力により下方に落下する。
なお、スラグ水循環ポンプ95及びスラグ水冷却器96は、それぞれ並列に2つ設けられているが、もちろんそれぞれ1つとしても良い。
スラグ水冷却器96の下流側には、スラグ水の温度を計測する温度センサTが設けられている。温度センサTの出力信号は、図示しない制御部へと送られる。
次に、図2を用いて、スラグ水冷却器96によって回収された熱の供給先について説明する。
スラグ水冷却器96によって回収された熱は、プレ乾燥装置13bに用いられる。具体的には、プレ乾燥装置13bに供給される加熱媒体17をスラグ水冷却器96にて加熱する。すなわち、加熱媒体17がスラグ水冷却器96に供給され(符号※A参照)、スラグ水冷却器96にて加熱された加熱媒体17がスラグ水冷却器96からプレ乾燥装置13bへと導かれる(符号※B参照)。プレ乾燥装置13bは、粉砕後の石炭が流動する流動層乾燥装置とされており、流動化媒体として加熱媒体17が用いられる。プレ乾燥装置13b内の圧力は、大気圧とされている。
プレ乾燥装置13bでは、含水率が30~40重量%まで石炭が乾燥される。
スラグ水冷却器96によってスラグ水から回収された熱が加熱媒体17に供給され、加熱媒体17が加熱される。これにより、石炭を乾燥させる加熱媒体17を加熱するための熱として、スラグ水の顕熱を有効に利用することができ、石炭ガス化複合発電設備1の熱効率を向上させることができる。
図3Aに示すように、スラグ水冷却器96にて熱を回収した後の加熱媒体17に対して、温度調整のために冷却媒体を合流配管(温度調整部)22から合流させるようにしても良い。この場合には、合流後の加熱媒体17の温度を計測する温度センサ22Tを設け、制御部によって温度調整後の加熱媒体17の温度が70℃以上150℃以下の温度となるように冷却媒体の流量を制御する。冷却媒体としては、加熱媒体17と同じ流体が用いられ、例えば、空気分離設備42にて分離された窒素を用いる場合には窒素が用いられ、プレ乾燥装置13bで発生した蒸気を循環させて用いる場合には蒸気を用いる。本変形例によれば、スラグ水冷却器96にて加熱媒体17が所望値よりも高温となった場合にも、プレ乾燥装置13bで必要な乾燥温度に調整することができる。
図3Bに示すように、スラグ水冷却器96にて熱を回収した後の加熱媒体17を温度調整するために、温調用熱交換器(温度調整部)23を設けるようにしても良い。温調用熱交換器23にて、加熱媒体17が冷却媒体によって冷却される。この場合には、冷却後の加熱媒体17の温度を計測する温度センサ23Tを設け、制御部によって温度調整後の加熱媒体17の温度が70℃以上150℃以下の温度となるように冷却媒体の流量を制御する。冷却媒体としては、加熱媒体17よりも低い温度の流体が用いられ、例えば、空気分離設備42にて分離された窒素や、プレ乾燥装置13bで発生した蒸気を循環させて用いる循環蒸気が用いられる。本変形例によれば、スラグ水冷却器96にて加熱媒体17が所望値よりも高温となった場合にも、プレ乾燥装置13bで必要な乾燥温度に調整することができる。
次に、図4を用いて、スラグ水冷却器96によって回収された熱の別の供給先について説明する。
図4を用いて、スラグ水冷却器96によって回収された熱のさらに別の供給先について説明する。
また、スラグ水回収熱供給先は、これら以外にも、例えば暖房の熱源として用いることも可能である。
3 ガス化炉設備
5 ガス精製設備
7 ガスタービン
13 石炭粉砕部
13a 粉砕機
13b プレ乾燥装置(燃料乾燥部)
13c 微粉炭機(微粉砕機)
16 ガス化炉(ガス化部)
17 加熱媒体
19 発電機
20 排熱回収ボイラ
22 合流配管(温度調整部)
23 温調用熱交換器(温度調整部)
26 H2S吸収塔(硫化水素吸収装置)
27 H2S再生塔(硫化水素再生装置)
29 再生加熱器
36 ハイドロカーボン処理設備
37 アンモニアストリッピング塔(アンモニアストリッピング装置)
38 加熱器
42 空気分離設備
62 燃焼器
63 タービン
77 スラグ水貯留部
79 水力輸送配管(スラグ取出部)
80 スラグサイクロン(スラグ分離部)
94 スラグ水返送配管(スラグ水返送部)
95 スラグ水循環ポンプ
96 スラグ水冷却器(スラグ水熱回収部)
Claims (5)
- 炭素含有固体燃料を加熱媒体によって乾燥させる燃料乾燥部と、
該燃料乾燥部によって乾燥された前記炭素含有固体燃料を微粉砕する微粉砕機と、
該微粉砕機によって粉砕された前記炭素含有固体燃料を加圧下で加熱してガス化するガス化部と、
該ガス化部に接続されるとともに前記炭素含有固体燃料から生じるスラグが導かれ、スラグ水が貯留されたスラグ水貯留部と、
該スラグ水貯留部に導かれた前記スラグを前記スラグ水とともに取り出すスラグ取出部と、
該スラグ取出部に接続されるとともに前記スラグを前記スラグ水と分離するスラグ分離部と、
該スラグ分離部にて分離された前記スラグ水を前記スラグ水貯留部に返送するスラグ水返送部と、
前記スラグ水返送部を流通する前記スラグ水から得た熱を回収するスラグ水熱回収部と、
を備え、
前記スラグ水熱回収部によって回収された熱を用いて前記加熱媒体が加熱され、
前記燃料乾燥部に流入する前記加熱媒体の温度を調整する温度調整部を備え
前記温度調整部は、冷却媒体を用いて前記加熱媒体を冷却することによって、前記加熱媒体の温度を70℃以上150℃以下に調整するガス化設備。 - 前記ガス化部にてガス化された生成ガスが供給される燃焼器と、
該燃焼器から導かれた燃焼ガスによって駆動されるタービンと、
該タービンからの動力を得て発電する発電機と、
前記タービンからの排ガスから熱を回収して蒸気を生成する排熱回収ボイラと、
を備え、
前記微粉砕機には、前記排熱回収ボイラから抽気された排ガスが導かれる請求項1に記載のガス化設備。 - 前記ガス化部にてガス化された生成ガスから硫化水素を吸収する硫化水素吸収装置と、
該硫化水素吸収装置にて硫化水素を吸収した吸収液から硫化水素を再生する硫化水素再生装置と、
前記スラグ水熱回収部によって回収された熱を用いて前記硫化水素再生装置が加熱される再生加熱器と、
を備えている請求項1又は2に記載のガス化設備。 - 前記ガス化部にてガス化された生成ガスが導かれる湿式スクラバ装置と、
該湿式スクラバ装置から導かれた排液からアンモニアを除去するアンモニアストリッピング装置と、
前記スラグ水熱回収部によって回収された熱を用いて前記アンモニアストリッピング装置が加熱される加熱器と、
を備えている請求項1から3のいずれかに記載のガス化設備。 - 炭素含有固体燃料を加熱媒体によって乾燥させる燃料乾燥部と、
該燃料乾燥部によって乾燥された前記炭素含有固体燃料を微粉砕する微粉砕機と、
該微粉砕機によって粉砕された前記炭素含有固体燃料を加圧下で加熱してガス化するガス化部と、
該ガス化部に接続されるとともに前記炭素含有固体燃料から生じるスラグが導かれ、スラグ水が貯留されたスラグ水貯留部と、
該スラグ水貯留部に導かれた前記スラグを前記スラグ水とともに取り出すスラグ取出部と、
該スラグ取出部に接続されるとともに前記スラグを前記スラグ水と分離するスラグ分離部と、
該スラグ分離部にて分離された前記スラグ水を前記スラグ水貯留部に返送するスラグ水返送部と、
前記スラグ水返送部を流通する前記スラグ水から得た熱を回収するスラグ水熱回収部と、
を備えたガス化設備の運転方法であって、
前記スラグ水熱回収部によって回収された熱を用いて前記加熱媒体を加熱し、
前記燃料乾燥部に流入する前記加熱媒体の温度を、冷却媒体を用いて冷却することによって、70℃以上150℃以下に調整するガス化設備の運転方法。
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