JP6910872B2 - ガス化炉設備およびこれを備えたガス化複合発電設備 - Google Patents

ガス化炉設備およびこれを備えたガス化複合発電設備 Download PDF

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Description

本発明は、ガス化炉本体で生成されたガス化ガスと給水との熱交換をする熱交換器を備えたガス化炉設備およびこれを備えたガス化複合発電設備に関するものである。
従来、微粉炭(炭素含有固体燃料)をガス化するガス化炉設備において、ガス化反応により生成されたガス化ガス中に混入するチャー等の粉状体が伝熱管に堆積すると、伝熱管の伝熱性能が低下することが知られている。そして、伝熱管の伝熱性能の低下を抑制するために、伝熱管面に高圧蒸気等の噴射媒体を噴射して伝熱管に堆積した粉状体を除去する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1によれば、伝熱管に堆積した粉状体を除去することで、伝熱管の伝熱性能の低下を抑制することができる。
特開2005−3266号公報
しかしながら、粉状体の除去により伝熱管の伝熱性能が急激に向上すると、それに伴って伝熱管を通過したガス化ガスの温度が低下し過ぎてしまう場合がある。ガス化ガスは塩化水素とアンモニアを含む場合があり、ガス化ガスの温度が約230℃以下に低下すると、これらが反応して固体の塩化アンモニウムが顕著に析出することが知られている。塩化水素あるいはアンモニアがガス化ガスから除去される前に、これらが含まれるガス化ガスが約230℃以下に低下してしまうと、析出した塩化アンモニウムにより配管や各種の機器の閉塞や腐食を引き起こす可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ガス化炉本体で生成されたガス化ガスの温度が過度に低下して配管等の閉塞や腐食を引き起こす不具合を抑制することができるガス化炉設備およびこれを備えたガス化複合発電設備を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のガス化炉設備およびこれを備えたガス化複合発電設備は以下の手段を採用する。
本発明の一態様にかかるガス化炉設備は、炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉本体と、前記ガス化炉本体に収容され、該ガス化炉本体で生成されたガス化ガスと給水との熱交換をする熱交換器と、前記熱交換器を通過した前記ガス化ガスの温度を検出するガス温度検出部と、前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように、前記熱交換器で前記ガス化ガスと前記給水とが交換する熱量を制御する制御部と、を備える。
本発明の一態様にかかるガス化炉設備によれば、ガス温度検出部が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように、熱交換器でガス化ガスと給水とが交換する熱量が制御される。そのため、例えば、伝熱面の清掃等により熱交換器の伝熱性能が急激に向上する場合であっても、ガス化ガスの温度が過度に低下せずに所定下限温度を下回らないように維持される。ここで、所定下限温度は、例えば、塩化水素あるいはアンモニアを除去する前にガス化ガスが塩化アンモニウムの顕著に析出する約230℃を下回らないように維持するために十分な高さの温度に設定するのが望ましい。よって、ガス化炉本体で生成されたガス化ガスの温度が過度に低下して配管等の閉塞や腐食を引き起こす不具合を抑制することができる。
本発明の参考例にかかるガス化炉設備は、前記給水を前記熱交換器へ供給する第1流路と、前記熱交換器で前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を流通させる第2流路と、前記第1流路から前記第2流路へ前記ガス化ガスと熱交換していない前記給水を迂回させるバイパス流路と、前記バイパス流路に配置され、該バイパス流路を流通する前記給水の流量を調整するバイパス流量調整弁と、を備え、前記制御部は、前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように前記バイパス流量調整弁を制御する。
発明の参考例にかかるガス化炉設備によれば、バイパス流量調整弁によって第1流路から熱交換器へ供給される給水の流量が制御され、それに伴って熱交換器でガス化ガスと給水とが交換する熱量が制御される。よって、ガス温度検出部が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにすることができる。
本発明の一態様にかかるガス化炉設備は、前記給水を前記熱交換器へ供給する第1流路と、前記熱交換器で前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を流通させる第2流路と、前記第2流路から前記第1流路へ前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を循環させる循環流路と、前記循環流路に配置され、該循環流路を流通する前記給水の流量を調整する循環流量調整弁と、を備え、前記制御部は、前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように前記循環流量調整弁を制御する構成としてもよい。
本構成にかかるガス化炉設備によれば、循環量調整弁によって第2流路から第1流路へ循環させる給水の流量が制御され、それに伴って第1流路から熱交換器へ供給される給水の温度と熱交換器でガス化ガスと給水とが交換する熱量が制御される。よって、ガス温度検出部が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにすることができる。
本発明の一態様にかかるガス化炉設備において、前記熱交換器は、第1熱交換部と第2熱交換部とを有し、前記給水を前記第1熱交換部へ供給する第1流路と、前記第2熱交換部で前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を流通させる第2流路と、前記第1熱交換部で前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を前記第2熱交換部へ導く第3流路と、前記第1流路から前記第3流路へ前記ガス化ガスと熱交換していない前記給水を迂回させるバイパス流路と、前記バイパス流路に配置され、該バイパス流路を流通する前記給水の流量を調整するバイパス流量調整弁と、を備え、前記制御部は、前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように前記バイパス流量調整弁を制御する構成としてもよい。
本構成にかかるガス化炉設備によれば、バイパス流量調整弁によって第1流路から第1熱交換部へ供給される給水の流量が制御され、それに伴って第1熱交換部でガス化ガスと給水とが交換する熱量が制御される。よって、ガス温度検出部が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにすることができる。
本発明の一態様にかかるガス化炉設備においては、前記熱交換器を通過した前記給水の温度を検出する給水温度検出部と、を備え、前記制御部は、前記給水温度検出部が前記給水の蒸発温度以下の所定上限温度を上回らないように、前記バイパス流量調整弁または前記循環流量調整弁の開度上限を決める構成としてもよい。
本構成にかかるガス化炉設備によれば、給水温度検出部が給水の蒸発温度以下の所定上限温度を上回らないように、バイパス流量調整弁または循環流量調整弁の開度上限が決められる。バイパス流量調整弁または循環流量調整弁の開度上限を決めることにより、熱交換器へ供給される給水の流量が調整され、それに伴って熱交換器でガス化ガスと給水とが交換する熱量が制御される。よって、第2流路を流通する給水が流路内で蒸発して熱効率が低下する不具合を抑制することができる。
上記構成にかかるガス化炉設備において、前記制御部は、前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が前記所定下限温度を下回る場合であっても、前記給水温度検出部が検出する前記給水の温度が前記所定上限温度を上回らないように前記バイパス流量調整弁または前記循環流量調整弁の開度上限を決めるようにしてもよい。
このようにすることで、第2流路を流通する給水が流路内で蒸発して熱効率が低下する不具合を優先的に抑制しつつ、ガス化炉本体で生成されたガス化ガスの温度が過度に低下する不具合を抑制することができる。
また、本発明の一態様にかかるガス化複合発電設備は、上記のいずれかに記載のガス化炉設備と、前記ガス化炉設備から導かれたガス化ガスを用いて駆動されるガスタービンと、該ガスタービンによって駆動される発電機とを備えている。
本発明によれば、ガス化炉本体で生成されたガス化ガスの温度が過度に低下して配管等の閉塞や腐食を引き起こす不具合を抑制することができるガス化炉設備を提供することができる。
また、本発明によれば、ガス化炉本体で生成されたガス化ガスの温度が過度に低下してガス化炉設備の配管等の閉塞や腐食を引き起こす不具合を抑制し、さらにガス化ガスの温度が過度に低下することによる発電効率の低下を抑制することができるガス化複合発電設備を提供することができる。
本発明の第1実施形態にかかる石炭ガス化複合発電設備を示した概略構成図である。 図1に示すガス化炉設備の概略構成図である。 本発明の第2実施形態にかかるガス化炉設備の概略構成図である。 本発明の第3実施形態にかかるガス化炉設備の概略構成図である。
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態にかかるガス化炉設備について、図面を参照して説明する。図1には、本発明の第1実施形態にかかるガス化炉設備を適用した石炭ガス化複合発電設備(ガス化炉複合発電設備)の概略構成が示されている。
石炭ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)1は、ガス化炉設備3を備えている。ガス化炉設備3は、空気のみまたは空気及び酸素を酸化剤として用いており、石炭等の炭素含有固体燃料から可燃性ガスを生成する空気燃焼方式を採用している。石炭ガス化複合発電設備1は、ガス化炉設備3で生成したガス化ガスを、ガス精製設備5で精製して燃料ガスとした後、ガスタービン7に供給して発電を行っている。すなわち、石炭ガス化複合発電設備1は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備となっている。なお、空気吹きに代えて酸素吹きの石炭ガス化複合発電設備としても良い。ガス化炉設備3に供給する炭素含有固体燃料としては、例えば石炭が用いられる。
石炭ガス化複合発電設備1は、ガス化炉設備3と、ガス精製設備5と、ガスタービン7と、蒸気タービン18と、発電機19と、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)20と、制御装置90とを備えている。
ガス化炉設備3は、給炭設備9を備えている。給炭設備9は、原炭として炭素含有固体燃料である石炭が給炭バンカ12から供給され、石炭を石炭ミル13で粉砕することで、細かい粒子状に粉砕した微粉炭を製造する。石炭ミル13で製造された微粉炭は、微粉炭ビン17に一時貯留され、各微粉炭供給ホッパ14から給炭ライン15を経て、空気分離設備(ASU)42から供給される搬送用イナートガスとしての窒素ガスによって加圧されて、ガス化炉設備3へ向けて供給される。イナートガスとは、酸素含有率が約5体積%以下の不活性ガスであり、窒素ガスや二酸化炭素ガスやアルゴンガスなどが代表例であるが、必ずしも約5%以下に制限されるものではない。
ガス化炉設備3は、給炭設備9で製造された微粉炭が供給されると共に、チャー回収設備11で回収されたチャー(石炭の未反応分と灰分)が再利用を目的として供給されている。
ガス化炉設備3には、ガスタービン7の圧縮機61から圧縮空気供給ライン41が接続されており、圧縮機61で圧縮された圧縮空気の一部が昇圧機68で所定圧力に昇圧されてガス化炉16に供給可能となっている。
空気分離設備42は、大気中の空気から窒素と酸素を分離生成するものであり、窒素供給ライン43によって空気分離設備42とガス化炉設備3とが接続されている。窒素供給ライン43には、給炭設備9からの給炭ライン15が接続されている。空気分離設備42は、酸素供給ライン47によって、圧縮空気供給ライン41と接続されている。
空気分離設備42によって分離された窒素は、窒素供給ライン43を流通することで、微粉炭の搬送用ガスとして利用される。また、空気分離設備42によって分離された酸素は、酸素供給ライン47及び圧縮空気供給ライン41を流通することで、ガス化炉設備3において酸化剤として利用される。
ガス化炉設備3は、例えば、2段噴流床形式のガス化炉16を備えている。ガス化炉設備3は、内部に供給された石炭(微粉炭)およびチャーを酸化剤(空気、酸素)により部分燃焼させることでガス化させ生成ガスとする。ガス化炉16は、微粉炭をガス化するガス化炉本体16aと、ガス化炉本体16aを内部に収容して加圧状態を保持する圧力容器16bとを備えている。ガス化炉本体16a内は、例えば、3〜4MPa(ゲージ圧)とされている。
バーナ30,31は、上下二段に設けられている。下方のバーナ30に相当する位置には、コンバスタ部32が設けられており、微粉炭及び/又はチャーの一部を燃焼させることでガス化のための熱、COやHOを供給する。上方のバーナ31に相当する位置には、リダクタ部33が設けられ、微粉炭をガス化する。
リダクタ部33の下流側には、ガス冷却器としてのシンガスクーラ35が設けられており、生成ガスを所定温度まで冷却してからチャー回収設備(チャー分離器)11に供給する。シンガスクーラ35では蒸気が生成され、生成後の蒸気は排熱回収ボイラ20へと導かれる。
ガス化炉設備3には、チャー回収設備11に向けて生成ガスを供給する生成ガスライン49が接続されており、チャーを含む生成ガスが排出可能となっている。
チャー回収設備11は、集塵設備51と複数のチャー供給ホッパ52とを備えている。この場合、集塵設備51は、1つまたは複数のサイクロンやポーラスフィルタにより構成され、ガス化炉設備3で生成された生成ガスに含有するチャーを回収することができる。そして、チャーが分離された生成ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製設備5に送られる。
チャー供給ホッパ52は、集塵設備51で生成ガスから回収されたチャーを貯留するものである。集塵設備51とチャー供給ホッパ52との間には、チャービン54が配置されている。チャービン54に対して、複数のチャー供給ホッパ52がそれぞれ接続されている。チャー供給ホッパ52からのチャー戻しライン46がチャー搬送系統45に接続されている。
ガス精製設備5は、チャー回収設備11によりチャーが分離された生成ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。
ガス精製設備5は、生成ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン7に供給する。チャーが分離された生成ガス中にはまだ硫黄分(HSなど)が含まれているため、ガス精製設備5では、アミン吸収液などによって硫黄分を除去回収して、有効利用する。
ガス精製設備5は、熱交換器21、スクラバ24、HS吸収塔(腐食ガス除去手段)27を備えている。
集塵設備51から導かれたガス化ガスは、熱交換器21にて熱交換して減温される。
スクラバ24は、ガス化ガスに含まれる塩化水素(HCL)およびアンモニア(NH)等の不純物を除去する装置である。スクラバ24としては、例えば、水等の吸収液を噴霧してガス化ガス中に接触させる湿式スクラバが用いられる。
スクラバ24を通過したガス化ガスは、HS吸収塔27にてHSが除去される。HS吸収塔27にてHSが除去されたガス化ガスは、精製ガス供給ライン28を通過する際に熱交換器21にて加温された後に、ガスタービン7の燃焼器62へと導かれる。
ガスタービン7は、圧縮機61、燃焼器62、タービン63を備えており、圧縮機61とタービン63とは、回転軸64により連結されている。燃焼器62には、圧縮機61からの圧縮空気供給ライン65が接続されると共に、ガス精製設備5の精製ガス供給ライン28が接続された燃料ガス供給ライン66が接続されている。燃焼器62には、タービン63に燃焼ガスを供給する燃焼ガス供給ライン67が接続されている。
ガスタービン7は、圧縮機61からガス化炉設備3に延びる圧縮空気供給ライン41が設けられており、中途部に昇圧機68が設けられている。従って、燃焼器62では、圧縮機61から供給された圧縮空気の一部とガス精製設備5から供給された燃料ガスの少なくとも一部とを混合して燃焼させることで燃焼ガスを発生させ、発生させた燃焼ガスをタービン63へ向けて供給する。そして、タービン63は、供給された燃焼ガスにより回転軸64を回転駆動させることで発電機19を回転駆動させる。
蒸気タービン18は、ガスタービン7の回転軸64に連結されるタービン69を備えており、発電機19は、この回転軸64の基端部に連結されている。ガスタービン7のタービン63の排出側には、排ガスライン70が接続されている。排熱回収ボイラ20は、給水とタービン63の排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。そして、排熱回収ボイラ20は、蒸気タービン18との間に蒸気供給ライン71が設けられている。従って、蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69が回転駆動され、回転軸64を回転させることで発電機19を回転駆動させる。
排熱回収ボイラ20の出口には、煙突75が接続されており、燃焼ガスが大気へと放出される。なお、排熱回収ボイラ20の出口に、ガス浄化設備を設けても良い。
制御装置90は、石炭ガス化複合発電設備1の各部を制御する装置である。制御装置90は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
次に、本実施形態のガス化炉設備3の給水系統について説明する。図2は、図1に示すガス化炉設備3の概略構成図である。
図2に示すように、ガス化炉設備3は、シンガスクーラ35と、蒸気ドラム39と、第1流路L1と、第2流路L2と、バイパス流路LBと、温度センサ(ガス温度検出部)91と、温度センサ(給水温度検出部)92と、給水流量調整弁93と、バイパス流量調整弁94と、逆止弁95と、を備える。
シンガスクーラ35は、ガス化炉本体16aに収容され、ガス化炉本体16aで生成されたガス化ガスとボイラ給水BFWとの熱交換をする装置である。シンガスクーラ35は、節炭器36を有する。
節炭器36は、第1流路L1から供給されるボイラ給水BFWをガス化ガスとの熱交換により加熱し、第2流路L2を介して気水分離器である蒸気ドラム39に供給する。
蒸気ドラム39で分離された蒸気は、排熱回収ボイラ20へ供給される。
第1流路L1は、シンガスクーラ35へボイラ給水BFWを供給する流路であり、第1流路L1を流通する給水の流量を調整する給水流量調整弁93が設けられている。
第2流路L2は、シンガスクーラ35でガス化ガスと熱交換したボイラ給水BFWを流通させる流路であり、シンガスクーラ35を通過したボイラ給水BFWの温度を検出する温度センサ92が設けられている。
バイパス流路LBは、第1流路L1から第2流路L2へガス化ガスと熱交換していないボイラ給水BFWを迂回させる流路である。バイパス流路LBには、バイパス流路LBを流通するボイラ給水BFWの流量を調整するバイパス流量調整弁94と、第2流路L2から第1流路L1へボイラ給水BFWが逆流することを防止する逆止弁95とが設けられている。
温度センサ91は、シンガスクーラ35の節炭器36を通過したガス化ガスの温度を検出するセンサである。温度センサ91は、生成ガスライン49に設けられている。なお、温度センサ91は、ガス化炉本体16aの内部の、節炭器36よりもガス化ガスの流通方向の下流側に設けてもよい。
次に、本実施形態のガス化炉設備3の動作について説明する。
なお、本実施形態において、制御装置90は、石炭ガス化複合発電設備1の全体を制御するものであるが、ガス化炉設備3の動作を制御する制御部を有している。そして、本実施形態のガス化炉設備3は、制御装置90が備える制御部を構成の一部として組み込んだものであってもよい。
本実施形態のガス化炉設備3において、制御装置90は、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回るかどうかを判断し、所定下限温度を下回ると判断した場合にバイパス流量調整弁94の開度を増加させる第1制御指令値を生成する。
ここで、所定下限温度は、例えば、塩化水素あるいはアンモニアを除去する前に、ガス化ガスが塩化アンモニウムの顕著に析出する約230℃を下回らないように維持するために十分な高さの温度に設定する。本実施形態では、スクラバ24でガス化ガスから塩化水素とアンモニアが除去されるため、スクラバ24へ流入するガス化ガスの温度が230℃を上回るように所定下限温度を設定する。すなわち、所定下限温度は、230℃に、熱交換器21を通過する際に想定される温度降下分を加算した値以上に設定する。
次に、制御装置90は、温度センサ92が検出するボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回るかどうかを判断し、所定上限温度を上回ると判断した場合にバイパス流量調整弁94の開度上限を決める。
制御装置90は、第1制御指令値をバイパス流量調整弁94へ送信する。
バイパス流量調整弁94は、制御装置90から受信した第1制御指令値に応じて、開度を調整する。なお、制御装置90は、第1制御指令値により増加するバイパス流量調整弁94の開度が開度上限以下となるように第1制御指令値を補正する。
以上のように、制御装置90は、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回ると判断した場合に、ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにバイパス流量調整弁94の開度を増加させる。バイパス流量調整弁94の開度を増加させることにより、節炭器36と熱交換せずにバイパス流路LBへ迂回するボイラ給水BFWの流量が増加し、それに伴って節炭器36を流通するボイラ給水BFWの流量が減少する。これにより、節炭器36出口のボイラ給水BFWの温度が上昇するため、ガス化ガスとボイラ給水BFWとの温度差が小さくなり、交換する熱量が低下する。
また、制御装置90は、温度センサ92が検出するボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回ると判断した場合に、ボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回らないようにバイパス流量調整弁94の開度上限を決める。バイパス流量調整弁94の開度上限を決めることにより、節炭器36に供給されるボイラ給水BFWの流量の下限が決まり、それに伴って節炭器36でガス化ガスとの熱交換により加熱されるボイラ給水BFWの温度の上限が決まる。
以上説明した本実施形態の石炭ガス化複合発電設備1が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の石炭ガス化複合発電設備1が備えるガス化炉設備3によれば、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように、節炭器36でガス化ガスとボイラ給水BFWとが交換する熱量が制御される。そのため、例えば、節炭器36の伝熱面(図示略)の清掃等により節炭器36の伝熱性能が急激に向上する場合であっても、ガス化ガスの温度が過度に低下せずに所定下限温度を下回らないように維持される。よって、ガス化炉本体16aで生成されたガス化ガスの温度が過度に低下して配管等の閉塞や腐食を引き起こす不具合を抑制することができる。
本実施形態のガス化炉設備3は、ボイラ給水BFWを節炭器36へ供給する第1流路L1と、節炭器36でガス化ガスと熱交換したボイラ給水BFWを流通させる第2流路L2と、第1流路L1から第2流路L2へガス化ガスと熱交換していないボイラ給水BFWを迂回させるバイパス流路LBと、バイパス流路LBに配置され、バイパス流路LBを流通するボイラ給水BFWの流量を調整するバイパス流量調整弁94と、を備える。そして、制御装置90は、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにバイパス流量調整弁94を制御する。
本実施形態のガス化炉設備3によれば、バイパス流量調整弁94によって第1流路L1から節炭器36へ供給されるボイラ給水の流量が制御され、それに伴って節炭器36でガス化ガスとボイラ給水BFWとが交換する熱量が制御される。よって、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにすることができる。
また、本実施形態のガス化炉設備3によれば、温度センサ92が検出するボイラ給水BFWの温度が蒸発温度以下の所定上限温度を上回らないように、バイパス流量調整弁94の開度上限が決められる。バイパス流路LBに設けられたバイパス流量調整弁94の開度上限を決めることにより、節炭器36へ供給されるボイラ給水BFWの流量の下限が決まり、それに伴って節炭器36でガス化ガスとボイラ給水BFWとが交換する熱量が制御される。よって、第2流路L2を流通するボイラ給水BFWが流路内で蒸発して熱効率が低下する不具合を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の石炭ガス化複合発電設備について説明する。本実施形態の石炭ガス化複合発電設備は、第1実施形態の石炭ガス化複合発電設備1の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態の石炭ガス化複合発電設備1と同様であるものとする。
第1実施形態の石炭ガス化複合発電設備1のガス化炉設備3は、第1流路L1から第2流路L2へボイラ給水BFWを迂回させるバイパス流路LBと、バイパス流路LBに設けられるバイパス流量調整弁94を備えるものであった。
それに対して、本実施形態のガス化炉設備3Aは、第2流路L2から第1流路L1へボイラ給水BFWを循環させる循環流路LCと、循環流路LCに設けられる循環流量調整弁96を備えるものである。
図3に示すように、本実施形態のガス化炉設備3Aは、シンガスクーラ35と、蒸気ドラム39と、第1流路L1と、第2流路L2と、循環流路LCと、温度センサ91と、温度センサ92と、給水流量調整弁93と、循環流量調整弁96と、循環ポンプ97と、を備える。
循環流路LCは、第2流路L2から第1流路L1へガス化ガスと熱交換したボイラ給水BFWを循環させる流路である。循環流路LCには、循環流路LCを流通するボイラ給水BFWの流量を調整する循環流量調整弁96と、第2流路L2から第1流路L1へボイラ給水BFWを循環させる循環ポンプ97とが設けられている。
次に、本実施形態のガス化炉設備3Aの動作について説明する。
本実施形態のガス化炉設備3Aにおいて、制御装置90は、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回るかどうかを判断し、所定下限温度を下回ると判断した場合に循環流量調整弁96の開度を増加させる第1制御指令値を生成する。
ここで、所定下限温度は、第1実施形態と同様に、塩化アンモニウムが顕著に析出する230℃に、熱交換器21を通過する際に想定される温度降下分を加算した値以上に設定する。
次に、制御装置90は、温度センサ92が検出するボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回るかどうかを判断し、所定上限温度を上回ると判断した場合に循環流量調整弁96の開度上限を決める。
制御装置90は、第1制御指令値を循環流量調整弁96へ送信する。
循環流量調整弁96は、制御装置90から受信した第1制御指令値に応じて、開度を調整する。なお、制御装置90は、第1制御指令値により増加する循環流量調整弁96の開度が開度上限以下となるように第1制御指令値を補正する。
以上のように、制御装置90は、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回ると判断した場合に、ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように循環流量調整弁96の開度を増加させる。循環流量調整弁96の開度を増加させることにより、節炭器36と熱交換して循環流路LCへ循環するボイラ給水BFWの流量が増加し、それに伴って節炭器36へ供給されるボイラ給水BFWの温度が増加してガス化ガスとボイラ給水BFWとが交換する熱量が低下する。
また、制御装置90は、温度センサ92が検出するボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回ると判断した場合に、ボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回らないように循環流量調整弁96の開度上限を決める。循環流量調整弁96の開度上限を決めることにより、節炭器36に供給されるボイラ給水BFWの流量の下限が決まり、それに伴って節炭器36でガス化ガスとの熱交換により加熱されるボイラ給水BFWの流量の温度の上限が決まる。
以上説明した本実施形態の石炭ガス化複合発電設備1が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のガス化炉設備3Aは、ボイラ給水BFWを節炭器36へ供給する第1流路L1と、節炭器36でガス化ガスと熱交換したボイラ給水BFWを流通させる第2流路L2と、第2流路L2から第1流路L1へガス化ガスと熱交換したボイラ給水BFWを循環させる循環流路LCと、循環流路LCに配置され、循環流路LCを流通するボイラ給水BFWの流量を調整する循環流量調整弁96と、を備える。そして、制御装置90は、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように循環流量調整弁96を制御する。
本実施形態のガス化炉設備3Aによれば、循環流量調整弁96によって第2流路L2から第1流路L1へ循環させるボイラ給水BFWの流量が制御され、それに伴って第1流路L1から節炭器36へ供給されるボイラ給水BFWの温度と節炭器36でガス化ガスとボイラ給水BFWとが交換する熱量が制御される。よって、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにすることができる。
また、本実施形態のガス化炉設備3Aによれば、制御装置90が、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回る場合であっても、温度センサ92が検出するボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回らないように循環流量調整弁96の上限を決める。
このようにすることで、第2流路L2を流通するボイラ給水BFWが流路内で蒸発して蒸気ドラムでの汽水分離性能が低下する不具合を優先的に抑制しつつ、ガス化炉本体16aで生成されたガス化ガスの温度が過度に低下する不具合を抑制することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態の石炭ガス化複合発電設備について説明する。本実施形態の石炭ガス化複合発電設備は、第1実施形態の石炭ガス化複合発電設備1の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態の石炭ガス化複合発電設備1と同様であるものとする。
第1実施形態の石炭ガス化複合発電設備1のガス化炉設備3は、第1流路L1から第2流路L2へボイラ給水BFWを迂回させるバイパス流路LBと、バイパス流路LBに設けられるバイパス流量調整弁94を備えるものであった。
それに対して、本実施形態のガス化炉設備3Bは、節炭器36Aが第1熱交換部36Aaと第2熱交換部36Abとを有し、第1流路L1から第3流路L3へガス化ガスと熱交換していないボイラ給水BFWを迂回させるバイパス流路LBaと、バイパス流路LBaに配置されるバイパス流量調整弁99と、を備えるものである。
図4に示すように、本実施形態のガス化炉設備3Bは、シンガスクーラ35Aと、蒸気ドラム39と、第1流路L1と、第2流路L2と、第3流路L3と、バイパス流路LBaと、温度センサ91と、温度センサ92と、給水流量調整弁93と、供給流量調整弁98と、バイパス流量調整弁99と、逆止弁100と、を備える。
本実施形態のシンガスクーラ35Aが備える節炭器36Aは、ガス化ガスの流通方向の下流側から順に、第1熱交換部36Aaと、第2熱交換部36Abと、を有する。
第1流路L1は、節炭器36Aの第1熱交換部36Aaへボイラ給水BFWを供給する流路であり、第1流路L1を流通する給水の流量を調整する供給流量調整弁98が設けられている。
第2流路L2は、節炭器36Aの第2熱交換部36Abでガス化ガスと熱交換したボイラ給水BFWを流通させる流路であり、節炭器36Aを通過したボイラ給水BFWの温度を検出する温度センサ92が設けられている。
第3流路L3は、第1熱交換部36Aaを通過したボイラ給水BFWを第2熱交換部36Abへ供給する流路である。なお、第3流路L3から第1熱交換部36Aaへボイラ給水BFWが逆流しないように逆止弁100が設けられている。
バイパス流路LBaは、第1流路L1から第3流路L3へガス化ガスと熱交換していないボイラ給水BFWを迂回させる流路である。バイパス流路LBaには、バイパス流路LBaを流通するボイラ給水BFWの流量を調整するバイパス流量調整弁99が設けられている。
次に、本実施形態のガス化炉設備3Bの動作について説明する。
本実施形態のガス化炉設備3において、制御装置90は、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回るかどうかを判断し、所定下限温度を下回ると判断した場合にバイパス流量調整弁99の開度を増加させる第1制御指令値を生成する。
ここで、所定下限温度は、第1実施形態と同様に、塩化アンモニウムが顕著に析出する230℃に、熱交換器21を通過する際に想定される温度降下分を加算した値以上に設定する。
次に、制御装置90は、温度センサ92が検出するボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回るかどうかを判断し、所定上限温度を上回ると判断した場合にバイパス流量調整弁99の開度上限を決める。
制御装置90は、第1制御指令値をバイパス流量調整弁99へ送信する。
バイパス流量調整弁99は、制御装置90から受信した第1制御指令値に応じて、開度を調整する。なお、制御装置90は、第1制御指令値により増加するバイパス流量調整弁99の開度が開度上限以下となるように第1制御指令値を補正する。
以上のように、制御装置90は、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回ると判断した場合に、ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにバイパス流量調整弁99の開度を増加させる。バイパス流量調整弁99の開度を増加させることにより、第1熱交換部36Aaと熱交換せずにバイパス流路LBaへ迂回するボイラ給水BFWの流量が増加し、それに伴って節炭器36A(第1熱交換部36Aa)でガス化ガスとボイラ給水BFWとが交換する熱量が低下する。
なお、バイパス流量調整弁99の開度を増加させる場合には、供給流量調整弁98の開度を減少させるのが望ましい。ただし、供給流量調整弁98の開度をゼロとしてしまうと第1熱交換部36Aaが温度上昇してしまうとため、急激な温度上昇を抑制する程度の流量を確保するのが望ましい。
また、制御装置90は、温度センサ92が検出するボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回ると判断した場合に、ボイラ給水BFWの温度が所定上限温度を上回らないようにバイパス流量調整弁99の開度上限を決める。バイパス流量調整弁99の開度上限を決めることにより、節炭器36Aに供給されるボイラ給水BFWの流量の下限が決まり、それに伴って節炭器36Aでガス化ガスとの熱交換により加熱されるボイラ給水BFWの温度の上限が決まる。
以上説明した本実施形態の石炭ガス化複合発電設備1が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のガス化炉設備3Bにおいて、節炭器36Aは、第1熱交換部36Aaと第2熱交換部36Abとを有し、ボイラ給水BFWを第1熱交換部36Aaへ供給する第1流路L1と、第2熱交換部36Abでガス化ガスと熱交換したボイラ給水BFWを流通させる第2流路L2と、第1熱交換部36Aaでガス化ガスと熱交換したボイラ給水BFWを第2熱交換部36Abへ導く第3流路L3と、第1流路L1から第3流路L3へガス化ガスと熱交換していないボイラ給水BFWを迂回させるバイパス流路LBaと、バイパス流路LBaに配置され、バイパス流路LBaを流通するボイラ給水の流量を調整するバイパス流量調整弁99と、を備える。そして、制御装置90は、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにバイパス流量調整弁99を制御する。
本実施形態のガス化炉設備3Bによれば、バイパス流量調整弁99によって第1流路L1から第1熱交換部36Aaへ供給されるボイラ給水BFWの流量が制御され、それに伴って第1熱交換部36Aaでガス化ガスとボイラ給水BFWとが交換する熱量が制御される。よって、温度センサ91が検出するガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないようにすることができる。
〔他の実施形態〕
なお、本実施形態では、石炭ガス化複合発電設備をガス化炉設備の適用例の一例として説明したが、石炭ガス化複合発電設備1以外のプラント、例えば所望の化学種を生成ガスから得るためのガス化炉設備として用いてもよい。この場合には、ガスタービン等の発電設備を省略する。
また、上述した実施形態では、燃料として石炭としたが、石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマスであってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
また、本実施形態はガス化炉として、タワー型ガス化炉について説明してきたが、ガスの流通経路が上部で略逆U字状に折り返すクロスオーバー型ガス化炉としても良い。
1 石炭ガス化複合発電設備(ガス化複合発電設備)
3,3A,3B ガス化炉設備
5 ガス精製設備
7 ガスタービン
16 ガス化炉
16a ガス化炉本体
16b 圧力容器
19 発電機
20 排熱回収ボイラ
21 熱交換器
24 スクラバ
27 HS吸収塔(腐食ガス除去手段)
28 精製ガス供給ライン
35 シンガスクーラ
36 節炭器
39 蒸気ドラム
90 制御装置
91 温度センサ(ガス温度検出部)
92 温度センサ(給水温度検出部)
93 給水流量調整弁
94,99 バイパス流量調整弁
95 逆止弁
96 循環流量調整弁
97 循環ポンプ
L1 第1流路
L2 第2流路
LB バイパス流路

Claims (7)

  1. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉本体と、
    前記ガス化炉本体に収容され、該ガス化炉本体で生成されたガス化ガスと給水との熱交換をする熱交換器と、
    前記熱交換器を通過した前記ガス化ガスの温度を検出するガス温度検出部と、
    前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように、前記熱交換器で前記ガス化ガスと前記給水とが交換する熱量を制御する制御部と、
    前記給水を前記熱交換器へ供給する第1流路と、
    前記熱交換器で前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を流通させる第2流路と、
    前記第2流路から前記第1流路へ前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を循環させる循環流路と、
    前記循環流路に配置され、該循環流路を流通する前記給水の流量を調整する循環流量調整弁と、を備え、
    前記制御部は、前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が前記所定下限温度を下回らないように前記循環流量調整弁を制御するガス化炉設備。
  2. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉本体と、
    前記ガス化炉本体に収容され、該ガス化炉本体で生成されたガス化ガスと給水との熱交換をする熱交換器と、
    前記熱交換器を通過した前記ガス化ガスの温度を検出するガス温度検出部と、
    前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように、前記熱交換器で前記ガス化ガスと前記給水とが交換する熱量を制御する制御部と、を備え、
    前記熱交換器は、第1熱交換部と第2熱交換部とを有し、
    前記給水を前記第1熱交換部へ供給する第1流路と、
    前記第2熱交換部で前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を流通させる第2流路と、
    前記第1熱交換部で前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を前記第2熱交換部へ導く第3流路と、
    前記第1流路から前記第3流路へ前記ガス化ガスと熱交換していない前記給水を迂回させるバイパス流路と、
    前記バイパス流路に配置され、該バイパス流路を流通する前記給水の流量を調整するバイパス流量調整弁と、を備え、
    前記制御部は、前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が前記所定下限温度を下回らないように前記バイパス流量調整弁を制御するガス化炉設備。
  3. 炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉本体と、
    前記ガス化炉本体に収容され、該ガス化炉本体で生成されたガス化ガスと給水との熱交換をする熱交換器と、
    前記熱交換器を通過した前記ガス化ガスの温度を検出するガス温度検出部と、
    前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が所定下限温度を下回らないように、前記熱交換器で前記ガス化ガスと前記給水とが交換する熱量を制御する制御部と、
    前記給水を前記熱交換器へ供給する第1流路と、
    前記熱交換器で前記ガス化ガスと熱交換した前記給水を流通させる第2流路と、
    前記第1流路から前記第2流路へ前記ガス化ガスと熱交換していない前記給水を迂回させるバイパス流路と、
    前記バイパス流路に配置され、該バイパス流路を流通する前記給水の流量を調整するバイパス流量調整弁と、
    前記熱交換器を通過した前記給水の温度を検出する給水温度検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記給水温度検出部が前記給水の蒸発温度以下の所定上限温度を上回らないように、前記バイパス流量調整弁の開度上限を決めるガス化炉設備。
  4. 前記熱交換器を通過した前記給水の温度を検出する給水温度検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記給水温度検出部が前記給水の蒸発温度以下の所定上限温度を上回らないように、前記循環流量調整弁の開度上限を決める請求項に記載のガス化炉設備。
  5. 前記制御部は、前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が前記所定下限温度を下回る場合であっても、前記給水温度検出部が検出する前記給水の温度が前記所定上限温度を上回らないように前記バイパス流量調整弁の開度上限を決める請求項に記載のガス化炉設備。
  6. 前記制御部は、前記ガス温度検出部が検出する前記ガス化ガスの温度が前記所定下限温度を下回る場合であっても、前記給水温度検出部が検出する前記給水の温度が前記所定上限温度を上回らないように前記循環流量調整弁の開度上限を決める請求項4に記載のガス化炉設備。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載のガス化炉設備と、
    前記ガス化炉設備から導かれたガス化ガスを用いて駆動されるガスタービンと、
    該ガスタービンによって駆動される発電機と、
    を備えていることを特徴とするガス化複合発電設備。
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