JP2001153347A - 廃熱回収ボイラ及び廃棄物処理用設備 - Google Patents

廃熱回収ボイラ及び廃棄物処理用設備

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JP2001153347A JP33188799A JP33188799A JP2001153347A JP 2001153347 A JP2001153347 A JP 2001153347A JP 33188799 A JP33188799 A JP 33188799A JP 33188799 A JP33188799 A JP 33188799A JP 2001153347 A JP2001153347 A JP 2001153347A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気予熱器で350〜500℃程度の高温空
気を回収して、当該高温空気を旋回式溶融炉の燃焼用空
気として利用すること。 【解決手段】 ごみを不完全燃焼させてチャーと燃焼排
ガスを出力する流動床式熱分解炉と、灰分を溶融する旋
回式溶融炉4と、ボイラ6と、ボイラ出口の排ガス通路
中の一次空気予熱器10と、排ガス処理装置16と、を
備えた廃棄物処理用設備において、ボイラ内で排ガスに
よる水冷壁での熱回収後の上昇流排ガスの通路に、過熱
器7の排ガス流れの上流側に二次空気予熱器9を設置
し、一次空気予熱器10からの出口空気を二次空気予熱
器に送給し、二次空気予熱器9からの高温空気を溶融炉
4の燃焼用空気として送出する廃棄物処理用設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱分解炉と溶融炉
からなる廃棄物熱分解溶融プラントに高温空気を供給す
るに適した廃熱回収ボイラ及び廃棄物処理用設備に関す
る。
【0002】
【従来の技術】廃棄物処理用設備では、特に近年、ごみ
を熱分解ガス化し、さらにガス化した熱を利用してごみ
中の灰分を高温で溶融することにより、ダイオキシンを
分解するとともに灰をスラグ化して減溶するガス化溶融
システムが注目されている。
【0003】従来技術の廃棄物処理用設備は、図3に示
すように、家庭用生ごみを主とした(産業廃棄物を含
む)廃棄物を部分燃焼とともに熱分解させてチャー(熱
分解固形分)と可燃性ガスを生成する流動床式熱分解炉
3と、チャー中の灰分を溶融する旋回式溶融炉4と、溶
融炉4の二次燃焼室5と、廃熱回収ボイラ6と、ボイラ
内に設置される過熱器7と、過熱器の後流側の蒸発器8
と、ボイラ出口の排ガス通路中の空気予熱器10と、前
記通路中のエコノマイザ(節炭器)12と、減温塔13
と、排ガス処理装置16(例えば、バグフィルタ、触媒
塔)、煙突17と、を主として備えている。
【0004】この廃棄物処理用設備において、ごみ等の
廃棄物をガス化炉(熱分解炉3)で500〜700℃で
熱分解ガス化し、この熱分解ガス化により生成した可燃
性の熱分解ガスとチャー(灰分を含む炭化物)、又はチ
ャーのみを溶融炉4に供給し熱分解ガスとチャー、又は
チャーのみの熱量を利用して1200〜1400℃の温
度で燃焼させ、チャー中の灰分はスラグとして溶融炉4
の下部より排出する。
【0005】熱分解炉と溶融炉において、ごみを熱分解
ガス化しごみ中の灰分を溶融する場合、ガス化するごみ
の持つ熱量が少ない時は油等の助燃燃料を使用しないと
灰を溶融することが出来ない。そのためガス化用空気や
溶融のための燃焼空気を出来るだけ高温(例えば約35
0〜500℃程度)にして助燃焼料を減らそうとしてい
る。特に、ごみ発熱量の低い低質ごみはこの傾向にな
る。
【0006】一方、燃焼排ガスは二次空気により残CO
等の未燃分を溶融炉4の下流の二次燃焼室5で燃焼後、
下流の廃熱回収ボイラ6に入る。前記ボイラ6に入った
燃焼排ガスは、前記燃焼排ガスの上昇流である第1煙道
6aの水冷壁で熱回収され、次いで、ボイラ上部からホ
ッパ14に至る前記排ガスの下降流である第2煙道6b
の水冷壁で熱回収され、更に、ホッパ14を通って排ガ
スの上昇流である第3煙道に入り、ここで過熱器7およ
び蒸発器8でさらに熱回収される。
【0007】廃熱回収ボイラを出た排ガスは、ガス式空
気予熱器10で空気を予熱後、エコノマイザ12により
廃熱でボイラ給水を加熱し(空気予熱器10とエコノマ
イザ12の配置順序は逆の場合も有り得る)、さらに減
温塔13で減温され排ガス処理設備16で清浄なガスに
処理後に煙突17から排気される。
【0008】このように、ガス化溶融システムは、一般
に約500〜700℃程度の温度で熱分解ガス化し、廃
熱回収ボイラのガス温度はその入口で約1200〜14
00℃程度、その出口のガス温度は約250〜300℃
前後(図示の配置における空気予熱器入口)である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来技術による廃熱回
収ボイラでは、ガス式空気予熱器はエコノマイザ出口
(又は入口)に設置される場合、ガス式空気予熱器の入
口ガス温度は約300〜250℃程度以下となり、ガス
式空気予熱器の出口の空気温度は約200〜250℃程
度迄の低い温度でしか回収できない。従って、ガス化溶
融システムの溶融炉では、1200℃〜1400℃の高
温で灰溶融を行うため、従来技術の上述のような低温空
気では安定して灰溶融に必要な温度が得られないという
課題があった。
【0010】このため、溶融炉での灰溶融に必要な空気
を高温で供給するために、廃熱ボイラの入口、即ち溶融
炉出口の高温ガスゾーンに空気予熱器を設置するという
考え方も提案されている。ところが、溶融炉出口部は、
ガス温度が灰の溶融温度以上の1200〜1300℃以
上の高温になることと、溶融炉出口排ガス中のHCI濃
度が高いことから、溶融炉出口の高温ガス部に空気予熱
器を設置し熱回収するには、伝熱管の高温腐食をさける
ために腐食に強いセラミック等の高級材料を使用する必
要がある。しかし、セラミックは材料が高価であるとと
もに鋼管に比べ割れやすいという欠点があり不経済な設
備になるという課題があった。
【0011】また、従来の廃熱回収ボイラで、過熱器の
上流のホッパ部にく字型の整流板を設けて過熱器の腐食
防止を図る構成例もあるが、この整流板では排ガスの偏
流が生じて整流が不十分となり、過熱器の管壁温度が局
部的に上昇し、この部分のHCI等の腐食が進むという
課題があった。
【0012】本発明の目的は、ガス式空気予熱器におい
て350〜500℃程度の高温空気として熱回収するこ
とで過熱器の高温腐食の防止を図るとともに、当該高温
空気を溶融炉に供給して効率的な灰溶融を行うことがで
きる廃棄物処理用廃熱回収ボイラ及び廃棄物処理用設備
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は次のような構成を採用する。
【0014】廃棄物を燃焼して生成した高温の排ガスを
受け入れて熱交換する廃熱回収ボイラにおいて、前記廃
熱回収ボイラの入口側から前記排ガスが上昇流となって
水冷壁で熱回収される第1煙道と、前記第一煙道に引き
読いて前記排ガスが前記廃熱回収ボイラの上部から下降
流となって水冷壁で熱回収される第2煙道と、前記第2
煙道の下部に排ガス中のダストを除去するホッパと、前
記ホッパから前記排ガスが上昇流となって過熱器と蒸発
器で熱回収される第3煙道と、を設け、前記第3煙道で
前記過熱器の前記排ガス流れの上流側に二次空気予熱器
を設置し、前記廃熱回収ボイラ出口の排ガス通路中に設
けた一次空気予熱器からの出口空気を前記二次空気予熱
器に送給して、350〜500°Cの高温空気を前記二
次空気予熱器から送出する廃熱回収ボイラ。
【0015】また、廃棄物を燃焼して生成した高温の排
ガスを受け入れて熱交換する廃熱回収ボイラにおいて、
前記廃熱回収ボイラの入口側から前記排ガスが上昇流と
なって水冷壁で熱回収される第1煙道と、前記第一煙道
に引き読いて前記排ガスが前記廃熱回収ボイラの上部か
ら下降流となって水冷壁で熱回収される第2煙道と、前
記第2煙道の下部に排ガス中のダストを除去するホッパ
と、前記ホッパから前記排ガスが上昇流となって過熱器
で熱回収される第3煙道と、を設け、前記ホッパの内で
前記排ガス流れの上昇流を形成している前記第3煙道の
入口側のホッパ内に二次空気予熱器を設置し、前記廃熱
回収ボイラ出口の排ガス通路中に設けた一次空気予熱器
からの出口空気を前記二次空気予熱器に送給して、35
0〜500°Cの高温空気を前記二次空気予熱器から送
出する廃熱回収ボイラ。
【0016】また、ごみを不完全燃焼させてチャーと燃
焼排ガスを出力する流動床式熱分解炉と、チャー中の灰
分を溶融する旋回式溶融炉と、前記燃焼排ガスから熱回
収する廃熱回収ボイラと、前記廃熱回収ボイラ出口の排
ガスから熱回収する一次空気予熱器と、減温塔及び排ガ
ス処理装置と、を備えた廃棄物処理用設備において、前
記廃熱回収ボイラ内で前記排ガスによる水冷壁での熱回
収後の上昇流排ガスの通路に、過熱器の前記排ガス流れ
の上流側に二次空気予熱器を設置し、前記一次空気予熱
器からの出口空気を前記二次空気予熱器に送給し、前記
二次空気予熱器からの高温空気を前記溶融炉の燃焼用空
気として送出する廃棄物処理用設備。
【0017】また、前記廃棄物処理用設備において、前
記二次空気予熱器からの高温空気を、前記熱分解炉の熱
分解ガス化空気として送出する廃棄物処理用設備。
【0018】また、廃棄物を燃焼して生成した高温の排
ガスを受け入れて熱交換する廃熱回収ボイラにおいて、
前記廃熱回収ボイラの入口側から前記排ガスが上昇流と
なって水冷壁で熱回収される第1煙道と、前記第一煙道
に引き読いて前記排ガスが前記廃熱回収ボイラの上部か
ら下降流となって水冷壁で熱回収される第2煙道と、前
記第2煙道の下部に排ガス中のダストを除去するホッパ
と、前記ホッパから前記排ガスが上昇流となって過熱器
と蒸発器で熱回収される第3煙道と、を設け、前記第3
煙道で前記過熱器の前記排ガス流れの上流側に空気予熱
器内の空気流れ方向が排ガスの流れと同方向である空気
予熱器を設置した廃熱回収ボイラ。
【0019】また、前記廃熱回収ボイラにおいて、前記
ホッパの内で前記排ガス流れの上昇流を形成している前
記第3煙道の入口側のホッパ内に空気予熱器を設置した
廃熱回収ボイラ。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る廃棄物処
理用廃熱回収ボイラ及び廃棄物処理用設備について、図
1を用いて以下説明する。ここで、3は流動床式熱分解
炉、4は旋回式溶融炉、5は二次燃焼室、6は廃熱回収
ボイラ、7は過熱器、8は蒸発器、9は二次空気予熱
器、10は一次空気予熱器、12はエコノマイザ、13
は減温塔、14はホッパ、をそれぞれ表す。
【0021】ごみ等の廃棄物は流動床熱分解炉3に搬入
され、廃棄物は流動床でそれへの高温空気(後述する二
次空気予熱器から供給される)によって意図的に不完全
燃焼されて(空気比を完全燃焼の1.0に比べて0.2
〜0.5程度とすることによって)熱分解ガス化され、
不燃物を排出するとともにチャー及び燃焼排ガスを排出
する。
【0022】前記チャー及び燃焼排ガスは旋回式溶融炉
4に送給されてこの溶融炉4で旋回流となり互いに混合
され、後述する二次空気予熱器9からの高温空気で燃焼
され、スラグと燃焼排ガスとに区分けされる。スラグと
分離された燃焼排ガスは溶融炉4の二次燃焼室5で再度
燃焼されて高温化される。
【0023】溶融炉4を出た約1200〜1300℃の
燃焼排ガスは、周壁を水冷壁で囲まれた廃熱回収ボイラ
6のボイラ第1煙道(燃焼ガスの上昇流となる通路)に
入り、水冷壁で一部熱回収され約1000℃前後に減温
された後、ボイラ第1煙道の上部でターン後、ボイラ第
2煙道(下降流となる通路)を下降しながら通過する。
ボイラ第2煙道でも水冷壁で一部熱回収される。
【0024】ボイラ第2煙道を出たガスはボイラ第2煙
道出口にあるホッパ14(燃焼排ガス中のダストを除去
するもの)に入り、ボイラ第2煙道出口のホッパ14の
下部でターン後、前記ボイラ第2煙道に併設されガス流
れの逆となるボイラ第3煙道の入口にあるホッパ14を
上昇しながら通過する。ホッパ14を上昇してきたガス
はボイラ第3煙道に入る。
【0025】ボイラ第3煙道の入口側には、図1に示す
ように二次空気予熱器9が設置されていて、この設置位
置はボイラ第3煙道中のガス流れにおいて過熱器7の上
流側となっている。前記二次空気予熱器9で予熱器内の
空気によって熱回収された後に蒸気過熱器7を通り、さ
らに蒸発管8(蒸発管を設けない場合も有る)を通って
ボイラ出口から排出される。
【0026】ボイラ出口の排ガス通路には、一次空気予
熱器10とエコノマイザ12が設置されていて熱交換し
ている。一次空気予熱器とエコノマイザは図2で一次空
気予熱器10が上流側に配されているが、逆の配置も有
り得る。一次空気予熱器10には押込送風機11によっ
て空気が送り込まれ、送り込まれた空気はボイラ出口の
排ガスによって熱交換してその温度が高められる。以上
のようなボイラ出口での熱交換態様は公知の技術であ
る。
【0027】図1のエコノマイザ12以降の工程は公知
の排ガス処理装置を経て煙突からガスが排出される。
【0028】本実施形態の構造上の特徴の1つは、公知
の一次空気予熱器10に加えて、一次空気予熱器10か
らの出口空気をさらに高温化するため、二次空気予熱器
9をボイラのガス上昇流を形成する第3煙道の過熱器7
手前に設置することである。
【0029】更に、本実施形態の構造上の他の特徴は、
二次空気予熱器9によって高温化された空気が旋回式溶
融炉4に燃焼用空気として供給されることである。二次
空気予熱器9からの高温化された空気は、溶融炉4の外
にも、ごみの乾燥機への乾燥用空気として供給され得、
更に、流動床式熱分解炉3の流動床にも熱分解ガス化空
気として供給されることである。
【0030】ここで、本実施形態を図示した図1では燃
焼排ガスが廃熱回収ボイラ6の下方から入っているが、
廃熱回収ボイラの上方から入る場合も有り得る。また、
ボイラ煙道もボイラ第4煙道迄の場合も有り得る。さら
に、公知の一次空気予熱器10の代わりに、蒸気式空気
予熱器を一次空気予熱器として使用する場合も有り得
る。
【0031】次に、本発明の実施形態について、その機
能乃至作用に関して以下説明する。ボイラ第1煙道に入
ったガスは、ボイラ第1煙道の水冷壁で、熱回収され約
1000℃前後迄減温される。約1000℃前後に減温
されたガスはボイラ第2煙道に入り、ここでも水冷壁で
熱回収され約600〜500℃程度迄減温される。
【0032】二次空気予熱器9での熱回収により二次空
気予熱器9の出口空気温度を350〜500℃程度にす
るためには、二次空気予熱器9の入口ガス温度は出口空
気温度よりも最低でも50℃程度は高くする必要がある
ので、二次空気予熱器9の入口ガス温度は400〜55
0℃程度以上とする必要がある。
【0033】本実施形態による二次空気予熱器9の上流
側の水冷壁の伝熱面積を、空気予熱器として必要なガス
温度(400〜550℃程度)になる様に設計すること
により当該必要ガス温度を得ることが可能である。具体
的に云えば、廃棄物焼却量100t/24hの場合、本
実施形態による熱分解溶融炉用廃熱回収ボイラ内に組込
んだ二次空気予熱器9のガス温度と空気温度の計算例
は、入口ガス温度が530℃で、出口ガス温度が450
℃の場合に、入口空気温度は200℃で、出口空気温度
は400℃となる。
【0034】このように、本実施形態では、廃熱回収ボ
イラ内の排ガス温度が約400〜1000℃のゾーンに
空気予熱器を設置することによりその目的が達成でき
る。ガス式空気予熱器で350〜500℃の高温空気と
して熱回収するためには、ガス式空気予熱器の入口ガス
温度が空気予熱器の出口空気温度の350〜500℃よ
り高温でなくてはならない。ところが、廃熱回収ボイラ
の中に空気予熱器を組み込んだ場合、熱分解溶融炉用廃
熱回収ボイラにおいて、廃熱回収ボイラ入口ガス温度は
約1200℃程度で、ボイラ出口ガス温度は250℃〜
300℃である。即ち、廃熱回収ボイラ内のガス温度域
は約1200〜250℃程度となる。
【0035】特に、廃熱回収ボイラ内の第1煙道出口以
降の煙道内であれば、水冷壁管や蒸発管の伝熱面積の調
整により熱吸収量を調整できるので約1000℃から約
350℃程度の範囲迄ガス温度を調整することが可能で
ある。具体的には、廃熱回収ボイラの中の第2煙道以降
に空気予熱器を組込むことにより350〜500℃の高
温空気の回収が可能となる。
【0036】以上のように、廃熱回収ボイラ6の中に二
次空気予熱器9を組込むことによって、容易に350〜
500℃程度の高温空気の回収が可能である。特に、上
記の計算例であれば二次空気予熱器9の伝熱管の管壁温
度も450℃前後となり排ガス中に塩素を含む排ガスの
場合でも伝熱管の高温腐食の心配も少いので、割れ易い
セラミックスや高価な超高級合金鋼を使用せず市販のス
テンレス鋼管(SUS310S程度)で可能であるので
経済的に高温空気を回収することが出来る。
【0037】さらに、排ガスの上昇流であるボイラ第3
煙道に二次空気予熱器を設定すると、ガス流が上昇流で
あることと、ボイラ第2煙道出口ホッパ部でのガスター
ン時にガス中のダストの一部が落下してダスト量が減少
しているため、二次空気予熱器へのダスト付着が少いと
いう効果がある。
【0038】さらに、二次空気過熱器9が蒸気過熱器7
の上流側に設置されるため、蒸気過熱器7へのダスト付
着防止にもなり、且つ蒸気過熱器の高温腐食防止の効果
もある。また、二次空気予熱器9が蒸気過熱器7の入口
ガス流の整流効果も奏し、蒸気過熱器への入口ガスの偏
流による局部的な高温ガスゾーンがなくなるので、偏流
による高温腐食防止の効果もある。
【0039】さらに、二次空気予熱器9で350〜50
0℃まで高温化された空気を溶融炉4の燃焼空気として
供給することにより、溶融炉からボイラに送給される燃
焼排ガスの熱量を一層高めることができるとともに溶融
炉での灰を溶融するための助燃燃料の使用量を低減で
き、また、前記高温化された空気をごみの乾燥機へ供給
することで水分を除去してごみの乾燥化を一層促進する
ことができ、また、前記高温化された空気を分解炉の熱
分解ガス化空気として供給することにより、ごみを熱分
解してガス化する効率を一層向上させることができる。
【0040】図2に本発明の他の実施形態を示す。ここ
で、3は流動床式熱分解炉、4は旋回式溶融炉、5は二
次燃焼室、6は廃熱回収ボイラ、7は過熱器、8は蒸発
器、9は空気予熱器、12はエコノマイザ、13は減温
塔、14はホッパ、16は排ガス処理装置、をそれぞれ
表す。
【0041】ごみ等の廃棄物は流動床熱分解炉3に投入
され、廃棄物は流動床で高温空気(後述する空気予熱器
から供給される)によって500〜700℃の温度で部
分燃焼されて(空気比を完全燃焼の1.0に比べて0.
2〜0.5程度とすることによって)熱分解ガス化さ
れ、不燃物を排出するとともにチャー及び可燃性熱分解
ガスを排出する。
【0042】前記チャー及び熱分解ガスは旋回式溶融炉
4に送給されてこの溶融炉4で、後述する空気予熱器9
からの高温空気とともに旋回流となり互いに混合され1
200〜1400℃で燃焼し、溶融されたスラグは下部
から排出される。一方、燃焼排ガスは溶融炉4の二次燃
焼室5でCO等の未燃分が燃焼される。
【0043】二次燃焼室5を出た約1200〜1400
℃の燃焼排ガスは、周壁を水冷壁で囲まれた廃熱回収ボ
イラ6のボイラ第1煙道6a(燃焼ガスの上昇流となる
通路)に入り、水冷壁で一部熱回収され約1000℃前
後に減温された後、ボイラ第1煙道の上部でターン後、
ボイラ第2煙道6b(下降流となる通路)を下降しなが
ら通過する。燃焼排ガスはボイラ第2煙道でも水冷壁で
一部熱回収され600〜800℃の温度に低下する。
【0044】ボイラ第2煙道6bを出たガスはボイラ第
2煙道出口にあるホッパ14(燃焼排ガス中のダストを
除去するもの)に入り、ボイラ第2煙道出口のホッパ1
4の仕切壁14aの下部でターン後、前記ボイラ第2煙
道6bに併設されガス流れの逆となるボイラ第3煙道6
cの入口にあるホッパ14を上昇しながら通過する。ホ
ッパ14を上昇してきたガスは600〜800℃の温度
でボイラ第3煙道に入る。ここで、前記ホッパの仕切壁
14aはボイラ第2煙道と第3煙道の間に設けられた水
壁の下部に設置され、必ずしも水壁である必要はない。
【0045】ボイラ第3煙道6cの入口側のホッパ部に
は、図に示すように空気予熱器9が設置されていて、こ
の設置位置はボイラ第3煙道中のガス流れにおいて過熱
器7の上流側となっている。また、空気予熱器には大気
温度の空気が燃焼排ガスと並流になるように導入され
る。前記空気予熱器9で予熱器内の空気によって熱回収
された後450〜600℃の温度で蒸気過熱器7を通
り、さらに蒸発器8を通ってボイラ出口から排出され
る。ボイラから出た排ガスは、エコノマイザ1212で
熱回収された後、減温塔13、排ガス処理装置16を経
て、煙突17から排出される。
【0046】一方、大気温度の空気は、前記空気予熱器
に下部から入り上述したように空気予熱器内で燃焼排ガ
ス流と同方向に流れ300〜400℃の温度に加熱され
た後に空気予熱器上部より出て、溶融炉4、熱分解炉3
の燃焼用空気として使用される。
【0047】本実施形態は図1の実施形態のように一次
空気予熱器は受けず、廃熱回収ボイラに設けた空気予熱
器によって、大気温度の空気を1段で300〜400℃
の高温空気とする場合を示している。排ガス中のHCl
による、空気予熱器の腐食防止をより厳しく考え、空気
予熱器の出口温度を300〜400℃としているため、
図1の廃熱回収ボイラの各部の排ガス温度とは若干異な
っている。
【0048】また、空気予熱器の空気の流れを排ガスの
流れと同方向にすることにより(並流)、空気予熱器全
体にわたり管壁温度を400〜450℃以下に維持で
き、排ガス中のHClによる腐食を低減できる。
【0049】更に、本実施形態では、ホッパ14内に、
第2煙道を第3煙道の水壁の下部に仕切壁14aを設
け、空気予熱器は第3煙道入口側のホッパ内に配置して
いる。これによって、ボイラ耐圧部への設置よりも補修
が容易となる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、経済的に且つ容易に3
50〜500℃程度の高温空気を回収することが可能と
なる。
【0051】また、二次空気過熱器を蒸気過熱器の上流
側に設置するため、蒸気過熱器へのダスト付着を防止す
るとともに、蒸気過熱器の高温腐食防止の効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る廃棄物処理用廃熱回収
ボイラ及び廃棄物処理用設備の構成を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る廃棄物処理用廃熱
回収ボイラ及び廃棄物処理用設備の構成を示す図であ
る。
【図3】従来技術に係る廃棄物処理用廃熱回収ボイラ及
び廃棄物処理用設備の構成を示す図である。
【符号の説明】
3 流動床式熱分解炉 4 旋回式溶融炉 5 二次燃焼室 6 廃熱回収ボイラ 6a ボイラ第1煙道 6b ボイラ第2煙道 6c ボイラ第3煙道 7 過熱器 8 蒸発器 9 二次空気予熱器 10 一次空気予熱器 12 エコノマイザ 13 減温塔 14 ホッパ 14a ホッパ仕切壁 16 排ガス処理装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23J 1/00 F23J 1/00 B 15/06 15/00 K (72)発明者 川根 宏三 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 3K023 QA02 QA12 QA18 QB02 QB03 QB08 QB13 QC08 3K061 AA11 AA18 AB02 AB03 AC01 BA03 BA04 BA05 BA08 DA12 DA18 DA19 FA08 FA10 FA21 FA25 3K065 AA18 AB02 AB03 AC01 BA03 BA04 BA05 BA08 EA06 EA16 EA33 EA44 JA02 JA03 JA05 JA13 JA18 3K070 DA05 DA49 DA50 DA58 DA72 DA83 DA85 3K078 AA03 AA04 AA05 AA08 BA03 BA26 CA02 CA12 CA21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を燃焼して生成した高温の排ガス
    を受け入れて熱交換する廃熱回収ボイラにおいて、 前記廃熱回収ボイラの入口側から前記排ガスが上昇流と
    なって水冷壁で熱回収される第1煙道と、前記第一煙道
    に引き読いて前記排ガスが前記廃熱回収ボイラの上部か
    ら下降流となって水冷壁で熱回収される第2煙道と、前
    記第2煙道の下部に排ガス中のダストを除去するホッパ
    と、前記ホッパから前記排ガスが上昇流となって過熱器
    と蒸発器で熱回収される第3煙道と、を設け、 前記第3煙道で前記過熱器の前記排ガス流れの上流側に
    二次空気予熱器を設置し、前記廃熱回収ボイラ出口の排
    ガス通路中に設けた一次空気予熱器からの出口空気を前
    記二次空気予熱器に送給して、350〜500°Cの高
    温空気を前記二次空気予熱器から送出することを特徴と
    する廃熱回収ボイラ。
  2. 【請求項2】 廃棄物を燃焼して生成した高温の排ガス
    を受け入れて熱交換する廃熱回収ボイラにおいて、 前記廃熱回収ボイラの入口側から前記排ガスが上昇流と
    なって水冷壁で熱回収される第1煙道と、前記第一煙道
    に引き読いて前記排ガスが前記廃熱回収ボイラの上部か
    ら下降流となって水冷壁で熱回収される第2煙道と、前
    記第2煙道の下部に排ガス中のダストを除去するホッパ
    と、前記ホッパから前記排ガスが上昇流となって過熱器
    で熱回収される第3煙道と、を設け、 前記ホッパの内で前記排ガス流れの上昇流を形成してい
    る前記第3煙道の入口側のホッパ内に二次空気予熱器を
    設置し、前記廃熱回収ボイラ出口の排ガス通路中に設け
    た一次空気予熱器からの出口空気を前記二次空気予熱器
    に送給して、350〜500°Cの高温空気を前記二次
    空気予熱器から送出することを特徴とする廃熱回収ボイ
    ラ。
  3. 【請求項3】 ごみを不完全燃焼させてチャーと燃焼排
    ガスを出力する流動床式熱分解炉と、チャー中の灰分を
    溶融する旋回式溶融炉と、前記燃焼排ガスから熱回収す
    る廃熱回収ボイラと、前記廃熱回収ボイラ出口の排ガス
    から熱回収する一次空気予熱器と、減温塔及び排ガス処
    理装置と、を備えた廃棄物処理用設備において、 前記廃熱回収ボイラ内で前記排ガスによる水冷壁での熱
    回収後の上昇流排ガスの通路に、過熱器の前記排ガス流
    れの上流側に二次空気予熱器を設置し、 前記一次空気予熱器からの出口空気を前記二次空気予熱
    器に送給し、 前記二次空気予熱器からの高温空気を前記溶融炉の燃焼
    用空気として送出することを特徴とする廃棄物処理用設
    備。
  4. 【請求項4】 廃棄物を燃焼して生成した高温の排ガス
    を受け入れて熱交換する廃熱回収ボイラにおいて、 前記廃熱回収ボイラの入口側から前記排ガスが上昇流と
    なって水冷壁で熱回収される第1煙道と、前記第一煙道
    に引き読いて前記排ガスが前記廃熱回収ボイラの上部か
    ら下降流となって水冷壁で熱回収される第2煙道と、前
    記第2煙道の下部に排ガス中のダストを除去するホッパ
    と、前記ホッパから前記排ガスが上昇流となって過熱器
    と蒸発器で熱回収される第3煙道と、を設け、 前記第3煙道で前記過熱器の前記排ガス流れの上流側に
    空気予熱器内の空気流れ方向が排ガスの流れと同方向で
    ある空気予熱器を設置したことを特徴とする廃熱回収ボ
    イラ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の廃熱回収ボイラにおい
    て、 前記ホッパの内で前記排ガス流れの上昇流を形成してい
    る前記第3煙道の入口側のホッパ内に空気予熱器を設置
    したことを特徴とする廃熱回収ボイラ。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の廃棄物処理用設備にお
    いて、 前記二次空気予熱器からの高温空気を、前記熱分解炉の
    熱分解ガス化空気として送出することを特徴とする廃棄
    物処理用設備。
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