JP2004125203A - 灰溶融装置及び運転方法 - Google Patents

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Naoki Fujiwara
藤原 直機
Takahiro Marumoto
丸本 隆弘
Toru Senju
千手 透
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Abstract

【課題】設備費、助熱のための燃料費が増大せず、設備コストを抑え、安定してスラグの固化閉塞トラブルの発生を防ぐ灰溶融装置とその運転方法を提供すること。
【解決手段】高温ガスにより灰分を溶融する灰溶融炉9から排出した未燃焼分を二次燃焼室24で燃焼させ、灰溶融炉9と二次燃焼室24を接続するスラグチャンバー41の下部にスラグタップ38を設け、スラグタップ38に下端を水封したスラグ落下筒39を連結した灰溶融装置に、スラグ落下筒39と二次燃焼室24の下部とを連通させる熱ガスバイパス部44を設ける。このとき、熱ガスバイパス部44にスラグタップ38からの熱ガスを二次燃焼室24に送り込む方向に作動流体を吹き込む吹込み管48を設け、スラグタップ38、スラグ落下筒39の温度を高めてスラグの温度低下、固化を防止する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は灰溶融炉の稼働率及び信頼性の向上並びに運転コスト低減に役立つ灰溶融装置とその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ごみ灰の減容化と無害化を同時に実現できる灰溶融システムが注目されている。例えば、ごみ焼却炉で発生したごみ灰を集塵器で捕集し、灯油、重油などを熱源として灰を溶融する「ごみ焼却炉+灰溶融炉システム」、あるいはごみ自体の燃焼熱を利用してごみの灰分を溶融、無害化する「ごみガス化炉+灰溶融炉システム」が実用化されている。
【0003】
「ごみガス化炉+灰溶融炉システム」の構成例を図10に示す。図10において、給塵ホッパ1から定量供給機2によりごみが供給シュート5からガス化炉6に供給され、ガス化炉6には流量調節弁27で流量調節された空気が配管21から供給され、ごみは流動層8内でガス化される。ガス化炉6の頂部から煙道12を経由して溶融炉にCO、Hなどの可燃性ガスのほか固体のチャーを含む熱分解ガスが導入される。
【0004】
溶融炉9では1000℃以上の高温の前記熱分解ガスが、流量調節弁25で流量調節され、配管20から供給される空気と混合、燃焼して高熱を発生する。灰分は溶解してスラグとなる。溶解したスラグは溶融炉9からスラグチャンバー41に流出して、スラグタップ38に至る。スラグタップ38の堰の一部に設けた切欠き部分からスラグはスラグ落下筒39内に落下する。スラグ落下筒39の下部に設けられた水槽40にはスラグ冷却のための水砕水が入っており、高温のスラグはこの水砕水により冷却され、コンベア11により系外に排出される。
【0005】
スラグチャンバー41から空気ノズル42が設けられた二次燃焼室24に流れる高温排ガスはボイラ3の伝熱管56内の水を蒸気化して冷却され、煙道33からガス急冷塔13に送られる。冷却後の排ガスは煙道34を経由してエアヒータ14で溶融炉9、ガス化炉6、二次燃焼室24に配管32を経由して供給される燃焼用空気を予熱するために利用される。燃焼用空気は送風機19から空気配管4を経てエアヒータ14に送られる。なお、空気配管4から分岐して、それぞれ必要な部位に空気配管20〜24、31が設けられている。
【0006】
燃焼用空気の予熱後の排ガスは煙道35から集塵器15に供給され、集塵後の浄化ガスがダンパ18で流量を調節されながら誘引送風機16により煙突17に送られ、大気中に放出される。
【0007】
このような図10に示す「ごみガス化炉+灰溶融炉システム」の構成要素として用いられる従来の灰溶融装置の構造を図8に示す。
図8に示す灰溶融装置の一構成要素である溶融炉9は灯油、重油などを燃料とし、油噴射ノズル7を有する起動バーナ10を用いて昇温する。溶融炉9の温度が約1000℃に達したことを確認した後、ごみガス化炉6(図10参照)で発生した熱分解ガスを、煙道12を通じて熱分解ガス吹込ノズル36から溶融炉9に吹き込む。
【0008】
ごみガス化炉6で発生した熱分解ガスにはCO、Hなどの可燃性ガスのほかに固体のチャー及びガスの灰が含まれている。溶融炉9は既に1000℃以上の高温に達しているので、この熱分解ガスは配管20と空気吹込管37から供給される空気と混合、燃焼して高熱を発生する。灰分は溶解してスラグとなる。溶解したスラグは溶融炉9からスラグチャンバー41に流出してスラグタップ38に至る。スラグタップ38内のスラグはスラグ落下筒39内を落下して水槽40中の水砕水で冷却され、コンベア11により系外に排出される。
【0009】
溶融炉9中での熱分解ガスの安定燃焼、灰の溶融、排出を確認した後に起動バーナ10を停止し、以後、ごみのガス化により発生した熱分解ガスの燃焼熱により灰を溶融無害化する定常運転状態に入る。
【0010】
図8に示す灰溶融装置では、溶解炉9が唯一の熱の発生場所であり、溶融炉9より下流領域では熱が発生しない。従って、溶融炉9からのスラグが流出した後には溶融炉9中の熱は一方的に奪われるのみである。しかしながら、スラグタップ38の下端からスラグ落下筒39中にスラグを安定して滴下させるためには、スラグタップ38の下端部でのスラグの温度を約1200℃以上に維持しておく必要がある。
【0011】
すなわち、この溶融炉9においてスラグを安定に排出できるかどうかは溶融炉9の出口でスラグが保有していた熱量(顕熱)のロスを極力抑えて、スラグタップ38の下端部まで高温を維持できるかどうかにかかっている。
【0012】
大量の灰を溶融する大型設備であれば、スラグの量が多くてその流れも太いためスラグ単位体積当たりの放熱面積(表面積)が小さく、スラグが冷却され難い。しかし少量の灰を溶融する小型の灰溶融装置の場合には、スラグの量が少ないため、スラグは太さ数ミリ程度の細い糸のように流れる。その場合には、スラグ単位体積当たりの放熱面積(表面積)が非常に大きくなり、当初スラグが保有していた熱が低温の周囲に放散してスラグが流動性を失い、固化してしまう。こうしてスラグの固化によるスラグタップ38の閉塞トラブルが発生する。そうなると、システム全体を停止させ溶融炉9を冷却した後、炉内に作業員が入り、削岩機などを用いて固化したスラグを除去することになる。この作業及びその後の起動に要する時間は通常数週間程度の長期間となり、多大な経済的損失が発生する。
【0013】
スラグと周囲の温度差が大きいほど、スラグから大量の熱が奪われる。スラグの流出経路に沿って温度を見てみると、溶融炉9の出口に接続するスラグチャンバー41は溶融炉9からの高温燃焼ガスが充満しており、この部分の温度は十分に高く、スラグチャンバー41部分でのスラグからの熱損失は比較的少ない。
【0014】
一方、スラグ落下筒39の下端部は約80〜90℃の水槽40の水砕水中にあり、この付近の水砕水の水温はスラグの1300℃と比較して極度に低温である。また、その低温水面に接続しているスラグ落下筒39も内部に熱源を持っておらず、耐火材を通じて熱伝熱により冷却されるのみである。実際、運転中の溶融炉9で測定した結果によれば、スラグ落下筒39内部の温度は数100℃程度の低温である。その結果、スラグの固化はスラグタップ38から流下中のスラグの下端で、かつ、スラグタップ38に接触した部分から固化部分が拡大し、遂には全面に拡大してスラグタップ38を閉塞する場合がある。
【0015】
この様子は、ロウソクの炎で溶け、ロウソクの頂部から流下したロウが冷たいロウソクの根元部分で冷却され、固化して盛り上がって固化物が成長する様子と良く似ている。
【0016】
上記した図8に示す灰溶融装置では、溶融炉9の規模が小さくなるとスラグの固化による閉塞トラブルが頻発しやすいといった問題点がある。
この点を解決するため、図9に示す改良した灰溶融装置がある。図9に示す灰溶融装置は、図8に示す灰溶融装置に、さらにスラグチャンバー41の天井部に助熱バーナ43を設け、さらにスラグ落下筒39の側壁に助熱バーナ26を設け、スラグの加熱あるいはスラグからの熱放散軽減を図ったものである。但し、この灰溶融装置においては、助熱バーナ26、43の設置コストと助熱のための燃料消費量のアップは避けられない。
【0017】
また、別の灰溶融装置として、図10に示したようにスラグ落下筒39の中間部と二次燃焼室24の下流の煙道、例えば煙道35とダンパ30を備えた煙道31を連結し、溶融炉9からの高温燃焼ガスの一部をスラグタップ38を経由してスラグ落下筒39内に引き込むことにより、スラグタップ38部のスラグの加熱並びにスラグ落下筒39内の高温化を図り、固化を防止する方法も考えられている(特開平10−220729号公報)。
【0018】
しかし、この方法は溶融炉9の出口燃焼ガスが流路50から二次燃焼室24を経由しないで、そのまま煙道31経由で排出されるため、溶融炉9の出口燃焼ガスに含まれたCOなどが、そのまま煙突17から排出されるという欠点のほかに長い配管を設けることによりコストが高くなるという問題点がある。
【0019】
また、本出願人は図11に示すように灰溶融装置のスラグ落下筒39と二次燃焼室24の下部とを連通させる熱ガスバイパス部44を設ける構成により、溶融炉9からの高温燃焼ガスの一部をスラグタップ38を経由してスラグ落下筒39から熱ガスバイパス部44を通り二次燃焼室24に誘導することでスラグタップ38の下端部でのスラグの温度を高温に維持する発明を出願している(特開2001−280616号公報)。
【0020】
【特許文献1】
特開平10−220729号公報
【0021】
【特許文献2】
特開2001−280616号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術では、
▲1▼プラント規模が小さくなると灰の量が少なく、スラグが冷却され易くなるため、スラグの固化閉塞トラブルが発生し易くなる。固化閉塞トラブルが発生するとプラントの稼働率低下、スラグ除去などメインテナンス費用の増大などの問題が発生する。
【0023】
▲2▼助熱バーナ26、43を設置することによりこれを防止できるが、設備費、助熱のための燃料費の増大という問題が発生する。
【0024】
▲3▼スラグ落下筒39と二次燃焼室24以降の煙道を導通させることにより、溶融炉9の出口高温ガスをスラグ落下筒39内に引き込み、スラグ落下筒39の高温化を図る方法もあるが、この場合、溶融炉9の出口ガスが二次燃焼室24をバイパスするため、溶融炉9の出口ガス中に含まれる未燃のCOなどが煙突17から排出される問題と煙道31が長くなりその設備コストが高くなるという問題点がある。
【0025】
▲4▼灰溶融装置のスラグ落下筒39と二次燃焼室24の下部とを連通させる熱ガスバイパス部44を設ける構成でスラグタップ38の下端部でのスラグの温度を高温に維持する効果が得られるが、ごみなどの燃料源の構成が変化することなどから灰の溶融状態が変動するので、スラグタップ38がスラグで固化閉塞する可能性がなくなるとはいえない。
【0026】
本発明の課題は、設備費、助熱のための燃料費が増大せず、設備コストを抑え、安定してスラグの固化閉塞トラブルの発生を防ぐ灰溶融装置とその運転方法を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、高温ガスにより灰分を溶融する灰溶融炉と、該灰溶融炉から排出した未燃焼分を燃焼させる二次燃焼室と、灰溶融炉と二次燃焼室を接続し、かつ下部にスラグタップを設けた煙道と、該煙道のスラグタップに連結し、下端を水封したスラグ落下筒と、スラグ落下筒と二次燃焼室の下部とを連通させる熱ガスバイパス部を設けた灰溶融装置において、次のような設備を追加することで解決される。
【0028】
(1)熱ガスバイパス部にスラグタップからの熱ガスを二次燃焼室に送り込む方向に作動流体を吹き込む吹込み管を設ける。
(2)灰溶融炉と二次燃焼室を接続する煙道の天井あるいは側壁に空気あるいは燃焼ガスを煙道内に吹き込むために助熱バーナを設ける。
【0029】
(3)灰溶融炉と二次燃焼室を接続する煙道の二次燃焼室との接続部分の流路に空気、蒸気、排ガスなどの作動流体を吹込み、エアカーテンを形成させ、流路抵抗を増すことにより、スラグタップ、熱ガスバイパス部を通じて二次燃焼室に流れる高温燃焼ガス量を増すようにする。
(4)灰溶融炉と二次燃焼室を接続する煙道の二次燃焼室の接続部分の流路に煙道の断面積を可変にするためのスライドゲートを設ける。
(5)スラグ落下筒内にスラグの流下状況を監視する手段を設ける。
【0030】
こうして、スラグ落下筒内の温度が下がった場合には、熱ガスバイパス部を通る熱ガス量を増し、スラグ落下筒内の温度が上昇しすぎた場合には、熱ガスバイパス部を通る熱ガス量を減じるように操作して灰溶融装置を運転する。
【0031】
また、スラグ落下筒内のスラグ流下状態を観察し、スラグタップでスラグが固化する傾向が認められた場合には、熱ガスバイパス部を通る熱ガス量を増し、スラグタップを経由した燃焼ガス量により流下するスラグが吹き飛ばされてスラグ落下筒の内壁に付着する場合には、熱ガスバイパス部を通る熱ガス量を減じるように操作して灰溶融装置を運転する。
【0032】
上記(1)〜(5)の手段を設けると同時に、スラグ落下筒内に温度計測手段を設け、スラグ落下筒内の温度を監視し、燃料あるいは灰の性状変動に起因する灰の溶融状態の変動が生じても、スラグ落下筒内の温度を一定に保つようにしてスラグを安定に排出することで、より確実にスラグの固化閉塞トラブルの発生を防ぐことができる。
【0033】
【作用】
本出願人の先の発明の灰溶融装置(特開2001−280616号公報)では、灰溶融炉と二次燃焼室を接続し、かつ下部にスラグタップを設けた煙道(スラグチャンバー)から高温燃焼ガスがスラグタップ、スラグ落下筒、熱ガスバイパス部を経由して二次燃焼室下部に導かれることにより、スラグタップ、スラグ落下筒の温度を高めてスラグの温度低下、固化を防止できる。
【0034】
本発明は上記灰溶融装置を次のように改良するものである。
▲1▼空気、蒸気、排ガスなどをエジェクターの作動流体として吹込み管から煙道(スラグチャンバー)に吹き込み、強制的に高温燃焼ガスをバイパスさせてスラグの固化を防止する。
【0035】
▲2▼煙道(スラグチャンバー)の天井あるいは側壁に設けた助熱バーナからの燃焼ガス、あるいは燃焼しない場合には空気を流すことにより二次燃焼室への流入ガス量を増し、二次燃焼室入口部の通気抵抗を増大させる。その結果、スラグタップを経由する熱ガスバイパス流量が増し、スラグ加熱効果が増す。
【0036】
▲3▼煙道(スラグチャンバー)にエアカーテンを形成させることにより、二次燃焼室入口部での通気抵抗が増大し、その結果、スラグタップを経由する熱ガスバイパス部量が増し、スラグ加熱効果が増す。
【0037】
▲4▼煙道(スラグチャンバー)にスライドゲートを設け、該スライドゲートを閉めることにより、スライドゲートを経由した二次燃焼室へのガスの流路抵抗を増すと、スラグタップから熱ガスバイパス部を経由した流路の抵抗が相対値として低くなるため、熱ガスバイパス部のガス流量を増すことができる。逆の操作を行えば熱ガスバイパス部のガス流量を減らすことができる。
【0038】
▲5▼スラグ落下筒内のスラグの流下状態を監視し、燃料あるいは灰の性状変動に起因する灰の溶融状態の変動が生じた場合、前記したスラグを加熱するための手段で安定にスラグを流下させる。
【0039】
また、本発明ではスラグ落下筒内の温度を監視し、燃料あるいは灰の性状変動に起因する灰の溶融状態の変動が生じても、スラグ落下筒内の温度を一定に保つことができ、スラグを安定に排出できる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態になる灰溶融装置の構造を図1から図7に示す。図8に示した従来技術による溶融炉9との構造上の差異を下記に示す。また、図1から図7までの全てにおいて従来技術で説明した構成部分と共通する部分には同一番号を付して、その説明は省略する。
図1から図7までの全てにおいて共通する従来技術にない構成部はスラグ落下筒39に設けた温度計45とのぞき窓49である。
【0041】
まず、図1と図2に示す実施の形態の灰溶融装置について説明する。図1には灰溶融装置の側断面図を示し、図2は図1におけるA−A線矢視図(水平断面図)を示す。図1、図2に示す灰溶融装置の特徴点は、熱ガスバイパス部44をエジェクターとして作動させるためにスロート構造とし、空気、蒸気あるいは排ガスなどのエジェクター用作動流体を吹込み管48を通じて熱ガスバイパス部44に吹き込めるようにしたことである。
【0042】
図1、図2に示すように本実施の形態では、スラグ落下筒39に設けた温度計45による温度監視あるいはのぞき窓49からのスラグ流下状態の観察などによりスラグ落下筒39内でのスラグの固化、流動化不良の兆候が見られた場合、吹込み管48から熱ガスバイパス部44に吹き込む作動流体の量を増し、溶融炉9からスラグタップ38と熱ガスバイパス部44を通じて二次燃焼室24に導く高温燃焼ガスの量を増すことにより、スラグタップ38とスラグ落下筒39の温度を高め、スラグの固化閉塞を予防する。
【0043】
吹込み管48からの作動流体の吹き込みを止めたとしても、スラグチャンバー41から二次燃焼室24に通じる狭い流路50を経由して流れる排ガスの通気抵抗があるため、溶融炉9からの高温燃焼ガスの一部が絶えず、熱ガスバイパス部44を通じて二次燃焼室24に流れており、熱ガスバイパス部44をエジェクター構造としなくてもある程度の熱ガスがバイパスするが、吹込み管48を設けたエジェクター構造とすることにより、それが無い場合に比較して高温燃焼ガスのバイパス量を更に増すことができ、また、制御も可能となる。
【0044】
図3に示す実施の形態の灰溶融装置では、スラグチャンバー41の壁面に助熱バーナ51を追加し、助熱バーナ51の燃焼ガスを溶融炉9からの排ガスに加えることにより、スラグチャンバー41から二次燃焼室24に通じる狭い流路50での通気抵抗を大きくして、熱ガスバイパス部44を通る熱ガス量を増加できるようにした。
【0045】
図3に示す構成では、スラグタップ38と熱ガスバイパス部44を経由する高温燃焼ガス量が不足した場合、スラグタップ38とスラグ落下筒39の温度が低下し、スラグが固化閉塞気味になる。このような場合、助熱バーナ51を点火すると、流路50を経由する燃焼ガス量が増加するため流路50での通気抵抗が増し、燃焼ガスが流れ難くなり、その分スラグタップ38と熱ガスバイパス部44を経由する熱ガスバイパス流量が増し、スラグを効果的に加熱することができる。更に、助熱バーナ51からの輻射熱によってもスラグを加熱できる。その結果、スラグを安定に流下排出できる。
【0046】
図4に示す実施の形態の灰溶融装置では、スラグチャンバー41と二次燃焼室24の間の流路50に空気、蒸気、排ガスなどを吹き込むための吹込み管52を設け、該吹込み管52から空気、蒸気、排ガスなどを吹き込んで流路50にエアカーテンを作り、流路50を通過する高温燃焼ガス量を抑制し、その分スラグタップ38、熱ガスバイパス部44を通る熱ガスバイパス流量を増加できるようにした。
【0047】
流路50に吹き込み管52から空気、蒸気、燃焼排ガスなどを吹き込むことでエアカーテンを流路50に形成し、通気抵抗を増すようにした。原理的には図4に示す実施の形態は図3に示す実施の形態と似ているが、油燃料などが不要である利点がある。
【0048】
次に、図5と図6に示す実施の形態の灰溶融装置について説明する。図5には灰溶融装置の側断面図を示し、図6は図5におけるA−A線矢視図(水平断面図)を示す。図5、図6に示す実施の形態の灰溶融装置では、流路50にスライドゲート46を設け、該ゲート46を開閉することにより流路50のガス流通抵抗を調節し、熱ガスバイパス部44を通る熱ガスバイパス部量を制御できるようにした。
【0049】
スライドゲート46を図6に示したプッシャー47により開閉制御し、流路50の通気抵抗を増減することで高温燃焼ガスのバイパス量を制御できる。
【0050】
図7に示す実施の形態の灰溶融装置では、熱ガスバイパス部44をエジェクターとして作動させるために蒸気あるいは排ガスなどのエジェクター用作動流体を吹込み管48を通じて熱ガスバイパス部44に吹き込めるようにし、スラグチャンバー41の壁面に助熱バーナ51を設けたものである。
【0051】
この場合、助熱バーナ51とエジェクター式熱ガスバイパス部44を併用することで、熱ガスバイパス効果に加えて助熱バーナ51による積極的な加熱効果を得ることができる。
【0052】
以上、本発明の各実施の形態による作用効果は以下のとおりである。
溶融炉9から流れ出たスラグがスラグタップ38を経由してスラグ落下筒39内を流下するが、溶融炉9からの高温燃焼ガスの大部分は流路50を経由してのまま二次燃焼室24に流れ、一部はスラグタップ38、スラグ落下筒39、熱ガスバイパス部44を経由して二次燃焼室24の下部に入る。この熱ガスの熱ガスバイパス部44を経由するバイパス流量は流路50と熱ガスバイパス部44の二つの流路の流れ抵抗の大きさにより定まる。スラグチャンバー41と二次燃焼室24との接続流路50の流路抵抗を増せば、その分、熱ガスバイパス部44を経由する熱ガスバイパス流量が増す。この高温燃焼ガスにより完全に燃焼させることができる。従って、煙突17から未燃のCOが大気中に排出されることはない。
【0053】
以上、本発明の実施の形態により長大な配管を引き回したり、バーナを追設し油を助熱したりすることなく、かつ煙突からのCO排出量の増大を招くことも無く、スラグの冷却を防止し、スラグの固化閉塞トラブルを防止できる。
【0054】
【発明の効果】
本発明による効果は下記の通りである。
▲1▼スラグの固化閉塞トラブルによるプラント稼働率の低減防止。
▲2▼固化閉塞したスラグの除去などのメインテナンスコストの低減。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の灰溶融装置の側断面図である。
【図2】図1のA−A線矢断面視図である。
【図3】本発明の実施の形態の灰溶融装置の側断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の灰溶融装置の側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の灰溶融装置の側断面図である。
【図6】図5のA−A線矢断面視図である。
【図7】本発明の実施の形態の灰溶融装置の側断面図である。
【図8】従来技術の灰溶融装置の側断面図である。
【図9】従来技術の灰溶融装置の側断面図である。
【図10】従来技術によるごみガス化溶融システムの系統図である。
【図11】従来技術によるごみガス化溶融システムの灰溶融装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 給塵ホッパ          2 定量供給機
3 ボイラ            4、20〜22、32 空気配管
5 供給シュート         6 ガス化炉
7 油噴射ノズル         8 流動層
9  溶融炉           10 起動バーナ
11 コンベア          12 煙道
13 ガス急冷塔         14 エアヒータ
15 集塵器           16 誘引送風機
17 煙突            18 ダンパ
19 送風機           24 二次燃焼室
25 流量調節弁         26 助熱バーナ
27 流量調節弁         30 ダンパ
31、33、34、35 煙道   36 ガス吹込ノズル
37 空気吹込管         38 スラグタップ
39 スラグ落下筒        40 水槽
41 スラグチャンバー      42 空気ノズル
43 助熱バーナ         44 熱ガスバイパス部
45 温度計           46 スライドゲート
47 プッシャー         48 吹込み管
49 のぞき窓          50 流路
51 助熱バーナ         52 吹込み管
56 伝熱管

Claims (7)

  1. 高温ガスにより灰分を溶融する灰溶融炉と、該灰溶融炉から排出した未燃焼分を燃焼させる二次燃焼室と、灰溶融炉と二次燃焼室を接続し、かつ、下部にスラグタップを設けた煙道と、該煙道のスラグタップに連結し、下端を水封したスラグ落下筒と、スラグ落下筒と二次燃焼室の下部とを連通させる熱ガスバイパス部を備えた灰溶融装置であって、
    熱ガスバイパス部にスラグタップからの熱ガスを二次燃焼室に送り込む方向に作動流体を吹き込む吹込み管を設けたことを特徴とする灰溶融装置。
  2. 高温ガスにより灰分を溶融する灰溶融炉と、該灰溶融炉から排出した未燃焼分を燃焼させる二次燃焼室と、灰溶融炉と二次燃焼室を接続し、かつ、下部にスラグタップを設けた煙道と、該煙道のスラグタップに連結し、下端を水封したスラグ落下筒と、スラグ落下筒と二次燃焼室の下部とを連通させる熱ガスバイパス部を備えた灰溶融装置であって、
    灰溶融炉と二次燃焼室を接続する煙道の天井あるいは側壁に助熱バーナを設けたことを特徴とする灰溶融装置。
  3. 高温ガスにより灰分を溶融する灰溶融炉と、該灰溶融炉から排出した未燃焼分を燃焼させる二次燃焼室と、灰溶融炉と二次燃焼室を接続し、かつ、下部にスラグタップを設けた煙道と、該煙道のスラグタップに連結し、下端を水封したスラグ落下筒と、スラグ落下筒と二次燃焼室の下部とを連通させる熱ガスバイパス部を備えた灰溶融装置であって、
    灰溶融炉と二次燃焼室を接続する煙道と二次燃焼室の接続部分の流路に作動流体を吹込みエアカーテンを形成することを特徴とする灰溶融装置。
  4. 高温ガスにより灰分を溶融する灰溶融炉と、該灰溶融炉から排出した未燃焼分を燃焼させる二次燃焼室と、灰溶融炉と二次燃焼室を接続し、かつ、下部にスラグタップを設けた煙道と、該煙道のスラグタップに連結し、下端を水封したスラグ落下筒と、スラグ落下筒と二次燃焼室の下部とを連通させる熱ガスバイパス部を備えた灰溶融装置であって、
    灰溶融炉と二次燃焼室を接続する煙道の二次燃焼室の接続部分の流路に煙道の断面積を可変にするためのスライドゲートを設けたことを特徴とする灰溶融装置。
  5. 高温ガスにより灰分を溶融する灰溶融炉と、該灰溶融炉から排出した未燃焼分を燃焼させる二次燃焼室と、灰溶融炉と二次燃焼室を接続し、かつ、下部にスラグタップを設けた煙道と、該煙道のスラグタップに連結し、下端を水封したスラグ落下筒と、スラグ落下筒と二次燃焼室の下部とを連通させる熱ガスバイパス部を備えた灰溶融装置であって、
    スラグ落下筒内にスラグの流下状況を監視する手段を設けたことを特徴とする灰溶融装置。
  6. 高温ガスにより灰分を溶融する灰溶融炉と、該灰溶融炉から排出した未燃焼分を燃焼させる二次燃焼室と、灰溶融炉と二次燃焼室を接続し、かつ、下部にスラグタップを設けた煙道と、該煙道のスラグタップに連結し、下端を水封したスラグ落下筒と、スラグ落下筒と二次燃焼室の下部とを連通させる熱ガスバイパス部を備えた灰溶融装置の灰溶融装置の運転方法であって、
    スラグ落下筒内の温度が下がった場合には、熱ガスバイパス部を通る熱ガス量を増し、スラグ落下筒内の温度が上昇しすぎた場合には、熱ガスバイパス部を通る熱ガス量を減じるように操作することを特徴とする灰溶融装置の運転方法。
  7. 高温ガスにより灰分を溶融する灰溶融炉と、該灰溶融炉から排出した未燃焼分を燃焼させる二次燃焼室と、灰溶融炉と二次燃焼室を接続し、かつ、下部にスラグタップを設けた煙道と、該煙道のスラグタップに連結し、下端を水封したスラグ落下筒と、スラグ落下筒と二次燃焼室の下部とを連通させる熱ガスバイパス部を備えた灰溶融装置の灰溶融装置の運転方法であって、
    スラグ落下筒内のスラグ流下状態を観察し、スラグタップでスラグが固化する傾向が認められた場合には、熱ガスバイパス部を通る熱ガス量を増し、スラグタップを経由した燃焼ガス量により流下するスラグが吹き飛ばされてスラグ落下筒の内壁に付着する場合には、熱ガスバイパス部を通る熱ガス量を減ずるように操作することを特徴とする灰溶融装置の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101744558B1 (ko) * 2015-10-06 2017-06-20 서울시립대학교 산학협력단 폐타이어 처리용 2 단 열분해 장치, 이를 이용한 폐타이어 처리 방법 및 시스템

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