JP3819615B2 - 廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置 - Google Patents

廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は都市ごみ等の廃棄物の熱分解溶融燃焼処理に利用されるものであり、乾留熱分解ドラムで生じた熱分解ガスを溶融燃焼装置へ導くダクト装置に改良を加えることにより、熱分解ガスに含まれているダスト等の堆積に起因するトラブルを皆無にし、廃棄物を連続的に高能率で熱分解できるようにした廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従前の廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置の一例を示すものであり、供給装置1により乾留熱分解ドラム2内へ供給された廃棄物Cは、加熱ガスKにより空気の遮断下で300℃〜600℃の温度に一定時間加熱され、熱分解ガスGと熱分解残渣Dに変換されたあと、搬出装置3に於いて熱分解ガスGと熱分解残渣Dとに分離される。
【0003】
分離された熱分解ガスGは、搬出装置3からダクト装置25を通して溶融燃焼装置4へ送られ、高温燃焼される。又、熱分解残渣Dは選別装置5へ送られ、比較的粗い不燃性固形物と細かい可燃性固形物とに分離される。更に、分離された可燃性固形物Iは粉砕装置6で微粉砕されたあと、溶融燃焼装置4へ供給され、前記熱分解ガスGと共に1200℃以上の温度下で溶融燃焼される。
【0004】
前記乾留熱分解ドラム2及び溶融燃焼装置4の内部は誘引ファン16により適宜の負圧に保持されており、これによって熱分解ガスGが乾留熱分解ドラム2から溶融燃焼装置4へ送られると共に、溶融燃焼装置4からの燃焼排ガスGO が廃熱ボイラ7、集じん器8、ガス浄化装置9、煙突10を通して大気中へ排出されて行く。
尚、溶融燃焼装置4内で形成された溶融スラグFは、水砕スラグとして順次外部へ取り出されて行く。
また、図4に於いて、11は加熱管、12は熱風発生炉、13は蒸気過熱器、14は蒸気タービン発電装置、15は送風機、17は冷却コンベア、18は可燃性微粉貯留槽、19は加熱ガス流路、20は循環ファン、21は熱交換器、22はバーナ、23は廃棄物ピット、24は廃棄物供給用クレーンである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記図4に示した様な構成の乾留熱分解溶融燃焼装置は、大量の都市ごみ等の廃棄物を高能率で安全に溶融処理することができ、優れた実用的効用を奏するものである。
しかし、この種の乾留熱分解溶融燃焼装置にも解決すべき多くの問題が残されており、その中でも、乾留熱分解ドラム2から溶融燃焼装置4へ熱分解ガスGを導くためのダクト装置25内に堆積するダスト等の問題が、早急に解決を要する問題点となっている。
【0006】
即ち、乾留熱分解ドラム2の出口側に設けた搬出装置3に於いて分離された熱分解ガスG内には、多量のダスト(5〜10g/Nm3 )等の固形物が含まれており、これ等のダストが長期間に亘ってダクト装置25の内表面に堆積することにより、熱分解ガスGの円滑な流通が阻害されることになる。
また、熱分解ガスG内には、所謂タール成分が多量に含まれており、熱分解ガスGの温度がタール成分の凝固温度(約430〜450℃)より低くなると、これ等がダクト装置25の内表面に凝固することになり、前記ダスト等の堆積が一層促進されることになる。
【0007】
勿論、上述の如きダスト等の堆積に起因するトラブルを防止するため、▲1▼ダクト装置25の形態を極力水平部の少ない形態のものにし、ダスト等が堆積し難くする方法及び▲2▼ダクト装置25を電気ヒータにより常に450℃〜480℃以上の温度に加熱し、タール成分の凝固を少なくする方法等が採用されている。
【0008】
しかし、現実の乾留熱分解溶融燃焼装置の運転に於いては、ダクト装置25の内表面に於けるダスト等の堆積を皆無にすることは不可能であり、ダクト装置25の曲部等にダスト等の堆積が生じた場合には、乾留熱分解溶融燃焼装置の運転を停止し、マンホール等から作業員が堆積したダスト等を除去するようにしている。
その結果、乾留熱分解溶融燃焼装置の運転が中断されることになり、廃棄物処理量の低下やエネルギー消費量の増大を招くと云う難点がある。
【0009】
本発明は、従前の乾留熱分解溶融燃焼装置のダクト装置25に於ける上述の如き問題を解決せんとするものであり、熱分解ガスGを溶融燃焼装置へ導くダクト装置25の内部にダスト等が堆積するのを皆無にすることにより、より少ないエネルギー消費でもって廃棄物を高能率で連続的に溶融処理できるようにした乾留熱分解溶融燃焼装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、廃棄物を乾留熱分解して熱分解ガスと熱分解残渣にする乾留熱分解ドラムと、搬出装置と、搬出装置からの熱分解ガスと熱分解残渣内の可燃物を溶融燃焼させる溶融燃焼装置と、溶融燃焼装置の下流側に設けた溶融燃焼装置からの燃焼排ガスの熱を回収する廃熱ボイラとを備えた廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置に於いて、前記乾留熱分解ドラム内で発生した熱分解ガスを溶融燃焼装置へ送るダクト装置を、搬出装置と溶融燃焼装置とを連通する山形状のダクト本体とダクト本体に間隔を置いて設けた複数の蒸気吹込みノズルと各蒸気吹込みノズルへの蒸気の供給を制御する複数の蒸気制御弁と、前記搬出装置とダクト本体の長手方向の複数箇所と溶融燃焼装置の圧力を検出する複数の圧力検出器と、前記搬出装置の圧力検出器と溶融燃焼装置の圧力検出器との組み合わせ及びその他の予め任意に定めた二つの圧力検出器の組み合わせからなる複数の組み合わせについて、予め定めた順に連続的に両者の検出圧力を比較し、両者の圧力差が設定値に達すると前記蒸気制御弁へ開・閉信号を発信する弁制御装置とから形成し、前記圧力差が設定値に達した組み合わせに係る上流側圧力検出器のダクト本体内の上流側直近に位置する蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁から下流側に設けた蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁の順、あるいは下流側圧力検出器のダクト本体内の下流側直近に位置する蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁から上流側に設けた蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁の順に、一定時間間隔を置いて各蒸気制御弁を作動させることにより、蒸気吹込みノズルから蒸気を噴射してダクト本体内のダスト等の堆積物を除去するようにしたことを発明の基本構成とするものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、ダクト本体の上流側圧力を廃熱ボイラの下流側に設けた誘引通風機の通風量制御によって設定値に保持するようにしたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明に於いて、任意の組み合せに係る上流側の圧力検出器の圧力検出位置の上流側近傍と、下流側の圧力検出器の圧力検出位置の下流側近傍との間に設けた各蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁へ、弁開放信号を発信する構成としたものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1の発明に於いて、廃熱ボイラの蒸気過熱器からの過熱蒸気を蒸気吹込みノズルへ供給するようにしたものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1の発明に於いて弁制御装置を、複数の蒸気制御弁の中の1基の蒸気制御弁のみを順次一定時間開弁状態に保持する構成としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施態様に係る廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置の全体系統図であり、図1の中で前記図4の場合と同じ部位・部材には、これと同じ参照番号が使用されている。
図1に於いて、1は廃棄物Cの供給装置、2は乾留熱分解ドラム、3は搬出装置、4は溶融燃焼装置、5は選別装置、6は粉砕装置、7は廃熱ボイラ、8は集塵器、9はガス浄化装置、10は煙突、11は加熱管、12は熱風発生炉、13は蒸気過熱器、14は蒸気タービン発電装置、15は送風機、16は誘引通風機、17は冷却コンベア、18は可燃性微粉貯留槽、19は加熱ガス通路、20は循環ファン、21は熱交換器、22はバーナ、23は廃棄物ピット、24は廃棄物供給用クレーン、25はダクト装置、26は蒸気配管、27は圧力検出器、28は圧力検出部、29は制御弁、30は弁制御装置であって、ダクト装置25、蒸気配管26、圧力検出器27、圧力検出部28、制御弁29及び弁制御装置30の部分を除くその他の部分は、前記図4の場合と全く同一の構成のものである。
【0019】
図2は、本発明の要部を形成するダクト装置25の部分を示す拡大系統図である。図2を参照して、乾留熱分解ドラム2の出口側に設けた搬出装置3と溶融燃焼装置4とを連結するダクト装置25は、略逆U字形(若しくは略∧字形)に形成したダクト本体25aと、ダクト本体25a内の各部圧力を検出する圧力検出部28b〜28fと、ダクト本体25a内へ蒸気Sを吹き込む複数の蒸気吹込みノズル31a〜31nと、各ノズル31a〜31nへの蒸気Sの供給を制御する蒸気制御弁29a〜29nと、ドレーントラップ32等から構成されており、本実施形態に於いては、蒸気制御弁29a〜29nとして6基の電磁弁が使用されている。
尚、前記各圧力検出部28b〜28fは蒸気吹込みノズル31a〜31nの間に配置されている。
又、圧力検出部28b〜28fや前記蒸気吹込みノズル31a〜31n等の数、取付位置及びダクト本体25aの形状等は、適宜に選定し得るものであることは勿論である。
【0020】
前記圧力検出器27aはダクト本体25aの上流側の内圧P1 を測定するものであり、また、圧力検出器27b〜27fはダクト本体25a各部の内圧P2 〜P6 を測定するものである。
本実施形態に於いては、圧力検出器27aの圧力検出部28aを搬出装置3内に設けている。また、圧力検出器27a〜27fからの圧力検出信号は、弁制御装置30へ入力されており、更に圧力検出器27aからの圧力信号は誘引通風機16の制御盤16aへも入力されている。
尚、定常運転中の乾留熱分解ドラム2や搬出装置3内の圧力P1 は、誘引通風機16の通風量制御により約−20mmH2 O程度の負圧に保持されている。
【0021】
同様に、前記圧力検出器27nはダクト本体25aの下流側の内圧Pn を測定するものであり、本実施態様では圧力検出器27nの圧力検出部28nを溶融燃焼装置4内に設けている。また、圧力検出器27nからの圧力検出信号は弁制御装置30へ入力されている。
尚、定常運転中の溶融燃焼装置4内の圧力Pn は約−60〜−70mmH2 O程度の負圧に保持されている。
また、本実施態様に於いては、前記圧力検出部28a・28nを搬出装置3及び溶融燃焼装置4の内部に夫々設置するようにしているが、圧力検出部28aはダクト本体25aの最上流側の内部や乾留熱分解ドラム2の内部に設けてもよく、同様に圧力検出部28nはダクト本体25aの最下流側の内部や廃熱ボイラへの燃焼ガス通路の内部に設けるようにしてもよい。
【0022】
前記弁制御装置30は各圧力検出器27a〜27nからの圧力検出値P1 〜Pn を受信し、予かじめ定めたプログラムに従って任意の二箇所の圧力検出値(例えばP3 とP5 、P4 とP5 、P4 とP6 、P5 6 等)を連続的に対比して両検出値の差が設定値を越えた場合には、上流側に位置する両圧力検出器の圧力検出管の近傍の蒸気制御弁から下流側に位置する圧力検出器の圧力検出管の近傍の蒸気制御弁へ、一定の時間間隔を置いて順に弁開放信号を発信する。
例えば、ダクト本体25aの上流側と下流側の圧力検出値P1 、Pn を対比して、両検出値P1 、Pn の差が設定値を越えた場合には、ダクト本体25a内のダスト等の堆積物Zが許容範囲の量を越えたものと判断し、ダクト本体25aの上流側(即ち乾留熱分解ドラム2側)に位置する蒸気制御弁29aから順に所定の時間間隔を置いて、各蒸気制御弁29a〜29nへ弁開放信号を順次発信する。同様に、圧力検出値P4 とP5 を対比して両者の差が設定値を越えた場合には、各蒸気制御弁29c〜29eへ所定の時間間隔を置いて弁開放信号を順次発信する。
【0023】
次に、本発明の廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置の作動について説明する。
廃棄物ピット23内に貯えられた廃棄物Cは、供給装置1によって順次乾留熱分解ドラム2内へ供給され、略酸素が遮断された状態の下で、加熱管11内を流通する加熱ガスKにより常温から300℃〜600℃、好ましくは400℃〜500℃の温度に加熱される。この状態で約1時間程度攪拌混合されることにより、乾留熱分解ドラム2内の廃棄物Cは熱分解され、熱分解ガスGと固形の熱分解残渣Dが生成される。
【0024】
前記廃棄物Cの熱分解は通常約1時間程度で完了し、概ね75w%の熱分解ガスGと25w%の熱分解残渣Dとが生成される。
尚、生成された熱分解残渣Dは、乾留熱分解ドラム2内で攪拌・混合されることにより均一化され、一様な大きさの粒子となる。
また、発生した熱分解ガスGは、水分、CO、CO2 、H2 及び炭化水素を主成分とするものであり、ダスト及びタールも若干含まれている。その低位発熱量は約1500〜2000kcal/kgである。
更に、熱分解残渣Dは炭素と灰分がその主体を成すものであるが、炭素含有量は熱分解残渣Dの粒径によって変化し、粒径が小さいものほど炭素の含有量が増加する。例えば、熱分解残渣Dの粒径が5mm以下の場合には、炭素の含有量は概ね35wt%となる。
【0025】
乾留熱分解ドラム2内の熱分解ガスGと熱分解残渣Dは隣接する搬出装置3内へ排出され、ここで熱分解ガスGと熱分解残渣Dとに分離される。
分離された熱分解ガスGは、ダクト装置25を通して溶融燃焼装置4へ供給され、後述するカーボン残渣IO や集塵灰Eと共に所謂溶融燃焼される。
また、熱分解残渣Dの方は、冷却コンベア17上で約400℃〜500℃の温度から約80℃の温度にまで冷却され、選別装置5に於いて有価物である鉄、アルミや不燃物である砂、ガラス等が選別されることにより、可燃物を主体とする可燃性固形物Iが分離される。
更に、分離された可燃性固形物Iは、粉砕装置6で微粉化されたあと可燃性微粉貯留槽18に貯えられ、前述の如く廃熱ボイラ7や集塵装置8等からの集塵灰Eと共に空気輸送によって溶融燃焼装置4へ送られ、ここで熱分解ガスGと共に燃焼される。
即ち、溶融燃焼装置4内へ供給された炭素含有量の高いカーボン残渣IO は、熱分解ガスGと共に溶融燃焼装置4内で、灰の溶融温度より100〜150℃ほど高い約1300℃の高温で燃焼され、溶融スラグFとなって傾斜状の底面4bに沿って流下し、スラグ排出口4dからスラグ水冷槽29内へ排出されることにより、所謂水砕スラグとなる。
【0026】
溶融燃焼装置4内で発生した約1100〜1200℃の高温燃焼排ガスGO は廃熱ボイラ7へ送られ、廃熱ボイラ7での熱回収により約200℃位にまで冷却された排ガスGO は、集じん器8によってダストが除去された後、ガス浄化装置9で洗浄され、HClやSOx、NOxなどの有害物質を除去した後、煙突10より大気中へ排出されて行く。
【0027】
前記乾留熱分解溶融燃焼装置の延運転時間が増大するにつれて、ダクト装置25の内壁面に堆積したダスト等の量も順次増大する。
一方、ダクト装置25の上流側(即ち、乾留熱分解ドラム2内)の圧力P1 は、誘引通風機16の運転制御によってほぼ一定値(約−20mmH2 O程度)に保持されている。その結果、ダクト装置25内の堆積物Zの容積が増大するとダクト装置25内に於ける圧力損が増大し、ダクト装置25の下流側(即ち溶融燃焼装置4内)の圧力Pn は約−120mmH2 O位いから約−150mmH2 O位いにまで下降する。
【0028】
前記ダクト装置25の上流側(乾留熱分解ドラム2内)の圧力P1 とダクト装置25の下流側(溶融燃焼装置4内)の圧力Pn とは、圧力検出器27a及び圧力検出器27nにより連続的に検出され、弁制御装置30へ入力される。
前記弁制御装置30では、両圧力検出器27a・27nからの圧力検出信号が比較され、圧力P1 と圧力Pn との差Δp=P1 −Pn が設定値(例えば100〜120mmH2 O)以上になれば、弁制御装置30から各蒸気制御弁29a〜29nへ所定のタイミングでもって弁開・閉信号が発信され、各蒸気制御弁29a〜29nは図3に示す如きタイミングで、一定時間Tを置いて上流側に位置する蒸気制御弁から順に開・閉される。
【0029】
尚、本実施態様に於いては、ダクト装置25の上流側圧力P1 と下流側圧力Pn とを対比する場合について説明をしたが、前述したように対比する圧力検出値の組み合せは予かじめ適宜に設定されており、例えば検出圧力P4 と検出圧力P5 とを対比した場合に、両者の圧力差が設定値(約50〜80mmH2 O)以上になれば、弁制御装置30から各蒸気制御弁29c〜29eへ所定のタイミングで弁開・閉信号が発信され、蒸気吹込みノズル31c、31d、31eから順に一定時間間隔Tを置いて、蒸気Sが時間T′の間噴出されることになる。
【0030】
前記各蒸気制御弁29a〜29nの開・閉により、蒸気過熱器13から導入した過熱蒸気Sが各蒸気吹込みノズル31a〜31nから堆積物Zを溶融燃焼装置4側へ飛散させる方向に噴射される。
これにより、ダクト本体25aのダスト等の堆積物Zは順次下流側へ吹き飛ばされ、最終的には溶融燃焼装置4内へ送り込まれる。
【0031】
尚、本実施形態に於いては、図3に示す如く各蒸気制御弁29a〜29nを一定時間間隔Tで、上流側から下流側へ向けて順に開・閉するようにしているが、各蒸気制御弁29a〜29nを開・閉するタイミングTは、任意に選定してもよいことは勿論である。
また、本実施形態に於いては、図3に示す如く各蒸気制御弁29a〜29n又は複数の蒸気弁を一定時間間隔Tで上流側から下流側へ向けて順に開・閉するようにしているが、これとは逆に下流側から上流側に向けて順に各蒸気制御弁29a〜29n又は複数の蒸気制御弁を一定時間間隔Tで開・閉し、ダスト等の堆積物Zを上流側(搬出装置3側)へ吹き飛ばすようにしてもよい。
更に、本実施形態では各蒸気制御弁29a〜29n又は複数の蒸気制御弁の開放時間T′を一定としているが、当該開放時間T′は任意に調整可能である。
加えて、本実施形態では、常に1基の蒸気吹込みノズルのみを作動させ乍ら順に蒸気Sを供給するようにしているが、複数の蒸気制御弁29a〜29nを同時に開放状態とすることも可能である。
【0032】
前記各蒸気制御弁29a〜29nの開・閉操作は乾留熱分解溶融燃焼装置の定常運転中に行なわれ、従って、装置そのものの運転を停止する必要が無いことは勿論である。
【0033】
蒸気吹込みノズル31a〜31nからの過熱蒸気Sの吹き込みにより、ダスト等の堆積物Zが飛散され、溶融燃焼装置4内(又は搬出装置3内)へ送り込まれると、前記圧力検出器27nの検出圧力Pn が上昇し、定常運転時の圧力値(約−60〜−70mmH2 O)に戻る。
即ち、両者の圧力検出値の差ΔP′=P1 −Pn が設定値(約40〜50mmH2 O)にまで減少すると、前記各蒸気制御弁29a〜29nの開・閉操作は自動的に停止される。
【0034】
圧力検出器P1 と圧力検出器Pn との組み合せによる試験の結果によれば、通常の運転操作では、前記図3に示した開閉サイクルで各蒸気制御弁29a〜29nを1回づつ順に開・閉することにより、ほぼ100%の確率でダスト堆積物Zを消滅させ得ることが、確認されている。
【0035】
【発明の効果】
本発明に於いては、乾留熱分解ドラムと溶融燃焼装置とを連結するダクト装置を、ダクト本体とこれに間隔を置いて設けた複数の蒸気吹込みノズルと各蒸気吹込みノズルへの蒸気の供給を制御する蒸気制御弁とから形成すると共に、前記ダクト装置の各部の圧力を検出する複数の圧力検出器を設け、複数の圧力検出器の中から予かじめ任意に定めた複数の圧力検出器の組み合せの中の少なくとも一つ検出器の組み合せについてその検出圧力を比較し、両者の圧力検出値の対比からダクト本体内に於けるダスト等の堆積を検知し、当該ダスト等の堆積の検知により適宜数の蒸気吹込みノズルから蒸気を噴射し、ダクト本体内の堆積物を除去する構成としている。
その結果、乾留熱分解溶融燃焼装置の運転を停止することなしにダクト本体内のダスト等の堆積物を自動的に除去することができ、廃棄物をより高能率で溶融処理することが可能になると共に、エネルギー消費量の大幅な削減を図ることができる。
【0036】
また、各蒸気吹込みノズルへ供給する蒸気を過熱蒸気とすると共に、ダクト本体に設けた複数の蒸気吹込みノズルを、ダクト本体の上流側から下流側又は下流側から上流側へ向けて一定時間順に作動させる構成としているため、より少ない蒸気量でもって効率よく堆積物を溶融燃焼装置側へ送り出すことができると共に、溶融燃焼装置の燃焼状態に特に悪影響を与えることもない。
【0037】
更に、ダクト装置の上流側の圧力P1 を、廃熱ボイラの下流側に設けた誘引通風機の通風量を制御することにより常時一定値に保持するようにしているため、ダクト装置に間隔を置いて設けた複数の圧力検出器の任意の組み合せ(例えばダクト装置の上流側圧力P1 とダクト装置の下流側圧力Pn との組み合せ)について両者の検出圧力値を対比することによって容易にダスト等の堆積を判別することができ、堆積物をその堆積初期の段階で簡単且つ確実に除去することができる。
本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様に係る廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置の全体系統図である。
【図2】本発明に係る廃棄物乾留熱分解溶融燃焼装置の要部を示す部分拡大系統図である。
【図3】ダクト本体内への蒸気の吹込みを制御する蒸気制御弁の作動プログラムの一例を示すものである。
【図4】従前の廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置の一例を示す全体系統図である。
【符号の説明】
1は供給装置、2は乾留熱分解ドラム、3は搬出装置、4は溶融燃焼装置、5は選別装置、6は粉砕装置、7は廃熱ボイラ、8は集じん器、9はガス浄化装置、10は煙突、11は加熱管、12は熱風発生炉、13は蒸気過熱器、14は蒸気タービン発電装置、15は送風機、16は誘引通風機、16aは誘引通風機制御盤、17は冷却コンベア、18は可燃性微粉貯留槽、19は加熱ガス通路、20は循環ファン、21は熱交換器、22はバーナ、23は廃棄物ピット、24はクレーン、25はダクト装置、25aはダクト本体、26は蒸気配管、27a〜27nは圧力検出器、28a〜28nは圧力検出部、29a〜29nは蒸気制御弁、30は弁制御装置、31a〜31nは蒸気吹込みノズル、32はドレーントラップ、Cは廃棄物、Dは熱分解残渣、Kは加熱ガス、Gは熱分解ガス、GO は燃焼排ガス、Iは可燃性固形物、Fは溶融スラグ、Sは蒸気、Zはダスト等の堆積物。

Claims (5)

  1. 廃棄物を乾留熱分解して熱分解ガスと熱分解残渣にする乾留熱分解ドラムと、搬出装置と、搬出装置からの熱分解ガスと熱分解残渣内の可燃物を溶融燃焼させる溶融燃焼装置と、溶融燃焼装置の下流側に設けた溶融燃焼装置からの燃焼排ガスの熱を回収する廃熱ボイラとを備えた廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置に於いて、前記乾留熱分解ドラム内で発生した熱分解ガスを溶融燃焼装置へ送るダクト装置を、搬出装置と溶融燃焼装置とを連通する山形状のダクト本体とダクト本体に間隔を置いて設けた複数の蒸気吹込みノズルと各蒸気吹込みノズルへの蒸気の供給を制御する複数の蒸気制御弁と、前記搬出装置とダクト本体の長手方向の複数箇所と溶融燃焼装置の圧力を検出する複数の圧力検出器と、前記搬出装置の圧力検出器と溶融燃焼装置の圧力検出器との組み合わせ及びその他の予め任意に定めた二つの圧力検出器の組み合わせからなる複数の組み合わせについて、予め定めた順に連続的に両者の検出圧力を比較し、両者の圧力差が設定値に達すると前記蒸気制御弁へ開・閉信号を発信する弁制御装置とから形成し、前記圧力差が設定値に達した組み合わせに係る上流側圧力検出器のダクト本体内の上流側直近に位置する蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁から下流側に設けた蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁の順、あるいは下流側圧力検出器のダクト本体内の下流側直近に位置する蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁から上流側に設けた蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁の順に、一定時間間隔を置いて各蒸気制御弁を作動させることにより、蒸気吹込みノズルから蒸気を噴射してダクト本体内のダスト等の堆積物を除去する構成としたことを特徴とする廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置。
  2. ダクト本体の上流側圧力を廃熱ボイラの下流側に設けた誘引通風機の通風量制御によって設定値に保持する構成とした請求項1に記載の廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置。
  3. 任意の組み合せに係る上流側の圧力検出器の圧力検出位置の上流側近傍と、下流側の圧力検出器の圧力検出位置の下流側近傍との間に設けた各蒸気吹込みノズルの蒸気制御弁へ、弁開放信号を発信する構成の弁制御装置とした請求項1に記載の廃棄物の乾留熱分解溶融装置。
  4. 廃熱ボイラの蒸気過熱器からの過熱蒸気を蒸気吹込みノズルへ供給する構成とした請求項1に記載の乾留熱分解溶融燃焼装置。
  5. 弁制御装置を、複数の蒸気制御弁の中の1基の蒸気制御弁のみを順次一定時間開弁状態に保持する構成とした請求項1に記載の廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置。
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