JP4361890B2 - ガス化溶融炉のスラグ塩基度調整方法及びその装置 - Google Patents

ガス化溶融炉のスラグ塩基度調整方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、廃棄物の熱分解ガス中の灰分を燃焼溶融したときに炉壁に付着するスラグを炉外に排出するスラグ排出口を有するガス化溶融炉のスラグ塩基度調整方法及びその装置に関するものである。
従来、投入された廃棄物を溶融炉内で旋回させながら燃焼させる技術や、廃棄物自身がもつ可燃分をガス化炉で熱分解ガス化させ、その熱分解ガスを溶融炉内で旋回させながら燃焼させる技術が公知である(例えば特許文献1,2参照)。
ここでは、廃棄物の燃焼等によって溶融炉内を高温にするとともに、その廃棄物に含まれる灰分を、旋回力を利用して溶融炉に付着させてスラグ化する。
ところが、スラグの塩基度(CaO/SiO)が大き過ぎると、その溶流温度が高温となり、炉内温度によってはその炉壁に付着したスラグがスラグ排出口で固化して当該スラグ排出口が閉塞するおそれがあった。しかし、このスラグ排出口の閉塞を防ぐために、炉内温度を高めようとすると、補助燃料が増大し、また炉壁を損傷させるおそれがある。一方、スラグの塩基度が小さ過ぎると、スラグ排出口から排出したスラグが針状となってその再利用が困難となることがあった。
そこで、従来は、特許文献1の技術のように溶融炉の廃棄物の投入口付近に塩基度調整剤(例えば塩基度が大きい場合は硅砂(SiO)など,小さい場合は石灰石(CaCO)など)を投入し、或いは、特許文献2の技術のようにガス化炉内に直接塩基度調整剤を投入して、スラグの塩基度を調整することでその溶流温度を適正な範囲に維持することとしていた。
特開平3−91608号公報 特開平11−33519号公報
上記従来技術は、スラグ排出口の上流側の炉壁に付着したスラグの溶流温度を適正な範囲に維持するものであるが、例えばスラグ排出口の下流側に二次燃焼室を具備する溶融炉では、そのスラグ排出口の下流側の炉壁にも少量ではあるがスラグが付着することになり、このスラグも溶融させてスラグ排出口から流下させる必要がある。ところが、このスラグの塩基度は、通常、前記上流側の炉壁に付着したスラグの塩基度に比べて大きいため、たとえスラグ排出口の上流側の炉壁に付着したスラグの溶流温度を適正な範囲に維持したとしても、その下流側の炉壁に付着したスラグの溶流温度は大きくなってしまい、炉内温度によってはスラグ排出口で固化してその排出口にスラグが付着固定し、スラグ排出口に設置されたバーナ燃料の増大、また場合によっては閉塞に至るおそれがあった。そこで、炉内温度を上げようとすると、補助燃料が増大し、また炉壁を損傷するおそれもある。
一方、スラグ排出口の下流側の炉壁に付着したスラグの溶流温度を適正な範囲に維持しようとすると、スラグ排出口の上流側の炉壁に付着したスラグの溶流温度が低くなってしまい、スラグ排出口から排出したスラグが針状となって再利用が困難となる。
すなわち、スラグ排出口の上流側と下流側の両炉壁に付着したスラグの性状はいわゆるトレードオフの関係にある。このため、従来は、スラグ排出口の上流側と下流側の両炉壁に付着したスラグの性状を同時に改善することができず、上述した問題を解決して経済的で安定したスラグ処理を行うことが困難であった。
本発明は以上のような従来技術における課題を考慮してなされたものであり、炉の運転温度を抑えながら、スラグ排出口の上流側及び下流側の双方において、炉壁に付着したスラグを良好にスラグ排出口から流下させることができるガス化溶融炉のスラグ塩基度調整方法及びその装置を提供するものである。
請求項1記載の発明は、廃棄物の熱分解ガス中の灰分を燃焼溶融したときに炉壁に付着するスラグを炉外に排出するスラグ排出口を有するガス化溶融炉のスラグ塩基度調整方法であって、前記スラグ排出口の上流側の炉壁に付着するスラグの塩基度の調整を行うのに加え、前記スラグ排出口の下流側の炉壁に付着したスラグに塩基度調整剤を供給してその塩基度を調整することを特徴とするものである。なお、灰分には、焼却灰、飛灰、それらの混合物を含む。
請求項2記載の発明のように、前記スラグの塩基度調整範囲は、0.6以上0.9以下であることが好ましい。
請求項3記載の発明は、廃棄物の熱分解ガス中の灰分を燃焼溶融したときに炉壁に付着するスラグを炉外に排出するスラグ排出口を有するガス化溶融炉のスラグ塩基度調整装置であって、前記スラグ排出口の上流側の炉壁に付着するスラグの塩基度の調整を行う第1調整部と、その塩基度調整とは別に、前記スラグ排出口の下流側の炉壁に付着したスラグに塩基度調整剤を供給してその塩基度の調整を行う第2調整部とを備えたことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明のように、前記スラグ排出口の上流側の炉壁及び下流側の炉壁は、ともに前記スラグ排出口に向かって下り傾斜となっていることが好ましい。
請求項1,3記載の発明によれば、スラグ排出口の上流側の炉壁に付着するスラグの塩基度の調整が行われるとともに、その下流側の炉壁に付着したスラグに塩基度調整剤が供給されてその塩基度も調整されるので、スラグ排出口の上流側の炉壁に付着したスラグと、その下流側の炉壁に付着したスラグとの両スラグの性状を同時に改善することができる。
すなわち、スラグ排出口の上流側のスラグの塩基度を調整するのに加え、スラグ排出口の下流側の炉壁に付着したスラグにも塩基度調整剤を供給してその塩基度を上流側とは別に調整することにより、上流側及び下流側の双方においてスラグの塩基度を良好な範囲に収めることが可能となり、その結果、これらのスラグを低い温度で良好にスラグ排出口から流下させることができる。
より具体的には、請求項2記載の発明によれば、前記スラグの塩基度調整範囲を、0.6以上として前記スラグの針状化をより確実に防止しつつ、0.9以下としてスラグの溶流温度をより適正な範囲に維持して、より安定したスラグ処理を行うことができるようになる。
請求項4記載の発明によれば、前記上流側及び下流側の両炉壁は、ともにスラグ排出口に向かって下り傾斜となっているので、前記上流側及び下流側の両炉壁に付着したスラグが両炉壁に滞留することなくスラグ排出口から炉外にスムーズに排出される。
図1は、本発明のガス化溶融炉を含む廃棄物処理設備の全体構成を示している。なお、本発明のガス化溶融炉は、投入された廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、この熱分解ガス中の灰分を燃焼溶融してスラグ化する溶融炉とを備えてなっている。灰分には、焼却灰、飛灰、それらの混合物を含む。
図1において、廃棄物としてのごみは一旦、図示しないごみピットに貯留され、図示しないクレーンによって給じん装置1に投入される。給じん装置1は、例えばスクリューコンベヤ式のものであって、ごみを定量的にガス化炉としての流動床炉2に供給する。
流動床炉2では、部分燃焼が行われ、砂層温度を500〜600℃に維持した低温熱分解ガス化が行われる。そして投入されたごみのうち炉床最下部2aからは不燃物が抜き出され、この不燃物以外はすべて流動床炉2に直結(下流側に)された溶融炉3に導かれる。流動床炉2の炉床下部2bには、一次送風機4からの一次空気(押込空気)が供給される。
流動床炉2で発生した灰分を含む熱分解ガスGは溶融炉3に導かれ、さらに燃焼される。この溶融炉3では高温燃焼が行われ、灰分を溶融してスラグとして分離して溶融炉下部3aから排出するとともにダイオキシン等のガス中の有害物質が分解される。また溶融炉3には、二次空気送風機5から一次空気が供給されるとともに、二次燃焼のための二次空気が供給される。溶融炉3のバーナ3bには必要に応じて補助燃料が供給される。
この溶融炉排ガスは、廃熱ボイラ6で熱回収された後、さらにガス冷却室7で温度が下げられ、バグフィルタ8で除塵される。浄化された排ガスは次いで誘引送風機9を経て、煙突10から排出される。
図2は溶融炉の拡大図である。図2に示すように、この溶融炉3は、溶融部31と、二次燃焼部32と、両者を連通する中間部33とからなっている。
溶融部31は、前記流動床炉2で発生した灰分を含む熱分解ガスGを旋回させて燃焼溶融するものである。このため、溶融部31は、内部が耐火物で覆われた略円筒状に形成されており、その上部適所には熱分解ガスの入口ノズル31aと、一次空気の供給ノズル31b’と、前記補助燃料のバーナ3bとが設けられている。
これにより、流動床炉2からの熱分解ガスGは溶融部31のガス入口31aから内部に接線方向に流入する。この熱分解ガスGは、前記供給口31bから供給される一次空気(さらに必要に応じて前記バーナ3bに供給される補助燃料)と混合され下方に向かう旋回流となって燃焼溶融され、熱分解ガスGは燃焼されて、燃焼ガスGとなり、その灰分が炉壁に衝突してスラグ化する。そして、このスラグSAは重力により炉壁に沿って流下する。
二次燃焼部32は、前記溶融部31からの燃焼ガスGをさらに二次燃焼するものである。このため、二次燃焼部32は、内部が耐火物で覆われた略円筒状に形成されており、その下部適所には二次空気の供給ノズル32aが設けられている。
これにより、中間部33を介して導入された溶融部3からの燃焼ガスGは、前記供給口32aから供給される二次空気と混合され上昇流となって二次燃焼される。溶融部31で補足しきれなかった灰分のうちの何割かは、中間部33の炉壁に衝突してスラグ化する。そして、このスラグSBは重力により炉壁に沿って流下する。
中間部33は、一端側が前記溶融部31の開放された底部に連通されるとともに、他端側が前記二次燃焼部32の開放された底部に連通されて形成されており、その内部は耐火物で覆われている。そして、両部31,32でそれぞれ炉壁に付着することにより燃焼ガスGから分離されたスラグSA,SBがその下り傾斜面に沿ってスムーズに流下して底部に集まるようになっている。
この中間部33の底部(溶融炉下部3a)には、スラグ排出口33aが設けられており、前記中間部33の底部に集まったスラグS(SA,SB)は、このスラグ排出口33aを通って下方に連続的に排出されるようになっている。この排出されたスラグSは、図示しない冷却機構で冷却された後、設備外に搬送されて再利用される。
また、中間部33の前記スラグ排出口33aに対向する部位には、この中間部33を通過する前記燃焼ガスGを通して前記スラグ排出口33aに向かって流下するスラグSBに塩基度調整剤(SiO)を供給する第2調整部33bを備えている。
この第2調整部33bは、図3に示すように、塩基度調整剤を貯留するホッパ33dと、このホッパ33dからの塩基度調整剤が止弁33eを介してその枝管側から入る枝付き配管部33fと、この配管部33fの主管側に接続されたエアライン33gとから構成されている。
そして、ホッパ33dの下部止弁33eを操作すると、このホッパ33dから塩基度調整剤が配管部33f内に重力落下する。この重力落下した塩基度調整剤は配管部33f内でさらにエアライン33gからのエアで圧送されて、中間部33内を通過する燃焼ガスGに吹き付けられる。そして、この燃焼ガスGによって拡散されながら、その燃焼ガスGを吹き抜けた塩基度調整剤が前記スラグ排出口33aに向かって流下するスラグSBに到達する。これにより、二次燃焼部32での二次燃焼時に燃焼ガスGから分離されるスラグSBに塩基度調整剤が供給されて、その塩基度を調整できるようになっている。なお、第2調整部33bからの塩基度調整剤の供給量は、スラグSBの分析結果を適宜フィードバックすることにより決定される。
また、溶融部31の熱分解ガス入口ノズル31aの上部には、流動床炉2からの熱分解ガスGに予め塩基度調整剤を加える第1調整部31bをも備えている。この第1調整部31bは前記第2調整部33bと同様の構成となっており、これにより、前記溶融部31での燃焼溶融時に燃焼ガスGから分離されるスラグSAの塩基度を調整できるようになっている。なお、第1調整部31bからの塩基度調整剤の供給量は、スラグSAの分析結果を適宜フィードバックすることにより決定される。
ここで、前記第1調整部31b及び第2調整部33bの作用効果を確認するために、既存の施設No.1〜5(いずれも溶融炉3には第1調整部31bしか装備していないので、図2において、第2調整部33bの下部止弁33eを閉止したのと同じ状態を摸擬できる。)を用いて以下のような検討を行った。まず施設No.1〜3の溶融炉3によれば、そのスラグ排出口33aの上流側からのスラグSAは、図5に示すように、より多少のばらつきはあるものの、その塩基度は0.6〜0.9程度に維持されている。一方、スラグ排出口33aの下流側からのスラグSBは、概ね1.0を超えている。
このため、図6に示すような矩形断面を有するスラグ排出口33aにおいては、上流側からのスラグSAを案内する図中の左半分に、一定の空洞部が維持されている。
これに対し、下流側からのスラグSBは、スラグSAと比較して溶けにくいため、その壁面に付着して固化しやすい。したがって、運転温度によっては、そのスラグSBを案内する図中の右半分が当該スラグSBによって次第に閉塞されていく。
このように、スラグ排出口33aの上流側と下流側とでスラグ塩基度が変化するのは、溶融炉3に入ってくる珪砂成分(SiO)と、石灰石成分(CaO)との各部位での補足率が異なるからである。この補足率の相異は、それぞれの粒径の影響や、それぞれの溶融温度の相異によるものと推定される。
ついで施設No.4,5の溶融炉3によれば、その上流側の補足率は図7に示すようになる。このうち施設No.4における上流側の補足率を使用すると、珪砂成分が85%、石灰石成分が81%であるから、スラグSAの塩基度は、0.81×CaO/(0.85×SiO)となり、スラグSBの塩基度は、0.19×CaO×B/(0.15×SiO×A)となる。なお、CaO、SiOは溶融炉3に入る灰中のそれぞれの重量、Aは中間部33から二次燃焼部32までの間でSiOが炉壁に付着する率、Bは中間部33から二次燃焼部32までの間でCaOが炉壁に付着する率である(以下、同じ)。
また施設No.5における上流側の補足率を使用すると、珪砂成分が79%、石灰石成分が69%であるから、スラグSAの塩基度は、0.69×CaO/(0.79×SiO)となり、スラグSBの塩基度は、0.31×CaO×B/(0.21×SiO×A)となる。
そして、溶融炉3の運転中には、溶融部31の温度T1を計測して、その温度T1から間接的にスラグ排出口33a内の温度T2を管理するが、スラグ排出口33a内でスラグSAが溶ける一方、スラグSBが溶けないといった現状においては、スラグSAの溶ける温度<温度T2<スラグSBの溶ける温度、となっているから、温度T2をスラグSBの溶ける温度以上にすればよい。しかし、温度T2を上げたのでは、補助燃料の使用量が増大し、炉壁を傷める等、従来例で述べたような不具合があるので、スラグSBの溶ける温度を下げることが好ましい。
一方、スラグSBの塩基度を低くしようとすると、スラグSAの塩基度はさらに低くなる。すると、二次燃焼前の燃焼ガスGの塩基度がもともと低い場合には、当該燃焼ガスGから分離されたスラグSAはその粘性が上がるため針状化し、その取扱が困難となるため再利用しにくくなる。
そこで、本発明者は、スラグ排出口33aの上流側の炉壁に付着するスラグSAの塩基度の調整を行うのに加え、その下流側の炉壁に付着したスラグSBにも塩基度調整剤を供給してその塩基度を調整することとした。
すなわち、図4に示すようなスラグ塩基度とスラグ溶流点(スラグ溶流温度)との相関関係において、スラグ塩基度が1.0を超えると、スラグ溶流点が1250℃を超える。溶融炉3の運転温度(同図中、一点鎖線で示す。)は、およそ溶流点+100℃となるから、この場合には炉内温度が1350℃を超えることとなって不具合である。
一方、スラグ塩基度が0.9以下では、スラグ溶流点が1220℃程度となるから、この場合には炉内温度が1320℃程度となって好適である。
他方、スラグ塩基度が0.6未満では、スラグSが針状となることが多い。この場合にはそのスラグSの取扱が困難となるから、再利用しにくくなり不具合である。
したがって、中間部33のスラグ排出口33aから排出されるスラグSの塩基度を0.6以上0.9以下となるように前記第1調整部31bと前記第2調整部33aとを用いて塩基度調整を行えばよいことが理解できる。
すなわち、設備No.5のような場合には、溶融炉3の溶融部31で灰分を燃焼溶融した燃焼ガスGを二次燃焼する前に第1調整部31bから塩基度調整剤を加えることにより、その二次燃焼時に燃焼ガスGから分離されるスラグSBの塩基度が前記好適な範囲に調整される。
このため、二次燃焼時の燃焼ガスG中に含まれる灰分が、当該二次燃焼を行う二次燃焼部32の炉壁に付着してスラグ化したとしても、その塩基度が調整されるから、燃焼溶融を行う溶融部31からのスラグSAのみならず、スラグ排出口33a以降のスラグSBの溶流温度をも適正な範囲に維持することができる。
したがって、二次燃焼部32からのスラグSBで前記スラグ排出口33aが閉塞するおそれがなくなる。また、二次燃焼部32での二次燃焼温度を上げるための補助燃料の増大や、二次燃焼部32の炉壁の損傷といった問題もなくなり、安定したスラグ処理が可能となる。
一方、設備No.4のような場合には、前記塩基度調整剤に加えて、さらに溶融部31で灰分を燃焼溶融する前の熱分解ガスGに第1調整部31bから予め塩基度調整剤を加えておくことができるので、二次燃焼前の燃焼ガスGの塩基度がもともと低い場合であっても、当該燃焼ガスGから分離されるスラグSAの針状化が防止され、その取扱が容易となるためスラグSAの再利用がしやすくなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、スラグ排出口33aの上流側の炉壁に付着するスラグSAの塩基度の調整が行われるとともに、その下流側の炉壁に付着したスラグSBに塩基度調整剤が供給されてその塩基度も調整されるので、スラグ排出口33aの上流側の炉壁に付着したスラグSAと、その下流側の炉壁に付着したスラグSBとの両スラグの性状を同時に改善することができる。
すなわち、スラグ排出口33aの上流側のスラグSAの塩基度を調整するのに加え、スラグ排出口33aの下流側の炉壁に付着したスラグSBにも塩基度調整剤を供給してその塩基度を上流側とは別に調整することにより、上流側及び下流側の双方においてスラグS(SA,SB)の塩基度を良好な範囲に収めることが可能となり、その結果、これらのスラグSを低い温度で良好にスラグ排出口33aから流下させることができる。
より具体的には、前記スラグSの塩基度調整範囲を、0.6以上として前記スラグSの針状化をより確実に防止しつつ、0.9以下としてスラグSの溶流温度をより適正な範囲に維持して、より安定したスラグ処理を行うことができるようになる。
なお、上記実施形態では、図8(a)に示すように、ガス化溶融炉の溶融炉3として、溶融部31からのスラグSAと二次燃焼部32からのスラグSBとが同レベルで排出されるように横型の中間部33を設けるとともに、その底部にスラグ排出口33aを設けた場合を例示しているが、例えば図8(b)に示すように、溶融部31からのスラグSAと二次燃焼部32からのスラグSBとが異なるレベルで排出されるような縦型の中間部33を設けたものであってもよい。
また、図8(c)に示すように、前記中間部33をなくして溶融部31が傾斜して直立する二次燃焼部32に直接接続され、或いは、図8(d)に示すように、中間部33が直立する二次燃焼部32から枝状に延びるように形成されたものであってもよい。
いずれの場合にあっても、上述したように、スラグ排出口33a或いはこれに相当する部位に対向する部位において、そこに流れる燃焼ガスG中に第2調整部33bからの塩基度調整剤を投入するのが好ましいのはいうまでもない。
また、上記実施形態では、溶融炉3の溶融部31の熱分解ガス入口ノズル31aに第1調整部31bを設けているが、この第1調整部31bは流動床炉2の廃棄物投入口に設けることとしてもよい。
また、上記実施形態では、第1調整部31bと第2調整部33bとを別個に設けているが、両者を共有化することとしてもよい。また、塩基度調整剤はスラグSの塩基度を下げるのに有効なものであれば、珪砂以外のものであってもよいし、スラグSの塩基度を上げるのに有効な石灰石等を併用することとしてもよい。
また、上記実施形態では、ガス化溶融炉のガス化炉としては、流動床炉2を用いているが、ストーカ炉、キルン炉等を用いてもよい。
本発明のガス化溶融炉を含む廃棄物処理設備の全体構成を示した図である。 溶融炉の拡大図である。 第2調整部の構成図である。 スラグ塩基度とスラグ溶流点との相関関係を示す図である。 施設No.1〜3の溶融炉におけるスラグ塩基度の説明図である。 施設No.1〜3の溶融炉におけるスラグ排出状態の説明図である。 施設No.4,5の溶融炉の上流側における珪砂と石灰石の補足率の説明図である。 本実施形態との比較による変形例の構成図である。
符号の説明
1 給じん装置
2 流動床炉(ガス化炉、ガス化溶融炉)
3 溶融炉(ガス化溶融炉)
31 溶融部
31b 第1調整部
32 二次燃焼部
33 中間部
33a スラグ排出口
33b 第2調整部
33f エアライン
6 廃熱ボイラ
7 ガス冷却室
8 バグフィルタ
9 誘引送風機
10 煙突
熱分解ガス
燃焼ガス
S(SA,SB) スラグ

Claims (4)

  1. 廃棄物の熱分解ガス中の灰分を燃焼溶融したときに炉壁に付着するスラグを炉外に排出するスラグ排出口を有するガス化溶融炉のスラグ塩基度調整方法であって、
    前記スラグ排出口の上流側の炉壁に付着するスラグの塩基度の調整を行うのに加え、前記スラグ排出口の下流側の炉壁に付着したスラグに塩基度調整剤を供給してその塩基度を調整することを特徴とするガス化溶融炉のスラグ塩基度調整方法。
  2. 前記スラグの塩基度調整範囲は、0.6以上0.9以下であることを特徴とする請求項1記載のガス化溶融炉のスラグ塩基度調整方法。
  3. 廃棄物の熱分解ガス中の灰分を燃焼溶融したときに炉壁に付着するスラグを炉外に排出するスラグ排出口を有するガス化溶融炉のスラグ塩基度調整装置であって、
    前記スラグ排出口の上流側の炉壁に付着するスラグの塩基度の調整を行う第1調整部と、その塩基度調整とは別に、前記スラグ排出口の下流側の炉壁に付着したスラグに塩基度調整剤を供給してその塩基度の調整を行う第2調整部とを備えたことを特徴とするガス化溶融炉のスラグ塩基度調整装置。
  4. 前記スラグ排出口の上流側の炉壁及び下流側の炉壁は、ともに前記スラグ排出口に向かって下り傾斜となっていることを特徴とする請求項3記載のガス化溶融炉のスラグ塩基度調整装置。
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