JP2008215665A - ガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整方法及び装置 - Google Patents

ガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス化溶融炉を運転するにあたり、スラグ組成を分析するための特別な分析計を要することなく、適正な塩基度調整を容易に行うことを可能にする。
【解決手段】溶融炉26のスラグ排出口28から排出されるスラグの塩基度が、塩基度調整剤供給装置42による塩基度調整剤の供給により行われる。その供給量を決定するために、廃棄物の単位重量あたりの発熱量に対応するパラメータとスラグの塩基度との相関関係が利用される。具体的には、前記パラメータとして例えば廃熱ボイラ30の排出蒸気流量が蒸気流量計44によって検出される。その検出されたパラメータと前記の相関関係とに基づいてスラグの塩基度の予想値が演算され、その予想値に基づいて塩基度調整剤の供給量が決定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ごみ等の廃棄物を熱分解処理するためのガス化溶融炉の運転において、そのガス化溶融炉から排出されるスラグの塩基度を調整するための方法及び装置に関するものである。
従来、ごみ等の廃棄物を熱分解処理するための手段として、ガス化溶融炉が知られている。このガス化溶融炉は、投入される廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、その熱分解により生じる熱分解ガス中の可燃成分を燃焼させて高温化し、当該ガス中の灰分を溶融する溶融炉とを具備する。前記溶融炉は、前記溶融により炉壁に付着したスラグを炉外に排出するためのスラグ排出口を有する。
前記ガス化溶融炉において、前記スラグ排出口からのスラグの安定した出滓を保つためには、その流動性を維持することが重要である。スラグの流動性が低下した状態が続くと、このスラグが前記スラグ排出口を閉塞して連続運転を阻害するおそれがある。
前記スラグの流動性を支配するパラメータとして、当該スラグの温度及び塩基度(CaO/SiO2)が存在する。前記スラグがその流動性を維持するためには、当該スラグの温度が溶融点よりも高いことが条件となり、しかも、この溶融点とスラグの塩基度との間には著しい相関関係が存在する。具体的には、スラグの塩基度が約0.7の値を超えると、その上昇に伴ってスラグの溶融点も高くなり、例えばスラグの塩基度が1の場合、そのスラグの溶融点は1200℃にまで達することが知られている。
従って、前記ガス化溶融炉の安定した連続運転を効率よく行うためには、前記スラグの塩基度の調整が重要となる。仮に溶融炉内をほぼ一定の温度に維持する運転が行われたとしても、実際のスラグの流動性はその塩基度の変動によって左右されるため、当該スラグの塩基度が適正な範囲内に維持されないと、安定した運転は難しい。また、前記のような塩基度の変動を見越して炉内運転温度を高めに設定すると、運転効率の低下は免れ得ない。例えば、前記スラグの塩基度が1にまで達した場合、スラグ排出口からスラグが安定して出滓されるためには、当該スラグの温度が1200℃以上でなければならない。しかも、この排出スラグの温度は溶融炉の炉内温度よりも100〜150℃ほど低い傾向にあるから、結局、前記スラグの出滓を安定させるためには、溶融炉内の温度を1350℃以上にしなければならないことになる。このような高温運転を長期間にわたって続けることは、炉内保温のための外部燃料の増量の必要性ひいてはランニングコストの上昇を招くだけでなく、環境負荷の増大や、耐火物損耗のための補修費の増大も招き得る。
そこで従来は、前記スラグの塩基度を調整するために、系内へ塩基度調整剤を供給することが行われている。具体的に、塩基度を下げる場合には系内に硅砂(SiO)等が供給され、逆に塩基度を上げる場合には消石灰(Ca(OH))等が供給される。このような塩基度調整剤が適量だけ系内に供給されることにより、スラグの塩基度が好ましい範囲内に保たれる。つまり、この塩基度調整剤の供給量を適正な量に決定することが、当該スラグの塩基度調整を的確に行うための必須条件となる。
前記塩基度調整剤の供給量を決定するための方法として、下記特許文献1は、実際のスラグの塩基度を分析装置によって測定することを提案する。具体的に、この特許文献1に開示される方法は、実際に炉内から排出されるスラグの組成を簡易蛍光X線分析装置等を用いて分析するステップと、その分析結果に基づいて塩基度調整剤の添加量を決定するステップとを含む。
特開2001−182924号公報
前記特許文献1に記載される方法は、次のような解決すべき課題がある。
1)運転管理が複雑となる。具体的には、スラグの塩基度の算出のために、特別な分析計の設置と定期的な分析作業が必要である。しかも、前記分析計は、現場から離れた専門機関に設置されている場合が多く、その場合には前記ガス化溶融炉を含む処理設備から前記専門機関へのスラグサンプルの輸送が必要になる。このことは、スラグのサンプリング時期とその塩基度が判明する時期との間に大きなタイムラグを与える。
2)分析結果の信頼性の見極めが難しい。前記方法では、前記のように設備の外部に設置される分析計が一般に用いられるため、当該分析計による分析は、比較的長いインターバルをおいて周期的に行わざるを得ない。このように低い頻度で得られた分析結果が採用に値するものであるのか、あるいは突発的に生じた特異的な値として除外すべきであるのかを見極めることは難しい。そして、この見極めを誤ると、適正な塩基度調整剤の調整量を決定することができない。
本発明は、このような事情に鑑み、ガス化溶融炉を運転するにあたり、スラグ組成を分析するための特別な分析計を要することなく、適正な塩基度調整を容易に行うことを可能にするための技術の提供を目的とする。
本発明者等は、前記の塩基度調整について検討を重ねた結果、ガス化溶融炉に投入される廃棄物の単位重量あたりの発熱量と、当該ガス化溶融炉から排出されるスラグの塩基度との間に著しい相関関係があることを見出した。このような相関関係を利用することにより、特別な分析装置等を用いることなく、実際のスラグの塩基度を迅速かつ的確に把握することが可能になる。
本発明は、このような観点からなされたものであり、投入される廃棄物を熱分解し、その熱分解により生じる熱分解ガス中の灰分を溶融するとともに、その溶融により生じたスラグを炉外に排出するためのスラグ排出口を有するガス化溶融炉を運転するにあたって、前記スラグの塩基度を調整するための方法であって、前記スラグ排出口よりも上流側の位置に前記スラグ排出口から排出されるスラグの塩基度を調節するための塩基度調整剤を供給するステップと、単位時間あたりに前記ガス化溶融炉に投入される廃棄物の重量を検出するステップと、前記廃棄物の単位重量あたりの発熱量に対応するパラメータを検出するステップと、前記パラメータの検出値に基づいて前記ガス化溶融炉内に生じるスラグの塩基度の予想値を演算するステップと、演算した前記塩基度の予想値に基づき、当該スラグの塩基度を予め設定された塩基度の目標値に近づける方向に前記塩基度調整剤の供給量を調節するステップとを含むものである。
この方法では、前記廃棄物の単位重量あたりの発熱量に対応するパラメータと実際のスラグの塩基度との相関関係を利用することにより、スラグ組成の複雑な分析を行わなくても、実際のスラグの塩基度の予想値を得ることが可能である。すなわち、前記パラメータの検出値と、前記相関関係とに基づいて、前記塩基度の予想値を演算することが可能である。そして、このスラグの塩基度の予想値に基づいて、塩基度調整剤の適正な添加量が決定される。
具体的に、前記廃棄物の単位重量あたりの発熱量に対応するパラメータとしては、前記ガス化溶融炉から排出されるガスの熱を用いて蒸気を発生させる廃熱ボイラでの単位時間あたりの蒸気発生量を検出することが有効である。この蒸気発生量は、検出が容易である。しかも、この蒸気発生量と、前記ガス化溶融炉への単位時間当たりの廃棄物の投入量とに基づいて、単位重量当たりの廃棄物の発熱量を的確に演算することができる。
前記塩基度の予想値を演算するための具体的手段としては、例えば、前記ガス化溶融炉内に生じるスラグの塩基度の予想値を演算するステップの前に予め前記パラメータと実際のスラグの塩基度との関係を実測により求めるステップを含み、この関係と前記パラメータの検出値とに基いて前記ガス化溶融炉内に生じるスラグの塩基度の予想値を演算するものが有効である。この方法では、予め求められた前記パラメータと実際のスラグの塩基度との関係に基づき、スラグの塩基度の適正な予想値が迅速に演算される。
また本発明は、投入される廃棄物を熱分解し、その熱分解により生じる熱分解ガス中の灰分を溶融するとともに、その溶融により生じたスラグを炉外に排出するためのスラグ排出口を有するガス化溶融炉を運転するにあたって、前記スラグの塩基度を調整するための装置であって、前記スラグ排出口よりも上流側の位置に前記スラグ排出口から排出されるスラグの塩基度を調節するための塩基度調整剤を供給する塩基度調整剤供給手段と、単位時間あたりに前記ガス化溶融炉に投入される廃棄物の重量を検出する廃棄物投入量検出手段と、前記廃棄物の単位重量あたりの発熱量に対応するパラメータを検出するパラメータ検出手段と、前記パラメータの検出値に基づいて前記ガス化溶融炉内に生じるスラグの塩基度の予想値を演算する塩基度予想値演算手段と、前記塩基度の予想値に基づき、当該塩基度を予め設定された塩基度の目標値に近づける方向に前記塩基度調整剤の供給量を調節する塩基度調整剤供給量調節手段とを備えたものである。
この装置において、前記パラメータ検出手段としては、例えば、前記ガス化溶融炉から排出されるガスの熱を用いて蒸気を発生させる廃熱ボイラでの単位時間当たりの蒸気発生量を検出するものが好適である。その場合、前記塩基度予想値演算手段は、前記パラメータ検出手段が検出するパラメータと前記ガス化溶融炉への単位時間当たりの廃棄物の投入量とに基づいて単位重量当たりの廃棄物の発熱量を演算すればよい。
また、前記塩基度調整剤供給量調節手段としては、例えば、予め実測により求められた前記パラメータと実際のスラグの塩基度との関係を記憶し、その記憶した関係と前記パラメータの検出値とに基づいて前記塩基度調整剤の供給量を決定するものが、好適である。
以上のように、本発明によれば、ガス化溶融炉を運転するにあたり、単位重量あたりの廃棄物の発熱量に対応するパラメータに着目することによって、スラグ組成を分析するための特別な分析計を要することなく、適正な塩基度調整を行うことができる。
図1は、本発明の適用対象となるガス化溶融炉を含む廃棄物処理設備の全体構成を示す。この設備は、ガス化溶融炉10と、このガス化溶融炉10に対して廃棄物であるごみを供給するごみ供給部12と、前記ガス化溶融炉10から排出されるガスを処理するためのガス処理部14とを備える。
前記ごみ供給部12は、ごみピット16と、ごみ搬送装置18と、給じん機20とを備える。前記ごみピット16は、設備外から搬入される処理対象であるごみを受け入れ、これを一旦貯留する。前記ごみ搬送装置18はクレーンを具備し、前記ごみピット16内のごみをつかんで前記給じん機20へ搬送する。給じん機20はホッパ22を有し、このホッパ22は、前記ごみ搬送装置18から投入されるごみを受け入れる。この投入量が、前記ガス化溶融炉10内へのごみ投入量に相当する。前記給じん機20は、ごみ搬送用のスクリューコンベアを内蔵し、前記ホッパ16内に投入されたごみを前記ガス化溶融炉10に供給する。
前記ガス化溶融炉10は、ガス化炉24と溶融炉26とを具備する。前記ガス化炉24は、前記給じん機20から供給されるごみを熱分解し、これによって熱分解ガスを生じさせる。このガス化炉24には、例えば、周知の流動床炉やキルン炉をそのまま適用することが可能である。前記溶融炉26は、前記熱分解ガス中の可燃成分を高温燃焼させるとともに、同ガス中の灰分を溶融してスラグを生じさせる。このスラグは溶融炉26の例えば炉壁に付着する。前記溶融炉26の炉底にはスラグ排出口28が設けられる。このスラグ排出口28は、前記炉壁に付着し流下するスラグを炉外へ排出するためのものである。また、この溶融炉26では、その炉内温度の調節のために必要に応じて図略のバーナーによる補助燃料の燃焼が行われる。
前記ガス排出部14は、廃熱ボイラ30と、減温塔32と、集じん機34と、誘引送風機36と、煙突38とを備える。
前記廃熱ボイラ30は、前記溶融炉26から出た高温の排ガスから熱を回収するためのものであり、具体的には、前記排ガスの保有する熱を利用して蒸気を生成し、排出するものである。その排出蒸気流量、すなわち、この廃熱ボイラ30において単位時間当たりに発生する蒸気の量は、前記ガス化溶融炉10に対して単位時間当たりに投入されるごみの発熱量に相当するパラメータとなる。
前記減温塔32は、前記廃熱ボイラ30から排出されるガスが導入される塔本体と、この塔本体内に冷却水を噴霧する噴霧装置と、当該塔本体の出口でのガス温度を検出する温度センサと、この温度センサにより検出される出口ガス温度を一定に保つように前記噴霧装置による冷却水供給流量を調節するコントローラとを具備する。
前記集じん機34は、前記減温塔32から排出されるガス中の塵等を捕獲する。この集じん機34により除塵されたガスは、前記誘引送風機36を経て、前記煙突38から排出される。
さらに、この設備には、前記溶融炉26のスラグ排出口28から排出されるスラグの塩基度を調整するための塩基度調整装置40が含まれる。この塩基度調整装置40は、塩基度調整剤供給装置42と、蒸気流量計44と、ごみ投入量出力部46と、コントローラ50とを備える。
前記塩基度調整剤供給装置42は、前記ガス化炉24に投入されるごみの中に塩基度調整剤を供給するためのものであり、その供給用の搬送手段であるスクリューコンベア47と、このスクリューコンベア47を回転させるモータ48とを具備する。前記塩基度調整剤は適宜選定される。この実施の形態では、排出されるスラグの塩基度が過度に高い場合のみが想定されており、よって、前記塩基度調整剤にはスラグの塩基度を下げるための硅砂(SiO)が選定されている。
前記蒸気流量計44は、前記廃熱ボイラ30の排出蒸気流量、すなわち、当該廃熱ボイラ30において単位時間あたりに発生する蒸気の量を測定する。
前記ごみ投入量出力部46は、単位時間あたりに前記ガス化炉24に投入されるごみの重量についての情報信号を出力する。具体的に、このごみ投入量出力部46は、前記ごみ搬送装置18に付設され、このごみ搬送装置18にかかる重量負荷と搬送回数とからごみ搬送量を演算し、これを前記ガス化炉24へのごみ投入量に相当する情報として前記コントローラ50に提供する。
前記コントローラ50は、マイクロコンピュータ等により構成され、設備全体の統括制御を行う機能を有する。そして、前記スラグの塩基度を調整するための機能として、塩基度予想値演算部52と、塩基度調整剤供給量調節部54とを含む。
前記塩基度予想値演算部52は、前記ごみ投入量出力部46から出力される、単位時間あたりに前記ガス化炉24に投入されるごみの重量についての情報信号と、前記蒸気流量計44により測定される蒸気流量に基いて、前記スラグ排出口28から排出されるスラグの塩基度の予測値を演算する。この予想値の演算は、単位時間当たりの前記ごみの投入量と前記排出蒸気流量とに基づいて単位重量当たりのごみの発熱量を演算するステップと、その単位重量当たりのごみの発生量に基づいて前記塩基度の予測値を演算するステップとにより達成される。
単位ごみ重量当たりの排出蒸気流量もしくはごみ発熱量とスラグの塩基度との間には相関関係があり、この相関関係は予め実測により求められることが可能である。具体的には、後述の実施例に示すように、一定の期間、前記蒸気流量に対応する実際のスラグの塩基度を分析計によって計測することにより、推算することが可能であり、当該相関関係は例えば一次式(直線式)に近似することが可能である。
前記塩基度予想値演算部52は、前記相関関係を記憶し、当該関係と前記蒸気流量計44により実測される蒸気流量とに基づいて前記塩基度の予想値を算定する。
なお、前記塩基度予想値の算定の基礎となる排出蒸気流量の値としては、前記蒸気流量計44の指示値の特定期間内での平均値が採用される。その特定期間は適宜設定可能であり、一般には6〜24時間程度が好適である。
前記塩基度調整剤供給量調節部54は、前記塩基度予想値演算部52により演算されるスラグの塩基度の予想値と、前記ごみ投入量出力部46から入力されるごみ投入量についての情報信号とに基づき、前記塩基度を予め設定された目標値(例えば0.5)に近づけるための塩基度調整剤の供給量を決定する。そして、この決定した供給量が得られるように、前記塩基度調整剤供給装置42のモータ48に制御信号を出力してその駆動速度を制御する。前記予想値と実際の塩基度調整剤供給量との関係は、理論上、あるいはシミュレーションによって、予め用意しておくことが可能である。
以上示した装置及びこの装置において行われるスラグの塩基度の調整方法は、当該塩基度と密接な関係にあるごみ発熱量についてのパラメータ(ここでは廃熱ボイラ30の排出蒸気流量)に着目し、そのパラメータの検出値と前記の関係とに基づいて前記塩基度の予想値を演算するものであるため、実際のスラグの塩基度を分析計にて実測しながら運転を進める従来法と異なり、既存の設備を利用した簡単な構成で、供給すべき塩基度調整剤の量を適正かつ迅速に決定することができる。
この方法は、前記廃熱ボイラ30が省略された設備においても、実行することが可能である。その場合、前記ごみ発熱量についてのパラメータとして、例えば前記減温塔32における冷却水供給流量を選定することができる。この減温塔32は、前述のように、当該塔本体の出口でのガス温度を検出する温度センサと、この温度センサにより検出される出口ガス温度を一定に保つように前記噴霧装置による冷却水供給流量を調節するコントローラとを具備するものであるので、その冷却水供給流量は、前記ガス化溶融炉10に単位時間当たりに投入されるごみの発熱量に対応することになる。
また、本発明において、前記塩基度調整剤の供給位置は前記ガス化炉24の入口側に限られない。この供給位置は、前記スラグ排出口28よりも上流側の領域内で任意に設定され得る。例えば、当該位置は、前記ガス化炉24と前記溶融炉26との間の領域内に設定されてもよいし、前記溶融炉26内で前記スラグ排出口28よりも上流側の燃焼室内に設定されてもよい。
以下、前記図1に示された廃棄物処理設備でのスラグの塩基度の調整に関する実施例を説明する。
1)単位重量当たりのごみ発熱量とスラグの塩基度との相関関係について
単位重量当たりのごみ発熱量とスラグの塩基度との間には、一次関数にて近似され得る相関関係が存在する。
図2は、ある廃棄物処理設備での単位重量あたりのごみ発熱量(kcal/kg)及びスラグの塩基度の年間推移を示したものである。この図は、前記ごみ発熱量及び前記塩基度が互いに近似した変化をすることを明確に示している。
図3は、2つの廃棄物処理設備(設備A及び設備B)について実測により求められたごみ発熱量とスラグの塩基度との関係をグラフにしたものである。この図に示されるように、設備A及び設備Bのいずれにおいても、ごみ発熱量とスラグの塩基度との間に所定の相関関係が成立する。両設備A,Bではそのガス化溶融炉に投入されるごみの成分が異なるため、前記ごみ発熱量と前記塩基度との関係は設備A,B間で相違しているが、いずれの設備A,Bにおいても、前記の相関関係は一次関数によって近似され得る。従って、その関係式が予め前記塩基度予想値演算部52に入力され、記憶されれば、当該演算部52は前記ごみ発熱量に対応するパラメータ(例えば廃熱ボイラ30の排出蒸気流量)に基づいてスラグの塩基度の予想値を速やかに算定することが可能になる。
2)スラグの塩基度の予想値と塩基度調整剤供給量との関係について
スラグの塩基度の予想値と、塩基度調整剤供給量との関係については、理論上、あるいはシミュレーションに基づいて、予め設定しておくことが可能である。例えば、スラグの塩基度を下げる調整のみを想定する場合には、そのための塩基度調整剤(例えば珪砂)の供給量(単位時間当たりのごみの投入量に相当する供給量)と塩基度予想値との関係について、この設定によれば、塩基度予想値が目標値(例えば0.5)を上回った場合にその超過分に相当する量の塩基度調整剤が供給される。
本発明の実施の形態に係る廃棄物処理設備の全体構成を示した図である。 ごみ発熱量及びスラグの塩基度の年間推移の例を示すグラフである。 ごみ発熱量とスラグの塩基度との相関関係の例を示すグラフである。 スラグの塩基度の予想値に基づく塩基度調整剤供給量の設定例を示すグラフである。
符号の説明
10 ガス化溶融炉
24 ガス化炉
26 溶融炉
28 スラグ排出口
30 廃熱ボイラ
32 減温塔
40 塩基度調整装置
42 塩基度調整剤供給装置
44 蒸気流量計
46 投入量出力部
50 コントローラ
52 塩基度予想値演算部
54 塩基度調整剤供給量調節部

Claims (6)

  1. 投入される廃棄物を熱分解し、その熱分解により生じる熱分解ガス中の灰分を溶融するとともに、その溶融により生じたスラグを炉外に排出するためのスラグ排出口を有するガス化溶融炉を運転するにあたり、前記スラグの塩基度を調整するための方法であって、
    前記スラグ排出口よりも上流側の位置に前記スラグ排出口から排出されるスラグの塩基度を調節するための塩基度調整剤を供給するステップと、
    単位時間あたりに前記ガス化溶融炉に投入される廃棄物の重量を検出するステップと、
    前記廃棄物の単位重量あたりの発熱量に対応するパラメータを検出するステップと、
    前記パラメータの検出値に基づいて前記ガス化溶融炉内に生じるスラグの塩基度の予想値を演算するステップと、
    演算した前記スラグの塩基度の予想値に基づき、当該スラグの塩基度を予め設定された塩基度の目標値に近づける方向に前記塩基度調整剤の供給量を調節するステップとを含むガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整方法。
  2. 請求項1記載のガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整方法において、
    前記廃棄物の単位重量あたりの発熱量に対応するパラメータを検出するステップは、当該パラメータとして、前記ガス化溶融炉から排出されるガスの熱を用いて蒸気を発生させる廃熱ボイラでの単位時間あたりの蒸気発生量を検出するものであり、
    前記パラメータの検出値に基づいて前記ガス化溶融炉内に生じるスラグの塩基度の予想値を演算するステップでは、前記蒸気発熱量と単位時間当たりの前記ガス化溶融炉への廃棄物の投入量とに基づいて単位重量当たりの廃棄物の発熱量が演算されることを特徴とするガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整方法。
  3. 請求項1または2記載のガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整方法において、
    さらに、前記ガス化溶融炉内に生じるスラグの塩基度の予想値を演算するステップの前に予め前記パラメータと実際のスラグの塩基度との相関関係を実測により求めておくステップを含み、
    前記予想値を演算するステップは、前記相関関係と前記パラメータの検出値に基いて前記ガス化溶融炉内に生じるスラグの塩基度の予想値を演算するものであることを特徴とするガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整方法。
  4. 投入される廃棄物を熱分解し、その熱分解により生じる熱分解ガス中の灰分を溶融するとともに、その溶融により生じたスラグを炉外に排出するためのスラグ排出口を有するガス化溶融炉を運転するにあたって、前記スラグの塩基度を調整するための装置であって、
    前記スラグ排出口よりも上流側の位置に前記スラグ排出口から排出されるスラグの塩基度を調節するための塩基度調整剤を供給する塩基度調整剤供給手段と、
    単位時間あたりに前記ガス化溶融炉に投入される廃棄物の重量を検出する廃棄物投入量検出手段と、
    前記廃棄物の単位重量あたりの発熱量に対応するパラメータを検出するパラメータ検出手段と、
    前記パラメータの検出値に基づいて前記ガス化溶融炉内に生じるスラグの塩基度の予想値を演算する塩基度予想値演算手段と、
    前記塩基度の予想値に基づき、当該塩基度を予め設定された塩基度の目標値に近づける方向に前記塩基度調整剤の供給量を調節する塩基度調整剤供給量調節手段とを備えたことを特徴とするガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整装置。
  5. 請求項4記載のガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整装置において、
    前記パラメータ検出手段は、前記ガス化溶融炉から排出されるガスの熱を用いて蒸気を発生させる廃熱ボイラでの蒸気発生量を検出するものであり、
    前記塩基度予想値演算手段は、前記パラメータ検出手段が検出する蒸気発生量と前記ガス化溶融炉への単位時間当たりの廃棄物の投入量とに基づいて単位重量当たりの廃棄物の発熱量を演算することを特徴とするガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整装置。
  6. 請求項4または5記載のガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整装置において、
    前記塩基度調整剤供給量調節手段は、予め実測により求められた前記パラメータと実際のスラグの塩基度との関係を記憶し、その記憶した関係と前記パラメータの検出値とに基づいて前記塩基度調整剤の供給量を決定するものであることを特徴とするガス化溶融炉におけるスラグの塩基度の調整装置。
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