JP3902454B2 - 燃焼制御方法及び廃棄物処理装置 - Google Patents

燃焼制御方法及び廃棄物処理装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物などの焼却対象物を燃焼するのに好適な燃焼制御方法及び廃棄物焼却装置に係り、特に燃焼用空気量の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物の焼却処理法としては、ストーカ式焼却炉や流動床式焼却炉により直接焼却する方法の他に、廃棄物を熱分解して生成される熱分解ガスを燃焼炉で高温燃焼するとともに、この燃焼炉に熱分解残渣に含まれる固体可燃性成分や一部の不燃性成分を投入して燃焼及び溶融させるガス化溶融システムが知られている。
【0003】
このガス化溶融システムの例として、特開平3−63407号公報に、廃棄物を熱分解して発生する熱分解ガス及び熱分解残査からなる焼却対象物を、高温で旋回流を形成しながら供給空気量を2段階で制御する2段燃焼方式が採用されている。つまり、1段目の燃焼室に焼却対象物の化学量論比未満の空気量を投入し、化学量論比の残余に一定の過剰率を加えた空気量を2段目の燃焼室に供給する燃焼制御が行なわれている。この燃焼制御において、燃焼空気量が過剰すぎると排ガス中のNOxが増加し、不足するとCOが発生することから、2段目の燃焼室へ供給する空気量を排ガスの酸素濃度が所定値になるように調整して、それらの発生を抑制することが行なわれている。
【0004】
ところで、2段目の燃焼室から排出される排ガスが高温でかつ粉塵などのダストが高い濃度で含まれるため、排ガスの酸素濃度を2段目の燃焼室の出口で直接計測することができない。つまり、排ガスをサンプリングラインを通してガス分析計等の酸素濃度計測手段に導いても、粉塵によるサンプリングラインの閉塞が起き、安定した連続計測を行うことができない。また、温度の高い2段目の燃焼室の出口に直接設置できる酸素濃度計測手段も存在しない。
【0005】
そこで、従来は、2段目の燃焼室から排出される排ガスの熱を回収する熱回収装置の下流側であって、かつ排ガス中の粉塵を捕集する集じん装置の下流側の排ガスをサンプリングすることにより、減温されかつ除じんされた排ガスを酸素濃度計測手段に導くようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、廃棄物焼却プロセスは、一般に、燃焼室から排出される排ガスを誘引送風機により吸引して煙突から排出する負圧系で構成されることから、燃焼室から排ガスサンプリング点までの間に設けられた各種の装置(例えば、集じん装置など)から外気が漏れ込むため、酸素濃度計測手段で計測される排ガスの酸素濃度は、燃焼室出口の酸素濃度よりも高めになる。したがって、2段目の燃焼室の空気量を制御する基準となる酸素濃度の目標値(含む、上下限範囲)は、漏れ込み空気による誤差を考慮して高めに設定している。
【0007】
しかしながら、燃焼室出口からサンプリング点までの漏れ込み空気量は、廃棄物焼却装置の運転状態や経時変化によって変動することから、酸素濃度の目標値を適切に設定することが困難なため、NOx又はCOの発生を十分に抑制することができない場合があるという問題があった。
【0008】
本発明は、漏れ込み空気量の変動による酸素濃度の計測の外乱を補償して、有害物質の発生を抑制する燃焼制御方法及び装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、廃棄物などの焼却対象物を焼却する燃焼室から排出される排ガスの酸素濃度を前記燃焼室から離れた排ガス流路の下流側で計測し、計測された酸素濃度を予め定められた目標値又は目標範囲に保持制御するにあたって、前記排ガスのNOx濃度を計測し、計測されたNOx濃度が予め定められた設定範囲から外れたとき、前記酸素濃度の目標値又は目標範囲を増減補正することを特徴とする。
【0010】
特に、本発明は、排ガスの酸素濃度の目標値又は目標範囲を、燃焼室と酸素濃度の計測位置との間で排ガスに漏れ込む空気を考慮して設定する場合に好適である。
【0011】
すなわち、排ガスのNOx濃度と燃焼室出口の酸素濃度には正の相関があり、排ガスのNOx濃度は漏れ込み空気量によって変動するものではないから、NOx濃度によって燃焼室出口の酸素濃度をおよそ知ることができる。したがって、NOx濃度が設定範囲を超える場合は、燃焼室における酸素濃度が高いものとして、酸素濃度の目標値又は目標範囲を所定量下げることにより、燃焼室へ供給する空気量を減少させる。逆に、NOx濃度が設定範囲を下回る場合は、燃焼室における酸素濃度が低過ぎるおそれがあることから、酸素濃度の目標値又は目標範囲を所定量上げることにより、燃焼室へ供給する空気量を増加させる。これによって、燃焼室と酸素濃度計測手段のサンプリング点までの間の装置から漏れ込む空気量の変動による酸素濃度計測の外乱を補償して、有害物質の発生を抑制することができる。
【0012】
ところで、排ガスの酸素濃度とNOx濃度には正の相関関係が有るが、排ガスの酸素濃度に対してNOx濃度はある幅をもって分布する関係になっている(例えば、図6参照)。このような幅を有するのは、燃焼室内が完全に均一な燃焼となっておらず、燃焼ムラが存在するためである。したがって、単にNOx濃度の変動によって、燃焼室の空気の過不足を断定することはできない。例えば、局部的な燃焼温度の上昇によるNOxの増加を、酸素過多と判断して空気量を絞れば、COの発生につながることになる。
【0013】
そこで、本発明は、漏れ込み空気量を何らかの方法で計測し、その計測値を加味して排ガスの酸素濃度を適正に評価することにより、NOx濃度の変動による外乱をも補償して、燃焼制御の信頼性を向上することを特徴とする。具体的には、NOx濃度が設定範囲を下回る場合であって、かつ漏れ込み空気量が増加した場合は、酸素不足と判断して酸素濃度の目標値又は目標範囲を所定量上げることにより、燃焼室へ供給する空気量を増加させる。一方、NOx濃度が設定範囲を超える場合であって、かつ漏れ込み空気量が減少した場合は、酸素過多と判断して酸素濃度の目標値又は目標範囲を所定量下げることにより、燃焼室へ供給する空気量を減少させる。これによって、燃焼室と酸素濃度計測手段のサンプリング点までの間の装置から漏れ込む空気量の変動による酸素濃度計測の外乱を補償するとともに、NOx濃度の変動による外乱をも補償して、有害物質の発生を抑制することができる。
【0014】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明を廃棄物処理装置に適用した一実施形態の全体構成図を示している。図に示すように、処理対象の廃棄物は熱分解反応器1に投入され、ここにおいて熱分解された廃棄物の熱分解ガスGと熱分解残査Aは排出装置2により分離され、熱分解ガスGはガスライン3を通って燃焼溶融炉4に導かれる。一方、熱分解残渣Aは冷却器6、分別器7、粉砕機8を経て、冷却と分別と細粒化処理がなされた後、搬送ライン9により燃焼溶融炉4に供給される。燃焼溶融炉4は、頂部に設けられたバーナ5と、バーナ5の下方の炉壁に設けられた複数の第1の空気ノズル10と、この空気ノズル10の下方の炉壁に設けられた複数の第2の空気ノズル11とを備え、炉底に設けられた溶融スラグ排出口12は水槽13の水面下に位置させて、開口されている。そして、バーナ5から第2の空気ノズル11に至る間の空間が第1の燃焼域又は燃焼室と称され、第2の空気ノズル11の下流側が第2の燃焼域又は燃焼室と称される。燃焼溶融炉4の燃焼排ガスは、空気加熱器20と廃熱ボイラ21に導かれて熱回収された後、減温装置22で冷却され、集じん装置23とガス浄化装置24で浄化処理され、誘引送風機25により煙突26から排出されるようになっている。
【0015】
燃焼用空気は送風機26から、空気供給ライン27を介してバーナ5に、空気供給ライン28を介して第1の空気ノズル10に、空気供給ライン29を介して第2の空気ノズル11に供給されている。
【0016】
燃焼用空気の制御系は、第1の燃焼室用と第2の燃焼室用とに分けられている。 第1の燃焼室用の空気制御系は、バーナ5と第1の空気ノズル10に連通された空気供給ライン27、28の上流側に設けられた流量制御弁30と、この流量制御弁30を制御する第1の制御装置31を備えて構成される。第1の制御装置31は、第1の燃焼室に供給される焼却対象物に対して、予め定められた化学量論比未満の空気量を投入するように形成されている。また、第1の制御装置31は、燃焼溶融炉4の第1燃焼域の温度を計測する温度センサ32の出力を取り込んで、その燃焼ガス温度を所定の温度範囲に保持すべく、空気量を補正するように形成されている。
【0017】
第2の燃焼室用の空気制御系は、空気供給ライン29に設けられた流量制御弁33と、この流量制御弁33を制御する第2の制御装置34と、酸素濃度計測手段としての酸素分析計35と、NOx濃度計測手段としてのNOx分析計36とを備えて構成されている。酸素分析計35は、集じん装置23から排出される除じんされた燃焼排ガスをサンプリングして排ガス中の酸素濃度を計測する。酸素濃度の計測値Sは制御装置34の減算器37に入力され、酸素濃度の目標値Sと差ΔSが求められる。その差ΔSはPIDなどからなる制御器38に入力され、その差を低減する空気量の指令値Fが加算器39を介して流量制御弁33に入力される。
【0018】
本発明の特徴に係るNOx分析計36は、酸素分析計35と同様に、集じん装置23から排出される除じんされた燃焼排ガスを周期的にサンプリングして排ガス中のNOx濃度を計測する。NOx濃度の計測値Nはサンプリング周期ごとに制御装置34の加算器40に入力され、予め定められた設定値の上限値Nと下限値Nとからなる設定範囲と比較され、比較結果が酸素濃度の目標値設定器41に入力される。目標値設定器41は入力される比較結果がN>Nのときは、現在の酸素濃度の目標値Sを一定量減少させた目標値Sを減算器37に出力する。逆に、比較結果がN<Nのときは、現在の酸素濃度の目標値Sを一定量増加させた目標値Sを減算器37に出力する。
【0019】
一方、温度センサ32により検出された第1燃焼域の燃焼ガス温度Tは、制御装置34の減算器42に入力され、燃焼ガス温度Tの基準値Tとの差ΔTが求められる。その差ΔTはPIなどからなる制御器43に入力され、空気量の補正値fが加算器39に入力され、空気量の指令値Fが補正される。
【0020】
このように構成される廃棄物処理プラントの動作を次に説明する。熱分解反応器1に投入された廃棄物は、空気加熱器20などにより加熱された高温空気などの熱媒体で加熱されて熱分解される。ここで、廃棄物としては、都市ごみ等の一般ごみ、カーシュレッダーダスト、家電品ごみ、電子機器ごみ、等の廃棄物を含む。これらの廃棄物を熱分解して生成される熱分解ガス(乾留ガス)及び熱分解残渣(固形物)は排出装置2により分けられ、熱分解ガスGは燃焼溶融炉4のバーナ5に供給される。一方の熱分解残渣Aは冷却器6により冷却され、分別器7において金属などを分別し、残りの熱分解残渣が粉砕機8において細粒に粉砕されて燃焼溶融炉4のバーナ5に供給される。すなわち、バーナ5に供給される焼却対象物には、熱分解ガスの他に、熱分解ガスに浮遊して同伴するチャーなどの可燃物、灰分などの熱分解残渣の粉粒体、及び熱分解により生成される比較的大きな可燃性固形物を破砕又は粉砕してなる熱分解残渣の粉粒体が含まれる。また、熱分解残渣に含まれる不燃固形物の粉粒体をバーナ5に供給して溶融処理することができる
バーナ5に供給された熱分解ガスと熱分解残渣は、空気供給ライン27,28から供給される燃焼用空気により第1の燃焼域で旋回しながら燃焼される。第1燃焼域の燃焼ガスは第2燃焼域に導かれ、第2の空気ノズル11から供給される燃焼用空気により完全燃焼される。この燃焼により、熱分解残渣に含まれていた灰分などの不燃固形物が燃焼熱により溶融され、炉底部に流下して溶融スラグ排出口12から水槽13にスラグとして排出される。
【0021】
一方、燃焼溶融炉4から排出される燃焼排ガスは、空気加熱器20と廃熱ボイラ21で熱回収され、減温装置22で冷却された後、さらに集じん装置23にて排ガス中に含まれている粉塵などのダストが捕集される。集じん装置23から排出される排ガスは、ガス浄化装置24で例えば脱硫、脱硝等の処理がなされた後、誘引送風機25により煙突26から排出される。
【0022】
ここで、本発明の特徴に係る燃焼用空気の制御について説明する。第1燃焼域における燃焼は、燃焼用空気供給ライン27,28から供給される化学量論比以下の不足空気で行われ、これによりフュエールNOxの発生を低減する。ここで、 第1燃焼域における化学量論比は0.3〜0.9、好ましくは0.4〜0.7の範囲内に設定され、これにより第1燃焼域の温度は1000〜1200℃程度の高温に調整される。一方、第2の空気ノズル11から供給される燃焼用空気の量は、熱分解ガスと熱分解残渣の完全燃焼に必要な化学量論比に一定の過剰空気量を加えた量から、第1燃焼域で供給された空気量を差し引いた量に制御する。このように燃焼を制御することにより、可燃物を含む燃焼処理対象の熱分解ガス及び残渣の燃焼によるNOxの発生を抑制し、かつCOの発生を抑制して燃焼処理する。
【0023】
第2の燃焼域の空気量の制御は、基本的に燃焼排ガスの酸素濃度を目標値(又は目標範囲)Sに調整することにより行われる。燃焼排ガスの酸素濃度は集じん装置23で処理されたダストが捕集された清浄な排ガスを、酸素分析計35に導いて行う。制御装置34は、酸素分析計35で計測された酸素濃度の計測値Sとその目標値Sとの差ΔSを求め、酸素不足のときは空気量を増加させる指令値Fを流量制御弁33に出力して、第2の燃焼域の空気量を増加して完全燃焼させる。これとは逆に、酸素過剰のときは、空気量を減少させる指令値Fを流量制御弁33に出力してNOxの発生を抑える。
【0024】
しかしながら、指令値Fにより燃焼用空気量を制御した結果が酸素濃度に現れるには、燃焼排ガスが酸素分析計35に達するまでの時間が少なくとも必要であり、例えば1〜2分程度かかることがあり、制御の遅れが生ずる。このような制御遅れは、燃焼溶融炉4内の燃焼負荷が安定している状態のときは、それほど問題にならない。しかし、廃棄物の投入量が変動したり、熱分解ガスの発熱量に関わる可燃物の組成又は量が変動したりすると、必要な空気量に変動が生ずるが、上記の基本制御系によるとその変動に追従できず、COやNOxの発生を十分に抑制できない場合が生ずる。
【0025】
そこで、本実施の形態では、そのような変動を第1燃焼域の温度により検出し、その検出値Tが基準値(又は、基準範囲)Tからずれた場合に、そのずれ量に応じて第2燃焼域の供給空気を増減補正することにより、COやNOxの発生を速やかに抑制するようにしている。すなわち、第1燃焼域の温度に関わる可燃物の組成及び量が安定している場合は、第1燃焼域の燃焼ガス温度Tは、一定の基準値Tに収まる。しかし、例えば、第1燃焼域に投入される空気量が一定のままで、焼却対象物の可燃物の組成又は量が低下すると、相対的な化学量論比が高くなるので、燃焼ガス温度Tが上昇する。逆に、焼却対象物の可燃物の組成又は量が増加すると、焼却対象物の増加分の温度を高めるのに必要な顕熱分に応じて、燃焼ガス温度Tが低下する。そこで、燃焼ガス温度TがTより低いときは、第2燃焼域の空気量を増加する補正値fを指令値Fに加算して、投入空気量を増加させる。逆に、燃焼ガス温度TがTより高いときは、第2燃焼域の空気量を低減する補正値fを指令値Fに加算して、投入空気量を減少させる。これにより、第1燃焼域の温度に関わる可燃物の組成及び量が変動しても、その変動の直後に投入空気量が補正されることになり、時間遅れがないという効果がある。
【0026】
なお、第1燃焼域の燃焼ガス温度に基づいて燃焼用空気の補正値fを決めることに代えて、熱分解ガスGの流量又は廃棄物の量を検出し、それらの基準値と比較して補正値fを決めるようにしてもよい。この場合は、熱分解ガスGの流量又は廃棄物の量が基準値よりも増加したら、その増加量に応じて燃焼用空気の補正値fを増加し、減少した場合はその減少量に応じて燃焼用空気の補正値fを低減する。
【0027】
次に、本発明の特徴に係るNOx濃度により酸素濃度の目標値(又は範囲)Sを補正することについて説明する。NOx分析計36により燃焼排ガスを周期的にサンプリングして計測されるNOx濃度の計測値Nは、サンプリング周期ごとに加算器40に入力される。この加算器40によるNOx濃度の計測値Nと上限値N又は下限値Nとの比較結果は目標値設定器41に入力される。目標値設定器41は、図2に示すように、酸素濃度の目標値Sを調節するように構成されている。すなわち、加算器40による比較結果がN>Nのときは、燃焼溶融炉4における空気量が過剰であるとして、現在の酸素濃度の目標値Sを一定量減少させた目標値Sを減算器37に出力する。一方、比較結果がN<Nのときは、燃焼溶融炉4における空気量が不足であるとして、現在の酸素濃度の目標値Sを一定量増加させた目標値Sを減算器37に出力する。なお、N≦N≦Nの範囲内のときは、現在の目標値Sを保持する。
【0028】
このように、本実施の形態によれば、排ガスのNOx濃度を計測し、計測されたNOx濃度が予め定められた設定範囲から外れたとき、酸素濃度の目標値又は目標範囲を増減補正するようにしていることから、漏れ込み空気による酸素濃度計測の外乱にかかわらず、燃焼用空気の制御を適正化してNOxやCOなどの有害物質の発生を抑制することができる。つまり、燃焼溶融炉4と酸素分析計35のサンプリング点までに設けられた空気加熱器20、廃熱ボイラ21、減温装置22、集じん装置23などの装置から漏れ込む空気量の変動による酸素濃度計測の外乱を補償し、有害物質の発生を抑制することができる。
【0029】
上述した実施形態による燃焼制御の効果を、図3に示した実測例により説明する。同図の横軸は時間を示し、縦軸の左側下部は酸素濃度(%)、左側上部は酸素濃度の目標値S(%)、右側はNOx濃度(ppm)を表わしている。図示のように、空気加熱器20の出口におけるO濃度の計測値S’と、酸素分析計35で計測した集じん装置23の出口におけるO濃度の計測値Sと、NOx分析計36で計測したNOx濃度の計測値Nと、酸素濃度の目標値Sの変化を実測した。なお、NOxの設定範囲の上限値をNに、下限値をNに設定した。図から判るように、例えば、時間17:00の前にNOx濃度の計測値NがNを超えると酸素濃度の目標値Sが一定量減少され、時間18:00過ぎに計測値NがNを下回ると目標値Sが一定量増加されている。特に、図中〇で囲った部分における酸素濃度の目標値Sの変更によって、空気加熱器20の出口におけるO濃度の計測値S’が矢印で示した部分において、所定の値(例えば、5%)を中心にした一定の範囲に抑えるように調整されている。
【0030】
上述した実施形態においては、サンプリング周期ごとに計測値Nと上下限値N、Nと比較し、その比較結果に応じて酸素濃度の目標値Sを増減又は保持するようにしたが、サンプリング周期よりも長く設定された周期で比較して、酸素濃度の目標値Sを調整するようにしてもよい。また、NOxの計測値Nと上下限値N、Nとを連続的に比較して、酸素濃度の目標値Sを調整するようにしてもよい。
(実施の形態2)
図4は、本発明を廃棄物処理装置に適用した他の実施形態の全体構成図を示している。図1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態が図1の実施形態と異なる点は、漏れ込み空気量を計測し、その計測値に応じて酸素濃度の目標値又は目標範囲を制御するようにしたことにある。すなわち、酸素分析計35が接続された排ガスのサンプリング点と燃焼溶融炉4との間に設けられた空気加熱器20、廃熱ボイラ21、減温装置22及び集じん装置23に、それぞれ圧力検出端51-1〜51-4を設け、これらにより検出された圧力検出信号P〜Pを漏れ込み空気量演算器52に入力している。漏れ込み空気量演算器52は、入力される圧力検出信号P〜Pと、圧力検出信号P〜Pに対応付けて予め設定された抵抗係数とに基づいて、空気加熱器20、廃熱ボイラ21、減温装置22及び集じん装置23から排ガス系に漏れ込む漏れ込み空気量Gを演算により求める。この漏れ込み空気量Gは、第2の制御装置53に入力されている。第2の制御装置53には、図1の実施形態と同様に、酸素分析計35から酸素濃度の計測値Sと、NOx分析計36からNOx濃度の計測値Nと、温度センサ32により検出された第1燃焼域の燃焼ガス温度Tが、サンプリング周期ごとに制御装置53に入力されている。
【0031】
制御装置53は、図5に示すように構成されている。NOx濃度の計測値Nはサンプリング周期ごとに、制御装置53の減算器54、55に入力され、予め定められた設定値の上限値Nと下限値Nとの差が求められ、それぞれ関数発生器56、57に入力される。関数発生器56は、N−N>0のとき予め定められた負の補正値を出力し、関数発生器57はN−N<0のとき予め定められた正の補正値を出力する。関数発生器56、57から出力される補正値は加算器58で加算される。加算器58から出力される補正値は、加算器51において予め設定された酸素濃度の初期設定値Sに加算され、NOx濃度に応じた酸素濃度の補正が行われる。
【0032】
一方、漏れ込み空気量演算器52から出力される漏れ込み空気量Gは減算器61に導かれ、ここにおいて遅延メモリ62に格納されている1サンプリング周期(τ秒)前の漏れ込み空気量G’との差ΔG、つまり漏れ込み空気量の増減分が求められる。この漏れ込み空気量の増減分ΔGは、比較器62、63にそれぞれ入力され、予め設定された設定値−G、Gと大小が比較される。ΔG<−Gのときは比較器62から「1」が出力され、ΔG>Gのときは比較器63から「1」が出力される。一方、NOx濃度の計測値Nは比較器64、65にそれぞれ入力され、前述の上限値Nと下限値Nと比較される。N>Nのときは比較器64から「1」が出力され、N<Nのときは比較器65から「1」が出力される。比較器62と比較器64の出力はアンドゲート66で論理積が求められ、アンドゲート66からは、N>NかつΔG<−Gのときに「1」が出力される。同様に、アンドゲート67からは、N<NかつΔG>Gのときに「1」が出力される。これらのアンドゲート66、67の出力は、オアゲート68によって論理和が求められる。つまり、N>NかつΔG<−G、又はN<NかつΔG>Gが成立すると、オアゲート68から「1」が出力され、判定器69はフラグを立てるとともに、酸素濃度の設定値を加算器59の出力である補正された設定理S’に書き替えて、減算器37に出力する。なお、判定器69は、オアゲート68から「1」が出力されないときはフラグを立てず、前制御周期の酸素濃度の設定値S’を保持する。減算器37では、酸素濃度の検出値Sと設定理S’との差を求め、その差はPIDなどからなる制御器38に入力され、その差を低減するように空気量の指令値Fが加算器39を介して出力される。
【0033】
一方、燃焼ガス温度Tに基づく空気量制御は図1の実施形態と同じであり、減算器42により燃焼ガス温度Tの基準値Tとの差ΔTが求められ、その差ΔTがPI又はPなどからなる制御器43に入力され、空気量の補正値fが加算器39に入力され、空気量の指令値Fが補正される。
【0034】
このように構成されることから、本実施形態によれば、NOx濃度の計測値Nが上限値又は下限値の範囲を越えても、漏れ込み空気量の計測値Gの変動が設定範囲(―G,G)を越えて変動していない場合は、NOx濃度の変動の要因が燃焼ムラであるとして空気量を補正制御しない。一方、NOx濃度が設定範囲を下回る場合(N<N)であって、かつ漏れ込み空気量が増加(ΔG>G)した場合は、酸素不足と判断して酸素濃度の目標値又は目標範囲を所定量上げることにより、燃焼室へ供給する空気量を増加させる。一方、NOx濃度が設定範囲を超える場合(N>N)であって、かつ漏れ込み空気量が減少した場合(ΔG<−G)は、酸素過多と判断して酸素濃度の目標値又は目標範囲を所定量下げることにより、燃焼室へ供給する空気量を減少させる。これによって、燃焼室と酸素濃度計測手段のサンプリング点までの間の装置から漏れ込む空気量の変動による酸素濃度計測の外乱を補償するとともに、NOx濃度の変動による外乱をも補償して、有害物質の発生を抑制することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、漏れ込み空気量の変動による酸素濃度の計測の外乱を補償して、有害物質の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の廃棄物処理装置の全体構成図を示す。
【図2】本発明に係るNOx濃度により酸素濃度の目標値を変更する動作原理を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態による燃焼制御の効果を実測値により説明する線図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の廃棄物処理装置の全体構成図を示す。
【図5】図4の実施形態の制御装置の詳細構成図を示す。
【図6】燃焼器出口の酸素濃度とNOx及びCOの濃度の関係を示す線図である。
【符号の説明】
4 燃焼溶融炉
5 バーナ
10 第1の空気供給ノズル
11 第2の空気供給ノズル
23 集じん装置
30 流量制御弁
31 第1の制御装置
32 温度センサ
33 流量制御弁
34 第2の制御装置
35 酸素分析計
37 減算器
36 NOx分析計
39 加算器
40 比較器
41 酸素濃度設定器
42 減算器
43 制御器
51−1〜51−4 圧力検出端
52 漏れ込み空気量演算器
53 制御装置

Claims (5)

  1. 廃棄物などの焼却対象物を焼却する燃焼室から排出される排ガスの酸素濃度を前記燃焼室から離れた排ガス流路の下流側で計測し、計測された酸素濃度を予め定められた目標値又は目標範囲に保持制御するにあたって、前記排ガスのNOx濃度を計測し、計測されたNOx濃度が予め定められた設定範囲から外れたとき、前記酸素濃度の目標値又は目標範囲を増減補正することを特徴とする燃焼制御方法。
  2. 前記酸素濃度の目標値又は目標範囲は、前記燃焼室と前記酸素濃度の計測位置との間で前記排ガスに漏れ込む空気量を考慮して設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御方法。
  3. 廃棄物を熱分解する熱分解反応器と、該熱分解反応器から発生する熱分解ガスと熱分解残渣の一部とを燃焼するとともに不燃成分を溶融する燃焼溶融炉と、該燃焼溶融炉から排出される排ガスの熱を回収する熱回収装置と、前記排ガス中に含まれる灰などの浮遊固形物を捕集する集じん装置と、該集じん装置から排出される排ガスを吸引して大気に排出する誘引送風機と、前記熱回収装置又は前記集じん装置から排出される排ガスの酸素濃度を計測する酸素濃度計測手段と、該酸素濃度計測手段により計測された排ガスの酸素濃度を予め定められた目標値又は目標範囲に保持するように前記燃焼溶融炉の燃焼用空気量を制御する燃焼制御手段とを備えた廃棄物処理装置において、
    前記排ガスのNOx濃度を計測するNOx濃度計測手段を設け、該計測手段により計測されたNOx濃度が予め定められた設定範囲から外れたとき、前記酸素濃度の目標値又は目標範囲を増減補正することを特徴とする廃棄物処理装置。
  4. 廃棄物などの焼却対象物を焼却する燃焼室から排出される排ガスの酸素濃度を前記燃焼室から離れた排ガス流路の下流側で計測し、計測された酸素濃度を予め定められた目標値又は目標範囲に保持制御するにあたって、前記排ガスのNOx濃度を計測するとともに、前記燃焼室から前記酸素濃度の計測位置まで前記排ガス流路中に漏れ込む空気量を求め、計測されたNOx濃度が予め定められた設定範囲から外れ、かつ漏れ込み空気量の変動量が予め定められた設定範囲から外れたとき、前記酸素濃度の目標値又は目標範囲を増減補正することを特徴とする燃焼制御方法。
  5. 前記漏れ込み空気量は、前記排ガス流路の各部の圧力を検出し、該検出圧力に基づいて演算により求めることを特徴とする請求項4に記載の燃焼制御方法。
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