JP3963925B2 - 焼却処理システムにおける二次燃焼方法及び装置 - Google Patents

焼却処理システムにおける二次燃焼方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、都市ごみや産業廃棄物等の被処理物をガス化溶融するガス化溶融システムや、流動層焼却炉を備えたシステムにおいて、その二次燃焼室内で前記被処理物の燃焼ガスを二次燃焼させるための技術に関するものである。
従来、廃棄物等を焼却処理するシステムとして、特許文献1に記載されるものが知られている。このシステムは、炉床に流動層が形成された流動床炉を含み、その流動層に一次空気が供給されることにより、この流動層内に投入された被処理物の一次燃焼が行われる。前記流動層の上方には二次燃焼室であるフリーボードが形成され、このフリーボード内に二次空気が供給されることにより、前記流動層での一次燃焼により生成された燃焼ガスの二次燃焼が行われる。さらに、前記文献に記載されたシステムは、炉内燃焼状態を監視すべく、前記炉の下流側に設けられた酸素濃度計や、炉内の明るさを検出する明るさ検出計を具備し、その検出信号に基づいて前記二次空気の供給量をフィードバック制御するように構成されている。
特開平3−75402号公報
都市ごみ等の被処理物については、その投入量や保有熱量が一時的に急増する、いわゆる「過剰供給」と呼ばれる現象が起り易い。このような現象により被処理物の供給量が系内での供給空気の当量を上回ると、空気不足による不完全燃焼が生じて一酸化炭素濃度が極めて高いガスが瞬時に発生する。その一方、近年では環境改善の観点から排ガス中の一酸化炭素濃度の規制が厳しくなっており、当該一酸化炭素濃度の低減が重要な課題となっている。
このような一酸化炭素濃度の低減を図る手段として、前記不完全燃焼の発生を回避すべく二次空気の供給量を多めに設定することが考えられるが、その場合、前記の被処理物の「過剰供給」が生じていない平常運転時には逆に二次空気が過剰供給されることになるため、その分だけ二次燃焼室内の温度が低下し、その結果として、ダイオキシン発生量の増加や、炉の下流側に設置されたボイラの発電効率の低下といった不都合を招くおそれがある。
なお、炉内の燃焼制御に関して、前記特許文献1には、上述のように酸素濃度計や明るさ検出計に基づく二次空気供給量のフィードバック制御が記載されているが、かかる制御には相当の(場合によっては1分以上の)応答遅れがあるため、前記の被処理物の「過剰供給」現象による燃焼状態の急変に即座に対応することは事実上不可能である。また、前記明るさ検出計や酸素濃度計では炉内の燃焼状態、特に一酸化炭素濃度の増加を的確に検出するのは困難である。
本発明は、このような事情に鑑み、空気の過剰供給による二次燃焼室内温度の低下を避けながら一酸化炭素発生量の急増を有効に抑止する技術の提供を目的とする。
本発明者等は、前記一酸化炭素発生量の急増時に生ずる特有の現象として、二次空気の供給位置の下流側に顕著な火炎の発生が起こる点に着目した。このような現象の発生理由としては、前記被処理物の過剰供給等が生じていない平常運転時には、一次燃焼で発生する燃焼ガスが前記二次空気と混合された時点で完全燃焼するため、その二次空気の供給位置の直前まで弱い火炎が残っていても当該火炎は前記二次空気の供給位置で消滅するのに対し、前記被処理物の供給量の一時的な急増等によって二次空気の供給量が相対的に不足した状態になると、この二次空気の供給後も不完全燃焼により未燃ガスが残存して前記二次空気供給位置の下流側に火炎が伸びるためであると考えられる。そして、この火炎が発生するタイミングと一酸化炭素濃度が増大するタイミングとは精度良く一致することを確認することができた。
本発明は、このような背景からなされたものであり、被処理物を焼却処理する焼却処理システムに設けられた二次燃焼室内で、前記被処理物の燃焼ガスに前記被処理物の理論燃焼空気量に対する燃焼空気量の比率である空気比が1以上になるように二次空気を供給することにより当該ガスを二次燃焼させる方法において、前記二次空気の供給位置の下流側で火炎の発生の有無を検出し、その火炎の発生を検出した場合に当該火炎の発生を検出しない場合よりも多くの補助空気を当該火炎の検出位置よりも下流側の位置で前記二次燃焼室内に供給するものである。
また本発明は、被処理物を焼却処理する焼却処理システムに設けられた二次燃焼室内で、前記被処理物の燃焼ガスに前記被処理物の理論燃焼空気量に対する燃焼空気量の比率である空気比が1以上になるように二次空気を供給することにより当該ガスを二次燃焼させる装置において、前記二次燃焼室内に前記二次空気を供給する二次空気供給手段と、この二次空気供給手段による二次空気供給位置の下流側で火炎の発生の有無を検出する火炎検出手段と、この火炎検出手段による火炎の検出位置よりも下流側の位置で前記二次燃焼室内に補助空気を供給する補助空気供給手段と、前記火炎検出手段により火炎が検出された場合に当該火炎の発生を検出しない場合よりも多くの補助空気を前記補助空気供給手段に供給させる供給制御手段とを備えたものである。
以上の構成によれば、二次空気の供給位置の下流側で火炎の有無を検出し、この火炎を検出しない場合には補助空気の供給を抑えることにより、空気の過剰供給による二次燃焼室内の温度低下を回避することができる一方、前記火炎が検出された場合、すなわち二次空気の供給にかかわらず未燃ガスが残存している場合には、火炎が検出されない場合よりも多くの補助空気を前記火炎検出位置よりも下流側の位置で二次燃焼室内に供給することにより、前記未燃ガスを完全燃焼させて一酸化炭素濃度の増加を有効に抑止することができる。
具体的には、前記火炎の発生を検出した場合にのみ前記補助空気を前記二次燃焼室内に供給する(すなわち火炎を検出しない場合の補助空気供給量を0とする)ようにしてもよいし、運転中に前記二次空気とともに前記補助空気を前記二次燃焼室内に供給し、前記火炎の発生を検出した場合に前記補助空気の供給量を増量するようにしてもよい。
前記装置において、前記二次燃焼装置における火炎検出手段による火炎検出位置から前記補助空気供給手段による補助空気供給位置までの距離は、当該火炎検出手段により火炎が検出される時点から前記補助空気供給手段による補助空気の供給量の増加が開始されるまでに要するむだ時間内に前記二次燃焼室内のガスが前記火炎検出位置から下流側へ移動する距離と略同等の距離に設定されていることが、より好ましい。このような構成によれば、実際に火炎検出手段が火炎を検出してから好適なタイミング及び好適な位置で補助空気の供給量増加を開始することができ、当該補助空気の供給をより効果的なものにすることができる。
前記二次空気供給手段及び補助空気供給手段は完全に相互独立したものでもよいが、構成の簡素化の観点から、両空気供給手段は共通の空気供給源を包含することが、より好ましい。この場合、前記補助空気供給手段が、前記空気供給源から供給される空気を補助空気として前記二次燃焼室内に噴射する補助空気供給ノズルを含み、前記供給制御手段が、前記空気供給源と前記補助空気供給ノズルとの間に介在する開閉弁と、前記火炎検出手段により火炎が検出された場合に当該火炎が検出されない場合よりも前記開閉弁の開度を増加させる弁操作手段とを含む構成とすれば、前記空気供給源の共通化を図りながら、二次空気の供給とは独立して補助空気の供給切換を不都合なく行うことができる。
また、前記火炎検出手段としては、可視光線センサでもよいが、二次燃焼室を囲む壁面の輻射による光を検出対象から十分に除外するには、検出波長が4000Å以下の紫外線センサを用いるのが、より好ましい。その場合、この紫外線センサの出力が一定以上の場合にのみ前記補助空気供給手段に補助空気を供給させるようにすればよい。
以上のように、本発明によれば、二次空気供給位置の下流側で火炎の有無を検出し、火炎が検出された場合に当該火炎が検出されない場合よりも多くの補助空気を当該火炎の検出位置の下流側で二次燃焼室内に供給することにより、二次空気の過剰供給による二次燃焼室内の低下を避けながら、一時的に発生する一酸化炭素濃度の急増を有効に抑止することができる効果がある。
本発明の第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
この実施の形態は、図1に示すようなガス化溶融システムに本発明を適用したものである。このガス化溶融システムは、その前段側から順に、給じん機10と、流動床式ガス化炉12と、旋回流式溶融炉14と、二次燃焼室16を含む廃熱ボイラ18と、減温塔20と、バグフィルタ22と、誘引送風機24と、煙突26とを備えている。
前記給じん機10は、図略のごみホッパに投入されたごみをスクリュコンベアによって定量的に流動床式ガス化炉12に供給する。この流動床式ガス化炉12の炉床には砂等の流動粒子による流動層が形成され、この流動層の温度を例えば450〜650℃に維持しながら、当該流動層に投入されたごみを低温で一次燃焼させる運転が行われる。
旋回流式溶融炉14内では、燃焼用空気による旋回流が形成され、これに前記流動床式ガス化炉12から送られてくる熱分解ガスが混合されて約1300℃の高温燃焼が行われる。その熱により前記熱分解ガス中の灰分は炉壁上で溶融してスラグとなり、この溶融スラグが炉底より排出される。一方、溶融炉14から排出される高温ガスは廃熱ボイラ18の二次燃焼室16内に導入される。
この二次燃焼室16は、前記旋回流式溶融炉14から導入されるガスに対して空気比が1以上となるような二次空気の供給を行うことによって、当該ガスをさらに二次燃焼させる役割を担う。その詳細は後述する。
前記廃熱ボイラ18を通過したガスは、減温塔20内に噴霧される冷却水との接触により150℃〜200℃程度まで冷却される。冷却後のガスは、前記バグフィルタ22及び前記誘引送風機24から前記煙突26を通じて系外に排出される。
次に、前記二次燃焼室16内で行われる二次燃焼運転について図2を参照しながら説明する。
前記二次燃焼室16の下端部には、前記旋回流式溶融炉14から排出される高温ガスが導入されるガス入口30が設けられ、上端部にガス出口32が設けられている。
前記ガス入口30のすぐ上方の位置には二次空気供給ノズル34が設けられている。この二次空気供給ノズル34は、二次燃焼室16内に空気比(理論空気量に対する燃焼空気量の比率)が1以上となるような二次空気を供給するためのもので、図例では前記二次空気を斜め下向きに噴射するように配置されている。この二次空気供給ノズル34には、空気供給源である送風機36から空気予熱器38及び開閉弁40を通じて二次空気が供給される。
さらに、この二次燃焼装置の特徴として、前記二次空気供給ノズル34による二次空気供給位置の下流側(図例では上側)の位置に、当該位置で火炎の有無を検出する火炎検出器42が設けられている。この火炎検出器42には、光検知センサを用いることが可能であるが、その検出波長はなるべく短いことが望ましい。
図3は、約550℃及び約1600℃の炉壁からの輻射の波長と各種センサの検出波長とを示したものである。図示のように、炉壁からの輻射の波長は可視光線領域から赤外線領域にあって比較的長く、従って、検出波長の長いセンサを用いると前記輻射による光を検出してしまう可能性が高い。これに対し、検出波長の短いセンサ、特に紫外線センサ(例えばガス焚きバーナや油焚きバーナの失火検出装置として一般的に用いられている株式会社山武製の火炎センサ「ウルトラビジョン」)を用いれば、前記炉壁の輻射による外乱を受けることなく火炎の有無を精度良く検出することが可能になる。
さらに、この火炎検出器42による火炎検出位置の下流側(図例では上側)には、所定の距離をおいて補助空気供給ノズル44が設けられている。この補助空気供給ノズル44には、前記二次空気供給ノズル42と並列に共通の送風機36及び空気予熱器38に接続されているが、この空気予熱器38と前記補助空気供給ノズル44との間には開閉弁46が介設され、かつ、この開閉弁46には同弁46の開閉操作を行う弁操作器48が接続されている。
前記開閉弁46は、この実施の形態では、前記弁操作器48から出力される電気信号を受けて弁体を空気圧により開閉駆動する空気圧駆動式の弁により構成されている。ただし、本発明では開閉弁の具体的構成を問わず、何らかの制御信号の入力を受けて開閉作動するものであればよい。
前記弁操作器48は、前記火炎検出器42に接続されており、この火炎検出器42から出力される検出信号に基づいて前記開閉弁46の操作を行う。具体的には、前記検出信号のレベルが予め設定された一定のしきい値以上となった場合にのみ、火炎が検出されたとして前記開閉弁46を一定時間だけ開弁させる、すなわち補助空気供給ノズル44から補助空気を一定時間だけ噴射させるように構成されている。
ここで、前記二次空気供給位置から火炎検出位置までの距離は、適宜設定可能であるが、前記二次空気供給位置から生じた火炎を確実に検出できるように前記距離を抑えることが好ましい。また、前記火炎検出位置から補助空気供給位置までの距離も適宜設定可能であるが、好ましくは、火炎が検出された時点から実際に補助空気供給ノズル44より補助空気が噴射されるまでのむだ時間を考慮するのがよい。すなわち、この距離は、当該むだ時間内に前記火炎検出位置から下流側にガスが移動する距離と略同等の距離に設定するのが望ましい。ここで、前記むだ時間は前記開閉弁46の開弁作動に要する時間とほぼ等しいので、この開閉弁46の作動特性に基づいて前記距離を設定すればよい。
次に、この二次燃焼装置の作用を説明する。
前記流動床式ガス化炉12及び旋回流式溶融炉14にて平常運転が行われているとき、すなわち、いわゆる「過剰供給」現象はなく、正常な量のごみが処理されているときには、二次燃焼室16に導入される高温ガス中の未燃ガス成分は少なく、よって、この高温ガスと二次空気供給ノズル34から噴射される二次空気との混合によって完全燃焼が果たされ、当該二次空気供給位置の下流側に火炎は生じない。このとき、火炎検出器42から出力される検出信号はしきい値未満であるため、弁操作器48は開閉弁46を閉弁状態に保つ。よって、補助空気供給ノズル44から補助空気が過剰供給されることはなく、これにより二次燃焼室16内の温度低下が回避される。
これに対し、流動床式ガス化炉12内に投入される被処理物の重量や熱量が一時的に急増すると、二次空気供給ノズル34から供給される二次空気の量が相対的に不足し、当該二次空気と高温ガスとの混合によっても完全燃焼は果たされず、未燃ガスが残存することになる。その結果、二次空気供給ノズル34から上方に火炎が伸びることになる。この火炎発生に反応して火炎検出器42の出力信号(検出信号)のレベルが前記しきい値以上になると、この検出信号を受けた弁操作器48が開閉弁46を一定時間だけ開弁させて補助空気供給ノズル44から補助空気を噴射させる。この補助空気の噴射により、前記二次空気供給位置では燃焼しきれなかった未燃ガスが燃焼し、その結果、一酸化炭素濃度の急増が有効に抑止される。
本発明の第2の実施の形態を図4に示す。この実施の形態は、内部に二次燃焼室を包含する流動床焼却炉50について本発明を適用したものである。
図示の流動床焼却炉50の炉床には流動層52が形成され、この流動層52の下方に一次空気供給室54が設けられている。そして、この一次空気供給室54内に押し込まれた空気が一次空気として流動層52に噴出し、この流動層52を流動化させる。
前記流動層52の上方にはごみ投入口56が設けられ、さらにその上方に二次燃焼室であるフリーボード58が形成されている。そして、このフリーボード58の下部に、空気比を1以上とする二次空気を供給するための二次空気供給位置60が設定され、その直上方に火炎検出器42が設けられており、この火炎検出器42のさらに上方に、前記火炎検出器42により火炎が検出された場合にのみ補助空気を供給するための補助空気供給位置62が設定されている。
なお、前記二次空気供給位置60から二次空気を供給する手段、及び、補助空気供給位置62から補助空気を供給する手段は、前記図2に示したものと同等である。
この実施の形態においても、ごみ投入量や熱量に異変のない平常運転時には、フリーボード58に対して二次空気のみを供給して補助空気は供給しないようにすることにより、空気の過剰供給によるフリーボード58内の温度低下を回避する一方、ごみ投入量や熱量の一時的な急増が生じたときには、二次空気供給位置60の下流側に発生する火炎を火炎検出器42が検出して補助空気供給位置62からフリーボード58内に一定時間だけ補助空気が供給されるようにすることにより、二次空気の供給では燃焼しきれなかった未燃ガスの完全燃焼を果たし、炉頂から排出される燃焼ガス中の一酸化炭素濃度の急増を有効に抑止することができる。
なお、本発明において、火炎検出器42の出力信号から火炎が検出されたか否かを判定するためのしきい値については、適宜設定すればよい。一般には、図5のグラフにも示されるように、しきい値を高く設定するほど的中率(=火炎が検出されたと判定したときに実際に一酸化炭素が発生していた回数/火炎が検出されたと判定した回数)は高くなるが、逆に検出率(=実際に一酸化炭素が発生した回数/一酸化炭素が発生した全ての回数)は低くなるので、そのバランスを考慮して前記しきい値を適宜設定すればよい。
また、前記各実施形態では、火炎が検出された場合にのみ補助空気の供給を行うようにしているが、本発明はこれに限らず、例えば運転中は二次空気とともに少量の補助空気を常時供給しておき、火炎が検出された場合にのみ当該補助空気の供給量を増量する(例えば図2に示す開閉弁46の開度を増加させる)ようにしてもよい。
前記図4に示した装置において、火炎検出器42を同図実線に示す位置(以下「本実施例位置」と称する。)に設ける他、同図二点鎖線に示す位置PA,PB,PC,PDにそれぞれ設けてその火炎検出器42の出力信号を取得した。また、この火炎検出器42とは別に前記図1に示したバグフィルタ22の下流側にCO濃度センサを設け、当該バグフィルタ22から実際に排出されるガス中のCO濃度を測定するようにした。
その測定結果を図6及び図7に示す。図6(a)(b)(c)はそれぞれ、前記図4に示した位置PA,PB,PCに火炎検出器42が設けられたときの当該検出器42の出力信号と前記CO濃度センサの出力信号とを示したものであり、同様に、図7(a)は前記本実施例位置に火炎検出器42が設けられたときの当該検出器42の出力信号と前記CO濃度センサの出力信号とを示したもの、同図(b)は前記位置PDに火炎検出器42が設けられたときの当該検出器42の出力信号と前記CO濃度センサの出力信号とを示したものである。
前記位置PAは、流動層52の界面を間近に望む位置であるが、この位置に火炎検出器42を設けた場合、その検出信号は図6(a)に示すように実際のCO濃度の急増回数よりも頻繁に変動するため、当該検出信号からCO濃度の急増タイミングを判定することは困難である。
また、前記位置PBは、給じん口56付近から流動層52の界面をほぼ真上から鳥瞰する位置であり、前記位置PCは二次空気供給位置60よりも400mm下方の位置から炉内を水平方向に監視する位置であるが、いずれの位置においても、図6(b)(c)に示すように、火炎検出器42の出力信号の変動が微弱で明確な立ち上がりが認められず、やはりCO濃度の急増タイミングを判定することは難しい。
また、前記位置PDは、炉頂部分から炉内を見下ろす位置であるが、この位置においても図7(b)に示すように火炎検出器42の出力信号が弱く、CO濃度の変動との相関性は低い。
これに対し、本実施例位置に火炎検出器42を設けた場合には、図7(a)に示すように、火炎検出器42の出力信号に急峻な立ち上がりが認められ、かつ、その立ち上がり時からほぼ一定の遅れ時間経過後にCO濃度センサの出力信号の急激な上昇が発生しており、火炎検出信号と実際のCO濃度の変動との間に著しい相関性が認められる。よって、前記本実施例位置に火炎検出器42を設ければ、その出力信号に基づいて高い確率でCO濃度の急増を認識することが可能となる。
前記図4に示した装置を含む焼却処理システムにおいて、実施例1と同様にバグフィルタの下流側にCO濃度センサを設置し、火炎検出時に二次空気に加えて補助空気を供給する場合(本実施例)と、常に二次空気のみを供給する場合(比較例)とについて、実際の排出ガス中のCO濃度の変動を監視した。その結果を図8(比較例)及び図9(本実施例)に示す。
図8に示すように、比較例においては、火炎検出信号の立ち上がり後、相当の確率でCO濃度の急増が認められ、しかもそのピーク値が150ppmを上回る場合も存在した。また、図示はしていないが、ごみ投入量によっては200ppmを上回るようなCO濃度の急増も発生した。
これに対して本実施例においては、図9に示すように、火炎検出信号の立ち上がりに応じて補助空気を供給することにより、その後のCO濃度の増加は著しく抑制されている。
本発明の第1の実施の形態に係るガス化溶融システムの全体構成図である。 前記ガス化溶融システムの廃熱ボイラに設けられた二次燃焼装置を示す図である。 各種センサの波長と相対感度との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る流動床焼却炉の断面図である。 火炎検出器の出力信号について設定されるしきい値と的中率及び検出率との相関関係を示すグラフである。 (a)(b)(c)は火炎検出器を本発明位置とは異なる位置に設けた場合の当該火炎検出器の出力信号と実際の排出ガス中におけるCO濃度の時間変化を示すグラフである。 (a)は本発明の実施例1における火炎検出器の出力信号と実際の排出ガス中のCO濃度の時間変化を示すグラフ、(b)は火炎検出器を本発明位置とは異なる位置に設けた場合の当該火炎検出器の出力信号と実際の排出ガス中のCO濃度の時間変化を示すグラフである。 火炎検出時に補助空気を供給しない場合の排出ガス中のCO濃度の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例2における排出ガス中のCO濃度の時間変化を示すグラフである。
符号の説明
12 流動床式ガス化炉
14 旋回流式溶融炉
16 二次燃焼室
30 二次燃焼室のガス入口
36 送風機(空気供給源)
42 二次空気供給ノズル
44 補助空気供給ノズル
46 開閉弁
48 弁操作器
50 流動床焼却炉
52 流動層
58 フリーボード(二次燃焼室)
60 二次空気供給位置
62 補助空気供給位置

Claims (10)

  1. 被処理物を焼却処理する焼却処理システムに設けられた二次燃焼室内で、前記被処理物の燃焼ガスに前記被処理物の理論燃焼空気量に対する燃焼空気量の比率である空気比が1以上になるように二次空気を供給することにより当該ガスを二次燃焼させる方法において、前記二次空気の供給位置の下流側で火炎の発生の有無を検出し、その火炎の発生を検出した場合に当該火炎の発生を検出しない場合よりも多くの補助空気を当該火炎の検出位置よりも下流側の位置で前記二次燃焼室内に供給することを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼方法。
  2. 請求項1記載の焼却処理システムにおける二次燃焼方法において、前記火炎の発生を検出した場合にのみ前記補助空気を前記二次燃焼室内に供給することを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼方法。
  3. 請求項1記載の焼却処理システムにおける二次燃焼方法において、運転中に前記二次空気とともに前記補助空気を前記二次燃焼室内に供給するとともに、前記火炎の発生を検出した場合に前記補助空気の供給量を増量することを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の焼却処理システムにおける二次燃焼方法において、前記火炎を検出する位置に検出波長が4000Å以下の紫外線センサを設け、この紫外線センサの出力が一定以上の場合にのみ前記補助空気を供給することを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼方法。
  5. 被処理物を焼却処理する焼却処理システムに設けられた二次燃焼室内で、前記被処理物の燃焼ガスに前記被処理物の理論燃焼空気量に対する燃焼空気量の比率である空気比が1以上になるように二次空気を供給することにより当該ガスを二次燃焼させる装置において、前記二次燃焼室内に前記二次空気を供給する二次空気供給手段と、この二次空気供給手段による二次空気供給位置の下流側で火炎の発生の有無を検出する火炎検出手段と、この火炎検出手段による火炎の検出位置よりも下流側の位置で前記二次燃焼室内に補助空気を供給する補助空気供給手段と、前記火炎検出手段により火炎が検出された場合に当該火炎の発生を検出しない場合よりも多くの補助空気を前記補助空気供給手段に供給させる供給制御手段とを備えたことを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼装置。
  6. 請求項5記載の焼却処理システムにおける二次燃焼装置において、前記供給制御手段は前記火炎検出手段により前記火炎の発生が検出された場合にのみ前記補助空気を前記二次燃焼室内に供給させることを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼装置。
  7. 請求項5記載の焼却処理システムにおける二次燃焼装置において、前記供給制御手段は、運転中に前記二次空気とともに前記補助空気を前記二次燃焼室内に供給させるとともに、前記火炎の発生を検出した場合に前記補助空気の供給量を増量させることを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼装置。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の焼却処理システムにおける二次燃焼装置において、前記火炎検出手段による火炎検出位置から前記補助空気供給手段による補助空気供給位置までの距離が、当該火炎検出手段により火炎が検出される時点から前記補助空気供給手段による補助空気の供給量の増加が開始されるまでに要するむだ時間内に前記二次燃焼室内のガスが前記火炎検出位置から下流側へ移動する距離と略同等の距離に設定されていることを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼装置。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の焼却処理システムにおける二次燃焼装置において、前記二次空気供給手段及び補助空気供給手段は共通の空気供給源を包含し、前記補助空気供給手段は、前記空気供給源から供給される空気を補助空気として前記二次燃焼室内に噴射する補助空気供給ノズルを含み、前記供給制御手段は、前記空気供給源と前記補助空気供給ノズルとの間に介在する開閉弁と、前記火炎検出手段により火炎が検出された場合に当該火炎が検出されない場合よりも前記開閉弁の開度を増加させる弁操作手段とを含むことを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼装置。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載の焼却処理システムにおける二次燃焼装置において、前記火炎検出手段として検出波長が4000Å以下の紫外線センサを備え、前記供給制御手段は前記紫外線センサの出力が一定以上の場合にのみ前記補助空気供給手段に補助空気を供給させるものであることを特徴とする焼却処理システムにおける二次燃焼装置。
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