JP2001343112A - 廃棄物焼却炉 - Google Patents

廃棄物焼却炉

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JP2001343112A
JP2001343112A JP2000162343A JP2000162343A JP2001343112A JP 2001343112 A JP2001343112 A JP 2001343112A JP 2000162343 A JP2000162343 A JP 2000162343A JP 2000162343 A JP2000162343 A JP 2000162343A JP 2001343112 A JP2001343112 A JP 2001343112A
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grate
water
combustion
steam
waste
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JP2000162343A
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Inventor
Minoru Suzuki
実 鈴木
Hirohito Ishibashi
宏仁 石橋
Teruo Tatefuku
輝生 立福
Michio Nagaseki
三千男 永関
Takashi Yokoyama
隆 横山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は火格子上での局部過熱に対応してそ
の箇所を強制的に冷却すると共に、ここでの燃焼を抑制
し、全体として火格子の寿命を延長させ、廃棄物焼却に
よって発生する燃焼ガスの温度の安定化を図る廃棄物焼
却炉を提供する。 【解決手段】 燃焼ストーカ13、後燃焼ストーカ14
の固定火格子23a,24aは、水冷ジャケット25を
設けた水冷固定火格子を用い、蒸気吹出し透過孔21が
水冷ジャケットの面に設置されている。蒸気吹出し透過
孔21は固定火格子表面に局部過熱が生じた際に、水冷
ジャケットの冷却水が蒸気になってすぐに吹出させる。
従って、固定火格子23aの表面は水蒸気による気化熱
による冷却と、分解によって発生している熱分解ガスの
燃焼抑制又は該ガスの消炎による火格子表面周りの燃焼
ガスの温度低下による冷却を受ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気吹出し機能付
き火格子を備えた廃棄物焼却炉及びその火格子の冷却制
御機構を備えた廃棄物焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物焼却炉で処理される廃棄物は産業
廃棄物と一般廃棄物に大別される。産業廃棄物は燃えが
ら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類
等であり、一般廃棄物は産業廃棄物以外の廃棄物で、ご
み、粗大ごみ、し尿、その他である。
【0003】一般廃棄物(以下都市ごみという)の代表
的な家庭ごみは紙、ちゅうかい、繊維、草木、プラスチ
ック、ゴム皮革等で構成されており、それらの発熱量は
乾ベース低位発熱量(kcal/kg)で、紙、ちゅう
かい、繊維、草木が各々3000〜5000(kcal
/kg)程度、ゴム皮革が5000〜6000(kca
l/kg)程度、プラスチックが6000〜8000
(kcal/kg)程度であることが知られている。
【0004】現在、特に、廃棄物焼却炉による都市ごみ
の焼却が増加の傾向にある。都市ごみは多種多様で、発
熱量の多いもの、小さいものが含まれており、それらを
ストーカ型廃棄物焼却炉で焼却した際に、発熱量の変動
が激しく燃焼の安定化が図れない。
【0005】そのために、プラスチック類のような発熱
量が高く、水分の少ないごみ等が多く混入されている場
合には、火格子の直上で高温燃焼により、火格子の表面
温度が急上昇して、火格子が局部過熱され、損傷する場
合がある。
【0006】特開平7−180824号公報には水冷火
格子を備えたストーカが記載されている。図6に示すよ
うに、(A)は固定火格子の側面断面図、(B)はその
平面断面図、(C)は傾斜式ストーカの側面図、(D)
は階段式ストーカの側面図、(E)はストーカの平面図
である。
【0007】固定火格子1と可動火格子2は(C)、
(D)、(E)に示すように、一部が重なるように交互
に配置されて、傾斜式又は階段式のストーカを構成して
いる。
【0008】固定火格子1は定位置に動かないように取
付けられている。可動火格子2は往復駆動連干を介して
往復駆動油圧シリンダに連結され、上下に隣接する固定
火格子1の間に一部が重なるように挟まれて、固定火格
子1の上面に沿って平行な方向に往復運動するように設
けられている。(A)、(B)に示すように、固定火格
子1は全体として変形長方形状の中空体であり、後底部
は空気入口3として大きな開口が開けられている。固定
火格子1の先端部には水室4が区画形成されており、こ
の水室4内の下部に開口するように後方から給水管5が
設けられ、水室4内の最上部に開口するように排水管6
が同様に設けられている。また、水室4の後外側底部に
は空気出口7が設けられている。焼却炉を操業する際
に、固定火格子1は水室4に給水ポンプから給水管5に
より給水され、排水管6により水室4から排水される。
この固定火格子1上で被焼却物が燃焼して発生する熱は
固定火格子1に伝達し、固定火格子1の郭体を通過して
水室4内を流れる水を加熱する。水は熱容量が比較的大
きく、この熱をよく吸収するので、固定火格子1の温度
上昇を抑制する。固定火格子1と可動火格子2は一部が
重なるように交互に配置されているので、冷却された固
定火格子1はこれに隣接する可動火格子2の熱を奪って
冷却する。これにより、火格子が高温になることが抑制
される。
【0009】
【発明が解決する課題】前述したように、廃棄物焼却炉
で焼却する廃棄物、特に都市ごみは多種多様で、発熱量
の多いもの、小さいものが含まれており、プラスチック
類のような発熱量が高く、水分の少ないごみ等が多く混
入されている場合には、火格子直上での高温燃焼によ
り、火格子の表面温度が急上昇して、火格子が局部過熱
される。
【0010】このような局部過熱に対して、特開平7−
180824号公報に開示されているストーカをそのま
ま適用した場合は、以下のような問題がある。
【0011】上記ストーカでは固定火格子1が先端部に
水室4を区画形成し、この水室4内の下部に開口するよ
うに後方から給水管5を設け、水室4内の最上部に開口
するように排水管6を設けている。従って、焼却炉を操
業する際、固定火格子1は水室4に給水管5により給水
され、排水管6により水室4から系外に排水される。こ
の固定火格子1上で被焼却物が燃焼して発生する熱が固
定火格子1に伝達したとき、その熱を固定火格子1の郭
体を通過して水室4内を流れる水で吸収させ、固定火格
子1の温度上昇を抑制するものである。
【0012】従って、固定火格子1上で燃焼させる被焼
却物が、特に多種多様で発熱量の変動の激しい都市ごみ
の場合、高発熱量で水分の少ないプラスチック類等が多
く混入した際には局部過熱が生じ易く、固定火格子1の
中空体に配置した給排水管に冷却水を通過させただけで
は局部過熱による固定火格子の焼損又は被焼却物による
燃焼ガスの燃焼温度の不安定化等による悪い影響を防止
することが困難である。
【0013】また、固定火格子1の先端に水室4を設け
ているが、その箇所に局部過熱が生じるとは限らず、水
室4が密閉されているので、局部過熱が生じた際には水
室4の圧力が高くなり、給排水管による冷却水が円滑に
流れず、冷却水による冷却が困難になる。
【0014】本発明は上記のような問題点の解決を図っ
たものであり、廃棄物を焼却した際に、局部過熱が火格
子上のどの箇所で生じてもすぐに対応して局部過熱箇所
を強制的に冷却すると共に、ここでの燃焼を抑制し、全
体として火格子の寿命を延長させるとともに、火格子上
での廃棄物焼却によって発生する燃焼ガスの温度の安定
化を図ることのできる廃棄物焼却炉を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明は、
水冷火格子を備えた廃棄物焼却炉であって、前記火格子
に内蔵させた冷却水通路を設け、その通路面に蒸気吹出
し透過孔を設置したことを特徴とする廃棄物焼却炉であ
る。
【0016】本発明によれば、火格子に内蔵させた冷却
水通路を設け、その通路面に蒸気吹出し透過孔を設置
し、蒸気吹出し機能を付加したので、廃棄物焼却炉を操
業し、火格子上での廃棄物の燃焼による局部過熱を生じ
た際に、局部過熱箇所またはそれに近い箇所に設けられ
ている蒸気吹出し透過孔から冷却水通路内面の冷却水が
蒸気になって吹出す。
【0017】従って、火格子は、吹出した蒸気の気化熱
と、蒸気による火格子上での熱分解ガスの燃焼抑制又は
消炎により冷却される。特に、熱分解ガスが水素の場
合、蒸気による消炎効果が大きいため好ましい。
【0018】請求項2による発明は、請求項1による発
明において、蒸気吹出し透過孔が焼結金属で形成されて
いることを特徴とする。
【0019】本発明によれば、蒸気吹出し透過孔が焼結
金属で形成されているので、火格子と同等以上の耐熱強
度を確保することができる。
【0020】請求項3による発明は、請求項1、又は請
求項2による発明において、冷却水通路の冷却水供給口
入側に流量計を配設したことを特徴とする。なお、水は
圧縮性が殆どないため、通常の流量計を用いることがで
きる。
【0021】本発明によれば、冷却水通路の冷却水供給
口入側に流量計を配設したので、火格子上での廃棄物の
燃焼による局部過熱が生じて、冷却水通路の冷却水が蒸
気となって蒸気吹出し透過孔から吹出しても、冷却水の
流量を計測して、適正に冷却水を供給できる。
【0022】また、蒸気の発生にともなって流量計の下
流側の温度が上昇するため、上流側の圧力を高める必要
があり、このような機能を持った流量計の一例として質
量流量計を用いることができる。
【0023】請求項4による発明は、請求項1、請求項
2又は請求項3による発明において、冷却水通路の冷却
水排出口出側に、蒸気検出センサーを配設したことを特
徴とする。
【0024】本発明によれば、冷却水通路の冷却水排出
口出側に、蒸気検出センサーを配設したので、火格子上
での廃棄物の燃焼による局部過熱が生じて、冷却水通路
の冷却水が蒸発して蒸気吹出し透過孔から蒸気が吹出し
た際に、水と蒸気の区別を検出して、蒸気発生による異
常状態の適正な処置をとることができる。
【0025】請求項5による発明は、請求項1の発明に
よる廃棄物焼却炉であって、火格子に温度センサー、冷
却水通路の冷却水供給口入側にレギュレターと流量計
と、冷却水排出口出側に蒸気検出センサーと開度調節弁
と温度計を各々配設し、それらを用いて火格子を冷却制
御する冷却制御装置を設置したことを特徴とする廃棄物
焼却炉である。
【0026】本発明によれば、火格子本体に温度センサ
ー、冷却水通路の冷却水供給口入側にレギュレターと質
量流量計、冷却水排出口出側に上記検出センサーと開度
調節弁と温度計を各々配設し、それらを用いて火格子を
冷却制御する冷却制御装置を設置し、蒸気吹出し機能を
付加した火格子に、冷却制御機構を備えたので、火格子
上での廃棄物の燃焼による局部過熱が生じた際に、冷却
水通路の冷却水が蒸気となって蒸気吹出し透過孔から火
格子上に吹出し、火格子を冷却するので、冷却制御装置
により適正な冷却制御を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
によって詳述する。図1は本発明による実施の形態を示
す概略側断面図であり、図2は本発明による火格子の状
態の一例を示す斜視図であり、図3は本発明に用いる水
冷火格子の一部切欠きを有する平面図である。廃棄物焼
却炉(以下ごみ焼却炉という)はストーカ型ごみ焼却炉
10である。
【0028】廃熱ボイラ20を接続したストーカ型ごみ
焼却炉10は、ホッパ11、乾燥ストーカ12、燃焼ス
トーカ13、後燃焼ストーカ14,主燃焼室15、二次
燃焼室16から構成されている。ここでは中天井17を
設置して、主燃焼室15と二次燃焼室16との間に主煙
道18と副煙道19を設けている。
【0029】乾燥ストーカ12、燃焼ストーカ13、後
燃焼ストーカ14は各々火格子22,23,24で構成
され、それらは燃焼ストーカの火格子23に実線で囲
み、符号Aで示したように、固定火格子と可動火格子か
ら構成されている。
【0030】固定火格子と可動火格子の接続状態の構造
は、図2に示すように、固定火格子22a,23a,2
4aと可動火格子22b,23b,24bを一部重なる
ように交互に配列したもので、可動火格子22b,23
b,24bを都市ごみ9の流れ方向に矢印に示すように
往復動させて、火格子上で焼却する都市ごみ9を上流側
から下流側に強制的に押しながら移動させる。
【0031】本発明では、図3に示すように、燃焼スト
ーカ13、後燃焼ストーカ14の固定火格子23a,2
4aは、内蔵させた冷却水通路(以下水冷ジャケットと
いう)25を設けた水冷固定火格子を用いている。固定
火格子23a,24aは同じ構造にしているので、図
2,図3による水冷ジャケットは燃焼ストーカについて
述べる。
【0032】また、乾燥ストーカ12の固定火格子22
aは可動火格子と同じ構造にして水冷しないので、説明
を省略する。
【0033】本発明の特徴の一つである蒸気吹出し透過
孔21は図2,図3に示すように、水冷ジャケットの面
に設置されている。蒸気吹出し透過孔21は水冷固定火
格子上で都市ごみ9の燃焼によって局部過熱が生じた際
に、水冷ジャケットの冷却水が蒸気になって固定火格子
表面にすぐに吹出させる。従って、固定火格子23aの
表面は水蒸気による気化熱による冷却と、分解によって
発生している熱分解ガスの燃焼抑制又は該ガスの消炎に
よる火格子表面周りの燃焼ガスの温度低下による冷却を
受ける。
【0034】蒸気吹出し透過孔21を設けた水冷固定火
格子23aは、固定されているので、冷却水給排水系統
の設備を取付けることが容易である。
【0035】また、可動火格子は水冷固定火格子上に一
部重なるようにしているので、固定火格子との熱伝達に
よる冷却と、可動火格子の可動の際に、蒸気吹出し透過
孔21からの蒸気の吹出しにより水冷固定火格子と同様
の冷却ができる。
【0036】しかし、水冷固定火格子に限定されるもの
ではなく、必要に応じて可動火格子を蒸気吹出し透過孔
21を設けた水冷火格子にすることもできる。
【0037】また、必要に応じて、乾燥ストーカ12
に、水冷火格子を用い、水冷ジャケットの面に蒸気吹出
し透過孔21を設置することもできる。
【0038】水冷固定火格子の蒸気吹出し透過孔21
は、水冷ジャケット25の両側面の上部側に複数個設け
たが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、
天井面(炉内側)、前後面、底面に設置することもでき
る。しかし、底面の場合は炉内に吹込まれる空気が吹出
した蒸気と混合して、露点以下にならないようにする
か、又は火格子の表面温度が露点以上になるようにする
ことが必要である。
【0039】図2では、燃焼ストーカ13について、一
つの水冷固定火格子23aと二つの可動火格子23bの
場合について述べたがそれに限定されるものではない。
ごみ焼却炉10では一般に複数の固定火格子と可動火格
子が乾燥スチーカ12から後燃焼ストーカ14までの上
流側から下流側に沿って、交互に一貫して配列されてい
るものである。
【0040】本発明では水冷火格子に水冷ジャケット2
5を設け、その面に蒸気吹出し透過孔21を設けて、水
冷火格子上での廃棄物の焼却により、局部過熱が生じて
水冷ジャケット内の冷却水に蒸気が発生するとすぐに蒸
気吹出し透過孔21から水冷火格子上に吹出し、水冷火
格子自体を冷却すると共に、火格子近傍での燃焼を抑制
又は消炎して、水冷火格子の焼損を防止するものであ
り、種々の構造の固定火格子と可動火格子からなる火格
子に適用できる。
【0041】次に、蒸気吹出し透過孔を設けた理由につ
いて述べる。
【0042】前述したように、都市ごみは多種多様で、
発熱量の多いもの、小さいものが含まれており、それら
をストーカ型ごみ焼却炉で焼却した際に、発熱量の変動
が激しく燃焼の安定化が図れない。
【0043】そのために、プラスチック類のような発熱
量が高く、水分の少ないごみ等が多く混入されている場
合には、火格子の直上で高温燃焼により、火格子の表面
温度が急上昇して、火格子が局部過熱され、損傷する場
合がある。
【0044】一方、ストーカ型ごみ焼却炉10によるご
み焼却では、燃焼室出口温度が燃焼ガスのダイオキシン
発生防止等から850℃以上、NOX抑制、および飛灰
のボイラチューブへの付着防止等から950℃以下とさ
れている。従って、燃焼室出口温度を850℃以上95
0℃以下に維持することが必要である。
【0045】上記のような火格子に課せられる過酷な条
件を緩和する手段の一つとして、水冷火格子を用いると
ともに、火格子が局部過熱された場合に、すぐに冷却を
行う手段として、蒸気吹出し透過孔を設け局部過熱を防
止するものである。
【0046】蒸気吹出し透過孔21によれば、火格子上
での都市ごみの燃焼による局部過熱が生じた際に、水冷
ジャケット内の冷却水が蒸気になって蒸気吹出し透過孔
から吹出し、火格子自体の冷却とその表面周りでの分解
ガスの燃焼を抑制又は消炎して火格子を冷却する。
【0047】蒸気吹出し透過孔21は図3に示すよう
に、水冷ジャケット25内の両側面25aの上壁に複数
個の貫通孔26を設けて、貫通孔26に焼結金属による
円筒状の栓をして、ねじ、溶接等によって固定してい
る。焼結金属材料としては例えばSUS、Ni基金属、
しんちゅう等を用い、その焼結粒子を円筒状にしたもの
である。従って、火格子に同じ系統または類似の金属材
料を用いた場合溶接等で一体化することが容易である。
また、ねじ止めにすれば、焼結金属の通気性が低下した
場合等に交換できる。
【0048】蒸気吹出し透過孔21は実際上単位当たり
面に複数個設けられる。面の形状は丸型、三角型、四角
型等が適用できる。また、蒸気吹出し透過孔21は水冷
ジャケット25の所定の部位にレーザ光によって直接細
孔を設けることができる。なお、前述の蒸気吹出し透過
孔21は水冷ジャケット25内のできる限り上部に配設
することが望ましい。
【0049】次に、図1〜図3に示すごみ焼却炉により
都市ごみを焼却した場合の操業について詳述する。
【0050】ホッパ11に供給された都市ごみ9はシュ
ートを通り乾燥ストーカ12の固定火格子22aと可動
火格子22bから構成された火格子22上に送られ、そ
こで乾燥される。都市ごみ9は水分を含んでいるので、
乾燥ストーカ12の火格子22上で中間天井17、及び
火炎からの輻射熱によりごみ層表面から乾燥し、一部表
面燃焼が起こる。
【0051】乾燥ストーカ12で乾燥された都市ごみ9
は可動火格子の往復動により、固定火格子23aと可動
火格子23bから構成された燃焼ストーカ13の火格子
23上に送られ、そこで燃焼される。燃焼ストーカ13
の前部と前記乾燥ストーカ12の後部では還元ガスの放
出と部分燃焼が始まる。燃焼ストーカ13の中央部では
火炎を上げて盛んに燃え、後部ではおき燃焼となる。燃
焼ストーカ13では火格子を構成する固定火格子23a
に蒸気吹出し透過孔21を設けた水冷火格子を用いてい
るので、固定火格子23a上での都市ごみ9による局部
過熱が生じても、固定火格子23aによる水冷ジャケッ
ト25内の冷却水から発生した蒸気がすぐに蒸気吹出し
透過孔21から固定火格子23a上に吹出し、固定火格
子23a自体を冷却すると共に、固定火格子23aの表
面周りでの分解ガスの燃焼の抑制又は消炎を行い、燃焼
ガスの温度を低下させ、固定火格子23aの表面全体を
冷却する。燃焼ストーカ13の火格子23で燃焼された
都市ごみ9は可動火格子23bの往復動によって固定火
格子24aと可動火格子24bから構成された後燃焼ス
トーカ14に移動し、そこで充分に燃焼させる。後燃焼
ストーカ14ではおき燃焼で灰を生じる。
【0052】後燃焼ストーカ14では、火格子24を構
成する固定火格子24aに蒸気吹出し透過孔21を設け
た水冷火格子を用いているので、固定火格子24上で都
市ごみ9の焼却により局部過熱を生じた際には、燃焼ス
トーカ13の場合と同様に固定火格子24aの冷却が行
われる。
【0053】後燃焼ストーカ14によるおき燃焼で生じ
た灰は、可動火格子24bの往復動によって、後燃焼ス
トーカ14の後端から灰シュート28に落下し、落下灰
コンベヤにより灰ピットに送られる。
【0054】都市ごみ9を燃焼するための燃焼用空気は
押込み送風機、空気予熱器を経て矢印に示すように各ス
トーカに送られる。
【0055】都市ごみ9は各ストーカで焼却されて、発
生した燃焼ガスは主燃焼室15及び二次燃焼室16で完
全に燃焼されて、燃焼室出口温度で850℃〜950℃
以下に維持される。850℃〜950℃の高温の燃焼ガ
スは、ごみ焼却炉10の上部に接続された廃熱ボイラ2
0で給水と熱交換して蒸気を発生させる。
【0056】図4は本発明に用いる固定火格子の冷却制
御の一例を示す側面である。
【0057】図1〜図3と共通する箇所には同じ符号を
付け、その説明の一部を省略した。固定火格子23cの
本体に温度センサー29を配置し、水冷ジャケット25
の冷却水供給口30入側にレギュレター31と流量計3
2を配置し、冷却水排出口33出側に水と水蒸気を区別
する蒸気検出センサー34と開度調節弁35と排水温度
計36を各々配設している。温度センサー29から固定
火格子23cの本体の温度検出による信号が冷却制御装
置37に入力され、蒸気検出センサー29から蒸気検出
による信号と排水温度計36による排水温度の信号が冷
却制御装置37に入力される。冷却制御装置37では、
上記計測装置から入力された信号と、基準値とを比較演
算して、所定範囲を超えた場合には、レギュレター31
に指令して冷却水の供給を調整する。または開度調節弁
35に指令して開度を調整する。
【0058】固定火格子23cによれば、都市こみ9の
燃焼によって固定火格子23cに局部過熱箇所が生じた
際には、水冷ジャケット25内を流れる冷却水が蒸気を
発生して、局部過熱箇所又はそれに近接した箇所に設け
た蒸気吹出し透過孔21aから蒸気を炉内に吹出す。炉
内に吹出した蒸気による固定火格子23cの冷却は、冷
却制御装置37によって、適正に制御される。
【0059】従って、火格子の表面は適正に冷却制御が
行われるので、火格子の寿命が延長される。
【0060】一方固定火格子23c上に吹出した蒸気は
固定火格子23c近傍での燃焼を抑制又は消炎して局部
過熱した箇所の周りのガス雰囲気温度を低下させるの
で、全体として火格子の表面温度が冷却されて調整さ
れ、主燃焼室、二次燃焼室での燃焼ガスの燃焼温度の制
御が容易であり、安定した燃焼温度を確保することがで
きる。
【0061】一方固定火格子23cの表面温度が調整さ
れるので、発生した燃焼ガスの燃焼温度の制御が容易で
あり、安定した燃焼温度を確保することができる。
【0062】次ぎに、本発明による冷却制御のパターン
について、図5によって詳述する。図5は本発明による
固定火格子の冷却制御におけるパターンの一例を示す図
である。第1段階として、固定火格子23cの本体に設
置した温度センサー29の熱電対の温度が約250℃を
超えた場合又は排水温度計36による排水温度が約80
℃を超えて場合に、レギュレター31の圧力レベルを高
めて冷却水量を高くする。これによって固定火格子23
cの過熱が回避される。
【0063】約250℃を超えると経験的に火格子が損
傷し易くなる。また、排水温度が約80を超えると突沸
が起こり易くなる。
【0064】第2段階として、第1段階の制御により調
整が取れず、第1段階の現象が再度生じ、蒸気検出セン
サー34が未だ蒸気を検出していない場合に、固定火格
子23c下の空気流量を減少させて、固定火格子23c
上での燃焼を抑制する。ここでは水冷固定火格子23c
上での燃焼の抑制によって、固定火格子23cの過熱が
回避される。
【0065】第3段階として、第2段階の制御により調
整が取れず、第1段階の現象が再度生じ、蒸気検出セン
サーが蒸気を検出した場合に、水冷ジャケット25の開
度調節弁35の開度を全閉とし、レギュレター34の設
定圧を高めることにより、水冷ジャケット25内の水蒸
気を蒸気吹出し透過孔21aより炉内に吹出させる。
【0066】ここでは、固定火格子23c上の高温燃焼
領域での燃焼を抑制又は消炎させ、火格子の過熱の原因
を排除する。これによって固定火格子23cの過熱を回
避する。
【0067】第3段階によって、調整ができなかった場
合には、第4段階の処置を行う。第4段階として、蒸気
検出センサー34にて、蒸気が水に切替わったことを確
認後、レギュレター31の圧力を第2段階のレベルに戻
し、都市ごみ供給量を絞込むか供給を停止する。
【0068】上記実施の形態では都市ごみ9について述
べたが、これに限定されるものではなく、産業廃棄物に
も適用できる。
【0069】以下に本発明の効果を列挙する。本発明に
よれば、火格子表面温度を短期間で低下させることがで
きる。従って、火格子の急激な温度上昇や過熱を防止
し、火格子の長寿命化を図ることができ、保全コストが
低減できる。
【0070】また、ごみの炭素分と水蒸気が水性ガス化
反応を起こし、それに同伴して気相反応としてシフト反
応が促進され、水素ガスが再合成される。
【0071】また、火格子の局部過熱をすぐに防止する
ことができるので、火格子上で廃棄部を焼却して発生す
る燃焼ガスを安定した状態にすることができ、燃焼ガス
温度を所定の温度に管理することが容易である。
【0072】また、火格子の冷却制御によるシステム化
により、火格子が焼損することなく、酸素富化、低空気
比燃焼、高温空気燃焼等の省エネルギー燃焼技術が適用
可能である。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、火格子
に内蔵させた冷却水通路を設け、その通路面に蒸気吹出
し透過孔を設けた簡単な構造によって、火格子の局部過
熱に伴って吹出す蒸気によりその箇所を冷却し、その近
傍の高温燃焼領域での分解ガスの燃焼を抑制または消炎
させることができるので、廃棄物を焼却した際に、局部
過熱が火格子上のどの箇所で生じてもすぐに対応してそ
の箇所をすぐに冷却し、全体として火格子の寿命を延長
させるとともに、火格子上での廃棄物焼却によって発生
する燃焼ガスの温度の安定化を図ることのできる。
【0074】また、火格子の冷却制御によるシステム化
により、火格子を焼損することなく、酸素富化、低空気
比燃焼、高温空気燃焼等の省エネルギー燃焼技術が適用
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態を示す概略側断面図で
ある。
【図2】本発明に用いるよる水冷火格子の状態の一例を
示す図である。
【図3】本発明に用いる水冷火格子の一部切欠きを有す
る平面図である。
【図4】本発明に用いる固定火格子の冷却制御の一例を
示す図である。
【図5】図4による冷却制御パターンの一例を示す図で
ある。
【図6】従来の水冷ストーカの一例を示す図である。
【符号の説明】
9 都市ごみ 10 ストーカ型ごみ焼却炉 11 ホッパ 12 乾燥ストーカ 13 燃焼ストーカ 14 後燃焼ストーカ 15 主燃焼室 16 二次燃焼室 17 中間天井 18 主煙道 19 副煙道 20 廃熱ボイラ 21、21a 蒸気吹出し透過孔 22 火格子(乾燥ストーカ) 22a 固定火格子(乾燥ストーカ) 22b、23b、24b 可動火格子 23 火格子(燃焼ストーカ) 23a、23c 、24a 固定火格子(水冷) 24 火格子(後燃焼ストーカ) 25 水冷ジャケット 25a 側面 26 貫通孔 27 栓 28 灰シュート 29 温度センサー 30 冷却水供給口 31 レギュレター 32 流量計 33 冷却水排水口 34 蒸気検出センサー 35 開度調節弁 36 排水温度計 37 冷却制御装置 38 増圧装置 39 逆止弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立福 輝生 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 永関 三千男 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 横山 隆 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K061 HA03 HA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水冷火格子を備えた廃棄物焼却炉であっ
    て、前記火格子に内蔵させた冷却水通路を設け、その通
    路面に蒸気吹出し透過孔を設けたことを特徴とする廃棄
    物焼却炉。
  2. 【請求項2】 蒸気吹出し透過孔が焼結金属で形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の廃棄物焼却炉。
  3. 【請求項3】 冷却水通路の冷却水供給口入側に流量計
    を配設したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    の廃棄物焼却炉。
  4. 【請求項4】 冷却水通路の冷却水排出口出側に、蒸気
    検出センサーを配設したことを特徴とする請求項1、請
    求項2又は請求項3記載の廃棄物焼却炉。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の廃棄物焼却炉であって、
    火格子に温度センサー、冷却水通路の冷却水供給口入側
    にレギュレターと流量計と、冷却水排出口出側に蒸気検
    出センサーと開度調節弁と温度計を各々配設し、それら
    を用いて火格子を冷却制御する冷却制御装置を設置した
    ことを特徴とする廃棄物焼却炉。
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