JP2003240210A - 流動層ボイラの運転方法 - Google Patents

流動層ボイラの運転方法

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JP2003240210A
JP2003240210A JP2002043609A JP2002043609A JP2003240210A JP 2003240210 A JP2003240210 A JP 2003240210A JP 2002043609 A JP2002043609 A JP 2002043609A JP 2002043609 A JP2002043609 A JP 2002043609A JP 2003240210 A JP2003240210 A JP 2003240210A
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boiler
bed boiler
ash
bed
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JP2002043609A
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Takashi Tajiri
隆 田尻
Toshiharu Katabuchi
敏治 片渕
Yoshitaka Fujii
義孝 藤井
Hajime Watanabe
肇 渡邊
Junichi Koike
淳一 小池
Terutoshi Uchida
輝俊 内田
Junichi Shigeta
潤一 茂田
Shinya Mori
慎也 毛利
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Kyushu Electric Power Co Inc
IHI Corp
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Kyushu Electric Power Co Inc
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 灰の溶融温度を上げてバインダーとなる溶融
物の生成を抑え、焼結物の生成を抑制し得、且つ生成さ
れた焼結物の結合強度を低下させ、焼結物の大径空洞化
或いは異形化を阻止し得、ベッド材と伝熱管との接触並
びに流動層の流動を良好に行うことができ、運転の安定
化を図り得る流動層ボイラの運転方法を提供する。 【解決手段】 流動層9内にマグネシウム化合物又はア
ルミニウム化合物を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動層ボイラの運
転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は流動層ボイラのうち加圧流動層ボ
イラの一例を表わすものであって、該加圧流動層ボイラ
は、内部が加圧雰囲気になっている圧力容器1の中に流
動層ボイラ本体2が設けられており、流動層ボイラ本体
2内の下部には複数本の散気管3が配設されており、該
散気管3は、圧力容器1内の加圧空気4を、途中に後述
する灰クーラ5が設けられた燃焼用空気供給ライン6か
ら風箱7へ取り入れて上方に噴出するようになってい
る。
【0003】前記散気管3の上部には、スラリータンク
8aに貯留された石炭スラリー等の燃料を燃料ポンプ8
bの作動により供給する燃料供給管8が配設されている
と共に、流動層9を形成するための石灰石等の脱硫材と
石炭灰等を混合したベッド材10がベッド材貯蔵容器
(図示せず)から供給されるようになっており、コンプ
レッサ11から圧力容器1内に供給された加圧空気4が
前記燃焼用空気供給ライン6から風箱7を介して散気管
3に供給され上方に噴出されることにより流動層9が形
成され、前記燃料供給管8から供給された燃料が流動層
9の中で撹拌されて効率よく燃焼されるようになってい
る。
【0004】前記流動層ボイラ本体2内における流動層
9の形成部には、伝熱管によって形成された蒸発器12
及び過熱器13と再熱器14とが配設されており、過熱
器13の蒸気流通方向上流側端部は蒸発器12を介して
管路15によりボイラ給水系統16に、下流側端部は管
路17により蒸気タービン18の高圧タービン19の蒸
気入口に接続され、又、再熱器14の蒸気流通方向上流
側端部は管路20により蒸気タービン18の高圧タービ
ン19の蒸気出口に、下流側端部は管路21により蒸気
タービン18の中低圧タービン22を構成する中圧ター
ビン22aの蒸気入口に接続されており、更に、前記中
圧タービン22aから蒸気が導入される低圧タービン2
2bの蒸気出口は管路23により復水器24に接続され
ている。
【0005】前記ボイラ給水系統16は、中低圧タービ
ン22から排出された蒸気を冷却凝縮する復水器24
と、該復水器24の出側に設けられた復水ポンプ25
と、該復水ポンプ25で昇圧されたボイラ給水を加熱す
る低圧給水加熱器26と、該低圧給水加熱器26からの
ボイラ給水を脱気するための脱気器27と、該脱気器2
7の出側に設けられた給水ポンプ28と、該給水ポンプ
28で昇圧されたボイラ給水を加熱する高圧給水加熱器
29とを備えてなる構成を有している。
【0006】前記流動層ボイラ本体2の上部には、蒸発
器12、過熱器13、並びに再熱器14内の水や蒸気を
加熱した後の高温で且つ高圧の排ガス30が分岐ダクト
31を介して導かれる複数(例えば六基)のサイクロン
32が配設されて、前記排ガス30中の灰を分離するよ
うになっており、サイクロン32には、排ガス管33を
介して圧力容器1外部に設けられたセラミックチューブ
フィルタ等のフィルタ装置34が接続され、該フィルタ
装置34には、前述したコンプレッサ11を駆動し且つ
余剰動力でガスタービン発電機37を駆動するガスター
ビン36が排ガス管35を介して接続されている。
【0007】前記ガスタービン36のガス出口は煙道3
8により煙突39に接続され、該煙道38途中には、高
圧給水加熱器29より下流側における管路15を流れる
ボイラ給水によってガスタービン36からの排ガス30
の熱を回収する第1段高圧ガスクーラ40と、高圧給水
加熱器29のバイパスライン41を流れるボイラ給水に
よってガスタービン36からの排ガス30の熱を回収す
る第2段高圧ガスクーラ42と、低圧給水加熱器26の
バイパスライン43を流れるボイラ給水によってガスタ
ービン36からの排ガスの熱を回収する低圧ガスクーラ
44とが設けられている。
【0008】一方、前記圧力容器1内には、サイクロン
32で分離された分離灰45の熱を加圧空気4によって
回収する灰クーラ5が設けられている。
【0009】前述の如き加圧流動層ボイラにおいては、
コンプレッサ11により圧縮した加圧空気4を圧力容器
1内へ供給し、該圧力容器1内の加圧空気4を燃焼用空
気供給ライン6から取り入れて灰クーラ5で分離灰45
により加熱した後、風箱7を介して散気管3から上方に
噴出させると、流動層ボイラ本体2内で流動層9が形成
され、スラリータンク8aから燃料ポンプ8bの作動に
より燃料供給管8を介して供給された石炭スラリー等の
燃料が流動層9の中で撹拌されて効率よく燃焼される。
【0010】前記流動層9の中で燃料が燃焼すると、そ
の熱エネルギーは、流動状態のベッド材10に伝達さ
れ、更に、該ベッド材10が蒸発器12、過熱器13、
再熱器14に接触することによって、前記熱エネルギー
が蒸発器12、過熱器13、再熱器14に伝達される。
【0011】ボイラ給水系統16から蒸発器12へ供給
されるボイラ給水は前記熱エネルギーによって蒸気化
し、その蒸気は過熱器13により過熱蒸気となり、該過
熱蒸気は蒸気タービン18の高圧タービン19に流入し
て該高圧タービン19が駆動される。
【0012】高圧タービン19を駆動した後の蒸気は、
再熱器14へ流入し、該再熱器14によって再熱された
蒸気は中低圧タービン22に流入して、該中低圧タービ
ン22を駆動し、更に中低圧タービン22を駆動した後
の蒸気は、ボイラ給水系統16の復水器24によってボ
イラ給水に戻され、復水ポンプ25を経て低圧給水加熱
器26において加熱されると共に、バイパスライン43
へ分岐されたボイラ給水の一部により低圧ガスクーラ4
4においてガスタービン36からの排ガス30の熱が回
収された後、脱気器27でボイラ給水の脱気が行われ、
該脱気器27で脱気されたボイラ給水は、給水ポンプ2
8により昇圧された後、高圧給水加熱器29において加
熱されると共に、バイパスライン41へ分岐されたボイ
ラ給水の一部により第2段高圧ガスクーラ42において
ガスタービン36からの排ガス30の熱が回収され、更
に第1段高圧ガスクーラ40においてガスタービン36
からの排ガス30の熱が回収され、再び蒸発器12へ供
給される。
【0013】このようにして、蒸気タービン18は蒸気
により駆動され、蒸気タービン18に接続された蒸気タ
ービン発電機46によって発電が行われる。
【0014】一方、前記流動層ボイラ本体2内において
燃焼した燃料の排ガス30は、蒸発器12、過熱器1
3、並びに再熱器14内の水や蒸気を加熱した後、分岐
ダクト31を介してサイクロン32へ導入され、排ガス
30中の灰が分離され、サイクロン32で大部分の灰が
分離された排ガス30は、排ガス管33を介して圧力容
器1外部に設けられたセラミックチューブフィルタ等の
フィルタ装置34へ導入され、該フィルタ装置34にお
いて更に灰が捕集除去された後、排ガス管35を介して
ガスタービン36に供給され、これによりガスタービン
36が駆動され、該ガスタービン36により前記コンプ
レッサ11が駆動されると共に、余剰動力でガスタービ
ン発電機37が駆動され、発電が行われる。
【0015】前記ガスタービン36を駆動した後の排ガ
ス30は、煙道38を流れ、第1段高圧ガスクーラ40
において高圧給水加熱器29の下流側のボイラ給水によ
って熱が回収され、第2段高圧ガスクーラ42において
高圧給水加熱器29のバイパスライン41を流れるボイ
ラ給水によって熱が回収され、更に低圧ガスクーラ44
において低圧給水加熱器26のバイパスライン43を流
れるボイラ給水によって熱が回収され、煙突39から大
気へ放出される。
【0016】前記サイクロン32で分離された分離灰4
5は、前記灰クーラ5において燃焼用空気供給ライン6
から風箱7を介して散気管3へ供給される加圧空気4に
より熱が回収されて冷却された後、圧力容器1の外部の
灰処理装置(図示せず)に輸送される。
【0017】又、前記流動層9における燃料の燃焼によ
って生じた灰は、前記流動層ボイラ本体2から必要に応
じて適宜抜き出され、セメント材料等に使用されるよう
になっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前述の如き加圧流動層
ボイラにおける収熱量の制御は、ベッド材10によって
形成される流動層9の高さ(層高)を変え、ベッド材1
0と伝熱管との接触面積を変えることで行うようになっ
ており、運転が安定している状態、つまり収熱が安定し
ている状態では、層高が一定状態を保ち、又、流動状態
が安定していれば、層内のどの部分を取っても、層温は
略同一な温度となる。
【0019】ところで、脱硫材と石炭灰の成分によって
は、流動層9内で低融点共晶物が生成され、溶融物をバ
インダーとして複数のベッド材10を結合した焼結物
(大径焼結体)が形成され、この焼結物は、正常なベッ
ド材10とは明らかに形状が異なり、例えば、黄身の抜
けたゆで卵状に内部が空洞となって大径化した形状とな
ったり、或いはこんぺいとうのように凸凹した形状とな
ってしまうことがあるが、ベッド材10と流動層9内の
伝熱管との熱伝達は、ベッド材10の粒径或いはベッド
材10の形状に大きく依存するため、前述の如く粒径が
大きくなったり或いは表面形状が複雑になると、伝熱管
との接触が悪くなり、熱伝達率が低下し、所定の蒸気を
発生させることができなくなるという不具合が生じてい
た。
【0020】又、大径焼結体は、正常なベッド材10に
比べ、それを流動化させるために必要となる空気の最小
流速が大きくなるため、流動層9の流動を阻害し、流動
層9の温度の不均一や燃焼の不均一をも引き起こすこと
となり、その結果として脱硫率の低下をももたらすこと
となっていた。
【0021】尚、ベッド材10が大径空洞化或いは異形
化すると空隙率が増加するため、流動層9の層比重が低
下するが、該層比重は、加圧流動層ボイラの場合、常時
監視項目であり、層比重の低下をチェックすることで、
焼結物の生成の判断を行うことは可能である。
【0022】本発明は、斯かる実情に鑑み、灰の溶融温
度を上げてバインダーとなる溶融物の生成を抑え、焼結
物の生成を抑制し得、且つ生成された焼結物の結合強度
を低下させ、焼結物の大径空洞化或いは異形化を阻止し
得、ベッド材と伝熱管との接触並びに流動層の流動を良
好に行うことができ、運転の安定化を図り得る流動層ボ
イラの運転方法を提供しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、流動層内にマ
グネシウム化合物を添加することを特徴とする流動層ボ
イラの運転方法にかかるものである。
【0024】前記流動層ボイラの運転方法においては、
マグネシウム化合物を水酸化マグネシウム、酸化マグネ
シウム、或いは炭酸マグネシウムとすることができる。
【0025】又、本発明は、流動層内にアルミニウム化
合物を添加することを特徴とする流動層ボイラの運転方
法にかかるものである。
【0026】前記流動層ボイラの運転方法においては、
アルミニウム化合物を水酸化アルミニウム、或いは酸化
アルミニウムとすることができる。
【0027】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。
【0028】流動層内にマグネシウム化合物又はアルミ
ニウム化合物を添加すると、脱硫材と石炭灰の成分によ
らず、灰の溶融温度が上昇し、流動層内で低融点共晶物
が生成されにくくなって、溶融物をバインダーとして複
数のベッド材を結合した焼結物が形成されにくくなり、
ベッド材の粒径が大きくなったり或いは表面形状が複雑
にならず、伝熱管との接触がよくなり、熱伝達率が低下
せず、所定の蒸気を発生させることが可能となる。
【0029】又、大径焼結体が形成されにくくなること
に伴って、流動層の流動が阻害されず、流動層の温度の
不均一や燃焼の不均一も発生しにくくなり、脱硫率の向
上にもつながることとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。
【0031】図1は本発明を実施する形態の一例であっ
て、図中、図5と同一の符号を付した部分は同一物を表
わしており、基本的な構成は図5に示す従来のものと同
様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1に示
す如く、流動層9内にマグネシウム化合物又はアルミニ
ウム化合物を添加するよう構成した点にある。
【0032】本図示例の場合、マグネシウム化合物又は
アルミニウム化合物は、石炭スラリー等の燃料が貯留さ
れたスラリータンク8aに供給し、該スラリータンク8
aから燃料ポンプ8bの作動により燃料と一緒に燃料供
給管8を介して流動層9内へ添加するようにしてある。
【0033】前記マグネシウム化合物としては、例え
ば、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、酸化マグ
ネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3
等が挙げられ、又、前記アルミニウム化合物としては、
例えば、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、酸化
アルミニウム(Al23)等が挙げられる。
【0034】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0035】流動層9内にマグネシウム化合物又はアル
ミニウム化合物を添加すると、脱硫材と石炭灰の成分に
よらず、灰の溶融温度が上昇し、流動層9内で低融点共
晶物が生成されにくくなって、溶融物をバインダーとし
て複数のベッド材10を結合した焼結物(大径焼結体)
が形成されにくくなり、ベッド材10の粒径が大きくな
ったり或いは表面形状が複雑にならず、伝熱管との接触
がよくなり、熱伝達率が低下せず、所定の蒸気を発生さ
せることが可能となる。
【0036】又、大径焼結体が形成されにくくなること
に伴って、流動層9の流動が阻害されず、流動層9の温
度の不均一や燃焼の不均一も発生しにくくなり、脱硫率
の向上にもつながることとなる。
【0037】ここで、図2は水酸化マグネシウム(Mg
(OH)2)の添加が灰の溶融温度(溶流温度)に及ぼ
す影響を表わす実験結果図であって、
【数1】石炭:石灰石:Mg(OH)2=50:1.8
75:(0.488×α) の重量比となる試料を、α=0(添加しない)、α=1
/2、α=1、α=2と変化させ、電気炉にてJIS法
に準じて灰化させ、溶融温度(溶流温度)を測定したも
のであり、この図から、水酸化マグネシウムを添加する
と、水酸化マグネシウムを添加しない場合に比べて、灰
の溶融温度(溶流温度)が上がっていることがわかり、
これにより、バインダーとなる溶融物が生成されにくく
なって、焼結物が生成されにくくなることがわかる。
尚、前述の「石炭:石灰石=50:1.875」は、石
炭とCa/Sモル比9に相当する石灰石との混合比であ
り、又、水酸化マグネシウムの添加比率は、α=0の状
態の石灰石をドロマイト(CaCO3・MgCO3)に置
き換えた場合のMg量と水酸化マグネシウム中のMg量
とが同一になるようにした場合の水酸化マグネシウムの
重量から算出した比である。
【0038】又、図3は石炭灰と石灰石に対しマグネシ
ウム化合物或いはアルミニウム化合物を添加した場合の
添加割合とラトラ強度との関係を表わす実験データ線図
であって、
【数2】 石炭灰 :(石灰石+添加剤)= 30 : 70 の重量比(例えば、添加剤の添加割合を15[%]とす
ると、
【数3】 石炭灰 : 石灰石 : 添加剤 = 30 : 55 : 15 となる)で混合した試料を電気炉に入れ、1200
[℃]の温度で一時間加熱した後、デシケータ内で放冷
し、常温まで戻った状態でラトラ強度を測定した実験結
果である。尚、ラトラ強度とは、電気炉で加熱処理した
試料をラトラ試験器の回転籠に入れ、所定回転数で回転
させると、該回転籠の回転により試料が崩れて落下し重
量が減少するが、このとき、
【数4】ラトラ強度=ラトラ試験後の試料の重量/ラト
ラ試験前の試料の重量 と定義されるものである。即ち、ラトラ強度が低いほ
ど、灰中の焼結物の強度が弱く、壊れやすくなり、焼結
物が大径空洞化或いは異形化しにくくなることを意味し
ているが、図3の実験データ線図から明らかなように、
石炭灰と石灰石に対しマグネシウム化合物或いはアルミ
ニウム化合物を添加した場合、その添加割合が大きいほ
ど、ラトラ強度が低下することがわかる。
【0039】更に又、図4は水酸化マグネシウム添加の
有無による層比重低下率の違いを比較した実機データ図
であり、この図から、添加剤なし,の比較により、
モル比及び運転圧力が高いほど、層比重低下率が高くな
ることがわかるが、添加剤なしと水酸化マグネシウム
添加との比較では、モル比、運転圧力とも後者の方が高
いにもかかわらず、層比重低下率が低下していることが
わかり、これは、流動層9(図1参照)に水酸化マグネ
シウムを添加すると、層比重の低下が抑えられ、焼結物
が生成されにくくなったことを示しており、実験データ
を裏付けるものとなっている。
【0040】こうして、灰の溶融温度を上げてバインダ
ーとなる溶融物の生成を抑え、焼結物の生成を抑制し
得、且つ生成された焼結物の結合強度を低下させ、焼結
物の大径空洞化或いは異形化を阻止し得、ベッド材10
と伝熱管との接触並びに流動層9の流動を良好に行うこ
とができ、運転の安定化を図り得る。
【0041】尚、本発明の流動層ボイラの運転方法は、
上述の図示例にのみ限定されるものではなく、加圧流動
層ボイラに限らず、流動層ボイラ本体が圧力容器で覆わ
れていない形式の流動層ボイラにも適用可能なこと等、
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々
変更を加え得ることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の流動層ボ
イラの運転方法によれば、灰の溶融温度を上げてバイン
ダーとなる溶融物の生成を抑え、焼結物の生成を抑制し
得、且つ生成された焼結物の結合強度を低下させ、焼結
物の大径空洞化或いは異形化を阻止し得、ベッド材と伝
熱管との接触並びに流動層の流動を良好に行うことがで
き、運転の安定化を図り得るという優れた効果を奏し得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の全体概要構成図
である。
【図2】水酸化マグネシウムの添加が灰の溶融温度(溶
流温度)に及ぼす影響を表わす実験結果図である。
【図3】石炭灰と石灰石に対しマグネシウム化合物或い
はアルミニウム化合物を添加した場合の添加割合とラト
ラ強度との関係を表わす実験データ線図である。
【図4】水酸化マグネシウム添加の有無による層比重低
下率の違いを比較した実機データ図である。
【図5】従来例の全体概要構成図である。
【符号の説明】
2 流動層ボイラ本体 8 燃料供給管 8a スラリータンク 8b 燃料ポンプ 9 流動層 10 ベッド材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片渕 敏治 福岡県京都郡苅田町長浜町1番地1 九州 電力株式会社苅田発電所内 (72)発明者 藤井 義孝 福岡県京都郡苅田町長浜町1番地1 九州 電力株式会社苅田発電所内 (72)発明者 渡邊 肇 福岡県京都郡苅田町長浜町1番地1 九州 電力株式会社苅田発電所内 (72)発明者 小池 淳一 東京都江東区豊洲三丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 内田 輝俊 東京都江東区豊洲三丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 茂田 潤一 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社機械・プラント開 発センター内 (72)発明者 毛利 慎也 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社機械・プラント開 発センター内 Fターム(参考) 3K064 AA06 AA08 AB01 AC06 AD05 AF02 BA05 BA13 BA17 BA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層内にマグネシウム化合物を添加す
    ることを特徴とする流動層ボイラの運転方法。
  2. 【請求項2】 マグネシウム化合物を水酸化マグネシウ
    ムとした請求項1記載の流動層ボイラの運転方法。
  3. 【請求項3】 マグネシウム化合物を酸化マグネシウム
    とした請求項1記載の流動層ボイラの運転方法。
  4. 【請求項4】 マグネシウム化合物を炭酸マグネシウム
    とした請求項1記載の流動層ボイラの運転方法。
  5. 【請求項5】 流動層内にアルミニウム化合物を添加す
    ることを特徴とする流動層ボイラの運転方法。
  6. 【請求項6】 アルミニウム化合物を水酸化アルミニウ
    ムとした請求項5記載の流動層ボイラの運転方法。
  7. 【請求項7】 アルミニウム化合物を酸化アルミニウム
    とした請求項5記載の流動層ボイラの運転方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007125482A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Japan Organo Co Ltd キレート剤含有水のフッ素・リン処理方法および装置

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