JP2001521611A - 加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム - Google Patents

加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム

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Abstract

(57)【要約】 加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムは、内部循環流動床ボイラ(2)とガスタービン(56)を備えている。石炭やオイルコークス等の燃料は加圧下で流動層で燃焼され、燃料の燃焼によって生じた高温高圧の燃焼ガスはガスタービン(56)に導入され発電する。加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムは、さらに燃焼ガスからダストを除去する高温集塵器(54)と、高温集塵器(54)の入口での燃焼ガスの温度を所定値に保つ制御部(TB)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】 加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム 技術分野 本発明は、加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムに係り、特に加圧下に て石炭やオイルコークス等の燃料を流動床で燃焼させ、そこで得られた高温高圧 の燃焼ガスをガスタービンに導入し、発電するようにした加圧流動床ボイラ複合 サイクル発電システムに関するものである。 背景技術 加圧流動床ボイラは流動床ボイラ(AFBC)の特徴である低温燃焼によるN Ox低減機能と流動床への石灰石投入による炉内脱硫機能をそのまま受け継いで おり、微粉炭燃焼に比べて脱硝、脱硫設備に係るコストが低減できること、また それゆえ比較的低品位の石炭も高効率で利用できるということが大きな特徴であ る。 また、加圧流動床ボイラにおいては、負荷にほぼ比例して運転圧力が変化する ので、低負荷時、流動用空気の流量が低下しても、運転圧力が低下しているので 流動用空気の体積は膨張し、これゆえ流動用空気の上昇速度はほぼ一定に保たれ 、流動媒体の流動化状態は殆ど変化しない。従って、常圧の流動床ボイラでは最 低負荷は流動媒体の流動化状態の維持といった面から制約があったのに対し、加 圧流動床ボイラでは負荷制御範囲が大きくとれる。 上記2点が加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムが、脱石油依存 の推進、かつ昼夜で大きな変動がある現在の電力需要に対応できる中間負荷火力 として、大きく期待される理由である。 しかしながら、最近、高温集塵技術の不具合が原因で、加圧流動床ボイラ複合 サイクル発電システムの採用を見合わせるような事態も生じている。加圧流動床 ボイラ複合サイクル発電システムにおいては、高温集塵装置は600〜1000 ℃の温度で運転され、高温サイクロンや高温フィルターシステムが用いられる。 高温フィルターとして、その温度域からセラミックフィルターが用いられるが 、フィルター表面に灰が付着・成長し、それによる熱応力等の影響とセラミック 特有の脆性から、フィルターの破損や機能低下を招くといった不具合がこれまで に報告されている。 このような状況から、既に建設された商用機においてはセラミックフィルター をバイパスして、その上流側に一次集塵器として設けられたサイクロンのみで脱 塵しようとする例も見られるが、その場合はガスタービンの翼の摩耗が懸念され るし、ダストの捕集効率を上げようとすると小さなサイクロンを多段で設けざる をえず、その場合は後段のサイクロン内での付着トラブル、または、ガスタービ ン翼への超微粒子の長期にわたる付着によるトラブル等が懸念され、本質的な解 決策とはなり得ない。 これまで、灰の付着の主な原因としては、低融点のアルカリ金属塩(Na塩、 K塩)によるものではないかと言われてきたが、最近になって脱硫のために炉内 に投入する石灰石が原因であることが分かってきた。 層温が約850℃の流動層内に投入された石灰石(CaCO3)は炉内でいっ たんCaOとCO2に熱分解される。その後CaOは燃焼ガス中のSO2と反応し 石膏(CaSO4)を生成する。これが石灰石投入による 炉内脱硫メカニズムである。通常、バブリング型流動層ボイラでは、層内管の摩 耗軽減を目的として、流動媒体には砂の代わりに石灰石を用いているため、脱硫 に必要な量の数倍の石灰石が流動層を維持するために投入されている。 従って、投入された石灰石の殆どは未反応のままCaOの形態で系外に排出さ れることになる。ところが、このCaOが600〜830℃の温度域で燃焼ガス 中のCO2と再び結合し、CaCO3となる、いわゆる再炭酸化現象を引き起こす ことが分かった。図10に温度とCaOの再炭酸化反応速度の関係を示す。図1 0において、横軸が温度、縦軸がCaOの再炭酸化反応速度であり、図10から 明らかなように、600℃〜830℃の温度域で再炭酸化反応速度が高くなって いる。 この反応はCO2の吸収があるため、ガス側の体積が大きく減少する方向の反 応であるため、加圧下においては反応が促進される。加圧流動床燃焼ガスの場合 はCO2分圧が高いので、特に反応が加速されるのである。しかも流動層内で生 成したCaO粒子は、粒径が数ミクロンから数十ミクロンの微粒子が多く、再炭 酸化した場合、付着性が強く強固な塊を形成し易いといった問題がある。 バブリング型流動床ボイラの場合、多量の石灰石投入の結果として、炉から排 出されるダスト量が増大するため、1次集塵器としてサイクロンを設け、比較的 大きな粒径のものはそこで捕集するというプロセスを採用する例が多い。従って 、サイクロンの下流のフィルター部へ流入するCaO粒子はさらに粒径の小さな ものに偏り、再炭酸化した場合の問題が更に深刻なものになる。 しかもバブリング型の加圧流動床ボイラは負荷制御の際、流動層の層高 を変えるため、流動媒体を炉の外に抜き出して貯蔵容器に入れ層内管の伝熱面積 を変える必要があるので、低負荷の場合、層内管が流動層の層上に露出し、燃焼 ガスが層内管によって冷却される。そのため定格の50%の負荷で、ボイラ出口 の燃焼ガス温度は約650℃程度にまで低下し、CaO粒子の再炭酸化反応は避 けられないものとなる。 常圧流動床ボイラの場合でも再炭酸化は生じていると考えられるが、加圧条件 に比べるとCO2分圧が低く反応速度が小さいのと、一般に常圧流動床ボイラに おいては再炭酸化反応が起こる温度域での集塵を行うことがなく、微細粒径のC aOを滞留させるような部分がないので、問題が顕在化しないのである。 以上のことが、これまでの加圧流動床複合サイクル発電システムの高温集塵部 で生じる灰の付着トラブルの真の原因であり、CaO微粒子の再炭酸化による付 着トラブルを回避できる技術の完成こそが加圧流動床ボイラ複合発電システムの 最も大きな課題である。 加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムの中核装置である加圧流動床ボイ ラに内部循環流動床ボイラを用いたものとしては、本発明者らが提案した「加圧 内部循環流動床ボイラ」が知られている(特願平3−181513号(US.N o.5,315,913)および特願平6−58208号(US.No.5,513, 599))。 バブリング型の加圧流動床ボイラにおいては、負荷制御に伴なう燃焼ガス温度 の低下が避けられないため、CaO粒子の再炭酸化は避けられないが、加圧内部 循環流動床ボイラにおいても、特別の処置を施さなければ放熱等によってボイラ 出口の燃焼ガス温度、ひいては高温集塵器入口ガス温度が流動層の層温よりも低 下することがあり得るが、これまでボイラから 排出された燃焼ガスの温度を一定に制御するということはなされていなかった。 通常、流動床ボイラにおいては、低温燃焼による低NOxを図ること、および 脱硫のために投入した石灰石の脱炭酸化反応を促進しつつ、かつ既に炉内で亜硫 酸ガスと反応した石膏の再分解を防止し、脱硫効果を高めるという2つの目的か ら主燃焼室の層温度を850℃前後に制御して運転する。これは加圧内部循環流 動床ボイラにおいても同様である。 従って、前述のバブリングタイブの加圧流動床ボイラだけでなく、加圧内部循 環流動床ボイラにおいても、低負荷時にボイラ出口の燃焼ガス温度の温度低下幅 が大きくなると、後段の高温集塵部において燃焼ガス中CaOの再炭酸化による 付着トラブルが生じる恐れが十分に有り得るのである。 発明の開示 本発明は上述の事情に鑑みなされたもので、高温集塵部において燃焼ガス中の 生石灰(CaO)が再炭酸化して付着トラブルを起こすことを防止できる加圧流 動床ボイラ複合サイクル発電システムを提供することを目的とする。 また、本発明は、加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムのうち、同一炉 内に主燃焼室と熱回収室を分離して設けた、いわゆる加圧内部循環流動床ボイラ を用いた加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムについての新しい設備構成 、制御方法に関するものである。 生石灰(CaO)の再炭酸化による付着トラブルによる課題を解決する方法と しては、次の4つの態様を有することが必要である。 1.高温集塵部へ流入する燃焼ガスの温度を適正温度に維持すること。 2.主たる流動媒体として珪砂を使用し、過剰な石灰石投入を抑制すること。 3.高温集塵部へ流入するダストを微粉だけに偏らせないこと。換言すれば、 高温集塵部へ流入するダストを微粉ダストと粗い粒子のダストの両方を含むよう にすること。 4.ダストが付着しても強固な固着物を形成しない構造を持つ高温集塵装置を 採用すること。 課題を解決する第1の態様は、高温集塵部の入口ガス温度を監視し、その温度 をある温度に制御するように加圧内部循環流動床ボイラの運転制御を行うように したことである。 加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムにおいては、高温ガスでガスター ビンを駆動させることによって発電効率を高めることが目的であるので、ガスタ ービン入口の燃焼ガス温度は可能な限り高い方が望ましい。 しかしながら、燃焼ガス中に含まれるアルカリ金属類によるタービン翼の腐触 防止、並びに、高温集塵部の構成材料の耐熱温度の問題、石灰石の溶融付着防止 といった観点から、現状ではガスクリーニングのない加圧流動床ボイラ複合発電 における高温集塵部の入口での燃焼ガスの温度は、1200℃以下にすべきであ る。高温集塵部入口での燃焼ガスの温度の下限は再炭酸化を防止できる830℃ 以上であるので、高温集塵部の入口での燃焼ガスの温度は830℃から1200 ℃に制御されるべきである。 しかしながら、実用上のガスの上限温度については、1000℃を越える燃焼 ガスの脱塵は構成材料上の制約からなり困難であることから、1000℃以下と するのが望ましい。またガスの下限温度については、図10に示すようにCaO の再炭酸化反応率が830℃以下になると急激に増加 することから、それよりも20℃高い温度、即ち850℃以上とするのが望まし い。 更に好ましくは、加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムの本来の目的で ある効率向上を目的として、ガスの下限温度を900℃、ガスの上限温度として は、石膏の分解によるSO2の放出を防止する意味で950℃、つまり高温集塵 部入口での燃焼ガスの温度は900℃〜950℃に制御するのが望ましい。 石灰石の性状によっては、灰が1000℃近辺で溶融し始め、それが原因で付 着トラブルを引き起こすものがあるため、多くの炭種に対して安定した運転状態 を得るためにも高温集塵器入口での燃焼ガスの温度を900℃〜950℃の温度 域に制御するのが良い。 それに対して、流動床ボイラの最適流動層温度は以下に述べる低NOx、炉内 脱流といった流動層燃焼の特徴を生かすために制約がある。 石炭の流動床燃焼におけるNOx生成については、流動層の温度が均一かつ比 較的低温なのでサーマルNOxが発生することがなく、微粉炭燃焼に比べるとN Ox発生量は低いが、流動層の層温とNOx発生量との間には明らかな正の相関が あり、層温が低いほどNOx生成量は小さくなる。 一方、流動床燃焼における炉内脱硫については、 石灰石の脱炭酸化反応 CaCO3→CaO+CO2 石膏の分解反応 CaSO4→CaO+SO2+1/2O2 と表わされ、ともに温度が上がるほど進行する吸熱反応であり、層温度が850 ℃程度までは石灰石の脱炭酸化反応が促進される効果で脱硫率は向上するが、そ れ以上になると石膏の分解反応が卓越してくるため、かえって脱硫効果を低下さ せてしまうのである。 従って、常圧の流動床ボイラにおいては使用する石炭の性状によって層温度を 750〜850℃に制御するが、加圧流動床ボイラにおいては、燃焼ガス圧力が 高いため、ガスを発生し体積が激増する石灰の脱炭酸化反応が抑制され、常圧と 同じ層温では投入した石灰石の有効利用率が低下するので、これを防止するため に層温は常圧時の上限値に近い約850℃の層温に設定される。 即ち、高温集塵器入口の最適燃焼ガス温度は最適な流動層温よりも50〜10 0℃程度高いのである。 内部循環流動床ボイラでは2段燃焼によってフリーボード温度を層温よりも容 易に高めることができる。主燃焼室と熱回収室が明確に区分けされているため、 主燃焼室の1次燃焼空気を絞って2段燃焼を行っても、層内管のある熱回収室は 常に酸化雰囲気に保たれ、決して還元雰囲気になることはないので、層内管の還 元腐触が生じないからである。 また、内部循環流動床ボイラは炉内が流動媒体の浮遊濃度の違いによって濃厚 層と希薄層、即ち、濃厚層が流動層に形成され、希薄層がフリーボード部に形成 され、これゆえフリーボード部に浮遊するダスト量は外部循環流動床ボイラの炉 内に比べても非常に少ない。このことは、フリーボードでのガス温度を高め、高 温集塵器の入口ガス温度を層温より50〜100℃程度高めるには好適である。 つまり、燃焼ガス中のダストが少なければ、ダストを含んだ燃焼ガス全体の見 かけの比熱が小さくなり、燃焼ガスの温度を変化させるための熱量が少なくて済 むので、燃焼条件を極端に変えることなくフリーボードでのガス温度を適正に制 御でき、環境特性等に考慮しながら最適な運転制御が可能になるのである。 燃焼量と収熱量を独立に制御できる外部循環型の流動床ボイラは、内部循環流 動床ボイラと同様に負荷の大小に拘らずフリーボードでのガス温度をほぼ一定に 制御できるが、燃焼ガス中に常に大量の粒子を含んでいるため、フリーボード温 度を上昇させるのに必要な熱量が内部循環流動床ボイラに比べて多くなるのであ る。 2段燃焼だけでは十分に燃焼ガスの温度制御ができない場合には、追い焚き等 で集塵器入口のガス温度を一定にする方法も有効である。しかしながら、この方 法は追い焚き用の補助燃料が大量に必要になるといった問題や、追い焚き部分で 完全燃焼させるための設備容量の増大といった問題を解決する必要がある。 補助燃料の消費量を抑制する方法の一例として考えられるのが、流動床燃焼部 の空気比を理論燃焼空気量以下にして不完全燃焼状態とし、発生する未燃ガスや チャーをフリーボードで燃焼させる方法である。但し、燃焼部に層内伝熱管が配 置されているタイプの炉では層内伝熱管の還元腐触の問題があるので、層内伝熱 管の材質選定等に制約が生じる。 いずれにしても、加圧内部循環流動床ボイラを採用すれば、高温集塵器の入口 における燃焼ガスの温度制御が容易にできるようになるのである。 高温集塵器の入口での燃焼ガス温度を監視してこの温度を常に830℃以上、 好ましくは850℃、更に好ましくは900℃以上に維持すれば、多くの場合、 再炭酸化の問題は抑えられるが、高温集塵器の入口温度の監視だけでは、例えば 高温集塵器内部に再炭酸化が進行する温度以下になる可能性のあるような場合に 生じるトラブルを防ぎ得ない。しかしながら、集塵器内部の温度をすべて把握す ることも困難である。仮に温度計を多量に設置しても、今度はそれが付着進行の 原因となる恐れも生じる。 従って、他の方法による監視が必要となるが、高温集塵部でのダスト付着によ るトラブルの進行状況は、ほとんどの場合、高温集塵部の差圧を監視することで 把握できる。定常運転中に差圧が上昇傾向にある場合はダスト付着が進行中であ ると考えて良い。 ダスト付着の原因が石灰の再炭酸化によるもので、付着の程度が軽微であれば 、高温集塵部入口での燃焼ガス温度を上げることによって、差圧の上昇を抑制し 、安定な運転状態を維持することができる。 なぜなら図10に示すように、CaOの再炭酸化反応は830℃に近づくにつ れて急激に反応速度が低下し付着性を失うとともに、温度の上昇に従って脱炭酸 反応が進行しもろくなってくるため、付着生成物の強度が低下するのである。 石炭灰の性状や石灰石投入量によっては、高温集塵器内での付着トラブルの程 度が弱く、このような追い焚きによる高温集塵器の入口での燃焼ガス温度の高温 化を連続して行う必要のない場合もあり得る。その場合には、高温集塵器の差圧 を監視して、差圧がある管理値以上に上昇した場合にのみ追い焚きを行い適正差 圧に回復させるという方法も有効である。 このようにして燃焼ガスの温度を高温に維持することは、環境負荷面において も大きなメリットがある。近年温暖化ガスとして注目されつつあるN2Oは石炭 焚きの流動床ボイラからの発生量が多いことが懸念されているが、N2Oは83 0℃を超えると分解が促進されることが知られており、燃焼ガスの温度が高いほ ど、その排出量を低減できる。 課題を解決する第2の態様としては、流動媒体として珪砂を用いることである 。 一般的にバブリングタイプの流動床ボイラの場合、層内伝熱管が激しく 流動する燃焼部分に配置されているため、伝熱管の摩耗を少しでも抑制する目的 で流動媒体として表面硬度の低い石灰石を使わざるを得ず、これによって伝熱管 の摩耗は軽減されるが、石灰石が粉化し易いため、石灰石の過剰投入が避けられ られない。 加圧内部循環流動床ボイラは同一炉内に主燃焼室と層内伝熱管を配した熱回収 室とを明確に分離して設けているので、熱回収室の流動化を穏やかに保つことが でき、層内伝熱管の摩耗の問題を大幅に軽減できる。 従って、加圧内部循環流動床ボイラは流動媒体として珪砂を用いることができ 、石灰石は脱硫剤として必要最小限だけを投入すればよく、石灰石過剰投入を抑 制できる。 珪砂は安価でしかも反応性を持たないため、燃焼ガス特性等に悪影響を与える ことがなく、流動媒体としては最も適している。もちろん珪砂以外にもCaOを 大量に発生させる恐れのないものであれば、流動媒体として使用できる。 アルミナ等も流動媒体としては好適であるが、アルミナのなかには酸化反応を 促進する触媒機能を有するものもあるため、運転条件によっては窒素酸化物の発 生量を増加させてしまう恐れがあり、選定に際しては十分に注意する必要がある 。 石灰石の摩耗量を減らす手段としては、投入する石灰石の粒径を大きくし、石 灰石の表面積を相対的に減少させる方法があるが、粒径を大きくすると流動化状 態が変化したり、石灰石の中心部分まで反応が進行せず、未反応のまま排出され る石灰石の割合が増加するといった問題が生じる。 また、摩耗しにくい石灰石を選定するといった方法も考えられるが、摩耗しに くい石灰石は逆に伝熱管の摩耗を早めたり、脱硫剤としての反応面、 すなわち石灰石の比表面積の増加が抑制されるので、脱硫特性が低下するといっ た実用上の問題が生じる。 石灰石の投入量が減らせられれば、高温集塵部に流入するダスト中のCaO濃 度を低く抑えることができ、高温集塵部分でのトラブル回避に非常に有効に作用 する。即ち、CaO濃度が低くければ、仮に何等かの拍子にCaOの再炭酸化が 生じた場合でも、生成した固着物の強度が弱いので、容易に除去することができ るのである。 課題を解決する第3の態様としては、高温集塵を単段で行うことである。 常圧流動床の場合は燃焼ガス中に含まれる未燃炭素分、いわゆるチャーを捕集 し、再び炉に戻すことで燃焼効率の向上を図ると共に、チャーのもつNOx還元 機能を利用してNOxの低減を図るのが常であった。 ところが、加圧流動床ボイラにおいては、加圧による酸素分圧の増加で燃焼効 率が向上すること、また、燃焼負荷の増加にほぼ比例して燃焼圧力も増加するた め、燃焼ガスが圧縮され、常圧で見られる高負荷時の滞留時間低下による燃焼効 率の低下もない。従って、本来であればサイクロンを設ける必要はない。 従来の加圧流動床ボイラはサイクロンを有しているが、これは燃焼効率とは全 く無関係であり、層内伝熱管の摩耗防止のため流動媒体として珪砂に比べて表面 が柔らかく砕け易い石灰石を使わざるを得ず、石灰石の損耗に伴い石灰石粉が大 量に発生するため、サイクロンとフィルターの2段で集塵を行い、集塵負荷を分 散させているのである。 しかしながら、集塵負荷を分散させるために一次集塵を行い、後段の高温集塵 部に導入されるダストが微細粒子側に偏ると、微粒子は大粒径粒子と比較してC aOの割合が多いと考えられるため、相対的に再炭酸化時の 単位容積当たりの体積膨張率が大きくなる。 従って、高温集塵部の形状、例えばマルチサイクロンのような小径サイクロン のコーン部や灰溜まり部等においては、個々の粒子の膨張により高温集塵部内表 面に形成された付着物内部に働く圧縮応力が非常に大きくなる場合がある。この ことが非常に強固な再炭酸化生成物を形成する原因となっているのである。 従って、集塵を単段とすることによって、高温集塵部に導入されるダストが微 細粒子側に偏ることがなくなるので、強固な再炭酸化生成物の形成を防ぐことが できるのである。 流動媒体として珪砂を使用すれば、石灰石の過剰投入が避けられ、高温集塵部 にかかるダスト負荷も低下するので集塵は単段でよく、セラミックフィルターを 用いる場合、その上流に一次集塵器としてのサイクロンを設ける必要がない。従 って、セラミックスフィルター部に導入されるダスト粒径が微粒子側に偏ること もなく、仮にフィルター表面でCaOの再炭酸化が生じても強固な塊を形成する ことがないのである。 課題を解決する第4の態様は、高温集塵部に外面ろ過方式のフィルターを用い ることである。 高温集塵部への灰付着を防止するには、高温集塵部の構造も重要な要素である 。前述のようにCaOの再炭酸化による付着生成物は、その生成に際して体積膨 張を伴うので、仮に密閉された空間に充満した中でその反応が進行すると、付着 生成物内部に強い圧縮応力が生じ、その結果として、生成した付着物は非常に強 固なものになるのである。 従って、ボイラから出たダストは充満されてかつ密閉されるような部位に留め ず、仮に再炭酸化反応が進行して生成物の体積膨張が生じても、生 成物が外側に広がることができる空間が確保できるような構造であるのが望まし い。従って、フィルター構造が円筒形である場合は、外側にダストのケーキ層を 作る方向、つまりフィルターの外面からろ過するのが望ましいのである。 現在、フィルターエレメントとして、チューブを並列に配列し、フィルターの 内側からろ過するタイプのものが採用されているものもあるが、このタイプのも のは、何等かの拍子でチューブの一本が詰まり始めると、その詰まり始めたチュ ーブフィルターのガス通過抵抗が増加するためガスが流れにくくなり、チューブ 内ガス流速が低下し、急激に閉塞が進行する。 その上、フィルター内に充満したダストの再炭酸化反応が進行すると、体積膨 張するが、増えた体積の逃げ場がないのでダストが圧縮され強固になるだけでは なく、フィルターがセラミック製である場合には、本来セラミックにかけるべき ではない引っ張り応力をフィルターにかけることになるため、破損の確率が大幅 に高まるのである。 これに対して、外面ろ過の場合には、フィルター表面に何等かの拍子でダスト が固着しても、その部位のガス流れが阻害され、その後はそこにダストが供給さ れないので、固着物が成長しにくい。例外としてはフィルター容器内で逆洗で落 としたダストが浮遊したままになり、逆洗終了後同じところに再付着するような 状況では、外面ろ過であっても付着生成物の成長が進行する危険性がある。 従って、フィルターシステムとしては外面ろ過であり、かつ逆洗でフィルター 表面から剥がれたダストがフィルター容器内に浮遊しない構造であることが必要 である。 以上の4つの態様を有することを特徴とする加圧流動床ボイラ複合サイ クル発電システムは、それぞれの態様の相互作用により、それぞれの態様単独で は実現することの出来なかったCaOの再炭酸化による高温集塵器への付着トラ ブルを確実に克服できるものとなるのである。 図面の簡単な説明 図1は本発明に係る加圧流動床複合サイクル発電システムの第1実施例の全体 構成を示す系統図である。 図2は本発明の第1実施例における加圧内部循環流動床ボイラの詳細構造を示 す縦断面図である。 図3は本発明の第1実施例における高温集塵器の詳細構造を示す縦断面図であ る。 図4は本発明の第1実施例における高温集塵器の入口ガス温度と差圧との関係 を示すグラフである。 図5は本発明の第1実施例から得られたダストの粒径分布を示すグラフである 。 図6は本発明に係る加圧流動床複合サイクル発電システムの第2実施例の加圧 内部循環流動床ボイラを示す縦断面図である。 図7は図6のA−A線の水平断面図である。 図8は図6のA−A線の水平断面図である。 図9は図6のA−A線の水平断面図である。 図10は温度とCaOの再炭酸化反応速度の関係を示すグラフである。 発明を実施するための最良の形態 以下、本発明に係る加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムの実施 例を図面を参照して説明する。 図1に示すように、加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムは、圧力容器 1の内部に設置された内部循環流動床ボイラ2を備えている。流動床ボイラ2の 燃焼ガスは燃焼ガス配管53を通って高温集塵器54に導入される。高温集塵部 54で脱塵された燃焼ガスは、燃焼ガス配管55を通って高圧ガスタービン56 および低圧ガスタービン57を駆動して発電機70にて動力回収した後、更に節 炭器58にてボイラ給水と熱交換し、煙突59から大気放出される。 一方、流動燃焼用空気はガスタービンで駆動される低圧コンプレッサー60、 高圧コンプレッサー61によって昇圧され、一部は熱回収制御用空気として分岐 し、熱回収制御用空気室30に導入され、残りは流動燃焼用空気室28に導入さ れ、主燃焼室9内の流動媒体を旋回流動させながら燃焼を行う。 蒸気系統に関しては、冷水はボイラ給水ポンプ62によって、途中節炭器58 で加熱されつつ、ボイラに送られ、円筒壁を構成する水管を経由した後、熱回収 室層内の蒸発管63、蒸気過熱管64を通って過熱蒸気となる。 発生した過熱蒸気は高圧蒸気タービン65を駆動した後、再び流動床ボイラ2 に戻り、再熱用層内伝熱管66で加熱された後、中圧タービン67、低圧タービ ン68を駆動し、発電機71で発電した後、復水器72で復水となり、再びボイ ラ給水として使用される。 次に、図1に示す加圧流動床ボイラの詳細を図2を参照して説明する。 図2に示すように、圧力容器1は円筒形状をなし、上面が燃焼ガス出口4を有 する鏡板であり、下面は流動用空気入口3、熱回収室制御用空気入 口5などを有する鏡板となっており、大気圧以上の内部圧力を保持できるように 構成されている。なお、図1に示す圧力容器1は円筒形状をなすが、球形であっ ても良い。 圧力容器1の内部に設置された内部循環流動床ボイラ2は、水管を連結して構 成された円筒外壁11を有する1つの密閉容器になっており、その内部に主流動 層燃焼室9が形成されている。流動床ボイラ2の上端部には燃焼ガス出口2aが 設けてあり、この燃焼ガス出口2aは圧力容器1の燃焼ガス出口4と接合されて いる。また流動床ボイラ2の底部周囲は圧力容器1の下部鏡板の上に取り付けら れた円筒形サポート7によって支持されている。 内部循環流動床ボイラ2の流動層内部には仕切壁8が設けられ、この仕切壁8 によって主燃焼室9と熱回収室10とを分離している。仕切壁8は円筒外壁11 から取り出された水管によって構成され、この水管はさらに耐火耐熱材料によっ て被覆されている。仕切壁8は円筒形仕切壁8aとこの円筒形仕切壁8の上部に 形成された円錐状仕切壁8bとからなり、この円錐状仕切壁8bは流動化用空気 の上向き流路をさえぎり、流動化用空気を炉内中央に向けて反射転向させる反射 壁として機能し、その結果主燃焼室9の内部に矢印で示すような旋回流が生じる 。また主燃焼室9及び熱回収室10の上方は一体となってフリーボード31を形 成している。熱回収室10の上部のフリーボードと主燃焼室9の上部のフリーボ ードの間には、仕切壁などはなく一体の空間のフリーボード31となっており、 双方の燃焼ガスが相互に自由に行き交うように構成されている。 また熱回収室10内には、円筒外壁11の外側に設けた層内管用上部ヘッダー 13と層内管用下部ヘッダー14とから分岐した層内伝熱管15が 配置されている。この層内伝熱管15は、前記蒸発管63、蒸気過熱管64、再 熱用層内伝熱管66を含んでいる。圧力容器1の下部には給水入口16が設置さ れており、給水入口16から導入されたボイラ水は前記円筒外壁11を経由した あと、連絡管16aを経由して層内管用下部ヘッダー14に導入され、この層内 管用下部ヘッダー管14から層内伝熱管15に分配される。主燃焼室9で発生し た熱エネルギーは熱回収室10内の層内伝熱管15によって回収され、蒸気を発 生する。そして、層内伝熱管15で発生した蒸気は層内管用上部ヘッダー13に 集合し蒸気出口17から外部に導出される。 一方、圧力容器1には均圧ノズル18が設けられており、流動用空気入口3に 連結する高圧の流動用空気系統19から均圧空気系統19aを分岐して、該均圧 ノズル18に接続し、圧力容器1内部と流動床ボイラ2内部が流動層の圧力損失 分を除きほぼ均一な圧力とし、該燃焼器2が非耐圧構造となるように工夫してい る。ただし、この場合流動床ボイラ2のフリーボード31においては、流動層圧 力損失分の外圧は受けることになる。また、均圧ノズル18の手前で減圧弁等を 設けて、圧力容器1と内部循環流動床ボイラ2の間の空間36とフリーボード3 1が均圧になるようにする場合には内部循環流動床ボイラ2の内、流動層より下 部は流動層圧力損失分の内圧を受けることになる。また圧力容器1には給炭入口 6が設けられ、この給炭入口6は給炭ノズル22に連なっている。 主燃焼室9には、中心部が高く外周側へ向かうにつれて低くなった円錐状の炉 床20が設置され、該炉床20に空気分散ノズル21が設置されている。そして 、流動化用空気入口3に連通した空気分散ノズル21から流動化用空気を噴出し 主燃焼室9内で流動媒体を流動化するようになってい る。また、前記給炭ノズル22は主燃焼室9の炉床20近傍でかつ仕切壁8の近 傍に開口している。空気分散ノズル21の外周環状部から噴出する流動化用空気 の質量速度は、炉内の流動媒体の流動層を形成するのに十分な速度とするが、空 気分散ノズル21の中央部から噴出する流動化用空気の質量速度は外周環状部よ りも小さく選ばれている。これによって、主燃焼室9の約1/2程度の径の同心 円の範囲内は最低流動化速度の1〜2.5倍程度の緩やかな流動化状態とし、同 心円の外側の環状部では最低流動化速度の4〜12倍程度の強い流動化状態とな るようにし、主燃焼室流動層内部では、流動媒体が中央から円錐状炉床面に沿い ながら全方位に向かって緩やかに分散移動したのち、前記外周環状部に至るとそ こでは、流動化速度が大きいために移動方向は上向きに転じ、前記仕切壁8の内 側に沿って吹き上がるが、次第に中心方向への凝集力が高まり、流動層表面で最 高に達すると一転その反力で周方向および上方向へ爆発的に流動媒体が飛散する 。 その結果多量の流動媒体が仕切壁8を越えて前記熱回収室10へ入り込む。こ のとき熱回収室流動層は最低流動化速度の2倍以内の緩やかな流動状態であるの でアグロメレーションが発生しやすい状態にあり、粒径の粗い石炭など固形燃料 の混入は避ける必要がある。そのためフリーボード31には熱回収室10を囲う ようにクシ歯状の形状をした水管及びプロテクターからなるスクリーン12が設 けられており、このスクリーン12により粗粒固形燃料の流入を防止するととも とに熱回収室10から発生する燃焼ガスに対してはバッフルの効果を果たし、主 燃焼室9から発生する燃焼ガスと十分に混合攪拌するようにしている。 一方、流動層表面に残った流動媒体は中心付近で円筒状の流れとなって 周囲の流動媒体を巻き込みながら沈降し、前記円錐状炉床中心付近に到達すると 今度は再び水平全周方向への移動に転じる循環流が生じる。この循環流の効果に より炉床付近に設けた給炭ノズル22から投入したcWP(Coal Water Paste) などが主燃焼室内全方位方向へ均一に分散し、簡素な給炭設備でありながら燃料 の偏在が避けられ、クリンカ発生の恐れがない。 また熱回収室10には、内周側より外周側に向かうにつれて高くなった逆円錐 状の炉床23が設置され、この炉床23に空気分散ノズル24が設置されている 。熱回収室制御用空気入口5に連通した空気分散ノズル24から空気を噴出し、 熱回収室10内を緩やかに流動させることにより、仕切壁8を越えて熱回収室1 0に入る流動媒体が層内伝熱管15で冷却されつつ熱回収室流動層内を緩やかに 沈降した後、傾斜した炉床に沿って、前記仕切壁8の下部の連絡流路27を通過 して主燃焼室流動層に還流する。その結果、主燃焼室9で発生した熱量が熱回収 室10の層内伝熱管15を通じて有効に熱回収されることになる。 また円錐状仕切壁8bの背面にも空気導入パイプ25、背面散気ノズル26を 設け、熱回収室10に入ってきた流動媒体を流動化させ、部分的に燃焼させるこ とが可能であるが、円錐状仕切壁8bの角度を大きくした場合には散気ノズル2 6は設けなくてもよい。 主燃焼室炉床20の下方には流動燃焼用空気室28が形成され、この流動燃焼 用空気室28は仕切壁8を支える水管29に囲まれ、流動用空気入口3につなが っている。また熱回収室炉床23の下方には、熱回収制御用空気室30が形成さ れ、この熱回収制御用空気室30は熱回収制御用空気入口5によって外部と接続 している。 熱回収室10の上方は主燃焼室9の上方と一体となって広い空間のフリーボー ド31を形成し、このフリーボード31内で熱回収室10からの燃焼ガスと主燃 焼室9からの燃焼ガスとが混合される。したがって、フリーボード31における 燃焼ガス滞留時間を長くすることができ、可燃分をフリーボード31内で十分に 燃焼させることができる。 またフリーボード31には複数の2次空気ノズル33が設置されており、二段 燃焼方式の採用が可能になっている。なお、符号34は2次空気入口である。本 出願の内部循環流動床ボイラは主燃焼室9には伝熱面を有しないため、主燃焼室 を還元雰囲気で燃焼することが可能である。 したがって、燃焼用空気の分散比を設定することによって、主燃焼室9に燃焼 に必要な理論燃焼空気量以下の空気量を供給し、熱回収室10には熱エネルギー 回収制御に必要な空気量を供給し、完全燃焼に必要な残りの空気量はフリーボー ド31に設けられた複数の2次空気ノズル33から2次空気として供給し2次燃 焼を行なう。これにより、還元燃焼によって石炭の揮発分放出を活発に行い、気 相反応においてCH4などの炭化水素やCOあるいは気相のN化学種(NHi、 HCNなど)等が燃焼によって生成した窒素酸化物を還元するとともにN化学種 が酸化物へ転換する選択性を低下させることから、主燃焼室9での低NOx燃焼 が可能である。 したがって主燃焼室9には燃焼に必要な理論空気量以下の空気を供給するほか 、熱回収室10には負荷制御に必要な空気量を投入し、さらに完全燃焼に必要な 残りの空気量は2次空気として2次空気ノズル33からフリーボード31に供給 する2段燃焼方式を採用している。 内部循環流動床ボイラ2の流動媒体は珪砂を用いている。珪砂は安価でしかも 反応性を持たないため、燃焼ガス特性等に悪影響を与えることがな く、流動媒体としては最も適している。もちろん珪砂以外にも生石灰(CaO) を大量に発生させる恐れのないものであれば流動媒体として使用できる。 また、内部循環流動床ボイラ2には、炉内脱硫を行うため、石灰石、炭酸カル シウム、消石灰、ドロマイトといった脱硫剤を石灰中の硫黄分の量に応じてCa /S比で1〜4、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の割合で投入する。 投入する脱硫剤の粒径は、3mm以下のものを使用するが、内部循環流動床ボイ ラの場合、主燃焼室9内の仕切壁8近傍の流動化の激しいところ、即ち大量の空 気が吹き込まれ、酸化雰囲気で脱硫反応が進行し易い部分を有効に利用するため 、脱硫剤が流動層内に留まるよう、主な流動媒体である珪砂の粒径と同等か、ま たは若干大きな粒径の脱硫剤を投入するのが有効である。具体的には流動媒体が 0.4〜0.8mm程度であるので、脱硫剤としては0.5〜2mmの粒径のものを 使用するのが良い。 燃料の投入方法は湿式(CWP:Coal Water Paper)、乾式のどちらでも良い 。湿式の場合はスラリー化するのに石炭を粒径6mm以下に粗破砕する。 乾式の場合は、原炭のまま破砕せず投入することも可能であるが、燃料を層上 から投入する場合、原炭中に含まれる粒径の小さなものが層に達する前に吹き上 げられ、未燃のままボイラ外に排出される恐れがある。 従って、乾式で給炭する場合には層内に供給するのが好ましいが、層内に供給 する場合には空気輸送方式として、給炭口への流動媒体の逆流を防止する必要が あり、そのためには、原炭を空気輸送可能な大きさにまで、好ましくは粒径6mm 以下に粗破砕する必要が生じる。もちろん、微粉の少 ない石炭を燃焼させるような場合にはこの限りではなく、破砕は不要で、層上か らの燃料投入も可能である。 燃料の投入を湿式(CWP)で行う場合には、燃料に脱硫剤を混ぜて投入する ことによって脱硫剤の層内滞留性を高めることができるので、粒径数ミクロンの 脱硫剤をCWPに予め混入して投入する方法も可能である。 粒径の小さな脱硫剤は、比表面積が大きいので、脱硫剤単位重量当たりの脱硫 反応に関わる反応面も大きくなり、脱硫剤の有効利用率の向上が期待できる。 但し、乾式で層上給炭する場合、あまり粒径の小さな脱硫剤を使用すると、未 反応のままボイラから飛び出し、脱硫剤の有効利用率が低下するだけでなく、い たずらに脱硫剤の使用量を増大させることにもつながるので、前述のように脱硫 剤の粒径は主な流動媒体である珪砂の粒径と同等か、または若干大きなものとす るのが望ましい。 内部循環流動床ボイラ2内においては、低温燃焼による低NOxを図ること、 および脱硫のために投入された石灰石の脱炭酸化反応(CaCO3→CaO+C O2を促進しつつ、かつ既に炉内で亜硫酸ガス(SO2)と反応した石膏(CaS O4)の再分解を防止し、脱硫効果を高めるという2つの目的から主燃焼室の層 温度を800〜900℃、好ましくは825〜875℃、更に好ましくは850 ℃に制御して運転する。 主燃焼室9の層温度の制御は、温度調節計TAに入力された主燃焼室9の層温 度が設定した値になるよう、熱回収室空気流量調節弁37を開閉し、熱回収室1 0内の層内管5での収熱量を制御することによって行われる。 具体的には、例えば層温度が目標温度以下である場合には、熱回収室空気流量 調節弁37を絞り、熱回収室10の流動化を弱めることで熱回収室 10における層内管15への熱伝達を抑制すると共に、それによって冷却された 流動媒体が仕切壁8の下部から主燃焼室11へ流入することも抑制する。冷却さ れた流動媒体の供給が抑制されると、主燃焼室9内の温度は燃料の燃焼熱によっ て上昇する。 また逆の場合、即ち層温度が目標温度以上である場合には、熱回収室空気流量 調節弁37を開け、熱回収室10の流動化を激しくして熱回収室10における層 内管15への熱伝達を促進すると共に、それによって冷却された流動媒体の熱回 収室10から主燃焼室9への流入量が増加するため、主燃焼室9の温度は低下す る。 この一連の調整の為、内部循環流動床ボイラ内に吹き込まれる総空気量を変化 させないようにするため、熱回収室10への吹き込み空気流量を増減させた分、 主燃料室空気流量調節弁36または2次空気流量調節弁38を開閉し、空気流量 を調整することもできる。 内部循環流動床ボイラ2内には、流動層の上部に露出した伝熱面が殆どないの で、主燃焼室9からでた燃焼ガスは、殆ど冷却されることなく、フリーボード3 1に至るが、特別の処置を施さなければ、フリーボード31の温度は放熱等によ って層温より低下し、燃焼ガス中のCaOの再炭酸化による高温集塵器54での 付着トラブルを招く恐れがある。 従って、高温集塵器54の入口の流入ガス温度を監視し、温度調節計TBに入 力し、その温度が再炭酸化反応温度域、即ち約830℃以下まで下がらないよう に、内部循環流動床ボイラ2の主燃焼室空気流量調整弁36と2次空気流量調節 弁38を調節して2段燃焼を行い、流動床内での燃焼の場合、いわゆる層内燃焼 率を適正に調整することによって、高温集塵器54の入口での燃焼ガスの温度を 再炭酸化領域以上に維持することができ る。 具体的には主燃焼室空気流量調整弁36を絞り、主燃焼室9に供給する空気量 を減らすことによって層内での燃料の燃焼を抑制し、その分、2次空気流量調整 弁38を開けて2次空気をフリーボード31に供給し、層内で燃焼しなかった可 燃分を層上で燃焼させるのである。この時、主燃焼室9に供給する空気流量は、 投入される燃料の理論燃焼空気量以下である必要はない。なぜなら、流動層燃焼 においては、層内に常にガスの上昇流が存在するため、流動層に投入した燃料の 内のいくらかはこの上昇流に乗って未燃のまま可燃分として必ず層上に飛び出す からである。 これは主燃焼室9に投入された燃料の理論燃焼空気量以上の空気を吹き込んで も、変わることはなく決してゼロにはならない。層上に飛び出す未燃分の割合は 、主燃焼室9に吹き込まれる空気流量と1対1の関係にあり、層上に飛び出す未 燃分は主燃焼室9への供給空気量を増やせば増加し、逆に供給空気量を減らせば 減少する。 前述のように、内部循環流動床ボイラは、燃焼ガス中に含まれるダストの割合 が外部循環流動床ボイラと比較して小さく、ガスのみかけの比熱が小さいので、 高温集塵器の入口温度を制御するのに必要な熱量が小さくて済む。 従って、2段燃焼と言えども、主燃焼室内全てが還元雰囲気になるほどの2段 燃焼が必要な訳ではなく、主燃焼室内の外周側、即ち多量の空気が吹き込まれ流 動媒体が吹き上がっている領域では酸化雰囲気が常に維持されるので、層内での 脱硫反応の進行を阻害することが殆どないのである。 場合によっては2段燃焼による層上燃焼の効果が充分でない場合もありうるの で、その場合は2段空気に追い焚き燃料39を混入することによっ て、フリーボード31の温度を上げ、高温集塵器54の入口ガス温度を制御する ことができる。 追い焚き燃料には、プロパンガス、天然ガス、重油、軽油等を用いるが、石炭 を用いることもできる。粗破砕した石炭を乾式で供給している場合には、その一 部をフリーボードから供給することで容易に追い焚きが可能になる。 石炭を追い焚き燃料とする方法は、石炭の燃焼速度が温度に大きく依存するた め、従来のバブリングタイプの加圧流動床ボイラのように負荷低下時のフリーボ ード温度が600℃近くまで下がるような場合には適用できない。なぜなら温度 低下による燃焼速度の低下により、フリーボード内で燃焼を完結することができ ず、未燃分のままボイラから出て行くことになるからである。 従って、加圧内部循環流動床ボイラの優れた機能が追い焚き燃料として石炭を 使うことを可能にするのである。 高温集塵器の入口での燃焼ガス温度は、好ましくは、850℃〜1000℃、 更に好ましくは900℃〜950℃の間に保っておけば、石灰の再炭酸化による トラブルを回避できるだけでなく、ほとんどの炭種においてアルカリ金属塩等に よる腐触や灰の溶融によるトラブルを回避できる。 前述のように、内部循環流動床ボイラは、燃焼ガス中に含まれるダストの割合 が外部循環流動床ボイラと比較して小さく、ガスのみかけの比熱が小さいので高 温集塵器入口での燃焼ガスの温度を制御するのに必要な熱量が小さくて済む。 従って、極端な2次燃焼や、大量の追い焚き燃料を消費することなく、容易に 高温集塵器の入口燃焼ガス温度を最適温度域に維持することができ るのである。 高温集塵器の入口ガス温度を850℃好ましくは900℃以上に維持しても、 高温集塵器の内部に何等かの原因で局部的な低温部分ができた場合には、再炭酸 化による閉塞トラブルが生じることも有り得る。 このような場合には、高温集塵部の差圧を計測しておけば、高温集塵器の内部 で生じた再炭酸化による閉塞トラブル等の異常が高温集塵部の差圧の上昇として 検出されるので、高温集塵器の内部の状況をある程度監視することができる。 そして、高温集塵部において、差圧が上昇した場合には、高温集塵器の入ロガ ス温度を上昇させることによって差圧の回復を図ることができる。再炭酸化によ って一度固化した付着物も、温度が上昇すれば再び強度が低下し、逆洗等による 除去が容易になるのである。 これは、図10に示すように、CaOの再炭酸化反応は830℃に近づくにつ れて急激に反応速度が低下するので付着性を失うだけでなく、温度の上昇に伴っ て再炭酸化の逆反応である脱炭酸反応が進行し、脆くなるので、一度生成した付 着生成物の強度が急激に低下するからである。 図1に示す本発明の実施例においては、高温集塵器54の差圧を差圧調節計PC に入力し、差圧が設定値以上になった場合に、高温集塵器54の入口ガス温度 調節計TBの設定値を上昇させる。差圧はろ過前の燃焼ガスの圧力とろ過後の燃 焼ガスの圧力の差と定義される。設定値の上限値は1000℃に設定されている 。 この設定値の上限値は高温集塵器54の仕様、および使用する石炭の性状から 定められる値であり、当然のことながら高温集塵器54の設備仕様、石炭性状に よって830℃〜1200℃の間の値を取る。 図3は、高温集塵器54の詳細を示す断面図である。高温集塵器54は、鋼板 製の圧力容器81の内部に複数の外面ろ過方式のフィルターエレメント82が内 蔵された構造になっている。高温集塵器54の内部は、管板83によって下部室 CLと上部室CUとに仕切られており、ろ過前の燃焼ガスは下部室CLに導入さ れ、ろ過後の燃焼ガスは上部室CUに流入する。圧力容器81の最下部には、燃 焼ガスから捕集された石炭灰、CaO、流動媒体の混合物等の、いわゆる捕集物 の排出口84が設けられている。 高温集塵器54の下部室CLに流入した燃焼ガスは、フィルターエレメント8 2の外面からフィルター内面にむけてフィルター面を通過する際、フィルター外 面にダストを付着させる。フィルタエレメント82に付着したダストは、フィル ターの内側の圧力を瞬間的に外側よりも上昇させる、いわゆる逆洗によって、フ ィルター内部から外部に向けてガスが流れる際、フィルター面から剥がれて、高 温集塵器内部を捕集物の排出口84に向けて落下する。逆洗は、高圧空気を逆洗 用パイプ86から高速で上部室CUに吹き込む等の方法で、容易に達成できる。 圧力容器81の内面には、安全のための耐火断熱材85が設けられており、高 温集塵器内部の熱が圧力容器81に伝わり、圧力容器81の温度が上昇すること を抑制している。 高温集塵器54は高温域で使用するため、フィルターエレメント82には熱応 力がかからないよう片側のみ固定とし、自由な熱膨張を妨げないようにするのが 良く、フィルターエレメント82は片側が閉じたキャンドル型になっている。 またフィルターエレメント82の形状は熱膨張時に応力集中する箇所のない形 状にするのが良く、フィルターエレメントの断面形状は円形になっ ている。 外面ろ過方式の円筒型キャンドルフィルターは、万一灰の付着トラブルが生じ た場合でも、付着生成物同士が架橋しにくく、付着生成物内に圧縮応力がかかる ことがないので、強固な付着物を生成することがない。 また、外面ろ過方式であれば逆洗の際、フィルター表面から剥離した固化した ダスト同士が接触することが少ないので、固化した付着物同士がフィルター内部 で絡み合ってアーチ状の構造を形成し、以降のダストの剥離阻害するといったト ラブルも生じにくい。 また、フィルターエレメントは高温での使用に耐えられるよう、アルミナ系セ ラミック繊維をかご状に整形したものを採用したが、このタイプのものはセラミ ック特有の脆性破壊による信頼性低下を大きく改善できるものである。 もちろん、フィルターエレメントの材質はアルミナやシリコンカーバイト(S iC)等のセラミック製以外にも金属製のものも採用できる。 フィルターエレメントの材料である金属として、SUS310SやSUS31 6L等のオースチナイト系ステンレス鋼、ニッケル−クロム−鉄合金であるイン コネル600、ニッケル−クロム−モリブデン合金であるハステロイ、アルミ− 鉄合金(Fe3Al)等が使用できる。これらの金属は繊維化して布状のフィル ターを構成したり、セラミックと同様に微粒子化した後に焼結してフィルターを 構成することもできる。 高温集塵器内部は逆洗により、剥離したダストが浮遊してフィルター表面に再 付着しないような工夫をしている。例えば逆流時におけるガス流れをダスト沈降 方向に合わせたり、フィルターのあるところに常に下向き流速が維持されるよう にする等である。 また、高温集塵器内部にはダストが滞留できるような箇所を作らないことも重 要である。ダストが滞留できる箇所があると、そこが起点となって付着生成物が 成長する恐れがあるからである。止むを得ずダストを滞留させる場合には、炭酸 ガスに触れさせない、常に流動化させる等によって固着させないようにする、等 の対策が必要である。 図4は本発明の実施例にて得られたデータの一例を示すグラフである。図4に おいて、横軸は時間(hour)を表し、縦軸は高温集塵器54の入口での燃焼 ガス温度および高温集塵器54の差圧を示す。高温集塵器54の入口ガス温度を 840℃に設定して運転していたところ、高温集塵器54の差圧が上昇し始めた ため、高温集塵器54の入口ガス温度の設定値を900℃に変更したところ、差 圧が低下して安定した。 内部循環流動床ボイラ2と高温集塵器54との間は、図1に示すように、燃焼 ガス配管53で直接接続することが重要である。燃焼ガス配管53は内部へのダ ストの堆積を防止するため、内部の燃焼ガス流速を30〜50m/sとし、通常 の常圧流動床ボイラの燃焼ガスダクト内流速の数倍の流速を持たせるよう設計す ることも重要である。 また、燃焼ガス配管53の途中にはサイクロン等の一次集塵装置は設けないの で、高温集塵部に流入するダストの粒径が微粒子側に偏ることがなく、万一、再 炭酸化反応が生じても、強固な付着物を生成することがない。 また図5は本発明の第1実施例にて採取した高温集塵器での捕集灰の粒径分布 を示すグラフである。実験では、集塵は単段で行なわれた。図5において、横軸 は高温集塵器で捕集されたダストの粒径を示し、縦軸は累積度数(%)を示す。 単段集塵なので、粒径10ミクロン以上の粒子が約半分あり、粒径50ミクロン 以上の粒子も10%以上の割合で含まれている。 即ち、高温集塵器内を流れるダストは微粒子に偏っていない。 従来のバブリングタイプのサイクロン付の加圧流動層のセラミックフィルター 捕集粒子が殆ど10ミクロン以下、しかもそのうちの多くは3ミクロン以下とい う微粒子に偏っているのに比べると、付着トラブルを起こしにくい粒径分布にな っていることが分かる。 図6は本発明の第2実施例である加圧内部循環流動床ボイラの構造を示す断面 図である。圧力容器101の内部に設置された内部循環流動床ボイラ102は、 炉内が垂直な仕切壁103によって主燃焼室104と熱回収室105とに分離さ れている。熱回収室105内には層内伝熱管106が配置されている。 流動媒体には珪砂を用い、主燃焼室104の内部には流動化の強弱によって流 動媒体の内部旋回流が形成されている。この内部旋回流は、図6に示すような中 央部で吹き上がる旋回方向でも、図2に示すような中央部が沈降する旋回方向で も構わない。 内部循環流動床ボイラの外壁107は、鋼板製で、内面には耐火断熱材が設け られている。もちろん、外壁107は鋼板の代わりにボイラチューブで構成され たメンブレン壁を採用しても良い。 図7から図9に図6のA−A線の水平断面図を示す。図7から図9に示すよう に、本発明における加圧内部循環流動床ボイラの炉の形状は、図2に示すような 圧力容器の形状に合わせた円型の水平断面(図7参照)を有する必要はなく、矩 形断面(図8参照)もしくは多角形断面(図9参照)のものでも良い。 産業上の利用の可能性 本発明は、加圧下にて石炭やオイルコークス等の燃料を流動床で燃焼させ、そ こで得られた高温高圧の燃焼ガスをガスタービンに導入し、発電するようにした 加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システムに好適である。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年4月12日(1999.4.12) 【補正内容】 請求の範囲 1.高温高圧の燃焼ガスをガスタービンに導入し発電する加圧流動床ボイラ複合 サイクル発電システムにおいて、加圧下で燃料を燃焼し燃焼ガスを生成する加圧 流動床ボイラと、前記燃焼ガスをフィルターエレメントでろ過することにより燃 焼ガスからダストを除去する高温集塵装置と、高温集塵装置の入口での燃焼ガス の温度を負荷に拘わらず、所定値に制御する制御部とを備えたことを特徴とする 加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 2.前記所定値は、900℃から950℃であることを特徴とする請求項1に記 載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 3.前記所定値は、830℃から1200℃であることを特徴とする請求項1に 記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 4.前記所定値は、850℃から1000℃であることを特徴とする請求項1に 記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 5.前記高温集塵装置を単段集塵構成としたことを特徴とする請求項1記載の加 圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 6.前記加圧流動床ボイラと前記高温集塵装置の間を燃焼ガス用の配管のみで直 結したことを特徴とする請求項5に記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電シ ステム。 7.前記加圧流動床ボイラは流動媒体に珪砂を用い、脱硫に必要な量のみの石灰 石が前記加圧流動床ボイラに供給されることを特徴とする請求項1に記載の加圧 流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 8.前記加圧流動床ボイラは、互いに分離された主燃焼室と熱回収室とを有した 加圧内部循環流動床ボイラからなることを特徴とする請求項1記載の加圧流動床 ボイラ複合サイクル発電システム。 9.前記高温集塵装置は、セラミックもしくはそれに準ずる材質で作られた少な くとも1つのフィルターエレメントを備え、該フィルターエレメントはガス流れ がフィルターエレメントの外面から内面に流れる、外面ろ過型であることを特徴 とする請求項1に記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 10.前記フィルターエレメントは円筒形状をなすことを特徴とする請求項9に 記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 11.前記高温集塵装置の差圧を検出する差圧検出制御部を備え、差圧がある管 理値範囲内に納まるように高温集塵装置の入口での燃焼ガス温度を制御するよう にしたことを特徴とする請求項1に記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電シ ステム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AL,AM,A U,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN ,CU,CZ,EE,GE,GH,GM,GW,HU, ID,IL,IS,JP,KE,KG,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,RO,RU, SD,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,T T,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 大下 孝裕 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所 内 (72)発明者 永東 秀一 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所 内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.高温高圧の燃焼ガスをガスタービンに導入し発電する加圧流動床ボイラ複合 サイクル発電システムにおいて、加圧下で燃料を燃焼し燃焼ガスを生成する加圧 流動床ボイラと、前記燃焼ガスからダストを除去する高温集塵装置と、高温集塵 装置の入口での燃焼ガスの温度を負荷に拘わらず、所定値に制御する制御部とを 備えたことを特徴とする加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 2.前記所定値は、900℃から950℃であることを特徴とする請求項1に記 載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 3.前記所定値は、830℃から1200℃であることを特徴とする請求項1に 記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 4.前記所定値は、850℃から1000℃であることを特徴とする請求項1に 記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 5.前記高温集塵装置を単段集塵構成としたことを特徴とする請求項1記載の加 圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 6.前記加圧流動床ボイラと前記高温集塵装置の間を燃焼ガス用の配管のみで直 結したことを特徴とする請求項5に記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電シ ステム。 7.前記加圧流動床ボイラは流動媒体に珪砂を用い、脱硫に必要な量のみの石灰 石が前記加圧流動床ボイラに供給されることを特徴とする請求項1に記載の加圧 流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 8.前記加圧流動床ボイラは、互いに分離された主燃焼室と熱回収室とを有した 加圧内部循環流動床ボイラからなることを特徴とする請求項1記載の加圧流動床 ボイラ複合サイクル発電システム。 9.前記高温集塵装置は、セラミックもしくはそれに準ずる材質で作られた少な くとも1つのフィルターエレメントを備え、該フィルターエレメントはガス流れ がフィルターエレメントの外面から内面に流れる、外面ろ過型であることを特徴 とする請求項1に記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 10.前記フィルターエレメントは円筒形状をなすことを特徴とする請求項9に 記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電システム。 11.前記高温集塵装置の差圧を検出する差圧検出制御部を備え、差圧がある管 理値範囲内に納まるように高温集塵装置の入口での燃焼ガス温度を制御するよう にしたことを特徴とする請求項1に記載の加圧流動床ボイラ複合サイクル発電シ ステム。
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