JP2902625B1 - 流動床炉の熱回収方法及び装置 - Google Patents
流動床炉の熱回収方法及び装置Info
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Abstract
【要約】
【課題】 流動床炉の熱回収方法及び装置において、過
熱セルにおける伝熱管の摩耗・腐食やスポット熱の発生
による局部過熱を防止し、さらには、高温・高圧の過熱
蒸気の温度制御を行う。 【解決手段】 可燃物を流動層燃焼セル２０で燃焼さ
せ、流動媒体を層内仕切部材１０をオーバーフローさせ
て流動層蒸発セル３０に流入させるとともに、流動媒体
を層内仕切部材１０の下側から流動層燃焼セル２０に循
環させ、流動層蒸発セル３０に配設された蒸発器管２６
ａにより熱回収する流動床炉の熱回収方法において、流
動層燃焼セル２０からの流動媒体を他の層内仕切部材５
２をオーバーフローさせて移動層過熱セル５４に流入さ
せるとともに、移動層過熱セル５４の下部から流動媒体
を抜き出し、移動層過熱セル５４に配設された過熱器管
２８ａにより熱回収する。
熱セルにおける伝熱管の摩耗・腐食やスポット熱の発生
による局部過熱を防止し、さらには、高温・高圧の過熱
蒸気の温度制御を行う。 【解決手段】 可燃物を流動層燃焼セル２０で燃焼さ
せ、流動媒体を層内仕切部材１０をオーバーフローさせ
て流動層蒸発セル３０に流入させるとともに、流動媒体
を層内仕切部材１０の下側から流動層燃焼セル２０に循
環させ、流動層蒸発セル３０に配設された蒸発器管２６
ａにより熱回収する流動床炉の熱回収方法において、流
動層燃焼セル２０からの流動媒体を他の層内仕切部材５
２をオーバーフローさせて移動層過熱セル５４に流入さ
せるとともに、移動層過熱セル５４の下部から流動媒体
を抜き出し、移動層過熱セル５４に配設された過熱器管
２８ａにより熱回収する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動層燃焼セルと
流動層蒸発セル（収熱セル）とに区分した内部循環流動
床炉に、さらに移動層過熱セル（収熱セル）を設けて、
都市ごみ、産業廃棄物、石炭、ＲＤＦ（ごみ転換燃料：
Ｒｅｆｕｓｅ Ｄｅｒｉｖｅｄ Ｆｕｅｌ）などの可燃
物を安定して燃焼させるとともに、移動層過熱セルにお
ける伝熱管の摩耗・腐食や、スポット熱の発生による局
部過熱を防止し、さらには、高温・高圧の過熱蒸気の温
度制御を行うことができる流動床炉の熱回収方法及び装
置に関するものである。なお、ＲＤＦとは、産業廃棄
物、都市ごみなどにカルシウム化合物を加えて成型した
燃料のことを言う。
流動層蒸発セル（収熱セル）とに区分した内部循環流動
床炉に、さらに移動層過熱セル（収熱セル）を設けて、
都市ごみ、産業廃棄物、石炭、ＲＤＦ（ごみ転換燃料：
Ｒｅｆｕｓｅ Ｄｅｒｉｖｅｄ Ｆｕｅｌ）などの可燃
物を安定して燃焼させるとともに、移動層過熱セルにお
ける伝熱管の摩耗・腐食や、スポット熱の発生による局
部過熱を防止し、さらには、高温・高圧の過熱蒸気の温
度制御を行うことができる流動床炉の熱回収方法及び装
置に関するものである。なお、ＲＤＦとは、産業廃棄
物、都市ごみなどにカルシウム化合物を加えて成型した
燃料のことを言う。
【０００２】
【従来の技術】従来から、図５に示すように、流動層を
上下が開口するように、層内仕切部材１０、１２により
仕切るとともに、風箱１４を風箱仕切部材１６、１８で
仕切るか、又は独立した風箱を別個に設けることによ
り、燃焼セル２０と収熱セル（熱回収セル）２２、２４
とに区分し、燃焼セル２０の流動化ガス吹込流速を収熱
セル２２、２４の流動化ガス吹込流速よりも大きくとる
ことにより、燃焼セル２０の流動媒体を層内仕切部材１
０、１２を越えて収熱セル２２、２４へ流入させ、層内
仕切部材１０、１２の下側から収熱セルの流動媒体を燃
焼セル２０に還流するようにし、収熱セル２２、２４内
に層内伝熱管２６、２８を設けて熱回収を行うようにし
た内部循環流動床炉が知られている（例えば、特公平５
−８７７５７号公報、特開平７−２４８１９４号公報、
特開平７−２６９８２９号公報、特開平８−１８９６２
７号公報参照）。
上下が開口するように、層内仕切部材１０、１２により
仕切るとともに、風箱１４を風箱仕切部材１６、１８で
仕切るか、又は独立した風箱を別個に設けることによ
り、燃焼セル２０と収熱セル（熱回収セル）２２、２４
とに区分し、燃焼セル２０の流動化ガス吹込流速を収熱
セル２２、２４の流動化ガス吹込流速よりも大きくとる
ことにより、燃焼セル２０の流動媒体を層内仕切部材１
０、１２を越えて収熱セル２２、２４へ流入させ、層内
仕切部材１０、１２の下側から収熱セルの流動媒体を燃
焼セル２０に還流するようにし、収熱セル２２、２４内
に層内伝熱管２６、２８を設けて熱回収を行うようにし
た内部循環流動床炉が知られている（例えば、特公平５
−８７７５７号公報、特開平７−２４８１９４号公報、
特開平７−２６９８２９号公報、特開平８−１８９６２
７号公報参照）。
【０００３】また、図６に示すように、一方の収熱セル
を蒸発セル３０として蒸気を発生させ、他方の収熱セル
を過熱セル３２として過熱蒸気を発生させるようにした
流動床炉も知られている。この場合、蒸発セル３０の蒸
発器管（層内伝熱管）２６ａで発生した蒸気はボイラド
ラム３４に導入され、このボイラドラム３４からの水蒸
気が過熱セル３２の過熱器管（層内伝熱管）２８ａに供
給されて、高温・高圧の過熱蒸気を発生させ、この過熱
蒸気はスチームタービン（図示略）に供給される。
を蒸発セル３０として蒸気を発生させ、他方の収熱セル
を過熱セル３２として過熱蒸気を発生させるようにした
流動床炉も知られている。この場合、蒸発セル３０の蒸
発器管（層内伝熱管）２６ａで発生した蒸気はボイラド
ラム３４に導入され、このボイラドラム３４からの水蒸
気が過熱セル３２の過熱器管（層内伝熱管）２８ａに供
給されて、高温・高圧の過熱蒸気を発生させ、この過熱
蒸気はスチームタービン（図示略）に供給される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記の図６に示すよう
な流動床炉の熱回収装置では、過熱セル３２の過熱器管
（層内伝熱管）２８ａが高温になり、流動媒体と接触し
て過熱器管２８ａが摩耗・腐食するという問題点があ
る。また、燃焼セル２０から過熱セル３２に流動媒体と
ともに流入する飛散未燃物が過熱セル３２で流動化空気
により燃焼して、スポット熱を発生し、局部過熱が生じ
て流動媒体が溶融し、流動媒体同士が付着して塊状とな
り、流動不良を起こすという問題点がある。
な流動床炉の熱回収装置では、過熱セル３２の過熱器管
（層内伝熱管）２８ａが高温になり、流動媒体と接触し
て過熱器管２８ａが摩耗・腐食するという問題点があ
る。また、燃焼セル２０から過熱セル３２に流動媒体と
ともに流入する飛散未燃物が過熱セル３２で流動化空気
により燃焼して、スポット熱を発生し、局部過熱が生じ
て流動媒体が溶融し、流動媒体同士が付着して塊状とな
り、流動不良を起こすという問題点がある。
【０００５】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、燃焼セル及び蒸発セルには流動化
空気を送るが、過熱セルには流動化空気を送らないよう
にし、すなわち、過熱セルを移動層とし、流動媒体を移
動層の底部から抜き出すことにより、過熱セルの過熱器
管（層内伝熱管）の摩耗・腐食を防止し、かつ、飛散未
燃物の過熱セルでの燃焼を防止し、スポット熱の発生を
防ぐようにした流動床炉の熱回収方法及び装置を提供す
ることにある。また、本発明の目的は、移動層の底部か
ら抜き出した流動媒体を燃焼セルに循環させ、流動媒体
循環量を変えることにより、過熱セルで発生する高温・
高圧過熱蒸気の温度・圧力を制御することができる流動
床炉の熱回収方法及び装置を提供することにある。
で、本発明の目的は、燃焼セル及び蒸発セルには流動化
空気を送るが、過熱セルには流動化空気を送らないよう
にし、すなわち、過熱セルを移動層とし、流動媒体を移
動層の底部から抜き出すことにより、過熱セルの過熱器
管（層内伝熱管）の摩耗・腐食を防止し、かつ、飛散未
燃物の過熱セルでの燃焼を防止し、スポット熱の発生を
防ぐようにした流動床炉の熱回収方法及び装置を提供す
ることにある。また、本発明の目的は、移動層の底部か
ら抜き出した流動媒体を燃焼セルに循環させ、流動媒体
循環量を変えることにより、過熱セルで発生する高温・
高圧過熱蒸気の温度・圧力を制御することができる流動
床炉の熱回収方法及び装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の流動床炉の熱回収方法は、可燃物を流動
層燃焼セルで燃焼させ、流動媒体を層内仕切部材をオー
バーフローさせて流動層蒸発セルに流入させるととも
に、流動媒体を層内仕切部材の下側から流動層燃焼セル
に循環させ、流動層蒸発セルに配設された蒸発器管によ
り熱回収する流動床炉の熱回収方法において、流動層燃
焼セルからの流動媒体を下側に通路を設けない他の層内
仕切部材をオーバーフローさせて、流動化空気を送入し
ない移動層過熱セルに流入させるとともに、移動層過熱
セルの下部から流動媒体を抜き出し、移動層過熱セルに
配設された過熱器管により熱回収するように構成されて
いる（図１〜図４参照）。
めに、本発明の流動床炉の熱回収方法は、可燃物を流動
層燃焼セルで燃焼させ、流動媒体を層内仕切部材をオー
バーフローさせて流動層蒸発セルに流入させるととも
に、流動媒体を層内仕切部材の下側から流動層燃焼セル
に循環させ、流動層蒸発セルに配設された蒸発器管によ
り熱回収する流動床炉の熱回収方法において、流動層燃
焼セルからの流動媒体を下側に通路を設けない他の層内
仕切部材をオーバーフローさせて、流動化空気を送入し
ない移動層過熱セルに流入させるとともに、移動層過熱
セルの下部から流動媒体を抜き出し、移動層過熱セルに
配設された過熱器管により熱回収するように構成されて
いる（図１〜図４参照）。
【０００７】この流動床炉の熱回収方法において、移動
層過熱セルの下部から抜き出した流動媒体を、流動媒体
排出機及び流動媒体搬送手段により高温状態のまま流動
層燃焼セルに循環させることが好ましい。さらに、過熱
器管出口の過熱蒸気の温度を、移動層過熱セルの下部か
ら抜き出した流動媒体の流動媒体循環量により制御する
ことが好ましい（図１、図４参照）。
層過熱セルの下部から抜き出した流動媒体を、流動媒体
排出機及び流動媒体搬送手段により高温状態のまま流動
層燃焼セルに循環させることが好ましい。さらに、過熱
器管出口の過熱蒸気の温度を、移動層過熱セルの下部か
ら抜き出した流動媒体の流動媒体循環量により制御する
ことが好ましい（図１、図４参照）。
【０００８】本発明の流動床炉の熱回収装置は、流動層
燃焼室を縦方向の層内仕切部材でこの仕切部材の上方及
び下方に通路が形成されるように区分するとともに、こ
の層内仕切部材の下側の風箱仕切部材により風箱を区分
するか、又は独立した小風箱を別個に設けて流動層燃焼
セルと流動層蒸発セルとを形成し、流動層燃焼セルのガ
ス流速を流動層蒸発セルのガス流速よりも大きくするこ
とにより、流動媒体を層内仕切部材をオーバーフローさ
せて流動層蒸発セルに流入させるとともに、流動媒体を
層内仕切部材の下側から流動層燃焼セルに循環させるよ
うに構成し、流動層燃焼セルの上側の炉本体に可燃物供
給手段を接続し、流動層蒸発セルに蒸発器管を配設し、
流動層蒸発セルの流動化ガスが層内仕切部材上側の通路
を通って流動層燃焼セルのガスと合流するようにした流
動床炉の熱回収装置において、流動層燃焼セルに隣接し
て、下側に通路が形成されず上方のみに通路が形成され
るような縦方向の他の層内仕切部材を介して、下部から
空気を送入しないようにして流動媒体が移動層を形成す
るようにした移動層過熱セルを設け、この移動層過熱セ
ルに過熱器管を配設したことを特徴としている（図１〜
図４参照）。
燃焼室を縦方向の層内仕切部材でこの仕切部材の上方及
び下方に通路が形成されるように区分するとともに、こ
の層内仕切部材の下側の風箱仕切部材により風箱を区分
するか、又は独立した小風箱を別個に設けて流動層燃焼
セルと流動層蒸発セルとを形成し、流動層燃焼セルのガ
ス流速を流動層蒸発セルのガス流速よりも大きくするこ
とにより、流動媒体を層内仕切部材をオーバーフローさ
せて流動層蒸発セルに流入させるとともに、流動媒体を
層内仕切部材の下側から流動層燃焼セルに循環させるよ
うに構成し、流動層燃焼セルの上側の炉本体に可燃物供
給手段を接続し、流動層蒸発セルに蒸発器管を配設し、
流動層蒸発セルの流動化ガスが層内仕切部材上側の通路
を通って流動層燃焼セルのガスと合流するようにした流
動床炉の熱回収装置において、流動層燃焼セルに隣接し
て、下側に通路が形成されず上方のみに通路が形成され
るような縦方向の他の層内仕切部材を介して、下部から
空気を送入しないようにして流動媒体が移動層を形成す
るようにした移動層過熱セルを設け、この移動層過熱セ
ルに過熱器管を配設したことを特徴としている（図１〜
図４参照）。
【０００９】この流動床炉の熱回収装置において、移動
層過熱セルの下部に流動媒体排出機を設け、流動媒体を
高温状態のまま流動層燃焼セルに循環できるように、こ
の流動媒体排出機と流動層燃焼セルの上方の炉本体とを
流動媒体搬送手段を介して接続することが好ましい。さ
らに、過熱器管の出口に温度検出手段を取り付け、移動
層過熱セルの下部から抜き出した流動媒体の流動媒体循
環量により過熱蒸気の温度が制御できるように、この温
度検出手段と流動媒体排出機の駆動源とを連動接続する
ことが好ましい（図１、図４参照）。
層過熱セルの下部に流動媒体排出機を設け、流動媒体を
高温状態のまま流動層燃焼セルに循環できるように、こ
の流動媒体排出機と流動層燃焼セルの上方の炉本体とを
流動媒体搬送手段を介して接続することが好ましい。さ
らに、過熱器管の出口に温度検出手段を取り付け、移動
層過熱セルの下部から抜き出した流動媒体の流動媒体循
環量により過熱蒸気の温度が制御できるように、この温
度検出手段と流動媒体排出機の駆動源とを連動接続する
ことが好ましい（図１、図４参照）。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することができるもので
ある。図１は本発明の実施の第１形態による流動床炉の
熱回収装置を示している。流動層燃焼室を縦方向の層内
仕切部材１０でこの仕切部材の上方及び下方に通路３
６、３８が形成されるように区分し、かつ、この層内仕
切部材１０の下側の風箱仕切部材１６により風箱１４を
区分して小風箱４０、４２として、流動層燃焼セル２０
と流動層蒸発セル３０とを形成する。なお、風箱を仕切
る代りに、各流動層の下部に独立した小風箱を別個に設
けるように構成してもよい。そして、小風箱４０、４２
には独立した空気吹込量調節機構（図示略）が備えられ
ており、燃焼セル２０のガス流速を蒸発セル３０のガス
流速より大きくすることにより、流動媒体（例えば、珪
砂等の砂）を層内仕切部材１０をオーバーフローさせて
通路３６を経て蒸発セル３０に流入させるとともに、流
動媒体を層内仕切部材１０の下側の通路３８から燃焼セ
ル２０に循環させるように構成されている。なお、流動
床炉に必要に応じて生石灰、消石灰、石灰石、ドロマイ
ト等が脱塩剤又は／及び脱硫剤として供給される場合が
ある。
するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することができるもので
ある。図１は本発明の実施の第１形態による流動床炉の
熱回収装置を示している。流動層燃焼室を縦方向の層内
仕切部材１０でこの仕切部材の上方及び下方に通路３
６、３８が形成されるように区分し、かつ、この層内仕
切部材１０の下側の風箱仕切部材１６により風箱１４を
区分して小風箱４０、４２として、流動層燃焼セル２０
と流動層蒸発セル３０とを形成する。なお、風箱を仕切
る代りに、各流動層の下部に独立した小風箱を別個に設
けるように構成してもよい。そして、小風箱４０、４２
には独立した空気吹込量調節機構（図示略）が備えられ
ており、燃焼セル２０のガス流速を蒸発セル３０のガス
流速より大きくすることにより、流動媒体（例えば、珪
砂等の砂）を層内仕切部材１０をオーバーフローさせて
通路３６を経て蒸発セル３０に流入させるとともに、流
動媒体を層内仕切部材１０の下側の通路３８から燃焼セ
ル２０に循環させるように構成されている。なお、流動
床炉に必要に応じて生石灰、消石灰、石灰石、ドロマイ
ト等が脱塩剤又は／及び脱硫剤として供給される場合が
ある。
【００１１】燃焼セル２０の上側の炉本体４４には、可
燃物供給手段（図示略）が接続され、蒸発セル３０には
蒸発器管（層内伝熱管）２６ａが配設されている。蒸発
セル３０の流動化ガスは、層内仕切部材１０の上側の通
路３６を通って燃焼セル２０のガスと合流し、上方のフ
リーボード部（図示略）で二次燃焼する。４６は空気分
散板、４８は不燃物等抜出管で、この不燃物等抜出管か
ら抜き出された不燃物及び流動媒体は、分級機（図示
略）で不燃物と流動媒体とに分離され、流動媒体は燃焼
セル２０に循環されるように構成されている。
燃物供給手段（図示略）が接続され、蒸発セル３０には
蒸発器管（層内伝熱管）２６ａが配設されている。蒸発
セル３０の流動化ガスは、層内仕切部材１０の上側の通
路３６を通って燃焼セル２０のガスと合流し、上方のフ
リーボード部（図示略）で二次燃焼する。４６は空気分
散板、４８は不燃物等抜出管で、この不燃物等抜出管か
ら抜き出された不燃物及び流動媒体は、分級機（図示
略）で不燃物と流動媒体とに分離され、流動媒体は燃焼
セル２０に循環されるように構成されている。
【００１２】燃焼セル２０に隣接して、上方のみに通路
５０が形成されるような縦方向の他の層内仕切部材５２
を介して移動層過熱セル５４が設けられる。すなわち、
層内仕切部材５２の下側に通路を設けずに、かつ、過熱
セル５４には、下部から空気を送入しないようにし、過
熱セル５４の下部に流動媒体抜出口５６を設けて、流動
媒体が自重により移動層を形成するようにしたものであ
る。過熱セル５４には過熱器管（層内伝熱管）２８ａが
配設されている。流動媒体抜出口５６には流動媒体排出
機５８が接続され、流動媒体を燃焼セル２０に循環でき
るように、排出機５８と燃焼セル上方の炉本体４４と
が、流動媒体搬送手段、例えば、バケットコンベア６０
を介して接続されている。
５０が形成されるような縦方向の他の層内仕切部材５２
を介して移動層過熱セル５４が設けられる。すなわち、
層内仕切部材５２の下側に通路を設けずに、かつ、過熱
セル５４には、下部から空気を送入しないようにし、過
熱セル５４の下部に流動媒体抜出口５６を設けて、流動
媒体が自重により移動層を形成するようにしたものであ
る。過熱セル５４には過熱器管（層内伝熱管）２８ａが
配設されている。流動媒体抜出口５６には流動媒体排出
機５８が接続され、流動媒体を燃焼セル２０に循環でき
るように、排出機５８と燃焼セル上方の炉本体４４と
が、流動媒体搬送手段、例えば、バケットコンベア６０
を介して接続されている。
【００１３】過熱器管２８ａの出口には、温度検出手段
６２、例えば、温度指示調節器が取り付けられており、
流動媒体循環量により高温・高圧（例えば、４００〜５
００℃、８０〜１００kg／cm2 Ｇ）過熱蒸気の温度が制
御できるように、温度検出手段６２と排出機５８の駆動
源６４、例えば、モーターとが連動接続されている。流
動媒体排出機５８としては、スクリュー型排出機、ロー
タリーバルブ、Ｌバルブ（気密排出機）等が用いられ
る。層内仕切部材１０、５２は水冷管構造又は耐火材構
造となっており、層内仕切部材１０、５２の上端は、流
動層の静止層高とほぼ同じか、又は静止層高より僅かに
上方に位置している。また、炉本体を水冷管壁（メンブ
レン壁）とすることが好ましい。
６２、例えば、温度指示調節器が取り付けられており、
流動媒体循環量により高温・高圧（例えば、４００〜５
００℃、８０〜１００kg／cm2 Ｇ）過熱蒸気の温度が制
御できるように、温度検出手段６２と排出機５８の駆動
源６４、例えば、モーターとが連動接続されている。流
動媒体排出機５８としては、スクリュー型排出機、ロー
タリーバルブ、Ｌバルブ（気密排出機）等が用いられ
る。層内仕切部材１０、５２は水冷管構造又は耐火材構
造となっており、層内仕切部材１０、５２の上端は、流
動層の静止層高とほぼ同じか、又は静止層高より僅かに
上方に位置している。また、炉本体を水冷管壁（メンブ
レン壁）とすることが好ましい。
【００１４】流動層蒸発セル３０と移動層過熱セル５４
は、図２に示すように流動層燃焼セル２０の両側に配置
される。なお、蒸発セルを燃焼セルの周囲の三辺に設け
ることも可能である。また、図３に示すように、燃焼セ
ル２０に隣接する部分を、層内仕切部材５２に略直交す
る層内仕切部材６６で区分し、一方の区画を蒸発器管２
６ｂを有する蒸発セル３０ｂとし、他方の区画を過熱器
管２８ａを有する過熱セル５４とすることも可能であ
る。
は、図２に示すように流動層燃焼セル２０の両側に配置
される。なお、蒸発セルを燃焼セルの周囲の三辺に設け
ることも可能である。また、図３に示すように、燃焼セ
ル２０に隣接する部分を、層内仕切部材５２に略直交す
る層内仕切部材６６で区分し、一方の区画を蒸発器管２
６ｂを有する蒸発セル３０ｂとし、他方の区画を過熱器
管２８ａを有する過熱セル５４とすることも可能であ
る。
【００１５】上記のように構成された流動床炉の熱回収
装置において、燃焼セル２０に廃棄物等の可燃物を燃料
として投入し、流動化空気によって燃焼させ、蒸発セル
３０の流動化空気流速を燃焼セル２０の流動化空気流速
よりも遅くすることによって流動媒体を循環させる。例
えば、流動化開始速度０．２m ／s の流動媒体を、燃焼
セル２０では５倍の空塔速度１．０m ／s 前後で、蒸発
セル３０では２倍の空塔速度０．４m ／s 前後で運転す
る。燃焼セル２０から蒸発セル３０に流動媒体とともに
流入した飛散未燃物は、流動化空気により燃焼し、蒸発
器管２６ａにより熱回収される。蒸発セル３０内の空塔
速度は遅いので、蒸発器管２６ａの摩耗を低減すること
ができる。
装置において、燃焼セル２０に廃棄物等の可燃物を燃料
として投入し、流動化空気によって燃焼させ、蒸発セル
３０の流動化空気流速を燃焼セル２０の流動化空気流速
よりも遅くすることによって流動媒体を循環させる。例
えば、流動化開始速度０．２m ／s の流動媒体を、燃焼
セル２０では５倍の空塔速度１．０m ／s 前後で、蒸発
セル３０では２倍の空塔速度０．４m ／s 前後で運転す
る。燃焼セル２０から蒸発セル３０に流動媒体とともに
流入した飛散未燃物は、流動化空気により燃焼し、蒸発
器管２６ａにより熱回収される。蒸発セル３０内の空塔
速度は遅いので、蒸発器管２６ａの摩耗を低減すること
ができる。
【００１６】上記の作用と同時に、燃焼セル２０からの
流動媒体は層内仕切部材５２をオーバーフローして移動
層過熱セル５４に流入し、移動層過熱セル５４の下部か
ら流動媒体を抜き出し、過熱器管２８ａにより過熱蒸気
を発生させる。抜き出された流動媒体は流動媒体排出機
５８及びバケットコンベア６０等の流動媒体搬送手段に
より高温状態のまま炉本体４４に戻され、燃焼セル２０
に循環される。この場合、過熱蒸気の温度を温度検出手
段６２により検出し、この温度検出手段６２と排出機５
８の駆動源６４とを連動接続して、流動媒体循環量を増
減させることにより過熱蒸気の温度を制御する。すなわ
ち、過熱蒸気温度が所定の値よりも下がってくると駆動
源（例えば、モーター）６４の回転数を上げて流動媒体
循環量を増加させ、過熱蒸気温度が所定の値よりも上が
ると駆動源６４の回転数を下げて流動媒体循環量を減少
させる。一例として、燃焼セル２０の温度は７００〜８
００℃、蒸発セル３０の下部の温度は６５０〜７５０
℃、過熱セル５４の下部の温度は６５０〜７５０℃、蒸
発器管２６ａの入口温度は１９０〜２００℃、蒸発器管
２６ａの出口温度は２９０〜３１０℃、過熱器管２８ａ
の入口温度は２９０〜３１０℃、過熱器管２８ａの出口
温度は４００〜５００℃である。
流動媒体は層内仕切部材５２をオーバーフローして移動
層過熱セル５４に流入し、移動層過熱セル５４の下部か
ら流動媒体を抜き出し、過熱器管２８ａにより過熱蒸気
を発生させる。抜き出された流動媒体は流動媒体排出機
５８及びバケットコンベア６０等の流動媒体搬送手段に
より高温状態のまま炉本体４４に戻され、燃焼セル２０
に循環される。この場合、過熱蒸気の温度を温度検出手
段６２により検出し、この温度検出手段６２と排出機５
８の駆動源６４とを連動接続して、流動媒体循環量を増
減させることにより過熱蒸気の温度を制御する。すなわ
ち、過熱蒸気温度が所定の値よりも下がってくると駆動
源（例えば、モーター）６４の回転数を上げて流動媒体
循環量を増加させ、過熱蒸気温度が所定の値よりも上が
ると駆動源６４の回転数を下げて流動媒体循環量を減少
させる。一例として、燃焼セル２０の温度は７００〜８
００℃、蒸発セル３０の下部の温度は６５０〜７５０
℃、過熱セル５４の下部の温度は６５０〜７５０℃、蒸
発器管２６ａの入口温度は１９０〜２００℃、蒸発器管
２６ａの出口温度は２９０〜３１０℃、過熱器管２８ａ
の入口温度は２９０〜３１０℃、過熱器管２８ａの出口
温度は４００〜５００℃である。
【００１７】図４は本発明の実施の第２形態による流動
床炉の熱回収装置を示している。本実施形態は、流動媒
体搬送手段として、気流搬送手段を用いるように構成し
たものである。すなわち、流動媒体排出機５８の流動媒
体出口に気流搬送管６８を接続し、この気流搬送管６８
の一端にブロワ７０を接続して、気流搬送管６８に空気
又は燃焼排ガスを供給するとともに、流動媒体を吸引し
て炉本体４４に戻すように構成したものである。空気を
用いる場合は、循環流動媒体の温度が下がらないよう
に、加熱空気を用いることが好ましい。他の構成及び作
用は、実施の第１形態の場合と同様である。
床炉の熱回収装置を示している。本実施形態は、流動媒
体搬送手段として、気流搬送手段を用いるように構成し
たものである。すなわち、流動媒体排出機５８の流動媒
体出口に気流搬送管６８を接続し、この気流搬送管６８
の一端にブロワ７０を接続して、気流搬送管６８に空気
又は燃焼排ガスを供給するとともに、流動媒体を吸引し
て炉本体４４に戻すように構成したものである。空気を
用いる場合は、循環流動媒体の温度が下がらないよう
に、加熱空気を用いることが好ましい。他の構成及び作
用は、実施の第１形態の場合と同様である。
【００１８】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 （１） 過熱セルを移動層としているので、過熱セルの
層内伝熱管の摩耗・腐食を防止することができる。 （２） 過熱セルには空気を送入しないので、飛散未燃
物の過熱セルでの燃焼を防止してスポット熱の発生を防
ぐことができ、局部過熱による流動媒体溶融による流動
不良をなくすことができる。 （３） 移動層過熱セルの底部から抜き出した流動媒体
を高温状態のまま燃焼セルに循環させ、流動媒体循環量
を変えることにより、過熱セルで発生する高温・高圧過
熱蒸気の温度・圧力を制御することができる。
で、つぎのような効果を奏する。 （１） 過熱セルを移動層としているので、過熱セルの
層内伝熱管の摩耗・腐食を防止することができる。 （２） 過熱セルには空気を送入しないので、飛散未燃
物の過熱セルでの燃焼を防止してスポット熱の発生を防
ぐことができ、局部過熱による流動媒体溶融による流動
不良をなくすことができる。 （３） 移動層過熱セルの底部から抜き出した流動媒体
を高温状態のまま燃焼セルに循環させ、流動媒体循環量
を変えることにより、過熱セルで発生する高温・高圧過
熱蒸気の温度・圧力を制御することができる。
【図１】本発明の実施の第１形態による流動床炉の熱回
収装置の概略構成図である。
収装置の概略構成図である。
【図２】図１に示す装置の平断面の一例を示す図であ
る。
る。
【図３】図１に示す装置の平断面の他の例を示す図であ
る。
る。
【図４】本発明の実施の第２形態による流動床炉の熱回
収装置の概略構成図である。
収装置の概略構成図である。
【図５】従来の流動床炉の熱回収装置の一例を示す概略
構成図である。
構成図である。
【図６】従来の流動床炉の熱回収装置の他の例を示す概
略構成図である。
略構成図である。
１０、１２ 層内仕切部材 １４ 風箱 １６、１８ 風箱仕切部材 ２０ 燃焼セル ２２、２４ 収熱セル ２６、２８ 層内伝熱管 ２６ａ、２６ｂ 蒸発器管（層内伝熱管） ２８ａ 過熱器管（層内伝熱管） ３０、３０ｂ 蒸発セル ３２ 過熱セル ３４ ボイラドラム ３６、３８ 通路 ４０、４２ 小風箱 ４４ 炉本体 ４６ 空気分散板 ４８ 不燃物等抜出管 ５０ 通路 ５２、６６ 層内仕切部材 ５４ 移動層過熱セル ５６ 流動媒体抜出口 ５８ 流動媒体排出機 ６０ 流動媒体搬送手段（バケットコンベア） ６２ 温度検出手段 ６４ 駆動源 ６８ 気流搬送管 ７０ ブロワ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 充 神戸市中央区東川崎町１丁目１番３号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (72)発明者 中西 源一郎 神戸市中央区東川崎町１丁目１番３号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (56)参考文献 特開 昭62−272089（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−6601（ＪＰ，Ａ) 実公 平６−45168（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F28D 13/00 F23C 11/02 F23G 5/30 F23G 5/46
Claims (6)
- 【請求項１】 可燃物を流動層燃焼セルで燃焼させ、流
動媒体を層内仕切部材をオーバーフローさせて流動層蒸
発セルに流入させるとともに、流動媒体を層内仕切部材
の下側から流動層燃焼セルに循環させ、流動層蒸発セル
に配設された蒸発器管により熱回収する流動床炉の熱回
収方法において、 流動層燃焼セルからの流動媒体を下側に通路を設けない
他の層内仕切部材をオーバーフローさせて、流動化空気
を送入しない移動層過熱セルに流入させるとともに、移
動層過熱セルの下部から流動媒体を抜き出し、移動層過
熱セルに配設された過熱器管により熱回収することを特
徴とする流動床炉の熱回収方法。 - 【請求項２】 移動層過熱セルの下部から抜き出した流
動媒体を、流動媒体排出機及び流動媒体搬送手段により
高温状態のまま流動層燃焼セルに循環させる請求項１記
載の流動床炉の熱回収方法。 - 【請求項３】 過熱器管出口の過熱蒸気の温度を、移動
層過熱セルの下部から抜き出した流動媒体の流動媒体循
環量により制御する請求項２記載の流動床炉の熱回収方
法。 - 【請求項４】 流動層燃焼室を縦方向の層内仕切部材で
この仕切部材の上方及び下方に通路が形成されるように
区分するとともに、この層内仕切部材の下側の風箱仕切
部材により風箱を区分するか、又は独立した小風箱を別
個に設けて流動層燃焼セルと流動層蒸発セルとを形成
し、流動層燃焼セルのガス流速を流動層蒸発セルのガス
流速よりも大きくすることにより、流動媒体を層内仕切
部材をオーバーフローさせて流動層蒸発セルに流入させ
るとともに、流動媒体を層内仕切部材の下側から流動層
燃焼セルに循環させるように構成し、流動層燃焼セルの
上側の炉本体に可燃物供給手段を接続し、流動層蒸発セ
ルに蒸発器管を配設し、流動層蒸発セルの流動化ガスが
層内仕切部材上側の通路を通って流動層燃焼セルのガス
と合流するようにした流動床炉の熱回収装置において、 流動層燃焼セルに隣接して、下側に通路が形成されず上
方のみに通路が形成されるような縦方向の他の層内仕切
部材を介して、下部から空気を送入しないようにして流
動媒体が移動層を形成するようにした移動層過熱セルを
設け、この移動層過熱セルに過熱器管を配設したことを
特徴とする流動床炉の熱回収装置。 - 【請求項５】 移動層過熱セルの下部に流動媒体排出機
を設け、流動媒体を高温状態のまま流動層燃焼セルに循
環できるように、この流動媒体排出機と流動層燃焼セル
の上方の炉本体とを流動媒体搬送手段を介して接続した
請求項４記載の流動床炉の熱回収装置。 - 【請求項６】 過熱器管の出口に温度検出手段を取り付
け、移動層過熱セルの下部から抜き出した流動媒体の流
動媒体循環量により過熱蒸気の温度が制御できるよう
に、この温度検出手段と流動媒体排出機の駆動源とを連
動接続した請求項５記載の流動床炉の熱回収装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6064298A JP2902625B1 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 流動床炉の熱回収方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6064298A JP2902625B1 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 流動床炉の熱回収方法及び装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2902625B1 true JP2902625B1 (ja) | 1999-06-07 |
| JPH11241892A JPH11241892A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=13148194
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6064298A Expired - Fee Related JP2902625B1 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 流動床炉の熱回収方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2902625B1 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6338430B2 (ja) * | 2014-04-16 | 2018-06-06 | 荏原環境プラント株式会社 | 旋回流型流動床炉 |
-
1998
- 1998-02-25 JP JP6064298A patent/JP2902625B1/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11241892A (ja) | 1999-09-07 |
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