JP3442521B2 - 複合式流動層廃棄物燃焼ボイラ - Google Patents

複合式流動層廃棄物燃焼ボイラ

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JP3442521B2 JP02673195A JP2673195A JP3442521B2 JP 3442521 B2 JP3442521 B2 JP 3442521B2 JP 02673195 A JP02673195 A JP 02673195A JP 2673195 A JP2673195 A JP 2673195A JP 3442521 B2 JP3442521 B2 JP 3442521B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23GCREMATION FURNACES; CONSUMING WASTE PRODUCTS BY COMBUSTION
    • F23G5/00Incineration of waste; Incinerator constructions; Details, accessories or control therefor
    • F23G5/30Incineration of waste; Incinerator constructions; Details, accessories or control therefor having a fluidised bed

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えばごみや産業廃棄
物が燃料とされる流動層廃棄物燃焼ボイラの改良に係
り、とりわけ、バブリング流動層と循環流動層とを複合
させた複合式流動層廃棄物燃焼ボイラに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、廃棄物中の廃プラスチック割合の
急増に伴い、廃棄物が投入と同時に熱分解ガスを一挙に
放出する傾向が強まっている。この為、廃棄物の供給量
やカロリーの変動に連動して、未燃ガス(CO等)の大
きな変動が生ずる。つまり、近年の高カロリーで軽い物
質(廃プラスチック等)の含有率が高い廃棄物は、従来
の流動層炉(例えば実開昭62−24211号、特開平
1−260206号、特開平1−260207号、実開
平4−122927号参照)では、フリーボードで浮遊
燃焼する割合が高くなり、フリーボードが高温になる。
その結果、NOx濃度が高くなったり、飛散灰が溶融し
て壁面にスケール付着したりする惧れがある。又、従来
の流動層炉の層内温度は、600〜800℃に保持して
居り、廃プラスチック等の高カロリーな廃棄物が投入さ
れた時には、瞬時に乾燥して熱分解ガスが発生し、この
ガスを燃焼させる2次空気の流量制御が追いつかない為
に一時的に空気不足状態になり、未燃ガスの発生量が高
くなる問題がある。 【0003】これらの問題に対しては、下記の様な対処
方法が採られている。 (1) 流動層炉への供給シュートにマイクロ波センサ
(上下方向2組、水平方向1組)を取付け、廃棄物が設
定値より過剰に投入された時を検出して流動化空気を約
60%に減少させ(空筒速度を1.0m/sから0.6
m/sにする)、2次空気を増加させ、廃棄物の供給量
を減少させる制御を行ない、未燃ガスの発生を抑制する
方法。 (2) 流動層炉内が明るくなり、炉圧が正圧になった
時を検出して1次空気を減少させ、2次空気を増加させ
る制御を行なう方法。 (3) 各散気管に電磁弁を設け、一定時間毎に順次空
気量を「強」「中」「弱」に切り替えて1周する方法
(サイクル流動化法と呼ばれている)。又、フリーボー
ドの2次空気の吹き込みを2倍としてサイクル燃焼に依
る1次空気の減量分(従来方式の1/2)を2次空気の
方に回す場合もある。 (4) 被燃焼物を流動媒体と共に流動化させて燃焼さ
せる焼却流動層と、該燃焼流動層からの燃焼ガス中から
固形分を分離して上記焼却流動層に循環させる粒子循環
路とを備えた循環式流動焼却炉において、被焼却物供給
手段と焼却流動層間に、上記被焼却物を低温で部分燃焼
させると共に未燃物を焼却流動層へ供給するガス化流動
層を接続し、該ガス化流動層で生じた可燃ガスを上記焼
却流動層の燃焼室に導入するガス導入路を設ける方法。 【0004】ところが、これらは、次の様に完全なもの
とは言えなかった。(1)の方法では、廃棄物の塊が供
給される時を検出して空気量を制御しようとしている
が、廃棄物の塊の内部は、密になって居らず、同じ大き
さの廃棄物の塊でも同じ量とは限らない。又、発熱量
も、どの程度であるか不明である。その様な廃棄物に対
してマイクロ波センサの検出では検出線上の1点さえ遮
れば廃棄物が通過したと判断するので、廃棄物量及び発
熱量を正確に測定する事ができず、燃焼空気を適量に設
定できない。(2)の方法では、炉内が明るくなって炉
圧が正圧になった時を検出しているが、この時には、既
に燃焼が始まって居り、空気比の制御、つまり1次空気
量を減少させて2次空気量を増加させる制御は、応答時
間遅れに依る後追い制御であって、未燃ガスの発生を抑
える根本的な対策とは言えない。(3)の方法では、強
弱を順番に繰り返して瞬時燃焼を防ごうとしているが、
熱分解速度は、流動層の強弱の差だけでは余り変わら
ず、ベッド温度が600〜700℃であれば熱分解は瞬
時に行なわれる。更に、弱部分では酸素量が少ないので
未燃ガスがより多く発生する惧れがある。(4)の方法
では循環粒子を冷却する熱交換部分がなく、フリーボー
ドの温度が800から900℃とするとガス化流動層の
温度を低温としても600〜700℃になる。そのよう
な温度では、廃棄物の熱分解速度は速く、ごみの供給量
やカロリーの変動による未燃ガスの大きな変動を抑えら
れない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の問題
点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その
目的とする処は、廃プラスチック割合の多い廃棄物を安
定に燃焼させて廃棄物のエネルギーを効率良く回収する
様にした複合式流動層廃棄物燃焼ボイラを提供するにあ
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の複合式流動層廃
棄物燃焼ボイラは、廃棄物を供給する供給装置と、供給
装置からの廃棄物を低温で熱分解する熱分解流動層と、
熱分解流動層に隣接して設けられ、熱分解流動層からの
燃焼物を燃焼させる燃焼流動層と、前記熱分解流動層と
燃焼流動層との境界に縦向きに設けられ、その上方及び
下方を夫々開口部とした壁と、熱分解流動層で生成され
て可燃性ガスと燃焼流動層で生じた可燃性ガスを燃焼さ
せるフリーボードと、フリーボードからの媒体粒子と未
燃粒子を回収するサイクロンと、サイクロンからの媒体
粒子と未燃粒子により熱を取り出して高温高圧の蒸気を
発生させると共に媒体粒子と未燃粒子を熱分解流動層に
戻す熱交換流動層とを備え、前記熱分解流動層と燃焼流
動層との境界に設けた縦向きの壁の上方の開口部を通し
て可燃性ガスと燃焼物と媒体粒子を燃焼流動層の上方部
へ、また壁の下方の開口部を通して媒体粒子と不燃物を
燃焼流動層内へ夫々供給すると共に、前記壁の下方の開
口部の近傍の熱分解流動層内へ制御用空気を供給し、当
該制御用空気の供給量を制御することにより前記媒体粒
子と不燃物の移動量を調節するようにした複合式流動層
廃棄物燃焼ボイラに於いて、前記燃焼流動層の空気を高
さ方向に多段吹き込みすると共にフリーボードの下方部
へ3次空気を吹き込みし、前記3次空気の吹き込み量を
減少させると共に燃焼流動層の層表面に近い流動層内へ
供給する2次空気の吹き込み量を増大させて燃焼流動層
の表面からの媒体粒子の飛び出し量を増大させることに
より、また、前記フリーボードへの3次空気の吹き込み
量を増大させると共に2次空気の吹き込み量を減少させ
て燃焼流動層の表面からの媒体粒子の飛び出し量を減少
させることにより、前記媒体粒子の循環量を調整するよ
うにしたことを発明の基本構成とするものである。 【0007】 【作用】廃棄物は、供給装置に依り熱分解流動層に供給
されて低温で熱分解される。熱分解された燃焼物は、燃
焼流動層に送られて燃焼される。熱分解流動層で生成さ
れた可燃性ガスと燃焼流動層で生じた可燃性ガスは、フ
リーボードで燃焼される。フリーボードからの媒体粒子
と未燃粒子は、サイクロンで回収される。サイクロンか
らの媒体粒子と未燃粒子は、熱交換流動層に送られ、こ
こで熱が取り出されて高温高圧の蒸気が発生された後
に、熱分解流動層に戻される。熱分解を低温、空気不足
状態で行ない、生成ガスを充分粒子濃度の高いフリーボ
ードで燃焼させる事と、生成ガスが燃焼流動層からのガ
スおよび過剰空気と合流し、その攪拌効果により酸素と
良く混合される事により、生成ガスが完全に燃焼される
ので、未燃ガスのまま炉外へ排出される事がない。又、
混合性が良いと、生成ガスの燃焼は、均一に行なわれる
ので、ホットスポットの様な部分的な燃焼に依り急激な
温度上昇となる現象がなくなり、NOx、スケール生成
等の問題が解決される。 【0008】 【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の複合式流動層廃棄物燃焼ボイ
ラの概要を示す縦断正面図。図2は、粒子循環量を減少
させる場合を示す縦断正面図。図3は、粒子循環量を増
加させる場合を示す図2と同様図である。 【0009】複合式流動層廃棄物燃焼ボイラ1は、廃棄
物Fを供給する供給装置2と、これからの廃棄物Fを低
温で熱分解する熱分解流動層3と、これからの燃焼物を
燃焼する燃焼流動層4と、熱分解流動層3で生成された
可燃性ガスG1と燃焼流動層4で生じた可燃性ガスG2
を燃焼させるフリーボード5と、これからの媒体粒子
(砂及び脱硫脱塩素材)と未燃粒子を回収するサイクロ
ン6と、これからの媒体粒子と未燃粒子に依り熱を取り
出して高温高圧の蒸気を発生させると共に媒体粒子と未
燃粒子を熱分解流動層3に戻す熱交換流動層7と、から
その主要部が構成されている。 【0010】複合式流動層廃棄物燃焼ボイラ1は、熱分
解流動層3、燃焼流動層4と熱交換流動層7という三つ
のバブリング流動層を設け、熱交換流動層7から熱分解
流動層3、燃焼流動層4へと媒体粒子が移動すると共
に、熱分解流動層からフリーボード5へ熱分解ガスを開
口部9を介して噴出させて熱分解ガスと空気の混合を促
進し、また、燃焼流動層4からの粒子の巻き上げを促進
し、フリーボード5で高い粒子濃度での媒体粒子の内部
循環を行い、高さ方向への空気多段吹き込みに依りフリ
ーボード5からの媒体粒子の飛び出し量を調整しつつ、
飛び出した媒体粒子及び未燃粒子をサイクロン6に依っ
て回収し、熱交換流動層7、熱分解流動層3へとリサイ
クルする事に依り、ごみの供給量やカロリーの変動の
吸収、熱交換流動層7での高温高圧蒸気の発生、脱
硫脱塩素剤の高利用率、未燃粒子の完全燃焼を実現
し、更に、フリーボード5での効果的な余剰熱回収と粒
子循環流動層に共通の良好な炉温制御性のあるシステム
をコンパクトに実現している。 【0011】複合式流動層廃棄物燃焼ボイラ1の燃焼過
程は、次の様に行なわれる。熱分解を低温300〜50
0℃、空気不足状態で熱分解されることにより廃棄物の
熱分解速度が遅くなり、フリーボード5からの媒体粒子
の進入がないように開口面積を絞り可燃性ガスG1の流
速を4〜5m/sにしてある開口部9を通過した可燃性
ガスG1と燃焼流動層で発生した可燃性ガスG2を通常
のバブリング流動層よりも充分粒子濃度の高いフリーボ
ード5で燃焼させる事に依り、可燃性ガスG1,G2が
合流部で酸素と良く混合され、完全に燃焼されるので、
未燃ガスのまま炉外へ排出される事がなくなる。又、混
合性が良いと、可燃性ガスG1,G2の燃焼は、均一に
行なわれるので、ホットスポットの様な部分的な燃焼に
依り急激な温度上昇となる現象がなくなり、NOx、ス
ケール生成等の問題が解決される。燃焼流動層4は、熱
分解流動層3で燃焼性ガスG1を放出した後の燃焼物
(チャー)を燃焼する為と、石炭等の燃料では見られな
い大きな不燃物(缶類、針金等)を流動層内で沈降させ
て分離させ、炉外へ排出する為にバブリング型の流動層
にしてある。フリーボード5から飛び出した未燃粒子
は、サイクロン6で回収され、熱分解流動層3に再投入
される事で未燃粒子の完全燃焼が実現される。媒体粒子
として石灰石を炉内に投入すれば、有害ガス(SOx、
HCl)を吸収すると共に、フリーボード5にも微粉石
灰石が浮遊する為、バブリング流動層に比べて高い脱硫
脱塩素効率が得られる。この様に全体として、燃焼を2
段階で行ない、廃プラスチックの割合の多い廃棄物に対
応できる様にしてある。 【0012】ごみの供給量およびごみのカロリー変動に
起因する未燃ガス排出量の大きな変動の抑制は次のよう
に行われる。揮発分燃焼が粒子層から廃棄物への伝熱律
速で行われると考えて、揮発分の燃焼速度は揮発分の熱
分解速度と同じになり、物体の入熱はすべて揮発分の蒸
発に用いられる。また揮発分を放出している部分の温度
は熱分解温度に保たれるとする。揮発分燃焼速度r
dv[kg/s]は次式のように表される。 【数1】 ここでρs :物体密度[kg/m3 ]、XV0:初期揮発分
[wt%]、ds0:初期物体径[m]、dsc:揮発分未放
出殻径[m]、(-ΔH) dv:揮発分の熱分解および蒸発
潜熱[J/kg]、Tbed :層温度[k]、Tdv:熱分解温
度[k]、Tss:物体表面温度[k]、ks :物体の熱
伝導度[w/(m・k)]、hss:物体表面と流動層間の伝熱
係数[w/(m2 ・k)]である。上式で用いた伝熱係数hss
は、つぎの Tsukada-Horioの式( Tsukada, M. andM.Ho
rio,: lnd. Eng. Chem. Res., 31, 4, 1147, ,1992) に
より求まる。 【数2】 ただしke は粒子濃厚層の有効熱伝導度[w/(m・k)]で
ある。式(2)を式(1)に代入し式(1)を初期条件
t=0,dsc=ds0 で積分し整理すると揮発分未放出
殻径dsc と時間との関係は次のようになる。ただしT
dv 、(-ΔH) dv はここでは一定として積分した。 【数3】 sc=0の時の揮発分燃焼完結時間tdv は次式で与え
られる。 【数4】 層温度が熱分解温度に近づくほど熱分解完結時間が長く
なる。式(4)より式(3)は次のように簡潔に表され
る。 【数5】 揮発分放出割合Xdv(t)と粒径(dsc/ds0)との関係
は次のように得られる。 【数6】 よって式(4),(3)より揮発分放出割合Xdv(t)は
次のように表される。 【数7】 0秒時に投入された物体がt秒後に熱分解流動層炉から
発生する層平均熱分解率の変化速度 【数8】は次のように表される。 【数9】 ただしdXdv(t)/dtはt秒後の1個粒子の熱分解率
変化速度[−]、 【数10】 はt秒時に流動層内に滞留している物体の割合である。
流動層内の投入物体の挙動が完全混合流れであるとする
と、 【数11】 が成立する。ここで 【数12】 は物体の平均滞留時間を表す。よって式(8)は次のよ
うになる。 【数13】 【0013】例えばベッド面積4m2 、層高1m、媒体
粒子にかさ密度1200kg/m3のけい砂を用いた場
合の流動層のベッド質量は、4800kgとなり、廃棄
物の供給量が4.8kg/sとすると平均滞留時間は1
000秒となる。未燃ガスの大きな変動の要因であるプ
ラスチック類の燃焼時間は数十秒のオーダーであり、揮
発分を放出している間はそのほとんどが層内に滞留して
いると考えられる。平均滞留時間が1000秒、揮発分
燃焼簡潔時間tdv が10、100秒の場合の層平均熱
分解率変化速度 【数14】 の経時変化を図4に示す。揮発分燃焼完結時間tdv
10秒の場合は投入後数秒で熱分解が終了し、未燃ガス
の大量の排出が予測される。しかし、揮発分燃焼完結時
間tdv が10倍の100秒にすれば平均的に排出され
る。よって揮発分燃焼完結時間tdv を現状の数倍にな
るように層温度を低くし、層温度と熱分解温度との差を
現状の数分の一にすれば、ごみの供給量およびごみのカ
ロリー変動に起因する未燃ガス排出量の大きな変動の抑
制することができる。 【0014】複合式流動層廃棄物燃焼ボイラ1の熱回収
は、次の様に行なわれる。フリーボード5で可燃性ガス
G1,G2が燃焼する事に依り発生する余剰熱は、フリ
ーボード5の壁面の伝熱面で回収される。回収熱量は、
粒子循環量に比例するので、粒子循環量を変える事に依
り容易に制御できる。フリーボード5は、充分に粒子濃
度が高く、媒体粒子の内部循環のある時の伝熱速度が、
バブリング流動層のフリーボードの様に粒子濃度が希薄
な場合よりも、著しく大きい為、伝熱面をコンパクトに
する事ができる。サイクロン6で回収した熱い媒体粒子
は、熱交換流動層7へ供給される。熱交換流動層7に供
給された熱い媒体粒子は、HCl、H2 SO4 等の腐食
成分が少ない循環粒子と未燃粒子であり、これに依り5
10℃程度の高温蒸気を得る事も可能である。仮に腐食
成分があったとしても循環粒子に吸収剤が含まれてお
り、それにより腐食成分は吸収される。さらにHCl等
の腐食性ガスが検知された場合は、熱交換流動層7に吸
収剤を供給する。通常の廃棄物焼却炉に於ては、HCl
ガスの発生に依る腐食を避ける為に300〜350℃程
度の蒸気温度に抑えて設計されていた。然しながら、こ
の様な必要がなく、前記高温蒸気で発電する事に依り燃
料のエネルギの利用効率が向上する。熱交換流動層7で
は、流動層内に伝熱管を配置し、伝熱管の磨耗を防ぐ
為、空筒速度を0.9m/s以下に設定してある。熱交
換流動層7内の媒体粒子の流れをプラグフローに近付け
る為に内部に幾つか壁を設けて分割してある。熱交換流
動層7を経た媒体粒子及び未燃粒子は、熱分解流動層3
へ供給されて熱分解用の熱源とされる。又、熱分解流動
層3の緊急の冷却が必要な場合には、図略しているが、
バンカから外気温の媒体粒子を炉内に投入する。 【0015】複合式流動層廃棄物燃焼ボイラ1の粒子循
環量の制御は、次の様に行なう。先ず、燃焼流動層4の
空気を高さ方向に多段吹き込みし、その分布を自由に選
ぶ。例えば、フリーボード5へ3次空気A3の吹き込み
を多くすれば層表面からの媒体粒子の飛び出しが少なく
なる為、粒子循環量を減らす事ができる(図2参照)。
逆に、粒子循環量を増やしたい時には、層表面からの2
次空気A2の吹き込みを増やし、これに伴うNOx等の
変動に対処する為に、フリーボード5への3次空気A3
の吹き込み量を調整する(図3参照)。 【0016】次に、媒体粒子の各流動層間の移動方法を
示す。熱交換流動層7、熱分解流動層3、燃焼流動層4
という3つのバブリング流動層が、設置してあり、媒体
粒子が熱交換流動層7、熱分解流動層3、燃焼流動層4
へと移動するようになっている。熱分解流動層3、燃焼
流動層4の間には厚い壁8があり、媒体粒子は、壁8
の上を乗り越える場合と、壁8の下の隙間を通る場合
の2通りの経路をとり、熱分解流動層3から燃焼流動層
4へ移動する。の場合は、木材の様に軽く、又、燃焼
時間の長い廃棄物Fを媒体粒子に伴って燃焼流動層4に
供給する為の経路であり、の場合は、不燃物の様な重
たい廃棄物Fを媒体粒子に伴って熱分解流動層3、燃焼
流動層4、炉外へと排出する為の経路である。の場合
の粒子移動量の制御では、流動化空気A0を多く吹き込
む事に依り層高を上げ、溢流する媒体粒子の量を増加さ
せる。の場合は、制御用空気A4を増加させる事で壁
8の下の部分を移動層とし、ここを通過する媒体粒子の
移動量を増加させる。又、制御用空気A4の吹き込みを
止める事で媒体粒子の移動を停止させる。メカニカルバ
ルブ等の流量調節器10を用い熱交換流動層7から熱分
解流動層3の媒体粒子の移動量を制御する。 【0017】本発明では、低位発熱量がある程度存在す
る限りに於て、汚泥や厨芥等の水分の多い低カロリー廃
棄物をも助燃なしで燃焼する事ができる。それは熱分解
流動層3を乾燥炉として運転する事に依り燃焼流動層4
では廃棄物を自燃でき、その輻射熱及び熱い媒体粒子の
供給に依り乾燥を行なう事ができるからである。 【0018】 【発明の効果】以上、既述した如く、本発明に依れば、
次の様な優れた効果を奏する事ができる。 (1) 供給装置、熱分解流動層、燃焼流動層、フリー
ボード、サイクロン、熱交換流動層とで構成し、とりわ
け、熱分解流動層と燃焼流動層という二つのバブリング
流動層をフリーボードを共有する形で隣接して設けたの
で、熱分解流動層に投入された廃棄物の熱分解速度が遅
くなり廃棄物の供給量やカロリーの変動を吸収する事が
でき、廃プラスチック割合の多い廃棄物を安定に燃焼さ
せて廃棄物のエネルギーを効率良く回収する事ができ
る。 (2) 熱分解流動層と燃焼流動層から生成したガスを
通常のバブリング流動層よりも粒子濃度が高いフリーボ
ードで燃焼させる様にしたので、生成ガスが酸素と良く
混合されて完全に燃焼される。 (3) 生成ガスが良く混合されるので、フリーボード
ではこれが均一に燃焼されてNOxやスケールの生成を
防止する事ができる。 (4) 媒体粒子及び未燃粒子をサイクロンに依って回
収して熱交換流動層から熱分解流動層へとリサイクルす
る様にしたので、ごみの供給量やカロリーの変動の吸
収、熱交換流動層での高温高圧蒸気の発生、脱硫脱
塩素剤の高利用率、未燃分の完全燃焼を実現する事が
できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の複合式流動層廃棄物燃焼ボイラの概要
を示す縦断正面図。 【図2】粒子循環量を減少させる場合を示す縦断正面
図。 【図3】粒子循環量を増加させる場合を示す図2と同様
図。 【図4】層平均熱分解率の変化速度の経時変化を示す
図。 【符号の説明】 1…複合式流動層廃棄物燃焼ボイラ、2…供給装置、3
…熱分解流動層、4…燃焼流動層、5…フリーボード、
6…サイクロン、7…熱交換流動層、8…壁、9…開口
部、10…流量調節器、A0…流動化空気、A1…1次
空気、A2…2次空気、A3…3次空気、A4…制御用
空気、A5…流動化空気、F…廃棄物、G1,G2…可
燃性ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F23G 5/46 ZAB F23C 11/02 311 (72)発明者 熊田 雅行 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号 株式会社タクマ内 (56)参考文献 特開 平5−141636(JP,A) 特開 昭62−213604(JP,A) 特開 平1−260207(JP,A) 特開 平4−350409(JP,A) 実開 平4−122927(JP,U) 実開 昭49−75960(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/027 F22B 1/02 F23C 10/02 F23G 5/30 F23G 5/46

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 廃棄物を供給する供給装置と、供給装置
    からの廃棄物を低温で熱分解する熱分解流動層と、熱分
    解流動層に隣接して設けられ、熱分解流動層からの燃焼
    物を燃焼させる燃焼流動層と、前記熱分解流動層と燃焼
    流動層との境界に縦向きに設けられ、その上方及び下方
    を夫々開口部とした壁と、熱分解流動層で生成されて可
    燃性ガスと燃焼流動層で生じた可燃性ガスを燃焼させる
    フリーボードと、フリーボードからの媒体粒子と未燃粒
    子を回収するサイクロンと、サイクロンからの媒体粒子
    と未燃粒子により熱を取り出して高温高圧の蒸気を発生
    させると共に媒体粒子と未燃粒子を熱分解流動層に戻す
    熱交換流動層とを備え、前記熱分解流動層と燃焼流動層
    との境界に設けた縦向きの壁の上方の開口部を通して可
    燃性ガスと燃焼物と媒体粒子を燃焼流動層の上方部へ、
    また壁の下方の開口部を通して媒体粒子と不燃物を燃焼
    流動層内へ夫々供給すると共に、前記壁の下方の開口部
    の近傍の熱分解流動層内へ制御用空気を供給し、当該制
    御用空気の供給量を制御することにより前記媒体粒子と
    不燃物の移動量を調節するようにした複合式流動層廃棄
    物燃焼ボイラに於いて、前記燃焼流動層の空気を高さ方
    向に多段吹き込みすると共にフリーボードの下方部へ3
    次空気を吹き込みし、前記3次空気の吹き込み量を減少
    させると共に燃焼流動層の層表面に近い流動層内へ供給
    する2次空気の吹き込み量を増大させて燃焼流動層の表
    面からの媒体粒子の飛び出し量を増大させることによ
    り、また、前記フリーボードへの3次空気の吹き込み量
    を増大させると共に2次空気の吹き込み量を減少させて
    燃焼流動層の表面からの媒体粒子の飛び出し量を減少さ
    せることにより、前記媒体粒子の循環量を調整するよう
    にしたことを特徴とする複合式流動層廃棄物燃焼ボイ
    ラ。
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