JP2009085572A - 粉体および粒体を含む可燃物の燃焼用ボイラ - Google Patents
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Abstract
【課題】 木屑や籾殻など粉体および粒体を含む可燃物などの燃料は燃焼の際舞上がって燃焼用空気と十分に接触しないか、相対速度が小さくなるのでよく燃えない。燃料が臭気を有する場合には臭気成分(気体・液体)を高温に加熱して分解するのが確実かつ安価であるが、燃料がよく燃えない燃焼空間に臭気成分を入れても高温にならず、分解することはできない。
【解決の手段】 粉体・粒体を含む燃料を高速空気により燃焼させるためサイクロン型燃焼室を用いる。その未燃分を完全に燃焼するためこの燃焼室の後流に炉筒を設け、これにバーナの熱量と旋回空気を供給して完全燃焼を図る。多水分・低発熱量の燃料の場合は空気予熱器を設け燃焼温度を高める。臭気成分をこの炉筒に吹込んで脱臭を行う。これに接触伝熱面・マルチサイクロン集塵器を設ける。
【選択図】 図1
【解決の手段】 粉体・粒体を含む燃料を高速空気により燃焼させるためサイクロン型燃焼室を用いる。その未燃分を完全に燃焼するためこの燃焼室の後流に炉筒を設け、これにバーナの熱量と旋回空気を供給して完全燃焼を図る。多水分・低発熱量の燃料の場合は空気予熱器を設け燃焼温度を高める。臭気成分をこの炉筒に吹込んで脱臭を行う。これに接触伝熱面・マルチサイクロン集塵器を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は粉体および粒体を含む可燃物などの燃焼用蒸気或いは温水ボイラに関するものである。
木屑や籾殻など粉体および粒体を含む可燃物などの燃料は燃焼の際舞上がって燃焼用空気と十分に接触しないか、相対速度が小さくなるのでよく燃えない。
燃料が臭気を有する場合には臭気成分(気体・液体)を高温に加熱して分解するのが確実かつ安価であるが、燃料がよく燃えない燃焼空間に臭気成分を入れても高温にならず、分解することはできない。
本発明はこの欠点を除く方法を提供するものである。即ち、静止および浮遊する燃料を燃焼用空気とよく接触させ、両者の相対速度を大きくして燃焼をよくすること、高温の燃焼域を造り、そこへ臭気成分を入れて高温で分解すること、が本発明の課題である
燃料と燃焼用空気の相対速度を大きくするためには燃料を静止させ空気を高速にて吹付ければよい。しかし、燃料が粉体または粒体であるとこれは高速空気によって吹飛ばされるからこれを静止させることは難しい。浮遊中の燃料と空気の相対速度を大きくするためにはサイクロン燃焼器のように粉体または粒体燃料をサイクロン内壁近くで低速で旋回させ、燃焼用空気を高速で旋回させるとよい。
臭気をなくすには臭気を有する気体或いは液体を800℃以上の高温にして分解する。このため気体或いは液体の噴霧を高温の火炎または燃焼ガス中に吹込む。低温の気体或いは液体の噴霧を吹込むには火炎ではなく燃焼の終わった燃焼ガスに行う方がよい。燃焼中の火炎に吹込むと火炎の温度が下がって燃焼が阻害されることがある。
臭気をなくすには臭気を有する気体或いは液体を800℃以上の高温にして分解する。このため気体或いは液体の噴霧を高温の火炎または燃焼ガス中に吹込む。低温の気体或いは液体の噴霧を吹込むには火炎ではなく燃焼の終わった燃焼ガスに行う方がよい。燃焼中の火炎に吹込むと火炎の温度が下がって燃焼が阻害されることがある。
即ち、本発明では舞上がった燃料および燃焼用空気とともに供給された燃料をサイクロン型旋回燃焼器で捕らえ、その内壁付近で低速で旋回させ、燃焼用空気を高速で旋回させ、相対速度を大きくして燃焼させる。また、臭気のある気体・液体を炉筒型2次燃焼器の燃焼ガスに吹込みまたは噴霧して800℃以上の高温に加熱して臭気成分を分解する。
粉体および粒体燃料をサイクロン燃焼器へ供給する方法には3種類ある。1つは立型でこの場合には燃焼器底の中心の孔から燃料を供給するとこれは山積みになる。その周囲から燃焼用空気を高速かつ旋回するように吹付けると、粉体・粒体を含む燃料は大部分舞上がって空気流に乗り、重いものは外側に軽いものは中心に寄るサイクロン効果により燃料は重いため燃焼室内壁近くを低速で流れ、燃焼用空気は軽いため高速で流れるが、その経路は空気の吹込み方によって決まり、燃焼室内壁近くを高速で流れるようにすることができる。他の1つは立型で燃料を燃焼用空気とともに高速かつ旋回するように供給すると、粉体・粒体を含む燃料は空気流に乗り、重いものは外側に軽いものは中心に寄るサイクロン効果により燃料は重いため燃焼室内壁近くを低速で流れ、燃焼用空気は軽いため高速で流れるが、その経路は空気の吹込み方によって決まり、燃焼室内壁近くを高速で流れるようにすることができる。しかし、この燃料供給法では燃焼室中央には燃料したがって燃焼の核が存在せず、強力な燃焼が得られない。そこで、燃料は燃焼室に中央下からも供給し、燃焼室の中央に溜まる燃料が高速で擦過する燃焼用空気によって燃焼するようにする。他の1つは横型で燃料と燃焼用空気は円筒形燃焼室の端面近くの円筒形側壁から吹込む。すると燃料は空気流に乗り、重いため燃焼室内壁近くを低速で流れ、燃焼用空気は軽いため高速で流れるが、その経路は空気の吹込み方によって決まり、燃焼室内壁近くを高速で流れるようにすることができる。
立型の場合には燃焼器底の中心に山積みになった燃料は比較的少量で、大部分の燃料は浮遊するので燃焼室内壁近くで燃え、残った山積みの燃料はそこで燃料表面を高速で擦過する燃焼用空気によって高温熾き燃焼する。燃焼室内には強い旋回のため燃焼室中心部に真空ができ、これに火炎或いは燃焼ガスが吸寄せられる。燃焼室内壁近傍の燃焼が燃焼の第1の核になり、中心部の燃焼が第2の核になる。このような燃焼状態によって燃料は急速かつ高温で燃焼するので燃焼室内で殆ど燃え尽きる。横型の場合は燃料は殆ど全部浮遊燃焼するが、少量は燃焼室側壁に溜まって熾き燃焼する。
本発明では燃焼室の燃焼ガス後流に炉筒を設け、その端面に2次燃焼を行うため油バーナと2次空気を旋回しつつ供給する空気孔がある。同じ端面側側壁の孔から燃焼ガスが流入するが、もし未燃ガスまたは未燃燃料があると炉筒内で旋回2次燃焼が生じ未燃分の完全燃焼が起こる。
炉筒には燃焼室から高温の燃焼ガスが流入し、燃料の未燃分や未燃ガスの2次燃焼が生じるから、かなりの高温になる。未燃分の発熱量が高く、油バーナによって熱量を追加しなくても高温燃焼が可能な場合には油バーナは運転せず、2次空気だけを供給し燃焼させることもできる。臭気のある気体・液体の噴霧はこの炉筒に吹込まれて臭気の分解温度(800℃)以上に加熱され脱臭される。
水分が多く、可燃物の発熱量が少ない場合は燃焼が困難になるか、燃焼ガスの温度が低くなり、脱臭が困難または不可能になるから、燃焼ガスの温度を高めるためボイラに燃焼ガスによって加熱される空気予熱器を設け、この予熱空気を燃焼室および炉筒に供給し、両者の燃焼温度および燃焼ガス温度を高める。
炉筒の燃焼ガス後流にはボイラの接触伝熱面を設ける。通常これは煙管で造られるが、水管で造ってもよい。煙管の場合は管内に燃料の燃焼した灰が溜まるが、空気・蒸気を用いたスートブロアによって簡単に除去することができる。水管の場合は灰は管の外側に着くがこれもスートブロアによって容易に除去することができる。
接触伝熱面の後には集塵器を設ける。マルチサイクロンが簡単かつ有効である。バグフイルタや湿式集塵器を用いることもできる。
燃焼ガスの潜熱回収を図る場合には凝縮器を設ける。燃焼ガスはボイラの接触伝熱面でその熱を回収され、蒸気または温水を造る。燃焼ガス中の水蒸気の潜熱を凝縮器を用いて回収するとボイラの排ガス損失が小さくなりボイラ効率が高くなる。
従来、粉体および粒体を含む可燃物を燃焼させる適当なボイラがなかった。固定床燃焼は燃料と燃焼用空気が十分に接触しないので攪拌機が必要であるがこれはすぐに焼けてしまう。ストーカ燃焼では燃料が火格子の隙間から燃焼せずに落ち、また舞上がってしまってうまく燃えない。バーナ燃焼は燃料が粗過ぎて浮遊燃焼で燃切らない。流動層燃焼は流動用空気の圧力が高く動力が過大で、飛散った燃料の回収と再燃焼装置が必要である。
本発明のボイラでは、粉体および粒体燃料は旋回浮遊燃焼を行い、燃焼用空気との相対速度が大きく、燃焼経路が長いのでよく燃える。大きな寸法の燃料は立型燃焼室では燃焼室底中央で、横型燃焼室では円筒側壁で、燃料表面を高速で擦過する燃焼用空気によって高温熾き燃焼する。また、旋回火炎の中心は真空になるため周囲の高温火炎および高温燃焼ガスを呼込むため高温になり、燃焼室全体の燃焼が熾烈になる。未燃分が生じても燃焼室に続く炉筒でこれは再び旋回燃焼し、完全燃焼が達成される。
本発明のボイラでは燃料に粉体および粒体が混じっていてもこれは燃焼室と炉筒の2つの旋回燃焼によって完全燃焼し、寸法の大きな燃料は燃焼室底で高速旋回燃焼用空気によって強力に燃焼する。燃焼用空気の圧力は流動層の場合より低い。これは流動層のように燃料を流動するに必要な圧力を加える必要がないからである。
本発明では臭気成分を含む気体・液体の噴霧をボイラの燃焼室に続く炉筒において燃焼ガスに吹付け、臭気が分解する温度以上に加熱する。脱臭された燃焼ガスはボイラで熱回収されるが、凝縮器を設ければ燃焼ガス中の水蒸気の潜熱も回収され、ボイラ効率は向上する。
水分が多く、可燃物の発熱量が小さい場合はボイラに空気予熱器を設け、予熱空気を可燃物の燃焼に用いれば燃焼温度従って燃焼ガス温度が高くなり、脱臭が可能になる。
本発明は粉体および粒体を含む燃料を燃焼させるボイラに関するものである。これはサイクロン燃焼室と炉筒および接触伝熱面、さらにマルチサイクロン集塵器、場合によっては空気予熱器および凝縮器を有する。立型サイクロン燃焼室の底中央から燃料を供給し、その周囲から燃焼用空気を旋回するように吹込むか、燃料の一部を燃焼用空気とともに旋回させつつ吹込む。燃焼室を出た未燃分は炉筒に入り、炉筒の1端からバーナの火炎と旋回する2次空気を供給されて、完全燃焼する。それから燃焼ガスは煙管に入り、ボイラ水にその熱を与え、マルチサイクロン集塵器で除塵されてボイラを出る。燃料に臭気成分が含まれるときは気体或いは液体の噴霧の臭気成分を炉筒に吹込み、燃焼ガスによって脱臭する。燃料の発熱量が低い場合には空気予熱器を設け、燃焼用空気を高温にして燃焼温度を高める。ボイラの効率を向上させるために排ガスの潜熱回収のため凝縮器を設ける。これが最良の形態である。
図1は粉体および粒体を含む燃料を用いて蒸気を得る本発明のボイラの一実施例である。燃焼室は立型円筒形で内面が耐火材で覆われ、底面中央に燃料供給孔があり、底面近くに燃焼用空気が接線方向に供給される空気孔があり、上面中央に燃焼ガス出口孔がある。下から燃料が押出されて供給されると燃料は燃焼室中央に山積みになる。これに燃焼用空気が供給されると燃料の大部分は舞上がって旋回し燃焼室側壁近傍で燃焼し、燃料の残りは底で熾き燃焼する。両者とも燃料に対する燃焼用空気の相対速度が非常に大きいので激しく燃焼する。また旋回によって燃焼室中央上部に真空ができるので周囲の火炎或いは燃焼ガスがこれに吸込まれ、此処が高温になると共に燃料の燃焼航路が長くなって燃焼に十分な時間が与えられる。炉筒は横型円筒形で内面を耐火材で内張りする。端面に近い炉筒側壁に燃焼室と炉筒を繋ぐ接続筒を有し、炉筒端面に油バーナと2次空気用送風機を備え、炉筒に火炎と旋回空気を供給する。これにより燃焼室で燃切れなかった未燃分(気体・固体)は炉筒で完全燃焼する。未燃分の発熱量が高く、油バーナによって熱量を追加しなくても高温燃焼が可能な場合には油バーナは運転せず、2次空気だけを供給し燃焼させることもできる。炉筒出口には管式空気予熱器が設けられる。これは燃料の水分が多く、発熱量が低い場合に燃焼温度を高め完全燃焼を図るとき有効である。炉筒を臭気成分を含む気体・液体の脱臭に用いる場合には気体・液体の噴霧を炉筒の前から吹込むが、炉筒内は高温の燃焼ガスで満たされるから目的は完全に果たされる。空気予熱器を出た燃焼ガスは煙管に入るが、此処で熱をボイラ水に与え蒸気を発生する。煙管出口にはマルチサイクロン集塵器が設けられる。ボイラ効率を高めるためにはボイラ排ガスの潜熱の回収を行う凝縮器を設ける。
粉体および粒体を含む燃料は燃焼用空気を高速で供給すると吹飛んでしまって燃焼させることが難しい。燃料と燃焼用空気との相対速度を増すためにはサイクロン燃焼によるのがよい。本発明のボイラの燃焼室では燃料は燃焼室下部中央から供給され、そこに溜まるが、燃焼用空気が強力に旋回するよう供給され、粉体および粒体を含む大部分の燃料は空気流に乗って旋回し、大きな相対速度を得るため高速燃焼し、残りの燃料は燃焼室底に溜まって高速燃焼用空気によりこれも大きな相対速度で高速燃焼する。燃料の一部は焼用空気とともに供給することもでき、この場合は浮遊旋回する燃料が多くなる。また旋回流により燃焼室中心に真空ができ高温の火炎・燃焼ガスが吸込まれて火炎を保持すると共に燃料の燃焼軌跡を長くするので燃焼時間が長くなり、良好な燃焼が得られる。2次空気が旋回して供給される炉筒により燃焼室を出た未燃分は完全に燃焼する。
本発明のボイラに空気予熱器を設けると、水分が多いか発熱量が低い燃料でも燃焼温度が高くなるため良好な燃焼を得ることができる。
燃料が臭気成分を含む場合は臭気成分を炉筒に吹込むと高温のため分解する。
1 燃焼室
2 コンベア
3 炉筒
4 バーナ
5 煙管
6 臭気成分吹き込み口
2 コンベア
3 炉筒
4 バーナ
5 煙管
6 臭気成分吹き込み口
Claims (3)
- 粉体および粒体を含む可燃物の燃焼装置として円筒形燃焼室と炉筒および煙管など接触伝熱面から成るボイラにおいて、可燃物は燃焼室の一端の中央から、燃焼用空気はその周辺から強力に旋回するように供給されて、可燃物の一部は浮遊し旋回しつつ燃焼し、一部は燃焼室の中央に溜まって燃焼し、燃焼室で燃焼し切れなかった可燃物はつぎの炉筒の一端から炉筒に流入するが、此処で同じ端面から旋回するように供給されるバーナおよび2次空気によって完全燃焼し、燃焼ガスは煙管など接触伝熱面を通ってこれに熱量を与えることを特徴とする蒸気或いは温水ボイラ。
- 請求項1において可燃物は燃焼室の一端の中央の他、一部は燃焼用空気とともに燃焼室の周辺から強力に旋回するように供給されて、可燃物の一部は浮遊し旋回しつつ燃焼し、一部は燃焼室の中央に溜まって燃焼するようにしたことを特徴とする蒸気或いは温水ボイラ。
- 請求項1および2において臭気のある気体または液体を炉筒に吹込み、燃焼ガスによって脱臭することを特徴とする蒸気或いは温水ボイラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007259753A JP2009085572A (ja) | 2007-10-03 | 2007-10-03 | 粉体および粒体を含む可燃物の燃焼用ボイラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007259753A JP2009085572A (ja) | 2007-10-03 | 2007-10-03 | 粉体および粒体を含む可燃物の燃焼用ボイラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009085572A true JP2009085572A (ja) | 2009-04-23 |
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Family Applications (1)
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JP2007259753A Pending JP2009085572A (ja) | 2007-10-03 | 2007-10-03 | 粉体および粒体を含む可燃物の燃焼用ボイラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009085572A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106123562A (zh) * | 2016-08-16 | 2016-11-16 | 岳秀宇 | 卧式热风水暖两用烘干炉 |
CN107270308A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-10-20 | 中南大学 | 一种碳化炉可燃废气燃烧热量回收装置 |
-
2007
- 2007-10-03 JP JP2007259753A patent/JP2009085572A/ja active Pending
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