JP6906878B1 - 燃焼炉及びボイラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物固形燃料やバイオマス燃料等の被燃焼物を効果的に着火でき、不完全燃焼の発生を低減できる燃焼炉及びボイラシステムを提供する。【解決手段】燃焼炉1は、被燃焼物を投入及び着火して1次燃焼を行う第1燃焼部2と、第2次燃焼を行う第2燃焼部3と、第3次燃焼を行う第3燃焼部4を備える。第1燃焼部2は、中心軸を水平方向に対して傾斜して配置された円錐台形状の第1燃焼室8と、被燃焼物を投入する投入コンベヤ5と、被燃焼物を着火するバーナ6と、第1燃焼室8に第1燃焼空気を供給して旋回流を形成する複数の第1燃焼空気供給口9を有する。第2燃焼部3は、中心軸を水平方向に対して傾斜して配置され、中心軸回りに回転駆動される円筒形状の第2燃焼室17を有する。第1燃焼部2の外周部に設けられた空気室10と整流室11を通った空気が第2燃焼空気供給口12から吹き出されて、第2燃焼室17内に第2燃焼空気の旋回流を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば廃棄物固形燃料や木質燃料を燃焼する燃焼炉と、これを用いたボイラシステムに関する。
従来より、廃棄物固形燃料やバイオマス燃料を燃焼する燃焼炉として、ストーカ炉が用いられている(例えば、特許文献1参照)。ストーカ炉は、火格子の上に被燃焼物を導き、下方から燃焼空気を供給すると共に可動火格子で被燃焼物を撹拌し、被燃焼物の燃焼を促進する。被燃焼物が燃焼して生成された灰は、可動火格子によって火格子の下流側に導き、収集部に収集している。
ストーカ炉の火格子は、固定火格子と可動火格子が互いに隣接して配置されており、この固定火格子と可動火格子との間等に、廃棄物固形燃料に含まれるプラスチックが溶融して滞留し、不燃物が凝集してクリンカが固着しやすい問題がある。また、被燃焼物に塩化ビニルが含まれる場合、燃焼に伴って塩化水素が生じ、これにより可動火格子の金属部分が腐食して燃焼炉が劣化する問題がある。
また、従来より、廃棄物固形燃料やバイオマス燃料を燃焼する燃焼炉として、ロータリーキルンが用いられている(例えば、特許文献2参照)。ロータリーキルンは、内側に円筒形状の燃焼室が形成されて回転駆動される燃焼炉を、一端よりも他端が低くなるように、中心軸を水平方向に対して傾斜して配置している。この燃焼室の一端に、被燃焼物の投入口と、燃焼空気の吹出口と、着火用バーナが設けられている。投入口から供給して着火した被燃焼物を、回転する燃焼炉で撹拌しながら、重力で他端側に移動させる間に燃焼させる。ロータリーキルンの燃焼室は、内壁が耐火材で覆われて金属部分が露出していないので、塩化ビニルを含まれる被燃焼物を燃焼しても腐食が生じにくい利点がある。
特開2010−203713号公報 特開2008−139009号公報
しかしながら、上記従来のロータリーキルンは、円筒形状の燃焼室の一端に投入した被燃焼物を着火し難い不都合がある。詳しくは、燃焼室の一端に投入した廃棄物固形燃料やバイオマス燃料は、着火用バーナによる着火に時間がかかり、着火が不十分なまま他端側に移動する被燃焼物が生じて燃焼効率が低下する問題がある。また、円筒形状の燃焼室の一端から十分な量の燃焼空気を供給し難く、不完全燃焼が生じやすい不都合がある。
そこで、本発明の課題は、廃棄物固形燃料やバイオマス燃料等の被燃焼物を効果的に着火でき、不完全燃焼の発生を低減できる燃焼炉と、これを用いたボイラシステムを提供することにある。また、被燃焼物の停滞が生じ難く、塩素を含む被燃焼物を燃焼しても劣化が生じ難く、炉内のクリンカの固着が少ない燃焼炉と、これを用いたボイラシステムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の燃焼炉は、他端が一端よりも大きい径を有して開口し、一端よりも他端が低くなるように中心軸を水平方向に対して傾斜して配置された円錐台形状の第1燃焼室と、この第1燃焼室の一端側に設けられた被燃焼物投入部及び着火部と、上記第1燃焼室の側面に設けられて第1燃焼空気を供給する第1燃焼空気供給口とを有する第1燃焼部と、
一端が上記第1燃焼部の第1燃焼室の開口に連なると共に他端に灰及び熱風の排出口が形成され、一端よりも他端が低くなるように中心軸を水平方向に対して傾斜して配置され、上記中心軸回りに回転駆動される円筒形状の第2燃焼室を有する第2燃焼部と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、第1燃焼部の第1燃焼室の一端側で、被燃焼物投入部により被燃焼物が投入され、着火部により被燃焼物が着火される。第1燃焼室の側面の第1燃焼空気供給口から供給された第1燃焼空気は、第1燃焼室が円錐台形状に形成されていることにより、この第1燃焼室内を一端から他端に向かって旋回状に流れる。被燃焼物は、旋回状の第1燃焼空気により確実に着火されて燃焼が促進される。着火した被燃焼物は、第1燃焼室が円錐台形状であると共に、一端よりも他端が低くなるように水平方向に対して傾斜していることにより、この第1燃焼室の底部を速やかに他端側へ移動する。第1燃焼室で着火されて燃焼している被燃焼物は、第1燃焼室の他端の開口に連なる第2燃焼部の第2燃焼室に移動する。第2燃焼室に移動した被燃焼物は、一端よりも他端が低くなるように水平方向に対して傾斜した第2燃焼室が回転することにより、効率的に撹拌されて燃焼が促進される。第1及び第2燃焼室で被燃焼物が燃焼して生成された燃焼ガス及び灰は、第2燃焼室の他端の排出口から排出される。このように、旋回状の第1燃焼空気が形成される第1燃焼室で被燃焼物を着火した後に、回転駆動される第2燃焼室に送るので、例えば廃棄物固形燃料やバイオマス燃料等のような着火が比較的難しい被燃焼物であっても、比較的容易に着火することができる。また、第1燃焼室に第1燃焼空気の旋回流を形成するので、第1及び第2燃焼室に十分な酸素を供給でき、被燃焼物の完全燃焼を効果的に促進できる。また、第1燃焼室が円錐台形状を有して中心軸が水平方向に対して傾斜して配置され、第2燃焼室が円筒形状を有して中心軸が水平方向に対して傾斜して配置されるので、第1燃焼室に供給された被燃焼物は、第1及び第2燃焼室内を速やかに移動できる。したがって、第1及び第2燃焼室内に、被燃焼物の停滞が生じ難いので、クリンカの固着が生じ難い。また、第1燃焼室及び第2燃焼室は、ストーカ炉のように燃焼室に露出する金属部分が無いので、塩素を含む被燃焼物を燃焼しても金属部分の腐食が生じないから、劣化を効果的に防止できる。ここで、被燃焼物とは、熱を利用するために燃焼される燃料と、焼却処分のために燃焼される被焼却物とのいずれも該当する。
一実施形態の燃焼炉は、上記第1燃焼空気供給口は、上記第1燃焼室の側面の接線方向に延在する燃焼空気供給管に連通している。
上記実施形態によれば、第1燃焼室の側面の接線方向に延在する燃焼空気供給管を通して空気を供給することにより、第1燃焼空気供給口から、第1燃焼室内に効果的に第1燃焼空気の旋回流を形成できる。
一実施形態の燃焼炉は、上記第1燃焼室と第2燃焼室との間に、上記第2燃焼室に向かって第2燃焼空気を供給する第2燃焼空気供給口が設けられている。
上記実施形態によれば、第1燃焼室と第2燃焼室との間に設けられた第2燃焼空気供給口から、第2燃焼室に向かって第2燃焼空気を供給することにより、第2燃焼室における被燃焼物の燃焼を更に促進できる。
一実施形態の燃焼炉は、上記第1燃焼部の第1燃焼室の外側を耐火材で隔てて取り囲み、外部から空気が供給される円環円筒状の空気室と、
上記空気室の他端と上記第2燃焼空気供給口の間に形成され、上記空気室からの空気を旋回状に整流して上記第2燃焼空気供給口に導く整流室と
を備える。
上記実施形態によれば、第1燃焼部の第1燃焼室の外側に配置された円環円筒状の空気室に、外部から空気が供給され、この空気室の空気が、整流室で旋回状に整流されて第2燃焼空気供給口に導かれる。こうして空気室を通って整流室で整流されてなる旋回状の第2燃焼空気を、第2燃焼空気供給口から第2燃焼室に供給することにより、第2燃焼室における被燃焼物の燃焼を、効果的に促進できる。
一実施形態の燃焼炉は、上記整流室に、上記第1燃焼室の中心軸に対して傾斜方向に延在する整流羽根が設けられている。
上記実施形態によれば、整流室に設けられた整流羽根により、空気室から導かれた空気を効果的に旋回状に整流して第2燃焼空気供給口に導くことができる。
一実施形態の燃焼炉は、上記被燃焼物投入部はスクリューコンベヤを含み、上記被燃焼物を排出する開口が上記第1燃焼室の底部に配置されている。
上記実施形態によれば、被燃焼物投入部のスクリューコンベヤで搬送された被燃焼物が、第1燃焼室の底部に配置された開口から第1燃焼室内に投入される。スクリューコンベヤで第1燃焼室の底部に被燃焼物を投入することにより、既に投入された被燃焼物を、新たに投入する被燃焼物で第1燃焼室の奥に移動させることができる。したがって、被燃焼物の燃焼を促進できる。
一実施形態の燃焼炉は、上記第1燃焼室の中心軸を通る鉛直断面における底側の壁面の水平方向に対する傾斜角度が、5°以上25°以下である。
上記実施形態によれば、第1燃焼室の中心軸を通る鉛直断面において、この第1燃焼室の底側の壁面の水平方向に対する傾斜角度を5°以上25°以下とすることにより、被燃焼物投入部で投入した被燃焼物を、速やかに他端側に移動させながら燃焼させることができる。ここで、傾斜角度が5°未満であると、第1燃焼室内に被燃焼物が滞留する可能性がある。また、第1燃焼室における被燃焼物の移動量が不十分になり、第2燃焼室への被燃焼物の供給量が不十分になる可能性がある。一方、傾斜角度が25°を超えると、第1燃焼室の被燃焼物の移動速度が高過ぎて、被燃焼物の着火が不十分となる可能性がある。ここで、第1燃焼室の底側の壁面の水平方向に対する傾斜角度は、10°以上15°以下であるのが更に好ましく、被燃焼物を第1燃焼室内で確実に着火させると共に、着火した被燃焼物を確実に第2燃焼室へ送ることができる。
一実施形態の燃焼炉は、上記第2燃焼室の水平方向に対する傾斜角度が、1°以上6°以下である。
上記実施形態によれば、第2燃焼室の水平方向に対する傾斜角度を1°以上6°以下とすることにより、第1燃焼室から導かれた被燃焼物を効果的に下方に移動させながら燃焼させることができる。ここで、傾斜角度が1°未満であると、第2燃焼室内に被燃焼物が滞留する可能性がある。一方、傾斜角度が6°を超えると、第2燃焼室内の被燃焼物の移動速度が高過ぎて、未燃成分が増大する可能性がある。ここで、第2燃焼室の水平方向に対する傾斜角度は、1°以上3°以下であるのが更に好ましく、被燃焼物を第2燃焼室内で効果的かつ効率的に燃焼させることができる。
一実施形態の燃焼炉は、上記第2燃焼部の第2燃焼室の他端の開口に連通する第3燃焼室と、この第3燃焼室の壁面に配置されて第3燃焼空気を吹き出す複数の第3燃焼空気供給口とを有する第3燃焼部を備える。
上記実施形態によれば、第2燃焼室の他端の開口から被燃焼物が第3燃焼室内に導かれ、この第3燃焼室の壁面の複数の第3燃焼空気供給口から吹き出す第3燃焼空気により、被燃焼物が燃焼する。これにより、第1及び第2燃焼室で燃焼しないで残留している被燃焼物の未燃成分を、効果的に燃焼させることができる。
一実施形態の燃焼炉は、上記第3燃焼部の第3燃焼室の外側を耐火材で隔てて取り囲み、外部から空気が供給される空気室と、
上記空気室に連通して上記耐火材を貫通し、先端が上記第3燃焼空気供給口に連なる複数の第3燃焼空気供給路と
を備える。
上記実施形態によれば、第3燃焼部の第3燃焼室の外側に耐火材で隔てられて設けられた空気室に、外部から空気が供給される。この空気室の空気が、第3燃焼空気供給路を通じて第3燃焼空気供給口へ導かれ、第3燃焼空気として第3燃焼室内に供給される。空気室を介在させて空気を導くことにより、複数の第3燃焼空気供給口から、安定して所定の流量の第3燃焼空気を第3燃焼室に供給することができる。また、空気室の空気を第3燃焼室の熱で予熱して第3燃焼室に供給することにより、第3燃焼室における被燃焼物の未燃成分の燃焼性を向上できる。また、第3燃焼室から外部への放熱を防止できる。
一実施形態の燃焼炉は、上記第3燃焼部の第3燃焼室の上端に、ガスを排出するガス排出口が形成されており、
上記第3燃焼部の第3燃焼室の下端に、上記第2燃焼室の他端の開口の鉛直下方に位置する灰排出口が形成されている。
上記実施形態によれば、被燃焼物の燃焼に伴って生成されたガスが、第3燃焼室の上端のガス排出口から排出される。一方、被燃焼物の燃焼に伴って生成された灰や固形物が、第2燃焼室の他端の開口から落下し、第3燃焼室の下端の灰排出口から排出される。こうして被燃焼物から生成されたガスと、灰及び固形物を、効果的に分離することができる。
一実施形態の燃焼炉は、上記第2燃焼室の開口の上部に対向して配置され、上記第2燃焼室から第3燃焼室へ向かうガスの流れを迂回させる板体を備える。
上記実施形態によれば、第2燃焼室の開口の上部に対向する板体により、第2燃焼室から第3燃焼室へ向かうガスの流れが迂回され、第2燃焼室の上部からガスが第3燃焼室へ短絡する流れを妨げることができる。したがって、ガスの未燃成分を、第2燃焼室と第3燃焼室に十分に滞在させて燃焼させることができる。その結果、被燃焼物の燃焼効率を向上できる。
一実施形態の燃焼炉は、上記板体に、冷却水が導かれる冷却管が設けられている。
上記実施形態によれば、板体に設けられた冷却管に冷却水を導いて板体を冷却することにより、第2及び第3燃焼室の高温のガスで板体が劣化する不都合を防止できる。ここで、燃焼炉を、例えばボイラの熱源として用いる場合、ボイラの加熱対象としての水の一部を冷却水として導くことにより、ボイラの加熱効率を向上することができる。
本発明のボイラシステムは、上記燃焼炉と、
上記燃焼炉で被燃焼物を燃焼して生成されたガスと、加熱対象とを熱交換するボイラと
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、被燃焼物を速やかに着火して高温のガスを供給できる燃焼炉を備えるので、ボイラを速やかに起動して加熱対象を速やかに加熱することができる。また、完全燃焼を促進可能な燃焼炉を備えるので、ダイオキシンの発生を効果的に防止できるボイラシステムが得られる。また、完全燃焼を促進可能な燃焼炉を備えるので、被燃焼物の燃焼効率を向上でき、ボイラの効率を向上できる。また、クリンカの固着が少なく、劣化が生じ難い燃焼炉を備えるので、メンテナンスの手間の少ないボイラシステムが得られる。ここで、ボイラとしては、水や油等の種々の加熱対象と熱交換を行うものを採用できる。
本発明の実施形態の燃焼炉を示す縦断面図である。 図1のA−A’線における燃焼炉の横断面図である。 第2燃焼部に第2燃焼空気を供給するための空気室及び整流室を示す斜視図である。 図1のB−B’線における燃焼炉の横断面図である。 本実施形態の燃焼炉を用いて構成されたボイラシステムの一部を示す模式図である。 ボイラシステムの他の部分を示す模式図である。 ボイラシステムのボイラを示す模式断面図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の燃焼炉を示す縦断面図である。本実施形態の燃焼炉は、被燃焼物として廃棄物固形燃料を燃焼し、ボイラシステムの熱源として用いられるものである。廃棄物固形燃料としては、RPF(Refuse Paper and Plastic Fuel;紙及びプラスチック廃棄物燃料)を燃焼するのが好ましいが、RDF(Refuse Derived Fuel;ゴミ固形燃料)等の他の廃棄物固形燃料を燃焼してもよい。
本実施形態の燃焼炉1は、被燃焼物を投入及び着火して1次燃焼を行う第1燃焼部2と、第2次燃焼を行う第2燃焼部3と、第3次燃焼を行う第3燃焼部4が順に連なって構成されている。
第1燃焼部2は、中心軸を水平方向に対して傾斜して配置された円錐台形状の第1燃焼室8を有する。第1燃焼室8は、小径の一端に壁が形成されている一方、大径の他端に開口13が形成されており、一端よりも他端が低くなるように傾斜している。第1燃焼室8の中心軸が水平方向に対して傾斜する傾斜角度は、後述する第2燃焼部3の第2燃焼室17の傾斜角度と同一の2°に設定されている。ここで、第1燃焼室8の中心軸の傾斜角度は、1°以上6°以下の範囲で適宜設定でき、好ましくは1°以上3°以下である。第1燃焼室8の一端面の壁と側面の壁は、耐火材7で形成されている。円錐台形状の第1燃焼室8は、中心軸を通る鉛直断面において、図1に示すように、底側の壁面81が水平方向に対して傾斜する傾斜角度θ1が、約12.5°に形成されている。ここで、第1燃焼室の底側の壁面の傾斜角度θ1は、5°以上25°以下の範囲内に適宜設定でき、好ましくは10°以上15°以下である。
この第1燃焼室8の一端側には、被燃焼物投入部としての投入コンベヤ5が配置されている。投入コンベヤ5はスクリューコンベヤで形成され、第1燃焼室8の一端面の壁の正面視において、幅方向の中央かつ下部を貫通するように配置されている。この投入コンベヤ5で投入された被燃焼物Fは、第1燃焼室8の底部に排出される。なお、投入コンベヤ5は、第1燃焼室8の一端面の壁を貫通する以外に、第1燃焼室8の一端側の周面の壁を貫通するように配置されてもよい。
上記第1燃焼室8の一端側には、着火部として、灯油を燃料とするバーナ6が配置されている。バーナ6は、灯油や重油等の液体燃料を用いるものや、都市ガスやLPG(Liquefied Natural Gas)等の気体燃料を用いるものを使用できる。バーナ6は、第1燃焼室8の一端面の壁の正面視において、投入コンベヤ5よりも幅方向の左右いずれか一方寄り、かつ、僅かに上方に配置されている。バーナ6の火口は、投入コンベヤ5の被燃焼物の排出口よりも第1燃焼室8の他端側を向くように、第1燃焼室8の中心軸に対して傾斜して配置されている。これにより、投入コンベヤ5の排出口から排出されて第1燃焼室8の底部に集積される被燃焼物Fに、バーナ6からの火炎が直接当たるようになっている。バーナ6からの火炎によって着火された被燃焼物Fは、投入コンベヤ5から新たに排出される被燃焼物Fによって、第1燃焼室8の他端側に移動させられる。こうして、第1燃焼室8の投入コンベヤ5とバーナ6により、効率的に被燃焼物Fを投入して着火することができる。なお、バーナ6は、第1燃焼室8の一端面の壁を貫通する以外に、第1燃焼室8の一端側の周面の壁を貫通するように配置されてもよい。
図2は、図1のA−A’線における燃焼炉1の横断面図であり、第1燃焼部2の第1燃焼室8の一端側の内部を示す横断面図である。第1燃焼室8の側面には、第1燃焼空気を供給する複数の第1燃焼空気供給口9,9,9が設けられている。第1燃焼空気供給口9は、第1燃焼室8の中心軸方向において一端側から概ね中央までの間に配置されており、本実施形態では3個設置されている。この第1燃焼空気供給口9は、図2に示すように、第1燃焼室8の側面に対して接線方向に延びる第1燃焼空気供給管14に連通している。この第1燃焼空気供給管14を通って供給された空気が第1燃焼空気供給口9から吹き出して、図2の矢印R1で示すように、第1燃焼室8内に旋回状の第1燃焼空気の流れを形成する。上記第1燃焼空気供給口9は、第1燃焼空気を、10m/s以上25m/s以下の速度で吹き出して供給する。
第1燃焼部2には、第1燃焼室8の壁面を形成する耐火材7の外側に、第2燃焼部3に燃焼空気を供給するための空気室10と整流室11が配置されている。図3は、空気室10と整流室11を示す斜視図である。空気室10は、第1燃焼室8と同軸の円環円筒部分と、第1燃焼室8の一端面の外側の円盤部分とを有する。この空気室10は、図2に示すように、第1燃焼部2の最外周の有底円筒形状のケーシングと、耐火材7の外側を取り囲む有底円筒形状の耐火材ケーシング51との間に形成された空間に設けられている。なお、空気室10は、第1燃焼部2の外径側の円環円筒部分のみであってもよい。この空気室10に、図2に示すように、第1燃焼部2の最外周のケーシングの接線方向に延びる第2燃焼空気供給管15を通して空気が供給される。空気室10に接線方向に供給された空気は、この空気室10内を周方向に流れた後、整流室11に流入する。
整流室11は、第1燃焼室8と同軸の円環円筒形状を有し、一端が、空気室10の他端に連なっている。整流室11は、第1燃焼部2の最外周のケーシングと、耐火材7の外側を取り囲む耐火材ケーシング51との間に形成された空間に設けられている。耐火材ケーシング51の他端側部分が拡径していることにより、整流室11は、空気室10よりも径方向の寸法が小さく形成されている。整流室11には、図3に示すように、空気室10からの空気を整流して旋回流を形成する複数の整流羽根52,52,52,・・・が設けられている。整流羽根52は、細長の板状体で形成されており、耐火材ケーシング51の外周面に、第1燃焼室8の中心軸に対して傾斜した方向を向いて固定されている。この整流室11の他端は、第1燃焼室8の外径側を取り囲む円環状の第2燃焼空気供給口12となり、第2燃焼部3の第2燃焼室17に開口している。図4は、図1のB−B’線における燃焼炉の横断面図であり、第1燃焼室8の他端から、第2燃焼部3の第2燃焼室17の一端側の内部を見た様子示す横断面図である。図4に示すように、第2燃焼室17の外径部分に対向して開口した第2燃焼空気供給口12から、整流室11の整流羽根52,52,52,・・・によって整流された旋回状の第2燃焼空気が、矢印R2で示すように吹き出される。これにより、第2燃焼室17内に、第2燃焼空気の旋回流が効果的に形成される。第2燃焼空気供給口12は、第2燃焼空気を、10m/s以上20m/s以下の速度で吹き出して供給する。
第2燃焼部3は、中心軸Cを水平方向に対して傾斜して配置された円筒形状の第2燃焼室17を有する。第2燃焼室17は、円筒形状のケーシングの内側面の全面に設けられた耐火材16により壁面が形成されている。第2燃焼部3の第2燃焼室17の一端に、第1燃焼部2の他端部が挿入されて、第1燃焼部2の第1燃焼室8が第2燃焼室17に連通している。また、第1燃焼部2の他端面の外径側に形成された第2燃焼空気供給口12が、第2燃焼室17内に開口して連通している。第2燃焼室17は、図1に示すように、一端よりも他端が低くなるように、第1燃焼室8の中心軸の傾斜角度と同一の2°の角度θ2で中心軸が傾斜している。また、第2燃焼室17の底側の壁面の中心軸を通る鉛直断面における傾斜角度は、第2燃焼室17は円筒形状を有するので、中心軸の傾斜角度と同一の2°である。ここで、第2燃焼室17の中心軸の傾斜角度θ2は、1°以上6°以下の範囲で適宜設定でき、好ましくは1°以上3°以下である。第2燃焼部3のケーシングの外周面には、環状のガイドレール19,19が軸方向の両側に固定されている。このガイドレール19,19は、第2燃焼部3の下方に配置された支持車輪22,22に周面が接して支持されると共に、2つのガイドローラ23,23によって一端面と他端面が挟持されて軸方向位置が保持されている。第2燃焼部3のケーシングの外周面には、ガイドレール19,19の間に、環状のラック20が固定されている。環状のラック20は、第2燃焼部3の下方に配置されたピニオン24に歯合しており、ピニオン24はモータ25に連結されている。モータ25の回転力がピニオン24を介してラック20に伝達されて、第2燃焼部3が中心軸Cの回りに回転駆動されるようになっている。
第2燃焼部3の第2燃焼室17は、第1燃焼室8で着火されて燃焼している被燃焼物Fが、第1燃焼室8の他端の開口から導かれる。第1燃焼室8から導かれた被燃焼物Fは、第2燃焼室17の回転によって撹拌されると共に、傾斜した第2燃焼室17内を他端に向かって移動する。こうして被燃焼物Fが第2燃焼室17内を撹拌されて移動する間に、第1燃焼室8の端面の外径側の第2燃焼空気供給口12から旋回状の第2燃焼空気が供給されるので、被燃焼物Fは効果的に燃焼が促進される。第2燃焼室17で被燃焼物Fが燃焼して生成されたガスや、残留した固形物は、第2燃焼室17の他端の開口から排出され、第3燃焼室31に導かれる。
第3燃焼部4は、概ね直方体のケーシングの内側に耐火材30が配置されて、第3燃焼室31が内部に形成されている。第3燃焼室31は、一端の側面に略円形の開口が形成され、この開口に第2燃焼部3の円筒形状のケーシングの他端部が挿入されて、第2燃焼室17に連通している。第3燃焼室31の上端には、被燃焼物Fの燃焼に伴って生成されたガスを排出するガス排出口42が設けられている。一方、第3燃焼室31の下端には、挿入された第2燃焼室17の他端の開口18の鉛直下方に、被燃焼物Fの燃焼に伴って生成された灰や固形物等を排出する灰排出口41が設けられている。
第3燃焼室31の壁面には、複数の第3燃焼空気供給口32が設けられている。複数の第3燃焼空気供給口32は、第3燃焼室31の壁面に格子状に配置され、例えば3mm以上5mm以下の内径のノズルによって形成される。第3燃焼空気供給口32は、第3燃焼空気を、20m/s以上40m/s以下の速度で吹き出して供給する。第3燃焼部4には、第3燃焼室31の壁面を形成する耐火材30の外側に、空気室33が配置されている。空気室33は、第3燃焼部4の直方体のケーシングの側面のうち、第2燃焼部3の他端部が挿入された開口以外の部分に設けられている。空気室33は、図示しない第3燃焼空気供給管によって空気が供給される。空気室33の空気は、耐火材30を貫通する第3燃焼空気供給路34を通して第3燃焼空気供給口32に導かれ、この第3燃焼空気供給口32から第3燃焼空気として吹き出される。第3燃焼室31の外側に空気室33を配置することにより、この空気室33の空気を第3燃焼室31の熱で予熱して第3燃焼室31に供給することにより、第3燃焼室31における被燃焼物の未燃成分の燃焼性を向上できる。また、空気室33により、第3燃焼室31から外部への放熱を防止でき、燃焼炉1の効率を向上できる。
第3燃焼部4には、第2燃焼室17の他端の開口の上部に対向する板体38が配置されている。この板体38は、主に耐火材で形成され、第2燃焼室17の中心軸方向から視て幅方向に延在する複数の冷却管39が内蔵されている。板体38は、第2燃焼室17の開口の中心よりもやや上方から上端までの領域に対向するように配置されている。この板体38により、第2燃焼室17から第3燃焼室31へ向かうガスの流れを下方に迂回することにより、第2燃焼室17の上部から第3燃焼室31へガスが短絡することを防止している。これにより、ガスの未燃成分を、第2燃焼室17と第3燃焼室31に十分に滞在させて燃焼させることができ、被燃焼物Fの燃焼効率を向上できる。この板体38に内蔵された冷却管39には冷却水が導かれており、板体38の異常な温度上昇を防止して板体38の劣化を防止している。冷却水は、後述するボイラシステムのボイラに送出されている。
第3燃焼部4の第3燃焼室31は、第2燃焼室17で被燃焼物Fが燃焼して生成されたガスと、残留した固形物が導かれる。第2燃焼室17からのガスのうち、未燃成分が、第3燃焼空気供給口32から供給された第3燃焼空気によって燃焼する。第3燃焼室31で燃焼したガスは、第1及び第2燃焼室8,17からの燃焼後のガスと共に、矢印Gで示すように、ガス排出口42から排出される。第2燃焼室17からの固形物のうち、未燃成分が、第3燃焼空気供給口32から供給された第3燃焼空気によって燃焼する。第3燃焼室31で固形物の未燃成分が燃焼してなる灰や不燃性の固形物は、第2燃焼室17からの灰や固形物等と共に、矢印Sで示すように、灰排出口41から排出される。このように、第3燃焼室31により、第1及び第2燃焼室8,17からの気体及び固体の未燃成分を効果的に燃焼するので、燃焼炉1に投入される被燃焼物Fの完全燃焼を促進することができる。
このように、本実施形態の燃焼炉1によれば、第1燃焼部2の第1燃焼室8が円錐台形状を有して内部に第1燃焼空気の旋回流が形成されるので、一端側に投入コンベヤ5で投入された被燃焼物Fを、バーナ6の火炎によって効果的に着火することができる。また、円錐台形状を有する第1燃焼室8の中心軸が水平方向に対して傾斜し、被燃焼物Fが投入される一端側よりも、他端の大径の開口13が下方に位置するので、被燃焼物Fを滞留することなく他端側に移動させることができて、滞留を防止できる。また、第2燃焼室17が、一端よりも他端が下方に位置するように中心軸が水平方向に対して傾斜した状態で回転駆動されるので、被燃焼物Fの燃焼を効果的に促進できると共に、被燃焼物Fの停滞を効果的に防止できる。さらに、第2燃焼室17に、第1燃焼室8と第2燃焼室17の間から旋回状の第2燃焼空気を供給するので、被燃焼物Fの燃焼を効果的に促進できる。また、被燃焼物Fにプラスチック等の溶融物が含まれても、第2燃焼室17に滞留することなく他端側に移動させることができるので、滞留した溶融物に不燃物が凝集してクリンカが固着する不都合を、効果的に防止できる。また、第1燃焼室8と、第2燃焼室17と、第3燃焼室31は、略全ての表面が耐火材7,16,30で覆われているので、塩化ビニルのように塩素を含む被燃焼物Fを燃焼しても劣化が生じ難い。
図5及び6は、本実施形態の燃焼炉1を用いて構成されたボイラシステムを示す模式図である。このボイラシステムは、燃焼炉1を熱源として、加熱対象としての水を加熱し、水蒸気を生成するものである。
このボイラシステムは、燃焼炉1と、燃焼炉1の上流に設けられた受入供給機100と、燃焼炉1の下流に設けられたボイラ110と、ボイラ110の下流に設けられたサイクロンセパレータ112と、サイクロンセパレータ112の下流に設けられた誘引ファン116と、誘引ファン116の下流に設けられたバグフィルタ117と、バグフィルタ117の下流に設けられた排気塔120を備える。
受入供給機100は、燃焼炉1の燃料である被燃焼物Fの受け入れと貯留と供給を行うものであり、ショベルローダ等で被燃焼物Fが投入されるホッパ101と、このホッパ101の下端に配置されてスクリューコンベヤで形成された切り出しコンベヤ102を有する。ホッパ内には、被燃焼物Fのブリッジを防止するために、振動発生装置や撹拌羽根等を設置してもよい。切り出しコンベヤ102の下流には、被燃焼物Fを搬送する搬送コンベヤ103が接続され、この搬送コンベヤ103の下流に、燃焼炉1に被燃焼物Fを投入する投入コンベヤ5が接続されている。搬送コンベヤ103は、任意の搬送装置を用いることができるが、燃焼炉1に被燃焼物Fを安定して定量供給を行うために、スクリューコンベヤで形成されるのが好ましい。
燃焼炉1には、第3燃焼部4の下端に、灰や固形物を搬送する灰排出コンベヤ105が接続されている。灰排出コンベヤ105は水封コンベヤで形成されており、第3燃焼室31の灰排出口41から排出された高温の灰や固形物が、水封コンベヤの水中に没して冷却され、搬送されるようになっている。灰排出コンベヤ105で搬送された灰や固形物は、灰回収箱106に排出されて回収される。
図7は、燃焼炉1の下流に接続されたボイラ110を示す模式断面図である。このボイラ110は、多管式の蒸気ボイラであり、ケーシング131と、ケーシング131内の一端側の下部に設けられた第1煙室132と、ケーシング131内の他端側に設けられた第2煙室133と、ケーシング131内の一端側の上部に設けられた第3煙室134を有する。第1煙室132と第2煙室133との間と、第2煙室133と第3煙室134との間が、複数の煙管136,136,136,・・・によって夫々接続されている。このケーシング131内には、ケーシング131の内側面と、第1乃至第3煙室132,133,132の側面と、複数の煙管136,136,136,・・・の周面との間に、加熱される水が供給される水室135が形成されている。このボイラ110は、上記第1煙室132に導かれた加熱用のガスが、煙管136を通って第2煙室133に導かれ、この第2煙室133で流れが反転して煙管136を通って第3煙室134に向かう2パス式である。
第1煙室132は、燃焼炉1の第3燃焼室31のガス排出口42に接続され、矢印Gで示すようにガス排出口42から排出された高温のガスが導かれる。第2煙室133は、第1煙室132のガスがケーシング131内の下部の煙管136を通って流入し、流入したガスが反転して上部の煙管136,136,136へ流出する。第3煙室134は、第2煙室133のガスが上部の煙管136,136,136を通って流入し、流入したガスが矢印Hで示すようにボイラ110から排出される。このように煙室132,133,134及び煙管136,136,136,・・・を通過するガスが、水室135内の水と熱交換を行うことにより、水蒸気が生成される。水室135には、ケーシング131の上部に形成された給水口から、バルブを通して矢印Wで示すように水が供給される。また、水室135には、燃焼炉1の第3燃焼部4の第3燃焼室31に配置された板体38に内蔵された冷却管39で加熱された冷却水が導かれる。水室135内で生成された水蒸気は、ケーシングの上部に形成された蒸気排出口から、バルブを通して矢印Vで示すように排出される。
上記ボイラ110の第2煙室133には、図示しないスートブロワが接続されており、矢印Lで示すように、このボイラ110で生成された水蒸気の一部がスートブロワで導かれる。第2煙室133に導かれた水蒸気が、煙管136と第1及び第3煙室132,134を流れて、第2煙室133や煙管136や第1及び第3煙室132,134内に残留した煤やダストを除去するようになっている。
ボイラ110の下流に接続されたサイクロンセパレータ112は、ボイラ110から排出されたガスを逆円錐台形状の分離室に導き、この分離室でガスの旋回流を形成し、流体の遠心力によって固体の粒子と気体に分離する。サイクロンセパレータ112で分離された粒子は、ダブルダンパ113を通して粒子回収箱114に排出されて回収される。サイクロンセパレータ112の粒子の排出口には、ダブルダンパ113以外に、例えばロータリダンパ等を設けてもよい。サイクロンセパレータ112の粒子の排出口に設置される装置は、サイクロンセパレータ112とその上流側の気密性を保ちながら粒子を排出するものであれば、その機構は特に限定されない。
サイクロンセパレータ112の下流に接続された誘引ファン116は、サイクロンセパレータ112の排気口に大気圧よりも低い負圧を生成し、サイクロンセパレータ112を動作させると共に、ボイラ110からサイクロンセパレータ112へガスを導くものである。誘引ファン116は、軸流ファンや遠心ファン等の種々の機構のファンを用いることができる。
誘引ファン116の下流に設けられたバグフィルタ117は、サイクロンセパレータ112から排出された気体から、微粒子を捕集するものである。バグフィルタ117は、袋状の濾体が内蔵され、気体を濾体に通過させて、気体と共に導かれた微粒子を捕集する。バグフィルタ117で補修された微粒子は、ダブルダンパ118を通して微粒子回収箱119に排出されて回収される。バグフィルタ117の微粒子の排出口には、ダブルダンパ118以外に、例えばロータリダンパ等を設けてもよい。バグフィルタ117の微粒子の排出口に設置される装置は、上流側の気密性を保ちながら微粒子を排出するものであれば、その機構は特に限定されない。
バグフィルタ117の下流に設けられた排気塔120は、バグフィルタ117で微粒子が除去された後のガスを、矢印Eで示すように大気へ放出するものである。
上記実施形態のボイラシステムは、実施形態の燃焼炉1を備え、燃焼炉1は被燃焼物Fを速やかに着火して高温のガスを供給できるので、ボイラ110を速やかに起動して水蒸気の供給を速やかに開始することができる。また、燃焼炉1は十分な燃焼空気が燃焼室内に供給され、完全燃焼を促進できるので、塩素を含有する被燃焼物Fを燃焼しても、ダイオキシンの発生を効果的に防止することができる。また、完全燃焼を促進することにより、燃焼効率を向上でき、ボイラ110の効率を向上できる。また、燃焼炉1はクリンカの固着が少なく、劣化が生じ難いので、ボイラシステムのメンテナンスの手間を削減できる。
上記実施形態において、ボイラシステムのボイラ110は、燃焼炉1を熱源として、加熱対象としての水を加熱して水蒸気を生成したが、水を加熱して温水を生成するものでもよい。また、加熱対象として水以外の油等を加熱するボイラを備えるボイラシステムについても、本発明を適用できる。
上記実施形態において、燃焼炉1は、第1燃焼部2と第2燃焼部3と第3燃焼部4を備えたが、第3燃焼部4は必ずしも設けなくてもよい。例えば、第3燃焼部4に替えて、第3燃焼空気供給口32を有さず、第3燃焼部4のケーシングと同様のケーシング内にガスの通路と灰排出口を設けたダクトを配置してもよい。
また、上記実施形態において、燃焼炉1は、被燃焼物Fとして廃棄物固形燃料を燃焼したが、木質チップ等のバイオマス燃料や、他の燃料を燃焼してもよい。
また、上記実施形態において、燃焼炉1は、燃料を燃焼させてボイラの熱源として用いたが、廃棄物等を焼却処分するために用いてもよい。この場合、廃棄物等の被焼却物が被燃焼物に該当する。このように、本発明の燃焼炉は、被燃焼物を燃焼させるための種々の用途に適用できる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、多くの変形が、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
1 燃焼炉
2 第1燃焼部
3 第2燃焼部
4 第3燃焼部
5 投入コンベヤ
6 バーナ
7,16,30 耐火材
8 第1燃焼室
9 第1燃焼空気供給口
10 空気室
11 整流室
12 第2燃焼空気供給口
13 第1燃焼室の他端の開口
14 第1燃焼空気供給管
15 第2燃焼空気供給管
17 第2燃焼室
18 第2燃焼室の他端の開口
19 ガイドレール
20 ラック
22 支持車輪
23 ガイドローラ
24 ピニオン
25 モータ
31 第3燃焼室
32 第3燃焼空気供給口
33 空気室
34 第3燃焼空気供給路
38 板体
39 冷却管
41 灰排出口
42 ガス排出口
81 第1燃焼室の底側の壁面
100 受入供給機
101 ホッパ
102 切り出しコンベヤ
105 灰排出コンベヤ
110 ボイラ
131 ケーシング
132 第1煙室
133 第2煙室
134 第3煙室
135 水室
136 煙管
112 サイクロンセパレータ
113,118 ダブルダンパ
116 誘引ファン
117 バグフィルタ
120 排気塔
θ1 第1燃焼室の底側の壁面の傾斜角度
θ2 第2燃焼室の中心軸の傾斜角度

Claims (13)

  1. 他端が一端よりも大きい径を有して開口し、一端よりも他端が低くなるように中心軸を水平方向に対して傾斜して配置された円錐台形状の第1燃焼室と、この第1燃焼室の一端側に設けられた被燃焼物投入部及び着火部と、上記第1燃焼室の側面に設けられて第1燃焼空気を供給する第1燃焼空気供給口とを有する第1燃焼部と、
    一端が上記第1燃焼部の第1燃焼室の開口に連なると共に他端に灰及び熱風の排出口が形成され、一端よりも他端が低くなるように中心軸を水平方向に対して傾斜して配置され、上記中心軸回りに回転駆動される円筒形状の第2燃焼室を有する第2燃焼部と
    を備え
    上記第1燃焼空気供給口は、上記第1燃焼室の側面の接線方向に延在する燃焼空気供給管に連通している
    ことを特徴とする燃焼炉。
  2. 請求項1に記載の燃焼炉において、
    上記第1燃焼室と第2燃焼室との間に、上記第2燃焼室に向かって第2燃焼空気を供給する第2燃焼空気供給口が設けられていることを特徴とする燃焼炉。
  3. 請求項に記載の燃焼炉において、
    上記第1燃焼部の第1燃焼室の外側を耐火材で隔てて取り囲み、外部から空気が供給される円環円筒状の空気室と、
    上記空気室の他端と上記第2燃焼空気供給口の間に形成され、上記空気室からの空気を旋回状に整流して上記第2燃焼空気供給口に導く整流室と
    を備えることを特徴とする燃焼炉。
  4. 請求項に記載の燃焼炉において、
    上記整流室に、上記第1燃焼室の中心軸に対して傾斜方向に延在する整流羽根が設けられていることを特徴とする燃焼炉。
  5. 請求項1に記載の燃焼炉において、
    上記被燃焼物投入部はスクリューコンベヤを含み、上記被燃焼物を排出する開口が上記第1燃焼室の底部に配置されていることを特徴とする燃焼炉。
  6. 請求項1に記載の燃焼炉において、
    上記第1燃焼室の中心軸を通る鉛直断面における底側の壁面の水平方向に対する傾斜角度が、5°以上25°以下であることを特徴とする燃焼炉。
  7. 請求項1に記載の燃焼炉において、
    上記第2燃焼室の水平方向に対する傾斜角度が、1°以上6°以下であることを特徴とする燃焼炉。
  8. 請求項1に記載の燃焼炉において、
    上記第2燃焼部の第2燃焼室の他端の開口に連通する第3燃焼室と、この第3燃焼室の壁面に配置されて第3燃焼空気を吹き出す複数の第3燃焼空気供給口とを有する第3燃焼部を備えることを特徴とする燃焼炉。
  9. 請求項に記載の燃焼炉において、
    上記第3燃焼部の第3燃焼室の外側を耐火材で隔てて取り囲み、外部から空気が供給される空気室と、
    上記空気室に連通して上記耐火材を貫通し、先端が上記第3燃焼空気供給口に連なる複数の第3燃焼空気供給路と
    を備えることを特徴とする燃焼炉。
  10. 請求項に記載の燃焼炉において、
    上記第3燃焼部の第3燃焼室の上端に、ガスを排出するガス排出口が形成されており、
    上記第3燃焼部の第3燃焼室の下端に、上記第2燃焼室の他端の開口の鉛直下方に位置する灰排出口が形成されていることを特徴とする燃焼炉。
  11. 請求項に記載の燃焼炉において、
    上記第2燃焼室の開口の上部に対向して配置され、上記第2燃焼室から第3燃焼室へ向かうガスの流れを迂回させる板体を備えることを特徴とする燃焼炉。
  12. 請求項11に記載の燃焼炉において、
    上記板体に、冷却水が導かれる冷却管が設けられていることを特徴とする燃焼炉。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の燃焼炉と、
    上記燃焼炉で被燃焼物を燃焼して生成されたガスと、加熱対象とを熱交換するボイラと
    を備えることを特徴とするボイラシステム。
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