JP2010236848A - 燃焼設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】バナジウム含有の石油系燃料を利用した場合であっても、燃焼炉内での安定した燃焼が可能になる。
【解決手段】バナジウム含有の石油系燃料を燃料とする流動床式の燃焼炉3を備えるボイラ設備1において、空気の代わりに燃焼炉3から排出された排ガスGを利用して流動床Fを形成するため、燃焼炉3内の酸素濃度を低くでき、石油系燃料中の炭素が酸素と反応して一酸化炭素や二酸化炭素になる量を抑えることができる。その結果として、低融点の五酸化バナジウムが炭素に反応して高融点の三酸化バナジウムや四酸化バナジウムになる量を増やすことができ、燃焼炉3内を高温にしても溶融物による流動床Fの不安定化を抑えることができ、燃焼炉3内での安定した燃焼が可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バナジウム含有の石油系燃料を燃料とする流動床式の燃焼炉を備えた燃焼設備に関する。
石炭に替わるボイラ燃料などとして多種多様の燃料の適用が求められており、特に、品位の低い石油コークスなどの石油系燃料の適用が求められている。例えば、特許文献1には、石油コークスなどの石油系燃料を利用した流動床式(「流動層式」ともいう)の燃焼炉に関する技術が記載されている。流動床式の燃焼炉では、堆積する流動砂内に燃焼用の空気が供給されて流動砂が強制的に攪拌され、その結果、流動床の乾燥、ガス化が促進されて燃焼効率を高めている。一方で、流動床式の燃焼炉の燃料として石油コークスを利用する場合、石油コークスは揮発分が少ないこともあって着火性が極めて悪い。そこで、石油コークス(PC)専用の燃焼設備として、微粉燃焼バーナを燃焼炉に設けて燃焼炉内の高温化を実現し、その結果、燃焼性の向上を図る態様も知られている。
特開2004−82111号公報
しかしながら、石油コークス中には一般にバナジウム(V)が含まれており、従来の燃焼炉ではバナジウムが酸化され易い環境にあるために低融点の五酸化バナジウム(V)が生成され易い。その結果、溶融した五酸化バナジウムによって部材へのデポ付着や腐蝕、更には流動床の流動化を不安定にする虞があり、燃焼炉内での燃焼を不安定にする可能性があった。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、バナジウム含有の石油系燃料を利用した場合であっても、燃焼炉内での安定した燃焼を可能にする燃焼設備を提供することを目的とする。
本発明は、バナジウム含有の石油系燃料を燃料とする流動床式の燃焼炉を備える燃焼設備において、燃焼炉内に燃焼用の空気を導入する空気導入部と、空気導入部よりも燃焼炉の底側に設けられると共に、燃焼炉から排出された排ガスを流動床内に導入する流動化ガス導入部と、を備えることを特徴とする。
本発明では、流動床を形成するために導入するガスとして、空気の代わりに燃焼炉から排出された排ガスを利用しており、空気を導入する場合に比べて酸素濃度を低く抑えることができる。燃焼炉底部の酸素濃度を低くすることで、石油系燃料中の炭素が酸素と反応して一酸化炭素や二酸化炭素になる量を抑えることができ、結果として、流動床底部での五酸化バナジウムが炭素に反応して三酸化バナジウムや四酸化バナジウムになる量を増やすことができる。三酸化バナジウムや四酸化バナジウムは五酸化バナジウムに比べて融点が高いため、燃焼炉内を高温にしても低融点化合物による流動床の不安定化を抑えることができ、燃焼炉内での安定した燃焼が可能になる。
さらに、燃焼炉から排出された排ガスを受け入れ、排ガス中の塵芥を排ガスから分離する固体分離部と、固体分離部によって排ガスから分離除去された固形物を燃焼炉に戻す返送ラインと、返送ライン上に設けられると共に、燃焼室から固体分離部への逆流を防止するループシールと、ループシールに酸化マグネシウム及び酸化カルシウムの少なくとも一方を供給する溶融防止材供給部と、を更に備えると好適である。溶融防止材供給部から供給された酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムは、五酸化バナジウムと反応してマグネシウムバナジウムまたはカルシウムバナジウムになる。マグネシウムバナジウムやカルシウムバナジウムは五酸化バナジウムよりも融点が高いため、五酸化バナジウムから積極的にマグネシウムバナジウムやカルシウムバナジウムを生成することにより、低融点化合物による流動床の不安定化を更に抑えることができる。特に、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムを燃焼炉の全体ではなくループシールに局所的に供給するので、燃焼炉の全体に供給する場合に比べて酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムの供給量を少なくできる。その結果、排ガスと一緒に燃焼炉から排出される煤塵中のマグネシウム濃度またはカルシウム濃度が低くなって相対的にバナジウム濃度が高くなり、バナジウム粗原料としての価値を高めることができる。
また、本発明は、燃焼炉から排出された排ガスを受け入れ、排ガス中の固形物を排ガスから分離する固体分離部と、固体分離部によって排ガスから分離除去された固形物を燃焼炉に戻す返送ラインと、返送ライン上に設けられると共に、燃焼室から固体分離部への逆流を防止するループシールと、ループシールに製鋼ダストを供給する製鋼ダスト供給部と、を更に備えると好適である。本発明では、製鋼ダストの供給によって五酸化バナジウムから積極的にマグネシウムバナジウムやカルシウムバナジウムを生成でき、低融点化合物による流動床の不安定化を抑えることができる。さらに、製鋼ダストを燃焼炉の全体ではなくループシールに局所的に供給するので、燃焼炉の全体に供給する場合に比べて製鋼ダストの供給量を少なくできる。
さらに、燃焼炉から排出された排ガスを再加熱する再加熱手段を更に備え、流動化ガス導入部は、再加熱手段によって再加熱された排ガスを流動床内に導入すると好適である。再加熱された排ガスが燃焼炉内に導入されるので、燃焼炉内の温度低下を抑え、燃焼炉内での安定した燃焼が可能になる。
さらに、流動床を形成するベット材として、アルミナ触媒及びアルミナ主体の廃触媒の少なくとも一方を用いると好適である。この構成では、回収される飛灰性状がアルミナ主体のバナジウム濃縮灰となる。その結果、フェロバナジウム原料としての付加価値が向上すると共に、燃焼炉でのバナジウム付着防止効果も得られる。
本発明によれば、バナジウム含有の石油系燃料を利用した場合であっても、燃焼炉内での安定した燃焼が可能になる。
本発明の第1実施形態に係るボイラ設備を概略的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係るボイラ設備を概略的に示す図である。 Al−V状態図である。
以下、本発明に係る燃焼設備の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1に示されるように、ボイラ設備(燃焼設備)1は発電施設などに設置され、ボイラ設備1は、石油系燃料を燃焼し、密閉容器内の水を加熱して蒸気を生成する縦長の燃焼炉3と、燃焼炉3で生じた煙道ガス(以下、「排ガス」という)Gから固形物を分離するサイクロン分離器(固体分離部)5と、燃焼炉3で生成された飽和蒸気を、排ガスGからの熱によって更に加熱して過熱蒸気を生成する熱交換器7と、熱交換器7から排出される排ガスG中の煤塵を除去するバグフィルタ9と、バグフィルタ9を通過した排ガスG中の硫黄酸化物(SO)を、湿式にて除去する脱硫処理部11と、を備えている。この種のボイラ設備1はCFBボイラとも呼ばれる。
燃焼炉3内には、石油コークス、アスファルト及びタールピッチなどの石油系重油質残渣(「減圧蒸留残油」ともいう)などからなる固形の石油系燃料が投入される。石油系燃料を含む流動砂(「ベット材」ともいう)は流動化され、可燃性材料からなる流動床(「ベット」ともいう)Fが形成される。燃焼炉3の側壁には、上下二段の燃焼用空気導入部13,15が設けられている。
下側の燃焼用空気導入部(以下、「一次空気導入部」という)13から導入される一次空気は、流動床Fにおける可燃物の燃焼に寄与する。一次空気導入部13は、流動砂の循環によって流動床Fが形成される領域の上部に設けられている。一次空気導入部13から燃焼炉3内に導入された一次空気の導入量は、流動床Fの温度として800℃〜900℃を維持できる程度の量である。なお、流動砂の流動によって流動床Fが形成される領域は、燃焼炉3内下部で流動砂の濃度が所定濃度以上に保持されると想定される領域であり、燃焼炉3での石油系燃料の投入量や運転条件などから高さが予め規定される。
上側の燃焼用空気導入部(以下、「二次空気導入部」という)15から導入される二次空気は、燃焼炉3内を上昇する未燃の可燃物の燃焼に寄与する。二次空気導入部15は、一次空気導入部13よりも上方となる適当な位置に設けられており、二次空気の導入量は、全空気比として1.1程度となる量である。
サイクロン分離器5は、燃焼炉3に隣接して配置されており、燃焼炉3から排出された排ガスG及び排ガスGに随伴された粒状固形物を受け入れ、遠心分離作用によって排ガスGと粒状固形物とを分離し、粒状固形物は燃焼炉3に戻し、排ガスGは熱交換器7に送り込む。
サイクロン分離器5には、燃焼炉3の下部に接続された流動砂返送ライン(返送ライン)17が接続されている。流動砂返送ライン17は、燃焼炉3の下部に接続された管路を備え、流動砂返送ライン17上にはループシール19が設けられている。ループシール19は、燃焼炉3からの排ガスGの逆流を防止する設備であり、ループシール19内には、サイクロン分離器5から送り込まれた粒状固形物が蓄積され、粒状固形物はループシール19出口のリターンシュート部19aから燃焼炉3内に投入される。
熱交換器7では、サイクロン分離器5から排出された排ガスGからの熱を蒸気等で回収する。
バグフィルタ9は、熱交換器7から排出された排ガスG中の煤塵を捕捉し、バグフィルタ9を通過した排ガスGは、脱硫処理部11に送られる。バグフィルタ9で捕捉された煤塵FA(「フライアッシュ」ともいう)中には、数%程度のバナジウムが含まれているため、バグフィルタ9によって煤塵FAをバナジウム粗原料として回収することができる。
脱硫処理部11は、排ガスGを受け入れ、排ガスG中の硫黄酸化物(硫黄分)を湿式にて除去する。例えば、脱硫処理部11は、排ガスGを、アルカリ金属を含む水溶液と接触させて硫黄酸化物を液相中に溶解させ、液相内中和反応によって脱硫を行う設備である。脱硫処理部11には、処理後の排ガスGの一部を燃焼炉3に戻すための排ガス返送ライン21と、残りの排ガスGを排出するために移送する排ガス排出ライン23とが接続されている。
排ガス返送ライン21は、脱硫処理部11の出口から燃焼炉3またはループシール19までを連絡するように配管された管路からなり、排ガス返送ライン21上には、排ガスGの一部を引き込んで燃焼炉3またはループシール19まで圧送する循環ポンプ21aが設けられている。
さらに、排ガス返送ライン21は、排ガスを再加熱させるために熱交換器7に伝熱可能に接触する加熱部21bと、加熱部21bと燃焼炉3とを連絡するように配管された燃焼炉連絡部21cと、加熱部21bとループシール19とを連絡するように配管されたループシール連絡部21dとを有する。本実施形態では、熱交換器7が再加熱手段に相当する。
燃焼炉連絡部21cは、燃焼炉3の底部3aに設けられたガス導入口(流動化ガス導入部)3bに接続され、熱交換器7によって再加熱された排ガスGの一部は、ガス導入口3bから燃焼炉3内に導入される。燃焼炉3の底部3aからガス導入口3bを介して流動床F内に吹き込まれた排ガスGは、流動砂を活発に流動させる。また、流動砂は、一次空気導入部13から導入される一次空気によって激しく攪拌、混合されながら上昇し、燃焼する。なお、最終的に燃焼炉3の底部3aに残留する焼却灰BAは僅かであると想定されるが、この残留灰BA(「ボトムアッシュ」ともいう)は必要に応じて燃焼炉3の底部3aから排出される。
また、ループシール連絡部21dは、ループシール19の底部19bに設けられた補助ガス導入口(流動化補助ガス導入部)19cに接続されている。熱交換器7によって再加熱された残りの排ガスGは、補助ガス導入口19cからループシール19内に導入され、ループシール19内の粒状固形物を攪拌、混合する。
なお、サイクロン分離器5にて循環される未燃カーボンを含む粒状固形物中にはバナジウムが残っているが、移動が遅いループシール19内での再酸化(五酸化バナジウムの生成)を抑制するために、ループシール19内にも、空気の代わりに高温の排ガスGが導入されている。その結果、ループシール19内を酸素濃度の低い状態に保持でき、低融点化合物の生成に伴う粒状固形物の付着や詰まりを抑止し、リターンシュート部19aから燃焼炉3内への移動をスムーズにすることが可能になる。
また、ボイラ設備1は、ループシール19内に酸化マグネシウム(MgO)や酸化カルシウム(CaO)を供給するための溶融防止材供給部25を備えている。ループシール19内に酸化マグネシウムや酸化カルシウムを供給することで、流動砂内の五酸化バナジウムからバナジウムマグネシウムやカルシウムバナジウムを生成することができる。なお、本実施形態では、溶融防止材供給部25から酸化マグネシウムを供給する態様について説明する。
従来の一般的な流動床式の燃焼炉では、流動床Fを形成するために炉底から空気を吹き込んでいた。しかしながら、本実施形態に係るボイラ設備1では、酸素濃度が21%程度の空気の代わりに、酸素濃度が極めて低い排ガスGを燃焼炉3の底部3aから導入している。以下、本実施形態に係るボイラ設備1の作用、効果について説明する。
燃焼炉3内で流動床Fは攪拌されながら800℃〜900℃程度に保持される。石油系燃料中には数千ppm程度のバナジウムが含まれており、酸化雰囲気が強い場合には、石油系燃料中のバナジウムから低融点の五酸化バナジウムが生成され易くなる。五酸化バナジウムの融点は、700℃程度であるために、五酸化バナジウムのまま燃焼炉3内に残留させておくと、五酸化バナジウムが溶融し、流動砂に付着して流動床Fの形成を不安定にする虞がある。
本実施形態では、流動床Fを攪拌するためのガスとして酸素濃度の低い排ガスGを利用するため、流動床Fが形成される燃焼炉3の下部で酸素濃度は低く抑えられる。その結果、流動床底部での石油系燃料中の未燃カーボン(炭素)が酸素と反応して一酸化炭素や二酸化炭素になる量を抑えることができ、石油系燃料中の五酸化バナジウムが炭素に反応して三酸化バナジウムや四酸化バナジウムになる量を増やすことができ、結果的に低融点の五酸化バナジウムの生成を抑えることができる。なお、五酸化バナジウムと炭素との反応式は、以下の式(1)及び式(2)によって表される。
+C→V+CO ・・(1)
+C→V+CO ・・(2)
三酸化バナジウムや四酸化バナジウムの融点は1600℃程度であり、五酸化バナジウムの融点(700℃)よりも極めて高く、特に燃焼炉3内の予定温度(800℃)よりも高いため、三酸化バナジウムや四酸化バナジウムを生成することで、低融点化合物の付着に伴う不具合の心配が無くなり、流動床Fの不安定化が解消される。その結果、燃焼炉3内の温度を高温に維持し易くなり、燃焼炉3の安定した燃焼が可能になる。
特に本実施形態では、ループシール19内の粒状固形物を攪拌するためのガスとしても、空気の代わりに排ガスGを利用しているため、ループシール19内での五酸化バナジウムの生成も抑えることができ、その結果、低融点化合物の生成に伴う目詰まりなどの不具合も低減できる。
また、ループシール19内で800℃の高温下で再酸化した五酸化バナジウム(V)は、粒状固形物中の硫酸マグネシウム(MgSO)と接触してマグネシウムバナジウム(MgO・V)になる。五酸化マグネシウムと硫酸マグネシウムとが反応してマグネシウムバナジウムが生成される反応式は、以下の式(3)〜(5)によって表される。なお、式(3)〜(5)の反応の起こりやすさは、(3)>(4)>(5)の順で起こりやすくなる。
MgSO+V→MgO・V+SO ・・(3)
2MgSO+V→2MgO・V+2SO ・・(4)
3MgSO+V→3MgO・V+2SO ・・(5)
さらに、本実施形態では、ループシール19を介して燃焼炉3内に酸化マグネシウムが導入されており、この酸化マグネシウムが余剰の五酸化バナジウムと反応してマグネシウムバナジウム(MgO・V)が生成されるという反応も起こる。酸化マグネシウムと五酸化バナジウムとが反応してマグネシウムバナジウムが生成される反応は、以下の反応式(6)〜(8)によって表される。
MgO+V→MgO・V ・・(6)
2MgO+V→2MgO・V ・・(7)
3MgO+V→3MgO・V ・・(8)
以上の反応式(3)〜(8)で生成されるマグネシウムバナジウムの融点は、五酸化バナジウムの融点よりも高いため、余剰の五酸化バナジウムによる溶融の心配が無くなり、流動床Fの不安定化が解消される。その結果、燃焼炉3内の温度を高温にし易くなり、燃焼炉3の安定した燃焼が可能になる。
以上、本実施形態に係るボイラ設備1によれば、流動床Fを形成するために導入するガスとして、空気の代わりに燃焼炉から排出された排ガスGを利用するため、空気を導入する場合に比べて酸素濃度を低く抑えることができる。その結果、石油系燃料中のバナジウムの酸化を高融点の三酸化バナジウムや四酸化バナジウムで止るように抑制して五酸化バナジウムの生成を抑えることができ、燃焼炉3内を高温にしても溶融物による流動床Fの不安定化を抑えることができ、燃焼炉3内での安定した燃焼が可能になる。
また、ガス導入口(流動化ガス導入部)3bから導入される排ガスGは、加熱部21bで再加熱された後の排ガスGであるため、燃焼炉3内の温度低下を抑え、燃焼炉3内での安定した燃焼を可能にする。
また、本実施形態では、排ガスGを利用して流動床Fを形成するため、低融点化合物生成抑制のために燃焼炉3内に供給する酸化マグネシウムの量は少なくても足りる。従って、溶融防止材供給部25によってループシール19内に局所的に少量の酸化マグネシウムを供給する態様を実現でき、結果的に、燃焼炉3の底部3aの全体に供給する場合に比べて酸化マグネシウムの供給量を少なくでき、ランニングコストを抑えることができる。
さらに、燃焼炉3内に供給される酸化マグネシウムの供給量が減ると、最終的にバグフィルタ9で捕捉された煤塵FA中のマグネシウム濃度が低くなり、相対的にバナジウム濃度が高くなってバナジウム粗原料としての価値が高くなる。
さらに、本実施形態によれば、石油コークスなどの石油系燃料とバイオマスとの混焼においても、低融点の五酸化バナジウムの生成を抑制できるため、長期の安定した運転が可能になる。
(第2実施形態)
次に、図2を参照して本発明の第2実施形態に係るボイラ設備(燃焼設備)1Bについて説明する。なお、ボイラ設備1Bは、第1実施形態に係るボイラ設備1と同様の要素や部材を備えているため、同様の要素や部材についてはボイラ設備1と同一の符号を付して詳細説明を省略する。
ボイラ設備1Bは、燃焼炉3と、サイクロン分離器(固体分離部)5と、熱交換器7と、バグフィルタ9と、脱硫処理部11と、を備えている。
サイクロン分離器5には、燃焼炉3の下部に接続された流動砂返送ライン(返送ライン)17が接続されている。流動砂返送ライン17は、燃焼炉3の下部に接続された管路を備え、流動砂返送ライン17上にはループシール19Bが設けられている。ループシール19Bは、燃焼炉3からの排ガスGの逆流を防止する設備であり、ループシール19B内には、サイクロン分離器5から送り込まれた粒状固形物が蓄積され、粒状固形物はループシール19B出口のリターンシュート部19aから燃焼炉3内に投入される。
また、ボイラ設備1Bは、ループシール19B内にフェロニッケルスラグなどの製鋼ダスト(「製鋼ダスト」ともいう)を供給するための製鋼ダスト供給部25Bを備えている。ループシール19B内に製鋼ダストを供給することで、製鋼ダスト中の酸化マグネシウム(MgO)が作用して、五酸化バナジウムから積極的にマグネシウムバナジウムやカルシウムバナジウムを生成でき、低融点化合物による流動床Fの不安定化を抑えることができる。さらに、製鋼ダストを燃焼炉3の全体ではなくループシール19Bに局所的に供給するので、燃焼炉3の全体に供給する場合に比べて製鋼ダストの供給量を少なくできる。
また、本実施形態に係るボイラ設備1Bでは、流動床Fを形成するベット材(流動砂)として、通常使用される砂(ケイ砂)に代えて、アルミナ触媒及びアルミナ主体の廃触媒の少なくとも一方を用いている。アルミナ主体の廃触媒とは、例えば、石油精製における脱硫触媒等である。
ベット材としてアルミナ触媒及びアルミナ主体の廃触媒の少なくとも一方を用いることで、回収される飛灰性状がアルミナ主体のバナジウム濃縮灰となる。その結果、フェロバナジウム原料としての付加価値が向上すると共に、図3に示されるように、燃焼炉3内でのバナジウム付着防止効果も得られる。また、一部のフェロバナジウム精錬においては、精錬過程でアルミナカルシアスラグを生成しており、このスラグは別の製鋼精錬プロセスの副資材として使用される有価物であり、飛灰がアルミナ主体となることにメリットが大きい。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、溶融防止材供給部から酸化マグネシウムを供給してマグネシウムバナジウムを生成する態様を例示したが、溶融防止材供給部から酸化カルシウムを供給してカルシウムバナジウムを生成する態様であってもよい。この場合、カルシウムバナジウムの融点は、燃焼炉内の温度よりも高いため、カルシウムバナジウムは溶融せず、流動床形成の不安定化は防止される。
また、上記実施形態では、流動化ガス導入部を燃焼炉の底部に設けていたが、流動化ガス導入部は、燃焼炉に空気を供給するための空気導入部より燃焼炉の底側に配置されて、流動床内に排ガスを導入できる態様であればよい。
1,1B…ボイラ設備(燃焼設備)、3…燃焼炉、3b…ガス導入口(流動化ガス導入部)、5…サイクロン分離器(固体分離部)、7…熱交換器(再加熱手段)、13…一次空気導入部(空気導入部)、17…流動砂返送ライン(返送ライン)、19,19B…ループシール、25…溶融防止材供給部、25B…製鋼ダスト供給部、F…流動床、G…排ガス。

Claims (5)

  1. バナジウム含有の石油系燃料を燃料とする流動床式の燃焼炉を備える燃焼設備において、
    前記燃焼炉内に燃焼用の空気を導入する空気導入部と、
    前記空気導入部よりも前記燃焼炉の底側に設けられると共に、前記燃焼炉から排出された排ガスを前記流動床内に導入する流動化ガス導入部と、を備えることを特徴とする燃焼設備。
  2. 前記燃焼炉から排出された排ガスを受け入れ、前記排ガス中の固形物を前記排ガスから分離する固体分離部と、前記固体分離部によって前記排ガスから分離除去された固形物を前記燃焼炉に戻す返送ラインと、前記返送ライン上に設けられると共に、前記燃焼室から前記固体分離部への逆流を防止するループシールと、前記ループシールに酸化マグネシウム及び酸化カルシウムの少なくとも一方を供給する溶融防止材供給部と、を更に備えることを特徴とする請求項1記載の燃焼設備。
  3. 前記燃焼炉から排出された排ガスを受け入れ、前記排ガス中の固形物を前記排ガスから分離する固体分離部と、前記固体分離部によって前記排ガスから分離除去された固形物を前記燃焼炉に戻す返送ラインと、前記返送ライン上に設けられると共に、前記燃焼室から前記固体分離部への逆流を防止するループシールと、前記ループシールに製鋼ダストを供給する製鋼ダスト供給部と、を更に備えることを特徴とする請求項1記載の燃焼設備。
  4. 前記燃焼炉から排出された排ガスを再加熱する再加熱手段を更に備え、
    前記流動化ガス導入部は、前記再加熱手段によって再加熱された排ガスを前記流動床内に導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の燃焼設備。
  5. 前記流動床を形成するベット材として、アルミナ触媒及びアルミナ主体の廃触媒の少なくとも一方を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の燃焼設備。
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