JP2001201022A - 廃棄物の溶融処理方法 - Google Patents

廃棄物の溶融処理方法

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JP2001201022A
JP2001201022A JP2000004953A JP2000004953A JP2001201022A JP 2001201022 A JP2001201022 A JP 2001201022A JP 2000004953 A JP2000004953 A JP 2000004953A JP 2000004953 A JP2000004953 A JP 2000004953A JP 2001201022 A JP2001201022 A JP 2001201022A
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gas
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Shotaro Sasaki
正太郎 佐々木
Hiroya Naramoto
博也 楢本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接型ガス化溶融炉における運転費の増大の
問題を解決する廃棄物の溶融処理方法を提供すること。 【解決手段】 直接型ガス化溶融炉の頂部から廃棄物と
固体燃料及び石灰石を装入して堆積層を形成し、炉体底
部に設けられた羽口から上記の堆積層下部へ酸素含有ガ
スを吹き込んで固体燃料を燃焼させ、その燃焼熱によっ
て廃棄物中の灰分や不燃物は溶融スラグとして炉体底部
へ沈降させて排出し、廃棄物中の可燃物は堆積層上部空
間から外部へ可燃性ガスとして排出させる廃棄物の溶融
処理方法において、(a)上記固体燃料として少なくと
もペトコークを一構成物として使用すること、(b)堆
積層上層部に750℃以上の高温粒子との接触・撹拌に
よる熱伝達により石灰石を生石灰(CaO)に熱分解で
きる領域を形成させること、(c)ペトコークの燃焼に
起因して発生するガス中の硫黄酸化物を石灰石の熱分解
で生じる生石灰(CaO)と堆積層上部空間を含む高温
雰囲気の領域で反応させて硫酸カルシウムの形態で脱硫
させること、(d)可燃性ガスは外部燃焼炉にて燃焼し
熱回収することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油系コークスで
あるペトコークを一構成物とする高温炉床ベッドにおい
て、都市ゴミ、し尿汚泥もしくは下水汚泥、各種産業廃
棄物等の一般廃棄物、又はそれらを脱水乾燥、焼却や破
砕処理等して得られた中間処理の廃棄物を直接型ガス化
溶融炉で溶融処理して不燃物をスラグとし、可燃物は可
燃性ガスとして回収する廃棄物の溶融処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から廃棄物発電等を伴う一般廃棄物
処理施設は多数存在する。これらの多くはストーカ炉、
流動床炉等で占められるが、焼却後そのままでは残留灰
中に重金属・ダイオキシン等の有害物質が含まれてい
る。そのため、このタイプの炉は灰分処理において近年
重要視されてきているダイオキシン対策として灰溶融設
備を別途併設する必要がある。
【0003】これらの炉を従来型と呼ぶのに対して、ゴ
ミ等の廃棄物をコークス等の固体燃料を用いて還元溶融
し、ガス化する方式である直接型ガス化溶融炉は、次世
帯型と呼ばれ、確実な燃焼に加え、灰溶融までを効率良
く行えることから、最終処分量の低減、灰を溶融スラグ
化することによる残滓の有効利用、コークスの付加によ
る発電量の増大等多くの利点があり、今後導入が促進さ
れる可能性もある。
【0004】直接型ガス化溶融炉では、ゴミは固体燃料
としてのコークスと石灰石を加えて投入され、炉内部を
降下するに従い、コークス燃焼による高温燃焼ガスによ
り乾燥、熱分解等によって溶融される。そのため、コー
クスは溶融熱源としての性格のほか、溶融スラグの円滑
な排出のための高温炉床ベッド層の形成という面も併せ
持つ。このため、かかる直接型ガス化溶融炉に使用され
るコークスとしては、例えば特開平9−96409号で
提案されているように、製鉄用コークスや鋳物用コーク
スに使用される緻密堅牢で熱間強度が大きく、低反応性
で大塊の石炭系コークスが使用されており、これらコー
クス使用による運転費用が増大するという欠点があっ
た。
【0005】そこで本発明者等は石炭系コークスの全量
もしくは一部代替えとして、石油精製の際に生ずる廃棄
物としての石油系コークス(以下ペトコークと称する)
を使用することに着眼した。しかしながらペトコーク
は、石炭系コークスと比較して硫黄化合物の含有量が多
く、しかも硫黄分が高い方がより安価である。従って石
炭系コークスの全量もしくは一部をペトコークに代替え
する場合、より安価なペトコークを使用できることが望
ましい。しかしながら、安価なペトコークは硫黄分が6
%前後に達するものもあり、かかるペトコークを使用す
る場合にはペトコークの燃焼に伴う脱硫対策としての新
たな設備投資費用を要するという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、直接型ガス化溶融炉における運転費の増大の問題や
脱硫対策のための新たな設備を要しない安価な廃棄物の
溶融処理方法を提供することを目的とするものである。
【0007】本発明者らは、上記課題を解決するために
製鉄用コークスや鋳物用コークスに代わる硫黄分の多い
安価な固形燃料使用の検討を行った。その結果、石油精
製の最終工程で副生される炭素製品であり、いわば石油
の「絞りかす」であるペトコークが極めて安価であり、
且つ、直接型ガス化溶融炉の上部空間部において石灰石
(炭酸カルシウム)の微粉末もしくは破砕物の一部を高
温粒子との接触熱伝達等で生石灰に分解することで石油
コークスの燃焼に起因して発生する可燃性ガス中の硫黄
酸化物が容易に脱硫されるという知見を得た。本発明は
この知見に基づいて完成したものである。
【0008】すなわち、本発明の廃棄物の溶融処理方法
は、直接型ガス化溶融炉の頂部から廃棄物と固体燃料及
び石灰石を装入して堆積層を形成し、炉体底部に設けら
れた羽口から上記の堆積層下部へ酸素含有ガスを吹き込
んで固体燃料を燃焼させ、その燃焼熱によって廃棄物中
の灰分や不燃物は溶融スラグとして炉体底部へ沈降させ
て排出し、廃棄物中の可燃物は堆積層上部空間から外部
へ可燃性ガスとして排出させる廃棄物の溶融処理方法に
おいて、(a)上記固体燃料としてペトコークを全量も
しくは一部使用すること、(b)堆積層上層部にて75
0℃以上の高温粒子との接触・撹拌による熱伝達により
少なくとも石灰石の一部を生石灰(CaO)に熱分解で
きる領域を形成させること、(c)ペトコークの燃焼に
起因して発生するガス中の硫黄酸化物を石灰石の熱分解
で生じる生石灰(CaO)と堆積層上部空間で反応させ
て硫酸カルシウムの形態で脱硫させること、(d)ガス
は外部燃焼炉にて燃焼し熱回収することを特徴とする廃
棄物の溶融処理方法である。
【0009】上記本発明において、堆積層の上部空間に
石灰石の微粉末又は破砕物を投入し上部空間で高温粒子
と接触させて石灰石を熱分解させることが好ましい。な
お、ここでいう高温粒子とは主に炉底部において加熱さ
れガス・空気により上昇した石灰石、ペトコーク等の固
体燃料の粉末等を指す。また、上記本発明において、使
用されるペトコークは特に限定されないが、粒度として
6mm以上が80wt%以上、6mm以下が20wt%
以下の粉塊混合状態で使用されることが好ましい。さら
に、上記本発明において、炉体底部にはペトコークを含
む高温炉床ベッドが形成され、その高温炉床ベッドの間
隙部から廃棄物中の灰分や不燃物が溶融スラグとして炉
体底部に貯留し排出させることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。先ず、本発明に使用される直接型ガ
ス化溶融炉は、炉体の頂部付近にゴミ等の廃棄物投入口
と固体燃料や石灰石等の各装入口が、また上部の側壁部
にはガス排出口が設けられ、一方炉体底部の側壁には複
数の空気等の酸素含有ガスを吹き込む羽口が、また炉体
の塔底部には溶融スラグなどの排出口が設けられた竪型
方式の炉であればよい。かかる直接型ガス化溶融炉内部
の上下空間の断面形状等については特に限定されない
が、本発明では溶融炉の頂部から廃棄物と炭素質の固体
燃料を装入して堆積層を形成する際に、堆積層の上部空
間で十分な脱硫反応が起きるだけの広さの高温ガス滞留
空間部を残すように投入させる堆積層の容量を調整させ
ることが望ましい。
【0011】本発明で処理される廃棄物としては特に限
定されない。例えば都市ゴミ、し尿汚泥または下水汚
泥、各種産業廃棄物、又はそれらを脱水乾燥、焼却や破
砕処理等して得られた中間処理物等が挙げられる。本発
明に使用する固体燃料としてのペトコークは、原油精製
の際の常圧または減圧蒸留残渣油やFCC装置からの重
油基材油等を原料とし、デイレード・コーキング法等の
コーキング・プロセスで熱処理して軽質の炭化水素(ガ
ス、ガソリン、ガスオイル)を分離回収した後の残渣と
して得られるものである。
【0012】本発明に使用する固体燃料としては、かか
るペトコークを全量もしくは一部使用するが、ペトコー
クの他に例えば石炭系コークス等を必要に応じて混合使
用することができる。一般にペトコークは、石炭系コー
クスに比較して灰分が少なく固定炭素が高いので高純度
炭素材として優れた品位を持っていることから、従来か
ら鋳物コークス製造用、高炉コークス製造用、カーバイ
ド製造用、燃料用、合金鉄還元用、鉄鉱石焼結用、研削
材製造用、煉炭・豆炭製造用等の各種用途が知られてい
る。特に高硫黄分、高硬度の性状のものは、これら一般
産業での燃料としては脱硫対策の新たな設備投資を要し
扱いにくいことでより安価である。
【0013】本発明に使用されるペトコークは、特に限
定するものではないが、上記した一般産業用途のものは
勿論、かかる用途には向かない安価なペトコークでも使
用できる。特に緻密堅牢で熱間強度が大きく任意の大き
さの塊状コークスが得られる前記したデイレード・コー
キング法で得られたものが好ましい。かかるペトコーク
の揮発分は約10〜14wt%、固定炭素が約86〜8
9wt%、灰分が1wt%以下、その他硫黄分が1〜6
wt%程度である。なお、発熱量は約8500Kcal
/Kg前後であり、一般的な石炭系コークスの発熱量6
800〜7800Kcal/Kgよりもかなり高い。
【0014】また、本発明に使用する場合のペトコーク
の粒度としては、底部の高温炉床ベッドとして機能する
必要上塊状コークスが多く含まれていることが望ましい
が、通常デイレード・コーキング法で得られたものは、
粒度として6mm以上が約40wt%、6mm以下が約
60wt%の粉塊混合状態からなり、パイルランとも呼
ばれている。本発明では、かかるパイルランのままでも
使用できるが、より好ましくは、6mm程度で篩い分け
た篩上のランプで、この場合6mm以上が80wt%以
上、6mm以下が20wt%以下の粉塊混合状態で使用
することが高温炉床ベッドとしては好ましい。
【0015】ここで直接型ガス化溶融炉ではゴミ等を溶
融する際のスラグの粘度が極めて高い。そこでスラグの
粘度はスラグの塩基度と密接に関係があることからスラ
グ排出を十分に行うために、従来から炉内に石灰石を投
入し、スラグの塩基度を調整することによりスラグの粘
度を下げている。本発明においてもかかるスラグの粘度
を下げるのに石灰石を使用するが、その他にペトコーク
の燃焼に起因して発生するガス中の硫黄酸化物を硫酸カ
ルシウムの形態に脱硫反応を行わせるのに必要な石灰石
を余分に投入することが重要である。
【0016】本発明では、直接型ガス化溶融炉の頂部か
らペトコーク単独またはペトコークと石炭系コークスを
含む混合物、石灰石とともに廃棄物を装入して堆積層を
形成する。直接型ガス化溶融炉での操業においては、こ
れら廃棄物とペトコークまたはペトコークを含む混合物
の固体燃料及び石灰石は同時に装入してもよいし、交互
に層を形成するように装入してもよい。また連続装入で
あってもよいし、間欠的装入であつてもよい。またこれ
らの配合率としては、廃棄物の種類によつて異なるが、
通常の都市ゴミではペトコークまたはペトコークを含む
固体燃料使用量が廃棄物量の約1/20〜1/10の範
囲である。一方のスラグの粘度を下げるのに使用される
石灰石はペトコーク等の固体燃料使用量の約60wt%
前後である。なお、ガス中の硫黄酸化物を硫酸カルシウ
ムの形態に脱硫反応を行わせる必要上から、石灰石量は
硫黄酸化物の濃度によって異なるが、上記使用量よりも
多くなるように投入することが望ましい。
【0017】本発明では、特に硫黄酸化物の脱硫反応に
必要な石灰石を微粉末もしくは破砕物の状態で溶融炉内
の堆積層上部のガス滞留空間部に存在させる。この場合
の石灰石は、炉頂側壁の専用の吹込み口から投入しても
よく、或いは廃棄物を投入する時にペトコークとともに
溶融炉の頂部から投入して堆積層中に混合させる際に、
一部の微粉末を堆積層上部のガス滞留空間部に存在させ
るようにしてもよく投入方法は限定されない。本発明者
等の検討結果によれば、石灰石は約750℃以上、好ま
しくは約780℃以上で下記の分解反応(ア)と脱硫反
応(イ)が起こることを確認している。 (ア)CaCO3→CaO+CO2 (イ)CaO+SO2+1/2O2→CaSO4 従って、かかる反応を起こさせるためには、堆積層上部
空間の高温粒子温度を約750℃以上に保持すると同時
に、石灰石の微粉末と高温粒子を十分に接触させる反応
部を設けることが重要である。なお、ここでいう高温粒
子とは主に炉底部において加熱されたガス・空気により
上昇した石灰石、ペトコーク等の固体燃料の粉末等を指
す。
【0018】尚、堆積層上部空間に存在する粒子が全て
750℃以上である必要はないが、石灰石の熱分解が促
進されるように可能な限り高温の粒子又は750℃以上
の粒子領域が広いことが望ましい。特に堆積層上部に7
50℃以上の高温粒子反応部を形成させるには、可燃性
ガスの一部、又はペトコークの微粉末を石灰石の微粉末
と一緒に空気圧で吹き込み燃焼させてもよいし、或いは
堆積層の容量を調整して炉底部から上昇してくる可燃性
ガス温度を高温に保持し、高温粒子を形成させてもよ
い。
【0019】かかる高温度に保持することでペトコーク
の燃焼に起因して発生するガス中の硫黄酸化物は、上記
反応式(ア)、(イ)に従って、石灰石の熱分解で生じ
る生石灰(CaO)と堆積層上部空間で反応が起こり硫
酸カルシウム(無水せっこう)の形態で脱硫されること
になる。生じた硫酸カルシウムの一部は堆積層と共に下
降して溶融スラグとして底部から排出されるが、大部分
は可燃性ガス中に同伴されて外部へ排出され、適宜、当
該可燃性ガスを外部燃焼炉にて燃焼し熱回収した後でバ
グフイルターやその他適宜の除塵装置で除去することが
できる。
【0020】以下、本発明の具体的な実施の形態を添付
図に基づいて詳細に説明する。第1図は直接型ガス化溶
融炉から廃棄物発電ボイラーに至る処理プロセスを示す
本発明の概略図である。ここで、直接型ガス化溶融炉1
の頂部に設けられた装入装置2から廃棄物3が、ペトコ
ーク4と石灰石5とを共に装入することで溶融炉1内を
下降して堆積層6が形成させる。ここでペトコーク4に
ついては、ペトコークを含む固形燃料混合物(例えばペ
トコークと石炭系コークスとの混合物)であってもよ
い。そして直接型ガス化溶融炉1の炉体底部に設けられ
た羽口7から上記の堆積層6の下部へ予熱された空気、
又は高濃度の酸素を含有したガス8を吹き込んでペトコ
ークや熱分解で生じた炭素質分を約1700〜1800
℃の燃焼・溶融帯で燃焼させることで、炉体底部にはペ
トコーク、又はペトコークと石炭系コークスの混合物等
による灼熱した高温炉床ベッド9が形成され、その高温
炉床ベッド9の間隙部から廃棄物中の灰分や不燃物が溶
融スラグ10として貯留し外部へ排出される。
【0021】一方、廃棄物中の可燃物は、堆積層6中の
中部〜上部付近の高温度域(約5000〜1000℃)
で熱分解して可燃性ガスが生成される熱分解ガス化帯及
びそれより上部の乾燥帯を経由して、ペトコークの燃焼
に起因して発生する硫黄酸化物を含有した可燃性ガスと
して堆積層上部空間11へ滞留する。堆積層上部空間1
1には、投入された石灰石5と堆積層6中からの高温粒
子が接触・撹拌して熱分解をし脱硫反応を起こした後、
ダクト12を経て外部へ排出される。可燃性ガスは燃焼
炉13に設けたバーナー部14より専用の送風機15か
ら送られる燃焼用空気と共に燃焼炉13内に入りここで
完全燃焼させることができる。
【0022】燃焼炉13には熱回収の一例としての廃棄
物発電ボイラー16が設置されており、燃焼ガスは廃棄
物発電ボイラー16で高圧スチームとして熱回収され発
電設備17に送られる。また燃焼炉13の下部には、落
下する燃焼灰の切り出し装置18が設けられて適宜外部
へ排出させる。また熱回収された排気ガスは、バグフイ
ルターやその他適宜の除塵装置で除塵処理され煙突から
大気放散される。
【0023】世界的なペトコークの生産量は年間500
0万tときわめて多く、国内使用量は鉄鋼、セメント、
自家発電等で年間500万tとなっている。通常の鉄鋼
用や鋳物用の石炭系コークスは、それ自体が生産目的と
されているため、取引価格が20,000〜22,00
0円/t程度と高価である。これに対して、石油系のペ
トコークは、液体燃料を生産した後の「廃棄物」である
ため、硫黄含有量等の性状にもよるが取引価格が0〜
5,000円/t程度と安価であり、また今後の動向も
液体燃料の需要が継続して見込まれるため、必然的に安
値安定供給が一般的に予測できる。特に本発明における
直接型ガス化溶融炉による廃棄物の溶融処理方法では、
一般産業用途には向かないこのような安価なペトコーク
でも特別の脱硫装置を新たに設置する必要がなく使用可
能である。すなわち高硫黄分性状に起因する硫黄酸化物
は、本発明における直接型ガス化溶融炉の上部空間部内
で脱硫できることにより環境問題はなく、また高硬度の
性状はコークス層の形成に寄与するためである。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、従来の製鉄用コークス
や鋳物用コークスに使用されてきた緻密堅牢で熱間強度
が大きく、低反応性で大塊の石炭系コークスの全量もし
くは一部に代えて、安価で発熱量が高く、大量に供給が
可能なペトコークを使用することから運転費用の大幅な
節減が見込まれる。また、ペトコークの燃焼に起因して
発生する硫黄酸化物は、石灰石の熱分解で生じる生石灰
(CaO)と堆積層上部空間で反応させて硫酸カルシウ
ムの形態で脱硫させることで、新たな脱硫設備を設置す
る必要もない。これによって例えば、代表的な直接型ガ
ス化溶融炉として、ゴミ処理量600t/日(建設費約
300億円)の施設を考えると、通常のコークス使用量
は廃棄物量の約1/20であるため30t/日となり、
石炭系コークスをペトコークに全量代えることで、概算
で年間2億円、20年間運転で40億円の運転費用の節
約が見込まれる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】竪型溶融炉から廃棄物発電ボイラーに至る処理
プロセスを示す本発明の概略図である。
【符号の説明】
1 直接型ガス化溶融炉 2 装入装置 3 廃棄物 4 ペトコーク又はペトコークを含む固形燃料混合物 5 石灰石 6 堆積層 7 羽口 8 酸素含有ガス 9 高温炉床ベッド 10 溶融スラグ 11 堆積層上部空間 12 ダクト 13 燃焼炉 14 バーナー部 15 送風機 16 廃棄物発電ボイラー 17 発電設備 18 燃焼灰の切り出し装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直接型ガス化溶融炉の頂部から廃棄物と
    固体燃料及び石灰石を装入して堆積層を形成し、炉体底
    部に設けられた羽口から上記の堆積層下部へ酸素含有ガ
    スを吹き込んで固体燃料を燃焼させ、その燃焼熱によっ
    て廃棄物中の灰分や不燃物は溶融スラグとして炉体底部
    へ沈降させて排出し、廃棄物中の可燃物は堆積層上部空
    間から外部へ可燃性ガスとして排出させる廃棄物の溶融
    処理方法において、(a)上記固体燃料として石油系コ
    ークス(以下ペトコークと称する)を全量又は一部使用
    すること、(b)堆積層上層部にて750℃以上の高温
    粒子との接触・撹拌による熱伝達により少なくとも石灰
    石の一部を生石灰(CaO)に熱分解できる領域を形成
    させること、(c)ペトコークの燃焼に起因して発生す
    るガス中の硫黄酸化物を石灰石の熱分解で生じる生石灰
    (CaO)と堆積層上部空間を含む高温雰囲気の領域で
    反応させて硫酸カルシウムの形態で脱硫させること、
    (d)可燃性ガスは外部燃焼炉にて燃焼し熱回収するこ
    とを特徴とする廃棄物の溶融処理方法。
  2. 【請求項2】 堆積層の上部空間に石灰石の微粉末又は
    破砕物を投入し堆積層上部空間で石灰石の一部を熱分解
    させる請求項1記載の廃棄物の溶融処理方法。
  3. 【請求項3】 ペトコークは、粒度として6mm以上8
    0wt%以上、6mm以下20wt%以下の粉塊混合状
    態で使用される請求項1記載の廃棄物の溶融処理方法。
  4. 【請求項4】 炉体底部にはペトコークを一構成物とす
    る高温炉床ベッドが形成され、その高温炉床ベッドの間
    隙部から廃棄物中の灰分や不燃物が溶融スラグとして炉
    体底部に貯留し排出させる請求項1〜3に記載の廃棄物
    の溶融処理方法。
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Cited By (3)

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EP1179432A1 (en) 2000-08-10 2002-02-13 Seiko Epson Corporation Print apparatus consumable purchase system and program used with the system
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