JP3707754B2 - 廃棄物処理システムと方法及びそれにより製造されたセメント - Google Patents
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物の処理に係り、特に、廃棄物のガス化燃焼に伴ない得られるスラグを有効利用する廃棄物の処理システムと方法及びそれにより製造されたセメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、都市ごみの75%が焼却処理され、発生する焼却灰のほとんどが埋め立て処分されている。ところが、埋立地の急速な払底に伴い、最近これを溶融してマスを小さくしたり、路盤材等の土木・建築資材として利用する動きが盛んになりつつある。焼却灰をセメントの原料に利用しようというのも、こうした動きの一環である。既に火力発電所から排出される石炭灰は、セメント原料として有効に利用されている。
一方、セメントクリンカ製造用のロータリーキルンの燃料には、これまで重油や石炭が用いられてきたが、これを都市ごみより得られる固形化燃料(RDF)に切り替え、セメントの製造コストを引き下げようとする試みも検討されている。
【0003】
これまで都市ごみ焼却炉にはストーカー炉や流動層炉が用いられてきたが、環境保全や資源リサイクル上不十分な点があった。すなわち、燃焼時の空気比が大きいため排ガス量が多いこと、排ガス中に有害なダイオキシン類が含まれること、炉から排出された金属類は酸化されているためリサイクルに適さないこと、そして灰処理に関わる問題、等である。灰溶融設備やダイオキシン除去設備の設置も最近は増えてきているが、廃棄物処理装置全体の建設コストや運転コストを押し上げる結果となった。
また、セメント焼成用ロータリーキルンの燃料にRDFを用いると、HCl等の有害ガスや、飛灰が発生するため新たな排ガス処理を行う必要が生じた。こうした排ガス処理設備をセメント製造設備に付加することは、コスト上の問題から望ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解消し、廃棄物の焼却により出る焼却灰を有効利用すると共に、ロータリーキルン排ガスを簡便に処理できる廃棄物処理システムと方法及びそれにより製造されたセメントを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、廃棄物を熱分解するガス化炉と、前記ガス化炉において熱分解により得られた生成物を燃焼させて溶融スラグを排出する溶融炉と、前記溶融炉から排出された溶融スラグを冷却する冷却装置と、前記冷却装置において冷却されたスラグをセメント原料として利用するセメント製造設備と、を備えたことを特徴とする廃棄物処理システムとしたものである。
また、本発明では、廃棄物を熱分解するガス化工程と、前記ガス化工程において熱分解により得られた生成物を燃焼させて溶融スラグを排出する溶融工程と、前記溶融工程から排出された溶融スラグを冷却する冷却工程と、 前記冷却工程において冷却されたスラグをセメント原料として利用するセメント製造工程と、からなることを特徴とする廃棄物処理方法としたものである。
前記本発明において、溶融スラグの冷却は水で行い、また、前記廃棄物処理システムには、排ガスの処理装置を含み、前記溶融炉からの排ガスと前記セメント製造設備からの排ガスを一緒に処理することができる。
さらに、本発明では、廃棄物をガス化炉にて熱分解し、前記ガス化炉において熱分解により得られた生成物を溶融炉にて燃焼させて溶融スラグを排出し、前記溶融炉から排出された溶融スラグを冷却し、前記冷却された溶融スラグをセメント原料として利用することにより製造されたことを特徴とするセメントとしたものである。
前記処理方法において、排ガス処理工程は、脱塵、脱塩化水素及び脱硝処理を含み、また、前記セメントの原料は、セメントクリンカ焼成用のロータリーキルンで焼成され、そして、該ロータリーキルン排ガスは、前記排ガス処理工程で併せて処理するのが良い。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、資源の有効利用と環境保全の立場から、ガス化燃焼による廃棄物処理設備とセメント製造設備を隣接して建設し、両者間の原材料利用、エネルギー利用、並びに排ガス処理を有機的に結合することにより、トータルシステムとしてのメリットを享受しようとしたものである。
最近、低温ガス化と高温燃焼を組み合わせたガス化燃焼システムが、従来の焼却に代わる新たな環境保全型の廃棄物処理技術として登場してきている。
【0007】
前記ガス化燃焼システムを都市ごみ処理に用いた場合には次のような特徴を有する。
▲1▼ 従来の固体燃焼に代わるガス燃焼のため、1.3程度の低空気比燃焼が実現し、その結果排ガス量は大幅に低減される。
▲2▼ 有害なダイオキシン類は、高温燃焼によりほぼ完全に分解される。
▲3▼ 廃棄物中の灰分は無害なスラグとして回収される。
▲4▼ ガス化炉で生成するガス、タール、チャーのエネルギーで高温燃焼を実現させるため、灰溶融専用のエネルギー(例えば電力や燃料)が不要となる。
▲5▼ システムにダイオキシン処理や灰溶融の機能が組み込まれるため、装置全体がコンパクト化され、建設コストもそれぞれの機能を在来型の焼却設備に付与した場合に比べ安価となる。
▲6▼ 鉄、銅、アルミニウム等の金属は、リサイクル可能な未酸化の状態で回収出来る。
【0008】
一方、本発明者らが行った一般廃棄物、RDF、廃プラスチック、廃車シュレッダーダスト等を用いたガス化燃焼システムのテストによれば、得られるスラグ中の塩素量は、いずれも100ppm以下を示している。従って、ポルトランドセメントの原料として利用することが可能である。なお、スラグをこうしたセメントの原料に用いるには、水砕した形で回収することが望ましい。水砕スラグは径が数mm程度の粒状となるためハンドリングに適し、しかも強度が弱いので粉砕が容易である。
また、最近セメント製造に際して、セメント焼成用のロータリーキルン燃料に、RDFを用いることが検討されている。ただし、HCl、飛灰の問題があるため、ロータリーキルン排ガスを先に述べたガス化燃焼の排ガス処理工程に供給することにより、環境保全上万全の対策がとれる。最近、自治体において都市ごみを固形燃料化する所が増えているが、ここで作られた固形燃料を先に述べたセメント焼成用のロータリーキルン燃料に用いることにより、その灰はセメント原料に利用できる。しかも、ロータリーキルン排ガスをガス化燃焼システムの排ガス処理工程に供給することにより、二次公害の発生を防止することが出来る。
【0009】
次に、本発明を図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明の廃棄物処理方法を説明するための全体工程図である。
図1において、1は定量供給装置、2は流動層ガス化炉、3は旋回式溶融炉、4は水槽、5は廃熱ボイラ、6はバグフィルター、7は脱硝装置、8はスチームタービン発電設備、9はセメント製造設備である。aは都市ごみ、bは一次空気、cは二次空気、dは不燃物、eは生成ガス、fは三次空気、gはスラグ、hは燃焼排ガス、iはスチーム、jは電力、kは捕集灰、lは消石灰、mはセメント原料、nはRDF、oは燃焼用空気、pは燃焼排ガス、qはセメントである。
【0010】
都市ごみaは、必要に応じて粗破砕、選別などの前処理を施した後、スクリュー式の定量供給装置1により流動層ガス化炉2に供給される。流動層ガス化炉2の下方からは一次空気bが送入され、炉内に硅砂の流動層を形成する。都市ごみaは流動層の上方より投入され、450〜650℃に保持した流動層内で一次空気bと接触し熱分解ガス化される。従って、廃棄物のガス化に必要な熱量は、原料を部分燃焼することにより迅速かつ効率良く供給される。ガス化炉2の炉底からは不燃物dが排出される。不燃物d中には金属が含まれ、融点が流動層温度より高いものは、未酸化でクリーンな状態で回収される。
流動層内ではガス化反応によりガス、タール、炭化物が生成する。ガスとタールは、気化して炉内を上昇する。炭化物は、流動層の攪乱運動により微砕化されてチャーとなる。チャーは多孔質で軽いため、生成ガスeの流れに同伴される。流動媒体に固い硅砂を用いることで、炭化物の粉砕は促進される。
【0011】
フリーボードには予熱された二次空気cが吹き込まれ、一次燃焼より高い650〜850℃で再度ガス化を行ない、水素、一酸化炭素、メタン、炭化水素主体の燃焼性に優れたガス組成となる。
生成ガスeはチャーとともに旋回式溶融炉3の一次燃焼室に供給され、予熱された三次空気fと旋回流中で混合しながら、1200〜1500℃で高速燃焼する。燃焼は二次燃焼室で完結し、燃焼排ガスhはスラグ分離部より排出される。チャーに含まれる灰分は高温のためにスラグミストとなり、旋回流の遠心力の作用で一次燃焼室の炉壁上の溶融スラグ相に捕捉される。炉壁を流れ下ったスラグgは、二次燃焼室を経て、スラグ分離部底部より排出され、水槽4内で水砕される。水砕された粒状のスラグgは、セメントの原料に用いるため、セメント製造設備9まで搬送される。
表1に各種廃棄物をガス化燃焼することにより得られた水砕スラグの組成分析結果を示す。表には、廃車シュレッダーダスト、廃プラスチック(廃プラ)、一般廃棄物を単独及び複数組合わせて処理した結果を示すが、いずれの場合もスラグ中の塩素量は100mg/g以下を示している。
【0012】
【表1】
【0013】
旋回式溶融炉3を出た燃焼排ガスhは、スチームi回収のために廃熱ボイラ5に供給される。スチームiは、スチームタービン発電設備8に供給され、発生した電力jは、1〜8のガス化燃焼システム並びにセメント製造設備9の所内電力として消費される。廃熱ボイラ5を出た燃焼排ガスh中に消石灰lが吹き込まれ、次のバグフィルター6にて脱塵とともに脱塩化水素を行う。廃熱ボイラ5とバグフィルター6の捕集灰kは、大部分が旋回式溶融炉3に戻されるとともに、一部は安定化処理後、埋立処分に付される。バグフィルター6を出た燃焼排ガスhは、脱硝装置7により排ガス中のNOxを除去後、大気放出される。
【0014】
焼成用ロータリーキルン9の燃料としては、RDFnが供給される。こうして、セメント製造に伴い発生する排ガスpは、ガス化燃焼システムの廃熱ボイラ5とバグフィルター6の間に供給され、脱塵、脱塩化水素、脱硝といった排ガス処理を施される。
廃棄物は、都市ごみ、固形化燃料(RDF)、液体燃料、バイオマス、プラスチックごみ(FRP、廃タイヤ等)、シュレッダタスト、家電廃棄物、高濃度廃液、重油残渣、各種スラッジ、灰、残渣、低品位石炭、蓄糞、下水汚泥、し尿汚泥等を単独又は任意組合せで用いることができる。
スラグの量は、各廃棄物の灰分とスラグ化率で決まるが、スラグ化率は80〜90%程度である。
【0015】
【発明の効果】
資源の有効利用と環境保全の立場から、ガス化燃焼による廃棄物処理設備とセメント製造設備を隣接して建設し、両者間の原料利用、エネルギー利用、並びに排ガス処理を下記の方法で有機的に結合することにより、トータルシステムとしてのメリットを享受することが可能となる。
▲1▼ ガス化燃焼システムから排出されるスラグを、セメントの原料に用いる。
▲2▼ RDFを、セメントクリンカー製造用ロータリーキルンの燃料とする。
▲3▼ セメント製造設備からの排ガスを、ガス化燃焼システムの排ガス処理工程に供給して処理する。
▲4▼ ガス化燃焼システムで発生させた電力を、ガス化燃焼システム及びセメント製造設備の所内動力に用いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物処理システムを示す全体工程図。
【符号の説明】
1:定量供給装置、2:流動層ガス化炉、3:旋回式溶融炉、4:水槽、5:廃熱ボイラ、6:バグフィルター、7:脱硝装置、8:スチームタービン発電設備、9:セメント製造設備、a:都市ごみ、b:一次空気、c:二次空気、d:不燃物、e:生成ガス、f:三次空気、g:スラグ、h:燃焼排ガス、i:スチーム、j:電力、k:捕集灰、l:消石灰、m:セメント原料、n:RDF、o:燃焼用空気、p:燃焼排ガス、q:セメント
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物の処理に係り、特に、廃棄物のガス化燃焼に伴ない得られるスラグを有効利用する廃棄物の処理システムと方法及びそれにより製造されたセメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、都市ごみの75%が焼却処理され、発生する焼却灰のほとんどが埋め立て処分されている。ところが、埋立地の急速な払底に伴い、最近これを溶融してマスを小さくしたり、路盤材等の土木・建築資材として利用する動きが盛んになりつつある。焼却灰をセメントの原料に利用しようというのも、こうした動きの一環である。既に火力発電所から排出される石炭灰は、セメント原料として有効に利用されている。
一方、セメントクリンカ製造用のロータリーキルンの燃料には、これまで重油や石炭が用いられてきたが、これを都市ごみより得られる固形化燃料(RDF)に切り替え、セメントの製造コストを引き下げようとする試みも検討されている。
【0003】
これまで都市ごみ焼却炉にはストーカー炉や流動層炉が用いられてきたが、環境保全や資源リサイクル上不十分な点があった。すなわち、燃焼時の空気比が大きいため排ガス量が多いこと、排ガス中に有害なダイオキシン類が含まれること、炉から排出された金属類は酸化されているためリサイクルに適さないこと、そして灰処理に関わる問題、等である。灰溶融設備やダイオキシン除去設備の設置も最近は増えてきているが、廃棄物処理装置全体の建設コストや運転コストを押し上げる結果となった。
また、セメント焼成用ロータリーキルンの燃料にRDFを用いると、HCl等の有害ガスや、飛灰が発生するため新たな排ガス処理を行う必要が生じた。こうした排ガス処理設備をセメント製造設備に付加することは、コスト上の問題から望ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解消し、廃棄物の焼却により出る焼却灰を有効利用すると共に、ロータリーキルン排ガスを簡便に処理できる廃棄物処理システムと方法及びそれにより製造されたセメントを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、廃棄物を熱分解するガス化炉と、前記ガス化炉において熱分解により得られた生成物を燃焼させて溶融スラグを排出する溶融炉と、前記溶融炉から排出された溶融スラグを冷却する冷却装置と、前記冷却装置において冷却されたスラグをセメント原料として利用するセメント製造設備と、を備えたことを特徴とする廃棄物処理システムとしたものである。
また、本発明では、廃棄物を熱分解するガス化工程と、前記ガス化工程において熱分解により得られた生成物を燃焼させて溶融スラグを排出する溶融工程と、前記溶融工程から排出された溶融スラグを冷却する冷却工程と、 前記冷却工程において冷却されたスラグをセメント原料として利用するセメント製造工程と、からなることを特徴とする廃棄物処理方法としたものである。
前記本発明において、溶融スラグの冷却は水で行い、また、前記廃棄物処理システムには、排ガスの処理装置を含み、前記溶融炉からの排ガスと前記セメント製造設備からの排ガスを一緒に処理することができる。
さらに、本発明では、廃棄物をガス化炉にて熱分解し、前記ガス化炉において熱分解により得られた生成物を溶融炉にて燃焼させて溶融スラグを排出し、前記溶融炉から排出された溶融スラグを冷却し、前記冷却された溶融スラグをセメント原料として利用することにより製造されたことを特徴とするセメントとしたものである。
前記処理方法において、排ガス処理工程は、脱塵、脱塩化水素及び脱硝処理を含み、また、前記セメントの原料は、セメントクリンカ焼成用のロータリーキルンで焼成され、そして、該ロータリーキルン排ガスは、前記排ガス処理工程で併せて処理するのが良い。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、資源の有効利用と環境保全の立場から、ガス化燃焼による廃棄物処理設備とセメント製造設備を隣接して建設し、両者間の原材料利用、エネルギー利用、並びに排ガス処理を有機的に結合することにより、トータルシステムとしてのメリットを享受しようとしたものである。
最近、低温ガス化と高温燃焼を組み合わせたガス化燃焼システムが、従来の焼却に代わる新たな環境保全型の廃棄物処理技術として登場してきている。
【0007】
前記ガス化燃焼システムを都市ごみ処理に用いた場合には次のような特徴を有する。
▲1▼ 従来の固体燃焼に代わるガス燃焼のため、1.3程度の低空気比燃焼が実現し、その結果排ガス量は大幅に低減される。
▲2▼ 有害なダイオキシン類は、高温燃焼によりほぼ完全に分解される。
▲3▼ 廃棄物中の灰分は無害なスラグとして回収される。
▲4▼ ガス化炉で生成するガス、タール、チャーのエネルギーで高温燃焼を実現させるため、灰溶融専用のエネルギー(例えば電力や燃料)が不要となる。
▲5▼ システムにダイオキシン処理や灰溶融の機能が組み込まれるため、装置全体がコンパクト化され、建設コストもそれぞれの機能を在来型の焼却設備に付与した場合に比べ安価となる。
▲6▼ 鉄、銅、アルミニウム等の金属は、リサイクル可能な未酸化の状態で回収出来る。
【0008】
一方、本発明者らが行った一般廃棄物、RDF、廃プラスチック、廃車シュレッダーダスト等を用いたガス化燃焼システムのテストによれば、得られるスラグ中の塩素量は、いずれも100ppm以下を示している。従って、ポルトランドセメントの原料として利用することが可能である。なお、スラグをこうしたセメントの原料に用いるには、水砕した形で回収することが望ましい。水砕スラグは径が数mm程度の粒状となるためハンドリングに適し、しかも強度が弱いので粉砕が容易である。
また、最近セメント製造に際して、セメント焼成用のロータリーキルン燃料に、RDFを用いることが検討されている。ただし、HCl、飛灰の問題があるため、ロータリーキルン排ガスを先に述べたガス化燃焼の排ガス処理工程に供給することにより、環境保全上万全の対策がとれる。最近、自治体において都市ごみを固形燃料化する所が増えているが、ここで作られた固形燃料を先に述べたセメント焼成用のロータリーキルン燃料に用いることにより、その灰はセメント原料に利用できる。しかも、ロータリーキルン排ガスをガス化燃焼システムの排ガス処理工程に供給することにより、二次公害の発生を防止することが出来る。
【0009】
次に、本発明を図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明の廃棄物処理方法を説明するための全体工程図である。
図1において、1は定量供給装置、2は流動層ガス化炉、3は旋回式溶融炉、4は水槽、5は廃熱ボイラ、6はバグフィルター、7は脱硝装置、8はスチームタービン発電設備、9はセメント製造設備である。aは都市ごみ、bは一次空気、cは二次空気、dは不燃物、eは生成ガス、fは三次空気、gはスラグ、hは燃焼排ガス、iはスチーム、jは電力、kは捕集灰、lは消石灰、mはセメント原料、nはRDF、oは燃焼用空気、pは燃焼排ガス、qはセメントである。
【0010】
都市ごみaは、必要に応じて粗破砕、選別などの前処理を施した後、スクリュー式の定量供給装置1により流動層ガス化炉2に供給される。流動層ガス化炉2の下方からは一次空気bが送入され、炉内に硅砂の流動層を形成する。都市ごみaは流動層の上方より投入され、450〜650℃に保持した流動層内で一次空気bと接触し熱分解ガス化される。従って、廃棄物のガス化に必要な熱量は、原料を部分燃焼することにより迅速かつ効率良く供給される。ガス化炉2の炉底からは不燃物dが排出される。不燃物d中には金属が含まれ、融点が流動層温度より高いものは、未酸化でクリーンな状態で回収される。
流動層内ではガス化反応によりガス、タール、炭化物が生成する。ガスとタールは、気化して炉内を上昇する。炭化物は、流動層の攪乱運動により微砕化されてチャーとなる。チャーは多孔質で軽いため、生成ガスeの流れに同伴される。流動媒体に固い硅砂を用いることで、炭化物の粉砕は促進される。
【0011】
フリーボードには予熱された二次空気cが吹き込まれ、一次燃焼より高い650〜850℃で再度ガス化を行ない、水素、一酸化炭素、メタン、炭化水素主体の燃焼性に優れたガス組成となる。
生成ガスeはチャーとともに旋回式溶融炉3の一次燃焼室に供給され、予熱された三次空気fと旋回流中で混合しながら、1200〜1500℃で高速燃焼する。燃焼は二次燃焼室で完結し、燃焼排ガスhはスラグ分離部より排出される。チャーに含まれる灰分は高温のためにスラグミストとなり、旋回流の遠心力の作用で一次燃焼室の炉壁上の溶融スラグ相に捕捉される。炉壁を流れ下ったスラグgは、二次燃焼室を経て、スラグ分離部底部より排出され、水槽4内で水砕される。水砕された粒状のスラグgは、セメントの原料に用いるため、セメント製造設備9まで搬送される。
表1に各種廃棄物をガス化燃焼することにより得られた水砕スラグの組成分析結果を示す。表には、廃車シュレッダーダスト、廃プラスチック(廃プラ)、一般廃棄物を単独及び複数組合わせて処理した結果を示すが、いずれの場合もスラグ中の塩素量は100mg/g以下を示している。
【0012】
【表1】
【0013】
旋回式溶融炉3を出た燃焼排ガスhは、スチームi回収のために廃熱ボイラ5に供給される。スチームiは、スチームタービン発電設備8に供給され、発生した電力jは、1〜8のガス化燃焼システム並びにセメント製造設備9の所内電力として消費される。廃熱ボイラ5を出た燃焼排ガスh中に消石灰lが吹き込まれ、次のバグフィルター6にて脱塵とともに脱塩化水素を行う。廃熱ボイラ5とバグフィルター6の捕集灰kは、大部分が旋回式溶融炉3に戻されるとともに、一部は安定化処理後、埋立処分に付される。バグフィルター6を出た燃焼排ガスhは、脱硝装置7により排ガス中のNOxを除去後、大気放出される。
【0014】
焼成用ロータリーキルン9の燃料としては、RDFnが供給される。こうして、セメント製造に伴い発生する排ガスpは、ガス化燃焼システムの廃熱ボイラ5とバグフィルター6の間に供給され、脱塵、脱塩化水素、脱硝といった排ガス処理を施される。
廃棄物は、都市ごみ、固形化燃料(RDF)、液体燃料、バイオマス、プラスチックごみ(FRP、廃タイヤ等)、シュレッダタスト、家電廃棄物、高濃度廃液、重油残渣、各種スラッジ、灰、残渣、低品位石炭、蓄糞、下水汚泥、し尿汚泥等を単独又は任意組合せで用いることができる。
スラグの量は、各廃棄物の灰分とスラグ化率で決まるが、スラグ化率は80〜90%程度である。
【0015】
【発明の効果】
資源の有効利用と環境保全の立場から、ガス化燃焼による廃棄物処理設備とセメント製造設備を隣接して建設し、両者間の原料利用、エネルギー利用、並びに排ガス処理を下記の方法で有機的に結合することにより、トータルシステムとしてのメリットを享受することが可能となる。
▲1▼ ガス化燃焼システムから排出されるスラグを、セメントの原料に用いる。
▲2▼ RDFを、セメントクリンカー製造用ロータリーキルンの燃料とする。
▲3▼ セメント製造設備からの排ガスを、ガス化燃焼システムの排ガス処理工程に供給して処理する。
▲4▼ ガス化燃焼システムで発生させた電力を、ガス化燃焼システム及びセメント製造設備の所内動力に用いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物処理システムを示す全体工程図。
【符号の説明】
1:定量供給装置、2:流動層ガス化炉、3:旋回式溶融炉、4:水槽、5:廃熱ボイラ、6:バグフィルター、7:脱硝装置、8:スチームタービン発電設備、9:セメント製造設備、a:都市ごみ、b:一次空気、c:二次空気、d:不燃物、e:生成ガス、f:三次空気、g:スラグ、h:燃焼排ガス、i:スチーム、j:電力、k:捕集灰、l:消石灰、m:セメント原料、n:RDF、o:燃焼用空気、p:燃焼排ガス、q:セメント
Claims (7)
- 廃棄物を熱分解するガス化炉と、
前記ガス化炉において熱分解により得られた生成物を燃焼させて溶融スラグを排出する溶融炉と、
前記溶融炉から排出された溶融スラグを冷却する冷却装置と、
前記冷却装置において冷却されたスラグをセメント原料として利用するセメント製造設備と、
を備えたことを特徴とする廃棄物処理システム。 - 前記冷却装置は、前記溶融スラグを水にて冷却する水槽であることを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
- 前記廃棄物処理システムは、前記溶融炉の排ガスを処理する排ガス処理装置を備えると共に、前記セメント製造設備からの排ガスを、前記排ガス処理装置に供給することを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
- 廃棄物を熱分解するガス化工程と、
前記ガス化工程において熱分解により得られた生成物を燃焼させて溶融スラグを排出する溶融工程と、
前記溶融工程から排出された溶融スラグを冷却する冷却工程と、
前記冷却工程において冷却されたスラグをセメント原料として利用するセメント製造工程と、
からなることを特徴とする廃棄物処理方法。 - 前記冷却工程は、前記溶融スラグを水にて冷却することを特徴とする請求項4記載の廃棄物処理方法。
- 前記廃棄物処理方法は、さらに前記溶融工程から排出される排ガスを処理する排ガス処理工程を含み、前記セメント製造工程から排出される排ガスを、前記排ガス処理工程に供給することを特徴とする請求項4記載の廃棄物処理方法。
- 廃棄物をガス化炉にて熱分解し、
前記ガス化炉において熱分解により得られた生成物を溶融炉にて燃焼させて溶融スラグを排出し、
前記溶融炉から排出された溶融スラグを冷却し、
前記冷却された溶融スラグをセメント原料として利用することにより製造されたことを特徴とするセメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35636296A JP3707754B2 (ja) | 1995-12-28 | 1996-12-26 | 廃棄物処理システムと方法及びそれにより製造されたセメント |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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