JP4509695B2 - 廃液焼却処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、処理対象とする廃液の高温熱分解に必要な熱量を、一般廃棄物または産業廃棄物として排出される固形廃棄物の保有熱を活用し、前記固形廃棄物を燃焼する際に発生する熱エネルギーを利用して、当該廃液を高温熱分解する廃液焼却処理方法である。
産業活動に伴って発生する廃液は、さらに廃酸、廃アルカリに分類され、これらは中和処理された後、凝集沈殿操作、活性汚泥処理、湿式酸化処理、脱水処理などの排水処理が一般的に行われている。しかし、廃液の性状により、前記の排水処理が不適の場合には、第2の選択枝として焼却処理が行われる。焼却処理の対象となるのは、例えば溶解塩類の濃度が高い廃液や、有機ハロゲン化合物を含む有害性の高い廃液、あるいは廃液の高温熱分解で発生させた塩化水素や弗化水素などの無機酸を回収する場合などである。このような廃液の焼却処理の場合には、焼却に際して廃液の保有熱量が自燃性を有していない程度に低いために、一般的には液体燃料やガス燃料を助燃料として使用して、廃液の燃焼に必要な熱量を確保している。
また、廃液の焼却処理においては、廃液に含まれる灰分の含有量およびその性状により適用される焼却炉の形式が異なってくる。灰分の含有量が多いケースや灰分の融点が低いケースにおいては、廃液中の水分が蒸発した後にガス中に浮遊する灰分が焼却炉の炉壁に融着し、長期運転を阻害しないように竪型の焼却炉が採用される。逆に灰分のトラブルが問題とされない場合には、横型の焼却炉が採用される。しかし、いずれも多量の液体燃料またはガス燃料を用いるために、相当な用役費用が必要になる。従って固形廃棄物の焼却炉で廃液の焼却処理が同時にできるならば、助燃料が節約できるので、現在多くの固形廃棄物の焼却炉において、廃液の噴霧焼却が同時になされている(例えば非特許文献1、特許文献1)。
しかし、この場合においても元来固形廃棄物を燃焼させる燃焼空間に、発熱量の殆ど期待できない廃液を吹込むことは、燃焼操作への悪影響が生ずることになる。すなわち、燃焼排ガス中への未燃分の残留や、低融点灰分が焼却炉の炉壁へ融着し稼動率を低下させることなどが問題であった。以上のことから従来の方法では、廃液の吹込み量には制約があるのは当然であり、換言するならば固形廃棄物の保有する熱量を有効に活用する割合の活用率が低いレベルに留まっていたといえる。
’96廃棄物処理再資源化技術百選、印刷発行日 平成8年10月20日、p.72,91,106、発行(株)環境新聞社 特開平11−182825号公報
固形廃棄物の保有熱を活用して、低発熱量の廃液を高温熱分解する廃液焼却処理設備には、以下のような機能が要求される。
1.固形廃棄物のみの保有熱により、極力多量の廃液を焼却処理できること。
2.固形廃棄物の発熱量の変動に対して助燃料の追加燃焼を制御することにより安定して廃液焼却処理を持続させること。
3.2次燃焼炉出口の排ガス中に、燃焼分解の中間生成物である未燃炭素や未燃COガスなどの有害物質を含む未燃分を残留させないこと。
4.廃液中に含まれる灰分が、2次燃焼炉の壁面やロータリキルン炉尻フードの壁面に融着して成長することで、灰分の排出障害により連続運転を阻害することがないこと。
従来は、上記の制約の許容範囲内で、多くの固形廃棄物の焼却炉において、廃液の噴霧焼却処理が同時になされているが、前記のように元来燃焼空間に発熱量の殆ど期待できない廃液を吹込むことは、燃焼操作へ悪影響が生じることや、低融点灰分が焼却炉炉壁へ融着し稼動率を低下させることなどにより、従来の固形廃棄物の焼却炉における廃液の噴霧焼却量には限界があり、固形廃棄物の保有熱を十分活用できない状況であった。
上記の課題に、従来の焼却炉では十分応えられない理由などを以下に説明する。
従来型の焼却炉として、図1に流動床焼却炉を、図2にロータリキルン焼却炉を示す。
図1の流動床焼却炉では、通常廃液が流動ベッド2の内部またはフリーボード7の空間に吹込まれる。流動ベッド2の内部では、固形廃棄物が熱分解温度域において分散板8から吹込まれた燃焼空気により、焼却されると同時に燃焼熱により急速に高温分解される。
これらの操作が狭い空間で高速に行われることが流動床焼却炉の特長であるが、流動ベッド内に吹込まれた廃液は、燃焼操作や熱分解操作にとって阻害要因となり、吹込み量は少量にとどまる。また、フリーボード7に吹込む際は、吹込み空間は十分な広い空間であるが、運転温度は最大1200℃以下であり、出口温度は850℃程度に安定制御する必要があるために、この前提で多量の廃液をフリーボード内に噴霧すると、噴霧された低温のガスの塊状部分が、不完全燃焼によりCO、チャ−、炭化水素などの未燃分を出口排ガス中に残留させる危険性が高くなる。
図2のロータリキルン焼却炉では、廃液は通常炉前固定フード10に設けられた廃液噴霧ノズル16からロータリキルン燃焼空間14に吹込むか、または2次燃焼炉燃焼空間15に廃液噴霧ノズル17により吹込まれる。前記の燃焼空間14および15は、燃焼空気が過剰に存在する酸化燃焼空間であり、発熱量の低い廃液を吹込む際は、燃焼空気の投入量を低めにし、廃液の焼却必要熱量を確保して2次燃焼炉の出口温度を850℃以上に維持している。しかし、ロータリキルンで廃液を焼却するために、ロータリキルン炉内の温度を上昇させると、ロータリキルン炉の壁に固形廃棄物に含まれる灰分が溶融軟化し融着成長する。このために稼動率が極端に低下する。また、ロータリキルン焼却炉の低温の運転では、廃液の焼却量が少量にとどまることになる。2次燃焼炉に廃液を吹込む場合は、前述した流動床焼却炉のフリーボードに廃液を吹込む場合と同様の理由で、2次燃焼炉の燃焼を阻害しやすい状況となる。
また、図2におけるロータリキルン炉尻固定フード12に設けられた助燃バーナ20で、高温燃焼排ガスを生成させ、廃液の焼却量を増加させる方法も考えられるが、燃料の使用量が増加し、固形廃棄物の保有熱を有効に活用できていないことは前述の場合と同様である。以上のように従来技術は、廃液の焼却にとって制約が多く、廃液の多量処理には適していないものであった。
前述の廃液焼却処理設備に要求される機能を達成するために、本発明の廃液焼却処理方法は、固形廃棄物の部分燃焼ガス化を行うガス化ロータリキルンにおいて、炉内が還元雰囲気で、ロータリキルン出口において800℃以上の高温に維持されたロータリキルン内で廃液を蒸発分解処理するために、廃液の第1供給手段として廃棄物投入ホッパ壁面に設けられた廃液注入口によりロータリキルン炉内へ廃液を供給して蒸発分解できる第1処理工程によって廃液の蒸発分解手段が構成され、廃液の供給が前記の第1供給手段によってなされ
または、前記第1処理工程と、前記第1処理工程から発生する可燃性排ガスを燃焼させるロータリキルン炉尻固定フードの燃焼空間および2次燃焼炉の燃焼空間で廃液を蒸発分解するために、廃液の第3供給手段としてロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉炉壁に設けられた廃液噴霧ノズルにより、ロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉内に廃液を供給して噴霧焼却できる第2処理工程により前記廃液の蒸発分解手段が構成され、廃液の供給が前記の第1供給手段と第3供給手段の組合せによってなされ、
廃液中の脱離灰分を中心にし、固形廃棄物に由来する飛灰が付加されてなる炉壁付着クリンカを剥離除去するために、ロータリキルン炉尻固定フードの炉壁面は、おおむねロータリキルン水平中央線部から下方に位置する耐火物壁面の表面に耐食耐熱金属製ライナが被覆され、クリンカの自重が前記金属製ライナとの付着力を超過したときに自然に剥離落下し、さらに前記ロータリキルンにおける熱分解残渣の焼却用に設置したストーカ炉によって炉外に搬出するクリンカ除去排出工程が設けられていることを特徴とする廃液焼却処理方法である
上記の構成を有する本発明の廃液焼却処理方法によれば、まず第1処理工程において、固形廃棄物の一部を燃焼させるに必要な少量の燃焼空気をロータリキルン内に導入するか、あるいは固形廃棄物の発熱量が極端に低い場合など、部分燃焼ガス化により還元雰囲気を維持することが困難な場合には、燃焼空気比を0.5〜0.9に設定された助燃バーナの還元燃焼により、ロータリキルンの内部雰囲気が高温還元状態に維持される。この条件下において、ロータリキルン内に廃液の第1供給手段として廃棄物投入ホッパ壁面に設けられた廃液注入口により廃液が供給され、ロータリキルンでの焼却処理が終了した後の出口排ガス温度は800℃以上を維持するようにする。なお、この第1の供給手段と合わせて、廃液の第2供給手段として炉前固定フードに設けられた廃液噴霧ノズルによっても廃液を供給するようにしてもよい。
第1処理工程における廃液は、ロータリキルン内に吹込まれ焼却された後水分は蒸発し、可燃分はガス化し、灰分の一部は昇華ガスとして、一部は排ガス中へ遊離ダストとして浮遊し、他の一部はロータリキルンで発生する熱分解残渣に混入して、ロータリキルンから排出される。廃液由来の生成ガスと固形廃棄物由来の生成ガスが可燃混合ガスとして第2処理工程に導入されるようにしてもよい。すなわち、本発明では、前記第1処理工程と、前記第1処理工程から発生する可燃性排ガスを燃焼させるロータリキルン炉尻固定フードの燃焼空間および2次燃焼炉の燃焼空間で廃液を蒸発分解するために、廃液の第3供給手段としてロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉炉壁に設けられた廃液噴霧ノズルにより、ロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉内に廃液を供給して噴霧焼却できるこの第2処理工程とにより前記廃液の蒸発分解手段を構成し、廃液の供給が前記の第1供給手段と第3供給手段の組合せによってなされていてもよい。
第2処理工程では、図3に示すロータリキルン炉尻固定フード41の燃焼空間51および/または2次燃焼炉49の燃焼空間48において、さらに廃液を噴霧ノズル52および/または53により噴霧して焼却処理を行うようにする。2次燃焼炉49では、ロータリキルン生成ガスの燃焼用燃焼空気の導入、もしくはロータリキルン熱分解残渣の焼却用に設置している余剰空気を含むストーカ焼却炉の焼却排ガスとの合流により、または必要に応じて助燃バーナ47、50を燃焼させることにより、800℃以上の高温燃焼雰囲気を形成させる。当該高温燃焼雰囲気は、ロータリキルン生成ガスの燃焼過程で昇温操作が行われる一方で、発熱量の低い廃液を吹込むことによる減温操作が同時に進行するために、発生ガスの燃焼を阻害しない操作条件で廃液を噴霧して焼却処理を行うようにする。
第1処理工程において生成された生成ガスは、800℃以上の高温で且つ十分な可燃性を有するために、第2処理工程においては、燃焼を阻害しない限度の廃液処理量まで、十分実効性のある程度に処理量を増量することができる。
第1処理工程と第2処理工程における廃液焼却量の配分については、第1処理工程がロータリキルンの回転円筒内の空間で廃液を噴霧するために、炉壁に付着した溶融塩類は熱分解残渣と共に排出され、炉壁で付着成長しないので、より多くの配分、もしくは廃液の発生量によつては全量を第1処理工程で処理することが望ましい。さらに、第1処理工程における廃液噴霧では、ガス化したガス中に存在する浮遊炭素を水性ガス反応により一酸化炭素および水素に改質する効果も期待できる。
尚、ロータリキルン内に供給される廃液の性状が高粘度であることや、SS分の多いスラリー状である場合、もしくはその他の要因で、前記した廃液の第1供給手段から第3供給手段で供給することが不適当な場合は、予め受入れピットの中で固形廃棄物と混合し、その付着水として混入させ、固形廃棄物の投入と共に廃液をロータリキルンに供給できる。
さらに、本発明の廃液焼却処理方法は、上述のように廃液中の脱離灰分を中心とし、固形廃棄物由来の飛灰が付加されてなる炉壁付着クリンカを剥離除去するために、ロータリキルン炉尻固定フードの炉壁面は、おおむねロータリキルン水平中央線部から下方に位置する耐火物壁面の表面に、耐食耐熱金属製ライナが被覆され、クリンカの自重が前記金属製ライナとの付着力を超過したときに自然に剥離落下し、さらに前記ロータリキルンにおける熱分解残渣の焼却用に設置したストーカ炉によって炉外に搬出するクリンカ除去排出工程が設けられていることを特徴としている。
廃液中の灰分は、一般的に低融点物質を中心に構成され、ガス中には軟化ダストやガス体として存在する。これに固形廃棄物由来の飛灰が付加され、ロータリキルン、炉尻固定フードおよび2次燃焼炉の炉壁には、ダストが融着を起こし易く、且つ短期間で成長し易い。特にロータリキルン炉尻とストーカ炉の接続部は、壁面が傾斜絞り構造となり壁面の剥離性は小さく、一旦付着すると自然な剥落は望めずに、焼却炉を停止して、炉内作業によりクリンカを除去するしか方法がない。このため沈降ダストがおおむねロータリキルン水平中央線部から下方に位置する耐火物壁面の表面に堆積し、上部からの高温ガス輻射により軟化融着しても、自然に剥離するように、壁面を耐食耐熱金属でライニングし、剥離性を持たせる構造とする。
前述のようにガス中に浮遊するダストおよび壁面に付着堆積するダストは、大部分が軟化溶融していて付着成長し易い性状となっている。この堆積量が一定量になれば、除去作業のために焼却炉を停止せざるを得ず、焼却炉の稼動率を悪化させる。特にロータリキルンとストーカ炉を接続する炉殻部分の壁面の角度は理想的には垂直で、現実的には極力垂直に近く構成するものの、ロータリキルンの外径寸法とストーカ炉の火格子横幅寸法との関係上、下部に向かってかなりの絞り構造をとるケースが一般的であり、当該壁面にはダストが堆積し、ガス体からの輻射熱により、融着成長してくる。本発明は耐食耐熱金属製ライナを壁面に貼り付けることにより、一定量の堆積量になった時点で、その自重により壁面からダスト塊が自然に剥離し、焼却炉の休止を行うことなく連続運転が可能となる。
請求項2記載の廃液焼却処理方法は、ロータリキルンが、耐食耐熱金属製リフトピンが内挿され、ロータリキルン回転摺動部の炉内への漏洩空気がシール長1m当り200Nm/h以下に抑制されていることを特徴としている。
熱分解に用いられるロータリキルンは、固形廃棄物を構成する個々の固体に対して均一に昇温、加熱を受けさせるために、投入された固形廃棄物を攪拌し、常に固体廃棄物層内部に滑り面を生じさせるように、耐食耐熱金属製リフトピン40a、40bが内挿され、該リフトピンによりロータリキルン内表面において固形廃棄物の滑りを防止し、ロータリキルンの回転に伴い、持ち上げられた固形廃棄物は層内面で滑って攪拌される。この攪拌装置には、例えば特開平10−267239号公報に開示されている装置などを用いることが望ましい。
ロータリキルンの回転摺動部には微少の隙間を生じるが、ロータリキルンの運転内部圧力が負圧であるために外部から空気が炉内に漏れ込むことになる。この漏れ込み量が多量になれば、ロータリキルンの内部雰囲気を還元雰囲気に維持できないために、回転摺動部の漏れ込み空気はシール長1m当り200Nm/h以下に抑制することが必要である。
この回転摺動部のシール装置には、例えば特開2001−21046号公報に開示されている装置などを用いることが望ましい。
シール装置の単位長さ1m当りの漏れ込み空気量は、一般的に
式1
Q=α×A×√(2×g×(−P)/γ)・・・・・・・・・・・・(1)
ここにα:流量係数
A:単位長さ当りの隙間面積 m/m
:ロータリキルン炉内圧力 kgf/m(mmHO、9.80665×Pa)
γ:空気の見掛け比重量 kgf/m(kg×g/m
上記式(1)から、隙間を簡易計測すれば容易に漏れ込み空気量を計測可能である。
請求項3記載の廃液焼却処理方法は、前記第1供給手段と、廃液の第2供給手段として炉前固定フードに設けられた廃液噴霧ノズルにより、ロータリキルン炉内へ廃液を供給して蒸発分解できる前記第1処理工程と、前記第1処理工程から発生する可燃性排ガスを燃焼させるロータリキルン炉尻固定フードの燃焼空間および2次燃焼炉の燃焼空間で廃液を蒸発分解するために、廃液の第3供給手段としてロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉炉壁に設けられた廃液噴霧ノズルにより、ロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉内に廃液を供給して噴霧焼却できる第2処理工程により廃液の蒸発分解手段が構成され、廃液の供給が前記の第1供給手段と、前記第2供給手段および/または第3供給手段とによってなされ、還元雰囲気が、固形廃棄物の部分燃焼ガス化により、または部分燃焼ガス化により還元雰囲気を維持することが困難な場合は、ロータリキルン炉前固定フードに取付けられた助燃バーナの燃焼空気比を0.5〜0.9の範囲で還元燃焼することにより必要熱量を追加せしめ、ロータリキルン炉尻部の排ガス温度が少なくとも800℃以上を維持すること、および発生ガスの低位発熱量が少なくとも300kcal/Nm以上で且つ水素ガス濃度が6%以上を維持すること、および/またはロータリキルン発生ガスおよびチャ−の燃焼熱を利用して2次燃焼炉内で廃液を噴霧焼却した後の排ガス温度が、空気比が1.0の理論燃焼時において、少なくとも1200℃以上であることを特徴としている。
一般的に炭化水素が主成分である可燃ガスと支燃ガスと不活性ガスとの混合ガスの燃焼持続性は、可燃ガスの全量が酸化反応し尽くされたときの排ガス温度が少なくとも1250〜1300℃以上であれば燃焼は持続する。本発明は燃焼が持続する前提条件の範囲内でロータリキルンの発生ガスの性状と排ガス温度を規定することによって、間接的に廃液焼却量の上限を規定することにより、ロータリキルン発生ガスの燃焼過程での廃液焼却が燃焼持続性の障害にならないようにしている。
この際水素ガスは、その危険度(=燃焼上下限界差/燃焼下限界)が17.7と高く、前記に規定した1250℃を相当下回っても十分燃焼持続性がある。従って、ロータリキルン発生ガス中に極力高濃度で存在することが望ましいものではあるが、運転制御による実現可能性から6%以上とし、水素ガス共存下において2次燃焼炉内で廃液を噴霧焼却した後の排ガス温度が、空気比が1.0の理論燃焼時において、少なくとも1200℃以上であると規定した。
ここに水素ガスは、以下の水性ガス反応を主体の反応生成物として生成する。
式2
C+HO⇔CO+H・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
式3
O+CO⇔CO+H・・・・・・・・・・・・・・(3)
廃棄物中の炭素、水素および酸素の供給量、ロータリキルンへの燃焼空気の供給量とロータリキルン内の水蒸気分圧により、発生ガスの低位発熱量および水素濃度は容易に推定可能である。図3に示す本発明の設備構成の場合は、発生ガス組成を検出する場所の特定が困難であるため、一般的に経験値から発生ガス性状を推定できる。
すなわち、炭化水素転換率の指定(廃棄物種によって変化する経験値で例えば15%)、主成分炭化水素の指定(一般的にCH、Cで、その生成比率は例えば2容量部:1容量部)、および以上の指定により物質バランス上計算される遊離炭素量の前記式(2)による水性ガス反応比率の指定(経験値で例えば70%)、以上から推定される発生ガス組成が式(3)のシフト反応により平衡状態になったとして最終的に発生ガス組成を推定できる。
請求項4記載の廃液焼却処理方法は、ロータリキルンが、ロータリキルン炉尻の端面43のうち、上部半円部がロータリキルン炉尻固定フード炉壁面42aから後退し、下部の半円部が炉壁面42bから突出せしめるように、炉尻固定フード炉壁がロータリキルン水平中央線部近傍で段違いの形状に構成されることにより、2次炉上部の壁面から溶融流下する低温度で軟化している灰分や空間に飛散する灰分の堆積により、ロータリキルン炉尻端面43が汚染されないようにすることを特徴としている。
ロータリキルン炉尻の空間において、ロータリキルン発生ガスとストーカ炉燃焼排ガスが合流し、ストーカ炉燃焼排ガス中の残留酸素により燃焼が開始され、燃焼過程のガス体の温度は1000℃〜1300℃となる。従って、ガス中に浮遊するダスト、および壁面に付着堆積するダストは大部分が軟化溶融して、もしもロータリキルン炉尻が炉尻固定フードの壁面と同一面を構成するか、または突出する場合には、ロータリキルン炉尻にダストが融着し易くなり、ついにはロータリキルンの回転動作が不可能になって、停止を余儀なくされることになる。このため、2次燃焼炉空間の上部からロータリキルン炉尻端面を鳥瞰したときに、ロータリキルン炉尻固定フード壁面から後退した構成とすることで、上部から溶融ダストの流下があっても直接にロータリキルンの炉尻端面を汚染しないようにした。
発明の効果
本発明により、未燃炭素や未燃微量ガス成分を排ガス中に残留させず、ダイオキシン類やダイオキシン類縁化合物等有害物質を排ガス中に残留させることなく、しかも固形廃棄物の保有熱を廃液の蒸発分解熱に最大限活用することができ、従来多量に使用していた燃料を節約することができる。
また、本発明の廃液焼却処理方法により、下部に向かって絞り構造をとっている炉殻の壁面に堆積するダストが一定量の堆積量になった時点で、ロータリキルン炉尻固定フード炉壁面に被覆されている耐食耐熱金属製ライナ表面の付着力が耐火物の付着力に比べてはるかに小さいために、その自重により容易に壁面からダスト塊が自然に剥離し、焼却炉の休止を行うことなく、連続した運転が可能となる。
請求項2記載の廃液焼却処理方法では、ロータリキルンに内挿された耐食耐熱金属製リフトピン40a、40bにより、固形廃棄物は均一に加熱を受け、未反応固体の処理を迅速に行うことができ、ロータリキルン回転摺動部の炉内への漏洩空気がシール長1m当り200Nm/h以下に抑制できるシール装置38、39の適用により炉内雰囲気を還元雰囲気に保つことができる。
請求項3記載の廃液焼却処理方法により、発熱量の低い廃液を、ロータリキルン、2次燃焼炉、ロータリキルン炉尻固定フードにおいて噴霧し焼却処理したときでも、本発明によりガス燃料としての十分な品位を保った発生ガスを発生させることができ、引続き炉尻固定フードや2次燃焼炉での発生ガスの安定した燃焼を持続させることができる。廃液の焼却量は、固形廃棄物の保有熱量が少ないケースを除いて、有価な助燃料を使用することなく、固形廃棄物の余裕熱を活用して、最大量の廃液を焼却処理することが可能である。
請求項4記載の廃液焼却処理方法により、ロータリキルン炉尻が炉尻固定フードの壁面から後退しているために、ロータリキルン炉尻にダストが融着しにくく、また上部から溶融ダストの流下があった場合においても、直接的に炉尻端面を汚染しないために、ロータリキルンの回転動作が連続して安定であり、焼却炉の稼動率を向上させる。
図1は、従来の流動床焼却炉の説明図である。また、図2は、従来のロータリキルン焼却炉の説明図である。
図3は、本発明の実施形態を表すロータリキルン、ストーカ炉および2次燃焼炉の設備に関する説明図である。図4は、ロータリキルン回転部のシール構造、およびリフトピン攪拌機の構造図である。図5は、図3中に示すA−A線の断面図である。図6は、耐食耐熱金属製ライナの取付け構造図である。
図3、図4、図5および図6に基づいて、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
固形廃棄物は一旦投入ホッパ31に受入れられ、切出しコンベア32によりロータリキルン36内に投入される。投入された固形廃棄物は、空燃比が0.2〜0.6程度の少量の燃焼空気により部分燃焼され、残りの可燃分は熱分解を受けて、熱分解ガスおよびチャーになる。廃液噴霧ノズル34bより吹込まれた廃液は、固形廃棄物の部分燃焼で発生した燃焼熱により加熱され、蒸発分解される。
これらの混合ガスの雰囲気は、高温で且つ還元状態が維持される。尚、多量の空気の炉内への漏れ込みを防止できるように、漏れ込み量がシール長さ1m当り200Nm/h以下を維持できる高性能なキルンシール装置(炉前シール装置38、炉尻39シール装置)を具備している。
炉内に投入された固形廃棄物は、前記の高温炉内雰囲気ガスと十分な接触を短時間で図るために、炉内には複数列の攪拌装置40a、40bが設けられており、固形廃棄物はロータリキルンの回転と共に駆動する攪拌リフトピンにより十分攪拌される。この第1処理工程の出口温度は800℃以上に維持される。
第1処理工程から排出される発生ガスは、第2処理工程の炉尻固定フード41に導入され、当該発生ガスに含まれる可燃ガスは、固定フード内でストーカ焼却炉45から上昇する排ガス中の酸素と接触して燃焼する。さらに2次燃焼炉49に上昇した混合ガスに、2次燃焼炉下部から1次燃焼空気、2次燃焼空気が吹込まれ燃焼が持続する。2次燃焼炉出口温度は、2次燃焼空気の調整により800℃以上の任意の温度に制御される.廃液は噴霧ノズル52、53によりロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉に吹き込まれ、およそ1000℃以上に保持される当該吹込み空間でロータリキルン発生ガスの燃焼過程において蒸発分解される。全ての燃焼排ガスは、2次燃焼炉の燃焼空間48内で法定滞留時間の2秒以上滞留した後、2次燃焼炉出口から完全燃焼排ガスとして排出される。
ロータリキルン内への廃液噴霧ノズル34b、ロータリキルン炉尻固定フード41への噴霧ノズル52、2次燃焼炉49への噴霧ノズル53から吹込まれた廃液中の灰分は、大部分はガス中に浮遊し、また一部はガス中に蒸発する。ガス中に浮遊した灰分は、高温雰囲気の中で軟化溶融し、ロータリキルン炉尻固定フードおよび2次燃焼炉の壁面に融着する。融着したダストは、高温ガスの輻射熱により大部分は溶融流下するが、ロータリキルンの炉尻端面43がその上半円部において固定フード壁面42aに比べて後退しているために、溶融流下した軟化ダストが直接にロータリキルン炉尻端面を汚染することがない。
尚、廃液の第2供給手段である廃液噴霧ノズル34bからのロータリキルン内への吹き込み、および廃液の第3供給手段である廃液噴霧ノズル52および53からのロータリキルン炉尻固定フードおよび2次燃焼炉への吹込みによれば、吹込まれた廃液中の灰分は、廃液の蒸発と共に空間に分散し、さらに壁面に付着し、付着した灰分の軟化物が固形廃棄物由来の煤塵と共に融着成長する危険性が高まる。そこで、本実施形態では、廃液の第1供給手段である廃液注入口34aからロータリキルンへの投入前の固形廃棄物中に注入し、固形廃棄物を湿潤させる形態でロータリキルンへ廃液を供給する。
第1処理工程および第2処理工程で発生したダストは、固定フード下部からクリンカ除去排出工程を経て炉外に排出される。すなわち、廃液を噴霧・蒸発して燃焼する空間51、48から、壁面を溶融流下した灰分およびガス中から下部壁面に沈下堆積したダストは、クリンカとなって下部壁面で堆積成長するが、壁面を耐食耐熱金属のライナ54で被覆した炉殻構造により、ある程度の堆積の後、自然に自重により剥離した後、ストーカ焼却炉の火格子44上に落下し、火格子の駆動により炉外に排出される。
この場合図5から明らかなようにロータリキルンとストーカ炉を接続する炉殻の壁面は、傾斜構造をとることが、ロータリキルンおよびストーカ炉の寸法関係からして一般的である。この傾斜構造は、ダストの堆積成長を助長するために極力垂直に近く計画することが望ましい。しかし、図3、図5の配置では、ストーカ炉の火格子44の平面寸法を必要以上に大きくすることが必要であり、このことは熱分解残渣が火格子上を覆えない範囲が広くなり、上部からの高温ガス輻射により、火格子の寿命を毀損することにもつながる。この観点から図3、図5に示すストーカ炉の流れ方向を90度回転配置すれば、火格子面積を適正に維持したまま、固定フードとストーカ炉を接続する炉殻の壁面を垂直に計画することが容易になる。
次に、ロータリキルン内を還元雰囲気に維持し、固形廃棄物の保有熱をロータリキルンで高効率に熱分解し尽くす手段として、本発明を実施するための最良の形態を図4により説明する。
ロータリキルン炉前シール装置38については、ローラチェーン61に押さえ板A65を固定し、当該押さえ板Aを貫通して取付けられた押さえボルトにより可撓性を有するジョイントシール材を、シール部摺動座64に押さえ板B63を介して押しつける。必要に応じシール部摺動座64には潤滑油を給脂する。ジョイントシール材は一端部がロータリキルン炉前固定フードに固定され、他の端部がローラチェーン押さえ板に固定されている。ローラチェーンは、ロータリキルン胴体に巻きつけられ、キルンの回転に対して同調動作をとらないようにローラチェーン1周の合わせ部において、回転を拘束すると共に全てのローラがロータリキルンの胴体に接触するように詰縛する。
また、炉内に投入された固体廃棄物はキルン胴体に周方向およそ1mの間隔で取付けられた攪拌リフトピンの複数列で均−に攪拌され、固体廃棄物は短時間で均一に炉内の高温ガスからの輻射熱を受け、迅速に熱分解が進むことになる。攪拌装置の列は、攪拌リフトピンの配置が、逆螺旋配列であれば固形廃棄物の前進動作が阻害され、炉内における滞留時間を長くする効果が発現するので好ましい。
図3と同じ構成の固形廃棄物の焼却処理設備を使用して、表1の2種類の廃プラスチック含有固体を対象にして実証運転を行った。
Figure 0004509695
実機運転結果を表2に示すが、2次燃焼炉出口排ガス中に残留する未反応ガスとしてCOを調査した結果不検出であり、良好な処理性能を確認した。
Figure 0004509695
Figure 0004509695
本発明は固形廃棄物の保有熱を有効活用する1手段の提供方法であり、従来は発熱量が低く自燃性のない廃液を焼却処理する場合には、重油などの化石燃料を大量に使用していた。一方で固形廃棄物の保有熱を重油の代替として用いる場合は、固形廃棄物の完全燃焼限界の制約から廃液の焼却量には限界があった。本発明は固形廃棄物のガス化生成ガスの燃焼過程において廃液を噴霧焼却できる条件を見出したものであり、本発明によれば重油などの化石燃料の大幅な節減が期待できる。固形廃棄物の保有熱の回収としては、これまでは廃熱ボイラを設置して、蒸気タービン発電を行うサーマルリサイクルが主体であったが、廃液の焼却ニーズが存在する需要家においては、効率の悪い発電よりも、化石燃料を節約できる本発明の方式の方が、より高効率に実質的なサーマルリサイクルを達成することができる。
本発明によれば、利用し難い固形廃棄物の保有熱を簡便に廃液焼却に利用できるため、化石燃料の大幅な節約を図ることができることから、産業上の利用用途は広く裨益するところが大きなものである。
従来の流動床焼却炉の説明図である。 従来のロータリキルン焼却炉の説明図である。 本発明の実施形態を表すロータリキルン、ストーカ炉および2次燃焼炉の設備に関する説明図である。 ロータリキルン回転部のシール構造、およびリフトピン攪拌機の構造図である。 図3中に示すA−A線の断面図である。 図5中に示すa部の詳細であり、耐食耐熱金属製ライナの取付け構造図である。
符号の説明
図1
1 固形廃棄物投入ホッパ
1a 固形廃棄物切出しコンベア
2 流動ベッド
3 ウインドボックス
4 残渣排出管
5 廃液吹込みノズル
6 廃液噴霧ノズル
7 フリーボード
8 分散板
21 流動床炉出囗温度計
図2
9 固形廃棄物投入ホッパ
9a 固形廃棄物切出しコンベア
10 炉前固定フード
11 ロータリキルン
12 炉尻固定フード
13 2次燃焼炉
14 ロータリキルン燃焼空間
15 2次燃焼炉燃焼空間
16 ロータリキルン廃液噴霧ノズル
17 2次燃焼炉廃液噴霧ノズル
18 残渣排出シュート
19 2次燃焼炉出口温度計
20 助燃バーナ
図3
31 固形廃棄物投入ホッパ
32 固形廃棄物切出しコンベア
33 ロータリキルン助燃バーナ
34a 投入ホッパ廃液注入口
34b ロータリキルン廃液噴霧ノズル
35 ロータリキルン燃焼空間
36 ロータリキルン
37 炉前固定フード
38 炉前シール装置
39 炉尻シール装置
40a 1列目廃棄物攪拌装置
40b 2列目廃棄物攪拌装置
41 炉尻固定フード
42a ロータリキルン炉尻上半円部の炉尻固定フード側壁面
42b ロータリキルン炉尻下半円部の炉尻固定フード側壁面
43 ロータリキルン炉尻端面
44 火格子
45 ストーカ炉
46 焼却灰排出コンベア
47 炉尻固定フード助燃バーナ
48 2次燃焼炉燃焼空間
49 2次燃焼炉
50 ストーカ炉助燃バーナ
51 炉尻固定フード燃焼空間
52 炉尻固定フード噴霧ノズル
53 2次燃焼炉噴霧ノズル
54 耐食耐熱ライナ
55 ライナ取付ボルト
56 2次燃焼炉出口温度計
図4
34b ロータリキルン廃液噴霧ノズル
35 ロータリキルン燃焼空間
38 炉前シール装置
40a 1列目廃棄物攪拌装置
40b 2列目廃棄物攪拌装置
60 ジョイントシート
61 ローラチェーン
62 押さえボルト
63 押さえ板B
64 シール部摺動座
65 押さえ板A
図5
42a ロータリキルン炉尻上半円部の炉尻固定フード側壁面
42b ロータリキルン炉尻下半円部の炉尻固定フード側壁面
43 ロータリキルン炉尻端面
44 火格子
46 焼却灰排出コンベア
52 炉尻固定フード噴霧ノズル
53 2次燃焼炉噴霧ノズル
55 ライナ取付ボルト
図6
54 耐熱耐食ライナ
55 ライナ取付ボルト

Claims (4)

  1. 固形廃棄物の部分燃焼ガス化を行うガス化ロータリキルンにおいて、炉内が還元雰囲気で、ロータリキルン出口において800℃以上の高温に維持されたロータリキルン内で廃液を蒸発分解処理するために、廃液の第1供給手段として廃棄物投入ホッパ壁面に設けられた廃液注入口によりロータリキルン炉内へ廃液を供給して蒸発分解できる第1処理工程によって廃液の蒸発分解手段が構成され、廃液の供給が前記の第1供給手段によってなされ
    または、前記第1処理工程と、前記第1処理工程から発生する可燃性排ガスを燃焼させるロータリキルン炉尻固定フードの燃焼空間および2次燃焼炉の燃焼空間で廃液を蒸発分解するために、廃液の第3供給手段としてロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉炉壁に設けられた廃液噴霧ノズルにより、ロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉内に廃液を供給して噴霧焼却できる第2処理工程により前記廃液の蒸発分解手段が構成され、廃液の供給が前記の第1供給手段と第3供給手段の組合せによってなされ、
    廃液中の脱離灰分を中心にし、固形廃棄物に由来する飛灰が付加されてなる炉壁付着クリンカを剥離除去するために、ロータリキルン炉尻固定フードの炉壁面は、おおむねロータリキルン水平中央線部から下方に位置する耐火物壁面の表面に耐食耐熱金属製ライナが被覆され、クリンカの自重が前記金属製ライナとの付着力を超過したときに自然に剥離落下し、さらに前記ロータリキルンにおける熱分解残渣の焼却用に設置したストーカ炉によって炉外に搬出するクリンカ除去排出工程が設けられていることを特徴とする廃液焼却処理方法。
  2. ロータリキルンが、耐食耐熱金属製リフトピンが内挿され、ロータリキルン回転摺動部の炉内への漏洩空気がシール長1m当り200Nm/h以下に抑制されていることを特徴とする請求項1記載の廃液焼却処理方法。
  3. 前記第1供給手段と、廃液の第2供給手段として炉前固定フードに設けられた廃液噴霧ノズルにより、ロータリキルン炉内へ廃液を供給して蒸発分解できる前記第1処理工程と、前記第1処理工程から発生する可燃性排ガスを燃焼させるロータリキルン炉尻固定フードの燃焼空間および2次燃焼炉の燃焼空間で廃液を蒸発分解するために、廃液の第3供給手段としてロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉炉壁に設けられた廃液噴霧ノズルにより、ロータリキルン炉尻固定フードおよび/または2次燃焼炉内に廃液を供給して噴霧焼却できる第2処理工程により廃液の蒸発分解手段が構成され、廃液の供給が前記の第1供給手段と、前記第2供給手段および/または第3供給手段とによってなされ、
    炉内の還元雰囲気が、固形廃棄物の部分燃焼ガス化により、または部分燃焼ガス化により還元雰囲気を維持することが困難な場合には、キルン炉前固定フードに取付けられた助燃バーナの燃焼空気比を0.5〜0.9の範囲で還元燃焼することにより必要熱量を追加せしめ、ロータリキルン炉尻部の排ガス温度が少なくとも800℃以上であること、および発生ガスの低位発熱量が少なくとも300kcal/Nm以上で且つ水素ガス濃度が6%以上を維持すること、および/またはロータリキルン発生ガスおよびチャーの燃焼熱を利用して2次燃焼炉内で廃液を噴霧焼却した後の排ガス温度が、空気比が1.0の理論燃焼時において、少なくとも1200℃以上であることを特徴とする請求項1または2記載の廃液焼却処理方法。
  4. ロータリキルンが、ロータリキルン炉尻の端面のうち、上部半円部がロータリキルン炉尻固定フード炉壁面から後退し、下部半円部が炉壁面から突出せしめるよう、炉尻固定フード炉壁がおおむねロータリキルン水平中央線部で段違いにて構成されることにより、2次炉上部の壁面から溶融流下する灰分によりロータリキルン炉尻端面が汚染されないようにすることを特徴とする請求項1または2記載の廃液焼却処理方法。
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