JPH111725A - 製鉄所発生廃棄物等の処理設備 - Google Patents

製鉄所発生廃棄物等の処理設備

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JPH111725A
JPH111725A JP9168087A JP16808797A JPH111725A JP H111725 A JPH111725 A JP H111725A JP 9168087 A JP9168087 A JP 9168087A JP 16808797 A JP16808797 A JP 16808797A JP H111725 A JPH111725 A JP H111725A
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waste
rotary kiln
metal
generated
reducing agent
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JP9168087A
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Koretaka Ishikawa
是孝 石河
Susumu Ide
進 井出
Toshio Matsuoka
俊雄 松岡
Shinichi Kuromame
伸一 黒豆
Hiroshi Koide
浩 小出
Shigeru Morishita
茂 森下
Kenju Mori
建樹 森
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Nippon Steel Corp
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding
    • Y02P40/125Fuels from renewable energy sources, e.g. waste or biomass

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  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 前処理が比較的簡単であり、還元処理効率が
良く、回収されるFe等の純度が高い回収可能金属含有
廃棄物の処理と、酸洗またはめっき廃液の安価で安全な
処理とをともに可能とする。 【構成】 ロータリーキルンと2次燃焼室とを有し、ロ
ータリーキルンは円筒形状の中心軸を水平に対して傾け
て回転され、上流開口端から回収可能金属等含有廃棄
物、還元剤、スラグ生成物質を投入するとともに燃焼ガ
スを導入し、下流開口端へ向かって移動させながら、乾
燥、金属の還元及び溶融、亜鉛等の優先蒸発及び酸化並
びに酸化亜鉛等粉末の生成、溶融金属と溶融スラグの排
出を順次行い、2次燃焼室は直立円筒状であり、その側
面にロータリーキルンの下流開口端との接合口があり、
その側面から接線方向へ廃油等を注入する廃油ランスを
有し、その上方に廃液ランスを有し、800℃以上に保
ち廃液を加熱分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製鉄所発生廃棄物等の処
理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】回収可能金属含有廃棄物は、例えば、鉄
鉱石粉、製銑または製鋼ダスト、電炉ダスト、圧延スラ
ッジ、酸洗スラッジ等のFe含有廃棄物と、例えば、ス
テンレス鋼スクラップ等のNi含有廃棄物と、例えば、
亜鉛めっき鋼板スクラップ等のZn含有廃棄物に分類で
きる。
【0003】従来、回収可能金属含有廃棄物は、そのリ
サイクルが技術及び経済性の面から問題等があり、大部
分が埋め立て処分されていた。しかしながら、環境規制
の強化や再資源化推進の観点から、また、埋立用地の狭
隘化により回収可能金属含有廃棄物を埋め立て続けるの
は困難になってきた。
【0004】Feを含有する回収可能金属含有廃棄物か
ら鉄を回収して、製銑工程、製鋼工程や電炉に投入する
のが鉄資源のリサイクルの面から好ましいようにみえる
が、回収した鉄に亜鉛等が含まれていると、燒結機や高
炉の操業に障害をもたらし、鋼の品質を劣化させてしま
う。そこで、Feを含有する回収可能金属含有廃棄物か
ら亜鉛等を除去する方法が提案されている。
【0005】第1の従来の亜鉛除去方法は、低温長時間
式ロータリーキルンを用い、Feを含有する回収可能金
属含有廃棄物中の酸化亜鉛をコークス等の還元剤ととも
に約1200℃以下の比較的低温で還元し金属亜鉛を生
成し蒸発させた後に酸化性雰囲気中で酸化亜鉛粉末を生
成させ酸化亜鉛粉末のダストとして回収除去し、一方、
Feを含有する回収可能金属含有廃棄物中の酸化鉄もま
たコークス等の還元剤とともに約1200℃以下の比較
的低温で還元し還元鉄を得て燒結機または高炉に戻すも
のであった。
【0006】第2の従来の亜鉛除去方法は、湿式サイク
ロンを用いて亜鉛成分を濃縮し、高亜鉛濃度の生成物は
非鉄精練の原料として供給し、低亜鉛濃度の残部を燒結
機や高炉へ戻すものであった。
【0007】次に、本発明の対象とする製鉄所発生廃棄
物の他の主要廃棄物である酸洗またはめっき工程廃液に
ついて従来技術を説明する。酸洗またはめっき工程廃液
は、強酸性であったりシアン化合物等の有害物質を含ん
でいるために、従来は、化学的に中和し有害物質を分解
あるいは沈殿し除去した後でなければ投棄できなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来は、酸洗またはめ
っき工程廃液の化学処理を専門の廃液処理業者に依頼す
る場合が多いが、高額の廃液引取り料金を支払わなけれ
ばならず費用がかかり問題であるとともに、依頼した廃
液処理業者が廃液を完全に無害化して投棄しているか否
かを監督することができず、安全性に不安が残るという
問題がある。
【0009】第1の従来の亜鉛除去方法では、低温長時
間式ロータリーキルンに投入する前に、回収可能金属含
有廃棄物を所定の寸法のベレットに前処理しなければな
らず、ペレット成形設備が必要であり、広い設置面積が
必要であり問題であるとともに、高い前処理費用がかか
るという問題がある。
【0010】また、第1の従来の亜鉛除去方法では、低
温長時間式ロータリーキルンがその内壁面に金属やスラ
グが固化・付着しないように、炉内温度を少なくとも鉄
の溶融温度程度かそれ以下の温度、すなわち、約120
0℃以下に保たなければならない。したがって、第1の
従来の亜鉛除去方法のロータリーキルンでは、気−固反
応による鉄還元のみであるため、還元時間を長くしなけ
ればならないので、ロータリーキルンの長さを長くし大
型化しなければならず、還元処理効率が悪いという問
題、及びロータリーキルンの設置面積が広すぎるという
問題のみならず、回収するFe等の純度が低いという問
題がある。
【0011】よって、本発明の目的は、上記問題点を解
決し、回収可能金属含有廃棄物の前処理が比較的簡単で
あり、還元処理効率が良く、回収されるFe等の純度が
高い、回収可能金属含有廃棄物の処理と、酸洗またはめ
っき工程廃液の比較的経済的で安全な処理とを可能とす
る製鉄所発生廃棄物等の処理設備を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1に
記載の本発明に係る製鉄所発生廃棄物等の処理設備、即
ち、ロータリーキルンと2次燃焼室とを有する製鉄所発
生廃棄物等の処理設備であって、当該製鉄所発生廃棄物
等が回収可能金属含有廃棄物と酸洗またはめっき工程廃
液を含み、当該ロータリーキルンは、円筒形状であり、
その中心軸が水平に対し上流から下流に向かって傾斜し
て回転され、その上流開口端の投入部から回収可能金属
含有廃棄物と還元剤とスラグ生成物質とを投入するとと
もに燃焼ガスを導入し、回収可能金属含有廃棄物と還元
剤とを下流開口端の排出部へ向かって移動させながら、
乾燥、金属の還元及び溶融、亜鉛等の優先的蒸発と酸化
及び酸化亜鉛等粉末の生成、溶融金属と溶融スラグの排
出を順次行なうものであり、当該2次燃焼室は、直立円
筒状であり、その下端には溶融金属及び溶融スラグ取出
し口が設けてあり、その側面には上記ロータリーキルン
の排出部との接合口が設けてあり、その側面からその接
線方向へと廃油または燃料油を注入する廃油ランスを有
し、その上方に空気導入口及び廃液ランスを有してお
り、800℃以上に保ち廃液を加熱分解することを特徴
とする製鉄所発生廃棄物等の処理設備によって達成され
る。
【0013】本発明の好ましい実施態様においては、請
求項2に記載のように、当該製鉄所発生廃棄物等がさら
に還元剤含有廃棄物を含み、当該ロータリーキルンの投
入部から還元剤として当該還元剤含有廃棄物をも投入す
る。
【0014】また、本発明の好ましい別の実施態様にお
いては、請求項3に記載のように、当該製鉄所発生廃棄
物等がさらに燃料含有廃棄物を含み、当該ロータリーキ
ルンの投入部から当該燃料含有廃棄物をも投入する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る製鉄所発生廃
棄物等の処理設備の実施形態について、添付図面を参照
して、詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の実施形態の製鉄所発生廃
棄物等の処理設備の概略図である。ロータリーキルン1
は中空円筒状であり、その中心軸105は水平から約1
〜2度傾斜して、図1においては左が上流で右が下流で
あり、下流側は上流側に比べわずかに低くなっている。
上流開口端の投入部101には固定プレート120がロ
ータリーキルン1に対し気密を保ちつつ摺動可能に取り
付けられている。固定プレート120の中央には加熱用
バーナー131、ガスバーナー132及び廃油ランス1
33が取り付けられている。固定プレート120に隣接
して投入シュート110が設けてあり、その下端は、図
1で破線で示すように、固定プレート120を貫通し
て、ロータリーキルン1の投入部101に至っている。
ロータリーキルン1の外側面には、円環状に外部へ突出
する2本の案内突起103、104が設けてあり、ロー
タリーキルン1の軸方向の移動を抑えつつ、駆動装置5
と回転接触して、ロータリーキルン1を中心軸105の
まわりに回転させている。下流開口端は排出部102で
ある。
【0017】本発明の実施形態におけるロータリーキル
ン1は、その長さLと内径Dとの比L/Dが5以下であ
り、従来のロータリーキルンの比L/Dが20以上であ
るのに比べ大変に短い。また、回収可能金属含有廃棄物
と還元剤とスラグ生成物質とが投入される上流開口端の
投入部101に加熱用バーナー131が設置され、ロー
タリーキルン全体を高温に加熱できる構造であり、ロー
タリーキルン内壁面に付着物が発生しても加熱用バーナ
ーで加熱し溶融除去することができる。
【0018】2次燃焼室2は直立円筒状であり、その下
端には溶融金属及び溶融スラグ取り出し口202が設け
てあり、ロータリーキルン1の下流開口端の排出部10
2と接合するための接合口201が設けてあり、2次燃
焼室2の内部には燃料油バーナー203が設けてあり、
2次燃焼室2の内部を加熱している。さらに、その側面
には、2次燃焼室2の円形断面の接線方向へと廃油油ま
たは燃料油を噴霧注入する廃油ランス204が設けてあ
る。その上方には空気導入口205及び廃液ランス20
6が設けてある。
【0019】2次燃焼室2の溶融金属及び溶融スラグ取
り出し口202の下方には、落下してくる溶融金属及び
溶融スラグを受け止め収容する受け鍋4が配置されてい
る。
【0020】次に、本発明に係る製鉄所発生廃棄物等の
処理設備の実施形態の処理動作について説明する。
【0021】鉄鉱石粉、製銑または製鋼ダスト、電炉ダ
スト、圧延スラッジ、酸洗スラッジ、ステンレス鋼スク
ラップ、亜鉛めっき鋼板スクラップ等の回収可能金属含
有廃棄物を微粉炭、コークス粉等の還元剤とを公知の乾
式または湿式混合法で混合する。乾式処理によって得ら
れたものは、直接にロータリーキルンに投入するか、あ
るいは、別途湿式法で得た脱水ケーキ等とさらに混合し
た後にロータリーキルンに投入する。一方、湿式処理に
よって得られたものは、脱水し脱水ケーキとして、これ
を直接にロータリーキルンに投入するか、あるいは、微
粉炭等とさらに混合した後にロータリーキルンに投入す
る。紙屑、木屑、プラスチック廃棄物、パルプ屑、パル
プ残滓、廃油等は、副次燃料兼副次還元剤として利用す
ることができ、微粉炭、コークス粉等の還元剤と同様
に、回収可能金属含有廃棄物と混合して混合した後にロ
ータリーキルンに投入されたり、混合が困難な場合には
直接にロータリーキルンに投入される。
【0022】鉄や鉄合金の回収率を高めるために、焼却
灰等のスラグ生成物質をロータリーキルンに投入するの
が好ましい。
【0023】ロタリーキルンの投入部は、加熱用バーナ
ーによって500〜700℃に加熱されている。上記の
簡単に前処理された脱水ケーキ状の回収可能金属含有廃
棄物と還元剤または副次還元剤との混合物は、ロタリー
キルンの投入部において、昇温され、乾燥され、下流へ
向かって移動する(乾燥工程)。図1に乾燥工程の混合
物30の位置は示されている。当該混合物は造粒化され
ていても良い。
【0024】乾燥工程の次の還元工程においては、回収
可能金属含有廃棄物中の鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、
鉛等の酸化物が、還元剤または副次還元剤によって、還
元される。図1に還元工程の混合物31の位置が示され
ている。還元工程の混合物31はロータリーキルン1の
底部に溜りベッドをなしており、還元工程のベッドの温
度は約1000℃〜1200℃に達しており、ベッド中
で、気−固反応の態様で、還元反応が開始し、ほぼ完了
する。すなわち、還元剤または副次還元剤の炭素は、一
部が直接に固体の金属酸化物と反応し、あるいは、大部
分は、炭素から生成される一酸化炭素ガスが固体の金属
酸化物と反応する。還元生成物は、固体還元鉄、固体フ
ェロニッケル合金、溶融亜鉛、溶融鉛、溶融カドミウム
などである。
【0025】溶融亜鉛、溶融鉛、溶融カドミウムは沸点
が低いので、優先的に蒸発する。気体状の亜鉛等は、還
元性のベッドの上方の酸化性雰囲気の空間へ移動し、こ
の酸化性雰囲気中で亜鉛等は酸化され酸化亜鉛等の微粉
末が生成される。この酸化亜鉛等の微粉末は排ガスとと
もにロータリーキルンから飛散し、2次燃焼室を通っ
て、後段の集塵機によって捕集される。
【0026】一方、還元鉄、フェロニッケルはベッド中
に残る。また、還元反応後に残存する一酸化炭素ガス
は、ベッド上方で燃焼しベッドやロータリーキルン内壁
の加熱に寄与する。この一酸化炭素の燃焼炎はベッドを
還元性雰囲気に維持するのにも寄与している。
【0027】還元工程の次の溶融工程においては、混合
物が1200℃以上に加熱されており、還元鉄は炭素を
取り込みながら溶融し、ほぼ炭素飽和組成の溶融炭化
鉄、すなわち、銑鉄に近い組成が得られる。この溶融炭
化鉄にはニッケル、クロム等も溶け込まれている。図2
は、還元工程及び溶融工程の混合物の状態を示すための
ロータリーキルンの断面図である。これらの溶融金属3
52はベッド351の下部に溜っている。ベッド351
はロータリーキルン1の回転に引きずられて図2におい
ては左側が高くなっている。ベッド351の上方のロー
タリーキルンの内壁152によって囲まれた空間160
は酸化性雰囲気に保たれている。
【0028】また、混合物中に焼却灰等のスラグ生成物
質が含まれている場合には、溶融スラグも得られ、比重
の差から、溶融スラグは溶融金属の上部に浮いて層をな
している。図1に溶融工程の混合物、すなわち、溶融金
属32と溶融スラグ33が示されている。溶融スラグ中
には多量のクロム、若干量の鉄、若干量のニッケルが取
り込まれている。
【0029】溶融金属32及び溶融スラグ33は、12
50〜1300℃に保持されたロータリーキルンの排出
部102へ向かってに送られる。溶融スラグ33は溶融
金属32の表面を覆い、溶融金属32が酸化されるのを
防止するものである。溶融金属32及び溶融スラグ33
は、ロータリーキルンの排出部102から落下し、2次
燃焼室の下端の溶融金属及び溶融スラグ取り出し口20
2の直下に配置した受け鍋4の中に収容される。受け鍋
4の中においても、比重差により溶融スラグ35は溶融
金属34の上に浮かび、溶融スラグ35は溶融金属34
の表面を覆い、溶融金属34が酸化されるのを防止す
る。
【0030】次に、排ガス及び酸化亜鉛等の微粉末は2
次燃焼室2にその接合口201から挿入される。接合口
201近くの燃料油バーナー203によって排ガスはさ
らに加熱されるとともに、燃料油バーナー203の直上
に配置された廃油ランス204から噴霧注入される廃油
は完全に燃焼される。廃油ランス204からは廃油が、
2次燃焼室の円環状断面の接線方向に注入されるため、
燃焼炎は周囲を注入された廃油に取り囲まれ中心部に局
在するので、2次燃焼室の壁面の温度上昇が抑さえら
れ、内壁の劣化が減少されている。さらに、上方には、
廃液ランス206が配置され、廃液が注入されるが、約
800℃〜1300℃に保たれた高温雰囲気であるた
め、ダイオキシン等の有害物質を生成することなく、完
全にかつ安全に廃液を分解処理することができる。廃液
の処理能力は、本発明に係る製鉄所発生廃棄物等の処理
設備1基当たり約6トン/日である。完全燃焼を行うた
めに空気導入口205も設けてある。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0032】実施例1 高温還元溶融ロータリーキルンへの装入原料は、回収可
能金属含有廃棄物として、電炉ダスト約3000トン/
月及び廃棄パチンコ玉約150トン/月を用い、副次燃
料兼副次還元剤として、廃棄プラスチック約100トン
/月及びコークス約850トン/月を用い、スラグ生成
物質として珪石約200トン/月及び石灰石300トン
/月を用いた。操業温度約1700℃、高温還元溶融ロ
ータリーキルンの回転数0.4rpmに保ち、原料の脱
水ケーキを投入してから30分毎にサンプリングを行
い、金属還元率を求めた。図3は、本発明の高温還元溶
融ロータリーキルンにおける実施例1の金属還元率と時
間との関係を示すグラフである。試験No.1〜5につ
いて多少のばらつきはあるものの装入から約45分間は
乾燥工程に相当し、その後、約1時間は還元工程に相当
し、装入から約1時間45分経過後に還元が完了して、
金属還元率は100%に達している。
【0033】実施例2 回収可能金属含有廃棄物として、亜鉛鋼板スクラップ及
び鉛含有スクラップを用い、高温還元溶融ロータリーキ
ルンにおいて、金属の還元、溶融及び亜鉛、鉛の蒸発、
酸化を順次行わせた。図4は、本発明の高温還元溶融ロ
ータリーキルンにおける実施例2の亜鉛除去率及び鉛除
去率を示すグラフである。試験No.2−1〜2−5に
おいて、亜鉛除去率は73%〜99%であるが、試験N
o.2−2を除くと亜鉛除去率は98%〜99%に達し
ている。一方、鉛除去率は80%〜91%である。本実
施例の結果から、再生回収される鉄に含まれる亜鉛、鉛
は十分に低減されており、電気炉へ投入しリサイクルす
ることができる品質であることがわかる。
【0034】実施例3 回収可能金属含有廃棄物として、ステンレスダストを用
い、高温還元溶融ロータリーキルンにおいて、金属の還
元及び溶融を順次行わせた。図5は、本発明の高温還元
溶融ロータリーキルンにおける実施例3のニッケル回収
率及びクロム回収率を示すグラフである。試験No.3
−1〜3−5において、ニッケル回収率は80%〜88
%であるが、高価格のフェロニッケルとして回収され
る。一方、クロム回収率は43%〜55%であり、大部
分はスラグ中に回収される。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る製鉄所発生廃棄物等の処理
設備によれば、回収可能金属含有廃棄物を比較的安価に
安全に処理できるばかりでなく、銑鉄同等の高品位炭化
鉄、フェロニッケル、酸化亜鉛を高率に回収することが
できるという効果が得られる。
【0036】本発明に係る製鉄所発生廃棄物等の処理設
備によれば、紙屑、木屑、プラスチック廃棄物、パルプ
屑、パルプ残滓、廃油、微粉炭、コークス粉等を簡単な
前処理を行うだけで燃焼処理することができる。
【0037】本発明に係る製鉄所発生廃棄物等の処理設
備によれば、2次燃焼室において廃油ランスから2次燃
焼室の円環断面の接線方向に向かって廃油を噴霧注入し
ているので、2次燃焼室の壁面の温度上昇が抑えられ、
内壁の劣化が減少されるという効果が得られる。
【0038】本発明に係る製鉄所発生廃棄物等の処理設
備によれば、2次燃焼室内が約800℃〜1300℃に
保たれた高温雰囲気であるため、ダイオキシン等の有害
物質を生成することなく、大量の酸洗またはめっき工程
廃液を完全にかつ安全に廃液を分解処理することができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の製鉄所発生廃棄物等の処理
設備の概略図である。
【図2】還元工程及び溶融工程の混合物の状態を示すた
めのロータリーキルンの断面図である。
【図3】本発明の高温還元溶融ロータリーキルンにおけ
る実施例1の金属還元率と時間との関係を示すグラフで
ある。
【図4】本発明の高温還元溶融ロータリーキルンにおけ
る実施例2の亜鉛除去率及び鉛除去率を示すグラフであ
る。
【図5】本発明の高温還元溶融ロータリーキルンにおけ
る実施例3のニッケル回収率及びクロム回収率を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 ロータリーキルン 101 投入口 102 排出部 103 案内突起 104 案内突起 105 中心軸 110 投入シュート 120 固定プレート 131 加熱用バーナー 132 ガスバーナー 133 廃油バーナー 151 ロータリーキルンの外壁 152 ロータリーキルンの内壁 160 空間 2 2次燃焼室 201 接合口 202 スラグ取り出し口 203 燃料油バーナー 204 廃油ランス 205 空気導入口 206 廃液ランス 30 乾燥工程の混合物 31 還元工程の混合物 32 溶融金属 33 溶融スラグ 34 溶融金属 35 溶融スラグ 351 ベッド 352 溶融金属 4 受け鍋 5 駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F27B 7/20 B09B 3/00 303A (72)発明者 松岡 俊雄 愛媛県新居浜市惣開町5番2号 住友重機 械工業株式会社新居浜製造所内 (72)発明者 黒豆 伸一 愛媛県新居浜市惣開町5番2号 住友重機 械工業株式会社新居浜製造所内 (72)発明者 小出 浩 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 森下 茂 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 森 建樹 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータリーキルンと2次燃焼室とを有す
    る製鉄所発生廃棄物等の処理設備であって、 当該製鉄所発生廃棄物等が回収可能金属含有廃棄物と酸
    洗またはめっき工程廃液を含み、 当該ロータリーキルンは、円筒形状であり、その中心軸
    が水平に対し上流から下流に向かって傾斜して回転さ
    れ、その上流開口端の投入部から回収可能金属含有廃棄
    物と還元剤とスラグ生成物質とを投入するとともに燃焼
    ガスを導入し、回収可能金属含有廃棄物と還元剤とを下
    流開口端の排出部へ向かって移動させながら、乾燥、金
    属の還元及び溶融、亜鉛等の優先的蒸発と酸化及び酸化
    亜鉛等粉末の生成、溶融金属と溶融スラグの排出を順次
    行なうものであり、 当該2次燃焼室は、直立円筒状であり、その下端には溶
    融金属及び溶融スラグ取出し口が設けてあり、その側面
    には上記ロータリーキルンの排出部との接合口が設けて
    あり、その側面からその接線方向へと廃油または燃料油
    を注入する廃油ランスを有し、その上方に空気導入口及
    び廃液ランスを有しており、800℃以上に保ち廃液を
    加熱分解することを特徴とする製鉄所発生廃棄物等の処
    理設備。
  2. 【請求項2】 当該製鉄所発生廃棄物等がさらに還元剤
    含有廃棄物を含み、当該ロータリーキルンの投入部から
    還元剤として当該還元剤含有廃棄物をも投入する請求項
    1に記載の製鉄所発生廃棄物等の処理設備。
  3. 【請求項3】 当該製鉄所発生廃棄物等がさらに燃料含
    有廃棄物を含み、当該ロータリーキルンの投入部から当
    該燃料含有廃棄物をも投入する請求項1に記載の製鉄所
    発生廃棄物等の処理設備。
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