JP2010270954A - ロータリーキルンの操業方法 - Google Patents

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允裕 山口
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Abstract

【課題】燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内に所定の一定割合でバーナー燃料を吹き込みながら、ロータリーキルン本体内のヒートパターンを一定に維持するように、かつロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度を一定範囲内に維持するようにロータリーキルン本体内に供給する原料鉱石等の供給量を調整するロータリーキルンの操業方法において、急な原料鉱石の処理量の増加という要求を何の支障も発生させずにおこなうことのできるロータリーキルンの操業方法の提供を課題とする。
【解決手段】原料鉱石の増処理分を加熱し、焼成し、原料鉱石と共に供給される炭素質還元剤により部分還元されるのに必要とされる熱量に相当する発熱量を有する量の木材を補助燃料として原料鉱石と同様にシュートを介してロータリーキルン本体内に供給する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロータリーキルンの操業方法に関し、さらに詳しくは、燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内に所定量のバーナー燃料を吹き込みながら、ロータリーキルン本体内のヒートパターンを一定に維持するように、かつロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度を一定範囲内に維持するようにロータリーキルン本体内に供給する原料鉱石と炭素質還元剤と要すれば溶剤と繰り返し物等の供給速度を調整し、もってロータリーキルン内壁へのコーチングの成長を防止し、かつ焼鉱の還元度を所定の値とするロータリーキルンの操業において、急な増産要請に対応しうるロータリーキルンの操業方法に関する。
一般に、ロータリーキルンは、鉄鋼製錬及び非鉄金属製錬等の製錬プロセスにおいて鉱石を焼成する工程において使用されている。
例えば、鉄とニッケルを主成分とするフェロニッケル合金の一般的な製造方法として、酸化ニッケル鉱石を原料鉱石として、乾燥工程、焼成工程、還元熔解工程及び精製工程からなる乾式製錬方法が用いられている。この焼成工程では、原料鉱石に炭素質還元剤(石炭やコークス等)と必要に応じて熔剤や繰り返し物等とを混合し、あるいは混合したものをペレットや団鉱に成形し、これを例えば、ロータリーキルンに供給し、供給物中の付着水及び結晶水分を除去し、部分還元された原料鉱石と炭素質還元剤とを含有する焼鉱を得ている。得られた焼鉱は、その後の還元熔解工程にて電気炉又は熔鉱炉等の熔融還元炉で還元熔解され、粗フェロニッケルとスラグとに分けられる。
ところで、前記したような原料鉱石を焼成するために用いられるロータリーキルンとしては、一般的に図1に示すような向流加熱方式のロータリーキルンが採用されている。
図1の向流加熱方式のロータリーキルンについて簡単に説明すると、1はロータリーキルン本体であり、2はロータリーキルン本体1の中間部の所望位置に設けられた供給口であり、3はロータリーキルン本体の一端側に外部より原料をロータリーキルン本体内に供給可能に設けられたシュートであり、4はロータリーキルン本体の他端側(排出端側)に設けられたバーナーである。シュート3とバーナー4とが設けられた部分にはフード5,6が設けられており、集塵とガス排気が行われている。そして、フード6の下部には焼鉱排出口7が設けられている。
図1の設備を用いた操業では、まず、バーナー4により重油、微粉炭等のバーナー燃料8を一定割合でロータリーキルン内に吹き込み、燃焼させてロータリーキルン本体1内のヒートパターンを所定のものとする。その後、原料鉱石9と所定量の炭素質還元剤10と、要すれば溶剤と各種繰り返し物とを併せて前記シュート3を介して回転しているロータリーキルン本体1内に供給する。そして、前記ヒートパターンを維持しつつ、フード6の下部の焼鉱排出口7より排出される焼鉱11の温度を所定の値に維持するように前記鉱石原料9と炭素質還元剤10の供給速度を調整する。
このとき、ロータリーキルン内に吹き込まれるバーナー燃料が過大であると、ロータリーキルンの内壁を構成する耐火物に局所的な過熱部が生じ、その部分の温度が異常に上昇し、その部分と接した原料鉱石9が熔融してコーチングを発生するという事態を引き起こす。
このようにして発生したコーチングは、一部は剥がれ落ち、一部は強制的に剥ぎ落とされて前記焼鉱排出口7にて回収される。このようにして回収されたコーチングのうちの粗大物は、搬送系統でトラブルを防止するために図示しない破砕設備で粗砕した後、前記繰り返し物として再びロータリーキルン本体1に繰り返す。したがって、コーチングによる粗大物発生量が増加するにつれて、ロータリーキルンへの繰り返し物量が増加する。ロータリーキルン内に供給できる物量は一定であるので、前記繰り返し物量の増加はロータリーキルンから産出する焼鉱量の減少を意味し、生産性の低下を来すことになる。
したがって、コーチング量を増加させることなく、ロータリーキルンの操業を長期に持続することは重要な技術課題であり、そのための種々の方策が試みられている。例えば、原料鉱石の焼成及び/又は部分還元処理を行うロータリーキルンの安定操業を持続させるため、ロータリーキルンから排出される焼成鉱石の温度のバラツキを低減するために、排出される焼成鉱石の温度を一定値にするように制御するロータリーキルンの制御方法であって、前記原料鉱石の水分率及びロータリーキルンへのリサイクルダストの供給量を測定する操作、前記測定値から所定のアルゴリズム(A)を用いて演算処理して原料鉱石の供給量を決定する操作、及び前記原料鉱石の供給量を制御する方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されている
この提案されている方法においても、基本となるのは、燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内に吹き込むバーナー燃料の吹き込み量を一定とし、ロータリーキルン本体内のヒートパターンが一定となり、ロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度が一定範囲内に維持されるようにロータリーキルン本体内に供給する原料鉱石と炭素質還元剤と要すれば溶剤と繰り返し物等(以下、「原料鉱石等」と示すことがある。)の供給速度を調整することであり、こうすることによりロータリーキルン内壁へのコーチングの成長を防止し、かつ焼鉱の還元度を所定の値とするものである。
ところで、こうした操業を継続している場合に、急に生産量を増加させなければならない事態が発生することがままある。しかしながら、ロータリーキルンの操業方法は前記したようにあくまでロータリーキルン本体内に吹き込むバーナー燃料の吹き込み割合を一定とし、原料鉱石等の供給速度を調節することによりロータリーキルン本体内のヒートパターンと、ロータリーキルンから排出される焼鉱温度を所定のものに維持するものである。従って、急に生産量を増加させるという要請に応えるためには、従来では、ロータリーキルン内壁に生成するコーチング量の増加は許容し、求められる増処理に見合う必要熱量を、バーナー燃料の吹き込み割合を増加させることにより補填せざるを得なかった。従って、その間はロータリーキルン内壁へのコーチング量は大きく増加することになり、増処理が不要となった際には、場合によっては、ロータリーキルンの操業を停止し、ロータリーキルン内壁に発生したコーチングを除去し、その上で再度ロータリーキルン操業を立ち上げなければならないという事態も発生していた。
代案として、ロータリーキルンへ装入した原料鉱石等に含まれる炭素質還元剤の一部が燃焼することに注目し、バーナー燃料を増加させずに原料鉱石等に含まれる炭素質還元剤の割合を増加し、もって燃焼する炭素質還元剤量を増加させ、これにより増処理分に見合う熱量を確保する手段も考えられる。しかしながら、この手段では、原料鉱石等の炭素質還元剤の割合が高いため、得られる焼鉱の還元度が上昇してしまい、次工程で不具合を生ずることになる。加えて、還元度が上昇した原料鉱石は、軟化点が低下してロータリーキルン内壁に付着してコーチング発生量を増加させるというおそれがある。
したがって、燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内に所定量のバーナー燃料を吹き込み、ロータリーキルン本体内のヒートパターンを一定に維持し、かつロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度を一定範囲内に維持しするようにロータリーキルン本体内に原料鉱石等の供給量を調整するロータリーキルンの操業方法において、ロータリーキルン内壁へのコーチングの成長を防止し、かつ焼鉱の還元度を所定の値としつつ、急な生産量の増加という要求を満たすことのできるロータリーキルンの操業方法の確立が望まれている。
特開2004−340524号公報(第1〜3頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内に所定の一定割合でバーナー燃料を吹き込みながら、ロータリーキルン本体内のヒートパターンを一定に維持するように、かつロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度を一定範囲内に維持するようにロータリーキルン本体内に供給する原料鉱石等の供給量を調整するロータリーキルンの操業方法において、ロータリーキルン内壁へのコーチングの成長を防止し、かつ焼鉱の還元度を所定の値としつつ、急な生産量の増加、即ち原料鉱石の増処理という要求を満たすことのできるロータリーキルンの操業方法の提供にある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、ロータリーキルンにおいて、バーナー燃料の吹き込み量を所定の一定割合としつつ、原料鉱石処理量を増加させた場合に発生する発生する不足熱量の補填方法につき鋭意研究を重ねた結果、原料鉱石を還元する能力のない木材をロータリーキルン本体内に供給し、ロータリーキルン本体内で燃焼させ、これにより発生する熱量を前記不足熱量の補填に用いれば、所定のヒートパターを維持でき、かつ得られるロータリーキルン排出端での焼鉱温度も所定の値に維持でき、焼鉱の還元度も満足でき、かつロータリーキルン本体内でのコーチング発生量の増加を抑制できることを見いだして本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内にバーナー燃料を所定の一定割合で吹き込みながら、ロータリーキルン本体内のヒートパターンを一定に維持するように、かつロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度を一定範囲内に維持するようにロータリーキルン本体内に原料鉱石と炭素質還元剤と要すれば溶剤と繰り返し物等の供給速度を調整するロータリーキルンの操業方法を前提とし、急な原料鉱石の増処理を行っても、ロータリーキルン内壁へのコーチングの成長を防止し、かつ焼鉱の還元度を所定の値としうるロータリーキルンの操業方法であり、
前記原料鉱石の増処理分を加熱し、焼成し、原料鉱石と共に供給される炭素質還元剤により部分還元されるのに必要とされる熱量に相当する発熱量を有する量の木材を補助燃料として、原料鉱石と同様にシュートを介してロータリーキルン本体内に供給することを特徴とするロータリーキルンの操業方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、前記第1の発明において、補助燃料として木材を供給するに際して、原料鉱石と炭素質還元剤の比率は木材供給前と同じであることを特徴とするロータリーキルンの操業方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、補助燃料として木材を供給するに際して、木材としてチップ状の木片もしくは、木片を圧縮成形したペレットを供給することを特徴とするロータリーキルンの操業方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、前記第3の発明において、前記原料鉱石は、フェロニッケル製造用に用いる酸化ニッケル鉱石であることを特徴とするロータリーキルンの操業方法が提供される。
ロータリーキルンを用いた操業では、燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内にバーナー燃料を所定の一定割合で吹き込みながら、ロータリーキルン本体内のヒートパターンを一定に維持するように、かつロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度を一定範囲内に維持するようにロータリーキルン本体内に原料鉱石等の供給速度を調整しつつ供給することにより、ロータリーキルン内壁へのコーチングの成長を防止し、かつロータリーキルン本体排出端側での焼鉱の温度が所定の値となるようにするロータリーキルンの操業を前提とし、本発明では、これに対して原料鉱石の増処理が要請された場合、要請される原料鉱石の増処理分を加熱し、焼成し、原料鉱石と共に供給される炭素質還元剤により部分還元されるのに必要とされる熱量に相当する発熱量を、木材を補助燃料として、原料鉱石と同様にロータリーキルン本体内に供給し、その燃焼熱で補填する。
すなわち、原料鉱石処理量を増加させることにより発生する不足熱量の補填に木材を補助燃料としてもちいる。木材は前記原料鉱石等と同様にシュートを介してロータリーキルン本体内に供給する。
木材は原料鉱石を還元する能力がないため、得られる焼鉱の還元度は木材添加前と後とでは変わらない。この際にバーナーよりロータリーキルン内に吹き込むバーナー燃料の量も変えないので、ロータリーキルン本体内壁に与える熱負荷も悪化することはない。従って、コーチング発生量は減少することはあるものの、増加することはない。
調合原料中の原料鉱石と炭素質還元剤との比率は木材を使用する際に特に変更する必要はない。但し、増処理分の鉱種による変更は除外される。
また、当然とはいえ、バーナー燃料(木材を除く)の原単位も低下させることが可能である。
以上示したことからわかるように、本発明の工業的価値、特に操業現場における工業的価値は極めて大きい。
向流加熱方式のロータリーキルンの設備構成を示した概要図である。
以下、本発明のロータリーキルンの操業方法を詳細に説明する。
本発明は、燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内にバーナー燃料を所定の一定割合で吹き込みながら、ロータリーキルン本体内のヒートパターンを一定に維持するように、かつロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度を一定範囲内に維持するようにロータリーキルン本体内に原料鉱石等の供給量を調整するロータリーキルンの操業方法を前提とし、急な原料鉱石の増処理を行っても、ロータリーキルン内壁へのコーチングの成長を防止し、ロータリーキルン排出端側での焼鉱の温度を所定の値とするロータリーキルンの操業方法であり、
前記原料鉱石の増処理分を加熱し、焼成し、原料鉱石と共に供給される炭素質還元剤により部分還元されるのに必要とされる熱量に相当する発熱量を有する量の木材を補助燃料として、原料鉱石と同様にシュートを介してロータリーキルン本体内に供給することを特徴とする。
なお、木材の供給は操業のしやすさから一定供給速度で行うことが好ましい。
すなわち、本発明は、燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内にバーナー燃料を所定の一定割合で吹き込みながら、ロータリーキルン本体内のヒートパターンを一定に維持するように、かつロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度を一定範囲内に維持するようにロータリーキルン本体内に原料鉱石と炭素質還元剤と要すれば溶剤と繰り返し物等の供給量を調整するロータリーキルンの操業方法を前提とし、急な原料鉱石の増処理を行う際に、ロータリールン内で発生する不足熱量を、ロータリーキルン本体内で木材を燃焼させ、発生する燃焼熱で補填するものである。
本発明において木材を用いるのは、木材は原料鉱石の還元に預からないからである。従って、原料鉱石と還元反応を起こさない可燃物であれば、本発明の木材の代用として用いること可能である。
木材の供給量については、必要とされる熱量と、木材の燃焼熱とより熱量計算して求める。但し、増処理要請の内容によっては、即ち量は問わないが増処理してほしいというような要請に対応する場合には、供給する木材の量を先に決定し、これに併せて原料鉱石等をロータリーキルン本体内に供給する。
ここで、上記方法で用いる木材としては、その材質及び形状については、特に限定されるものではないが、ホッパーから定量的に切出し供給が可能な形状、例えば、チップ状に切断されたもの、もしくは木片を圧縮成形したペレット形状が好ましい。
ロータリーキルン本体内に供給する炭素質還元剤と原料鉱石との比率は、増加しようとする分の鉱種が変更されない限り同じとすることが好ましい。鉱種が変更される場合には、新たな調合計算に従うことは論を待たない。本明細書では、この調合計算の説明に関しては省略している。本発明の本質と無関係であるからである。必要であれば、各種文献を参考にすることができる。
本発明の方法は、酸化ニッケル鉱石を原料とするフェロニッケル製造用に用いるロータリーキルン操業方法に適用するとその効果が大きい。
なお、本発明は急な増処理分に対応する操業方法として開発されたものではあるが、木材を大量かつ安定的に入手できるなら、バーナー燃料の一部代替として常時木材を補助燃料として供給し、バーナー燃料使用量の低減を図ることも可能である。
図1に示した向流加熱方式のロータリーキルンを用いた本発明の実施態様について更に説明する。
図1のバーナー4に重油、微粉炭等のバーナー燃料8を供給し、バーナー燃料をロータリーキルン本体1内で燃焼させ、木材12を、シュート3を介して所定の供給割合でロータリーキルン本体1内に供給し、ロータリーキルン本体1内のヒートパターンを所定のものとする。その後、このヒートパターンを維持し、かつフード6の下部の焼鉱排出口7より排出される焼鉱11の温度を一定範囲に維持できるように原料鉱石9と炭素質還元剤10とを前記シュート3を介してロータリーキルン本体1内に供給する。
具体的には、ロータリーキルン本体1の排出端側における焼鉱11の温度を常時監視して、この温度が結晶水分を完全に分解除去するのに必要となる温度を上回っている場合には、焼鉱11中に問題となる水分はないと判断でき、この判断に基づき原料鉱石等の供給量を増加する。こうするのは、後工程の焼鉱の還元熔解工程における操業トラブルを防ぐためには、焼鉱11の付着水分及び結晶水分を除去する必要があるからである。
なお、本例ではシュート3入り口で乾燥鉱石9に炭素質還元剤10を混合しているが、事前に混合してシュート3より供給してもよく、混合したものをペレットや団鉱に加工し、これをシュート3よりロータリーキルン本体1内に供給してもよい。
炭素質還元剤10は一部が燃焼するとともに、部分還元に寄与しない未反応の炭素は焼鉱11に残留する。なお、後工程の還元溶解工程で、焼鉱11は、この未反応の炭素を還元剤として還元熔解されて、粗フェロニッケルとスラグに分離される。
本発明では、上記のように原料鉱石増処理に伴い発生する不足熱量を、原料鉱石と反応しない木材の燃焼により補填する。木材は、ロータリーキルン本体1の中間領域において燃焼し、この際発生する燃焼熱が原料鉱石を加熱し、ロータリーキルンの排出端側での焼鉱の温度を上昇させる。このようにするので、ロータリーキルン内に吹き込まれるバーナー燃料の吹き込み割合(単位時間当たりの吹き込み量)を変える必要はない。したがって、ロータリーキルン内壁に掛かる熱負荷は増加することはなく、ロータリーキルン本体1内壁面でのコーチング生成量の増加もない。したがって、搬送系統のトラブルを誘発するコーチング発生量の増加を抑制しつつ、原料鉱石の供給量を増加することが可能となる。さらに、木材は、原料鉱石の還元度に関与しないため、後工程への影響を考慮する必要もない。
本発明の方法は、鉄鋼製錬及び非鉄金属製錬等の製錬プロセスにおいて原料鉱石を焼成する工程においても適用可能である。
上記方法に用いる原料鉱石としては、特に限定されるものではなく、種々の鉄鋼及び非鉄金属の原料鉱石等が用いられるが、この中で、フェロニッケル製錬プロセスの焼成工程としては、ガーニエライト鉱等の酸化ニッケル鉱石が好ましく用いられる。
上記酸化ニッケル鉱石としては、一般に、ガーニエライト鉱等のケイ酸マグネシウム鉱石が使用される。最も一般的に用いられるガーニエライト鉱の代表的な組成としては、乾燥鉱換算でNi品位が2.0〜2.5質量%、Fe品位が11〜23質量%、MgO品位が20〜28質量%、SiO品位が29〜39質量%、CaO品位が<0.5質量%、灼熱減量が10〜15質量%である。なお、ロータリーキルンへ装入される際には、原料鉱石には、通常、これらに加えて10〜30質量%の付着水が存在している。
なお、上記フェロニッケル製錬プロセスの酸化ニッケル鉱石の焼成工程においては、還元溶解工程でのトラブル防止のため、水分をほぼ完全に除去することが求められるので、ロータリーキルンの排出端での焼鉱の温度としては、800〜900℃を管理温度として操業する。ここで、バーナーに供給される燃料としては、重油、灯油等の液体燃料、或いは微粉炭等の固体燃料であり、これらは単独又は混合した状態で用いられる。
以下に、本発明を、フェロニッケル製錬プロセスに使用しているロータリーキルン設備を用いた本発明の実施例及び比較例によってさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた金属の分析はICP発光分析法で行った。
(実施例1、比較例1)
図1に示すロータリーキルン設備を用いて、ガーニエライト鉱の焼成操業を行い、還元溶解工程の電気炉装入用の焼鉱を得た。
ここで用いたロータリーキルン設備の仕様と操業条件は以下の通りである。
[ロータリーキルン設備の仕様]
(1)キルン本体の形状:長さ105m、鉄皮の内径4.8m、耐火物ライニング厚さ250mm
(2)バーナー:重油・微粉炭混焼バーナー
[ロータリーキルン設備の操業条件]
(1)装入鉱石の付着水分:23質量%
(2)キルン回転数:0.9〜1.05rpm
(3)焼鉱の排出温度:800〜900℃
まず、ロータリーキルン本体内部のヒートパターンが所定のパターンとなるようにバーナーの燃焼状態を調整し、所定のガーニエライト鉱と炭素質還元剤としての石炭を25:1で混合し、原料鉱石等を得た。
次いで、回転しているロータリーキルン本体内に原料鉱石等を供給した。次いで、ロータリーキルン本体内の排出端の焼鉱温度が800〜900℃となり、ロータリーキルン本体内のヒートパターンが維持できるように原料鉱石等の供給速度と、ロータリーキルン本体の中間部の所望位置に設けられた供給口よりの炭素質還元剤供給量を調節した。
この状態で1週間試験操業を行い、操業が安定した後の5日間の操業記録より単位時間当たりのガーニエライト鉱の平均処理量、バーナー燃料原単位、コーチング発生量を求めた(比較例1)。
また、得られた焼鉱を電気炉を用いて還元熔解し、発生した電気炉スラグ中のFe品位を求めた(比較例1)。このFe品位はロータリーキルン処理での還元度を表すものである。
次に、木材としてチップ状に切断された木片を用い、チップ状の木片を、前記シュートを介してロータリーキルン本体内に、400kg/hの割合で供給しつつ、前記と同様に焼鉱の排出温度が800〜900℃で維持でき、かつロータリーキルン本体内のヒートパターンが所定のパターンを維持できるように原料鉱石等の供給速度を調節した。
この状態で1週間の試験操業を行い、操業が安定した後の5日間の操業記録より単位時間当たりのカーニエライト鉱の平均処理量、バーナー燃料原単位(木材を含まない)、コーチング発生量を求めた(実施例1)。なお、炉内に吹き込むバーナー燃料の吹き込み量(吹き込み速度)は前記比較例1と同じにした。
また、得られた焼鉱を電気炉を用いて還元熔解し、発生した電気炉スラグ中のFe品位を求めた(実施例1)。
得られた結果を表1に示した。なお、表1では、木材供給がない場合の結果を100として相対評価した値を示している。
Figure 2010270954
表1より、実施例、比較例は共にバーナー燃料の単位時間当たりの吹き込み量を同一とし試験操業を行ったが、実施例では、補助燃料として木材を供給し、本発明の方法に従って行われたので、比較例1と比べて、乾燥鉱石処理量(給鉱量)は増加し、かつ燃料原単位は低下していることが示され、木材の燃焼熱が原料鉱石の焼成に必要な熱量を供給することが分かる。また、系内繰り返し処理となるコーチングの発生量も大幅に低下しており、焼鉱の生産性の向上に繋がることが分かる。しかも、原料鉱石の還元度の目安となる電気炉で発生するスラグFe品位にも大きな変動は見られない。
以上より明らかなように、本発明のロータリーキルンの操業方法は、鉄鋼及び非鉄金属製錬等の鉱石を焼成する工程において使用されるロータリーキルンの原料鉱石処理量を増加させる操業方法として好適である。特に、系内繰り返し処理が必要とされるコーチングの発生量を抑制しつつ、給鉱量の増加及び燃料原単位の好転に繋がるので、生産性を向上させる方法として有用である。
1 ロータリーキルン本体
2 供給口
3 シュート
4 バーナー
5、6 フード
7 焼鉱排出口
8 バーナー燃料
9 原料鉱石
10 炭素質還元剤
11 焼鉱
12 木材

Claims (4)

  1. 燃焼バーナーを介してロータリーキルン本体内にバーナー燃料を所定の一定割合で吹き込みながら、ロータリーキルン本体内のヒートパターンを一定に維持するように、かつロータリーキルン本体排出部の焼鉱の温度を一定範囲内に維持するようにロータリーキルン本体内に原料鉱石と炭素質還元剤と要すれば溶剤と繰り返し物等の供給速度を調整するロータリーキルンの操業方法を前提とし、急な原料鉱石の増処理を行っても、ロータリーキルン内壁へのコーチングの成長を防止し、かつ焼鉱の還元度を所定の値としうるロータリーキルンの操業方法であり、
    前記原料鉱石の増処理分を加熱し、焼成し、原料鉱石と共に供給される炭素質還元剤により部分還元されるのに必要とされる熱量に相当する発熱量を有する量の木材を補助燃料として、原料鉱石と同様にシュートを介してロータリーキルン本体内に供給することを特徴とするロータリーキルンの操業方法。
  2. 原料鉱石と炭素質還元剤の比率は木材供給前後で変わらないことを特徴とする請求項1記載のロータリーキルンの操業方法。
  3. 木材としてチップ状の木片、もしくは、木片を圧縮成形したペレットを供給することを特徴とする請求項2記載のロータリーキルンの操業方法。
  4. 前記原料鉱石は、フェロニッケル製造用に用いる酸化ニッケル鉱石であることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか一つのロータリーキルンの操業方法。
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