JP2009007618A - 溶銑の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キュポラにおいて鉄スクラップや銑鉄を溶解する際に、資源リサイクルの観点から鋳物用コークスに代わるキュポラ用燃料を用いた溶銑の製造方法を提供する。
【解決手段】キュポラによる溶銑の製造方法において、そのキュポラ用燃料として、黒鉛電極の使用済みスクラップ、あるいは黒鉛電極製造時に発生した不良品の破砕品である黒鉛電極屑を用いた。前記黒鉛電極屑はベッドコークス層10として用いてもよいし、追込コークス11として用いてもよい。黒鉛電極屑は、前記キュポラの炉径に合わせてその粒径が調整されたものであることが望ましく、また、その成分が、固定炭素の成分比率85.0重量%以上、灰分10.0重量%以下、揮発分1.5重量%以下、全硫黄分0.8重量%以下、気孔率40%以下、落下強度93%以上を満たすものであることが望ましい。
【選択図】図1

Description

この発明は、キュポラにおいて鉄スクラップや銑鉄などの鉄源を溶解することを目的として使用されるキュポラ用燃料に関するものである。
キュポラの主燃料としては一般的に鋳物用コークスが知られている。キュポラにおいて鉄スクラップや銑鉄などの鉄源を溶解する際には、例えば、図1に示すように、キュポラ1の炉底から一定の高さまで鋳物用コークスを詰めてベッドコークス層10を形成する。
そのベッドコークス層10の部位に対向する炉壁の下部に羽口4を設け、羽口4から吹き込まれる熱風(通常の空気の他に酸素富化したものも含む。以下、まとめて「熱風」という。)により鋳物用コークスを燃焼させ、この燃焼熱でベッドコークス層10上部に装入した鉄スクラップ、銑鉄などの鉄源Sを溶解して、炉底に設けた出湯口3から溶銑(溶湯)を取り出すものである(例えば、特許文献1参照)。
その溶銑は、ベッドコークス層10内のコークスの間隙を滴下する際に、そのコークスから炭素が供給されている。
また、そのベッドコークス層10は燃焼により徐々に消耗していくため、これを補う目的で「追込コークス11」として鋳物用コークスと新たな鉄源Sとをキュポラ1内に装入する。追込コークス11と追加の鉄源Sとは、一定の比率で交互に層状に重ねられる。この追込コークス11と追加の鉄源Sとの装入比率を、一般にコークス比という。
このように、鋳物用コークスの役割は、熱源として鉄源Sを溶解させる熱源機能と、溶銑に炭素を供給する吸炭源(加炭)機能とが主体であり、その他にも、キュポラ1の炉内において鉄源Sを所定高さに支える機能なども考えられる。
このため、鋳物用コークスには固定炭素分が高く灰分が低いことはもちろんのこと、鉄源投入の際の衝撃や荷重に耐え得る高い強度が要求される。
また、使用するキュポラ1の炉径に応じた適切な粒度、さらには低い反応性(一般にコークスの気孔率が大きいと反応性が高くベッドコークス層10の消耗が激しくなるため、気孔率の低いものが用いられる。)など、他の条件も要求される。
特開2002−90065号公報
近年、排出ガスなど環境規制の強化や鋳物用コークスを製造するコークス炉の老朽化等により、国内のコークス生産量が減少している。また、コークスの輸入先である諸外国においても、今後、環境規制等により生産量が減少していく懸念がある。
そこで、現在、鋳物用コークスに代わるキュポラ用燃料の開発が求められている。この発明は、鋳物用コークスに代わるキュポラ用燃料の開発を課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、キュポラの炉内に鉄スクラップや銑鉄などの鉄源とキュポラ用燃料とを装入し、そのキュポラ用燃料を燃焼させることによりその燃焼熱で前記鉄源を溶解させて溶銑とするとともに、その溶銑を前記キュポラの炉底部に設けた出湯口から取り出す溶銑の製造方法において、前記キュポラの炉内に装入する全てのキュポラ用燃料のうち少なくとも一部を黒鉛電極屑とする手段を採用した。
黒鉛電極屑とは、アーク炉に用いられる黒鉛電極として製造された黒鉛であれば、使用済みであるか使用前であるかは問わないが、例えば、その黒鉛電極の使用済みスクラップ、あるいは黒鉛電極製造時に発生した不良品の破砕品を用いれば、今日の資源リサイクルの要請に寄与し得る。
また、一般に黒鉛電極は、黒鉛とタールを混練してプレス成形、焼成により製造されるので、固定炭素の成分比率が高く、灰分、揮発分、全硫黄分の成分比率が低く、且つ落下強度も高い。このため、キュポラ用燃料に要求される上述の厳しい条件、すなわち、熱源として鉄源を溶解させる熱源機能、溶銑に炭素を供給する吸炭源(加炭)機能、キュポラの炉内において鉄源を所定高さに支える機能を発揮することができ、鋳物用コークスに代わるキュポラ用燃料となり得る。
この黒鉛電極屑は、キュポラの炉底部に形成するベッドコークス層として用いてもよいし、そのベッドコークス層が燃焼により消耗した際に前記キュポラの炉内に追加される追込コークスとして用いてもよい。また、ベッドコークス層と追込コークスとに併用してもよい。
また、前記黒鉛電極屑として、前記キュポラの炉径に合わせてその粒径が調整されたものを採用することができる。
一般に、キュポラ用燃料として使用される鋳物用コークスは、そのキュポラの炉径に合致した適切な粒径のものを使用することが求められる。そこで、キュポラ用燃料として前記黒鉛電極屑を採用すれば、黒鉛電極を破砕する際に粒度の調整が可能であるので、使用するキュポラの炉径に応じて適宜粒径を調整することができる。
さらに、その黒鉛電極屑は、固定炭素の成分比率85.0重量%以上、灰分10.0重量%以下、揮発分1.5重量%以下、全硫黄分0.8重量%以下、気孔率40%以下、落下強度93%以上を満たすものを採用することができる。
なお、黒鉛素材の成分等の測定・分析はJIS R 2222,JIS R2223による。落下強度の測定はJIS K 2151による。
この成分で構成される黒鉛電極屑によれば、熱源及び吸炭源としての能力向上によりコークス比の低減を図ることができる。
また、例えば、前記キュポラの炉内に装入する全てのキュポラ用燃料のうち、20重量%以上50重量%以下を前記黒鉛電極屑とし、残りを鋳物用コークスとした構成を採用すれば、得られた溶銑に含まれる炭素(C)の含有割合(出銑C%)を、黒鉛電極屑を用いない同条件によって得られた溶銑の出銑C%以上とすることができる。
なお、黒鉛電極屑は、キュポラ用燃料として求められる各項目の規定値を満たしているので、前記キュポラの炉内に装入する全てのキュポラ用燃料を黒鉛電極屑とすることも可能である。
また、前記キュポラの炉内に装入するキュポラ用燃料の一部を高炉用コークスとすることもできる。高炉用コークスは、それ単独ではキュポラ用燃料としての上記各条件を満たさないが、前記黒鉛電極屑との併用であれば使用上問題ないことが確認できた。
高炉用コークスは市場に比較的安定的に供給されており、鋳物用コークスのような生産量が減少の危惧が少なく、また安価であるので、前記キュポラ用燃料の一部として使用できれば鋳物用コークスの使用量を低減し、コスト削減にも寄与し得る。
また、例えば、前記キュポラの炉内に装入する全てのキュポラ用燃料のうち、40重量%を前記黒鉛電極屑とし、40重量%を鋳物用コークスとし、20重量%を高炉用コークスとした構成を採用すれば、得られた溶銑の出銑C%を、高炉用コークス及び黒鉛電極屑を用いない同条件によって得られた溶銑の出銑C%以上とすることができる。
以上のように、黒鉛電極屑は、キュポラ用燃料としての諸条件を満たすことができるので、従来の鋳物用コークスに代わるキュポラ用燃料として採用することができる。
また、キュポラ用燃料として黒鉛電極屑を採用することにより、熱源及び吸炭源としての能力向上によりコークス比の低減を図ることができる。
この発明の実施形態として、黒鉛電極屑は、例えば、下記の表1に示すものを採用することができる。表中上段に示す黒鉛電極屑は、キュポラ用燃料としての熱源、吸炭源としての機能を果たすために、固定炭素の成分比率85.0%以上、灰分10.0%以下、揮発分1.5%以下、全硫黄分0.8%以下を全て満たしている。
さらに、一般的な鋳物用コークスと比較して固定炭素の成分比率が高く、且つ灰分の成分比率が低いので、従来と比較して、熱源、吸炭源としてより好ましいキュポラ燃料となり得ることがわかる。
また、鉄源投入の際の衝撃や荷重に耐え得る高い強度を有しているか否かについては、一般的な鋳物用コークスの落下強度は93%以上とされているのに対し、黒鉛電極屑の落下強度は一般に95%以上であるので、強度に関する条件を満たす。
反応性の条件については、一般的な鋳物用コークスが気孔率40%以下を満たす必要があるといわれているのに対し、黒鉛電極屑は、その黒鉛電極を製造する際にプレス成形を行っているため、気孔率は低い数値となっており、十分に条件を満たすものとなっている。
Figure 2009007618
なお、表1中の黒鉛電極屑、鋳物用コークスの数値は、一般的に使用されている黒鉛電極、鋳物用コークスとして求められている各成分比率である。成分(%)の数値は、いずれも重量%を示す。また、黒鉛素材の成分等の測定・分析はJIS R 2222,JIS R2223による。落下強度の測定はJIS K 2151による。
以下に実施例1を示す。この実施例1は、キュポラ用燃料として、鋳物用コークスと上記表1の上段に示す黒鉛電極屑を採用して溶銑を製造する実験を行ったものである。
この実施例で用いる黒鉛電極屑の具体的な成分比率は、固定炭素98.0重量%、灰分1.2重量%、揮発分0.6重量%、全硫黄分0.5重量%である。
表2に溶解材料の配合比を示す。予め鋳物用コークスと黒鉛電極屑を所定の割合で混合して、それを、コークスホッパから図1に示すキュポラ1の投入口2を通じて炉内に投入する。キュポラ操業条件に関しては、黒鉛電極屑を使用する以外は、特記する部分を除いてすべて同じ条件とする。
Figure 2009007618
鋳物用コークスと黒鉛電極屑との混合比は、表中に示す実験Aで80:20、実験Bで50:50となっている。実験C,D,Eは、鋳物用コークスのみを使用している。なお、コークス比は、全ての実験で12.3としている。
なお、実験の際に黒鉛電極屑による吸炭量を算出し、操業に与える影響、特に、出銑C%等について以下に検証する。
吸炭素算出時は、コークス、黒鉛電極屑以外の鉄源材料から供給される炭素(C)を考慮する必要があるため、それらを算出した。
鉄源材料から供給されるC%(炭素の含有割合/重量%)の算出では、スクラップのCの含有量を0.20重量%、銑鉄のCの含有量を4.2重量%、リターン材のCの含有量を3.55%とした。また、全ての材料のC歩留まりを80%と仮定した。鉄源材料から供給されるC%の算出結果を表3に示す。
Figure 2009007618
出銑C%に関しては、各実験A〜Eにおいて同一の時間帯(9:00〜11:30,13:30〜15:30/図4,図5参照)で5分毎に出銑サンプルを採取し、カントバック分析を実施することにより調査した。表4及び図2に、出銑C%の平均値、並びに表3の結果を加味した鋳物用コークスと黒鉛電極屑からの吸炭量算出結果を示す。
Figure 2009007618
実験A〜Bの出銑C%、吸炭量に関しては、いずれも高い値を示している。
吸炭量に関しては、黒鉛電極屑を用いない実験C〜Eではほぼ2.60%前後であった。実験Eの出銑C%が実験C,Dと比較して若干高い値を示しているのは、配合の関係で材料から供給されるC%が上昇したためで、吸炭量には大きな違いはなかったと考えられる。
黒鉛電極屑の吸炭量算出のため、まずは、鋳物用コークスの吸炭量を算出する。鋳物用コークスの吸炭量は、実験C〜Eにおける黒鉛電極屑を用いない通常時の値を用いる。通常時の吸炭量は、実験C〜Eを平均すると、
(2.589+2.597+2.604)/3=2.597(鋳物用コークスの吸炭量)
この実験例1ではコークス比を12.3%としているので、上記鋳物用コークスの吸炭量を用いると、鋳物用コークス1%当たりの吸炭量は、
2.594/12.3=0.211(鋳物用コークス1%当たりの吸炭量)
この算出した鋳物用コークス1%当たりの吸炭量を用いて、実験A〜Bにおける黒鉛電極屑を除いた鋳物用コークスのみからの吸炭量を算出すると、
実験A; 9.84×0.211=2.076(鋳物用コークスのみからの吸炭量)
実験B; 6.15×0.211=1.300(同上)
上記表4並びに上記算出した数値から、黒鉛電極屑からの吸炭量を算出する。
実験A; 2.809−2.076=0.733(黒鉛電極屑からの吸炭量)
実験B; 2.833−1.300=1.533(同上)
黒鉛電極屑からの吸炭量を用いて黒鉛電極屑1%当たりの吸炭量を算出すると、
実験A; 0.733/2.46=0.298(黒鉛電極屑1%当たりの吸炭量)
実験B; 1.533/6.15=0.249(同上)
以上の結果をまとめると、表5の通りとなる。
Figure 2009007618
黒鉛電極屑1%当たりの吸炭量は、コークス1%当たりの吸炭量よりも高い数値を示しており、黒鉛電極屑の固定炭素分が高いことが吸炭量増加に寄与したものと考えられる。
出銑温度の測定結果(平均値)と低周波誘導炉(以下「LF」という)を用いた場合の電力使用量との関係を図3に示す。
実験A,Bは、実験C〜Eよりも出銑温度が高い値を示し、結果的にLF電力量が低減できている。また、実験A,Bは出銑C%が相対的に高いため、加炭材の投入量が減り、その加炭材投入による溶銑の温度低下を防げたことも、LF電力量低減に寄与していると考えられる。さらに、LFでは、加炭材投入時に電力をかけて溶銑を撹拌することにしているが、加炭材の投入量が減ったために、撹拌に要するLF電力量も低減したことも考えられる。
なお、図4及び図5に、各実験A〜Eにおける出銑C%の推移を示す。
以下に実施例2を示す。この実施例2は、キュポラ用燃料として、実施例1と同様、鋳物用コークスと上記表1の上段に示す黒鉛電極屑を採用して溶銑を製造する実験を行ったものであり、黒鉛電極屑の具体的な成分比率は、固定炭素98.5重量%、灰分0.7重量%、揮発分0.8重量%、全硫黄分0.5重量%である。
表6に溶解材料の配合比を示す。予め鋳物用コークスと黒鉛電極屑を所定の割合で混合して、それを、図1に示すキュポラ1の投入口2より炉内に投入する。キュポラ操業条件に関して、黒鉛電極屑を使用する以外は、特記する部分を除いてすべて同じ条件とする点は、実施例1の場合と同様である。
Figure 2009007618
鋳物用コークスと黒鉛電極屑との混合比は、実験F,Gで50:50、実験Hは、鋳物用コークスのみを使用している。
実施例1の場合と同様、実験の際に黒鉛電極屑による吸炭量を算出し、操業に与える影響、出銑C%について以下に検証する。
吸炭素算出時は、実施例1と同じく、コークス、黒鉛電極屑以外の鉄源材料から供給される炭素(C)を考慮する必要があるため、それらを算出した。
鉄源材料から供給されるC%の算出では、スクラップのCの含有量を0.20重量%、銑鉄のCの含有量を4.20重量%、リターン材のCの含有量を3.65%とした。また、全ての材料のC歩留まりを80%と仮定した。鉄源材料から供給されるC%の算出結果を表7に示す。
Figure 2009007618
出銑C%に関しては、各実験F〜Hにおいて同一の時間帯(9:00〜11:30,14:00〜16:30/図8参照)で5分毎に出銑サンプルを採取し、カントバック分析を実施することにより調査した。表8及び図6に、出銑C%の平均値、並びに表7の結果を加味した鋳物用コークスと黒鉛電極屑からの吸炭量算出結果を示す。
Figure 2009007618
実験F,Gの出銑C%、吸炭量に関しては、実験Hよりも高い値を示している。
なお、実験F,Gとの比較では、コークス比の若干低い実験Gの方が高い値を示している。これは、図8に示す出銑C%の推移からも確認できる通り、操業初期に出銑C%が上昇した影響で、平均値が高くなったためと考えられる。仮に、操業初期を除いた状態で考えるなら、出銑C%の平均値は3.510、吸炭量は2.572となり、実験Gよりも若干低い数値となり、コークス比を下げた影響がわずかに現れていると考えられる。
つぎに、黒鉛電極屑1%当たりの吸炭量を算出する。算出方法は、実施例1の場合と同様であるので説明を省略し、結果を表9に示す。
Figure 2009007618
黒鉛電極屑1%当たりの吸炭量は、実施例1と同様、鋳物用コークス1%当たりの吸炭量よりも高くなる結果が得られた。固定炭素上昇に見合う効果であると考えられる。
また、実施例1における実験Bにおいて、鋳物用コークスと黒鉛電極屑との比率を50:50とした場合の黒鉛電極屑1%当たりの吸炭量は0.249%であった。実施例2における実験F,Gの吸炭量の数値は、これを若干上回るものである。
実施例3を以下に示す。この実施例3は、キュポラ用燃料として、鋳物用コークスと下記表10に示す高炉用コークス、黒鉛電極屑を採用して溶銑を製造する実験を行ったものである。
Figure 2009007618
高炉用コークスの特徴としては、鋳物用コークスと比較して固定炭素が若干低く灰分が高い。また、粒度が細かいという点があげられる。固定炭素、灰分に関しては、吸炭量に影響を及ぼす因子である。このため、単に、鋳物用コークスと高炉用コークスとを併用するだけでは、吸炭量減少の可能性が高い。
そこで、この実施例3では、黒鉛電極屑を用いることにより、キュポラ用燃料として高炉用コークスを利用できるようにしたところに特徴点がある。
一般に、コークスの粒度に関しては、キュポラの炉内における適度な空隙を維持し、溶銑の滴下や送風の通路を助けるために一定の粒度が必要であるといわれているため、粒度の小さい高炉用コークスの使用に際しては、粒度の管理が重要である。また、炉内の空隙が少なければ、出銑速度に変化が生じる可能性もある。
また、一般に、高炉用コークスの気孔率は45〜50%程度であるといわれており、鋳物用コークスの気孔率(30〜40%)よりも大きいと考えられている。気孔率が大きい場合、燃焼性が早く、羽口面において酸化・還元反応が急速に進行し、一酸化炭素の生成量が増大し減耗率も大きくなることが考えられる。
表11に溶解材料の配合比を示す。予め鋳物用コークスと高炉用コークス、黒鉛電極屑を所定の割合で混合して、それを、図1に示すキュポラ1の投入口2より炉内に投入する。キュポラ操業条件に関して、黒鉛電極屑を使用する以外は、特記する部分を除いてすべて同じ条件とする点は、実施例1、実施例2の場合と同様である。
Figure 2009007618
鉄源材料配合比に関しては、黒鉛電極屑有りとした実験I、黒鉛電極無しとした実験J共にスクラップ75%、銑鉄20%、リターン材5%とした。
鋳物用コークスと高炉用コークス、黒鉛電極屑の混合比は、実験Iで40:40:20、実験Jは、鋳物用コークスのみを使用している。
鉄源材料から供給されるC%の算出では、スクラップのCの含有量を0.20重量%、銑鉄のCの含有量を4.20重量%、リターン材のCの含有量を3.65%とした。また、全ての材料のC歩留まりを80%と仮定した。鉄源材料から供給されるC%の算出結果を表12に示す。
Figure 2009007618
出銑C%の算出に関しては、実験I、実験Jともに実施例2と同一の時間帯で5分毎に出銑サンプルを採取し、カントバック分析を実施することにより調査した。表13及び図9に、出銑C%の平均値、並びに表12の結果を加味した吸炭量算出結果を示す。
Figure 2009007618
つぎに、高炉用コークス1%当たりの吸炭量を算出する。吸炭量算出にあたっては、鋳物用コークス、黒鉛電極屑1%当たりの吸炭量が必要である。鋳物用コークス1%当たりの吸炭量は実験Jにおいて
吸炭量/コークス比=2.487/10.5=0.237
と算出でき、黒鉛電極屑1%当たりの吸炭量は、実施例2の数値を用いる。それらの結果を表14に示す。
Figure 2009007618
高炉用コークス1%当たりの吸炭量は0.188であり、当初の予想通り鋳物用コークスの8割程度という低い値であった。
しかし、黒鉛電極屑を併用することにより、高炉用コークスを用いた場合にも、従来の鋳物用コークスのみを使用した場合と同様の吸炭量を得ることができることが確認できた。
キュポラの全体図 実施例1における出銑C%の平均値、吸炭量を示すグラフ 実施例1における出銑温度とLF電力量を示すグラフ 実施例1の出銑C%の推移を示し、(a)は実験A、(b)は実験Bの結果を示すグラフ 実施例1の出銑C%の推移を示し、(a)は実験C、(b)は実験D、(c)は実験Eの結果を示すグラフ 実施例2における出銑C%の平均値、吸炭量を示すグラフ 実施例2における加炭材添加率 実施例2の出銑C%の推移を示し、(a)は実験F、(b)は実験G、(c)は実験Hの結果を示すグラフ 実施例3における出銑C%の平均値、吸炭量を示すグラフ
符号の説明
1 キュポラ
2 投入口
3 出湯口
4 羽口
5 冷却装置
10 ベッドコークス層
11 追込コークス
S 鉄源

Claims (7)

  1. キュポラの炉内に鉄スクラップや銑鉄などの鉄源とキュポラ用燃料とを装入し、そのキュポラ用燃料を燃焼させることによりその燃焼熱で前記鉄源を溶解させて溶銑とするとともに、その溶銑を前記キュポラの炉底部に設けた出湯口から取り出す溶銑の製造方法において、
    前記キュポラの炉内に装入する全てのキュポラ用燃料のうち少なくとも一部を黒鉛電極屑としたことを特徴とする溶銑の製造方法。
  2. 前記黒鉛電極屑は、アーク炉などに用いられる黒鉛電極の使用済みスクラップ、あるいは黒鉛電極製造時に発生した不良品の破砕品であることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の製造方法。
  3. 前記黒鉛電極屑は、キュポラの炉底部に形成するベッドコークス層として用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑の製造方法。
  4. 前記黒鉛電極屑は、キュポラの炉底部に形成するベッドコークス層が燃焼により消耗した際に前記キュポラの炉内に追加される追込コークスとして用いられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の溶銑の製造方法。
  5. 前記黒鉛電極屑は、前記キュポラの炉径に合わせてその粒径が調整されたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の溶銑の製造方法。
  6. 前記黒鉛電極屑は、固定炭素の成分比率85.0重量%以上、灰分10.0重量%以下、揮発分1.5重量%以下、全硫黄分0.8重量%以下、気孔率40%以下、落下強度93%以上を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の溶銑の製造方法。
  7. 前記キュポラの炉内に装入する前記キュポラ用燃料の一部を高炉用コークスとしたことを特徴とする請求項6に記載の溶銑の製造方法。
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CN108893131A (zh) * 2018-07-03 2018-11-27 鞍钢股份有限公司 一种利用废旧石墨电极参与的炼焦配煤方法

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