JP2010095759A - フェロコークスを用いる高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄含有原料として焼成ペレットを多量に使用する高炉操業において、フェロコークスを焼成ペレットに混合して還元性の劣る焼成ペレットに近接させて装入することで、高炉の融着帯近傍での還元遅延部位をなくし、薄い融着帯構造とすることで、高炉操業時の燃料原単位の低減効果が大幅に発揮される高炉操業方法を提供する。
【解決手段】高炉の炉頂から鉄含有原料とコークスを交互に層状に装入する高炉操業方法において、(i)予め含炭非焼成ペレットと焼成ペレットを混合し、該フェロコークスと前記焼成ペレットの混合物を、前記鉄含有原料層の一部と代替するように装入し、かつ、(ii)前記フェロコークスの使用原単位F(kg/tp)と焼成ペレットの使用原単位P(kg/tp)の比F(kg/tp)/P(kg/tp)が0.18〜0.25となるように前記フェロコークスと前記焼成ペレットの混合割合を調整する。
【選択図】図5

Description

本発明は、含有金属鉄分の触媒作用によりコークスのガス化反応性を高めたフェロコークスを製造し、高炉に、他の主原料とともに炉頂から装入することにより、炉内の低反応性部位を選択的に改善し、高炉の還元材比を低減する高炉の操業方法に関する。
一般的な高炉操業においては、鉄含有原料として、焼結鉱、焼成ペレット、塊鉱石が使用されている。国内では焼結鉱使用比率が最も高く、その割合は70〜90%である。一方、焼成ペレットも5〜20%使用されている。これらの鉄含有原料は、鉱石槽から切り出され、高炉の炉頂点から炉内に装入される段階で、粒度や見掛け比重、形状の違いから偏析作用を受ける。
これらの含鉄装入物は、高炉内で塊コークスと層状になるように、順々に、炉頂部から装入される。また、この際、炉内での鉄含有原料の還元を促進し、かつ、高温融着状態での通気抵抗を低減する目的で、小粒又は中粒の小塊コークスを鉄含有原料と混合して装入することも、一般的に行われている。
鉄含有原料の高炉内の還元過程において、還元速度が最も遅いのは、ウスタイト(FeO)から鉄(Fe)への還元段階であり、この反応は、高炉シャフト部の800℃以上の温度領域で起こる。この反応は、ガス組成の影響が大きく、1000℃付近の温度で起こるコークスのガス化反応(ソルーションロス反応)の大小によって速度が律速されている。よって、コークスの反応性を高めることで、鉄含有原料の還元性が飛躍的に向上することが知られている。
高炉シャフト上部での鉄含有原料の還元性を向上する手段の一つとして、フェロコークスの利用が知られている。フェロコークスは、石炭原料と鉄含有原料を混合し、その後、乾留して製造したコークスであり、カーボンとメタリック鉄を同時に含有するコークスである。
カーボン基質に、乾留により酸化鉄が還元されて生成したメタリック鉄が斑点状に存在するため、鉄の触媒効果により、カーボンの反応性が飛躍的に向上する。
一方、フェロコークスの製造において、鉄含有原料として配合する粉状鉄鉱石が、乾留過程における石炭の膨張を阻害するため、通常の塊コークスに較べて強度が低く、通常の塊コークスに代替して使用する際のフェロコークス使用量は制限される。
そこで、高炉でフェロコークスを使用する際に、炉内の鉄鉱石などの鉄含有原料層に混合して使用する高炉操業方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、石炭と鉄鉱石とを主成分とする鉄含有原料を成形し、乾留して製造したフェロコークスと、鉄含有原料とを混合して、炉頂から装入する高炉操業において、前記フェロコークスの半径方向での炉内装入位置を、無次元半径で0.12〜1.0の範囲内とすることを特徴とする高炉操業方法が開示されている。
この方法によれば、炉芯となる装入中心部に強度が低いフェロコークスが存在しないので、炉下部の通気性が健全に保つことはできる。
また、特許文献2には、高炉装入原料の一部としてフェロコークスを使用する高炉操業の際に、フェロコークスを含まない原料を、炉壁に近い炉周辺部に限定して装入することを特徴とするフェロコークス使用時の高炉操業方法が開示されている。
この方法によれば、フェロコークスのソルーションロス反応の吸熱による熱保存帯の温度低下、それによる、炉頂温度の低下や、炉壁への付着物の形成による荷下がり不順を回避することができる。
しかし、これらの方法では、フェロコークスと鉄原料からなる混合層において、フェロコークス附存状態の鉄原料の種類による差異については不明である。
また、特許文献3には、フェロコークスと焼結鉱を混合して配置する方法が開示されている。しかし、この方法では、フェロコークスと焼結鉱とを均一に混合する必要があり、一定の効果を得るためには、最低でも、100kg/tpもの多量のフェロコークスを使用することが必要である。
一方、高炉用鉄含有原料の中でも、焼成ペレットは、還元過程において、還元ガスによりペレット表面から還元が進行する強いトポケミカル反応によるメタルシェル(表面の還元鉄が焼結してできた緻密な鉄の層)を形成するため、焼結鉱と比較して、1000℃以上の高温域で難還元性となり、融着開始時に多量の融液を排出する。
さらに、その形状(球体)から、焼結鉱や鉄鉱石に比べて、炉内への装入時に偏析し易く、特に、還元負荷の高い周辺部に多量に偏析した場合は、部分的な還元遅れが発生し、焼結鉱と焼成ペレットから構成される高炉融着帯の厚みが増し、炉内の通気性が悪化する他、未還元融着物の滴下も起こり、還元材比が上昇することが知られている。
現状の一般的な高炉操業では、焼結鉱が、70〜90%で、主体であり、焼成ペレットの配合は、5〜20%程度である。しかし、鉱床の枯渇により、鉄鉱石の低品位化が進んでおり、選鉱処理に伴う鉄鉱石の微粉化が進行し、微粉鉄鉱石を用いて焼結鉱を製造する際の通気性の低下に起因する成品歩留及び生産性の低下が問題となっている。
そこで、焼結鉱に比べて、成品歩留及び生産性を低下させずに、微粉鉱石を含む鉄含有原料を用いて製造可能な焼成ペレットを、高炉で利用するための技術の重要性が高まっている。
フェロコークスを、焼成ペレットを多量に含む鉄含有原料層に混合して高炉で使用する場合には、鉄含有原料層の主原料である焼結鉱の還元促進は図れても、鉄含有原料層において焼成ペレットが偏析して多く存在する部位の還元反応を選択的に促進することはできず、最終的には、当該部位の還元遅れが発生し、十分な還元材比低減効果を享受することができなかった。
また、このような方法で、鉄含有原料層における焼成ペレット集中部位の還元促進を十分に図るには、多量のフェロコークス使用が必要となっていた。
したがって、鉄含有原料として焼成ペレットを多量に使用する高炉操業において、フェロコークスによる焼成ペレットの還元促進効果を効率よく発揮し、大幅な還元材比削減効果が期待できる、フェロコークスの高炉使用方法の開発が望まれている。
特開2008−56985号公報 特開2008−111176号公報 特開2006−28594号公報
本発明は、上記従来技術の現況に鑑み、鉄含有原料として焼成ペレットを多量に使用する高炉操業において、フェロコークスを焼成ペレットに混合して還元性の劣る焼成ペレットに近接させて装入することで、高炉の融着帯近傍での還元遅延部位をなくし、薄い融着帯構造とすることで、高炉操業時の燃料原単位の低減効果を大幅に発揮する高炉操業方法を提供すことを課題とする。
本発明者らは、高炉用鉄含有原料を構成する焼結鉱、焼成ペレット、塊鉱石の高温挙動を測定し、さらに、これらにフェロコークスを所定量配合した場合の高温挙動の変化について、実験などにより鋭意検討した。
その結果、高炉用鉄含有原料を構成する焼結鉱、焼成ペレット、塊鉱石のうちで、特に、焼成ペレットとフェロコークスを混合したときに、高温被還元性の向上効果が、特に大きいことを見出した。そして、焼成ペレットとフェロコークスの使用量の関係から、フェロコークスの使用量の最適化を図ることで、フェロコークスによる焼成ペレットの還元改善効果を最大限に発揮できることが解った。
本発明は、この知見に基づき上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)高炉の炉頂から鉄含有原料とコークスを交互に層状に装入する高炉操業方法において、
(i)予め、フェロコークスと焼成ペレットを混合し、該フェロコークスと前記焼成ペレットの混合物を、前記鉄含有原料層の一部と代替するように装入し、かつ、
(ii)前記フェロコークスの使用原単位F(kg/tp)と、前記焼成ペレットの使用原単位P(kg/tp)の比F(kg/tp)/P(kg/tp)が0.18〜0.25となるように前記フェロコークスと前記焼成ペレットの混合割合を調整する
ことを特徴とする高炉操業方法。
(2)前記焼成ペレットの使用原単位Pが150kg/tp以上、650kg/tp以下であることを特徴とする前記(1)記載の高炉操業方法。
本発明によれば、焼成ペレットを多く配合した鉄含有原料を使用する高炉操業において、従来に比べて、小量のフェロコークスの使用量で、大幅な還元材比の改善を得ることができる。
したがって、本発明の適用により、安価であるものの劣質の粉状鉄鉱石を原料として効率的に焼成ペレットを製造し、かつ、焼成ペレットを使用した場合の高炉操業時の還元材比(コークス比)を、大幅に低減することができ、資源の有効利用とともに、省エネルギー化、低CO2化が可能となる。ため、工業的および社会的な貢献は多大なものである。
本発明の詳細について説明する。
まず、高炉内反応を模擬できる荷重軟化試験装置を用いて、各種含鉄装入物の還元特性のフェロコークス配合による変化を検討した。
荷重軟化試験装置を用いた還元率の測定方法について、以下に説明する。図1は、荷重軟化試験装置の断面図である。下段電気炉6と上段電気炉5は、フランジにより接合されており、一体構造をなしている。
下段電気炉6は、還元ガスの予熱をするために設置され、上段電気炉5は、試料3の加熱に用いられる。鉄鉱石などの試料3は、ルツボに装入された後、反応管内に設置される。試料3は、ルツボ内で、上下のコークス層に挟んで装入される。
予め、所定の組成及び流量に調整された還元ガスは、還元ガス入口7から、反応管内に導入され、下段電気炉6で予熱された後、ルツボ内の試料3へ導入される。反応後のガスは、反応ガス出口2から排出され、この排出ガスの一部を採取して、ガス分析計で、その成分を分析する。この排ガスの分析値から、還元率が算出される。
同時に、熱電対4で、試料3の直上部の温度を測定し、還元ガス入口7と反応ガス出口2におけるガス圧力を測定する。この圧力の差から、試料3の通気抵抗を計測する。また、試料3が昇温及び還元される過程において、荷重印加装置1により試料3に任意の荷重を与え、実炉での荷重条件を模擬する。その結果得られる試料3の収縮挙動を測定する。なお、図中、8は液滴収容部、9は液滴検知器である。
図2に、測定結果を示す。実炉で用いる焼結鉱、及び、焼成ペレットを、平均粒径10〜15mmに整粒し、それぞれに、フェロコークスを均一に混合したものを試料として用いた。
フェロコークスは、石炭に、鉄鉱石を所定量配合した後、12時間、電気炉で乾留したものを用いた。フェロコークスの成分は、カーボン60%、M.Fe30%、灰分10%であった。
フェロコークスの配合によって、焼結鉱、及び、焼成ペレットの1200℃時点の到達還元率が向上した。両者を比較すると、まず、焼成ペレットの方が、還元率が低い。これは、以下の理由による。
焼成ペレットの場合、気孔径分布が均一であるため、還元がトポケミカル反応で進行し、低温域で強固なメタルシェルが形成されて、内部へのガス拡散が抑制される。その結果、焼成ペレット内部に、未還元FeOを多く含む融液を多量に内在することになり、それが、高温域で、一気に外部に流失するため、高温域で、気孔閉塞による還元停滞が顕著になる。
一方、焼結鉱は、不均一な気孔構造をもつため、速やかに内部まで均一に還元が進行し、メタル化するので、未還元FeOを多く含む融液量は相対的に少なく、高温域でも還元が進行する。
フェロコークスの効果を比較すると、焼成ペレットにフェロコークスを均一に混合させた方が、還元率の向上効果が大きいことが解る。これは、前述のメタルシェルの形成までに、フェロコークスのガス化によるCOガスによる還元が促進されるので、内部に留まる融液量が減少し、高温域での還元停滞が軽減されるためである。
以上の結果から、フェロコークスは、焼結鉱近傍よりも、焼成ペレットと混合し、フェロコークスを焼成ペレット近傍に存在させた方が、その効果を大きく発揮できるとの着想を得た。
さらに、本発明者らは、高炉操業時の燃料原単位を低減するための焼成ペレットに対するフェロコークスの混合割合について鋭意検討した。
それに先立ち、焼成ペレットの還元に必要な近接するフェロコークス由来のカーボン当量(mol)を算出した。鉄含有原料層の一部として高炉内に装入した焼成ペレットの還元段階は、概ね、以下の3段階((1)〜(3))に区分され、それぞれの段階での消費C/Oが算出される。
ここで、Oは、焼成ペレットの被還元酸素量(mol)、Cは、フェロコークス由来のC量(mol)であり、C/Oは、還元される焼成ペレット由来の酸素量に対する還元に必要なフェロコークス由来のカーボン量を表す。
(1)焼成ペレットの還元率<30%(低温領域)
焼成ペレットは、フェロコークスに関与せず、通常コークス由来の還元ガスによって還元される。
(2)焼成ペレットの還元率:30〜50%(間接還元領域)
焼成ペレットはフェロコークス由来の還元ガスにより還元される。
C+CO2=2CO・・・(1) (フェロコークス由来Cのガス化開始)
2CO+2FeO=2Fe+2CO2・・・(2) (焼成ペレットの間接還元)
上記(1)式、(2)式から
C+2FeO=2Fe+CO2
モル比:C/O=0.5
(3)焼成ペレットの還元率:50〜100%(溶融(直接)還元領域)
焼成ペレットは軟化融着開始し、溶融(直接)還元によって還元される。
C+FeO=Fe+CO・・・(3)
モル比:C/O=1.0
以上の結果は、図3のように図示され、上記(1)〜(3)の全領域における平均モル比:C/Oは0.6である。
上記検討結果に基づき、本発明者は、焼成ペレットの使用原単位:P(kg/tp)に応じたフェロコークスの使用原単位:F(kg/tp)を求めた。
例えば、焼成ペレットの使用原単位:P(kg/tp)で、O量:28.1%(T.Fe=65.7%,FeO=0.9%)の焼成ペレットと、C量:Y%(M.Feは灰分を10%とすると、90−Y%)のフェロコークスとを混合して、高炉に装入する場合、該焼成ペレットを還元するためのフェロコークスの使用原単位:F(kg/tp)は、上記(1)の平均モル比:C/O=0.6から、
F(kg/tp)=(12×0.6×(28.1/100/16)×P)
/(Y/100)=12.6×P/Y(kg/tp)・・・(4)
したがって、焼成ペレットの使用原単位:P(kg/tp)及びフェロコークス中のC量(M.Fe)Yに応じて、上記(4)式の関係を基に、フェロコークスの使用原単位:F(kg/tp)(焼成ペレットに対するフェロコークスの混合割合)を設定することにより、近接する焼成ペレットを還元することができる。
このフェロコークスの使用原単位F(kg/tp)と焼成ペレットの使用原単位P(kg/tp)の関係を、図4に示す。
本発明者は、次に、還元材比低減のためのフェロコークス使用原単位F(kg/tp)の最適範囲について鋭意検討した。
フェロコークスは、主成分が、カーボンCとメタリック鉄M.Feであり、石炭由来の灰分を10%程度含有する。よって、M.Fe(%)=90−Y(%)が成り立つ。
フェロコークスのM.Feが20%未満(カーボン量Yが70%以上)では、上記(1)〜(3)式の間接還元、及び、溶融(直接)還元の反応効率の向上効果は小さくなり、その結果、通常コークスを用いた場合に比べ、還元材比を十分に低減することは困難となる。
また、フェロコークスのM.Feが30%を超える(カーボン量Yが50%未満)場合は、圧潰強度が低下し、高炉内の通気性を阻害するため、上記(1)〜(2)式の間接還元反応の進行を妨げ、その結果、通常コークスを用いた場合に比べ、還元材比を、十分に低減することは困難となる。
このため、フェロコークスのM.Feは20〜40%とするのが好ましく、上記(4)式におけるフェロコークスのC量Yは、50〜70%となる。
このフェロコークスの好ましいC量Y:50〜70%を踏まえ、上記(4)式に基づけば、還元材比の低減のためのフェロコークス使用原単位F(kg/tp)の上下限値は、以下のようになる。
F(kg/tp)=(0.18〜0.25)×P(kg/tp) ・・・(5)
したがって、本発明では、高炉操業時の還元材比低減のために、フェロコークスと焼成ペレットの混合割合は、フェロコークス使用原単位F(kg/tp)と、焼成ペレットの使用原単位:P(kg/tp)の比:F(kg/tp)/P(kg/tp)が、上記(5)式を満たすように調整する。
次に、本発明者は、焼成ペレットの使用原単位の範囲について鋭意検討した。焼成ペレットの使用原単位Pが150kg/tp未満であると、高炉装入物の主体は、焼結鉱と塊鉱石となり、それらの反応特性で、高炉操業成績が左右されてしまい、装入される焼成ペレットの還元性が、近接装入されるフェロコークスによって改善されても、全体の操業への寄与は、相対的に小さくなってしまう。
また、焼成ペレットの使用原単位Pが650kg/tpを超えると、装入時の焼成ペレットの偏析度合いが大きくなり、フェロコークスでも、悪影響をカバーすることができない。
以上から、本発明において、焼成ペレットの使用原単位P(kg/tp)は、150〜650kg/tpとする。これは、焼成ペレット比10〜40%に相当し、フェロコークスの使用原単位Fの範囲27〜163Kg/tpに相当する。
図5に、フェロコークスの使用原単位F(kg/tp)と焼成ペレットの使用原単位P(kg/tp)との比A(=F/P)と、還元材比との関係を示す。
有効容積5500m3の高炉において、焼成ペレットとフェロコークスの使用量による還元材比の変化を調査した。調査期間中、焼結鉱の品質はほぼ一定であり、出銑比が2.1〜2.2(t/d/m3)となるように操業した。フェロコークスの配合がない場合、焼成ペレットの使用原単位の増加に伴い、還元材比が上昇した。
一方、フェロコークスの使用原単位F(kg/tp)と焼成ペレットの使用原単位P(kg/tp)との比A(=R/P)が0.18〜0.25となるように、フェロコークスと焼成ペレットを混合した場合は、還元材比は、485(kg/tp)以下に抑えられた。しかし、焼成ペレットの使用原単位Pが650kg/tpを超えると、フェロコークスを使用しても、還元材比485(kg/tp)以下の操業は困難であった。
また、フェロコークスの使用原単位Pが150kg/tpより低い場合でも、含炭非焼成ペレットを使用しても、還元材比485(kg/tp)以下の操業は困難であった。
フェロコークスの使用原単位Fと焼成ペレットの使用原単位Pの比A(=F/P)が、0.18より低い場合は、焼成ペレットの使用原単位Pの上昇に伴って、フェロコークス使用量が不足して、還元材比は上昇した。
一方、フェロコークスの使用原単位Fと焼成ペレットの使用原単位Pの比A(=F/P)が0.25を超える場合も、焼成ペレットの使用原単位Pの上昇に伴って、還元材比は上昇した。
これは、前述したように、焼成ペレットの還元に必要な量以上にフェロコークスを配合した結果、通常塊コークスに比べて圧潰強度が低いフェロコークスの増加に伴う通気性の低下が顕著となったためである。
なお、同様のことを、通常コークス(小塊コークス)に適用しても成り立たない。通常コークスは、ガス化反応(C+CO2=2CO)の速度が遅いので、より多量のコークスが必要となる。
また、使用するフェロコークスの粒径は、本発明では、特に限定するものではないが、焼成ペレットとの均一な混合を図り、フェロコークスの圧潰による通気性の低下を抑制するため、平均粒径20mm以下とすることが望ましい。
また、フェロコークスの高炉への装入方法は、高炉の炉頂から鉄含有原料とコークスを交互に層状に装入する際に、予め、焼成ペレットとフェロコークスを装入前に混合し、上記フェロコークスと上記焼成ペレットの混合物を、上記鉄含有原料層の一部と代替するように装入することが望ましい。
焼成ペレットとフェロコークスを装入前に混合する方法として、焼成ペレット槽、フェロコークス槽層を近接させて切り出しても同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
[実施例1]
石炭と鉄鉱石を原料として、2種類のフェロコークス、F1とF2を製造した。F1は、C含有量が50%、M.Fe含有量が40%、灰分が10%である。F2は、C含有量が65%、M.Fe含有量が25%、灰分が10%である。
これらのフェロコークスを、有効容積5500m3の高炉において、焼成ペレットとともに炉頂部から装入して使用した。使用期間中は、焼結鉱の品質はほぼ一定であり、出銑比が2.1〜2.2(t/d/m)となるように操業した。
表1に、フェロコークス、焼成ペレットの使用条件と高炉操業評価結果の一覧を示す。表1から解るように、フェロコークスF1を使用した場合、フェロコークス使用量が焼成ペレット使用量に対して少ない比較例1では、還元材比が485(kg/tp)以下の操業はできなかった。
比較例2は、逆に、フェロコークス使用量が焼成ペレット使用量に対して多過ぎて還元材比が上昇してしまい、やはり、還元材比485(kg/tp)以下の操業はできなかった。
フェロコークスF2を使用した場合では、焼成ペレット使用量の多い条件で検討を行った。比較例3は、フェロコークス使用量が110(kg/tp)と多い条件であるのに関わらず、焼成ペレット量に対しては不足しており、還元材比を低下させることはできなかった。比較例4は、逆に、過度にフェロコークス配合が多いために、やはり、還元材比は高めに推移した。
Figure 2010095759
前住したように、本発明によれば、焼成ペレットを多く配合した鉄含有原料を使用する高炉操業において、従来に比べて、小量のフェロコークスの使用量で、大幅な還元材比の改善を得ることができる。
したがって、本発明の適用により、安価であるものの劣質の粉状鉄鉱石を原料として効率的に焼成ペレットを製造し、かつ、焼成ペレットを使用した場合の高炉操業時の還元材比(コークス比)を、大幅に低減することができ、資源の有効利用とともに、省エネルギー化、低CO2化が可能となる。よって、本発明は、工業的及び社会的な貢献が多大なものである。
各種高炉装入物の還元性状を測定する荷重軟化試験装置を模式的に示す図である。 焼結鉱と焼成ペレットの、フェロコークスとの均一混合による1200℃還元率の変化を示す図である。 焼成ペレットの還元過程において、近接するフェロコークスの所要量を算出するめの消費C/Oを示す図である。 フェロコークス使用原単位Fと、フェロコークスのC含有量Y、焼成ペレット使用原単位Pの関係を示す図である。 フェロコークスの使用原単位Fと焼成ペレットの使用原単位Pの比A(=F/P)と、高炉の還元材比との関係を示す図である。
符号の説明
1 荷重印加装置
2 反応ガス出口
3 試料
4 熱電対
5 上段電気炉
6 下段電気炉
7 感得gんがす入口
8 液滴収容部
9 液滴検知器

Claims (2)

  1. 高炉の炉頂から鉄含有原料とコークスを交互に層状に装入する高炉操業方法において、
    (i)予め、フェロコークスと焼成ペレットを混合し、該フェロコークスと前記焼成ペレットの混合物を、前記鉄含有原料層の一部と代替するように装入し、かつ、
    (ii)前記フェロコークスの使用原単位F(kg/tp)と、前記焼成ペレットの使用原単位P(kg/tp)の比F(kg/tp)/P(kg/tp)が0.18〜0.25となるように、前記フェロコークスと前記焼成ペレットの混合割合を調整する
    ことを特徴とするフェロコークスを用いる高炉操業方法。
  2. 前記焼成ペレットの使用原単位Pが150kg/tp以上、650kg/tp以下であることを特徴とする請求項1記載のフェロコークスを用いる高炉操業方法。
JP2008267620A 2008-10-16 2008-10-16 フェロコークスを用いる高炉操業方法 Withdrawn JP2010095759A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011094182A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Jfe Steel Corp フェロコークスを用いた高炉操業方法
JP2014224286A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 新日鐵住金株式会社 高炉の操業方法

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