JP5768563B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉の操業方法に関し、特に炉頂から装入される原燃料品質の変動に対応して、還元材比を維持しながら、安定した操業を可能にする高炉操業方法に関する。
高炉は巨大な向流移動層反応炉であり、炉頂部から酸化鉄を主体とする鉄原料である酸化鉄原料(焼結鉱や塊鉱石)とコークスとを装入し、炉下部の羽口から吹き込まれる熱風によりコークスを燃焼させ、生成したCOを含む還元性ガスで酸化鉄原料中の酸化鉄を還元し、銑鉄を製造する。近年では環境問題の観点から、高炉操業は低還元材比操業を指向しているが、この場合には、コークス比の低下により炉内の通気抵抗が増大する。そのため、粉発生量の少ない高炉装入物を使用することにより、通気改善を図る必要があり、一般的には、焼結鉱の還元粉化性改善による通気性改善、及びコークスの冷間強度上昇による通気性改善が実施されている。
焼結鉱の還元粉化性は還元粉化指数(RDI)で、コークスの冷間強度はドラム試験150回転指数である冷間強度指数(DI)で、それぞれ数値化されている。焼結鉱の還元粉化性の改善(低RDI化)、及びコークスの冷間強度改善(高DI化)は、炉内における粉の発生量を低減し、通気性を改善することによって、高炉操業の安定性に寄与することが知られている。しかし、焼結鉱の還元粉化の対策として行われる低RDI化、及びコークス粉化の対策として行われる高DI化は、それぞれ高品位の鉄鉱石及び石炭を原料として行なう必要があるため、製造コストを増大させる傾向にある。特に、鉄原料として装入される焼結鉱や塊鉱石は、装入量が多いことや、その配合比率・銘柄により性状が大きく異なるため、この影響が大きい。
高品位の鉄鉱石、石炭を用いないでも、炉内における粉の発生量を低減することのできる高炉操業方法として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。これは、鉄原料の一部または全部が高炉装入前に還元率11〜30%に還元されているものを用いる方法である。
また、高RDI焼結鉱及び低DIコークスのような、低品位な原燃料を使用した高炉操業においても、還元材比を増加させずに、安定した操業を、低コストで継続することができる高炉操業方法として、例えば、特許文献2に記載の技術がある。これは、焼結鉱の還元粉化指数が基準値以上の場合や、コークスの強度指数が基準値以下の場合には、還元材比を増加させることなく酸化鉄原料の一部をスクラップで代替する方法である。
特開2002−256310号公報 特開2008−240028号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の高炉操業方法にあっては、回転炉床炉などのクロスフロー型移動層や、シャフト型移動層を用いて鉄鉱石中のFe23(ヘマタイト)を全て還元してFe34(マグネタイト)やFeOの状態に変化させて、還元率11〜30%に還元された鉄原料を製造する必要がある。そのため、新たな設備投資が必要となり、コストアップにつながる。
また、上記特許文献2に記載の高炉操業方法にあっては、酸化鉄原料の一部をスクラップで代替することで、炉内の通気性を維持することができるものであるが、スクラップは焼結鉱や塊鉱石と比べて高価であるため、やはりコストアップにつながる。
そこで、本発明は、高RDIの鉄原料のように低品位な原料を使用した高炉操業においても、還元材比を増加させずに、低コストで、安定した操業を継続することができる高炉操業方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る高炉操業方法は、炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークスとを装入し、鉱石層とコークス層とを交互に形成する高炉操業方法であって、前記鉱石層は、還元粉化指数の異なる複数の鉄原料とコークスとを含んでおり、前記鉱石層を形成するための原料の装入の1チャージを、炉中心部への装入バッチと当該炉中心部より炉壁側の炉周辺部への装入バッチとの少なくとも2バッチに分割し、前記炉周辺部への装入バッチ中の還元粉化指数が基準値以上の鉄原料の比率、及び前記炉周辺部への装入バッチ中のコークスの比率が、それぞれ前記炉中心部への装入バッチ中の比率と比較して高くなるように前記原料を装入するものであり、前記炉周辺部は、高炉の半径をR、高炉の中心からの半径方向の位置をrとしたときの高炉の無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域で設定されるとともに、前記炉中心部は、前記高炉の無次元半径r/Rが0以上0.7未満の領域で設定されることを特徴としている。
このように、鉱石層を鉄原料(焼結鉱)とコークスとの混合層とすると、鉱石層を焼結鉱単独とする場合と比較して還元粉化率を低減することができる。
また、鉱石層とコークス層とを交互に形成する際、炉周辺部への装入バッチ中の還元粉化指数が基準値以上の鉄原料(高RDIの鉄原料)の比率と、炉周辺部への装入バッチ中のコークスの比率とが、それぞれ炉中心部への装入バッチ中の比率と比較して高くなるように原料を装入すると炉周辺部の鉱石層中に混合される還元粉化指数が基準値以上の鉄原料(高RDIの鉄原料)の比率と、炉周辺部の鉱石層中に混合されるコークスの比率とが、それぞれ炉中心部の鉱石層と比較して高くなるので、炉周辺部における鉄原料の還元粉化率を低減することができる。その結果、還元粉化による炉周辺部の通気性不良を抑制することができる。
さらに、混合コークスの比率を制御する際には、全体のコークス量を増やすことがないため、還元材比を増加せずに通気性を改善することができる。
したがって、高RDIの鉄原料のような低品位な原料を使用する場合であっても、高炉内の通気性を改善することができ、還元材比を増加せずに安定した操業を継続することができる。すなわち、低RDIの鉄原料のような高品位な原料を用いて通気性改善を図る場合と比較して、コストを削減することができる。
このように、原燃料性状の向上やコストアップ、還元材比の増加を行うことなく、安定した操業を継続することができる高炉操業方法とすることができる。
また、高炉の無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域は、炉中心に比べ500〜700℃の低温領域が広範囲に広がっている。還元粉化による炉内の通気性不良が問題となるのは装入物が低温領域に長く留まるこの領域であることから、0.7≦r/R≦1の領域内で上記炉周辺部を設定することで、非常に効果的に還元粉化を抑制し、炉内の通気性を改善することができる。
さらに、上記において、還元粉化指数が前記基準値以上の鉄原料は、高結晶水含有の塊鉱石であることを特徴としている。
高結晶水含有の塊鉱石は、高炉で一般的に使用される他の塊鉱石類に比べて還元粉化指数RDIが高く、通気抵抗悪化を引き起こし易い。このような鉄原料を用いた場合であっても、効果的に通気性を改善することができ有用である。
本発明によれば、炉頂から装入される鉱石層を形成するための原料(鉄原料と混合コークス)を制御し、炉周辺部の鉱石層中の高RDIの鉄原料の比率、及び炉周辺部の鉱石層中のコークスの比率を、それぞれ炉中心部の鉱石層中の比率と比較して高くする。そのため、高RDIの鉄原料のような低品位な原料を使用した高炉操業においても、還元材比を増加やコストアップを伴うことなく高炉内の通気性改善を図ることができ、安定した操業を継続することができる。
還元試験装置の構成を示す図である。 還元試験条件を示す図である。 還元試験結果を示す図である。 反応速度定数および拡散係数の違いを示す図である。 本発明に係る鉱石層とコークス層を模式的に示す側面断面図である。 本発明に係る鉱石層とコークス層を模式的に示す側面断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明者らは、鉱石層中に混合して装入するコークス量が高炉操業に及ぼす影響を調査するために、図1に示す装置を用いて還元試験を行った。
図中、試料10は、内径100mmφの黒鉛るつぼ11に充填されている。黒鉛るつぼ11は、加熱炉12内に設置する。加熱炉12は、パンチ棒13と、熱電対14と、ヒーター15と、炉芯管16とを備える。パンチ棒13は、図示しないエアシリンダ等により駆動され、試料10に対して荷重を付加するようになっている。また、図中符号17は混合ガス(N2/CO/CO2)、符号18は排ガス(ガス分析)、符号19は滴下物サンプリング装置である。
このような還元装置を用い、高炉内を模擬したガス組成、温度、荷重をプログラムで制御して実験を行った。図2に試験条件として設定したガス組成、温度、荷重を示す。
試料10は、粒径10mm〜15mmの焼結鉱と粒径10mm〜15mmのコークスとを混合させた、焼結鉱とコークスの混合層(発明例)と、粒径10mm〜15mmの焼結鉱単独(比較例)とを用いて実験を行った。
実験は、図2に示す条件下で昇温還元を行った。同等の試料を6段階の温度条件分用意し、それぞれ温度が500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃に到達した時点で昇温を中断して焼結鉱を取り出した。
この還元実験を上記発明例と上記比較例について実施し、得られた焼結鉱に対して、JIS M 8720に規定された転動試験により機械的負荷を与えて回転粉化を行い、その後、篩分けを行って2.8mm角の網を通過したもの(−2.8mm)の割合を還元粉化率とした。
図3は、還元試験結果を示す図である。この図3は、横軸に温度(℃)、縦軸に還元粉化率(%)をとり、焼結鉱単独の場合(実線α)と焼結鉱とコークスの混合層の場合(破線β)についてそれぞれ示している。
この図3に示すように、600℃までは焼結鉱単独の場合、焼結鉱とコークスの混合層の場合いずれにおいても還元粉化率はほぼ同等の値を示す。ところが、700℃以上では焼結鉱とコークスの混合層の方が還元粉化率は低くなる。
図4は、焼結鉱単独の場合(α)及び焼結鉱とコークスの混合層の場合(β)において、それぞれ900℃における等温還元実験を行い、そこから得られた実験結果をもとに導出した反応速度定数および拡散係数を示したものである。ここで、反応速度定数および拡散係数は、『「CO−CO2混合ガスによる酸化鉄ペレットの段階ごと還元」,鉄と鋼,Vol63(1977),p1099−1107』に示される一界面未反応核モデルを使用した還元解析からそれぞれ求めた。
この図4に示されるように、焼結鉱とコークスの混合層の場合(β)は、焼結鉱単独の場合(α)と比較して反応速度定数が増加して拡散係数が低下している。すなわち、コークスを混合して装入することで焼結鉱の反応速度が増加し、これに起因して、焼結鉱粒子内におけるガス拡散が低下しており、より表面反応的な反応形態へと変化したことがわかる。
焼結鉱は還元反応による亀裂発生によって粉化現象が生じると考えると、コークスを混合して装入した場合には、還元反応が焼結鉱粒子表面側で促進されることでトポケミカルに進行するため、粒子内部への亀裂進展が抑制され、還元粉化率が低くなると考えられる。
以上により、鉱石層中にコークスを混合して装入する方法は、高炉の通気性を改善して還元粉化を抑制する効果があることが分かった。
そこで、本実施形態では、炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークスとを装入することで、コークス層と鉱石層とを交互に形成するものとし、鉱石層を鉄原料とコークスとでなる混合層とする。
また、一般に、高炉の炉壁側(以下、炉周辺部と称す)の通気性改善が、高炉全体の通気性改善に大きな影響を及ぼすことが知られている。そこで、本実施形態では、炉周辺部の鉱石層中に混合されるコークスの量を増やすことで、炉周辺部の通気性を改善する。このとき、鉱石層中に混合される全体のコークス量(平均混合コークス量)を変えずに、炉周辺部の鉱石層中に混合されるコークスの比率を炉中心部に対して増やすようにする。これにより、還元材比の増加やコストアップを伴わずに炉内の通気性改善を図ることができる。
ここで、炉周辺部は、高炉の半径をR、高炉の中心からの半径方向の位置をrとしたときの高炉の無次元半径r/Rが、0.7以上1以下となる領域とする。なお、無次元半径r/Rは、0≦r/R≦1となる値であり、高炉の中心で0、高炉の炉壁で1となる。r/Rが0.7の位置および0.7の位置よりも炉壁側の領域は、炉中心に比べ鉄原料の還元粉化が最も発生しやすい500〜700℃の低温領域が広範囲に広がっている。そのため、この領域の還元粉化を抑制することができれば、通気性が大きく改善され、安定操業が見込まれると考えられる。
さらに、高炉操業を低コストで継続するために、鉄原料中には、還元粉化指数が比較的高い低品位な鉄原料(高RDIの鉄原料)と、還元粉化指数が比較的低い高品位な鉄原料(低RDIの鉄原料)とを混合して用いるのが一般的である。
混合コークス量を増加した炉周辺部は、還元粉化が抑制されると考えられるため、この炉周辺部に高RDIの鉄原料を装入すれば、高RDIの鉄原料の還元粉化が抑制され、低品位な高RDIの鉄原料を使用した場合であっても高炉全体の通気性を維持できると考えられる。そこで、本実施形態では、高RDIの鉄原料を炉周辺部に多配合するようにする。
このように、本実施形態では、鉱石層を形成する原料として、RDI値の異なる複数の鉄原料とコークスとを含む原料を用い、炉周辺部の鉱石層中に混合される高RDIの鉄原料の比率、及び炉周辺部の鉱石層中に混合されるコークスの比率が、それぞれ炉中心部の鉱石層と比較して高くなるように原料を装入する。ここで、高RDIの鉄原料とは、RDI値が予め設定した基準値(RDI値:35%)以上である鉄原料のことをいう。また、炉周辺部とは、高炉の無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域のことをいう。
図5及び図6は、本発明に係る高炉操業方法を用いて形成した鉱石層とコークス層を模式的に示す側面断面図である。
図中、符号1は炉壁、符号2は高炉の中心軸である。本実施形態では、炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークスとを装入することで、コークス層(3a,3b)と鉱石層(4a,4b)とを交互に形成する。ここで、図5は鉱石層4bを形成する前の状態、図6は鉱石層4bを形成した後の状態を示している。
このとき、コークス層を形成する1チャージ分のコークスを2バッチに分割して装入するものとし、1バッチ目でコークス層3aを形成し、2バッチ目でコークス層3bを形成する。また、鉱石層を形成するための原料の装入の1チャージを、炉中心部への装入バッチと当該炉中心部より炉壁側の炉周辺部への装入バッチとの2バッチに分割し、1バッチ目で炉中心部の鉱石層4aを形成し、2バッチ目で炉周辺部の鉱石層4bを形成する。
酸化鉄を主体とする鉄原料としては、焼結鉱、塊鉱石、ペレット、高炉・転炉・電気炉等の冶金炉から発生するダストなどを用いることができる。また、鉱石層を形成する原料には、RDI値の異なる複数の鉄原料とコークスとが混合されている。本実施形態では、炉周辺部の鉱石層4bに含まれる高RDIの鉄原料の比率を、炉中心部の鉱石層4aに含まれる高RDIの鉄原料の比率と比較して高くする。さらに、炉周辺部の鉱石層4bに含まれるコークスの比率を、炉中心部の鉱石層4aに含まれるコークスの比率と比較して高くする。
高RDIの鉄原料としては、高結晶水含有の塊鉱石(結晶水を4.0質量%以上含有)を用いる。
原料を炉周辺部に装入する方法は、高炉設備により異なり、例えば、ムーバブルアーマーの突出し量を調整する方法や、旋回シュートの傾動角を調節する方法等がある。このときの平均装入位置は、r/Rが0.7の位置であればよい。また、ベル−ムーバブルアーマー装入であっても、ベルレス装入で壁側から中心に向けて装入する順傾動装入であっても、更には中心から壁側に向けて装入する逆傾動装入であってもよい。
鉱石層4を形成する際には、上述したように、先ず1バッチ目で炉中心部に鉱石層4aを形成した後、2バッチ目で炉周辺部に鉱石層4bを形成する。図5に示すように、1バッチ目で中心部〜中間部に原料を留めた状態で、2バッチ目の原料を炉周辺部に装入するので、2バッチ目に装入された原料は、鉱石層4aの形成後に炉周辺部に形成されるポケット部5に安定して装入される。このように、鉱石層4を形成するための原料を炉中心部へ装入する1バッチ目に引き続き、2バッチ目で鉱石層4を形成するための原料を炉周辺部に装入するので、2バッチ目に装入する原料の中心部への流れ込みを起こりにくくして、図6に示すような安定した混合層を形成することができる。
(実施例)
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
ここでは、内容積5000m3の高炉を用い、炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークスとを装入して鉱石層とコークス層とを交互に形成する際に、鉱石層を形成する原料を2バッチに分割して1バッチ目を炉中心部に装入、2バッチ目を炉周辺部に装入する装入方法で操業を行った。
比較例1として、還元材比:495kg/t、鉄原料の平均RDI値:35%、平均混合コークス量:110kg/tとして操業を行い、これを基準とした。この比較例1では、炉中心部と炉周辺部とで、鉄原料の平均RDI値および混合コークス量を等しくしている。
また、比較例2として、鉄原料の平均RDI値、平均混合コークス量および周辺部混合コークス量は比較例1と等しくし、高RDIの鉄原料を炉周辺部に多配合して(周辺部RDI値:38%)操業を行った。
さらに実施例として、平均RDI値および平均混合コークス量は比較例1と等しくし、高RDIの鉄原料を炉周辺部に多配合すると共に(周辺部RDI:38%)、炉周辺部の混合コークス量を増加させて(周辺部混合コークス量:133kg/t)操業を行った。
上記の方法でそれぞれ操業を行い、通気抵抗指数と還元材比とを調査した。その結果を表1に示す。
Figure 0005768563
表1を参照すると、比較例2では、比較例1に対して通気抵抗指数と還元材比とが増加していることがわかる。すなわち、混合コークス量を炉中心部と炉周辺部とで変えることなく、炉周辺部のRDI値を高くするだけだと、通気性が悪化して操業が不安定となり、還元材比が増加してしまう。
一方、実施例では、比較例1に対して通気抵抗指数と還元材比とが低減していることがわかる。このように、鉱石層を形成する原料の装入に際し、炉周辺部への装入バッチ中の還元粉化指数RDIが高い鉄原料の比率を炉中心部への装入バッチ中の比率と比較して高めると共に、炉周辺部への装入バッチ中のコークスの比率を炉中心部への装入バッチ中の比率と比較して高めることで、高炉内の通気性を改善することができ、還元材比を低下することができる。これにより、高炉操業の安定性を向上することができる。
このように、鉱石層を鉄原料とコークスとの混合層とし、炉周辺部の混合コークス量を炉中心部に対して増やすので、炉周辺部の通気性を改善することができ、効果的に高炉全体の通気性を改善することができる。また、炉周辺部の混合コークス量を炉中心部に対して増やす際には、全体のコークス量を増やすことなく、炉周辺部の鉱石層中に混合されるコークスの比率を炉中心部と比較して高めるようにするので、還元材比を増加せずに通気性を改善することができる。
また、高RDIの鉄原料のような低品位な原料を使用する場合であっても、高RDIの鉄原料を炉周辺部に多配合することで、高炉内の通気性を維持することができる。したがって、低RDIの鉄原料のような高品位な原料を用いて通気性改善を図る場合と比較して、コストを削減することができる。
さらに、炉周辺部を無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域とするので、鉄原料の還元粉化を効果的に抑制することができ、通気性が大きく改善され、安定操業を継続することができる。
以上のように、原燃料性状の向上やコストアップ、還元材比の増加を行うことなく、高炉内の通気性を改善して、安定した操業を継続することができる高炉操業方法とすることができる。
(変形例)
なお、上記実施形態においては、鉱石層を形成する際、1チャージ分の原料を2バッチに分割して装入する場合について説明したが、3バッチ以上としてもよい。
また、上記実施形態においては、高RDIの鉄原料として高結晶水含有の塊鉱石を使用する場合について説明したが、RDI値が基準値以上となる鉄原料であれば、焼結鉱及び塊鉱石の何れであってもよい。
さらに、上記実施形態では、高炉の無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域を炉周辺部として設定する場合について説明したが、無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域内であればよく、例えば、無次元半径r/Rが0.85以上1以下の領域を炉周辺部としても同様の効果が得られる。
1…炉壁、2…高炉の中心軸、3a,3b…コークス層、4a,4b…鉱石層、5…ポケット部、10…試料、11…黒鉛るつぼ、12…加熱炉、13…パンチ棒、14…熱電対、15…ヒーター、16…炉芯管、17…混合ガス(N2/CO/CO2)、18…排ガス(ガス分析)、19…滴下物サンプリング装置

Claims (2)

  1. 炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークスとを装入し、鉱石層とコークス層とを交互に形成する高炉操業方法であって、
    前記鉱石層は、還元粉化指数の異なる複数の鉄原料とコークスとを含んでおり、
    前記鉱石層を形成するための原料の装入の1チャージを、炉中心部への装入バッチと当該炉中心部より炉壁側の炉周辺部への装入バッチとの少なくとも2バッチに分割し、前記炉周辺部への装入バッチ中の還元粉化指数が基準値以上の鉄原料の比率、及び前記炉周辺部への装入バッチ中のコークスの比率が、それぞれ前記炉中心部への装入バッチ中の比率と比較して高くなるように前記原料を装入するものであり、
    前記炉周辺部は、高炉の半径をR、高炉の中心からの半径方向の位置をrとしたときの高炉の無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域で設定されるとともに、前記炉中心部は、前記高炉の無次元半径r/Rが0以上0.7未満の領域で設定されることを特徴とする高炉操業方法。
  2. 還元粉化指数が前記基準値以上の鉄原料は、高結晶水含有の塊鉱石であることを特徴とする請求項に記載の高炉操業方法。
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