JP6070131B2 - 還元鉄の製造方法 - Google Patents

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直接還元製鉄法による還元鉄の製造方法に関する。特に、酸化鉄原料を還元するガスの組成に関するものである。
製鉄法の一つに、還元性を有するガス(還元ガス)を用いて酸化鉄原料を固体状態のままで還元する方法(直接還元製鉄法)がある。
通称、MIDREX法と呼ばれている還元法は、代表的な直接還元製鉄法のひとつである(特許文献1及び2参照)。これは、常圧の移動層竪型シャフト炉を還元装置として用いる直接還元製鉄法であり、酸化鉄原料として焼成ペレットや塊状鉄鉱石を原料として、還元鉄を製造するプロセスである。
上記MIDREX法以外の直接還元プロセスとして、流動層還元炉を還元装置として用いるプロセス(特許文献3及び4参照)、流動層還元炉、及び固定層還元軸炉の両者を還元装置として用いるプロセス(特許文献5参照)、並びに流動層還元炉、及び移動層竪型シャフトの両者を還元装置として用いるプロセス(特許文献6参照)が知られている。それぞれ、そこでは、種々の組成の還元ガスが開示されている。いずれも、基本的には天然ガスを改質したものである。
直接還元製鉄法、特に移動層竪型シャフト炉を還元装置として用いるプロセスの安定操業において、竪型シャフト炉などの還元装置内における通気確保、及び酸化鉄原料の物流の安定化は重要である。還元装置内における還元ガス上流部(例えばシャフト炉上部)において酸化鉄原料が還元粉化した場合、発生した粉がシャフト炉の通気、及び酸化鉄原料の物流安定化を阻害し、生産障害を招く可能性がある。
それ故、移動層竪型シャフト炉を還元装置として用いる直接還元法においては、使用される酸化鉄原料についての、還元粉化抑制のための管理指標を設ける場合が多い。例えば、MIDREX法では、ISO11257:2007試験(以下、「ISO試験」)により得られる値を管理指標として、それが塊状鉄鉱石では5mass%以下、ペレットでは2mass%以下としている。
逆に、移動層竪型シャフト炉を還元装置として用いる直接還元製鉄法で使用する酸化鉄原料は、還元粉化の管理指標を満たすための制約条件が存在するため、酸化鉄原料の性状によっては、該製鉄法に使用できないのが、現状である。
米国特許第3617227号明細書 米国特許第3748120号明細書 特表2001−271109号公報 特表2000−503349号公報 特表平10−506679号公報 特表2000−509219号公報
竪型シャフト炉による直接還元製鉄法において、原料の還元粉化を抑制することを課題とする。
本発明者らは、新たに、塊成鉱の還元形態、すなわちトポケミカルに進行するほど還元粉化が抑制されること、そして、この還元形態が還元ガスにおけるCOとHの組成で概ね決まることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
還元ガスの組成を竪型シャフト炉の排ガスで表した場合は以下のように規定される。
すなわち、竪型シャフト炉より排出される排ガスが以下の関係(I)〜(III)を満足することを特徴とする還元鉄の製造方法である。
out≦1.7703xout 4-3.5409xout 3+4.0813xout -2.31xout+0.9158・・・(I)
0≦yout≦1・・・(II)
0≦xout≦1・・・(III)
但し、xout:排出ガスにおける、(H+HO)/(CO+CO+H+HO)(モル比)
out:排出ガスにおける、(HO+CO)/(H+CO+HO+CO)(モル比)
out 及びy out がそれぞれ0.00及び0.35である場合と、x out 及びy out がそれぞれ0.42及び0.38である場合とを除く。
また、還元ガスの組成を竪型シャフト炉へ導入される入口ガスで表した場合は以下のように規定される。すなわち、竪型シャフト炉に導入される還元ガスが以下の関係(IV)〜(VI)を満足することを特徴とする還元鉄の製造方法である。
in≦1.7703xin 4-3.5409xin 3+4.0813xin -2.31xin
+0.9158-(22.4wRR)/(16SGC)・・・(IV)
0≦yin≦0.123xin+0.2962・・・(V)
0≦xin≦1・・・(VI)
但し、xin:導入還元ガスにおける、(H+HO)/(CO+CO+H+HO)(モル比)
in:導入還元ガスにおける、(HO+CO)/(H+CO+HO+CO)(モル比)
w:酸化鉄原料中の被還元酸素濃度(−)
:製造される還元鉄の還元率(−)
GC:ガス原単位(Nm/t−DRI)である。
in 及びy in がそれぞれ0.00及び0.00である場合を除く。
ここで、本発明に係る還元ガスは、例えば、原料ガス(天然ガス、石炭ガス化炉ガス、製銑プロセスで発生する副生ガス、及びそれらを必要に応じて改質したガスなど)を適宜混合することで得られる。
本発明者らは、更に、上記発明の水素リッチ側のガス条件において、シャフト炉に投入される原料を予熱すると、一段と還元粉化が抑制されることを見出した。すなわち、上記の還元鉄の製造方法において、移動層竪型シャフト炉に装入する酸化鉄原料は、装入前に予熱されたものであることを特徴とする還元鉄の製造方法である。
本発明によれば、直接還元製鉄法に使用する酸化鉄原料の還元粉化を抑制できる。これにより、直接還元製鉄法における還元装置の操業をより安定化することができる。また、従来直接還元製鉄法に使用できなかった、還元粉化しやすい酸化鉄原料を直接還元製鉄法に使用することができることにより、直接還元製鉄法に使用可能な酸化鉄原料の範囲を拡大でき、原料選択の自由度が広がる。
本発明の還元ガス組成の範囲を示す図である。 還元粉化挙動と(H+HO)/(CO+CO+H+HO)の関係を示す図である。 還元粉化挙動とCO(mol%)の関係を示す図である。 還元反応後のペレットの組織観察写真で、(a)はトポケミカル反応により還元したペレット、(b)は非トポケミカル反応により還元したペレットを示す図である。 酸化鉄の還元平衡状態図で、(a)は酸化鉄とCOの還元平衡状態図であり、(b)は酸化鉄とHの還元平衡状態図である。 実施例1の実験点を示す図である。 第2実施形態における小型シャフト炉を示す模式図である。 通常時と原料予熱装入時の還元粉化挙動を示す図である。
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態について説明する。
還元装置としてシャフト炉を用いる場合、酸化鉄原料として、例えば、塊状鉄鉱石、粉状鉄鉱石を塊成化した焼結鉱、及び、粉状鉄鉱石を塊成化したペレット及びブリケットなどを使用できる。その内、現行では主に、塊状鉄鉱石やペレットが使用されている。
高炉用原料として主に使用される焼結鉱は、その他の塊成鉱及び塊状鉄鉱石に比べて、二次ヘマタイト(Fe)の含有量が多く、かつ、気孔率が高く、還元粉化し易い。このため、高炉操業においては古くから高炉用原料の還元粉化指数が管理され、高炉内の通気性を安定化する管理が行なわれてきた。
以下に詳述するように、本発明者らはこの還元粉化の原因として次のことを突き止めた。すなわち、第1の原因として、還元反応が非トポケミカルに、すなわちペレット半径方向に均質進行するほど、還元粉化が促進されることが考えられる。そして、第2の原因として、直接還元による還元鉄製造法においては、還元ガス中に還元速度が異なるCOとHとが混在することが考えられる。本発明の還元鉄の製造方法においては、かかる知見に基づいて、酸化鉄原料が還元粉化しにくい所定の組成の還元ガスを還元装置に供給することを基本的な技術思想とする。
(ガス組成が酸化鉄原料の還元粉化挙動に及ぼす作用)
そこで、本発明者らは、還元ガスの組成を種々変更した還元粉化試験を行い、還元ガス組成の酸化鉄原料の還元粉化値に及ぼす影響を調べた。試料は、塊鉱石、焼結鉱、ペレットの3種を使用し、試験方法は後述の実施例と同じである。
図2は、還元ガス中のCO、及びHの濃度の影響を示したグラフであり、横軸がCO及びHの混合比率であり、縦軸が還元粉化量を示している。横軸は、中央値(つまり、0.5)から離れるほど、CO及びHのうち一方の濃度が高まることを示している。いずれの原料(ペレット、塊鉱石、燒結鉱)においても、CO、あるいはHいずれか単独のガスを用いた場合に比較して、両者を混合して使用した場合のほうが、還元粉化が促進され、特に混合比率が50%付近で還元粉化が最大値を示した。図3に、還元ガス中のCO濃度の影響を示す。いずれの原料においても、CO濃度の増加により、還元粉化は促進された。
図4に還元後のペレットの光学顕微鏡で観察した断面観察写真を示す。図4(a)は還元粉化の進行が小さかった例、図4(b)は図4(a)と比較して還元粉化が大きく進行した例である。図4(a)では反応界面が明確に認められ、反応がトポケミカルに進行している様子が分かる。一方、図4(b)では、反応界面が不明確で、反応は均質に進行している。両者の比較より、還元粉化は、反応が非トポケミカルに進行するほど促進されると推察される。
前記反応形態の観点から、上述の(H+HO)/(CO+CO+H+HO)比及びCO濃度の影響を考察すると、(H+HO)/(CO+CO+H+HO)比では、(H+HO)/(CO+CO+H+HO)が0.5に近付くほど、COとHのペレット内部への拡散速度の違いからHがペレット中心部、COが外周部をそれぞれ同時に還元し、還元帯の幅を拡大して、反応が非トポケミカルに進行しやすくなると推定される。また、CO濃度については、CO濃度が大きくなるほど還元速度そのものが低下することにより還元帯の幅を拡大して、反応が非トポケミカルに進行しやすくなると推定される。
(原料の還元に必要なCOとHの濃度下限)
一方、還元ガスは、酸化鉄原料を金属鉄まで還元するのに必要な還元能を有する必要がある。図5に、酸化鉄の還元平衡状態図を示す。図5(a)は、CO−CO系ガスを用いた場合の酸化鉄とCOの還元平衡状態図であり、図5(b)は、H−HO系ガスを用いた場合の酸化鉄とHの還元平衡状態図である。図5に示すように、酸化鉄の還元性は還元ガス中のCO及び/又はH(還元性成分)の含有率に依存する。
例えば、1000℃で、Feを、Fe、FeOを経て、Feまで還元するために、(I)還元ガスとしてCO−CO系ガスを用いる場合には、還元ガスのmol比:CO/(CO+CO)が0.30以下である必要があり、(II)還元ガスとしてH−HO系ガスを用いる場合には、還元ガスのmol比:HO/(H+HO)が0.42以下である必要がある。
還元ガスとして、CO−CO系ガスとH−HO系ガスを、MCO(mol%):MH2(mol%)で混合した還元ガスを用いる場合には、同様に、1000℃でFeまで還元するのに必要となる還元ガスのmol比(HO+CO)/(H+CO+HO+CO)は(0.30×MCO+0.42×MH2)/100以下である必要がある。つまり、還元ガスの還元能は、H、CO、HO、及びCOガスのmol比:(HO+CO)/(H+CO+HO+CO)に依存する。
(排出ガス組成から導入される還元ガス組成の導出方法)
前述の通り還元粉化は酸化鉄原料の還元過程において、還元初期のヘマタイト(Fe)からマグネタイト(Fe)に還元する際に発生する応力により粒子内亀裂が発生し、粉化する現象であることが知られている。すなわち、後述する実施例の還元ガス組成とは竪型シャフト炉上部、つまりは排出ガス組成と同意である。
排出ガス組成と竪型シャフト炉に導入される還元ガス組成は竪型シャフト炉内の物質収支より、以下の関係を満足する。
out=xin
out=yin+(22.4wR)/(16SGC)
(本発明の還元粉化を抑制する排出ガス組成の範囲)
以上の基礎的知見および後述の実施例に示す試験結果に基づき、本発明では、直接還元法に適する還元ガス組成を以下の(IV)〜(VI)の関係を満足するガス組成と定めた。
in≦1.7703xin 4-3.5409xin 3+4.0813xin -2.31xin+0.9158-(22.4wR)/(16SGC)
・・・(IV)
0≦yin≦0.123xin+0.2962・・・(V)
0≦xin≦1・・・(VI)
ここで、xinは導入還元ガスにおけるHおよびHOのCO、CO、HおよびHOに対する濃度(mol%)の割合((H+HO)/(CO+CO+H+HO))であり、yinは導入還元ガスにおけるHOおよびCOのH、CO、HOおよびCOに対する濃度(mol%)の割合((HO+CO)/(H+CO+HO+CO))である。 in 及びy in がそれぞれ0.00及び0.00である場合を除く。wは酸化鉄原料中に含まれる酸素濃度(-)、RRは竪型シャフト炉により製造される酸化鉄の還元率(-)、SGCはガス原単位(Nm3/t-DRI)である。
図1にw=0.3、R=1.0、SGC=2000と、本発明のガス組成の示す範囲に定めた。図1において、横軸の濃度(mol%)比:H/(CO+H)は還元ガスのCOとHの比率を表す。また、縦軸の濃度(mol%)比:(HO+CO)/(H+CO+HO+CO)は還元ガスの還元能を表す。
組成について当該関係を満足するガスを還元ガスとして用いることで、塊状鉄鉱石、焼結鉱、及び、粉状鉄鉱石を塊成化したペレットまたはブリケットなどの酸化鉄原料の還元粉化を抑制して還元炉内の通気性悪化を抑制することができる。
高炉ガス等のN分の多いガスを還元ガスの原料ガスと使用した場合は、還元ガス中のN組成が無視できなくなる。本発明において、還元ガス中におけるNの割合の上限値は、70%である。
((IV)〜(VI)を満足する組成を有する還元ガスの製造方法)
(IV)〜(VI)を満足する組成を有する還元ガスは、例えば、(i)天然ガス、(ii)天然ガスを改質したガス、(iii)石炭ガス化炉ガス、及び、(iv)製銑プロセスで発生する副生ガスより製造できる。例えば、以下の(a)〜(c)の方法が挙げられる。
(a)H及び/又はCO含有率の異なる前記(i)〜(iv)のガスの中から、2種以上のガスを選択して混合して還元ガスを製造する。
(b)H及び/又はCOの含有率の異なる上記(i)〜(iv)のガスの中から、1種又は2種以上のガスを選択し、及び/又は、混合し、次いで、HO及び/又はCOを添加して改質し、還元ガスを製造する。
(c)H及び/又はCOの含有率の異なる前記(i)〜(iv)のガスの中から選択した1種又は2種以上のガスと、該ガスにHO及び/又はCOを添加して改質したH及び/又はCOの含有率の異なるガスの中から、1種又は2種以上のガスを選択して混合して、還元ガスを製造する。
例えば、表1に示した組成のCOGのCHをHOで改質すると(CH+HO→CO+3H−59.1kcal/mol)、改質後のCOGの組成はCO=15mol%、H=85mol%((H+HO)/(CO+CO+H+HO))となり、本発明のガス組成を満たすことができる。
還元性の観点から、好ましくは、前記(a)〜(c)において、前記H及び/又はCOの含有率の異なる還元ガスの中から選択した還元ガスについては、予め、還元ガスの中に含まれるHO、及び、COの1種又は2種を除去して、還元ガスを製造するのが好ましい。
また、好ましくは、前記(a)〜(c)において、表1に示した組成のBFGの使用割合は40%以下とする。これは、還元ガス中のN含有量が20%以上になると、酸化鉄原料の還元性が悪化するためである。
また、更に好ましくは、前記(a)〜(c)において、前記H及び/又はCOの含有率の異なる還元ガスの中から選択した還元ガスについては、予め、還元ガスの中に含まれるNを除去して、還元ガスを製造する。これは、ガスの処理量が多くなり、ガス改質設備、ガス予熱設備、送風設備、及び/又は還元装置が大型化するのを避けるためである。
第1実施形態で規定したガス組成において還元粉化抑制効果が得られることを、以下の実施例を用いて説明する。本実施例では、原料としてペレットを単独で用いた。ペレットの平均直径は12.5mmであり、その組成は表2のとおりであった。還元粉化の試験方法は、JISの還元粉化試験方法に準じ、使用する還元ガスの組成のみを種々変更したものである。すなわち、ペレット重量:500g、還元温度:550℃、還元時間:30min、還元ガス流量:15NL/minで還元を行った後、還元後の試料を所定径の筒内で回転粉化を行わせ、ついで篩分を行い、−3.15mmの割合を測定することにより、還元粉化の度合いを評価した。
実験結果を還元ガスの組成とともに表3に示す。
図6において実施例として示す組成を有するガスを用いた場合における還元粉化値は、いずれもMIDREX法がペレットに対して要請する基準値2%以下であった。一方、図6において比較例として示す組成を有するガスを用いた場合では、還元粉化値はこの基準値を超えた。かかる実験結果に基づいて、本発明の排出ガス組成範囲を(I)、(II)及び(III)式のように規定した。ここで、上述したように、排出ガス組成と竪型シャフト炉に導入される還元ガス組成は竪型シャフト炉内の物質収支より、以下の関係を満足する。
out=xin
out=yin+(22.4wR)/(16SGC)
これらの関係式を上記(I)、(II)及び(III)式に代入すると、還元ガスの組成は竪型シャフト炉の排ガスで以下のようにあらわすことができる。
in≦1.7703xin 4-3.5409xin 3+4.0813xin -2.31xin+0.9158-(22.4wRR)/(16SGC)・・・(IV)
0≦yin≦0.123xin+0.2962・・・(V)
0≦xin≦1・・・(VI)
in 及びy in がそれぞれ0.00及び0.00である場合を除く。
但し、xout:排出ガスにおける、(H+HO)/(CO+CO+H+HO)(モル比)
out:排出ガスにおける、(HO+CO)/(H+CO+HO+CO)(モル比)
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の方法に加えて直接還元炉に原料を予熱して装入するものである。以下に詳述する。

上記したように、ヘマタイトからマグネタイトへと還元反応が進行する際に還元粉化が発生する。この還元粉化量は、還元する際の雰囲気温度に影響され、雰囲気温度が550℃より高い場合、温度が高位であるほど還元粉化量が抑制されることが知られている。
また、この雰囲気温度の高位に伴う還元粉化量を抑制できる特性を利用するために、水素を主体としたガスを用いて還元鉄を製造するシャフト炉方式の直接還元炉に対して、装入する原料酸化鉄を事前に予熱する直接還元炉の操業方法が知られている(例えば、特開2012−102371号公報)。
本実施形態では、上記第1実施形態における竪型シャフト炉から排出される排出ガスの組成および竪型シャフト炉に導入する還元ガスの組成を特定の比率にすることに加えて、竪型シャフト炉内に装入する原料を事前に予熱すること(予熱原料を用いること)で、第1実施形態の還元鉄の製造方法に比べて、還元粉化量が抑制されることを見出した。
また、第1実施形態における還元鉄の製造方法に予熱原料を用いて、竪型シャフト炉内における雰囲気温度を上昇させることで、ヘマタイトからマグネタイトへの還元反応が促進され、還元粉化発生領域が装入物の荷重が小さい竪型シャフト炉上部にシフトすることも明らかとなった。このように、還元粉化発生領域が装入物の荷重が小さい竪型シャフト炉上部にシフトすることで、第2実施形態における還元鉄の製造方法は、還元粉化によるペレットの粉化が抑制され、竪型シャフト炉内部の通気、及び固体物流が改善する効果を奏する。
第2実施形態において、原料予熱装入により炉内の還元粉化抑制効果が得られる理由を、以下の実施例により説明する。本実施例では、原料としてペレットを単独で用いた。ペレットの平均直径は12.5mmであり、その組成は表2のとおりであった。図7に本実施例で用いた直径0.1m、高さ4.0mの小型シャフト炉の模式図を示す。
ガス流量300NL/min、ガス組成:70%H−20%CO−10%COの還元ガスを加熱炉内で950℃まで加熱し、シャフト炉下部の還元ガス導入管より炉内に導入した。原料となるペレットはシャフト炉上部に設置した鉱石ホッパーに約300kg充填し、炉内に装入した。小型シャフト炉、及び鉱石ホッパーには温度制御用の検出管を設け、カンタル抵抗線による縦割り二つ炉の通電加熱により、シャフト炉、及び鉱石ホッパーを加熱した。小型シャフト炉の数学モデルによる計算から通常時、及び原料予熱時の炉内温度分布を導出し、本実験の温度分布として設定した。N雰囲気にてガス加熱管、小型シャフト炉、及び鉱石ホッパーを予熱後、これらの温度が400℃に達した段階で鉱石の排出を開始した。以後、鉱石の装入排出と昇温を続け、吹き込みガス温度が950℃に達した段階で、Nガスから還元ガスに切換え、炉内温度が安定するまで実験を継続した。炉内温度安定後、鉱石の排出と還元ガスの吹き込みを急停止し、冷却用のNガスをシャフト炉下部から吹き込み、炉内ペレットを冷却する。冷却後、ペレットを炉底から徐々に排出し、その取り出し容積量から炉内の高さ位置に相当する試料を採取した。試料は所定径の筒内で回転粉化を行わせ、ついで篩分を行い、−3.15mmの割合を測定することにより、還元粉化の度合いを評価した。
実験結果を図8に示す。通常時と比較して、予熱装入時の還元粉化値は小さくなった。更に、還元粉化発生領域が装入物の荷重が小さい炉上部にシフトした。かかる実験結果に基づいて、原料予熱装入により還元粉化抑制効果を確認した。
前述したように、本発明によれば、直接還元製鉄法に使用する酸化鉄原料の還元粉化を抑制できることにより、直接還元製鉄法に使用するガスの組成範囲が拡大でき、元ガス選択の自由度が広がるとともに、従来直接還元製鉄法に使用できなかった、還元粉化しやすい酸化鉄原料を直接還元製鉄法に使用することができることにより、直接還元製鉄法に使用する酸化鉄原料の範囲を拡大でき、原料選択の自由度が広がる。よって、発明は、製鉄産業において利用可能性が高いものである。





Claims (3)

  1. 移動層竪型シャフト炉により酸化鉄原料を還元性ガスで還元して還元鉄を製造する直接還元製鉄法において、前記竪型シャフト炉より排出される排出ガスの組成が、以下の(I)〜(III)の関係を満足することを特徴とする還元鉄の製造方法。
    out≦1.7703xout 4-3.5409xout 3+4.0813xout -2.31xout+0.9158・・・(I)
    0≦yout≦1・・・(II)
    0≦xout≦1・・・(III)
    但し、xoutは排出ガスにおけるHおよびHOのCO、CO、HおよびHOに対する濃度(mol%)の割合((H+HO)/(CO+CO+H+HO))であり、youtは排出ガスにおけるHOおよびCOのH、CO、HOおよびCOに対する濃度(mol%)の割合((HO+CO)/(H+CO+HO+CO))である。 out 及びy out がそれぞれ0.00及び0.35である場合と、x out 及びy out がそれぞれ0.42及び0.38である場合とを除く。
  2. 移動層竪型シャフト炉により酸化鉄原料を還元性ガスで還元して還元鉄を製造する直接還元製鉄法において、前記竪型シャフト炉に導入する還元ガスの組成が、以下の(IV)〜(VI)の関係を満足することを特徴とする還元鉄の製造方法。

    in≦1.7703xin 4-3.5409xin 3+4.0813xin -2.31xin+0.9158-(22.4wRR)/(16SGC)・・・(IV)
    0≦yin≦0.123xin+0.2962・・・(V)
    0≦xin≦1・・・(VI)
    但し、xinは導入還元ガスにおけるHおよびHOのCO、CO、HおよびHOに対する濃度(mol%)の割合((H+HO)/(CO+CO+H+HO))であり、yinは導入還元ガスにおけるHOおよびCOのH、CO、HOおよびCOに対する濃度(mol%)の割合((HO+CO)/(H+CO+HO+CO))であり、wは酸化鉄原料中に含まれる酸素濃度(-)、RRは竪型シャフト炉により製造される酸化鉄の還元率(-)、SGCはガス原単位(Nm3/t-DRI)である。 in 及びy in がそれぞれ0.00及び0.00である場合を除く。
  3. 請求項1または2に記載の還元鉄の製造方法であって、
    前記移動層竪型シャフト炉に装入する酸化鉄原料は、装入前に予熱されたものであることを特徴とする還元鉄の製造方法。
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