JP3829516B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉装入原料の予備還元率を変化させることにより、高炉発生ガスの発熱量を制御する高炉操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の社会的ニーズであるCO削減は、鉄鋼業において高炉発生ガス量の低減、すなわち高炉の燃料比低減を迫るものである。しかし、高炉発生ガスは製鉄所内で加熱炉等の燃料として使用される場合が多く、このような観点からすれば、燃料比低減は高炉発生ガスの発熱量(潜熱)低下に繋がるので好ましくない。そこで、高炉燃料比の変動に拘わらず高炉発生ガスの発熱量を維持したり、高炉の燃料比を一定に維持したまま高炉発生ガスの発熱量を高くするような技術が必要となる。
【0003】
【解決すべき課題】
ところで、従来の高炉操業では高炉発生ガスの発熱量は燃料比と相関があり、燃料比が高ければ高炉発生ガスの発熱量も高くなり、また、燃料比が低ければ発熱量も低くなり、高炉燃料比に依存せずに高炉発生ガスの発熱量を有効に制御することは未だなされていない。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、高炉燃料比に依存せずに高炉発生ガスの発熱量を有効に制御することができる高炉操業方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】
発明者らは、上記課題を解決すべく、総括物質・熱収支を基にしたリスト線図を種々検討した結果、高炉装入原料の予備還元率(鉱石の酸化度)を変化させることにより、高炉の燃料比に依存せずに高炉発生ガスの発熱量を制御することができることを見出した。
【0006】
具体的には、この総括物質・熱収支を基にしたリスト線図の検討の結果、例えば、高炉へ装入する鉄鉱石の予備還元率を20%以上30%未満(酸化鉄の還元前の状態をFeとした時のFeOまでの予備還元状態)とすれば、高炉の燃料比を一定にしたまま高炉発生ガスの発熱量を鉄鉱石の予備還元率にほぼ比例して変化させることが可能であり、また、高炉へ装入する鉄鉱石の予備還元率を30%以上70%未満とすれば、高炉発生ガスの発熱量を一定に維持したまま燃料比を変化させることが可能であるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、の発明は、高炉装入原料を、その予備還元率を20%以上30%未満の範囲で調整して高炉に装入し、高炉の燃料比を略一定に維持しながら高炉発生ガスの発熱量を制御しつつ高炉操業を行うことを特徴とする高炉操業方法である。
【0009】
の発明は、高炉装入原料を、予備還元率を30%以上70%未満の範囲で調整して高炉に装入し、高炉発生ガスの発熱量を略一定に維持しながら高炉の燃料比を制御しつつ高炉操業を行うことを特徴とする高炉操業方法である。
【0010】
の発明は、上記第2の発明において、高炉装入原料の一部に高結晶水鉱石を使用し、高炉操業の際の炉頂ガス温度の上昇を抑制することを特徴とする高炉操業方法である。
【0011】
なお、高炉装入原料の予備還元率は、通常焼結鉱、予備還元焼結鉱、鉄スクラップ等の高炉装入原料を構成する個々の原料の還元率の加重平均値として求めた平均予備還元率として求めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、高炉装入原料を、その予備還元率を20%以上30%未満の範囲で調整して高炉に装入することにより、高炉の燃料比を略一定に維持しながら高炉発生ガスの発熱量を制御しつつ高炉操業を行うか、または予備還元率を30%以上70%未満として高炉に装入し、高炉発生ガスの発熱量を略一定に維持しながら高炉の燃料比を制御しつつ高炉操業を行うものであるが、これは発明者らが総括物質・熱収支を基にしたリスト線図から理論的に見出した知見に基づくものである。この知見、すなわち、高炉装入原料である鉄鉱石の予備還元率(酸化度)を変化させることにより、高炉の燃料比に依存せずに高炉発生ガスの発熱量を制御し得るとの知見について、図面に基づいて説明する。図1は高炉内部のガス温度分布を示すグラフ、図2は酸化鉄の還元平衡と実際の炉内ガス組成と酸化鉄酸化度の関係を示すグラフである。
【0013】
図1では、高炉内部のガス温度は炉頂部で約150〜200℃、羽口先で2000〜2400℃である。また、シャフト部にはいわゆる熱保存帯と称するほぼ1000℃一定の温度領域が存在する。この熱保存帯では酸化鉄はFeO〜Fe還元平衡から僅かにずれたガス組成および還元段階で存在する。図2において、上段の横軸は高炉のガスの酸化度(換言すれば、炭素原子に対する酸素原子比O/C)である。ガスの酸化度は高炉下部でガス組成がCOのみの場合は1であり、ガスが酸化鉄を還元しながら上部に移行して最終的に全量CO(+N)となった場合は2である。一方縦軸は鉄原子に対する酸素原子比(O/Fe)を示す。装入時の最も酸化度の高い状態がFe(酸化度=1.5)であり、高炉内で順次還元が進むにつれ、Fe(酸化度=1.33)、FeO(酸化度=1.05)となり最終的には金属鉄(酸化度=0)になる。また、これを還元率で表せばFe(還元率=0%)、Fe(還元率=11.3%)、FeO(還元率=30%)、金属鉄(還元率=100%)である。
【0014】
図2の下段は酸化鉄のCOによる還元平衡図である。横軸は上述と同様ガスの酸化度を表し、縦軸は還元平衡温度を表す。図1より熱保存帯の温度を1000℃とした場合、図2の下段よりこの温度におけるFe〜FeO還元平衡時のガス酸化度(O/C)が求められる。鉱石(FeO)の酸化度が1.05であることから図2上段のW点が求まる。
【0015】
一方、酸化度1.5の鉱石(Fe)を炉頂より装入した場合、直線PT−PB(以下操作線と称す)に沿って鉱石の酸化度及びガスの酸化度が変化する。高炉の燃料比はこの直線の勾配(C/Fe)で決定される。高炉の操業が理想的に行われ、還元平衡に到達している場合には、この直線はW点に接し、燃料比は最小値をとる。しかし、実際の高炉では酸化鉄の還元は平衡よりずれるため操作線はW点を通らず、例えばP1点を通る。ここで直線P−Wと直線P−Pの長さの比(P−W)/(P−P)は高炉の還元平衡到達度を表し、シャフト効率と称されるものである。通常、高炉のシャフト効率は0.90〜0.95程度である。
【0016】
さて、第の発明のように高炉装入原料の予備還元率を20%以上、30%未満とした場合、高炉装入原料の酸化度は1.5より低いから、図2のPに代わってPT’’になる。これによりガス組成(酸化度)も低下し、その結果高炉発生ガスの発熱量が上昇する。ただし、この場合は操作線の勾配は変化しないので燃料比は原則的には変化しない。すなわち、高炉の燃料比を略一定に維持しながら高炉発生ガスの発熱量を制御することが可能である。
【0017】
また、第の発明のように高炉装入原料の予備還元率が30%を超える場合には、W点の縦座標は1.05より低いW’点に移行する。シャフト効率一定と仮定すると、操作線はシャフト効率(P−P1’/P−W’)が一定となるP1’点を通ることになり、その結果操作線の勾配は小さくなり燃料比は低下する。ただし、この場合はガスの酸化度の低下はないので高炉発生ガスの発熱量は変化しないと推察される。すなわち、高炉燃料比の変動に拘わらず高炉発生ガスの発熱量を略一定にすることが可能である。
【0018】
すなわち、高炉装入原料の予備還元率が30%未満(FeO還元段階まで)ではその予備還元率に応じて高炉発生ガスの酸化度が低下し、その結果高炉発生ガスの発熱量が向上する。なお、この場合高炉の燃料比低減、その結果としての高炉発生ガス量(=炭酸ガス発生量)の削減はできないが、高炉発生ガスを製鉄所内で加熱炉等の燃料として使用する場合には、高炉発生ガスの発熱量が向上するため製鉄所の総エネルギー消費量を削減することが可能となる。また、予備還元率が20%未満では高炉発生ガス発熱量の上昇効果が少ない。
【0019】
一方、高炉装入原料の予備還元率が30%以上(FeOと一部金属鉄が存在する還元段階)では予備還元率に応じ高炉の燃料比の低減、およびその結果として高炉発生ガス量(=炭酸ガス発生量)の削減が可能となる。ただし、この場合は高炉発生ガスの酸化度低下(=発熱量の上昇)は期待できない。
なお、高炉装入原料の予備還元率は、還元率が100%に近い鉄スクラップ等の割合を高くすることにより、理論的には100%に近い値にすることは可能である。しかし、実操業においては、予備還元率が30%以上になると炉頂温度が上昇し、その低下対策が必要となるが、予備還元率が70%以上では現状の対策では炉頂温度の上昇を抑えられない。そこで、本発明では予備還元率を70%未満としている。
【0020】
次に、本発明において高炉装入原料の予備還元率を所定の範囲に調整する方法について説明する。
通常の高炉装入原料である焼結鉱ではFeOが5wt.%程度、ペレットでは1wt.%程度であるが、FeはほとんどFeの状態にあるので酸化度は1.5に近く、高炉装入原料全体の予備還元率は高々2%程度である。したがって、本願発明の予備還元率の範囲に調整するためには、金属鉄(還元率=100%)に近い鉄スクラップ、還元鉄のほか、本発明者らが特願平10−369818号で詳細にその製造方法について記載した予備還元焼結鉱を適宜混合配合して調整すれば良い。
【0021】
特願平10−369818号は、無端移動グレート式焼結機で焼成して焼結鉱を製造するにあたり、少なくとも、配合原料中のSiO含有量を6wt.%以下に調整する工程と、前記配合原料に粒子径が1mm〜10mmに調整された固体燃料(A)を所定量混合して造粒物とする1次造粒工程と、前記造粒物に粒子径が5mm以下に調整された固体燃料(B)の所定量を混合して造粒し、固体燃料(B)により被覆された擬似粒子とする2次造粒工程とを実施して、予備還元率が20%以上30%未満または30%以上90%未満の予備還元焼結鉱を得るものである。そして、固体燃料の割合を適度なものとする観点からは、予備還元率が70%以下が好ましいとしている。したがって、高炉装入原料の予備還元率の重量平均値を調整するにあたり、高炉装入原料の少なくとも一部に還元率が20%以上70%未満の範囲に予備還元された焼結鉱を配合することが好ましい。
【0022】
この場合に、固体燃料(A)と固体燃料(B)の重量の和の割合が4.5wt.%〜30.0wt.%で、かつ、固体燃料(A)と固体燃料(B)の重量の比(A)/(B)の値を0.8以上とすることが好ましい。また、成品焼結鉱1tに対する固体燃料(A)と固体燃料(B)の重量の和が50kg/t以上で、かつ、固体燃料(A)と固体燃料(B)の重量の比(A)/(B)の値を0.8以上となるように固体燃料の配合量を調整することが好ましい。
【0023】
固体燃料(A)と固体燃料(B)としては、通常、粉コークスが用いられ、例えば、予備還元率の目標値を20%以上30%未満の範囲に設定する場合、混合原料中の粉コークスの割合を4.5wt.%から8.5wt.%の範囲で変化させて予備還元率と混合原料中の粉コークスの割合との相関を求め、その相関に基づいて混合原料中の粉コークスの割合を決定する。同様に、予備還元率を30%以上70%未満の範囲に設定する場合は、混合原料中の固体燃料の割合を8.5wt.%から30wt.%の範囲で変化させて相関を求めればよい。
【0024】
添加する粉コークス量は、混合原科に対する割合であるコークス比で表してもよく、また、焼結生産量1トン当たりのコークス原単位で表してもよい。以下の関係式を利用して、コークス比とコークス原単位の間で換算が可能である。
コークス原単位(kg/t)={コークス比(%)×(新原料使用量(kg/t)+返鉱使用量(kg/t))}/(新原料使用量(kg/t)×焼結歩留(%))×1000
【0025】
なお、上述した還元鉄は、例えばシャフト炉タイプのミドレックスプロセス、Hyl−IIIプロセス、またロータリーキルンタイプではSL/RNプロセス等で製造されるが、主に電気炉原料であって還元率は95%以上と高いものの、成品還元鉄の強度は低く、また、生産量も少なく、高炉原料として使用することはできるがあまり適していないので、上記特願平10−369818号に記載した予備還元焼結鉱を使用することが好ましい。
【0026】
本発明で予備還元焼結鉱の予備還元率を70%未満とする理由は、予備還元率を70%以上にしようとすると、粉コークス等の固体燃料比率が高くなりすぎるため焼結過程で溶融現象が生じ、その結果ガスの偏流により還元が阻害され、予備還元率を70%以上とするのが困難であるためであり、また、高還元率の焼結鉱はヤードで保管する際に再酸化するなどの問題があるためである。
【0027】
また、高炉装入原料の予備還元率が30%を超えると、高炉の炉頂ガス温度が上昇して設備保守の上限温度300℃を超えるといった新たな問題が生ずるが、その対策として、高結晶水鉱石(ピソライト)を使用すると、高炉シャフトの上部で結晶水の分解が生じる際の吸熱反応により炉頂ガス温度の上昇を抑制することができる。
【0028】
【実施例】
(第1の実施例)
内容積4300mの操業中の高炉において、装入原料中の通常焼結鉱を予備還元焼結鉱と一部または全部置換し、場合によっては、さらに、一部のものについて、装入原料中のペレットおよび塊鉱石とも一部置換して装入原料の平均予備還元率を20%以上30%未満(最大29.0%まで)の範囲で変化させ、この時の高炉燃料比と高炉発生ガスの発熱量の変化を調査した(発明例1〜4)。また、比較のため、同様に装入原料中の通常焼結鉱を予備還元焼結鉱と一部置換することにより装入原料の平均予備還元率を10%以上20%未満の範囲で変化させ、この時の高炉燃料比と高炉発生ガスの発熱量の変化も併せて調査した(比較例1〜3)。その結果を表1に示した。
【0029】
また、その際の高炉の操業諸元を表3に示したが装入原料以外の条件については極力変化させないようにした。なお、使用した予備還元焼結鉱は上述の特願平10−369818号の製造方法により、平均予備還元率をほぼ30%となるように調整したが、表1に示すように、発明例1〜4および比較例1〜3で使用した予備還元焼結鉱の予備還元率の値に若干ばらつきがある。
【0030】
表1に示すように、装入原料の平均予備還元率が20%以上30%未満である発明例1〜4の場合、予備還元率にほぼ比例して高炉発生ガスの発熱量が上昇することがわかる。これに対して、平均予備還元率が20%未満である比較例1〜3の場合には、装入原料の予備還元率が変化しても高炉発生ガスの発熱量の変化は小さい。また、装入原料の平均予備還元率が20%以上30%未満の範囲で変化しても燃料比はほとんど変化しないことも確認された。
【0031】
したがって、本発明者らが理論的に推察したように、高炉装入原料の平均予備還元率を20%以上30%未満となるように調整することにより、高炉の燃料比を略一定に維持しながら高炉発生ガスの発熱量を制御することが可能であることが確認された。
【0032】
次に、焼結鉱の予備還元率および装入原料の平均予備還元率の求めかたについて説明する。
一般的には鉱石類のFe分析では、全鉄分(T.Fe)、2価の鉄分(Fe2+)、金属鉄分(M.Fe)が実測され、3価の鉄分(Fe3+)は全鉄分(T.Fe)から2価の鉄分(Fe2+)および金属鉄分(M.Fe)を差し引いて求められるが、通常焼結鉱および還元率が30%未満の予備還元焼結鉱では、金属鉄分(M.Fe)は殆ど含まれないので、3価の鉄分(Fe3+)は全鉄分(T.Fe)から2価の鉄分(Fe2+)を差し引けば求められる。装入原料中のペレットおよび塊鉱石には2価の鉄分(Fe2+)は殆ど含まれないが、通常焼結鉱には2価の鉄分(Fe2+)がFeO換算で5〜6wt.%含まれる。通常焼結鉱および予備還元焼結鉱の予備還元率は、それぞれ30%×(Fe2+)/(T.Fe)で求められる。したがって、装入原料の平均予備還元率は、装入原料中の通常焼結鉱および予備還元焼結鉱の還元率の加重平均値として求めた。
【0033】
(第2の実施例)
装入原料の平均予備還元率を30%以上60%未満の範囲で変化させるため、還元率がほぼ60%の予備還元焼結鉱を製造し、第1の実施例の場合と同様に内容積4300mの操業中の高炉において、まず装入原料中の通常焼結鉱をこの予備還元焼結鉱と一部置換し、さらに、一部のものについては、装入原料中のペレットおよび塊鉱石を金属スクラップと一部置換することにより、装入原料の平均予備還元率を30%以上約60%まで変化させ、高炉燃料比と高炉発生ガスの発熱量の変化を調査した(発明例11〜14)。その結果を表2に示す。なお、その際の高炉の操業諸元は表3に示したとおりであり、装入原料以外の条件については極力変化させないようにした点も第1の実施例と同じである。
【0034】
その結果、表2に示すように、装入原料の平均予備還元率を30%以上60%未満とした発明例11〜14の場合、平均予備還元率にほぼ比例して高炉燃料比が低下(約20%)したが、高炉発生ガスの発熱量の変化はほとんどなかった。したがって、高炉装入原料の予備還元率を30%以上60%未満となるように調整して、高炉発生ガスの発熱量を略一定に維持しながら高炉の燃料比を制御することが可能であることが確認された。
【0035】
この実施例においては、高炉装入原料の予備還元率が30%を超えると、高炉の炉頂ガス温度が上昇して設備保守上の上限温度300℃を超えるため、その対策として、装入原料中の塊鉱石の一部を結晶水含有量が10wt.%の高結晶水鉱石(ピソライト)と置換した。結晶水含有量が10wt.%の高結晶水鉱石を装入原料中15%配合することで炉頂ガス温度を250℃以下に抑制することができた。また、発明例14のように高炉装入原料の平均予備還元率が50%以上と高いにもかかわらず、装入原料中の高結晶水鉱石割合が10%以下と少ない場合には、従来から実施されてきた炉頂散水の併用により炉頂ガス温度を低下させた。
【0036】
なお、本発明例14よりも装入原料中の鉄スクラップを増加させることにより予備還元率をさらに上昇させること可能であり、予備還元率が70%未満であれば高結晶水鉱石の併用や炉頂散水により炉頂温度を300℃以下に抑えることができる。しかし、予備還元率が70%以上となるとこれらの手段では炉頂温度を300℃以下に抑えることは難しい。
【0037】
また、装入原料の予備還元率を求めるに際し、本実施例のように還元率が30%以上の予備還元焼結鉱では、金属鉄(M.Fe)が生成されるので、3価の鉄分(Fe3+)は全鉄分(T.Fe)から2価の鉄分(Fe2+)および、金属鉄分(M.Fe)を差し引いて求める。予備還元焼結鉱の予備還元率は、30%×(Fe2+)/(T.Fe)+100%×(M.Fe)/(T.Fe)で求められる。装入原料の平均予備還元率は、装入原料中の通常焼結鉱、予備還元焼結鉱および金属スクラップの還元率の加重平均値として求めた。なお、装入原料中の金属スクラップの予備還元率は100%とした。
【0038】
【表1】
Figure 0003829516
【0039】
【表2】
Figure 0003829516
【0040】
【表3】
Figure 0003829516
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、高炉装入原料の予備還元率を20%以上30%未満となるように調整することにより、高炉の燃料比を略一定に維持しながら高炉発生ガスの発熱量を制御することが可能である。また、高炉装入原料の予備還元率を30%以上70%未満となるように調整することにより、高炉発生ガスの発熱量を略一定に維持しながら高炉の燃料比を制御することが可能である。したがって、高炉の燃料比に依存せずに、高炉発生ガスの発熱量を制御することができる。また、高結晶水鉱石を使用することにより、高炉装入原料の予備還元率を30wt.%以上とした場合に生ずる炉頂ガス温度の上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉内のガス温度分布を示す図。
【図2】酸化鉄の還元平衡と高炉内ガス酸化度と酸化鉄酸化度の関係を示す図。

Claims (3)

  1. 高炉装入原料を、その予備還元率を20%以上30%未満の範囲で調整して高炉に装入し、高炉の燃料比を略一定に維持しながら高炉発生ガスの発熱量を制御しつつ高炉操業を行うことを特徴とする高炉操業方法。
  2. 高炉装入原料を、予備還元率を30%以上70%未満の範囲で調整して高炉に装入し、高炉発生ガスの発熱量を略一定に維持しながら高炉の燃料比を制御しつつ高炉操業を行うことを特徴とする高炉操業方法。
  3. 高炉装入原料の一部に高結晶水鉱石を使用し、高炉操業の際の炉頂ガス温度の上昇を抑制することを特徴とする請求項に記載の高炉操業方法。
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