JPH08260008A - 高炉の操業方法 - Google Patents
高炉の操業方法Info
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- JPH08260008A JPH08260008A JP9038795A JP9038795A JPH08260008A JP H08260008 A JPH08260008 A JP H08260008A JP 9038795 A JP9038795 A JP 9038795A JP 9038795 A JP9038795 A JP 9038795A JP H08260008 A JPH08260008 A JP H08260008A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 微粉炭多量吹き込みによる高Ore/Cok
e操業において、炉内通気性の悪化と炉内還元能の低下
を防止して炉況を安定化させる。 【構成】 微粉炭多量吹き込みによる高い鉱石/コーク
ス比操業において、高炉毎に求めた炉上部塊状帯でのガ
ス還元によって奪われた酸素量を鉱石中酸素量で除して
求めた到達還元率が60〜65%となるよう、1チャー
ジ当たりの銑鉄生成量を設定する。
e操業において、炉内通気性の悪化と炉内還元能の低下
を防止して炉況を安定化させる。 【構成】 微粉炭多量吹き込みによる高い鉱石/コーク
ス比操業において、高炉毎に求めた炉上部塊状帯でのガ
ス還元によって奪われた酸素量を鉱石中酸素量で除して
求めた到達還元率が60〜65%となるよう、1チャー
ジ当たりの銑鉄生成量を設定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、銑鉄を製造する高炉
の微粉炭多量吹き込み時における操業方法に関する。
の微粉炭多量吹き込み時における操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高炉操業においては、CO2を初
めとする環境問題、コークス炉の更新の問題およびコス
ト低減の観点から微粉炭吹き込み量が増大している。例
えば、「材料とプロセス」4(1991)、P.106
2には、微粉炭吹き込み量180kg/Ton・溶銑
(以下PTという)以上の吹き込み原単位を記録する高
炉も報告されており、同時に微粉炭原単位が160kg
/PT以上になると、それに伴うコークス比の低下によ
る炉内装入物の荷下がりの悪化、圧力損失、炉体熱負荷
の増加によって、コークスによる通気性が低下して操業
が不安定になるという問題点の発生することが報告され
ている。
めとする環境問題、コークス炉の更新の問題およびコス
ト低減の観点から微粉炭吹き込み量が増大している。例
えば、「材料とプロセス」4(1991)、P.106
2には、微粉炭吹き込み量180kg/Ton・溶銑
(以下PTという)以上の吹き込み原単位を記録する高
炉も報告されており、同時に微粉炭原単位が160kg
/PT以上になると、それに伴うコークス比の低下によ
る炉内装入物の荷下がりの悪化、圧力損失、炉体熱負荷
の増加によって、コークスによる通気性が低下して操業
が不安定になるという問題点の発生することが報告され
ている。
【0003】上記の問題点には、いくつかの原因が考え
られている。一つめは、例えば、「材料とプロセス」4
(1991)、P.138に報告されているように、微
粉炭吹き込み量の増加によるレースウェイ内での未燃焼
チャー発生量の増加やレースウェイ内でのコークス粉化
量の増加である。そして、炉下部では、粉発生量の増加
によって炉芯が肥大化する。二つめは、微粉炭吹き込み
量の増加に伴うシャフト部での熱流比の低下である。熱
流比の低下は、シャフト部での圧力損失を増加させ、荷
下がりが不安定になる。三つめは、微粉炭多量吹き込み
時の高い鉱石(Ore)とコークス(Coke)の重量
比(以下Ore/Cokeという)である。この高Or
e/Cokeにより鉱石層の厚みが増大し、炉上部での
通気性が悪化するばかりでなく、上部塊状帯でのガス還
元によって奪われた酸素量を鉱石中酸素量で除して求め
た到達還元率が低下し、溶融帯での溶け落ち性が悪化
し、炉下部の圧力が増加すると同時に、中心流が抑制さ
れて周辺流が助長され、荷下がりが不安定になって炉体
熱負荷が増加することが、「材料とプロセス」4(19
91)、P.104に報告されている。
られている。一つめは、例えば、「材料とプロセス」4
(1991)、P.138に報告されているように、微
粉炭吹き込み量の増加によるレースウェイ内での未燃焼
チャー発生量の増加やレースウェイ内でのコークス粉化
量の増加である。そして、炉下部では、粉発生量の増加
によって炉芯が肥大化する。二つめは、微粉炭吹き込み
量の増加に伴うシャフト部での熱流比の低下である。熱
流比の低下は、シャフト部での圧力損失を増加させ、荷
下がりが不安定になる。三つめは、微粉炭多量吹き込み
時の高い鉱石(Ore)とコークス(Coke)の重量
比(以下Ore/Cokeという)である。この高Or
e/Cokeにより鉱石層の厚みが増大し、炉上部での
通気性が悪化するばかりでなく、上部塊状帯でのガス還
元によって奪われた酸素量を鉱石中酸素量で除して求め
た到達還元率が低下し、溶融帯での溶け落ち性が悪化
し、炉下部の圧力が増加すると同時に、中心流が抑制さ
れて周辺流が助長され、荷下がりが不安定になって炉体
熱負荷が増加することが、「材料とプロセス」4(19
91)、P.104に報告されている。
【0004】このため、微粉炭多量吹き込み時には、炉
下部での粉発生量を抑制する対策と同時に、圧力損失お
よび炉体熱負荷が増大しないOre/Cokeとなるよ
う装入物分布を制御する必要がある。欧州の高炉(例え
ば、ドイツのThyssen社のSchwelgern
−1高炉、オランダのHoogovens社のIjmu
iden−7高炉)では、上記目的および炉芯の活性化
を目的として、中心流確保のための装入物分布の制御を
実施している。また、装入物分布の制御だけでは、微粉
炭多量吹き込み時に予想される炉下部の圧力損失の増加
を解決できず、炉下部の圧力損失の増加を抑制する他の
対策が必要である。
下部での粉発生量を抑制する対策と同時に、圧力損失お
よび炉体熱負荷が増大しないOre/Cokeとなるよ
う装入物分布を制御する必要がある。欧州の高炉(例え
ば、ドイツのThyssen社のSchwelgern
−1高炉、オランダのHoogovens社のIjmu
iden−7高炉)では、上記目的および炉芯の活性化
を目的として、中心流確保のための装入物分布の制御を
実施している。また、装入物分布の制御だけでは、微粉
炭多量吹き込み時に予想される炉下部の圧力損失の増加
を解決できず、炉下部の圧力損失の増加を抑制する他の
対策が必要である。
【0005】高炉下部の圧力損失の増加を抑制する方法
としては、高炉内にコークスおよび鉱石を交互に層状と
して装入し操業をなすに当たり、前記コークス層および
鉱石層の層厚を50〜300mmとする方法(特公平3
−64565号公報)が提案されている。また、微粉炭
多量吹き込みにおける高炉下部の圧力損失の増加を抑制
する方法としては、高炉毎に求めた炉下部の圧力損失と
1チャージ当たりのコークス装入量の関係から、炉下部
の圧力損失が適正な範囲に入るように1チャージ当たり
のコークス装入量を設定する方法(特開平5−1793
19号公報)が提案されている。
としては、高炉内にコークスおよび鉱石を交互に層状と
して装入し操業をなすに当たり、前記コークス層および
鉱石層の層厚を50〜300mmとする方法(特公平3
−64565号公報)が提案されている。また、微粉炭
多量吹き込みにおける高炉下部の圧力損失の増加を抑制
する方法としては、高炉毎に求めた炉下部の圧力損失と
1チャージ当たりのコークス装入量の関係から、炉下部
の圧力損失が適正な範囲に入るように1チャージ当たり
のコークス装入量を設定する方法(特開平5−1793
19号公報)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平3−645
65号公報に開示の方法は、コークス層および鉱石層の
層厚を50〜300mmと、従来のコークス層および鉱
石層の層厚の1/2ないしそれ以下とすることによっ
て、高炉の送風圧力損失のピーク点を有効に低減ないし
解消するもので、高炉の圧力損失の抑制には効果的であ
るが、コークス層および鉱石層の層厚低減に伴う還元率
上昇対策ならびに炉体熱負荷増大対策については、何ら
考慮されていない。また、特開平5−179319号公
報に開示の方法における炉下部の圧力損失の適正値は、
操業条件によって大きく変化し、コークス比が変化すれ
ば還元率が変動し、実操業ではそのパラメータのみの制
御は困難である。すなわち、微粉炭多量吹き込み時に
は、他の高Ore/Coke対策が必要となる。微粉炭
多量吹き込み時の高Ore/Coke操業においては、
微粉炭吹き込み量の増加に伴うコークス量の削減による
炉内通気性の悪化、および1チャージ当たりのコークス
量に対する鉱石量の増加に伴う炉内還元能の低下等の炉
況悪化が、通常操業時に比較して特に発生し易くなるた
め、微粉炭多量吹き込みによる高Ore/Coke操業
時の炉況安定化対策が必要である。
65号公報に開示の方法は、コークス層および鉱石層の
層厚を50〜300mmと、従来のコークス層および鉱
石層の層厚の1/2ないしそれ以下とすることによっ
て、高炉の送風圧力損失のピーク点を有効に低減ないし
解消するもので、高炉の圧力損失の抑制には効果的であ
るが、コークス層および鉱石層の層厚低減に伴う還元率
上昇対策ならびに炉体熱負荷増大対策については、何ら
考慮されていない。また、特開平5−179319号公
報に開示の方法における炉下部の圧力損失の適正値は、
操業条件によって大きく変化し、コークス比が変化すれ
ば還元率が変動し、実操業ではそのパラメータのみの制
御は困難である。すなわち、微粉炭多量吹き込み時に
は、他の高Ore/Coke対策が必要となる。微粉炭
多量吹き込み時の高Ore/Coke操業においては、
微粉炭吹き込み量の増加に伴うコークス量の削減による
炉内通気性の悪化、および1チャージ当たりのコークス
量に対する鉱石量の増加に伴う炉内還元能の低下等の炉
況悪化が、通常操業時に比較して特に発生し易くなるた
め、微粉炭多量吹き込みによる高Ore/Coke操業
時の炉況安定化対策が必要である。
【0007】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、微粉炭多量吹き込みによる高Ore/Coke
操業において、炉内通気性の悪化と炉内還元能の低下を
防止して炉況を安定化できる高炉の操業方法を提供する
ことにある。
解消し、微粉炭多量吹き込みによる高Ore/Coke
操業において、炉内通気性の悪化と炉内還元能の低下を
防止して炉況を安定化できる高炉の操業方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、微粉炭
多量吹き込みによる高Ore/Coke操業において、
高炉上部塊状帯でのガス還元によって奪われた酸素量を
鉱石中酸素量で除して求めた到達還元率と1チャージ当
たりの銑鉄生成量(PB)に相関があること、高炉上部
塊状帯での到達還元率が60〜65%となるよう1チャ
ージ当たりの銑鉄生成量を設定することによって、炉内
通気性の悪化と炉内還元能の低下を防止でき、炉況を安
定化できることを究明し、この発明に到達した。
を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、微粉炭
多量吹き込みによる高Ore/Coke操業において、
高炉上部塊状帯でのガス還元によって奪われた酸素量を
鉱石中酸素量で除して求めた到達還元率と1チャージ当
たりの銑鉄生成量(PB)に相関があること、高炉上部
塊状帯での到達還元率が60〜65%となるよう1チャ
ージ当たりの銑鉄生成量を設定することによって、炉内
通気性の悪化と炉内還元能の低下を防止でき、炉況を安
定化できることを究明し、この発明に到達した。
【0009】すなわちこの発明は、微粉炭多量吹き込み
による高Ore/Coke操業において、高炉毎に求め
た炉上部塊状帯でのガス還元によって奪われた酸素量を
鉱石中酸素量で除して求めた到達還元率が60〜65%
となるよう、1チャージ当たりの銑鉄生成量を設定する
ことを特徴とする高炉の操業方法である。
による高Ore/Coke操業において、高炉毎に求め
た炉上部塊状帯でのガス還元によって奪われた酸素量を
鉱石中酸素量で除して求めた到達還元率が60〜65%
となるよう、1チャージ当たりの銑鉄生成量を設定する
ことを特徴とする高炉の操業方法である。
【0010】
【作用】この発明においては、高炉毎に求めた炉上部塊
状帯でのガス還元によって奪われた酸素量を鉱石中酸素
量で除して求めた到達還元率が60〜65%となるよ
う、1チャージ当たりの銑鉄生成量を設定することによ
って、融着帯の肥大化による通気性ならびに荷下がり悪
化を防止できると共に、間接還元の増大による送風原単
位の悪化を防止でき、送風圧の上昇を抑制して熱バラン
スのくずれの発生を皆無とでき、炉況を安定化すること
ができる。
状帯でのガス還元によって奪われた酸素量を鉱石中酸素
量で除して求めた到達還元率が60〜65%となるよ
う、1チャージ当たりの銑鉄生成量を設定することによ
って、融着帯の肥大化による通気性ならびに荷下がり悪
化を防止できると共に、間接還元の増大による送風原単
位の悪化を防止でき、送風圧の上昇を抑制して熱バラン
スのくずれの発生を皆無とでき、炉況を安定化すること
ができる。
【0011】高炉内の炉上部塊状帯においては、コーク
ス層ならびに鉱石層内を通過するガスは、鉱石層内では
下記(1)式、(2)式を、また、コークス層内では下
記(3)式を、さらに、コークス層と鉱石層の界面にお
いては下記(2)式、(3)式、(4)式の反応を繰り
返しながら炉頂へと流出する。
ス層ならびに鉱石層内を通過するガスは、鉱石層内では
下記(1)式、(2)式を、また、コークス層内では下
記(3)式を、さらに、コークス層と鉱石層の界面にお
いては下記(2)式、(3)式、(4)式の反応を繰り
返しながら炉頂へと流出する。
【0012】
【化1】 Fe2O3+CO→2FeO+CO2 (1)式
【0013】
【化2】 FeO+CO→Fe+CO2 (2)式
【0014】
【化3】 C+CO2→2CO (3)式
【0015】
【化4】 Fe2O3+C→2FeO+CO (4)式
【0016】微粉炭多量吹き込み操業の場合は、図5
(a)に示すとおり、高Ore/Coke化によって鉱
石層1の厚さが厚くなるため、上記(1)式、(2)式
の反応時間が長く、(3)式、(4)式の反応時間が短
くなり、反応ガスは炉上部にいくにしたがってCO2が
増加して還元能が低下する。これに対し、鉱石層1の厚
さを小さくした場合は、図5(b)に示すとおり、鉱石
層1の厚さの低下とコークス層2と鉱石層1の界面数の
増加によって、上記(1)式、(2)式の反応時間が短
くなり、(3)式、(4)式の反応時間が長くなって釣
合い、反応ガスは高い還元能を保持したままで炉頂部ま
でいくため、炉上部塊状帯でのトータルの到達還元率が
大きく好転するのである。
(a)に示すとおり、高Ore/Coke化によって鉱
石層1の厚さが厚くなるため、上記(1)式、(2)式
の反応時間が長く、(3)式、(4)式の反応時間が短
くなり、反応ガスは炉上部にいくにしたがってCO2が
増加して還元能が低下する。これに対し、鉱石層1の厚
さを小さくした場合は、図5(b)に示すとおり、鉱石
層1の厚さの低下とコークス層2と鉱石層1の界面数の
増加によって、上記(1)式、(2)式の反応時間が短
くなり、(3)式、(4)式の反応時間が長くなって釣
合い、反応ガスは高い還元能を保持したままで炉頂部ま
でいくため、炉上部塊状帯でのトータルの到達還元率が
大きく好転するのである。
【0017】すなわち、高炉におけるコークス比と1チ
ャージ当たりの銑鉄生成量と到達還元率との間には、図
6に示すとおり、1チャージ当たりの銑鉄生成量を低下
させれば、コークス比が一定でも到達還元率が上昇し、
コークス比を低下させれば、1チャージ当たりの銑鉄生
成量が一定でも到達還元率が低下するという関係にあ
る。したがって、コークス比を一定にして1チャージ当
たりの銑鉄生成量、すなわち、鉱石層厚を薄くすること
によって、到達還元率を上昇させることができるのであ
る。
ャージ当たりの銑鉄生成量と到達還元率との間には、図
6に示すとおり、1チャージ当たりの銑鉄生成量を低下
させれば、コークス比が一定でも到達還元率が上昇し、
コークス比を低下させれば、1チャージ当たりの銑鉄生
成量が一定でも到達還元率が低下するという関係にあ
る。したがって、コークス比を一定にして1チャージ当
たりの銑鉄生成量、すなわち、鉱石層厚を薄くすること
によって、到達還元率を上昇させることができるのであ
る。
【0018】この発明において、炉上部塊状帯でのガス
還元によって奪われた酸素量を鉱石中の酸素量で除して
求めた到達還元率を60〜65%としたのは、到達還元
率が60%未満では、還元遅れにより融着帯が肥大化し
て通気性ならびに荷下がりが悪化するばかりでなく、間
接還元(発熱反応)の低下による熱バランスのずれが発
生し、また、到達還元率が65%を超えると、間接還元
の増大によって送風原単位が悪化し、送風圧が上昇する
ばかりでなく、間接還元(発熱反応)の増大による熱バ
ランスのずれが生じ、炉況の悪化、荷下がりの悪化が生
じるためである。
還元によって奪われた酸素量を鉱石中の酸素量で除して
求めた到達還元率を60〜65%としたのは、到達還元
率が60%未満では、還元遅れにより融着帯が肥大化し
て通気性ならびに荷下がりが悪化するばかりでなく、間
接還元(発熱反応)の低下による熱バランスのずれが発
生し、また、到達還元率が65%を超えると、間接還元
の増大によって送風原単位が悪化し、送風圧が上昇する
ばかりでなく、間接還元(発熱反応)の増大による熱バ
ランスのずれが生じ、炉況の悪化、荷下がりの悪化が生
じるためである。
【0019】なお、この発明における炉上部塊状帯での
ガス還元によって奪われた酸素量は、吹込み熱風中の酸
素量と炉頂ガス中のCOおよびCO2の酸素量から求め
ることができる。また、鉱石中の酸素量は、鉱石の組成
分析に基づく組成比から演算により求めた。また、1チ
ャージ当たりの銑鉄生成量は、銑鉄抜出し量を装入チャ
ージ数で除して求めた。
ガス還元によって奪われた酸素量は、吹込み熱風中の酸
素量と炉頂ガス中のCOおよびCO2の酸素量から求め
ることができる。また、鉱石中の酸素量は、鉱石の組成
分析に基づく組成比から演算により求めた。また、1チ
ャージ当たりの銑鉄生成量は、銑鉄抜出し量を装入チャ
ージ数で除して求めた。
【0020】
比較例 内容積2700m3の高炉において、図1に示すとお
り、銑鉄生成量40t/チャージ一定で、微粉炭吹込み
量を90kg/PTから徐々に増加させ、それに伴って
装入コークス総量を430kg/PTから徐々に減少さ
せ、45日後に微粉炭吹込み量120kg/PT、装入
コークス総量400kg/PTとなして操業中、通気抵
抗(KR)が急上昇して炉況が不安定化し、その後スリ
ップが多発したので微粉炭多量吹込み操業を断念した。
その場合における操業推移を図1に示す。なお、その間
における条件は、風量4400Nm3/min、鉱石投
入量64t/チャージ、平均鉱石粒径3.5mm、装入
コークス総量17.2〜16.0t/チャージ、平均コ
ークス粒径55mmであった。図1に示すとおり、微粉
炭吹込み量の増大、コークス装入量の減少に伴って炉上
部塊状帯での到達還元率が順次低下して60%未満とな
り、その時点で通気抵抗が急上昇したので、図2(a)
に示すとおり、図2(b)に示す通常操業に比較して鉱
石層1およびコークス層2の層厚を上昇させ、コークス
層2の確保による通気性の改善を試みたが、そのアクシ
ョンの行き過ぎにより還元性が悪化し、炉上部でのトー
タルの通気性悪化が生じて炉況が悪化したものと考えら
れる。なお、図2中の矢印はガス流れを示す。
り、銑鉄生成量40t/チャージ一定で、微粉炭吹込み
量を90kg/PTから徐々に増加させ、それに伴って
装入コークス総量を430kg/PTから徐々に減少さ
せ、45日後に微粉炭吹込み量120kg/PT、装入
コークス総量400kg/PTとなして操業中、通気抵
抗(KR)が急上昇して炉況が不安定化し、その後スリ
ップが多発したので微粉炭多量吹込み操業を断念した。
その場合における操業推移を図1に示す。なお、その間
における条件は、風量4400Nm3/min、鉱石投
入量64t/チャージ、平均鉱石粒径3.5mm、装入
コークス総量17.2〜16.0t/チャージ、平均コ
ークス粒径55mmであった。図1に示すとおり、微粉
炭吹込み量の増大、コークス装入量の減少に伴って炉上
部塊状帯での到達還元率が順次低下して60%未満とな
り、その時点で通気抵抗が急上昇したので、図2(a)
に示すとおり、図2(b)に示す通常操業に比較して鉱
石層1およびコークス層2の層厚を上昇させ、コークス
層2の確保による通気性の改善を試みたが、そのアクシ
ョンの行き過ぎにより還元性が悪化し、炉上部でのトー
タルの通気性悪化が生じて炉況が悪化したものと考えら
れる。なお、図2中の矢印はガス流れを示す。
【0021】実施例 内容積2700m3の高炉において、図3に示すとお
り、微粉炭吹込み量90kg/PTから徐々に増加さ
せ、それに伴って装入コークス総量を430kg/PT
から徐々に減少させ、45日後に微粉炭吹込み量120
kg/PT、装入コークス総量400kg/PTとな
し、その間炉上部塊状帯での到達還元率IRが62%を
保持するよう、銑鉄生成量を40t/チャージから順次
低減して38t/チャージに変更し、それに伴って鉱石
投入量を64t/チャージから60.8t/チャージに
変更して操業した。その場合における操業推移を図3に
示す。なお、その間における条件は、風量4400Nm
3/min、鉱石平均粒径3.5mm、コークス平均粒
径55mmであった。図3に示すとおり、微粉炭吹込み
量の増大、コークス装入量の減少に伴って、1チャージ
当たりの銑鉄生成量を低下させ、図2(c)に示すとお
り、鉱石層1およびコークス層2の厚さを低下させたの
で、通気性の悪化、炉上部塊状帯での到達還元率の低下
が見られず、スリップ回数も低下し安定操業下で、微粉
炭吹込み量90〜120kg/PTの操業が可能であっ
た。なお、この場合における1チャージ当たりの銑鉄生
成量低減の基準としては、図4を用いた。図4は、使用
した高炉におけるコークス比(kg/PT)、銑鉄生成
量(t/チャージ)を炉上部塊状帯での到達還元率によ
り層別したものである。この図4を用いることによっ
て、設定されたコークス比(kg/PT)に対して炉上
部塊状帯での到達還元率が一定となる銑鉄生成量(t/
チャージ)を設定することができ、微粉炭多量吹込み操
業においても、安定操業を維持することができた。
り、微粉炭吹込み量90kg/PTから徐々に増加さ
せ、それに伴って装入コークス総量を430kg/PT
から徐々に減少させ、45日後に微粉炭吹込み量120
kg/PT、装入コークス総量400kg/PTとな
し、その間炉上部塊状帯での到達還元率IRが62%を
保持するよう、銑鉄生成量を40t/チャージから順次
低減して38t/チャージに変更し、それに伴って鉱石
投入量を64t/チャージから60.8t/チャージに
変更して操業した。その場合における操業推移を図3に
示す。なお、その間における条件は、風量4400Nm
3/min、鉱石平均粒径3.5mm、コークス平均粒
径55mmであった。図3に示すとおり、微粉炭吹込み
量の増大、コークス装入量の減少に伴って、1チャージ
当たりの銑鉄生成量を低下させ、図2(c)に示すとお
り、鉱石層1およびコークス層2の厚さを低下させたの
で、通気性の悪化、炉上部塊状帯での到達還元率の低下
が見られず、スリップ回数も低下し安定操業下で、微粉
炭吹込み量90〜120kg/PTの操業が可能であっ
た。なお、この場合における1チャージ当たりの銑鉄生
成量低減の基準としては、図4を用いた。図4は、使用
した高炉におけるコークス比(kg/PT)、銑鉄生成
量(t/チャージ)を炉上部塊状帯での到達還元率によ
り層別したものである。この図4を用いることによっ
て、設定されたコークス比(kg/PT)に対して炉上
部塊状帯での到達還元率が一定となる銑鉄生成量(t/
チャージ)を設定することができ、微粉炭多量吹込み操
業においても、安定操業を維持することができた。
【0022】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、微粉炭多量吹込みによる高Ore/Coke操業に
おいて、通気性の悪化、炉上部塊状帯での到達還元率の
低下が防止でき、安定操業を保持することができる。
ば、微粉炭多量吹込みによる高Ore/Coke操業に
おいて、通気性の悪化、炉上部塊状帯での到達還元率の
低下が防止でき、安定操業を保持することができる。
【図1】比較例における経過時間と微粉炭吹込み量(P
C/R)、通気抵抗、炉上部到達還元率、スリップ回数
および銑鉄生成量の推移を示すグラフである。
C/R)、通気抵抗、炉上部到達還元率、スリップ回数
および銑鉄生成量の推移を示すグラフである。
【図2】高炉内の鉱石層、コークス層、融着帯とガス流
れの説明図で、(a)図は層厚を上昇させた場合、
(b)図は通常操業時、(c)図は層厚を低下させた場
合である。
れの説明図で、(a)図は層厚を上昇させた場合、
(b)図は通常操業時、(c)図は層厚を低下させた場
合である。
【図3】実施例における経過時間と微粉炭吹込み量(P
C/R)、通気抵抗、炉上部到達還元率、スリップ回数
および銑鉄生成量との関係を示すグラフである。
C/R)、通気抵抗、炉上部到達還元率、スリップ回数
および銑鉄生成量との関係を示すグラフである。
【図4】実施例で使用した高炉におけるコークス比と銑
鉄生成量と炉上部到達還元率との関係を示すグラフであ
る。
鉄生成量と炉上部到達還元率との関係を示すグラフであ
る。
【図5】微粉炭多量吹込みの場合における原料層厚と還
元ポテンシャルとの関係説明図で、(a)図は原料層厚
大で還元ポテンシャル小の場合、(b)図は原料層厚小
で還元ポテンシャル高の場合である。
元ポテンシャルとの関係説明図で、(a)図は原料層厚
大で還元ポテンシャル小の場合、(b)図は原料層厚小
で還元ポテンシャル高の場合である。
【図6】高炉でのコークス比と1チャージ当たりの銑鉄
生成量と到達還元率との関係の模式図である。
生成量と到達還元率との関係の模式図である。
1 鉱石層 2 コークス層 3 溶融帯
Claims (1)
- 【請求項1】 微粉炭多量吹き込みによる高い鉱石/コ
ークス比操業において、高炉毎に求めた炉上部塊状帯で
の到達還元率(ガス還元によって奪われた酸素量/鉱石
中酸素量)が60〜65%となるよう、1チャージ当た
りの銑鉄生成量を設定することを特徴とする高炉の操業
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07090387A JP3102626B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 高炉の操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07090387A JP3102626B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 高炉の操業方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08260008A true JPH08260008A (ja) | 1996-10-08 |
JP3102626B2 JP3102626B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=13997175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07090387A Expired - Fee Related JP3102626B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 高炉の操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3102626B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011231409A (ja) * | 2011-07-11 | 2011-11-17 | Jfe Steel Corp | シャフト炉型冶金炉のステーブ配置構造 |
CN113569381A (zh) * | 2021-06-24 | 2021-10-29 | 鞍钢股份有限公司 | 大型高炉炉料间接还原率及其确定喷吹煤量的计算方法 |
-
1995
- 1995-03-22 JP JP07090387A patent/JP3102626B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011231409A (ja) * | 2011-07-11 | 2011-11-17 | Jfe Steel Corp | シャフト炉型冶金炉のステーブ配置構造 |
CN113569381A (zh) * | 2021-06-24 | 2021-10-29 | 鞍钢股份有限公司 | 大型高炉炉料间接还原率及其确定喷吹煤量的计算方法 |
CN113569381B (zh) * | 2021-06-24 | 2023-12-15 | 鞍钢股份有限公司 | 大型高炉炉料间接还原率及其确定喷吹煤量的计算方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3102626B2 (ja) | 2000-10-23 |
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JPH0364563B2 (ja) | ||
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