JP3068967B2 - 高炉操業法 - Google Patents

高炉操業法

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JP3068967B2
JP3068967B2 JP4298377A JP29837792A JP3068967B2 JP 3068967 B2 JP3068967 B2 JP 3068967B2 JP 4298377 A JP4298377 A JP 4298377A JP 29837792 A JP29837792 A JP 29837792A JP 3068967 B2 JP3068967 B2 JP 3068967B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結鉱品質に応じて、
高炉内における熱保存帯温度を制御することによって、
生産性を向上させた高炉操業法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の高炉にあっては、炉頂から鉄鉱石
およびコークスを層状に装入し、この鉄鉱石を炉内で還
元した後、金属状態に還元・溶融して溶銑を製造してい
る。このとき、鉄鉱石の還元効率を高めるため、特公昭
52−43169号公報にあっては、鉄鉱石と小塊コー
クスを予め混合しておき、この混合物と通常冶金用コー
クスを層状に装入することが開示されている。このよう
に予めコークスと混合した鉄鉱石を使用することによ
り、炉内における通気性が改善され、その還元性が向上
する。
【0003】ところで、高炉の熱保存帯温度は1000
℃程度であり、この温度はコークスのガス化開始温度に
相当する。つまり、高炉内でC+CO2 =2COのコー
クスのガス化反応が起こるために、約1000℃以上の
温度が必要となる。鉄鉱石の還元は熱保存帯より高温領
域で約70%が生じるが、温度が高くなるに伴い還元平
衡ガス組成が高CO側となること、および鉄鉱石からの
融液生成が約1100℃以上で見られ、還元ガスの浸透
が不十分になることから熱保存帯の温度が高いと鉄鉱石
の間接還元を有効に活用できず、還元効率もある値以上
に向上しない。
【0004】ところで、鉄鉱石と混合された小塊コーク
スは通常冶金用コークスと同じ性状であるから、粒度の
小さい分だけCO2 との反応がより活発である。しか
し、鉄鉱石と混合しているため鉄鉱石のCO還元で生成
したCO2 がコークスのより近くにあり、反応が速いと
いう有利さだけで、熱保存帯温度の低下を伴わないた
め、その還元効率向上には限界があった。
【0005】この限界を改善するために、高反応性コー
クスを通常冶金用コークスの全量あるいは一部と置換し
て使用することが操業として行われている。この高反応
性コークスは反応性が高いことから、高炉内のCO2
コークス表面に接触してC+CO2 =2COの反応がよ
り低温から活発に行われる。またその結果として炉内に
生じたCOガスが鉄鉱石と有効に反応して低級酸化物ま
たは金属状態に還元する反応が促進される。このC+C
2 =2COの反応は吸熱反応であり、高炉における熱
保存帯温度を低下させることができる。従来法によると
き、1000℃程度の熱保存帯が生成し、その値がほと
んど変化しないのに対して、高反応性コークスを使用す
ることによって、熱保存帯温度を900〜950℃に低
下させることが可能となる。その結果、還元平衡到達点
に余裕ができるため還元がより進行することになり、還
元効率が向上しコークス比を低下させることができる。
【0006】高炉に装入する塊鉱石については、比較的
還元性が良く、しかも、熱割れ性の少ない優良鉄鉱石と
してのハマスレー鉱石,ニューマン鉱石などを通常、5
から20%程度使用している。また、MBR鉱石などの
熱割れ性鉱石、又は、熱割れ性の少ない鉱石であるが多
孔質で結晶水及び付着粉鉱石(3ミリメートル以下)が
多く、しかも、脈鉱成分の多い安価なローブリバー,ゴ
ア鉱石などの多孔質塊鉄鉱石は高炉シャフト部での粉化
量が多く通気不良を惹起して安定した操業を維持するこ
とが出来なくなることが懸念され、この種の鉱石は直接
高炉に装入することは行わず、破砕して焼結原料に供さ
れてきた。近年においては、特開平1−219111号
公報に見られるように、熱割れ性鉱石を炉壁側部に、前
記優良鉄鉱石を炉中心部に装入する方法が提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開平1
−219111号公報で提案の熱割れ性鉱石に変えて、
上記の様に焼結原料に供されて来た多孔質塊鉄鉱石をそ
のままの状態で装入すると、高炉炉壁部であっても、粉
鉱石に起因する装入物の目詰まりが発生し、使用できた
としても精々装入する全鉄源量の1%程度と非常に少な
いものであった。また、高反応性コークスの使用によ
り、熱保存帯温度を低下でき、高炉の反応効率を向上さ
せることが可能であるが、熱保存帯温度の下限レベルは
約900℃程度である。
【0008】また、焼結鉱性状変化が高炉操業に及ぼす
影響については、Al23 成分などの原料条件によっ
て、焼結鉱被還元性が変化し、還元指標であるJIS−
RIが低下するような場合、高炉操業が不安定化し、燃
料比が上昇する問題があった。そのため、焼結鉱品質悪
化時にも反応効率を維持し、燃料比上昇量を極力少なく
することが課題である。そこで、本発明にあっては、熱
保存帯温度の制御範囲を750〜1000℃の範囲内と
し、その範囲内で、焼結鉱被還元性に見合った熱保存帯
温度を測定し、制御することにより、高炉全体の鉱石類
の還元反応を促進させ、高い反応効率下で、高生産性で
安定的に溶銑を製造することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、その目的を達成するために、その発
明の要旨とするところは、以下の通りである。 (1)製銑原料の一部として焼結鉱、結晶水3%以上を
有する多孔質塊鉱石及び非焼成塊成鉱のうちの1種また
は2種、及び高反応性コークスを装入して高炉操業を行
なう方法において、前記焼結鉱の被還元性指数に応じ
て、前記高反応性コークスの使用量、JIS反応性、粒
径のうちの一つ、または二つ以上を調整するとともに、
前記多孔質塊鉱石及び前記非焼成塊成鉱のうちの1種ま
たは2種の使用量を調整することにより、所定の反応効
率になるように熱保存帯温度を750〜1000℃の範
囲内で制御し、かつ炉頂水素ガス利用率ηH2を測定し、
該ηH2の値が予め設定した下限値を下回らないように、
焼結鉱の還元粉化性指数(RDI)を調整することを特
徴とする高炉操業法。 (2)製銑原料の一部として焼結鉱、結晶水3%以上を
有する多孔質塊鉱石及び非焼成塊成鉱のうちの1種また
は2種、及び高反応性コークスを装入して高炉操業を行
なう方法において、前記焼結鉱の被還元性指数に応じ
て、前記高反応性コークスの使用量、JIS反応性、粒
径のうちの一つ、または二つ以上を調整するとともに、
前記多孔質塊鉱石及び前記非焼成塊成鉱のうちの1種ま
たは2種の使用量を調整することにより、所定の反応効
率にするように熱保存帯温度を750〜1000℃の範
囲内で制御し、かつ炉頂水素ガス利用率ηH2を測定し、
該ηH2の値が予め設定した下限値を下回らないように、
低還元粉化性焼結鉱の使用量を調整することを特徴とす
る高炉操業法である。
【0010】
【作用】本発明で使用する高反応性コークスはJIS
K2151−1977の反応性試験方法で測定したとき
のJIS反応性が30%以上であることが必要である。
30%以上という数値限定は特開平1−36710号公
報に示すように、実炉試験結果より30%未満ではほと
んどその効果が見られないことによる。特開平1−36
710号公報では高反応性コークスの調整法として、冶
金用コークス製造に適さない反応性の高い微非粘結炭,
一般炭を原料炭に一部配合するか、反応を促進する触媒
としての役割をもつ石灰石、アルカリ類を少量、原料炭
に配合する方法を開示した。成型コークスもこれに属す
る。高反応性コークスを通常冶金用コークスの一部と置
き換えて高炉に装入すると、熱保存帯温度が低下し還元
平衡到達点に余裕ができるため、還元がより進行し還元
効率が向上するから、結果としてC+CO2 =2COの
ソルーションロス反応(吸熱反応)が抑制される。この
ため高炉の炉熱に余裕ができ、高炉のシャフト下部から
炉腹部にかけての還元効率低下を防止することができ
る。
【0011】まず、熱保存帯温度を低下させる方法につ
いて述べる。熱保存帯温度はコークスの反応開始点に相
当し、現行のコークス性状では熱保存帯温度は約100
0℃であるが、特願昭62−193457号に示す高反
応性コークス使用下では、熱保存帯温度の下限値は約9
00℃である。900℃以下に熱保存帯温度を低下させ
る手段として、高反応性コークス使用に加え、3%以上
の結晶水を含有した塊鉄鉱石(塊鉄鉱石の使用技術につ
いては、特願平3−42406号に提案した)および/
または非焼成塊成鉱を使用した。これは、塊鉄鉱石中な
らびに非焼成塊成鉱中に含まれる結晶水の分解吸熱反応
が750℃前後で生じること、非焼成塊成鉱に含まれる
セメント中のCaCO3の分解吸熱反応が約850℃付
近で生じること、非焼成塊成鉱中の内装炭素の吸熱反応
が約800〜850℃付近で生じることを利用してい
る。
【0012】このように、高反応性コークス使用下で
は、シャフト部で750〜850℃付近で吸熱反応を生
じる物体を混入することにより、熱保存帯温度の低下が
可能となる。熱保存帯温度の制御範囲については、75
0〜1000℃の範囲が有効である。1000℃が現状
の熱保存帯温度レベルに相当し、1000℃以上では反
応の効率が落ち、燃料比低減に繋がらない。また750
℃以下では、焼結鉱の還元粉化が顕著で、安定操業継続
に支障となる。
【0013】つぎに、熱保存帯温度の制御方法について
述べる。図1は高反応性コークスの使用方法、粒度、使
用比率と熱保存帯温度の低下幅との関係を示したもので
あるが、熱保存帯温度の低下幅は高反応性コークスの使
用比率と粒度によって変化し、高反応性コークス使用比
率の増大もしくは細粒化により、熱保存帯温度は低下す
る。言い換えれば、高反応性コークスの反応性、粒度、
使用比率を調整することにより、900〜1000℃の
範囲内の熱保存帯温度の制御が可能である。900℃以
下の熱保存帯温度制御については、高反応性コークスの
使用に加え、3%以上の結晶水を含有した塊鉄鉱石およ
び/または非焼成塊成鉱の使用量を調節することによっ
て、制御可能である。図2は重量比で通常コークスの2
0%をJIS反応性70、粒度5〜10mmの高反応性
コークスに置換した操業下での、3%以上の結晶水を含
有した塊鉄鉱石および/または非焼成塊成鉱の使用量と
熱保存帯温度の変化幅との関係を示す。
【0014】つぎに、熱保存帯温度の適正レベルについ
て述べる。高炉の反応効率向上には、熱保存帯温度は極
力低いレベルにあることが望ましいが、シャフト上部の
温度も低下するため、適正な熱保存帯温度の設定には、
焼結鉱の低温還元性を考慮する必要がある。そこで、J
IS−RI62%およびJIS−RI55%の各焼結鉱
の適正熱保存帯温度を求めるため、実公平1−2703
8号公報に提案の高炉内反応シミュレーター(上部より
多孔質塊鉱石を充填すると共に下部より還元ガスを導通
して、該還元ガスと多孔質塊鉄鉱石を向流接触する炉芯
管と、該炉芯管の一部を包囲して前記還元ガス下流側方
向に移動自在に設けた加熱器を有する装置)を用いて調
査した。
【0015】この結果、図3に示すように、JIS−R
I62%および55%の各焼結鉱において、反応効率の
最も高い熱保存帯温度は、それぞれ880℃,930℃
であった。このように、熱保存帯温度は低いほど、反応
効率が向上するわけではなく、焼結鉱品質に応じて、適
正な熱保存帯温度が存在する。図4は焼結鉱全気孔率、
JIS−RIと適正熱保存帯温度との関係を調査したも
のである。最も反応効率の高い適正熱保存帯温度レベル
は、全気孔率、鉱石の被還元性を示す指標であるJIS
−RIによって異なり、気孔率が高くなるほど、JIS
−RIが高くなるほど、適正熱保存帯温度は低下する。
このように、焼結鉱被還元性レベルによって、効率を最
大限享受できる熱保存帯温度レベルが異なる。
【0016】つぎに、焼結鉱の還元粉化抑制方法と炉頂
水素ガス利用率ηH2の管理の必要性について述べる。高
炉内半径方向の一部に、500〜700℃領域が長くな
ると、焼結鉱の還元粉化が生じ、高炉シャフト部のガス
流れを偏流化させるとともに、前記低温領域での還元遅
れにより、高炉の反応効率を低下させ、高炉操業を不安
定化させる要因となる。前記低温領域が長くなると、そ
の領域内で水性ガスシフト反応(H2O+CO=CO2
+H2 )が生じ、ηH2が低下するため、炉頂水素ガス利
用率ηH2を常時測定することにより、500〜700℃
領域の長さを監視できる。通常操業では、半径方向の一
部に高熱流比部位が存在し、中心部あるいは周辺部から
のクロスフローで、炉上部が熱せられることにより、5
00〜700℃の低温領域が長くなることが知られてい
るが、本発明で指向するように、熱保存帯温度を低下さ
せる場合にも、前記低温領域が長くなる可能性がある。
そのため、高炉操業を安定化させるためにも、ηH2の管
理が必要となる。
【0017】そこで、500〜700℃の低温領域の滞
留時間の増加量とηH2との関係を求めるため、実公平1
−27038号公報に提案の高炉内反応シミュレーター
(上部より鉱石を充填すると共に下部より還元ガスを導
通して、該還元ガスと鉱石を向流接触する炉芯管と、該
炉芯管の一部を包囲して前記還元ガス下流側方向に移動
自在に設けた加熱器を有する装置)を用いて調査した。
その結果、図5に示すように、500〜700℃の滞留
時間が長くなるに伴い、ηH2は低下する。
【0018】該ηH2が予め設定した下限値を下回ったと
きは、高炉半径方向の一部に500〜700℃の低温領
域が拡がり、焼結鉱の還元粉化が助長され、炉内粉率が
増加する結果、炉内通気性が悪化し、炉況が不安定化す
るため、炉況安定化対策が必要となる。本発明では、焼
結鉱被還元性に応じて、適正熱保存帯温度を設定制御し
た上で、高炉炉頂水素ガス利用率ηH2を監視し、この値
が予め設定した下限値を下回ったときは、炉内粉率低減
のため、通常焼結鉱の一部もしくは全量を低還元粉化性
焼結鉱に置換する。あるいは、通常は普通焼結鉱を装入
しておき、500〜700℃の低温領域拡大を炉頂水素
ガス利用率(特公昭59−226109号公報)により
検知しながら、その低温領域の拡大が発生したときに、
還元粉化性指数(RDI)を調整する。
【0019】高炉内で500〜700℃の低温領域が拡
がり、還元粉化を助長する高炉炉頂水素ガス利用率ηH2
は、操業条件によって異なるため、予め操業試験によっ
て求めておく。この下限値を下回った度合に応じて必要
とされる低還元粉化性塊鉱石の使用量あるいは焼結鉱還
元粉化性指数(RDI)の低減幅を予め求め、安定操業
に必要な炉内上限粉率(高炉によって異なるが3mm以
下の粉率30%前後)以下に維持する。ηH2の低下量と
低還元粉化性焼結鉱の使用量、焼結鉱還元粉化性指数
(RDI)の低減幅との関係を、前記高炉内反応シミュ
レーターを用いて評価し、図6に示す。低還元粉化性焼
結鉱(RDIが30以下)の製造は、焼結操業における
原料配合調整,操業調整(コークス燃料使用量の変更な
ど)で可能であり、また、普通焼結鉱に海水や高炉シッ
クナー水などのアルカリ水溶液を添加して製造すること
もできる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明の特徴を具体的に
説明する。表1に、高反応性コークス、3mm以下を1
%以下にした気孔率30%以上、結晶水3%以上を有す
る多孔質塊鉄鉱石、非焼成塊成鉱を使用した高炉操業を
従来法と比較して示す。対象高炉は内容積3000m3
の中型高炉であり、炉頂からO/C=4.2の割合で鉄
鉱石と通常冶金用コークス(JIS反応性20%)を層
状に装入し、通常冶金用コークスの小塊(JIS反応性
20%、平均粒度20mm、鉄鉱石と混合)を20kg
/t装入していた。通常塊鉱石使用比率は13%、ペレ
ット使用比率は9%である。羽口前フレーム温度を21
80℃(送風温度1200℃、添加湿分25g/Nm
3 、酸素富化量0.013Nm3 /Nm3 −air、微
粉炭吹き込み量100g/Nm3 −air)に維持しな
がら溶銑を6000t/日製造していた(比較例1)。
通常操業時の熱保存帯温度は980℃であった。焼結鉱
品質は全気孔率38%、JIS−RI62%、RDI3
7である。通常操業時の熱保存帯温度は980℃であっ
た。高炉シャフト部において400〜700℃に低温領
域が生成し、高炉操業を不安定化させる時の高炉炉頂水
素ガス利用率ηH2の下限値は42%であった。ここで、
結晶水8.1%、3mm以下を1%以下にした多孔質塊
鉄鉱石をA塊鉱石として表示し、結晶水3.0%、3m
m以下を1%以下にした多孔質塊鉄鉱石をB塊鉱石とし
て表示する。
【0021】実施例1は、通常焼結鉱品質に対して、図
4で得られる適正熱保存帯温度880℃に熱保存帯温度
を設定した時の操業例である。熱保存帯温度の制御は、
通常使用小塊コークスの全量と通常使用大塊コークスの
一部を、重量比で通常コークスの20%となるように、
JIS反応性70、粒度5〜10mmの高反応性コーク
スに置換し、さらに図2にしたがって、通常使用塊鉱石
の11%をA塊鉱石に置換した操業下で、ηH2が40%
となり下限値42%を下回り、操業が変動し始めたため
(比較例2)、図6にしたがって、焼結鉱還元粉化性指
数(RDI)を3ポイント下げた時の操業例である。実
施例1は比較例2に比べ、操業が安定した分、燃料比が
低減できている。
【0022】実施例2は実施例1の熱保存帯温度880
℃の操業に対し、焼結鉱品質を変えた時(全気孔率42
%で、JIS−RI68)の操業例(比較例3)に対
し、図4で評価される適正熱保存帯温度840℃に制御
すべく、通常塊鉱石の全量をA塊鉱石に置換し、焼結鉱
の一部を非焼成塊成鉱に置換(使用量12%)した操業
過程で、ηH2が40%(比較例4)となり下限値42%
を下回ったため、図6にしたがって、通常焼結鉱の30
%を低還元粉化性焼結鉱に置換した時の操業例である。
熱保存帯温度は約840℃と変わらず、高炉の燃料比
は、比較例3,4に比べ低減し、また、比較例4に比べ
操業は安定した。
【0023】実施例3は、実施例2において、被還元性
の不良な焼結鉱(気孔率38%、JIS−RI55%)
を使用した時の操業例(比較例5)に対し、図4で評価
される適正熱保存帯温度930℃に制御すべく、JIS
反応性70、粒度5〜10mmの高反応性小塊コークス
をJIS反応性40、粒度10〜15mmの高反応性小
塊コークスに置換して焼結鉱層と混合し、また通常塊鉱
石の全量をB塊鉱石に置換し、ペレットの7%を非焼成
塊成鉱に置換した操業下で、ηH2が40%と、下限値4
2%を下回り、操業が不安定化し始めたため(比較例
6)、通常焼結鉱を低還元粉化性焼結鉱に全量置換し
た。操業は安定化し、ηH2は43%に上昇するとともに
高炉の反応効率は、比較例5,6に比べ向上し、燃料比
は低減した。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、高反応性コークス使用下、結晶水3%以上有する多
孔質塊鉄鉱石および/または非焼成塊成鉱を使用するに
際し、炉頂水素ガス利用率ηH2を監視し、このηH2が予
め設定した下限値を下回り、還元粉化が助長される高炉
操業下に至った時に、焼結鉱の還元粉化指数(RDI)
を調整したり、通常使用焼結鉱の一部あるいは全量を低
還元粉化性焼結鉱に置換する。この操業法は、高反応性
コークス使用・上記多孔質塊鉄鉱石・非焼成塊成鉱を使
用することにより、熱保存帯温度を750〜1000℃
に制御可能であり高い還元効率のもとで、燃料比が低下
でき、安定的な高炉操業を可能とさせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高反応性コークスの使用方法、粒度、使用比率
と熱保存帯温度の低下幅との関係を示す図、
【図2】重量比で通常コークスの20%をJIS反応性
70、粒度10mmの高反応性コークスに置換した操業
下での、非焼成塊成鉱および/または3%以上の結晶水
を含有した塊鉄鉱石の使用量と熱保存帯温度の変化幅と
の関係を示す図、
【図3】熱保存帯温度とJIS−RI62%および55
%の各焼結鉱の反応効率との関係を示す図、
【図4】焼結鉱の全気孔率、JIS−RIと適正熱保存
帯温度との関係を示す図、
【図5】500〜700℃の低温領域の滞留時間の増加
量とηH2の関係を示す図、
【図6】ηH2の低下量と低還元粉化性焼結鉱の使用量な
らびに焼結鉱還元粉化性指数(RDI)の低減幅との関
係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安倍 正己 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本 製鐵株式会社 大分製鐵所内 (56)参考文献 特開 平3−162509(JP,A) 特開 昭55−104404(JP,A) 特開 平2−236210(JP,A) 特開 平2−236209(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21B 5/00 - 5/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製銑原料の一部として焼結鉱、結晶水3
    %以上を有する多孔質塊鉱石及び非焼成塊成鉱のうちの
    1種または2種、及び高反応性コークスを装入して高炉
    操業を行なう方法において、前記焼結鉱の被還元性指数
    に応じて、前記高反応性コークスの使用量、JIS反応
    性、粒径のうちの一つ、または二つ以上を調整するとと
    もに、前記多孔質塊鉱石及び前記非焼成塊成鉱のうちの
    1種または2種の使用量を調整することにより、所定の
    反応効率になるように熱保存帯温度を750〜1000
    ℃の範囲内で制御し、かつ炉頂水素ガス利用率ηH2を測
    定し、該ηH2の値が予め設定した下限値を下回らない
    うに、焼結鉱の還元粉化性指数(RDI)を調整するこ
    とを特徴とする高炉操業法。
  2. 【請求項2】 製銑原料の一部として焼結鉱、結晶水3
    %以上を有する多孔質塊鉱石及び非焼成塊成鉱のうちの
    1種または2種、及び高反応性コークスを装入して高炉
    操業を行なう方法において、前記焼結鉱の被還元性指数
    に応じて、前記高反応性コークスの使用量、JIS反応
    性、粒径のうちの一つ、または二つ以上を調整するとと
    もに、前記多孔質塊鉱石及び前記非焼成塊成鉱のうちの
    1種または2種の使用量を調整することにより、所定の
    反応効率にするように熱保存帯温度を750〜1000
    ℃の範囲内で制御し、かつ炉頂水素ガス利用率ηH2を測
    定し、該ηH2の値が予め設定した下限値を下回らない
    うに、低還元粉化性焼結鉱の使用量を調整することを特
    徴とする高炉操業法。
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