JP4078285B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ペレットを主体とする高炉原料を使用した高炉操業方法に関し、特に燃料比を低減する上で好適な高炉操業方法に関するものである。
従来の高炉操業では、焼結鉱、ペレット、塊鉱石等からなる高炉原料と、燃料(兼還元剤)としてのコークスとを交互に炉頂から層状に装入し、炉下部の羽口から熱風と補助燃料である微粉炭等を吹き込んで高炉原料を還元・溶融することにより溶銑を製造している。
ところで、従来の高炉内には、コークスのガス化開始温度に相当する1000℃程度の高炉熱保存帯が存在する。そして、高炉原料の還元は熱保存帯より高温の領域で約70%が生じること、温度が高くなるにしたがい還元平衡ガス組成が高CO側にシフトすること、約1100℃以上で高炉原料から融液が生じ高炉原料内部への還元ガスの拡散が不十分となることが知られている。このため、熱保存帯温度が1000℃程度と高い従来の高炉操業においては、高炉原料のガス還元による間接還元が有効に活用できず、高炉原料から生じた融液中の酸化鉄とコークスとが接触して反応する直接還元の割合が高く、燃料比が高い問題があった。
熱保存帯温度を従来より低下させることができれば、還元平衡ガス組成が低CO側にシフトするとともに、約1100℃以上における高炉原料からの融液生成までに高炉原料が十分に間接還元されるため、直接還元の割合が低下し、燃料比が低減できる。
そこで、熱保存帯温度を従来より低下させる方法が種々提案されている。
例えば、15mm以下の小粒径の高反応性コークスを普通コークスまたは鉱石(高炉原料)と混合して高炉に装入し、熱保存帯温度を900〜950℃に調整する方法(特許文献1参照)、高反応性コークス使用に加え、高炉原料に結晶水3%以上を含有する塊鉱石および/または非焼成塊成鉱を混合使用することにより、熱保存帯温度を750〜1000℃の範囲内で制御する方法(特許文献2参照)などが提案されている。
また、本発明者らは、粉鉱石と石炭の混合物を350〜550℃に加熱した状態で熱間成形した塊成化物を、焼結鉱、ペレット、塊成鉱等の高炉原料に混合して高炉へ装入することにより、Rist操業線図のW点を右側に移行させて(すなわち、熱保存帯温度を低下させて)ガス利用率を向上させ(すなわち、間接還元の割合を増加させ)、燃料比を低下させる方法(特許文献3参照)を提案した。
特公平7−76366号公報 特許第3068967号公報 特開2000−290709号公報
しかし、上記特許文献1で提案された方法は、コークスの反応性や粒径のみによってガス化反応の開始温度を低下させるものであり、熱保存帯温度を低下させることができるものの、その下限レベルは約900℃であり、燃料比の低減には限界があった。
また、上記特許文献2で提案された方法は、塊鉱石中ならびに非焼成塊成鉱中に含まれる結晶水の分解吸熱反応が750℃前後で生じること、非焼成塊成鉱に含まれるセメント中のCaCO3の分解吸熱反応が約850℃付近で生じること、非焼成塊成鉱中の内装炭素と鉱石との直接還元吸熱反応が約800〜850℃付近で生じることを利用して、熱保存帯温度の下限レベルを750℃程度まで低下できるとするものである。しかし、結晶水を高濃度に含む塊鉱石を多量に使用することは、高炉内での熱割れによる粉生成量の増加により装入物の目詰まりが発生し、操業トラブルにつながるため、その使用量に限界がある。また、非焼成塊成鉱は、高炉内での強度を維持するために多量のセメント添加を必要とすることから、コストが高く、かつスラグ量を増加させるため、多量使用できない問題がある。さらに、非焼成鉱は冷間で成形されるため鉱石と内装炭素との接触は熱間成形されたものほど緊密とはいえず、内装炭素と鉱石との直接還元吸熱反応の開始温度も約800℃に留まる。以上の理由により、この方法によっても熱保存帯温度を900℃以下に低下させることは実際上困難である。
また、本発明者らが上記特許文献3で提案した方法は、加熱により内装炭材を流動化させた状態で加圧成形して得られた、内装炭材と鉱石との接触が緊密な塊成化物を用いるので、直接還元吸熱反応の開始温度を上記非焼成塊成鉱よりさらに低下させることができる。したがって、熱保存帯温度を上記特許文献1,2に記載された提案よりさらに低下させることが可能となるものである。
ここで、熱保存帯温度を約750℃以下に低下させると焼結鉱の還元粉化が増大することが知られている(例えば、上記特許文献2段落[0012]参照)。したがって、焼結鉱を主要原料とする高炉操業においては、その安定操業が阻害されないように、熱保存帯温度の下限が約750℃に制約される。
一方、焼結鉱を用いない、ないしは焼結鉱の使用量の少ない、ペレットを主体とする高炉操業においては、ペレットは焼結鉱と異なり還元粉化がほとんど問題とならないため、この面からの熱保存帯温度の下限の制約はない。
しかしながら、一般にペレットは焼結鉱に比べ、メタルシェルの形成による還元停滞などが生じやすく高温性状が劣ることが知られている。このため、ペレットを主体とする高炉操業においては、炉内高温部でペレット内部の未還元酸化鉄(FeO)が溶融してコークスと直接還元吸熱反応し、燃料比を上昇させる。また、未還元酸化鉄(FeO)の存在により高炉内における軟化融着帯の幅が広がり、安定操業が阻害されやすい。
したがって、ペレットを主体とする高炉操業では、単に熱保存帯温度を低下させるだけでは、安定操業を確保しつつ十分に燃料比を低減することが困難であった。
そこで、本発明は、ペレットを主体とする高炉操業において、ペレットの還元停滞を防止して安定操業を確保しつつ、より燃料比の低減効果が十分に発揮される高炉操業方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ペレット、焼結鉱、塊鉱石、非焼成塊成鉱、小粒コークスおよび還元鉄のうち、少なくともペレットおよび焼結鉱からなる高炉原料であって、焼結鉱の含有量が10質量%未満で、ペレットの含有量が50質量%以上である、ペレットを主体とする高炉原料に、粉鉱石と石炭との混合物を加熱して該石炭を軟化溶融させた状態で加圧成形して得られた炭材内装塊成化物を添加したものを、高炉に装入して行う高炉操業方法であって、前記高炉原料と前記炭材内装塊成化物との合計質量に対する前記炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合を調整することにより、熱保存帯温度を690〜900℃の範囲に制御することを特徴とする高炉操業方法である。
請求項2記載の発明は、前記高炉原料と前記炭材内装塊成化物との合計質量に対する前記炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合を0.7〜22%の範囲で調整する請求項1記載の高炉操業方法である。
請求項3記載の発明は、前記高炉原料と前記炭材内装塊成化物との合計質量に対する前記炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合を0.7〜13%の範囲で調整する請求項1記載の高炉操業方法である。
請求項4記載の発明は、前記炭材内装塊成化物が、粉鉱石とギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である石炭との混合物を、350〜550℃に加熱した状態で熱間成形したものである請求項1〜3のいずれか1項記載の高炉操業方法である。
請求項5記載の発明は、前記炭材内装塊成化物が、粉鉱石とギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である石炭との混合物を、1℃/s以上の加熱速度で昇温し350〜550℃に加熱した状態で熱間成形したものである請求項1〜3のいずれか1項記載の高炉操業方法である。
請求項6記載の発明は、前記炭材内装塊成化物が、粉鉱石とギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である石炭との混合物を、1℃/s以上の加熱速度で昇温し350〜550℃に加熱した状態で14700N/cm以上の成形圧で熱間成形したものである請求項1〜3のいずれか1項記載の高炉操業方法である。
本発明によれば、ペレットを主体とする高炉原料を用いる高炉操業において、ペレットの還元停滞を防止し、安定操業を確保しつつ、より燃料比の低減効果が十分に発揮される高炉操業方法を提供することが可能となった。
本発明の高炉操業方法で使用する炭材内装塊成化物は粉鉱石と還元剤である石炭とを混合し、350〜550℃で熱間成形することによって、バインダーを添加することなく炭材内装塊成化物を成形することができる。このためには、還元剤である石炭には、ギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5の石炭を用いることが好ましい。
以下に、本発明の高炉操業方法で使用する炭材内装塊成化物について説明する。還元剤である石炭は、260℃を超えると乾留反応が始まり軟化溶融し、550℃を超えると固化する。したがって、350〜550℃の温度域で粉鉱石と石炭を混合し加圧成形すると、粉鉱石粒子間の空隙に溶融した石炭が容易に浸入し、粉鉱石同士を強固に連結することができる。このため、セメント類などのバインダーが不要となりバインダー由来のスラグ発生がないため、竪型炉内でのスラグ比上昇による通液性の悪化が本発明法では問題とならない。また、スラグ量そのものを低減することができる。
また、最高流動度付近の温度で成形すると炭材内装塊成化物の密度が高くなり、圧潰強度も高くなるので、搬送時、溶解炉装入時および竪型炉内での割れや粉化を抑制することができる。その結果、炭材内装塊成化物の製品歩留りが向上し、還元、溶解時の竪型炉内の通気性も良好となる。また、炭材内装塊成化物の密度が高くなると、粉鉱石と炭材との接触が密になり、還元されやすくなり還元時間が短くなる。したがって、本発明で使用する炭材内装塊成化物には、ギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である石炭を使用し、350〜550℃で熱間成形した炭材内装塊成化物を用いることが好ましい。
使用する石炭のギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である場合は、1℃/s以上の加熱速度で成形温度まで加熱し、350〜550℃で熱間成形することが好ましい。熱間成形時、成形温度までの石炭の昇熱速度が大きくなると軟化溶融性が向上するため、加熱速度は1℃/s以上の加熱速度で加熱する。特に、ギーセラー最高流動度logMFが1以下の場合は、加熱速度を規制することが、密度および圧潰強度の高い炭材内装塊成化物を得る上で重要なことである。したがって、本発明で使用する炭材内装塊成化物には、ギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である石炭を使用した場合は、1℃/s以上の加熱速度で加熱し350〜550℃で熱間成形した炭材内装塊成化物を用いることが好ましい。
さらに、使用する石炭のギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である場合は、1℃/s以上の加熱速度で成形温度まで加熱し、14700N/cm以上の成形圧で350〜550℃で熱間成形することが好ましい。炭材内装塊成化物は、熱間成形時に加圧成形することにより粉鉱石粒子間の空隙に溶融した石炭が十分に浸入し、粉鉱石同士が強固に連結したものとなる。成形圧が小さいと粉鉱石粒子間の空隙への溶融した石炭の浸入が不十分となり、密度および圧潰強度の高い炭材内装塊成化物を得ることができないので、熱間成形時の成形圧は14700N/cm以上とすることが好ましい。したがって、本発明で使用する炭材内装塊成化物には、ギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である石炭を使用し、1℃/s以上の加熱速度で加熱し、1470N/cm以上の成形圧で350〜550℃で熱間成形した炭材内装塊成化物を用いることが好ましい。なお、炭材内装塊成化物の大きさは20〜80mm径のものが好ましい。また、ギーセラー最高流動度はJIS M 8801ギーセラー流動度試験法に基づいて測定する。
なお、上記炭材内装塊成化物は、特開平11−92833号公報に詳細に開示してある炭材内装塊成化物の製造方法に基づいて製造することができる。
本発明においては、上記炭材内装塊成化物を添加する高炉原料中の焼結鉱の含有量を10質量%未満とする。焼結鉱の含有量を10質量%以上とすると、焼結鉱の還元粉化による高炉内における粉量増加の影響が無視できなくなるためである。また、本明細書においては、「ペレットを主体とする」とは、高炉原料中にペレットが50質量%以上含有されていることをいうものとする。ペレットおよび焼結鉱以外には、通常用いられる塊鉱石の他、非焼成塊成鉱、小粒コークス、還元鉄を含んでもよい。
そして、高炉原料と炭材内装塊成化物との合計質量に対する炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合を調整することにより、熱保存帯温度を690〜900℃、好ましくは690〜800℃の範囲に制御する。
ここで、熱保存帯温度を690〜900℃、好ましくは690〜800℃の範囲に制御する理由は以下のとおりである。
先ず、燃料比に及ぼす熱保存帯温度の影響について調査を行った。図2は、熱保存帯温度を変化させた場合における燃料比の変化をシミュレーション計算により求めた結果を示すものである。計算条件は、銑鉄生産量を10000トン/日(一定)、微粉炭吹き込み量を200kg/thm(一定)、シャフト効率を1.0(一定)とし、高炉原料としては、焼結鉱とペレットの配合率を質量%で50:50(一定)とし、炭材内装塊成化物は添加しない条件とした(なお、高炉原料中の焼結鉱の配合率が本発明の規定する範囲〔10質量%未満〕を外れているが、本シミュレーション計算においては、高炉原料中の焼結鉱やその他の原料の配合率が変化しても熱保存帯温度と燃料比との関係は実質上変化しないと考え、この配合率を代表の配合率として選択した)。図2に示すように、熱保存帯温度の低下とともにコークス比(CR)がほぼ直線的に低下し、微粉炭吹き込み量(微粉炭比PCR)を一定としていることから燃料比(FR=CR+PCR)もほぼ直線的に低下することがわかった。このように、燃料比の観点のみからは熱保存帯温度は低いほど好ましい。
しかし、コークス比を低下させすぎると、鉱石層厚/コークス層厚の比(Ore/Coke比)が増大し、高炉内の通気性が悪化し安定操業が維持できなくなる。したがって、高炉内の通気性を維持できる下限のコークス比約220kg/thmを確保するため、熱保存帯温度の下限は690℃とする。一方、熱保存帯温度の上限は、従来の高炉操業(熱保存帯温度:1000℃)に比較して燃料比の低減効果が約15kg/thm以上得られる900℃とし、燃料比の低減効果が約40kg/thm以上得られる800℃を推奨値とした(図2参照)。
また、ペレットを主体とする高炉原料に炭材内装塊成化物を添加したことにより、この装入物が高炉内に装入されると、比較的低温部から炭材内装塊成化物中において粉鉱石と炭材との間で直接還元反応が開始され、この反応の結果発生するCOガスがペレットの還元反応(間接還元反応)を促進させる。これにより、ペレットが炉内高温部に到達するまでにペレット内部まで十分にガス還元(間接還元)されるため、メタルシェル形成による還元停滞が防止される。したがって、ペレット内部の未還元酸化鉄(FeO)の残留量が減少してコークスとの直接還元吸熱反応も減少するため、上記熱保存帯温度の低下による燃料比の低減効果が減殺されることなく十分に発揮されることとなる。さらに、ペレット中の未還元酸化鉄(FeO)が減少したことにより、高炉内における軟化融着帯の幅が縮小し、安定操業が確保される。
熱保存帯温度を上記所定の範囲内に制御することは、高炉原料と炭材内装塊成化物との合計質量に対する炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合を調整することにより容易に達成できる。
ここで、表1および図1に、高炉原料と炭材内装塊成化物との合計質量に対する炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合(以下、RCという。)と熱保存帯温度(以下、TTRという。)との関係を示す。表1および図1に示すように、RCを増加させるとともにTTRが減少しており、RCを調整することによりTTRを所定温度に制御できることがわかる。
なお、表1および図1の関係は以下の示差熱実験により求めたものである。示差熱実験装置の概略を図3に示す。反応管内に、基準物質であるアルミナボールと、試料(高炉原料と炭材内装塊成化物との混合物)とを別個に充填した金属製のカゴを隣接してセットし、各充填層内には熱電対を挿入しておく。
ここに、高炉原料としては、質量割合で焼結鉱46%+ペレット54%を混合したものを用いた(なお、高炉原料中の焼結鉱の配合率が本発明の規定する範囲〔10質量%未満〕を外れているが、高炉原料中の焼結鉱やその他の原料の配合率が変化しても炭材内装塊成化物の反応には実質上影響を与えないと考え、この配合率を代表の配合率として選択した)。また、炭材内装塊成化物としては、表2および表3に示す粉鉱石および石炭を、質量割合でそれぞれ78%および22%で混合し、約20℃/sの加熱速度で昇温し約440℃に加熱した状態で約20000N/cmの成形圧で熱間成形したものを用いた。
そして、反応管ごと電気加熱炉で室温から1250℃まで5℃/min(一定)の昇温速度で昇温加熱しつつ反応管内に還元ガスを流通させる。還元ガス組成(容積%)は、室温から750℃までをN2:CO:CO2=50:25:25、750℃から1000℃までをN2:CO:CO2=50:37.5:12.5、1000℃から1250℃までをN2:CO:CO2=50:50:0とした。
そして、昇温加熱中の各充填層内の温度を熱電対により測定し、図4に例示するように、両者の温度差(示差熱)ΔTを基準物質であるアルミナボールの充填層の温度Tに対してプロットした。示差熱曲線の勾配が急激に低下し始める点Sの温度にて、炭材内装塊成化物内で直接還元吸熱反応が実質的に開始されたものと考え、この点Sの温度Tを熱保存帯温度とした。この示差熱実験を、試料中の高炉原料と炭材内装塊成化物との混合割合を種々変更して行い、各混合割合(すなわち各RC)における熱保存帯温度TTRを求め、表1および図1の関係を得た。
図1より、熱保存帯温度TTRを690〜900℃の範囲に制御するためには、RCを0.7〜22%の範囲で調整すればよく、好適な690〜800℃の範囲に制御するためには、RCを9〜22%の範囲で調整すればよいことがわかる。
なお、図1に比較例として、炭材内装塊成化物を用いない従来の高炉操業に相当する点を△印で、特許文献3の実施例(同文献の段落[0017]〜[0018]参照)に相当する点を□印でそれぞれ示した。△印および□印で示されるように、特許文献3の実施例では、従来の高炉操業に比べれば熱保存帯温度TTRが低下できたものの、炭材内装塊成化物の添加量が不十分であったため本発明の規定するRCの下限値(0.7)を下回り、このため熱保存帯温度TTRが950℃程度までしか低下せず、燃料比の低減効果は4kg/thmに留まっている。
本発明の効果を確認するため、高炉内における装入物の還元挙動を模擬する昇温荷重還元試験を実施した。
試料は、高炉原料としては、質量割合で焼結鉱50%+ペレット50%を混合したものを用いた(なお、高炉原料中の焼結鉱の配合率が本発明の規定する範囲〔10質量%未満〕を外れているが、高炉原料への炭材内装塊成化物の添加による効果の度合いは、高炉原料中の焼結鉱やその他の原料の配合率が変化しても、実質上影響を受けないと考え、この配合率を代表の配合率として選択した)。また、炭材内装塊成化物としては、上記示差熱実験で用いたものと同じ原料配合で同じ条件で製造したブリケットを用いた。なお、試料を充填する黒鉛坩堝の内容積の制約から、本実施例では、30mm×25mm×17mmの卵形のブリケットを約15mm×12.5mm×17mmの大きさに4分割して用いた。また、焼結鉱およびペレットは、それぞれ8.0〜11.2mmおよび約11mmのものを用いた。
本実施例で用いた試験装置の概略を図5に示す。底部に通気孔を設けた内径75mmの黒鉛坩堝内に、上記高炉原料とブリケットとを所定の配合割合で混合して層高約70mmに充填し、この充填層に98kPaの一定荷重を掛けた状態で、外熱式のヒータで昇温しつつ還元ガスを20L(標準状態)/minの一定流量で流通させた。昇温パターンおよび還元ガス組成は図6に示すとおりである。そして、還元試験中の充填層の圧力損失を連続的に測定し、その最高値を充填層の最大圧損とした。また、還元試験中に坩堝底部の通気孔から滴下した溶融物(以下、滴下物という。)を試験装置の下部に設置した試料受け皿で採取し、試験前における充填層の全鉄量(T.Fe)に対する採取した滴下物の質量割合をメタル滴下率とした。
上記高炉原料とブリケット(炭材内装塊成化物)の配合割合を種々変更して上記昇温荷重還元試験を行い、以下の結果を得た。
図7は、高炉原料と炭材内装塊成化物との合計質量に対する炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合RCと、試料層の最大圧損ΔPmaxとの関係を示すグラフ図である。同図から明らかなように、RCをRC=0質量%(すなわち、炭材内装塊成化物の配合率=0質量%)から増加させていくとΔPmaxは大きく低下してRC=8.8質量%(すなわち、炭材内装塊成化物の配合率=約50質量%)で最小値を示し、さらにRCを増加させていくとΔPmaxは上昇してRC=16〜17.5質量%(すなわち、炭材内装塊成化物の配合率=約90〜100質量%)においてRC=0質量%と同程度の高いΔPmaxの値に戻ることがわかった。
C=8.8質量%までのΔPmaxの低下は、充填層中への炭材の添加量の増加により、酸化鉄の還元が促進されて通気性阻害の原因となるFeO含有スラグの発生量が減少し、かつ、還元後のメタルへの浸炭が促進されてメタルの滴下が容易となったことにより充填層の通気性が上昇したためと考えられる。一方、RC=8.8質量%以上でのΔPmaxの上昇は、炭材が過剰となるために、酸化鉄の還元やメタルへの浸炭に用いられなかった余剰の炭素粉が充填層中に残存し、さらに、この炭素粉がメタル粒子同士の凝集を阻害してメタルの滴下を遅らせることにより充填層の通気性が低下したためと考えられる。
図8は、RCとメタル滴下率との関係を示すグラフ図である。同図から明らかなように、RCをRC=0質量%(すなわち、炭材内装塊成化物の配合率=0%)から増加させるとメタル滴下率は約60質量%から急激に上昇してRC=0.7〜8.8質量%(すなわち、炭材内装塊成化物の配合率=約4〜50質量%)の範囲で約80〜100質量%の高い値を示し、さらにRCを8.8質量%以上に増加させるとメタル滴下率は大きく低下してRC=13質量%(すなわち、炭材内装塊成化物の配合率=約74質量%)においてRC=0質量%と同程度の約60質量%に戻ることがわかった。
C=8.8質量%までのメタル滴下率の上昇は、充填層中への炭材の添加量の増加により、酸化鉄の還元および還元後のメタルへの浸炭が促進されてメタルの滴下が容易となったためと考えられる。一方、RC=8.8質量%以上でのメタル滴下率の低下は、炭材が過剰となるために、酸化鉄の還元やメタルへの浸炭に用いられなかった余剰の炭素粉が充填層中に残存し、メタル粒子同士の凝集を阻害してメタルの滴下を遅らせたためと考えられる。
以上の結果から、RC=0.7〜13質量%とすることにより、従来の炭材内層塊成化物を用いない操業(RC=0質量%)に比べて、メタル滴下率を上昇させることができるとともに、充填層の最大圧損ΔPmaxを低下させることができるので、より安定した高炉操業を実現でき、燃料比の低減効果がより確実に得られることがわかった。
特に、RC=9〜13質量%とすることにより、熱保存耐温度を約700〜800℃の範囲に制御することができるので(図1参照)、より安定した高炉操業を確保しつつ、さらに大きな燃料比の低減効果が得られる(図2参照)。
高炉原料と炭材内装塊成化物との合計質量に対する炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合と熱保存帯温度との関係を示すグラフ図である。 熱保存帯温度と燃料比との関係を示すグラフ図である。 示差熱実験装置の概略を示す縦断面図である。 示差熱曲線から熱保存帯温度を求める方法を説明するグラフ図である。 昇温荷重還元試験装置の概略を示す縦断面図である。 昇温荷重還元試験の昇温パターンおよび還元ガス組成を示すグラフ図である。 高炉原料と炭材内装塊成化物との合計質量に対する炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合RCと、試料層の最大圧損ΔPmaxとの関係を示すグラフ図である。 Cとメタル滴下率との関係を示すグラフ図である。

Claims (6)

  1. ペレット、焼結鉱、塊鉱石、非焼成塊成鉱、小粒コークスおよび還元鉄のうち、少なくともペレットおよび焼結鉱からなる高炉原料であって、焼結鉱の含有量が10質量%未満で、ペレットの含有量が50質量%以上である、ペレットを主体とする高炉原料に、粉鉱石と石炭との混合物を加熱して該石炭を軟化溶融させた状態で加圧成形して得られた炭材内装塊成化物を添加したものを、高炉に装入して行う高炉操業方法であって、
    前記高炉原料と前記炭材内装塊成化物との合計質量に対する前記炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合を調整することにより、熱保存帯温度を690〜900℃の範囲に制御することを特徴とする高炉操業方法。
  2. 前記高炉原料と前記炭材内装塊成化物との合計質量に対する前記炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合を0.7〜22%の範囲で調整する請求項1記載の高炉操業方法。
  3. 前記高炉原料と前記炭材内装塊成化物との合計質量に対する前記炭材内装塊成化物中の炭素質量の割合を0.7〜13%の範囲で調整する請求項1記載の高炉操業方法。
  4. 記炭材内装塊成化物が、粉鉱石とギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である石炭との混合物を、350〜550℃に加熱した状態で熱間成形したものである請求項1〜3のいずれか1項記載の高炉操業方法。
  5. 記炭材内装塊成化物が、粉鉱石とギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である石炭との混合物を、1℃/s以上の加熱速度で昇温し350〜550℃に加熱した状態で熱間成形したものである請求項1〜3のいずれか1項記載の高炉操業方法。
  6. 記炭材内装塊成化物が、粉鉱石とギーセラー最高流動度MFがlogMF>0.5である石炭との混合物を、1℃/s以上の加熱速度で昇温し350〜550℃に加熱した状態で14700N/cm以上の成形圧で熱間成形したものである請求項1〜3のいずれか1項記載の高炉操業方法。
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