JP6627469B2 - シャフト炉を用いた酸化鉄原料の還元方法 - Google Patents
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Description
還元粉化現象については、高炉における焼結鉱のそれに関してこれまでさまざまな研究がなされている。それによると、粉化はヘマタイト(Fe2O3)からマグネタイト(Fe3O4)に還元する際の体積膨張によって生じる内部応力に起因しており、焼結鉱では550℃付近の温度で顕著となることがわかっている(非特許文献3)。
また、還元反応の反応様式、つまり反応がトポケミカルに進行する場合は、反応界面が明確に認められ、粉化が抑制され、非トポケミカルに進行する場合は、ペレットの半径方向に還元反応が均質進行して、粉化を助長するとする報告もある(非特許文献4)。
R:酸化鉄原料の粒径(m)
ρp:酸化鉄原料の密度(kg/m3)
kw:単体の反応速度定数(m3/s/kg)
De,1:粒子内有効拡散係数(m2/s)である。
(1)式で定めるThiele数(φ)を求めるに際して、(2)式で定める有効係数:ηと(3)式で定める変形Thiele数:Φを導出し、(4)式を逆算することでThiele数:φを導出してもよい。
Φ:変形Thiele数
C1s:固体表面ガス濃度(mol/m3)
C1:反応界面ガス濃度(mol/m3)
rm:ガス反応速度(m3/s/kg)である。
(1)〜(4)式中のパラメータを(5)〜(10)式に従って導出してもよい。
τ:迷宮度(−)
DN:気孔拡散係数(m2/s)
DK1:クヌーセン拡散係数(m2/s)
D1:分子拡散係数(m2/s)
re:平均気孔径(m)
T:温度(K)
M:還元ガスの分子量(g/mol)
σ:気孔径の標準偏差(m)
y1:H2ガスのmol分率(−)
yi:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスのmol分率(−)
D1i:H2ガスとiの相互分子拡散係数(m2/s)
P:圧力(atm)
TC_1:H2ガスの臨界温度(K)
TC_i:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスの臨界温度(K)
PC_1:H2ガスの臨界圧力(atm)
PC_i:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスの臨界圧力(atm)
M1:H2ガスの分子量(g/mol)
Mi:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスの分子量(g/mol)
式(9)のn:3以上の自然数
直接還元による還元鉄製造法においては、還元ガス中に多量にH2を含むために、一般に焼結鉱より還元粉化しにくいペレット等でも還元粉化しやすくなる。このため、前述のように、MIDREX法で使用されるペレット等は、その還元粉化値が管理されている。しかし、還元ガス中に多量にH2が存在する条件でどのような操業因子が還元粉化値を抑制できるか、これまで明確でなかった。
固体触媒分野で反応様式を表す無次元数として、Thiele数:φが用いられている。固体表面上で関係するガス種が反応する機構は、触媒反応も本発明の対象とするペレットのガス還元においても同様である。従って、Thiele数:φによって還元反応の進行形態をうまく表現できることが合理的に期待される。実際、後述する実施例に示すように、Thiele数:φは反応様式と還元粉化量と強い相関関係があることがわかった。
Thiele数:φの計算方法は、一つに限定されるものではなく、例えば以下の方法を例示できる。Thiele数:φは式(1)から直接算出してもよい。
変形Thiele数を用いるφの計算方法においては、(2)式で定める有効係数:ηを用いてkwを消去することで、(3)式で定める変形Thiele数:Φを導出し、(4)式によりφを逆算することで導出する。
ペレットを画像分析することにより粒度分布として10.0〜15.0mmが得られたため、その算術平均値である12.5mmを酸化鉄原料の粒径:Rとした。密度:ρp、気孔率:ε、平均気孔径:re及び気孔径の標準偏差:σは水銀圧入法による気孔径分布測定の結果を用いて算出した。次に式(8)により迷宮度:τを計算した。還元ガスの組成及び気孔径分布測定の結果に基づき、式(9)(10)により分子拡散係数:D1、式(7)によりクヌーセン拡散係数:DK1、式(6)により気孔拡散係数:DN、式(5)により粒子内有効拡散係数:De,1をそれぞれ計算した。ガス反応速度:rmは、後述のように、還元試験により測定した試料の重量変化値を用いて実測した。ガス濃度:C1sは還元ガスの組成より、単位変換を行い導出した。
ガス反応速度:rmは実測試験を行い、還元前後の重量変化、または還元途中のガス分析値から計算することができる。試験温度は、還元粉化が発生しやすい実炉の炉上部の温度の測定値とするのが好ましい。またガス組成は、実炉の炉上部のガス組成の測定値に基づいて決定するのが好ましい。重量変化からガス反応速度:rmを求める式を(11)式に示す。
前述の変形Thiele数を用いる方法に準じてその他のパラメータを決定し、Thiele数:φが計算できる。
直接還元炉の操業にあたって、Thiele数:φ≧0.2を満たす操業方法を図2のフローチャートに示す。
(実施例)
さらに、本発明は、高炉法、特に、天然ガスを吹き込み、比較的水素濃度の高い還元ガスを使用する場合の高炉法にも有効である。また、酸化鉄原料としてペレットにとどまらず、すべての酸化鉄原料に合理的に拡張できる。具体的には、Fe2O3を主体とする鉄鉱石、又はその加工品である、(a)塊状鉄鉱石、(b)焼結鉱、及び/又は(c)粉状鉄鉱石を塊成化したブリケットを用いることができる。
Claims (4)
- シャフト炉を用いて酸化鉄原料を還元する還元方法において、
(1)式から算出されるThiele数(φ)が0.2以上となるように、
還元ガスのガス組成の調整及び/又は気孔率の大小に応じた酸化鉄原料の選定を行うことを特徴とする還元方法。
- シャフト炉を用いて酸化鉄原料を還元する還元方法において、
(3)式で定める変形Thiele数:Φを導出し、(4)式を逆算することで求めたThiele数:φが0.2以上となるように、
還元ガスのガス組成の調整及び/又は気孔率の大小に応じた酸化鉄原料の選定を行うことを特徴とする還元方法。
- (1)式中のパラメータを(5)〜(10)式に従って導出する請求項1に記載の還元方法。
:クヌーセン拡散係数(m2/s)、D1:分子拡散係数(m2/s)、re:平均気孔径(m)、T:温度(K)、M:還元ガスの分子量(g/mol)、σ:気孔径の標準偏差(m)、y1:H2ガスのmol分率(−) 、yi:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスのmol分率(−)、D1i:H2ガスと還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスとの相互分子拡散係数(m2/s)、P:圧力(atm)、TC_1:H2ガスの臨界温度(K)、TC_i:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスの臨界温度(K)、PC_1:H2ガスの臨界圧力(atm)、PC_i:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスの臨界圧力(atm)、M1:H2ガスの分子量(g/mol)、Mi:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスの分子量(g/mol)であり、式(9)のnは3以上の自然数である。 - (3)及び(4)式中のパラメータを(5)〜(10)式に従って導出する請求項2に記載の還元方法。
:クヌーセン拡散係数(m2/s)、D1:分子拡散係数(m2/s)、re:平均気孔径(m)、T:温度(K)、M:還元ガスの分子量(g/mol)、σ:気孔径の標準偏差(m)、y1:H2ガスのmol分率(−) 、yi:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスのmol分率(−)、D1i:H2ガスと還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスとの相互分子拡散係数(m2/s)、P:圧力(atm)、TC_1:H2ガスの臨界温度(K)、TC_i:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスの臨界温度(K)、PC_1:H2ガスの臨界圧力(atm)、PC_i:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスの臨界圧力(atm)、M1:H2ガスの分子量(g/mol)、Mi:還元ガスに含まれるH2ガス以外の各ガスの分子量(g/mol)であり、式(9)のnは3以上の自然数である。
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